第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当中間連結会計期間における当社グループを取り巻く環境は、雇用情勢や設備投資が緩やかに改善するなど回復傾向が続いていますが、金融資本市場の変動、エネルギー価格の高止まりや原材料高騰による物価上昇等により、将来的な見通しは不透明な状態が継続しております。

このような事業環境の中、当社グループはDXによって不動産ビジネスを変革し、デジタルとリアルを融合した唯一の不動産デジタルプラットフォーマーになるための取り組みを行っております。2014年9月に上場して以来、売上高は約6倍、営業利益は約15倍と大きく成長いたしました。2024年6月期の増収・増益の業績結果に伴い、中期経営計画の大幅な上方修正を行い、2025年6月期は、売上高532億円、営業利益35億円、2026年6月期は、売上高641億円、営業利益42億円の計画を立てております。

当中間連結会計期間において、主力の賃貸DXプロパティマネジメント事業は、管理戸数の増加を進めると同時に、次世代管理システム『AMBITION Cloud』により、管理受託や退去されるお部屋の物件募集までの生産性が向上したことに加え、人材投資が奏功し、リーシング力が向上した結果、サブリース入居率は97.1%と高水準で推移しております。売買DXインベスト事業は、子会社ヴェリタス・インベストメントの物件売却が上半期に集中したため、当社インベスト部においては下半期の売却に備え、中古物件の仕入れに注力いたしました。仕入は予定通り順調に推移しております。その他事業に属する不動産DX事業は、主に入居者DXアプリ『AMBITION Me』の開発を進め、入居者の満足度とエンゲージメントの向上、LTV(顧客生涯価値)の最大化を実現いたします。また、積極的なM&Aやアライアンスの推進も検討しております。

その結果、当中間連結会計期間の売上高は25,138,293千円(前年同期比31.3%増5,994,145千円増)、営業利益は1,806,230千円(前年同期比82.4%増815,897千円増)、経常利益は1,629,175千円(前年同期比83.0%増738,716千円増)、親会社株主に帰属する中間純利益は1,012,088千円(前年同期比89.1%増477,000千円増)となりました。

 

セグメントの業績は次の通りであります。

 

(賃貸DXプロパティマネジメント事業)

当事業は、主に住居用不動産の転貸借(サブリース)を行う当社グループ主力の事業で、管理戸数の増加及び高入居率の維持を基本方針としております。不動産賃貸管理に関わるあらゆる業務をDXする『AMBITION Cloud』により、業務効率化と生産性向上を実現しております。

当中間連結会計期間におきましては、管理戸数26,763戸(前年同期比1,241戸増)、サブリース管理戸数15,167戸(前年同期比711戸増)と順調に増加いたしました。当中間連結会計期間末時点のサブリース入居率は97.1%(前年同期末は96.4%)となりました。さらに、様々なDX施策によって管理コストのさらなる抑制に取り組んでおり、売上高・利益率共に大幅に増加しております。

その結果、売上高は10,312,634千円(前年同期比4.5%増445,844千円増)、セグメント利益(営業利益)は1,010,909千円(前年同期比21.2%増177,120千円増)となりました。

 

 

(賃貸DX賃貸仲介事業)

当事業は、当社の管理物件を中心に賃貸物件の仲介事業を行っております。子会社のアンビション・エージェンシー(『ルームピア』を運営)、及び同アンビション・バロー(『バロー』を運営)にて、都内8店舗、神奈川県8店舗、埼玉県1店舗の計17店舗を展開しております。当事業のリーシング力の高さが主力のプロパティマネジメント事業における高入居率(97.1%)の維持に貢献しております。

当中間連結会計期間におきましては、AI×RPAツール『ラクテック』の活用により、引き続き入力業務の人員抑制・反響数のアップに取り組んでおります。また、広告戦略の強化によるWEB集客、リモート接客・VR内見・電子契約など非対面サービスの強化などの集客施策を実行しております。また、広告戦略の強化によるWEB集客、リモート接客・VR内見やブロックチェーン(分散型台帳)技術を活用した当社独自の電子サイン『AMBITION Sign』による電子契約パッケージなどの非対面サービスの強化により、お部屋探しにおける顧客の体験価値向上を実現しております。一方、費用面におきましては広告宣伝費及び社員研修費等は継続しており、セグメント利益におきましては若干の改善となっております。

その結果、売上高は389,089千円(前年同期比8.2%増29,566千円増)、セグメント損失(営業損失)は63,617千円(前年同期は70,487千円のセグメント損失)となりました。

 

(売買DXインベスト事業)

当事業は、「立地」「デザイン」「設備仕様」にこだわった自社開発の新築投資用デザイナーズマンション販売を中心に展開する子会社ヴェリタス・インベストメント(以下、ヴェリタス)と、多様なルートからの物件仕入れ力により、立地を重視した分譲マンションのリノベーション販売を中心に展開する当社インベスト部で行っております。また当事業は、都内、首都圏を中心にした付加価値の高い物件の仕入れが、高単価物件の販売ならびに一件当たりの高い粗利益へとつながっております。

当中間連結会計期間におきましては、ヴェリタスは、自社開発物件の売出時期が集中したことにより、売却戸数は175戸(前年同期比36戸増)、当社インベスト部は、堅実にリスクを見据えた上での仕入れを強化したため、売却戸数は29戸(前年同期比19戸減)、合計での売却戸数は204戸となりました。

その結果、売上高は13,785,711千円(前年同期比63.6%増5,359,350千円増)、セグメント利益(営業利益)は2,013,818千円(前年同期比67.7%増813,197千円増)となりました。

 

(インキュベーション事業)

当事業は、当社グループと親和性の高い事業を行うベンチャー企業への投資、資本業務提携、投資先企業の支援などを子会社アンビション・ベンチャーズが行っております。

当第中間連結会計期間末時点では、31社のベンチャー企業に投資を行っております。当中間連結会計期間におきましては、新たに1社への投資を実行いたしました。当中間連結会計期間においては、売却を行っていないため、売上は計上しておりません。

その結果、セグメント損失(営業損失)は36,181千円(前年同期は12,163千円のセグメント損失)となりました。

 

(その他事業)

不動産DX事業(システム開発の海外子会社を含む)、少額短期保険事業、ZEH・ライフライン事業を総じて、その他事業としております。

不動産DX事業では、賃貸管理の次世代管理システム『AMBITION Cloud』を海外子会社のアンビションベトナムなどで開発し、社内のDX化を優先的に取り組んでおります。賃貸DX事業におけるDX化は、IT重説と『AMBITION Sign』(ブロックチェーン技術を活用した当社独自の電子サイン)との連携により、電子契約のパッケージ化を実現しております。また、入居者DXアプリ『AMBITION Me』は、入居・更新・退去に至るまでの様々なサービスを提供しており、オンライン診療の提供や、住まいのお役立ちサービス、生成AIを導入したFAQサービスの提供をしております。当社グループ初のBtoCマッチングサービスであるお部屋探しアプリ『ルムコン』は、引き続きユーザー数を増やしております。

少額短期保険事業では、当連結会計年度におきましても順調に新規契約を獲得するとともに、申込みから支払いまでペーパーレスで完結できる当社子会社開発システム『MONOLITH(モノリス)』によって当社グループのDX推進の一端を担っております。

ZEH・ライフライン事業では、蓄電池、太陽光発電、外壁塗装など電力創出・省エネルギー設備の営業を行うZEH(Net Zero Energy House)事業と電気・ガス提供会社の開設・切替の取り次ぎ、ウォーターサーバーなどの営業を行うライフライン事業を子会社の株式会社DRAFTにて行っております。

弊社管理物件の入居者や賃貸仲介の顧客に対しサービス提供を行うなど、賃貸DX事業とのシナジー効果を創出しております。

その結果、売上高は650,858千円(前年同期比33.1%増161,733千円増)、セグメント損失(営業損失)は6,461千円(前年同期は30,938千円のセグメント損失)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

当中間連結会計期間末の総資産は33,243,490千円となり、前連結会計年度末に比べ6,350,811千円増加いたしました。これは主に、販売用不動産2,862,960千円土地1,902,748千円、建物及び構築物が775,533千円増加し、差入保証金10,554千円営業未収入金6,271千円建設仮勘定5,141千円減少したことによるものであります。

負債合計は26,313,404千円となり、前連結会計年度末に比べ5,571,485千円増加いたしました。これは主に短期借入金3,211,900千円1年内返済予定の長期借入金2,113,895千円長期借入金160,296千円増加し、賞与引当金120,245千円未払法人税等58,057千円前受金40,570千円減少したことによるものであります。

純資産合計は6,930,085千円となり、前連結会計年度末に比べ779,325千円増加いたしました。これは主に利益剰余金754,860千円増加し、その他有価証券評価差額金3,242千円減少したことによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて263,089千円増加し、5,451,430千円となりました。

各活動区分別のキャッシュ・フローの状況及び主な要因は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,129,570千円の支出(前年同期は925,541千円の収入)となりました。主なプラス要因は税金等調整前中間純利益1,610,962千円、売上債権の減少151,789千円支払利息139,450千円であり、主なマイナス要因は、販売用不動産の増加1,955,795千円法人税等の支払額649,223千円、前払費用の増加251,448千円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、3,848,160千円の支出(前年同期は2,218,285千円の支出)となりました。主なマイナス要因は、有形固定資産の取得3,649,978千円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得207,200千円無形固定資産の取得57,061千円であり、主なプラス要因は、差入保証金の回収38,664千円、出資金の回収19,307千円、定期預金の払戻10,000千円があったこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、5,241,140千円の収入(前年同期は1,412,211千円の収入)となりました。主なプラス要因は、長期借入れ5,243,900千円、短期借入れ3,211,900千円であり、主なマイナス要因は、長期借入金の返済2,969,707千円があったこと等によるものであります。

 

(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(6) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。