第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期累計期間において、新たな事業等のリスクの発生又は有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当第3四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)業績の状況

 当第3四半期累計期間(平成28年4月1日から平成28年12月31日まで)におけるわが国経済は、政府の経済政策や日銀による金融政策による雇用情勢の改善から全体的に緩やかな回復基調で推移しました。一方で、米大統領選後の急激な円安や株高、また、新興国経済の減速や欧米諸国の経済情勢変化による各国経済への影響懸念など、依然先行きは不透明な状況で推移しました。

 当社が属する出版業界におきましては、依然として厳しい状況が続いております。出版科学研究所によると、平成28年の出版物の推定販売金額は、前年比3.4%減となる1兆4,709億円となりました。その内訳は、紙の「書籍」が同0.7%増となる7,370億円、「雑誌」は同5.9%減の7,339億円となっており、「雑誌」が特に厳しく、「雑誌」は「書籍」の売り上げを41年ぶりに下回る結果となりました。一方、電子出版物については、平成28年の売上高は1,909億円となり、前年比27.1%増となる大幅な成長を遂げております。

 こうした環境の中、インターネット発の出版の先駆者である当社は、「これまでのやり方や常識に全くとらわれず」、「良いもの面白いもの望まれるものを徹底的に追求していく」というミッションの下、インターネット時代の新エンターテインメントを創造することを目的とし、インターネット上で話題となっている小説・漫画等のコンテンツを書籍化する事業に取り組んでまいりました。また、出版事業を通して蓄積した自社IP(小説、漫画、キャラクターなど)を活かしたオリジナルゲームを開発・運用する事業等にも積極的に取り組んでまいりました。

 

 当第3四半期累計期間におけるセグメント別の業績は、次のとおりであります。

 なお、第1四半期会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較は、前年同四半期累計期間の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

 

① 出版事業

 出版事業におきましては、編集部員の増強及び当社ビジネスモデルの基幹となるWebサイトの強化により、当第3四半期累計期間における、出版点数は345点(前年同期比46点増)となり、着実に成果を上げることが出来ました。また、電子書籍専用端末やスマートフォン向けの電子書籍販売に対しても積極的に取り組むことで、新たな収益源の獲得にも努めてまいりました。

 しかしながら、第1四半期会計期間及び第2四半期会計期間において『ゲート』関連書籍の返本が発生し、収益を圧迫いたしました。加えて、ライトノベル市場への新規参入が活発化し、競争が激しくなってきたことなどにより、1タイトル当たりの発行部数が減少し、収益性が低下いたしました。
 以上により、当事業の売上高は1,964,875千円(前年同期比21.0%減)、セグメント利益は517,620千円(前年同期比46.1%減)となりました。

書籍のジャンル別概況は以下の通りであります。

 

1.ライトノベル

 当社の主力であるライトノベルの市場規模は、書籍市場が縮小傾向にあるにも関わらず、拡大傾向にあります。しかしながら、昨今では新規の参入が活発化し、他社から刊行される点数やレーベルともに増加傾向にあり、競争が激しくなってきました。

 その結果、当第3四半期累計期間において、刊行点数は175点と前年同期比18点増となりましたが、発行部数2万部を超える作品は13作品とやや軟調となり、売上高は前年同期を下回る結果となりました。

 

2.漫画

 当第3四半期会計期間では、『ゲート』関連書籍の返本が収束したことに加え、『ゲート』以外の漫画の売行きが好調であったことから、当第3四半期会計期間の売上高は、四半期ベースで過去最高の売上高となりました。

 将来の書籍化の基礎となるWeb連載漫画は堅調に推移しており、当第3四半期累計期間では、新たに20本のWeb連載(内、新シリーズ連載開始の2本含む)を開始し、当第3四半期会計期間末のWeb連載漫画本数は42本となりました。特に、当第3四半期会計期間において、新たに連載を開始した作品には『ダィテス領攻防記』など、最新話の更新日には、1日で4万アクセスを誇る作品(注)も含まれており、今後の更なる成長の布石を打つことができました。

 

 (注)Web連載漫画『ゲート』の場合、最新話の更新日には、1日で約5.5万人の読者が閲覧しております。

同タイトルを漫画として出版した場合、発行部数は約12万部となります。

 

3.文庫

 漫画と同様、当第3四半期会計期間では、『ゲート』関連書籍の返本が収束し、売上高は、徐々に回復してまいりました。しかしながら、ライトノベル市場では、相次ぐ新規参入により競争が激化していることから、単行本の廉価版として販売している文庫においても1タイトル当たりの発行部数が減少する傾向となりました。

 これらの結果、文庫全体の売上高は、前年同期を下回る結果となりました。

 

4.その他

 当第3四半期会計期間では、ビジネス書『他人力のリーダーシップ論』を刊行し、戦略的に強化を行っている「ビジネス」ジャンルからの刊行点数は、当第3四半期累計期間において4点となりました。一方で、ライトノベルと同様、競争環境は厳しくなってきていることから、全体的に収益性は低下いたしました。

 その結果、その他全体の売上高は、前年同期を下回る結果となりました。

 

② ゲーム事業

 平成28年2月にリリースいたしましたスマホアプリ『Re:Monster』については、年末商戦に絡めて大型のイベントを開催したことにより、着実な成果を上げることができました。また、株式会社ディー・エヌ・エーが運営する“スマホアプリをPCで遊べるプラットフォーム”『AndApp』への配信を決定する等、販路拡大に向けた取り組みも行ってまいりました。

 その一方で、平成28年10月にリリースいたしましたスマホアプリ『TEH NEW GATE』については、事前登録数及びリリース直後の反応は想定以上となりましたが、その後のユーザーの継続率や新規ユーザー獲得に苦戦をいたしました。今後は、魅力的な新規機能のリリースに加え、出版社直営だからこそ可能となるメディアミックスの効果を活かした効率的な広告活動を模索する等により、売上高の回復を図る計画です。

 平成28年4月に正式サービスを開始いたしましたPCブラウザゲーム『ワンモア・フリーライフ・オンライン』については、年末商戦に狙いを定めたイベントが好意的に受け入れられ、年末における売上高は期待以上となりました。しかしながら、ユーザー数や滞留率は徐々に低下してきており、当第3四半期累計期間における売上高は厳しいものとなりました。

 その結果、当事業の売上高は283,496千円(前年同期は計上なし)、セグメント損失は85,030千円(前年同期は9,768千円のセグメント損失)となりました。

 

 以上の活動の結果、当第3四半期累計期間の売上高は2,248,372千円(前年同期比9.6%減)、営業利益は169,636千円(同76.4%減)、経常利益は169,966千円(同76.4%減)、四半期純利益は107,053千円(同77.1%減)となりました。

 

(2)財政状態の分析

① 資産

 当第3四半期会計期間末の流動資産は、前事業年度末に比べ320,186千円減少し、4,616,036千円となりました。これは主に、売上高の減少に伴う売掛金の減少(前事業年度末比244,436千円減)に加え、法人税等の支払等に伴う現金及び預金の減少(前事業年度末比193,266千円減)によるものであります。

 固定資産は、前事業年度末に比べ7,662千円増加し、346,741千円となりました。これは主に、ゲーム等のソフトウェア制作費を計上したことにより無形固定資産が増加(同12,998千円増)したことによるものであります。

 

② 負債

 当第3四半期会計期間末の流動負債は、前事業年度末に比べ392,868千円減少し、992,147千円となりました。これは主に、法人税等の支払いに伴う未払法人税等の減少(前事業年度末比250,411千円減)及び、売上高の減少に伴う返品調整引当金(前事業年度末比60,242千円減)、及び未払金(前事業年度末比63,107千円減)の減少によるものであります。

 固定負債は、前事業年度末に比べ26,709千円減少し、51,208千円となりました。これは全て、借入金の返済に伴い長期借入金が減少したことによるものであります。

 

③ 純資産

 当第3四半期会計期間末の純資産は、前事業年度末に比べ107,053千円増加し、3,919,422千円となりました。これは全て、四半期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加によるものであります。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 該当事項はありません。