(1)経営方針
当社グループの経営理念は「仕濾過事(ろかじにつかふる)」であります。
この理念は、フィルタビジネスを通じ広く社会(ステークホルダー)に貢献することであり、この理念の実現に向けた取り組みを通じ企業価値を最大化することであります。
この企業価値を最大限にするために、当社グループでは以下の三つの規範(経営姿勢、使命、行動指針)を掲げております。
第一は、お客様の満足度を最優先に考える「経営姿勢」であります。当社グループはお客様と一体となり高品質で高付加価値の製品を開発提案することによりお客様に満足いただけるよう最大限の努力をしてまいります。
第二は、フィルタ業界では世界で唯一のろ材の自社開発から製造販売に至る一貫生産体制により、常に一歩先を行く製品の研究開発を通じ付加価値の高い製品をお客様のニーズにタイムリーに提案することでお客様に最適なサービスを提供することを最大の「使命」と考えております。
第三は、常に高い目標に挑戦し、労を惜しまず誇りと品格を持ち誠実な行動と成果を追求し続けることが当社グループの「行動指針」であります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、企業価値の向上を最終的な目的として資本・資産効率を意識した経営を推進すべく、自己資本当期純利益率(ROE)、純資産利益率(ROA)、及び投下資本利益率(ROIC)等を経営指標として採用しております。
当社グループとしては、上記の指標のうち、ROEを特に重視しており、当該指標の当期の実績は7.6%(※)となっております。また、平成31年3月期の当該指標は9.0%を目標としております。
※ 平成30年1月12日発行の新株予約権の行使による増資を当連結会計年度の期首に実施したと仮定して算定しております。なお、当該仮定を考慮しない場合のROEは10.6%であります。
(3)当社グループを取り巻く経営環境
当社グループの主要市場である油圧ショベルを中心とした建設機械市場の動向は、日本では、堅調な企業収益を背景に、設備投資は増加基調に推移するなど、景気回復が継続し、需要は前年を上回りました。北米では、堅調な住宅着工件数の推移を受け、需要の増加が継続し、欧州でも需要は堅調に推移しました。中国では、インフラ投資の拡大に伴う建設機械の大幅な需要の増加が継続し、東南アジアでは、インドネシアを中心に需要は全体で増加しました。
(4)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題
当社グループは、中長期的な目標として「建設機械フィルタの専門メーカから総合フィルタメーカへの飛躍」を掲げ、次に掲げる課題に重点的に取り組んでまいります。
建機用フィルタについては、当社グループの強みである油圧ショベルの作動油回路用フィルタ製品に加え、燃料用フィルタ、エンジンオイル用フィルタといった新製品の開発に積極的に取り組み、あわせてICT(情報通信技術)やIoT(Internet of Things)による高機能化や高付加価値化を進め、新サービスを展開するための技術開発を行っております。また、建機用フィルタ市場における補給部品の販売は、当社グループの重要な収益ドライバーとなっており、今後も継続的に強化・促進いたします。これらの取り組みにより、フィルタ製品のラインナップの充実を図ることで建設機械メーカの顧客満足度と信頼度を高め、当社製品の需要を高めてまいります。
また、工作機械などの産業機械向けには作動油・潤滑油用フィルタなどの市場分野において、また生産工程で使用される製造プロセス向けには洗浄・飲料用フィルタなどの市場分野において、既存製品で培った当社グループ独自の技術・開発力のみならず、新素材であるナノファイバーの量産化技術をベースにした新事業領域への参入や、M&Aなどによる外部資源の活用を通じて、事業分野の拡大・新顧客の開拓に積極的に取り組んでまいります。
顧客ニーズに柔軟に応えるためには、納期対応力と価格競争力を向上させることが重要であると考えております。当社グループでは、グローバルな視野で販売、生産、開発及び物流拠点の最適化を図ることでサプライチェーンを強化し、主要市場における品質管理・保証体制を踏まえたグローバルな製品供給機能、生産機能及び開発機能の適切な連携体制を整備することで収益性の改善を図ってまいります。
当社グループは、日本・欧米・アジア地域に販売会社、アジア地域に生産会社及び開発会社を子会社として擁し、グローバルに事業展開しておりますが、今後はより一層海外拠点の重要性が増すと考えております。このため、当社グループでは、日本国内のみならず海外拠点を含めたグループ全体の経営管理体制を担う有用な人材を育成・確保すべく、ダイバーシティ(人材の多様性)を踏まえた人材採用育成プログラムを新たに策定し、次世代の人材力強化に取り組んでまいります。
当社グループの持続的成長と中期的企業価値の最大化を図るためには、コーポレート・ガバナンスの強化が重要であると考えております。
当社グループは、牽制機能の強化等による業務執行の適切な監督を行うことで経営の透明性と質の向上を図り、アカウンタビリティ(説明責任)をより明確にするよう努めてまいります。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上の重要なリスクとは考えていない事項についても、投資者の投資判断上あるいは当社グループの事業を理解する上で重要と考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、以下の記載内容及び将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループの事業活動は、平成30年3月期において、建設機械市場向け売上高が約9割を占めており、中長期の事業展開も当該売上高の割合が高く推移するものと計画しております。当社グループは、景気停滞、公共投資低迷などの原因による建設機械メーカ各社の業績が悪化した場合、または当社グループの強みである作動油フィルタに対する建設機械の構造革新や油圧動力に替わる新たな技術革新などが起きた場合には、建機用フィルタの売上高が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループ製品の主要市場である油圧ショベル市場は、中長期的には、新興国での市場の拡大を予測しております。
新興国市場においては、模倣品や廉価品の台頭が予想され、当社グループでは、継続して日系大手の建設機械メーカを中心に純正部品として建機用フィルタ及び関連部品を安定供給することに努めます。しかしながら、今後、新興国において競合他社の模倣品・廉価品の販売が伸長した場合には、建機用フィルタの売上高が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、生産拠点を日本及びフィリピンに擁し、販売拠点を日本・アメリカ・ベルギー・タイ及び中国に擁しております。
当社グループの原材料調達、販売等の営業活動、海外事業等による外貨建資産及び負債は、為替レート変動の影響を受ける恐れがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、運転資金を主に金融機関からの借入金等で調達しており、当連結会計年度末(平成30年3月31日)時点における有利子負債は7億50百万円(リース債務含む)で総資産に対する有利子負債依存度は3.6%となっております。今後の市場金利の動向によっては、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業活動は、各国の政策動向やその国固有の規制等の影響を受けており、今後、当社グループが事業展開するにあたって、新たな関税、通貨規制、税制度等が導入された場合には、これらの対応コストの発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの製品原価に占める部品・資材の割合は大きく、その調達は素材市況の変動に影響を受けます。部品・資材価格の高騰は、当社グループの材料費を増加させ、製造原価の増加をもたらします。
また、部品・資材の品薄や調達先の倒産あるいは生産打ち切りにより、適時の調達・生産が困難になり、生産効率が低下する可能性があります。材料費の増加については他の原価低減や販売価格の見直しによって対応し、また適時の調達・生産の問題については関係部門の連携を密にすることによってこれらの影響を最小限に抑えることに努めております。しかしながら、予想を大きく上回る素材価格の高騰や供給の逼迫が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業活動は、平成30年3月期において、建設機械市場向け売上高が約9割を占めており、その殆どがOEM(注)製品です。当社グループの建設機械市場向け製品の販売は、最終顧客に接する販売代理店への直接販売は行わず、建設機械メーカを経由して販売する方法を採用しており、建設機械メーカの生産計画及び部品の販売計画が当社の生産計画に影響を及ぼす構造になっております。
当社グループは、建設機械メーカと定期的に情報交換するなど市場動向、生産計画及び部品の販売計画等の最新情報を入手し、在庫が適正水準を維持できるように常に監視・分析しておりますが、建設機械メーカからの急な発注数量の変更や納期の調整などにより、在庫を過剰に保有する可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(注) 製造委託者のブランドで製品製造を行うこと。
当社グループは、グループ内において品質管理体制を整え、厳格な品質基準に基づく製品の製造をしております。しかしながら、当社グループが顧客に納入した製品について、顧客の要求規格及び仕様等を充足しなかった場合又は不適合が生じた場合には、重大な品質クレームを引き起こす可能性があります。
大規模なクレームの発生や製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより販売が縮小し、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、開発・生産・販売等の拠点を海外に設けグローバルに事業を展開しております。また、生産の拠点については日本・フィリピンに設けており、平成30年3月期において、その生産の約9割(生産数量比)をフィリピンに集約しております。これらの拠点において、地震・水害等の自然災害、戦争・テロまたは第三者による当社グループに対する非難・妨害などが発生するリスクがあります。当社グループでは、一定規模の災害等を想定した、リスク対応施策を講じておりますが、こうした自然災害等により、短期間で復旧不可能な莫大な損害を被り、部品・資材の調達、生産活動、製品の販売及びサービス活動に遅延や中断が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業活動において、顧客情報に接することがあり、また営業上・技術上の機密情報を保有しております。これらの各種情報の取り扱い及び機密保持には細心の注意を払っており、不正なアクセス、改ざん、破壊、漏えい及び紛失などから守るために管理体制を構築するとともに、合理的な技術的対策を実施するなど、適切な安全措置を講じております。
しかしながら、万が一、情報漏えい等の事故が起きた場合には、当社グループの評価・信用に悪影響を与えるなどのリスクがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが開発した独自技術等は、特許権等の取得により、知的財産権の保護を行っております。しかしながら、特定の地域では当社グループの知的財産権が完全に保護されない場合があり、第三者が当社の製品と類似した製品を製造、販売することにより、当社グループが損害を受ける可能性があります。
また、製品開発においては、第三者が保有する権利をチェックすること等によって、第三者の知的財産権を含む権利侵害を行わないように努めております。しかしながら、当社グループが第三者から知的財産権等の帰属や侵害に関する主張や請求を受ける可能性は完全には否定できず、それに伴い当社グループが損害賠償請求や差止請求を受けた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業活動にあたっては、内部統制を強化し、法令遵守、社会道徳遵守を含めたコンプライアンスの強化、各種リスクの低減に努めると共に、必要に応じて弁護士等の外部専門家の助言等を受けております。
しかしながら、事業活動にあたっては、法令などの違反の有無にかかわらず訴訟を提起される可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、本報告書提出日現在において係争・紛争は発生しておりません。
当社は、「東京機器厚生年金基金」に加入しておりますが、同基金は平成27年12月1日開催の代議員会決議に基づき、厚生労働大臣に対し基金解散に係る認可申請を行い、平成28年3月25日をもって基金解散の認可を受けました。同基金の残余財産の確定までは相当の期間を要することから、現時点では解散に伴う費用等の金額を合理的に見積もることができませんが、残余財産の確定額の如何によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)における当社グループの主要市場である油圧ショベルを中心とした建設機械市場においては、日本では、堅調な企業収益を背景に、設備投資は増加基調に推移するなど、景気回復が持続し、需要は前年を上回りました。北米では、堅調な住宅着工件数の推移を受け、需要の増加が継続し、欧州でも需要は堅調に推移しました。中国では、インフラ投資の拡大に伴う建設機械の大幅な需要の増加が継続し、東南アジアでは、インドネシアを中心に需要は全体で増加しました。
このような環境の中、当社グループは、経営戦略上の中期的な目標として「建設機械フィルタの専門メーカから総合フィルタメーカへの飛躍」を掲げ、中期的な視野に立った成長投資のため、①新素材の開発・製品化、及び拠点集約による研究開発体制の効率向上のための研究開発拠点の新設に係る土地・建物購入投資、②既存事業及び新素材開発・製品化に係る、生産設備、研究開発設備等への設備投資、並びに③将来のM&Aを含む資本・業務提携等のための増資を決議し、92億22百万円の資金調達を実施いたしました。
当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)においては、当社グループの強みである油圧ショベルの作動油回路用フィルタ製品を主軸に、フィルタ製品のラインナップの充実を図り、建設機械メーカの需要拡大に努めました。また、中国・アジア市場においては、補給部品の純正率向上に建設機械メーカと共同で取り組み、純正部品の採用率向上に努めました。更には、前期より引き続き、利益創出体制の確立を企図した全社的プロジェクトである「Project PAC 17」を立ち上げ、同プロジェクトを着実に遂行することで収益性の改善を実現し、企業価値の向上を図りました。
以上の結果、売上高は131億68百万円(前年同期比31.6%増)となり、営業利益は19億10百万円(前年同期比99.5%増)、経常利益は18億24百万円(前年同期比95.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億49百万円(前年同期比95.2%増)となりました。
当連結会計年度末における当社グループの財政状態については、総資産は207億65百万円(前連結会計年度末比104.4%増)となり、負債は37億66百万円(前連結会計年度末比7.4%増)となり、純資産は169億99百万円(前連結会計年度末比155.5%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末より94億85百万円増加し、115億85百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、10億63百万円(前年同期は得られた資金9億52百万円)となりました。
その主な内訳は、税金等調整前当期純利益18億55百万円、減価償却費の計上3億3百万円、仕入債務の増加4億40百万円があった一方、売上債権の増加8億94百万円、たな卸資産の増加3億36百万円があったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1億12百万円(前年同期は使用した資金18億89百万円)となりました。
その主な内訳は、有価証券の売却による収入2億円、投資有価証券の売却による収入3億80百万円があった一
方、有形固定資産の取得による支出6億1百万円、無形固定資産の取得による支出2億24百万円があったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、85億7百万円(前年同期は使用した資金6億34百万円)となりました。
その主な内訳は、株式の発行による収入91億84百万円があった一方、長期借入金返済による支出3億円、社債の償還による支出2億円、配当金の支払額1億73百万円があったこと等によるものです。
(生産、受注及び販売の状況)
当社グループはフィルタ製品の製造・販売を主たる事業としており、単一セグメントのため事業品目別に記載しております。
当連結会計年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。なお、生産実績については、品目の共通原材料及び共通部品が含まれるため、品目ごとに金額を記載しておりません。
|
事業品目の名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
フィルタ |
8,585,170 |
137.2 |
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは、建設機械市場の活況に伴い、当社製品の需要が増加したことによるものであります。
当連結会計年度の受注状況を事業品目ごとに示すと、次のとおりであります。
|
事業品目の名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
建機用フィルタ |
12,093,790 |
130.2 |
1,982,774 |
119.6 |
|
産業用フィルタ |
534,539 |
107.8 |
102,401 |
108.4 |
|
プロセス用フィルタ |
877,692 |
106.0 |
90,927 |
105.1 |
|
合計 |
13,506,022 |
127.3 |
2,176,103 |
118.4 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の販売実績を事業品目ごとに示すと、次のとおりであります。
|
事業品目の名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
|
|
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
建機用フィルタ |
11,768,223 |
135.2 |
|
産業用フィルタ |
526,608 |
110.8 |
|
プロセス用フィルタ |
873,239 |
105.6 |
|
合計 |
13,168,071 |
131.6 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
CATAPILLAR INC. |
1,062,043 |
10.6 |
1,468,960 |
11.2 |
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り及び予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループへの影響としては、特定市場への依存や他社との競合など経済状況の変動を含め、様々な要因が挙げられます。詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、認識しております。これらのリスクについては発生の回避及び発生した場合にはその対応に努める所存です。
当連結会計年度において、売上高は131億68百万円(前年同期比31.6%増)、営業利益は19億10百万円(前年同期比99.5%増)、経常利益は18億24百万円(前年同期比95.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億49百万円(前年同期比95.2%増)となりました。経営成績に重要な影響を与えた要因は、次のとおりであります。
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、主要市場のインフラ投資の拡大に伴う需要の増加などにより、131億68百万円(前年同期比31.6%増)となりました。
② 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、41億63百万円(前年同期比18.8%増)となり、前年同期に比べ6億58百万円増加しました。これは主として、売上増加による販売費の増加によるものです。
③ 営業外損益
当連結会計年度の営業外収益は、受取利息及び受取配当金の減少などにより、18百万円(前年同期比26.0%減)となりました。
営業外費用は、株式交付費及び為替差損の増加などにより、1億4百万円(前年同期比117.3%増)となりました。
④ 特別損益
当連結会計年度の特別利益は、投資有価証券売却益の計上により34百万円となりました。
特別損失は、固定資産除売却損の計上により、3百万円(前年同期比48.6%増)となりました。
当連結会計年度末における総資産は207億65百万円(前年同期比104.4%増)となりました。これは主に、現金及び預金が増加したことによるものです。負債は37億66百万円(前年同期比7.4%増)となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加によるものです。純資産は169億99百万円(前年同期比155.5%増)となりました。これは主に、資本金及び資本剰余金の増加によるものです。
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より94億85百万円増加し、115億85百万円(前年同期比451.6%増)となりました。
なお、各キャッシュ・フローの状況と増減につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (経営成績等の状況の概要) (2) キャッシュ・フロー」に記載しております。
② 資金需要
資金需要の主なものは、製品製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用に係わる運転資金と設備投資資金です。これらの資金需要に対し、主として金融機関からの借入により調達することとしております。なお、当社は運転資金の効率的な調達を行うため、メイン銀行他2行と、シンジケートローン方式によるタームローン契約(総額15億円)を締結しております。
当社グループは、フィルタ性能を決定するろ材の開発から生産、販売まで一貫して行うことで、顧客要望に合わせた製品開発をスピーディーに提供し競争優位を実現すること、先進国での販売市場の拡大、新興国市場に対しての積極的参入・深耕、純正率の向上を訴求することにより収益基盤の安定化に努めております。今後の見通しとしては、中長期的に成長が期待できる建機用フィルタ市場を中心に販売戦略を展開するとともに、今後更に高まる環境技術への対応として、ろ材の構造、材質、最適機能の調査・研究を展開することにより、更なる成長戦略を進めてまいります。
当社グループは、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案し、企業価値を最大限に高め、強固な企業体質を確立すべく努めております。具体的には「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、顧客の様々な仕様に合わせたフィルタ製品に対して、品質はもとより要求されるスピードに対応できる信頼性と顧客満足を獲得することを目指して行っております。特に当社グループでは、フィルタ製品の心臓部に当たるフィルタエレメントに使用される「ろ材」の独自開発を行っており、多種多様な用途で使用されるフィルタ製品を顧客ニーズに即応できる製品開発を行っております。
当社グループの研究開発体制につきましては、当社では「ろ材」及び構成部品の研究・開発を行っており、子会社であるYAMASHIN FILTER(SIP) TECHNOLOGY INC.では製品評価試験業務などを行っております。
当社グループは、建機用フィルタについては、油圧ショベルの作動油回路用フィルタ製品に加え、燃料用フィルタやエンジンオイル用フィルタ製品などの開発にも積極的に取り組み、合わせてICT(情報通信技術)やIoT(Internet of Things)による高機能化や高付加価値化を進め、新サービスを展開するための技術開発を行っております。産業用フィルタについては作動油・潤滑油用フィルタなどの市場分野において、また、プロセス用フィルタについては洗浄・飲料用フィルタなどの市場分野において、既存製品で蓄積したノウハウを活用し、製品開発を行っております。
フィルタろ材開発において、使用される状況や捕獲したゴミに応じて最適な性能を発揮するために、ろ材構造や材質に対する研究活動を行っております。具体的には、ガラス繊維を中心に、異なる繊維形状(太さや密度)を組み合わせた多層ろ材開発など、既に様々な当社製品に展開されております。今後は、より高度な市場の要求や課題解決を可能にするろ材開発を積極的に進めてまいります。
併せてフィルタ開発のみならず、現在では油圧回路内を循環する作動油の汚染度をリアルタイムに測定できるセンサ開発とフィルタの目詰まりを把握する圧力センサ開発を進めております。作動油の汚染度情報をリアルタイムに把握することは、油圧機器の故障予防・予知の観点からも非常に重要であり、尚且つフィルタ交換に関する最適寿命を予測することで、正確な純正率の把握と純正品を使用するメリットのユーザへの遡及につながると考えております。
さらに、当社グループは、経営戦略上の中期的な目標として「建設機械フィルタの専門メーカから総合フィルタメーカへの飛躍」を掲げており、当連結会計年度におきまして、従来の天然系素材のガラス繊維ろ材に代わる新ろ材として、「合成高分子系ナノファイバー」の全く新しい量産化技術の確立に成功いたしました。「合成高分子系ナノファイバー」は、天然素材のガラス繊維に比し繊維径がきわめて細くまた、繊維長の調整が可能であることから、ろ材として非常に優れた特性を有する素材であり、これを次世代ろ材に使用することで、①不純物のより効果的なろ過、②油圧システム内の作動油の循環効率の向上及び③フィルタの交換サイクルの長期化が可能となります。この他社製法とは差別化された「合成高分子系ナノファイバー」の当社独自製造技術による「ろ材」が製品化された場合には当社グループの収益拡大に大きく寄与するものと考えており、将来的には、建設機械のみならず、不燃材として建材への活用や電気自動車向けの断熱・吸音材、衣料やライフサイエンスなど様々な分野に応用することを検討しております。
当社グループでは、当社独自製造技術に基づく「合成高分子系ナノファイバー」の製品化に向けた研究開発を今後進めることにより、既存事業の更なる高付加価値化及び競合他社との差別化を図るとともに、新素材技術の活用による新規事業領域への進出にも積極的に取組んでまいります。
これらの結果、当連結会計年度における研究開発費は2億50百万円となりました。