第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、
投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある以下の事項が発生したため、前事業年度の有価証券報告書に記載し
た事業等のリスクについて、以下に記載の「M&A、業務提携について」を追加いたしました。
 なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであり
ます。

 

M&A、業務提携について

当社グループは、今後の業容拡大等においてM&A及び業務提携戦略は重要かつ有効であると認識しております。
M&Aや業務提携を行う場合においては、対象会社を慎重に検討し、対象会社の財務内容や契約関係等について詳細
なデューデリジェンス(Due diligence)(注)を行うことによって、極力リスクを回避するように努める方針とし
ておりますが、事前に買収・提携成立後に偶発債務の判明等、不測の事態が発生する可能性を完全には防止できま
せん。また、のれんが発生する場合はその償却額を超過する収益力が安定的に確保できることを前提としておりま
すが、買収後の事業環境の変化等により買収当初の事業計画遂行に支障が生じた場合は、当該のれんに係る減損損
失等の損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(注)デューデリジェンス(Due diligence):M&Aなどの取引に際して行われる、対象企業の法務・財務・ビジネ
ス・人事・環境などを含めた総合的な資産評価に係る調査活動のことであります。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当社グループは、経営戦略上の中長期的な目標として「建設機械フィルタの専門メーカから総合フィルタメーカへの飛躍」-Yamashin Paradigm Shift- を掲げ、中期的持続的成長を実現するために、次に掲げる課題に重点的に取り組んでまいります。

① 事業ポートフォリオの拡大
 建機用フィルタについては、当社グループの強みである油圧ショベルの作動油回路用フィルタ製品に加え、燃料用フィルタ、エンジンオイル用フィルタ、トランスミッション用フィルタ等の製品ラインナップの拡充強化に積極的に取り組み、あわせてICT(情報通信技術)やIoT(Internet of Things)による高機能化や高付加価値化を進め、新サービスを展開するための技術開発を行っております。また、建機用フィルタ市場における補給部品の販売は、当社グループの重要な収益ドライバーとなっており、今後も継続的に強化・促進いたします。これらの取り組みにより、フィルタ製品のラインナップの充実を図ることで建設機械メーカの顧客満足度と信頼度を高め、当社製品の需要を高めてまいります。更には、当社グループが確立した「合成高分子系ナノファイバー」の量産化技術を軸に事業ポートフォリオの拡大、M&Aによる新規事業分野への進出を加速させることで、建機用フィルタに依存しない次世代の成長の柱の構築に積極的に取り組んでおります。

② 収益性の改善
 顧客ニーズに柔軟に応えるためには、納期対応力と価格競争力を向上させることが重要であると考えております。当社グループでは、利益創出体制の確立を企図した全社的プロジェクトである「Project PAC 19」を立ち上げ、グローバルな視野で販売、生産、開発及び物流拠点の最適化を図ることでサプライチェーンを強化し、主要市場における品質管理・保証体制を踏まえたグローバルな製品供給機能、生産機能及び開発機能の適切な連携体制を整備することで収益性の改善を図ってまいります。

③ 人材の育成強化
 当社グループは、日本・欧米・アジア地域に販売会社、アジア地域に生産会社及び開発会社を子会社として擁し、グローバルに事業展開しておりますが、今後はより一層海外拠点の重要性が増すと考えております。このため、当社グループでは、日本国内のみならず海外拠点を含めたグループ全体の経営管理体制を担う有用な人材を育成・確保すべく、ダイバーシティ(人材の多様性)を踏まえた人材採用育成プログラムを新たに策定し、次世代の人材力強化に取り組んでまいります。

④ ガバナンスの更なる充実
 当社グループの持続的成長と中期的企業価値の最大化を図るためには、コーポレート・ガバナンスの強化が重要であると考えております。当社グループは、ガバナンス、コンプライアンス研修の拡充やフェアディスクロージャーを踏まえた情報管理の徹底等の取り組みを継続して実施するとともに、牽制機能の強化等による業務執行の適切な監督を行うことで経営の透明性と質の向上を図り、アカウンタビリティ(説明責任)をより明確に果たすよう努めてまいります。

 

a.当第3四半期連結累計期間の概況 

 当第3四半期連結累計期間中(2019年4月1日~2019年12月31日)、当社グループの主要市場である油圧ショベルを中心とした建設機械市場においては、日本では2019年10月に発生した台風19号の影響により主要得意先の生産に大きな影響が出たものの、公共投資や設備投資は増加基調が継続し、需要は全体では前年並みに推移しました。北米では、米中貿易摩擦については部分合意がなされる等、短期的には沈静化が図られており、需要は堅調に推移しました。欧州では、英国のEU離脱問題がいったん収束に向かったことにより不透明感は払拭されておりますが、需要は若干減少しました。中国では、景気減速が伝えられる中、政府主導による公共事業投資により建機需要は下支えされており、2020年12月以降予定される第4次環境規制対応に向けた新車の駆け込み需要等が見込まれ、新車販売台数については過去最高を記録しております。このような市場環境を背景に、中国系建機メーカの市場占有率拡大が継続し、その結果、当社の主要得意先各社の市場占有率は大幅な縮小を余儀なくされております。東南アジアでは、一部地域での政情不安定感が残るものの、インフラ整備に伴う潜在的な需要には堅調さが見られます。なお、2019年12月以降発生した新型肺炎の急速な拡大により、中国政府は春節の連休延長を発表するなど中国国内のみならず周辺各国の物流、生産等への影響が出始めており、今後の状況によっては、世界経済への影響も危惧されております。

 

このような環境の中、当第3四半期連結累計期間(2019年4月1日~2019年12月31日)において、当社グループは、既存ビジネスである建機用フィルタ事業においては、当社の強みである油圧ショベルの作動油回路用フィルタ製品を主軸に、新素材やIoT技術を活かしたフィルタ製品のラインナップの充実を図り、純正部品の採用率向上に努めました。とりわけ、世界最大の建機市場である中国市場においては、中国系建機メーカへのリターンフィルタを主軸とした当社製品の新規採用に向けた取り組みを強化しており、その採用実績は増加しております。また、もう一つの大市場である北米市場においては、当社の主要製品であるリターンフィルタ製品に加え、燃料用、トランスミッション用フィルタ等の新規採用活動についても大きな進展を見せております。更には、当社が独自に開発した合成高分子系ナノファイバーを使用したロングライフのフィルタ製品やタンク内の気泡を除去するエアレーション技術、フィルタの汚染度や交換頻度を感知するセンサ技術を搭載したフィルタ製品の主要得意先への積極的な提案を実施しております。このように、当社の中国系建機メーカへのシェア拡大並びに既存主要得意先への当社製品の採用拡大に向けた取り組みは着実な進捗を見せており、来期以降の当社建機用フィルタビジネスに更なる成長が見込まれます。

 

 また、当社グループは主力事業の建設機械用油圧フィルタ事業に加え、2019年8月23日付でエアフィルタ事業会社である株式会社アクシーを傘下に加え、当社の合成高分子系ナノファイバー技術を活用した新商品の開発による新規事業領域への積極的な参入を進めております。株式会社アクシーについては、当社の第2の事業セグメントであるエアフィルタ事業の基幹会社として、当第3四半期連結累計期間より当社グループの連結業績に寄与しております。
 なお、2020年1月28日開催の臨時取締役会において、エアフィルタ事業の中期的成長のための生産規模拡張及び応用技術開発拠点の取得による迅速な製品化の実現を目的とし、株式会社アクシーの新社屋及び新工場の取得を決議いたしました。当該物件の取得、工場移転により株式会社アクシーの高収益化が実現するとともに、当社グループへの安定的な業績貢献に寄与することが見込まれます。詳細につきましては、2020年1月28日に開示しております「連結子会社における固定資産の取得に関するお知らせ」をご参照ください。 

 
 更には、事業ポートフォリオの拡大に向けたもう一つの取り組みとして、当社グループは国内大手アパレルメーカ数社に対し、秋冬物衣料の中綿材として、「YAMASHIN Nano FilterTM」の量産供給を開始し、引き続き次期シーズンに向けた新素材の提案活動等を積極的に展開しております。
 
 このように、当社グループは、建機用油圧フィルタ並びにエアフィルタの2つの事業を軸として、新たに開発した合成高分子系ナノファイバーの量産化技術を基に、中期的持続的な事業成長を図り、グループ経営基盤の強化に努め、企業価値の向上を図ってまいります。

 

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は91億86百万円(前年同四半期比13.3%減)となり、営業利益は6億円(前年同四半期比62.4%減)、経常利益は5億1百万円(前年同四半期比67.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億45百万円(前年同四半期比69.7%減)となりました。

 

b.連結業績

(当第3四半期連結累計期間(自2019年4月1日 至2019年12月31日)(9ヵ月)業績について)

(単位:百万円)

 

前第3四半期

当第3四半期

増減額

増減率

外部売上高

10,589

9,186

△1,403

△13.3%

営業利益

(利益率)

1,597

(15.1%)

600

(6.5%)

△997

-

△62.4%

-

経常利益

(利益率)

1,558

(14.7%)

501

(5.5%)

△1,057

-

△67.8%

-

四半期純利益

(利益率)

1,140

(10.8%)

345

(3.8%)

△795

-

△69.7%

-

 

 売上高については、建機用フィルタ事業において、19.7%の減収となりましたが、2019年8月に完全子会社化した株式会社アクシーの売上高をエアフィルタ事業として当第3四半期連結累計期間より含めていることから、全体で13.3%の減収となりました。
 営業利益については、建機用フィルタ事業における売上高の減少等の影響により66.8%の減収となった一方で、エアフィルタ事業の新規取込みによる業績貢献により62.4%の減益となりました。
 経常利益については、営業利益の減少及び株式会社アクシーの子会社化に係るアドバイザリー費用等の発生により67.8%の減益となりました。
 四半期純利益については、経常利益の減少等に伴い69.7%の減収となりました。 


 c.事業セグメント別の売上高と営業利益

(建機用フィルタ事業)(自2019年4月1日 至2019年12月31日) (9ヵ月)業績について

(単位:百万円)

 

前第3四半期

当第3四半期

増減額

増減率

外部売上高

10,589

8,498

△2,091

△19.7%

営業利益

(利益率)

1,597

(15.1%)

531

(6.2%)

△1,066

-

△66.8%

-

 

 

 売上高については、日系メーカを中心とした当社主要得意先の中国、アジア市場における市場占有率の減少及び2019年10月に発生した台風19号の影響に伴う減産見通しにより19.7%の減収となりました。
 営業利益については、売上高の減少等の影響により66.8%の減収となりました。 
 

(エアフィルタ事業)(自2019年10月1日 至2019年12月31日)(3ヵ月)業績について

(単位:百万円)

 

前第3四半期

当第3四半期

増減額

増減率

外部売上高

-

687

687

-

営業利益

(利益率)

-

(-)

69

(10.1%)

69

-

-

 

エアフィルタ事業については、第2四半期連結会計期間において株式会社アクシーの全株式を取得し、新たに連結の範囲に含めており、当第3四半期連結累計期間より株式会社アクシーの経営成績を記載しております。

 

(2) 財政状態の状況

(流動資産)
 当第3四半期連結会計期間末における流動資産の残高は、前連結会計年度末比9億41百万円増加(前連結会計年度末比6.1%増)し、163億32百万円となりました。その主な要因は、現金及び預金が9億41百万円増加(前連結会計年度末比9.9%増)、受取手形及び売掛金が3億4百万円増加(前連結会計年度末比9.4%増)した一方で、商品及び製品が1億72百万円減少(前連結会計年度末比11.8%減)、原材料及び貯蔵品が1億25百万円減少(前連結会計年度末比13.6%減)したことによるものです。

 

(固定資産)
 当第3四半期連結会計期間末における固定資産の残高は、前連結会計年度末比8億17百万円減少(前連結会計年度末比14.5%減)し、48億23百万円となりました。その主な要因は、投資有価証券が13億33百万円減少(前連結会計年度末比97.8%減)した一方で、機械装置及び運搬具が2億25百万円増加(前連結会計年度末比25.9%増)、土地が1億83百万円増加(前連結会計年度末比10.5%増)したことによるものです。

 

(流動負債)
 当第3四半期連結会計期間末における流動負債の残高は、前連結会計年度末比1億55百万円増加(前連結会計年度末比6.6%増)し、25億9百万円となりました。その主な要因は、その他が1億61百万円増加(前連結会計年度末比101.9%増)、支払手形及び買掛金が1億90百万円増加(前連結会計年度末比14.8%増)した一方で、未払法人税等が1億54百万円減少(前連結会計年度末比78.4%減)したことによるものです。

 

(固定負債)
 当第3四半期連結会計期間末における固定負債の残高は、前連結会計年度末比78百万円増加(前連結会計年度末比13.9%増)し、6億44百万円となりました。その主な要因は、その他が1億43百万円増加(前連結会計年度末比940.8%増)、退職給付に係る負債が35百万円増加(前連結会計年度末比18.7%増)した一方で、社債が1億円減少(前連結会計年度末比50.0%減)したことによるものです。

 

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は、前連結会計年度末比1億11百万円減少(前連結会計年度末比0.6%減)し、180億1百万円となりました。その主な要因は、為替換算調整勘定が17百万円減少(前連結会計年度末比30.1%減)、利益剰余金が1億4百万円減少(前連結会計年度末比1.4%減)したことによるものです。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針、経営戦略等について、重要な変更はありません。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は2億94百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。