(1)経営方針
当社グループの経営理念は「仕濾過事」(ろかじにつかふる)であります。
「仕濾過事」(ろかじにつかふる)には、フィルタビジネスを通じて社会に貢献するという意思が込められており、当社グループは、この不変のDNAを通じ、フィルタビジネスを通じて「環境」、「空気」、「健康」をテーマにESG等の社会的課題解決に取り組み、コーポレートサスティナビリティの強化に努めるとともに、企業価値の最大化を図ってまいります。
また、企業価値の最大化の実現に向け、当社グループでは以下の三つの規範(経営姿勢、使命、行動指針)を掲げております。
第1は、お客様の満足度を最優先に考える「経営姿勢」であります。当社グループはお客様と一体となり高品質で高付加価値の製品を開発提案することによりお客様に満足いただけるよう最大限の努力をしてまいります。
第2は、フィルタ業界では世界で唯一のろ材の自社開発から製造販売に至る一貫生産体制により、フィルタのスペシャリストとして、地球環境の維持・改善に貢献する、常に一歩先を行く製品の研究開発を通じ付加価値の高い製品をお客様のニーズにタイムリーに提案することでお客様に最適なサービスを提供することを最大の「使命」と考えております。
第3は、常に高い目標に挑戦し、労を惜しまず誇りと品格を持ち誠実な行動と成果を追求し続けることが当社グループの「行動指針」であります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、企業価値の向上を最終的な目的として資本・資産効率を意識した経営を推進すべく、自己資本当期純利益率(ROE)、純資産利益率(ROA)、及び投下資本利益率(ROIC)等を経営指標として採用しております。
当社グループとしては、上記の指標のうち、ROEを特に重視しており、当該指標の当期の実績は3.9%となっております。また、当該指標については20%以上を目標としております。
(3)当社グループを取り巻く経営環境
当社グループの主要市場である油圧ショベルを中心とした建設機械市場の動向は、新型コロナウィルスの影響により停滞していた主要得意先各社の生産活動は各国で再開され、日本、米国、欧州、アジア市場における当第4四半期(2021年1月1日~2021年3月31日)の需要は増加し、新型コロナウィルス感染拡大前の水準に戻りつつあります。
また、中国市場においては、中国系建機メーカの市場占有率拡大が顕著であり、経済活動の本格的な再開に伴い、産業補助金拡大による政府主導の投資促進策や消費刺激策の効果等もあり、油圧ショベルの新車販売台数は対前年比で過去最大の販売台数を記録するなど、需要は大幅に増加しました。同市場では、今後も、公共事業投資に伴う建機需要の下支えや、2022年度以降に予定される第4次環境規制対応に向けた新車の駆け込み需要等が想定され、引き続き需要の増加が見込まれます。
(4)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題
当社グループは、経営戦略上の中長期的な目標として、「建設機械フィルタの専門メーカから総合フィルタメーカへの飛躍」-Yamashin Paradigm Shift- を掲げており、既存事業である建機用フィルタビジネス、エアフィルタビジネスの拡大に加え、ヘルスケアビジネス、アパレルビジネスといった新規事業ポートフォリオの確立に取り組み、時価総額1兆円企業を目指し、中期的持続的成長を実現するために、次に掲げる課題に重点的に取り組んでまいります。
① 事業ポートフォリオの拡大
建機用フィルタ事業においては、中国市場でのシェア拡大、新技術や高付加価値化の実現による製品ラインナップの拡充に加え、当社が確立した合成高分子系ナノファイバーの量産化技術を軸に、主要建機メーカの次世代グローバルスタンダードとして、ナノファイバー製油圧フィルタの開発供給を進めてまいります。また、第2の事業セグメントである、エアフィルタ事業においては、ナノファイバー技術による差別化製品の開発に努め、海外市場も視野に積極的なM&Aを含む当該事業の拡大を迅速に進めてまいります。更には、第3の事業ポートフォリオとして、アパレル、ヘルスケアビジネスを早期に事業化し、当社グループ全体の企業価値の向上を図ってまいります
② 収益性の改善
当社グループでは、利益創出体制の確立を企図した全社的プロジェクトである「Project PAC 21」を立ち上げ、販売、生産、開発及び物流拠点の最適化を図り、グローバルサプライチェーンを強化し、主要市場における品質管理・保証体制を踏まえた製品供給機能、生産機能及び開発機能の適切な連携体制を整備することで収益性の改善を図り、アフターコロナのビジネスに対応した、メリハリのある支出・投資の実行を進めてまいります。
更には、当社が確立した合成高分子系ナノファイバーの量産化技術を活かし、高付加価値の製品の原価低減活動を推進し、それぞれの事業ドメインの収益性の大幅な向上につなげてまいります。
③ 人材の育成強化
当社グループは、日本・欧米・アジア地域に販売会社、アジア地域に生産会社及び開発会社を子会社として擁し、グローバルに事業展開しておりますが、今後は、海外M&Aも踏まえた事業展開も想定されることから、より一層海外拠点の重要性が増すと考えております。このため、当社グループでは、日本国内のみならず海外拠点を含めたグループ全体の経営管理体制を担う有用な人材を育成・確保すべく、ダイバーシティ(人材の多様性)を踏まえた人材採用育成プログラムを新たに策定し、次世代の人材力強化に取り組んでまいります。
④ ガバナンスの更なる充実
当社グループは、持続的な事業成長と中期的企業価値の最大化を図ることを目的に、ガバナンス、コンプライアンス研修の拡充やフェアディスクロージャーを踏まえた情報管理の徹底等の取り組みを継続して実施するとともに、牽制機能の強化等による業務執行の適切な監督を行うことで経営の透明性と質の向上を図り、アカウンタビリティ(説明責任)をより明確に果たし、コーポレート・ガバナンスの強化に努めてまいります。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上の重要なリスクとは考えていない事項についても、投資者の投資判断上あるいは当社グループの事業を理解する上で重要と考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、以下の記載内容及び将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループの事業活動は、2021年3月期において、建機用フィルタ事業向け売上高が約8割を占めており、中長期の事業展開も当該売上高の割合が高く推移するものと計画しております。当社グループは、景気停滞、公共投資低迷などの原因による建設機械メーカ各社の業績が悪化した場合、又は当社グループの強みである作動油フィルタに対する建設機械の構造革新や油圧動力に替わる新たな技術革新などが起きた場合には、建機用フィルタの売上高が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループ製品の主要市場である油圧ショベル市場は、中長期的には、新興国での市場の拡大を予測しております。
新興国市場においては、模倣品や廉価品の台頭が予想され、当社グループでは、継続して大手建設機械メーカを中心に純正部品として建機用フィルタ及び関連部品を安定供給することに努めます。しかしながら、今後、新興国において競合他社の模倣品・廉価品の販売が伸長した場合には、建機用フィルタの売上高が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、生産拠点を日本及びフィリピンに擁し、販売拠点を日本・アメリカ・ベルギー・タイ及び中国に擁しております。
当社グループの原材料調達、販売等の営業活動、海外事業等による外貨建資産及び負債は、為替レート変動の影響を受ける恐れがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業活動は、各国の政策動向やその国固有の規制等の影響を受けており、今後、当社グループが事業展開するにあたって、新たな関税、通貨規制、税制度等が導入された場合には、これらの対応コストの発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの製品原価に占める部品・資材の割合は大きく、その調達は素材市況の変動に影響を受けます。部品・資材価格の高騰は、当社グループの材料費を増加させ、製造原価の増加をもたらします。
また、部品・資材の品薄や調達先の倒産あるいは生産打ち切りにより、適時の調達・生産が困難になり、生産効率が低下する可能性があります。材料費の増加については他の原価低減や販売価格の見直しによって対応し、また適時の調達・生産の問題については関係部門の連携を密にすることによって、これらの影響を最小限に抑えることに努めております。しかしながら、予想を大きく上回る素材価格の高騰や供給の逼迫が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業活動は、2021年3月期において、建機用フィルタ事業向け売上高が約8割を占めており、その殆どがOEM(注)製品です。当社グループの建設機械市場向け製品の販売は、最終顧客に接する販売代理店への直接販売は行わず、建設機械メーカを経由して販売する方法を採用しており、建設機械メーカの生産計画及び部品の販売計画が当社の生産計画に影響を及ぼす構造になっております。
当社グループは、建設機械メーカと定期的に情報交換するなど市場動向、生産計画及び部品の販売計画等の最新情報を入手し、在庫が適正水準を維持できるように常に監視・分析しておりますが、建設機械メーカからの急な発注数量の変更や納期の調整などにより、在庫を過剰に保有する可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(注) 製造委託者のブランドで製品製造を行うこと。
当社グループは、グループ内において品質管理体制を整え、厳格な品質基準に基づく製品の製造をしております。しかしながら、当社グループが顧客に納入した製品について、顧客の要求規格及び仕様等を充足しなかった場合又は不適合が生じた場合には、重大な品質クレームを引き起こす可能性があります。
大規模なクレームの発生や製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより販売が縮小し、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、開発・生産・販売等の拠点を海外に設けグローバルに事業を展開しております。また、生産の拠点については日本・フィリピンに設けており、2021年3月期において、建機用フィルタ事業における生産の約7割(販売価格ベース)をフィリピンに集約しております。これらの拠点において、地震・水害等の自然災害、戦争・テロ又は第三者による当社グループに対する非難・妨害などが発生するリスクがあります。当社グループでは、一定規模の災害等を想定した、リスク対応施策を講じておりますが、こうした自然災害等により、短期間で復旧不可能な莫大な損害を被り、部品・資材の調達、生産活動、製品の販売及びサービス活動に遅延や中断が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業活動において、顧客情報に接することがあり、また営業上・技術上の機密情報を保有しております。これらの各種情報の取り扱い及び機密保持には細心の注意を払っており、不正なアクセス、改ざん、破壊、漏えい及び紛失などから守るために管理体制を構築するとともに、合理的な技術的対策を実施するなど、適切な安全措置を講じております。
しかしながら、万が一、情報漏えい等の事故が起きた場合には、当社グループの評価・信用に悪影響を与えるなどのリスクがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが開発した独自技術等は、特許権等の取得により、知的財産権の保護を行っております。しかしながら、特定の地域では当社グループの知的財産権が完全に保護されない場合があり、第三者が当社の製品と類似した製品を製造、販売することにより、当社グループが損害を受ける可能性があります。
また、製品開発においては、第三者が保有する権利をチェックすること等によって、第三者の知的財産権を含む権利侵害を行わないように努めております。しかしながら、当社グループが第三者から知的財産権等の帰属や侵害に関する主張や請求を受ける可能性は完全には否定できず、それに伴い当社グループが損害賠償請求や差止請求を受けた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業活動にあたっては、内部統制を強化し、法令遵守、社会道徳遵守を含めたコンプライアンスの強化、各種リスクの低減に努めると共に、必要に応じて弁護士等の外部専門家の助言等を受けております。
しかしながら、事業活動にあたっては、法令などの違反の有無にかかわらず訴訟を提起される可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、本報告書提出日現在において係争・紛争は発生しておりません。
当社グループは、今後の業容拡大等においてM&A及び業務提携戦略は重要かつ有効であると認識しております。
M&Aや業務提携を行う場合においては、対象会社を慎重に検討し、対象会社の財務内容や契約関係等について詳細なデューデリジェンス(Due diligence)(注)を行うことによって、極力リスクを回避するように努める方針としておりますが、事前に買収・提携成立後に偶発債務の判明等、不測の事態が発生する可能性を完全には防止できません。また、のれんが発生する場合はその償却額を超過する収益力が安定的に確保できることを前提としておりますが、買収後の事業環境の変化等により買収当初の事業計画遂行に支障が生じた場合は、当該のれんに係る減損損失等の損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(注)デューデリジェンス(Due diligence):M&Aなどの取引に際して行われる、対象企業の法務・財務・ビジネス・人事・環境などを含めた総合的な資産評価に係る調査活動のことであります。
新型コロナウィルス感染拡大の影響により、当社グループは佐賀県、大阪府及びフィリピンの各生産拠点において厳重な対策を実施した上で、生産活動を含む事業活動を継続し、顧客に対する製品供給体制を維持しております。
しかし、本感染症は経済、企業活動に広範な影響を与える事象であり、また、今後の広がり方や収束時期等を予想することは困難であります。首都圏においても、緊急事態宣言が解除され、経済活動を段階的に再開する動きはみられるものの、国内及び海外の感染状況の拡大によっては、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
経営成績
当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)における世界経済は、新型コロナウィルスの感染拡大により停滞していた各国の経済活動が再開に向けた動きを見せ、ワクチン接種開始による新型コロナウィルス感染症終息への期待の高まりのなか、変異種による感染再拡大の懸念やワクチン供給の遅れによる経済への悪影響など、依然として先行きの見通せない不透明な状況が続いております。
当社グループの主力事業である建機用フィルタ事業における建設機械市場においては、新型コロナウィルスの影響により停滞していた主要得意先各社の生産活動は各国で再開され、日本、米国、欧州、アジア市場における当第4四半期(2021年1月1日~2021年3月31日)の需要は増加し、新型コロナウィルス感染拡大前の水準に戻りつつあります。
また、中国市場においては、中国系建機メーカの市場占有率拡大が顕著であり、経済活動の本格的な再開に伴い、産業補助金拡大による政府主導の投資促進策や消費刺激策の効果等もあり、油圧ショベルの新車販売台数は対前年比で過去最大の販売台数を記録するなど、需要は大幅に増加しました。同市場では、今後も、公共事業投資に伴う建機需要の下支えや、2022年度以降に予定される第4次環境規制対応に向けた新車の駆け込み需要等が想定され、引き続き需要の増加が見込まれます。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度において、合成高分子系ナノファイバーを活用したヤマシン・オリジナルマスクをドラッグストアチェーン等に対して本格的に量産供給を開始したことに伴い、新たに「ヘルスケア事業」を事業セグメントとして識別し、報告セグメントとして新設し記載する方法に変更しております。
(建機用フィルタ事業)
当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)において、当社グループは、既存ビジネスである建機用フィルタ事業においては、油圧ショベルの作動油回路用リターンフィルタ製品を中心に、新素材やIoT技術を活かした製品ラインナップの充実を図り、純正部品の採用率向上に努めました。とりわけ、各建機メーカが油圧ショベルをはじめとした建機の電動化、自動化を積極的に推し進めるなか、当社が独自に開発した合成高分子系ナノファイバー「YAMASHIN Nano Filter™」を使用したロングライフのフィルタ製品やタンク内の気泡を除去するエアレーション技術、フィルタの汚染度や交換頻度を感知するセンサ技術を搭載したフィルタ製品の主要得意先への積極的な提案を進めており、一部新機種への製品供給が開始されております。また、主要市場である北米市場においては、当社の主要製品であるリターンフィルタ製品に加え、燃料用、トランスミッション用フィルタ等の新規採用についても大きな進展を見せております。更には、世界最大の建機市場である中国市場においては、中国系建機メーカへのリターンフィルタ製品を主軸とした当社製品の新規採用に向けた取り組みを強化しており、その採用実績は増加しております。このように、当社の日米欧を中心とした既存主要得意先への当社製品の採用拡大に向けた取り組み及び中国系建機メーカへのシェア拡大については着実な進捗を見せており、当社の建機用フィルタビジネスに安定化と更なる成長が見込まれるとともに、高付加価値製品の普及により産業廃棄物の低減を実現し、地球環境の保全に貢献できると考えております。
当連結会計年度の建機用フィルタ事業における業績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(エアフィルタ事業)
エアフィルタ事業においては、新型コロナウィルス感染拡大に伴う社会・生活様式の変化に伴い感染症対応を訴求したフィルタ製品の需要が増加することが見込まれることから、エアフィルタを取り巻く市場環境は今後も堅調に成長するものと捉えており、当社の合成高分子系ナノファイバーの量産化技術を活用した新製品の開発を継続し、新規事業領域への参入を積極的に進めております。具体的には、低圧損で高捕集率のナノファイバー製エアフィルタを製品化し、オフィスビルや工場、鉄道車両、家電等への採用に向けた取り組みが進展しております。これらの新製品の普及により、使用電力の低減によるCO2削減に加え、オフィスビルをはじめとした多くの人々が働く環境にきれいな空気を提供することにより、健康被害リスクの低減、地球環境の保全に貢献できると考えております。
当連結会計年度のエアフィルタ事業における業績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(ヘルスケア事業)
ヘルスケア事業においては、新型コロナウィルスの感染拡大によるマスク需要が爆発的に増加した結果、当事業年度での家庭用マスク市場は急拡大し、来事業年度以降もウィルス感染予防に対する意識の定着等により通年着用の習慣化が進むと見込まれます。このような背景の中で、消費者ニーズは品質重視の志向性が強まり、良質な日本製・国産マスクの需要の拡大が見込まれます。また、医療用マスク市場においては、N95マスクなど主力製品を海外メーカからの供給に依存するサプライチェーンリスクの反省を踏まえ、日本企業による国内生産が強く求められております。
当社グループは、こうしたマスク市場の拡大と消費者ニーズの変化に応えるために、当社独自技術である合成高分子系ナノファイバーを活用した「究極のヤマシン・フィルタマスク」並びに「究極のヤマシン・フィルタシート」の販売を当社の公式オンラインショップや主要ドラッグストアチェーン、大手ECサイト等を通じて第2四半期より暫時開始しました。
また、創業以来70年に及びフィルタ専門メーカとして培ってきた技術を活かし、新たにNIOSH(米国労働安全衛生研究所)の規格の一つであるN95マスク(注1)の性能基準である、①フィルタ性能-捕集効率95%以上(注2)、②密閉性-装着中の顔とマスクの密着率90%以上(注2)、③通気性-長時間装着での呼吸のし易さ等の、高機能マスクに必要な3大性能を医療用レベルで実現した一般消費者向けフラッグシップモデル「Zexeed」(ゼクシード)の販売を2020年11月より開始し、2021年1月には、当社「究極のヤマシン・フィルタマスク」シリーズが、その機能性、独自性を認められ、「2020年日経優秀製品・サービス賞」を受賞しました。
更には、国内一般消費者向けマスク市場のみならず、逼迫する医療現場等において需要の拡大が見込まれる医療用の高機能マスクの増産に対応すべく、必要とされる認証の取得(日米欧の各規格(注3))を進めており、2021年3月には日本における厚生労働省が定める国家検定規格であるDS2を取得いたしました。これを受け、国家認定規格DS2を取得した医療・産業用防塵マスク「Zexeed6240」を2021年4月より自社ECサイトにて販売を開始しました。
これらの取り組みにより、来期以降も高い水準が続くと見込まれるマスク市場に対し、当社独自技術による高機能マスクを市場に投入しシェア拡大に邁進してまいります。
一方、当社のマスク量産体制については、他に例のない立体構造のナノファイバー素材のフィルタシートを使用した製造工程の確立に多大な時間を要したことから、ドラッグストア市場等への供給が大幅に遅延しました。また、量産体制構築の過程では製造原価の低減が十分に図れなかったこと等により、当期のヘルスケア事業の業績は著しく低調に推移しました。
今後、当社グループは、国内一般消費者向けマスク市場のみならず、需要の拡大が見込まれる医療用の高機能マスクの増産に対応すべく、必要とされる認証の取得(米国、欧州の各規格(注3))により、医療用の防塵マスク市場への進出、更なる高機能マスク開発に邁進するとともに、製品ラインナップ及び販路の拡大に取り組み、自社開発ナノファイバーの特性を活かした独創的な製品開発による差別化戦略により、来期以降収益の最大化を実現させてまいります。
(注1)N95マスク(Particulate Respirator Type N95)とは、アメリカ合衆国労働安全衛生研究所(NIOSH)のN95規格をクリアし、認可された微粒子用マスクのこと
(注2)当社調べ
(注3)米国におけるNIOSH規格(N95)及び欧州におけるEN規格(FFP)
当連結会計年度のヘルスケア事業における業績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
これらの取り組みに加え、前期より国内大手アパレルメーカ数社に対し、当社素材の優位性を訴求し「YAMASHIN Nano Filter™」の量産供給提案活動を継続しております。
今後、アパレル分野への当社製品の供給が本格化することにより、生物多様性の観点からアパレルメーカ各社がESGへの取組みとして掲げている「脱ダウン」に大きく貢献できると考えております。
また、2020年9月には、サステナブルファイナンスとして、第三者割当による新株予約権の発行を決議し、同年12月には、本社所在地である横浜市が株式会社三井住友銀行、株式会社日本総合研究所と共に構築した「横浜型SDGs金融支援制度(Y-SDGs)」を活用しSDGs評価融資を実行しました。当社では、これら資金調達資金を深刻化する地球環境問題に対するCO2の削減や生物多様性の保全につながる「YAMASHIN Nano Filter™」への設備投資及び循環型生産システム構築のための投資並びに感染症対策に極めて有効なナノフィルタマスク(N95相当)の開発・生産のための設備投資等に振り向ける予定です。
このように、当社グループは、独自開発の合成高分子系ナノファイバーの量産化技術を基に、建機用油圧フィルタ、エアフィルタ、ヘルスケアの3つの事業に加えてアパレルや家電、自動車用内装材といった産業副資材としての活用も視野に入れ、新規事業の確立を図ることで、総合フィルタメーカとしての事業ポートフォリオを構築してまいります。それにより中期的持続的な事業成長とESGへの積極的な取り組みを両立させ、企業価値の向上を図るとともに、持続可能な経済・社会生活の実現に向けた企業貢献を積極的に行ってまいります。
以上のように、当連結会計年度中、当社グループの各事業においてアフターコロナのビジネスへ向けた取り組みが進展しました。また、新型コロナウィルスの感染拡大第4波の懸念等、依然として経済の先行きに不透明さが残る中、建機用フィルタビジネスにおける当社の主要得意先である各建機メーカの生産活動は各国で再開され、結果として同事業における当社の業績も回復傾向にあります。しかしながら、コロナ禍により世界的に発生しているコンテナ不足の影響から輸送コストが高騰し、当社の材料調達や得意先への納期対応に係る航空運賃が継続的に発生しました。更には事業ポートフォリオ構築の検討に要したデューデリジェンス費用の発生及びヘルスケア事業における広告宣伝費用等の増加や、量産体制整備の遅れによる大幅な減収減益の影響により、当社グループの連結累計業績は低調に推移しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は145億87百万円(前年同期比15.1%増)となり、営業損失は1億45百万円(前年同期は7億77百万円の営業利益)、経常損失は1億35百万円(前年同期は6億3百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純利益は7億50百万円(前年同期比23.4%増)となりました。
当連結会計年度末における当社グループの財政状態については、総資産は281億91百万円(前連結会計年度末比30.6%増)となり、負債は75億9百万円(前連結会計年度末比121.6%増)となり、純資産は206億82百万円(前連結会計年度末比13.6%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末より10億4百万円減少し、71億97百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループはフィルタ製品の製造・販売を主たる事業としており、事業品目別に記載しております。
当連結会計年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。なお、生産実績については、品目の共通原材料及び共通部品が含まれるため、品目ごとに金額を記載しておりません。
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.産業用フィルタ及びプロセス用フィルタについては建機用フィルタ事業に含めております。
当連結会計年度の受注状況を事業品目ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の販売実績を事業品目ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り及び予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループへの影響としては、特定市場への依存や他社との競合など経済状況の変動を含め、様々な要因が挙げられます。詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、認識しております。これらのリスクについては発生の回避を図るとともに発生した場合にはその対応に努める所存です。
当連結会計年度において、売上高は145億87百万円(前年同期比15.1%増)となり、営業損失は1億45百万円(前年同期は7億77百万円の営業利益)、経常損失は1億35百万円(前年同期は6億3百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純利益は7億50百万円(前年同期比23.4%増)となりました。
経営成績に重要な影響を与えた要因は、次のとおりであります。
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、建機用フィルタ事業において、2.9%の減収となった一方で、エアフィルタ事業において2019年8月23日付で完全子会社化したアクシーの売上高を当連結会計年度より12か月分取り込んだことにより89.3%の増収となったことに加え、ヘルスケア事業の開始に伴い全体で15.1%の増収となりました。
② 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、59億48百万円(前年同期比25.4%増)となり、前年同期に比べ12億3百万円増加しました。これは主として、建機用フィルタ事業においてコロナ禍により一時的に発生した航空運賃等の増加や、エアフィルタ事業における本社移転費用等の発生、並びにヘルスケア事業立上げに伴う人件費及び広告宣伝費、研究開発費用等の増加によるものです。
③ 営業外損益
当連結会計年度の営業外収益は、マスク設備導入に伴う補助金収入等の計上により、49百万円(前年同期比79.9%増)となりました。
営業外費用は、支払手数料の減少などにより、39百万円(前年同期比80.3%減)となりました。
④ 特別損益
当連結会計年度の特別利益は、受取和解金及び固定資産売却益の計上により、12億67百万円(前年同期12億50百万円増)
特別損失は、工場移転費用、固定資産売却損、減損損失等の計上により、1億76百万円(前年同期比665.5%増)となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末比13億40百万円増加(前連結会計年度末比9.6%増)し、153億23百万円となりました。その主な要因は、受取手形及び売掛金が8億79百万円増加(前連結会計年度末比25.8%増)、商品及び製品が8億28百万円増加(前連結会計年度末比83.2%増)、その他が5億42百万円増加(前連結会計年度末比222.4%増)、原材料及び貯蔵品が3億68百万円増加(前連結会計年度末比45.6%増)した一方で、現金及び預金が12億77百万円減少(前連結会計年度末比15.0%減)したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末比52億60百万円増加(前連結会計年度末比69.1%増))し、128億68百万円となりました。その主な要因は、建設仮勘定が18億63百万円増加(前連結会計年度末比199.9%増)、建物及び構築物が17億21百万円増加(前連結会計年度末比406.6%増)、投資有価証券が9億81百万円増加(前連結会計年度末比3,455.4%増)、機械装置及び運搬具は7億5百万円増加(前連結会計年度末比66.5%増)したことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末比27億29百万円増加(前連結会計年度末比97.1%増)し、55億39百万円となりました。その主な要因は、未払金が12億93百万円増加(前連結会計年度末比362.8%増)、支払手形及び買掛金が7億65百万円増加(前連結会計年度末比64.5%増)、1年内返済予定の長期借入金が4億3百万円増加、資産除去債務が1億60百万円増加、未払法人税等が1億46百万円増加(前連結会計年度末比156.1%増)したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末比13億90百万円増加(前連結会計年度末比240.5%増)し、19億69百万円となりました。その主な要因は、長期借入金が15億29百万円増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末比24億80百万円増加(前連結会計年度末比13.6%増)し、206億82百万円となりました。その主な要因は、資本金が10億14百万円増加(前連結会計年度末比18.7%増)、資本剰余金が10億14百万円増加(前連結会計年度末比19.6%増)、利益剰余金が3億35百万円増加(前連結会計年度末比4.4%増)したことによるものです。
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末より10億4百万円減少し、71億97百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、87百万円(前年同期は得られた資金20億99百万円)となりました。
その主な内訳は、税金等調整前当期純利益9億55百万円、減価償却費の計上7億22百万円、仕入債務の増加6億78百万円、その他の増加2億55百万円、賞与引当金の増加43百万円があった一方で、たな卸資産の増加11億40百万円、売上債権の増加8億14百万円、固定資産除売却益3億98百万円、法人税等の支払1億30百万円、為替差益73百万円があったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、43億99百万円(前年同期は使用した資金30億52百万円)となりました。
その主な内訳は、有形固定資産の取得による支出43億35百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、32億12百万円(前年同期は使用した資金2億69百万円)となりました。
その主な内訳は、長期借入れによる収入20億円、株式の発行による収入19億79百万円があった一方、配当金の支払4億15百万円があったこと等によるものです。
② 資金需要
資金需要の主なものは、製品製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用に係わる運転資金と設備投資資金です。これらの運転資金及び設備投資資金については、主に自己資金を充当しております。
当社グループは、1956年創業以来、経営理念として「仕濾過事」(ろかじにつかふる)を掲げ、 お客さまやビジネスパートナーに対してはもちろん、国や地域、自然や地球環境に対してもよい関係をつくり、社会的な責任を果たしてまいります。この理念は2015年、国連にて採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の考え方とも合致しています。社会を構成する一員として、企業に対しても大きな期待が寄せられている中、当社グループは技術力を生かした新たな価値創造・社会課題の解決と環境保護・保全活動で社会に貢献してまいります。
今後の見通しとしては、当社独自開発の合成高分子系ナノファイバーの量産化技術を基に、建機用油圧フィルタ並びにエアフィルタ、更にはヘルスケアの3つの事業を軸として、アパレルやその他産業副資材への展開も踏まえた、新たな事業ポートフォリオの確立に積極的に取り組み、中期的持続的な事業成長とESGへの積極的な取り組みを両立させ、企業価値の向上を図ってまいります。
当社グループは、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案し、企業価値を最大限に高め、強固な企業体質を確立すべく努めております。具体的には「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、顧客の様々な仕様に合わせたフィルタ製品に対して、品質はもとより要求されるスピードに対応できる信頼性と顧客満足を獲得することを目指して行っております。特に当社グループでは、フィルタ製品の心臓部に当たるフィルタエレメントに使用される「ろ材」の独自開発を行っており、多種多様な用途で使用されるフィルタ製品を顧客ニーズに即応できる様、製品開発を行っております。
当社グループの研究開発体制につきましては、当社では「ろ材」及び構成部品の研究・開発を行っており、子会社であるYAMASHIN FILTER(SIP)TECHNOLOGY INC.では製品評価試験業務などを行っております。
当社グループは、建機用フィルタについては、油圧ショベルの作動油回路用フィルタ製品に加え、燃料用フィルタやエンジンオイル用フィルタ製品などの開発にも積極的に取り組み、合わせてICT(情報通信技術)やIoT(Internet of Things)による高機能化や高付加価値化を進め、新サービスを展開するための技術開発を行っております。産業用フィルタについては作動油・潤滑油用フィルタなどの市場分野において、また、プロセス用フィルタについては洗浄・飲料用フィルタなどの市場分野において、既存製品で蓄積したノウハウを活用し、製品開発を行っております。
フィルタろ材開発において、使用される状況や捕獲したゴミに応じて最適な性能を発揮するために、ろ材構造や材質に対する研究活動を行っております。具体的には、ガラス繊維を中心に、異なる繊維形状(太さや密度)を組み合わせた多層ろ材開発など、既に様々な当社製品に展開されております。今後は、より高度な市場の要求や課題解決を可能にするろ材開発を積極的に進めてまいります。
併せてフィルタ開発のみならず、現在では油圧回路内を循環する作動油の汚染度をリアルタイムに測定できるセンサ開発とフィルタの目詰まりを把握する圧力センサ開発を進めております。作動油の汚染度情報をリアルタイムに把握することは、油圧機器の故障予防・予知の観点からも非常に重要であり、またフィルタの目詰まり状況を把握し、寿命を予測することで適切なフィルタ交換時期をユーザーへ提供可能とすることは、純正品を使用するメリットをユーザーへ訴求できるものと考えております。当期より製品の理解を深めてもらえる機会として、弊社内にて汚染度センサ、圧力センサを搭載した建設機械を稼働させ、デモンストレーションを行う、Web見学会を開催しております。今後も製品の理解を深めてもらえる様、様々な取り組みを増やしてまいります。
さらに、当社グループは、経営戦略上の中期的な目標として「建設機械フィルタの専門メーカから総合フィルタメーカへの飛躍」を掲げており、従来の天然系素材のガラス繊維ろ材に代わる新ろ材として、「合成高分子系ナノファイバー」の開発を引き続き行っております。「合成高分子系ナノファイバー」は、天然素材のガラス繊維に比し繊維径がきわめて細く、また繊維長の調整が可能であることから、ろ材として非常に優れた特性を有する素材であり、これを次世代ろ材に使用することで、①不純物のより効果的なろ過、②油圧システム内の作動油の循環効率の向上及び③フィルタの交換サイクルの長期化が可能となります。
「合成高分子系ナノファイバー」による「ろ材」は前期製品化され、建設機械メーカに採用されております。さらなる研究開発を行い、低圧損、長寿命の特性を有する「ろ材」の開発を進めてまいります。
また、建設機械用以外の分野においてもエアフィルタ材料としての検討を進めており、高い捕集性能と低圧力損失の製品の開発を進めております。エアフィルタ材の一つとしてPM2.5用ナノファイバーろ材の開発を行いました。従来品より低圧損、高捕集効率なエアフィルタとして製品化を進めてまいります。
マスク用としては、N95規格と同等性能を有する日本の国家認証であるDS2の認証を取得したマスクの販売も始まっております。今後はN95認証を取得し、医療関係者をはじめ、多くの方々に使用してもらえる機会を増やしてまいります。また、その他の分野としましては、断熱材として衣料分野での採用も決定しており、その他、難燃材として建材への活用や電気自動車向けの断熱・吸音材、日用品やライフサイエンスなど様々な分野に応用することを検討しております。
当社グループでは、当社独自製造技術に基づく「合成高分子系ナノファイバー」の製品化に向けた研究開発を今後進めることにより、既存事業の更なる高付加価値化及び競合他社との差別化を図るとともに、新素材技術の活用による新規事業領域への進出にも積極的に取組んでまいります。
これらの結果、当連結会計年度における研究開発費は559百万円となりました。