当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。
① 当第1四半期連結累計期間の概況
当第1四半期連結累計期間(2021年4月1日~2021年6月30日)における世界経済は、ワクチン接種の進展により各国で経済活動が再開されるなか、新型コロナウィルスの変異種による感染再拡大懸念や、原材料価格の高騰、半導体等の部材不足による経済への悪影響など、依然として先行きの見通せない状況が継続しております。
当社グループの主力事業である建機用フィルタ事業における建設機械市場においては、新型コロナウィルスの影響により停滞していた各国経済は、回復に向けたインフラ設備投資や資源需要増に伴い、建機の稼働時間の顕著な増加と新車需要の急激な回復に支えられ、当第1四半期連結累計期間における当社の売上高は大幅に増加し、新型コロナウィルス感染拡大前の水準まで回復いたしました。
また、世界最大の建設機械市場である中国市場においては、油圧ショベルの新車販売台数が過去最大を記録した前年度に比べやや減少すると見込まれるものの、依然として高い水準にあります。また、他国に先駆けいち早くコロナ禍を切り抜けた中国市場では、経済活性化のための公共事業投資等の積極財政により建機需要は堅調に推移しており、2022年12月に施行が予定される第4次環境規制対応に向けた新車の駆け込み需要が見込まれることから今後も需要は堅調に推移することが見込まれます。
このような環境の中、当第1四半期連結累計期間において、当社グループは、当社が独自に開発した合成高分子系ナノファイバー「YAMASHIN Nano Filter™」を使用した高付加価値製品の普及、ラインナップの拡大に努めました。具体的には、ロングライフのフィルタ製品やタンク内の気泡を除去するエアレーション技術、フィルタの汚染度や交換頻度を感知するセンサ技術を搭載したフィルタ製品の主要得意先への積極的な提案を進めており、各建機メーカの新機種への製品供給が開始されております。
また、主要市場である北米市場においては、世界最大手建機メーカに対する当社の燃料用、トランスミッション用フィルタ等の新規提案・採用が進展し、中国市場においては、中国系建機メーカへのリターンフィルタ製品を主軸とした当社製品の新規採用実績は増加しております。このように、当社の日米欧を中心とした既存主要得意先への新製品の提案や製品ラインナップの拡大及び中国系建機メーカへのシェア拡大により更なる成長が見込まれます。
更には、当社グループは、サプライチェーンの強化によるバリューチェーンの更なる向上を図ることで、筋肉質な経営体質への変革を実行し収益性の改善に努めるとともに、高付加価値かつサステナブルな製品、技術の普及によるGHG(Green House Gas-温室効果ガス)排出量削減に積極的に貢献してまいります。
エアフィルタ事業においては、世界初の当社独自のメルトブロー法による3D構造の合成高分子系ナノファイバー技術を活用した新製品の開発を継続し、この技術的、性能的に差別化された製品のラインナップを拡充させることにより国内外での競争力強化に努めてまいります。具体的には、ロングライフであり低圧損、高捕集率のナノファイバー製エアフィルタ(製品名:NanoWHELP)や溶菌・酵素エアフィルタを製品化し、オフィスビルや病院、工場、鉄道車両等への採用に向けた取り組みを進めてまいります。また、欧米市場でのエアフィルタ性能の規格(米国規格ASHRAE、欧州規格EN等)を積極的に取得し、海外市場の開拓に邁進してまいります。この取り組みにより、現在世界が直面する気候変動問題に対して、当社の有するナノファイバー製品、技術によりGHG排出量の削減などの気候変動や環境に関する課題の解決に貢献できるものと確信しております。
ヘルスケア事業における、家庭用マスク市場においては、当第1四半期連結累計期間のマスク市場は、コロナ禍における消費動向は国産品の性能品質の確かなものを望む消費需要が堅調にあるものの、一方では安価で使い捨ての海外不織布マスクへの需要が最も大きく、また気温の上昇に伴う布マスク等への代替需要が進行するなどの環境下で、マスク需要の端境期に当たる当第1四半期連結累計期間の売上高は低調に推移いたしました。
また、DS2の認定取得に伴う医療用マスク市場では、海外製のN95マスクが圧倒的主流であることから長期的な視点で同市場の開拓を進めてまいります。
一方、当社の同事業の収益面での課題であるマスク量産体制については、第2四半期に稼働が開始される全自動化ラインの導入により生産の合理化による大幅な原価低減が可能となる見込みです。しかしながら、当第1四半期連結累計期間においては、製造工程の確立は途上段階であり、製造原価の低減が十分に図れなかったことにより、ヘルスケア事業の業績は低調に推移しました。
これらの取り組みに加え、前期より国内大手アパレルメーカ数社に対し、当社素材の優位性を訴求し「YAMASHIN Nano Filter™」の量産供給提案活動を継続しております。
更には、「YAMASHIN Nano Filter™」の他の産業資材への展開として、油吸着材「アブソーバル.」を、ヤマシンフィルタ公式オンラインショップにて2021年6月28日より販売開始いたしました。今後、各種産業資材を取り扱う商社においても順次販売が開始される予定です。油吸着材「アブソーバル.」は、機械の油漏れや浮上油の回収、それらによる海洋・河川の水質汚染防止など、主に産業用途を想定した新製品であり、市販品と比べて、油吸着材1キログラム当たりの吸油量は約2倍、吸油速度は約1.5倍(当社試験による)の性能を有し、少ないシートで自重の約20倍の油を素早く吸着することができる経済的かつ効率的な製品であります。今後、当製品の普及により環境汚染の防止に貢献してまいります。
このように、当社グループは、独自開発の合成高分子系ナノファイバーの量産化技術を基に、建機用フィルタ、エアフィルタ、ヘルスケアの3つの事業に加えてアパレルビジネスやその他産業資材としての活用も視野に入れ、新規事業の確立を図ることで、総合フィルタメーカとしての事業ポートフォリオを構築してまいります。それにより中期的持続的な事業成長とESGへの積極的な取り組みを両立させ、企業価値の向上を図るとともに、持続可能な経済・社会生活の実現に向けた企業貢献を積極的に行ってまいります。
また、当社は、2021年7月12日付けプレスリリース「新市場区分「プライム市場」の上場維持基準への適合に関するお知らせ」に記載の通り、2021年7月9日、株式会社東京証券取引所より、「新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果について」を受領し、「プライム市場」の上場維持基準に適合していることを確認いたしました。今後、本結果に基づき、取締役会決議を経て本年9月より予定されている新市場区分の市場選択申請に係る所定の手続きを進めてまいります。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は46億85百万円(前年同期比63.9%増)となり、営業利益は3億41百万円(前年同期は98百万円の営業損失)、経常利益は3億34百万円(前年同期は1億1百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億8百万円(前年同期比は82百万円の当期純損失)となりました。
②連結業績
当第1四半期連結累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年6月30日)業績について
(単位:百万円)
売上高については、建機用フィルタ事業において、71.0%の増収となった一方で、エアフィルタ事業において3.9%の減収、ヘルスケア事業においては、前第2四半期より新たな事業として開始した業績貢献により全体で63.9%の増収となりました。
営業利益については、建機用フィルタ事業において、輸送コストの高騰に伴う、材料調達や得意先への納期対応のための航空運賃等の一時的な発生による減益要因はあるものの、売上高の大幅な増加に伴い、4億39百万円の増益となりました。
経常利益については、営業利益の計上により4億36百万円の増益となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益については、2億91百万円の増益となりました。
③事業セグメント別の売上高と営業利益
当社は2020年9月より合成高分子系ナノファイバーを活用した「究極のヤマシン・フィルタマスク」シリーズ製品をドラッグストアチェーン等に対して本格的に量産供給を開始したことに伴い、前第2四半期連結会計期間より、新たに「ヘルスケア事業」を事業セグメントとして識別し、報告セグメントとして新設し記載する方法に変更しております。
また、「ヘルスケア事業」を新たな事業セグメントとして識別したことに伴い、各セグメントの業績及び全社費用をより的確に把握するため、当社の各報告セグメントに帰属しない本社の管理部門及び一部子会社の一般管理費等の全社費用につきましては、前第2四半期連結累計期間より、所定のセグメントに配賦しない方法に変更しております。
なお、前期比較につきましては、変更後の算定方法及び区分方法により組み替えた数値を記載しております。
詳細は、「3.四半期連結財務諸表及び主な注記(3)四半期連結財務諸表に関する注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
(建機用フィルタ事業)(自 2021年4月1日 至 2021年6月30日)業績について
(単位:百万円)
売上高については、主要得意先各社の生産活動が各国で再開され、建機の新車生産台数の増加、及び公共事業投資の増加により71.0%の増収となりました。
営業利益については、減益要因として納期対応のための航空運賃が一時的に発生している一方で、売上高の増加に伴い、6億59百万円の増益となりました。
(エアフィルタ事業)(自 2021年4月1日 至 2021年6月30日)業績について
(単位:百万円)
売上高については、テレワークの普及に伴うオフィスビル等の稼働率低下の影響により主力製品であるオフィスビル向けの交換用フィルタ等の需要減少に伴い3.9%の減収となりました。
営業利益については、売上高の減少、セールスミックスの影響により、50百万円の減益となりました。
(ヘルスケア事業)(自 2021年4月1日 至 2021年6月30日)業績について
(単位:百万円)
ヘルスケア事業については、新たな事業の開始に伴い当第1四半期連結累計期間の経営成績を記載しております。
営業損失については、マスク量産体制の整備を進めており、第2四半期に予定されている全自動化ラインの導入により生産の合理化による大幅な原価低減が可能となる見込みですが、当第1四半期連結累計期間においては、製造工程の確立は途上段階であり、製造原価の低減が十分に図れなかったことにより営業損失となりました。
(流動資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産の残高は、前連結会計年度末比12億29百万円減少(前連結会計年度末比8.0%減)し、140億93百万円となりました。その主な要因は、現金及び預金が20億60百万円減少(前連結会計年度末比28.5%減)した一方で、受取手形及び売掛金が3億37百万円増加(前連結会計年度末比7.9%増)、商品及び製品が3億53百万円増加(前連結会計年度末比19.4%増)したことによるものです。
(固定資産)
当第1四半期連結会計期間末における固定資産の残高は、前連結会計年度末比3億18百万円増加(前連結会計年度末比2.5%増)し、131億87百万円となりました。その主な要因は、建設仮勘定が4億80百万円増加(前連結会計年度末比17.2%増)したことによるものです。
(流動負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債の残高は、前連結会計年度末比7億84百万円減少(前連結会計年度末比14.2%減)し、47億55百万円となりました。その主な要因は、未払金が11億7百万円減少(前連結会計年度末比67.1%減)、短期借入金が6億円減少(前連結会計年度末比100.0%減)した一方で、支払手形及び買掛金が9億83百万円増加(前連結会計年度末比50.3%増)したことによるものです。
(固定負債)
当第1四半期連結会計期間末における固定負債の残高は、前連結会計年度末比1億18百万円減少(前連結会計年度末比6.0%減)し、18億50百万円となりました。その主な要因は、長期借入金が1億円減少(前連結会計年度末比6.6%減)したことによるものです。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産の残高は、前連結会計年度末比7百万円減少(前連結会計年度末比0.0%減)し、206億74百万円となりました。その主な要因は、利益剰余金が5百万円減少(前連結会計年度末比0.1%減)したことによるものです。
(3) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題
1. 経営方針
当社グループの経営理念は「仕濾過事」(ろかじにつかふる)であります。
「仕濾過事」(ろかじにつかふる)には、フィルタビジネスを通じて社会に貢献するという意思が込められており、当社グループは、この不変のDNAを通じ、フィルタビジネスを通じて「環境」、「空気」、「健康」をテーマにESG等の社会的課題解決に取り組み、コーポレートサスティナビリティの強化に努めてまいります。
2. ESGへの取り組み
昨今、企業に対する社会からの期待や責任は多岐にわたり、企業が果たす役割の重要度はますます高まっています。当社グループは、1956年創業以来、経営理念として「仕濾過事」(ろかじにつかふる)を掲げ、 お客さまやビジネスパートナーに対してはもちろん、国や地域、自然や地球環境に対してもよい関係をつくり、社会的な責任を果たしてまいります。この理念は2015年、国連にて採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の考え方とも合致しています。社会を構成する一員として、企業に対しても大きな期待が寄せられている中、当社グループは技術力を生かした新たな価値創造・社会課題の解決と環境保護・保全活動で社会に貢献してまいります。
3. 対処すべき課題
当社グループは、経営戦略上の中長期的な目標として、「建設機械フィルタの専門メーカから総合フィルタメーカへの飛躍」-Yamashin Paradigm Shift- を掲げており、既存事業である建機用フィルタビジネス、エアフィルタビジネスの拡大に加え、ヘルスケアビジネス、アパレルビジネスや産業資材としての活用を踏まえた新規事業ポートフォリオの確立に取り組み、中期的持続的成長を実現するために、次に掲げる課題に重点的に取り組んでまいります。
① 事業ポートフォリオの拡大
建機用フィルタ事業においては、新技術や高付加価値化の実現による製品ラインナップの拡充や中国市場でのシェア拡大に加え、当社が確立した合成高分子系ナノファイバーの量産化技術を軸に、主要建機メーカの次世代グローバルスタンダードとして、ナノファイバー製油圧フィルタの開発供給を進めてまいります。また、第2の事業セグメントである、エアフィルタ事業においては、ナノファイバー技術による差別化製品の開発に努め、海外市場も視野に積極的なM&Aを含む当該事業の拡大を迅速に進めてまいります。更には、第3の事業ポートフォリオとして、ヘルスケアビジネスに加え、アパレルビジネスや他の産業資材としての活用を踏まえた新たな事業の確立により、当社グループ全体の企業価値の向上を図ってまいります。
② 収益性の改善
当社グループでは、利益創出体制の確立を企図した全社的プロジェクトである「Project PAC 21」を立ち上げ、販売、生産、開発及び物流拠点の最適化を図り、グローバルサプライチェーンを強化し、主要市場における品質管理・保証体制を踏まえた製品供給機能、生産機能及び開発機能の適切な連携体制を整備することで収益性の改善を図り、アフターコロナのビジネスに対応した、メリハリのある支出・投資の実行を進めてまいります。更には、当社が確立した合成高分子系ナノファイバーの量産化技術を活かし、高付加価値の製品の原価低減活動を推進し、それぞれの事業ドメインの収益性の向上につなげてまいります。
③ 人材の育成強化
当社グループは、日本・欧米・アジア地域に販売会社、アジア地域に生産会社及び開発会社を子会社として擁し、グローバルに事業展開しておりますが、今後は、海外M&Aも踏まえた事業展開も想定されることから、より一層海外拠点の重要性が増すと考えております。このため、当社グループでは、日本国内のみならず海外拠点を含めたグループ全体の経営管理体制を担う有用な人材を育成・確保すべく、ダイバーシティ(人材の多様性)を踏まえた人材採用育成プログラムを新たに策定し、次世代の人材力強化に取り組んでまいります。
④ ガバナンスの更なる充実
当社グループは、持続的な事業成長と中期的企業価値の最大化を図ることを目的に、ガバナンス、コンプライアンス研修の拡充やフェアディスクロージャーを踏まえた情報管理の徹底等の取り組みを継続して実施するとともに、牽制機能の強化等による業務執行の適切な監督を行うことで経営の透明性と質の向上を図り、アカウンタビリティ(説明責任)をより明確に果たし、コーポレート・ガバナンスの強化に努めてまいります。
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針、経営戦略等については、(3)経営方針、経営環境及び対処すべき課題等に記載の通りであり、重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題については、(3)経営方針、経営環境及び対処すべき課題等に記載の通りであり、重要な変更はありません。
当第1四半期連結累計期間における研究開発費の総額は1億49百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。