第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。

 

(1)  経営成績の状況

  ①当第3四半期連結累計期間の概況

当第3四半期連結累計期間(2021年4月1日~2021年12月31日)における世界経済は、各国における経済活動の再開により新型コロナウィルスの影響からの回復が進む一方で、原材料価格の高騰や新型コロナウィルスの変異株の感染拡大の懸念など依然として先行きの見通せない状況が継続しております。

このような環境の中、当社グループの主力事業である建機用フィルタ事業における建設機械市場においては、各国経済の回復に向けたインフラ投資や資源需要の増加に伴う、建機の稼働時間の増加と新車需要の回復により、当第3四半期連結累計期間における当社の売上高は大幅に増加いたしました。しかしながら利益面では、世界的なコンテナ需要の急増に伴う海上輸送費の高騰や航空費用の発生及び原材料価格の高騰に加え、2021年12月16日にフィリピン南部において発生した台風22号により当社フィリピン子会社YAMASHIN CEBU FILTER MANUFACTURING CORP.において生じた被害により増益幅が減少しました。

また、当第3四半期連結累計期間において、当社グループは、引き続きロングライフのフィルタ製品やタンク内の気泡を除去するエアレーション技術、フィルタの汚染度や交換頻度を感知するセンサ技術を搭載したフィルタ製品の主要得意先への積極的な提案を進めており、各建機メーカの新機種への製品供給が開始されております。

さらに、主要市場である北米市場においては、世界最大手建機メーカに対する当社の燃料用、トランスミッション用フィルタ等の新規提案・採用が進展し、中国市場においては、中国系建機メーカへのリターンフィルタ製品を主軸とした当社製品の新規採用実績は増加しており、本業である建機用フィルタ事業の更なる成長が見込まれます。このような事業環境下で、今後ロジスティクスの正常化や原材料高騰の調整や原価低減により、利益面の改善を図ってまいります。

エアフィルタ事業においては、ビル・工場用エアフィルタの交換需要の低迷などにより減収減益となりましたが、今後の経済活動の回復に伴うビル空調用フィルタ需要の回復や新規物件の着工件数の増加により収益の改善が見込まれます。また、新たにロングライフであり低圧損、高捕集率のナノファイバー製エアフィルタ(製品名:NanoWHELP)や溶菌・酵素エアフィルタの、オフィスビルや病院、工場、鉄道車両等への採用に向けた取り組みを加速させるとともに、欧米市場でのエアフィルタ性能の規格(米国規格ASHRAE、欧州規格EN等)を取得し、海外市場の開拓にも取り組んでまいります。

ヘルスケア事業においては、市場環境の大幅な変化等により、今後の需要については極めて不透明であり、事業の継続性が極めて困難であることを踏まえ、同事業に投資したすべての固定資産について、減損損失9億19百万円を特別損失として計上いたしました。今回の対処によりヘルスケア事業の利益改善に向けた抜本的な事業構造改革を一気に進めるとともに、グループ全体での収益性の改善を早急に進めてまいります。

 

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は141億88百万円(前年同四半期比36.5%増)となり、営業利益は11億13百万円(前年同四半期は1億46百万円の営業損失)、経常利益は10億78百万円(前年同四半期は1億33百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は88百万円(前年同四半期は3億84百万円の親会社株主に帰属するする四半期純利益)となりました。

 

  ②連結業績
   当第3四半期連結累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年12月31日)業績について

 (単位:百万円)

 

前第3四半期

当第3四半期

増減額

増減率

外部売上高

10,394

14,188

3,793

36.5%

営業利益又は営業損失(△)

(利益率)

△146

(△1.4%)

1,113

(7.8%)

1,260

経常利益又は経常損失(△)

(利益率)

△133

(△1.3%)

1,078

7.6%)

1,212

親会社株主に帰属する四半期純利益又は親会社株主に帰属する四半期純損失(△)

(利益率)

384

(3.7%)

△88

(△0.6%)

△472

△122.9%

 

売上高については、建機用フィルタ事業において、52.0%の増収となった一方で、エアフィルタ事業において3.3%の減収、ヘルスケア事業においては、24.3%の減収となり、全体では36.5%の増収となりました。

営業利益については、建機用フィルタ事業において、世界的な輸送ロジスティクスの混乱による海上輸送費や航空運賃といった物流コストの継続的な高騰や、原材料価格の高騰により減益となる影響がある一方で、売上高の大幅な増加に伴い、12億60百万円の増益となり、経常利益については、12億12百万円の増益となりました。

親会社株主に帰属する四半期純利益については、ヘルスケア事業において、固定資産について、減損損失9億19百万円を特別損失として計上したこと等により4億72百万円の減益となりました。

 

  ③事業セグメント別の売上高と営業利益

当社は2020年9月より合成高分子系ナノファイバーを活用したヤマシン・オリジナルマスクの量産供給を本格的に開始したことに伴い、前第2四半期連結会計期間より、新たに「ヘルスケア事業」を事業セグメントとして識別し、報告セグメントとして新設し記載する方法に変更しております。

また、「ヘルスケア事業」を新たな事業セグメントとして識別したことに伴い、各セグメントの業績及び全社費用をより的確に把握するため、当社の各報告セグメントに帰属しない本社及び一部子会社の管理部門の一般管理費等の全社費用につきましては、全社費用を別掲することにより、前連結会計年度より所定のセグメントに配賦しない方法に変更しております。そのため、前第3四半期連結累計期間のセグメント情報につきましては、変更後の区分方法により作成したものを記載しております。

詳細は、「第4 経理の状況、注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

 

(建機用フィルタ事業)(自 2021年4月1日 至 2021年12月31日)業績について

(単位:百万円)

 

前第3四半期

当第3四半期

増減額

増減率

外部売上高

7,742

11,768

4,026

52.0

営業利益

(利益率)

798

(10.3%)

2,511

(21.3%)

1,713

214.7%

 

売上高については、主要得意先各社の生産活動が各国で再開したことによる、建機の新車生産台数の増加、及び公共事業投資の増加に伴う建機の稼働時間、交換需要の増加により52.0%の増収となりました。

営業利益については、世界的な輸送ロジスティクスの混乱による海上輸送費や航空運賃といった物流コストの継続的な高騰や、原材料価格の高騰により減益となる影響がある一方、売上高の大幅な増加に伴い、214.7%の増益となりました。

 

(エアフィルタ事業)(自 2021年4月1日 至 2021年12月31日)業績について

(単位:百万円)

 

前第3四半期

当第3四半期

増減額

増減率

外部売上高

1,957

1,894

△63

△3.3%

営業利益

(利益率)

117

(6.0%)

48

(2.6%)

△68

△58.5%

 

売上高については、オフィスビルや工場等の稼働率低下の影響により交換用フィルタ等の需要減少に伴い3.3%の減収となりました。

営業利益については、売上高の減少、セールスミックスの影響により、68百万円の減益となりました。

 

(ヘルスケア事業)(自 2021年4月1日 至 2021年12月31日)業績について

(単位:百万円)

 

前第3四半期

当第3四半期

増減額

増減率

外部売上高

694

526

△168

△24.3%

営業利益又は営業損失(△)

(利益率)

△18

(△2.7%)

△342

(△65.1%)

△324

 

ヘルスケア事業については、新たな事業の開始に伴い、前第3四半期連結累計期間の経営成績は2020年7月から12月の6か月の業績を記載しております。

家庭用マスク市場においては、安価で使い捨ての海外不織布マスクの需要拡大が顕著であり、当社の主力製品である高機能マスクの需要の大幅な減少により、営業損失となりました。

 

(2)  財政状態の状況

資産、負債及び純資産の状況は、次のとおりであります。

 (流動資産)
 当第3四半期連結会計期間末における流動資産の残高は、前連結会計年度末比9億28百万円減少(前連結会計年度末比6.1%減)し、143億94百万円となりました。その主な要因は、現金及び預金が29億25百万円減少(前連結会計年度末比40.5%減)した一方で、受取手形及び売掛金が5億61百万円増加(前連結会計年度末比13.1%増)、商品及び製品が6億81百万円増加(前連結会計年度末比37.4%増)、原材料及び貯蔵品が7億40百万円増加(前連結会計年度末比62.9%増)したことによるものです。

 

(固定資産)
 当第3四半期連結会計期間末における固定資産の残高は、前連結会計年度末比5億42百万円減少(前連結会計年度末比4.2%減)し、123億26百万円となりました。その主な要因は、機械装置及び運搬具が5億83百万円減少(前連結会計年度末比33.1%減)、建設仮勘定が8億20百万円減少(前連結会計年度末比29.3%減)、投資有価証券が9億82百万円減少(前連結会計年度末比97.2%減)した一方で、建物及び構築物が17億56百万円増加(前連結会計年度末比81.9%増)した一方でことによるものです。

 

(流動負債)
 当第3四半期連結会計期間末における流動負債の残高は、前連結会計年度末比7億3百万円減少(前連結会計年度末比12.7%減)し、48億36百万円となりました。その主な要因は、短期借入金が6億円減少(前連結会計年度末比100.0%減)、未払金が10億99百万円減少(前連結会計年度末比66.7%減)した一方で、支払手形及び買掛金が10億50百万円増加(前連結会計年度末比53.8%増)したことによるものです。

 

(固定負債)
 当第3四半期連結会計期間末における固定負債の残高は、前連結会計年度末比3億46百万円減少(前連結会計年度末比17.6%減)し、16億22百万円となりました。その主な要因は、長期借入金が3億2百万円減少(前連結会計年度末比19.8%減)したことによるものです。

 

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は、前連結会計年度末比4億20百万円減少(前連結会計年度末比2.0%減)し、202億61百万円となりました。その主な要因は、利益剰余金が5億16百万円減少(前連結会計年度末比6.5%減)したことによるものです。

 

 

(3)経営方針、経営環境及び対処すべき課題

1.経営方針

当社グループの経営理念は「仕濾過事」(ろかじにつかふる)であります。

「仕濾過事」(ろかじにつかふる)には、フィルタビジネスを通じて社会に貢献するという意思が込められており、当社グループは、この不変のDNAを通じ、フィルタビジネスを通じて「環境」、「空気」、「健康」をテーマにESG等の社会的課題解決に取り組み、コーポレートサスティナビリティの強化に努めてまいります。

 

2.ESGへの取り組み

昨今、企業に対する社会からの期待や責任は多岐にわたり、企業が果たす役割の重要度はますます高まっています。当社グループは、1956年創業以来、経営理念として「仕濾過事」(ろかじにつかふる)を掲げ、 お客さまやビジネスパートナーに対してはもちろん、国や地域、自然や地球環境に対してもよい関係をつくり、社会的な責任を果たしてまいります。この理念は2015年、国連にて採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の考え方とも合致しています。社会を構成する一員として、企業に対しても大きな期待が寄せられている中、当社グループはサステナビリティの視点を踏まえた経営を促進するため、組織体としてESGプロジェクト「YSS(Yamashin Sustainable Solutions)」を立ち上げました。同プロジェクトを通じ、経営理念である「仕濾過事」(ろかじにつかふる)の具現化、技術力を生かした新たな価値創造と、脱炭素、TCFD、再生可能エネルギー、資源循環といった社会課題の解決を通じ社会に貢献してまいります。

 

3.対処すべき課題

当社グループは、経営戦略上の中長期的な目標として、「建設機械フィルタの専門メーカから総合フィルタメーカへの飛躍」-Yamashin Paradigm Shift- を掲げており、既存事業である建機用フィルタビジネス、エアフィルタビジネスの拡大に加え、ヘルスケアビジネス、アパレルビジネスや産業資材としての活用を踏まえた新規事業ポートフォリオの確立に取り組み、中期的持続的成長を実現するために、次に掲げる課題に重点的に取り組んでまいります。

 

① 事業ポートフォリオの拡大

建機用フィルタ事業においては、新技術や高付加価値化の実現による製品ラインナップの拡充や中国市場でのシェア拡大に加え、当社が確立した合成高分子系ナノファイバーの量産化技術を軸に、主要建機メーカの次世代グローバルスタンダードとして、ナノファイバー製油圧フィルタの開発供給を進めてまいります。また、第2の事業セグメントである、エアフィルタ事業においては、ナノファイバー技術による差別化製品の開発に努め、海外市場も視野に積極的なM&Aを含む当該事業の拡大を迅速に進めてまいります。更には、第3の事業ポートフォリオとして、ヘルスケアビジネスに加え、アパレルビジネスや他の産業資材としての活用を踏まえた新たな事業の確立により、当社グループ全体の企業価値の向上を図ってまいります。

 

② 収益性の改善

当社グループでは、利益創出体制の確立を企図した全社的プロジェクトである「Project PAC 21」を立ち上げ、販売、生産、開発及び物流拠点の最適化を図り、グローバルサプライチェーンを強化し、主要市場における品質管理・保証体制を踏まえた製品供給機能、生産機能及び開発機能の適切な連携体制を整備することで収益性の改善を図り、アフターコロナのビジネスに対応した、メリハリのある支出・投資の実行を進めてまいります。

更には、当社が確立した合成高分子系ナノファイバーの量産化技術を活かし、高付加価値の製品の原価低減活動を推進し、それぞれの事業の収益性の向上につなげてまいります。

 

③ 人材の育成強化

当社グループは、日本・欧米・アジア地域に販売会社、アジア地域に生産会社及び開発会社を子会社として擁し、グローバルに事業展開しておりますが、今後は、海外M&Aも踏まえた事業展開も想定されることから、より一層海外拠点の重要性が増すと考えております。このため、当社グループでは、日本国内のみならず海外拠点を含めたグループ全体の経営管理体制を担う有用な人材を育成・確保すべく、ダイバーシティ(人材の多様性)を踏まえた人材採用育成プログラムを新たに策定し、次世代の人材力強化に取り組んでまいります。

 

④ ガバナンスの更なる充実

当社グループは、持続的な事業成長と中期的企業価値の最大化を図ることを目的に、ガバナンス、コンプライアンス研修の拡充やフェアディスクロージャーを踏まえた情報管理の徹底等の取り組みを継続して実施するとともに、牽制機能の強化等による業務執行の適切な監督を行うことで経営の透明性と質の向上を図り、アカウンタビリティ(説明責任)をより明確に果たし、コーポレート・ガバナンスの強化に努めてまいります

 

(4)経営方針、経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針、経営戦略等については、(3)経営方針、経営環境及び対処すべき課題に記載のとおりであり、重要な変更はありません。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題については、(3)経営方針、経営環境及び対処すべき課題に記載のとおりであり、重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は4億50百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。