第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。

 

(1)  経営成績の状況

①当第1四半期連結累計期間の概況

当第1四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年6月30日)における世界経済は、欧州での地政学リスクの長期化を背景としたエネルギーコストや資材価格の高騰が継続する中、欧米諸国の金融政策による企業経済への悪影響や急激な為替変動が生じており、依然として先行き不透明な状況が継続しております。

このような環境の中、当社グループの主力事業である建機用フィルタ事業においては、主要地域である欧州及びアジア市場において需要の減少がみられるものの、北米及び日本市場においては、建機の稼働時間と新車需要は概ね堅調に推移いたしました。一方、中国市場においては経済活動の停滞により需要の低迷が継続しております。この結果、当第1四半期連結累計期間における当社の売上高は増収となりました。

利益面では、当該外部環境変化への対応策として、適正価格への価格転嫁の実施により収益性は順次回復傾向にありますが、アルミや鋼材等の主要原材料価格やエネルギーコストの高騰、セールスミックスの影響等により減益となりました。

当社グループは、環境負荷低減に貢献するロングライフのフィルタ製品やフィルタの汚染度や交換頻度を感知するセンサ技術を搭載した高付加価値フィルタ製品の主要得意先への提案を進めており、各建機メーカの新機種への製品供給が順次開始されております。

一方、減益要因となっている原材料価格やエネルギーコストの高騰に対しては、適正価格への更なる価格転嫁を実行するとともに、原価改善の取り組みとして、プロジェクトPAC23の推進に加え、設計開発段階での機能や材料の見直し、生産プロセスの簡素化、部品の共通化、品質管理の更なる強化等を行うことにより製品ライフサイクル全体でのコストの削減に取り組み利益の改善に努めてまいります。更には、サプライチェーンの見直しや生産地移管によるグローバル生産供給体制の構築により、原材料調達の安定化と物流コストの低減を実現することで、外部環境変化やリスクへの適応力の強化を図り、資本効率の更なる改善と収益性の拡大に努めてまいります。

エアフィルタ事業においては、主力製品であるビル空調用フィルタの交換需要の回復等により、売上高は増加いたしました。利益面では、原材料価格の高騰に対する価格転嫁の実施、及び生産効率の改善並びに経費削減等の効果により、大幅な増益となりました。また、新たにロングライフ、低圧損、高捕集率のナノファイバー製エアフィルタ(製品名:NanoWHELP)の、オフィスビルや商業施設、ホテル、病院、工場等への採用が進展しております。また、昨今のカーボンニュートラルという大きな流れの中で企業に求められる温室効果ガスの削減のための有用な手段の一つとして、当社製品であるNanoWHELPはその素材の特性により他社製エアフィルタに比し、年間で約30%近いCO2の削減効果と同時に光熱費も大きく低減できる製品であることから、ビル用空調システム市場を中心に今後大きく成長することが見込まれます。更に、当社グループは国内では唯一、エアフィルタ性能規格として最も権威のあるアメリカ暖房冷凍空調機学会(ASHRAE)の定めるエアフィルタの性能等級であるMERV(16の等級に区分され最高性能等級は16)では当社のNanoWHELPはMERV14・15・16の3つの等級を取得しているフィルタメーカであり、この高い競争力と信頼性を生かし、今後、欧米市場をはじめとした、海外市場の開拓にも積極的に取り組んでまいります。

 

また、当社のSDGsへの取り組みの成果として、ESG投資指数「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」の構成銘柄に初選定されました。本インデックスは、グローバルインデックスプロバイダーであるFTSE Russellにより構築され、各セクターにおいて相対的に、環境、社会、ガバナンス(ESG)の対応に優れた日本企業のパフォーマンスを反映するインデックスであり、セクター・ニュートラル(※1)となるよう設計されております。また本インデックスは、低炭素経済への移行を促進するため、特に温室効果ガス排出量の多い企業については、TPI経営品質スコア(※2)により改善の取り組みが評価される企業のみを組み入れており、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のESG投資におけるパッシブ運用ベンチマークとして採用されています。

今後も当社は、総合フィルタメーカとして「環境」「空気」「健康」をテーマに持続可能な社会・経済活動に貢献する企業として社会的責任を果たしてまいります。

 

以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は43億2百万円(前年同四半期比3.2%増)となり、営業利益は1億12百万円(前年同四半期比20.1%増)、経常利益は95百万円(前年同四半期比66.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は19百万円(前年同四半期比62.2%増)となりました。

 

(※1)業種の偏りが発生することを避けるため、親インデックスであるFTSE Japan All Cap Indexの業種比率を考慮し構成銘柄を選定。

(※2)低炭素経済を推進するために2017年に設立されたイニシアチブ「Transition Pathway Initiative (TPI)」が、企業の温室効果ガス排出量及び低炭素への移行に関連するリスクと機会の管理の質を評価したもの。

 

 

  ②連結業績
   当第1四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年6月30日)業績について

 (単位:百万円)

 

前第1四半期

当第1四半期

増減額

増減率

外部売上高

4,169

4,302

132

3.2%

営業利益

(利益率)

94

(2.3%)

112

(2.6%)

18

20.1%

経常利益

(利益率)

57

(1.4%)

95

(2.2%)

37

66.1%

親会社株主に帰属する四半期純利益

(利益率)

12

(0.3%)

19

(0.5%)

62.2%

 

売上高については、建機用フィルタ事業において、2.2%の増収、エアフィルタ事業において8.7%の増収となったことから、全体では3.2%の増収となりました。

営業利益については、建機用フィルタ事業において、価格転嫁の進展により改善傾向にはあるものの、セールスミックスや、アルミや鋼材を中心とした主要原材料価格の高騰の影響等により32.1%の減益となった一方で、エアフィルタ事業において大幅な増益となったことから20.1%の増益となりました。

経常利益については、営業利益の増加等により66.1%の増益となりました。

親会社株主に帰属する四半期純利益については、7百万円の増益となりました。

 

③事業セグメント別の売上高と営業利益

 

(建機用フィルタ事業)(自 2023年4月1日 至 2023年6月30日)業績について

(単位:百万円)

 

前第1四半期

当第1四半期

増減額

増減率

外部売上高

3,532

3,609

76

2.2%

営業利益

(利益率)

93

(2.6%)

63

(1.8%)

△29

△32.1%

 

売上高については、建機の稼働時間と新車需要は堅調に推移したことにより、2.2%の増収となりました。

営業利益については、世界的なサプライチェーンの混乱による原材料価格やエネルギーコストの高騰、セールスミックスの影響等により32.1%の減益となりました。

 

(エアフィルタ事業)(自 2023年4月1日 至 2023年6月30日)業績について

(単位:百万円)

 

前第1四半期

当第1四半期

増減額

増減率

外部売上高

636

692

55

8.7%

営業利益

(利益率)

(0.1%)

49

(7.2%)

48

5,464.3%

 

売上高については、主力製品であるビル空調用フィルタの交換需要の回復等により、8.7%の増収となりました。

営業利益については、価格転嫁実施及び生産効率向上や経費削減効果により大幅な増益となりました。

 

 

(2)  財政状態の状況

資産、負債及び純資産の状況は、次のとおりであります。

(流動資産)
 当第1四半期連結会計期間末における流動資産の残高は、前連結会計年度末比6億9百万円増加(前連結会計年度末比4.7%増)し、135億33百万円となりました。その主な要因は、現金及び預金が7億37百万円増加(前連結会計年度末比17.9%増)した一方で、商品及び製品が1億7百万円減少(前連結会計年度末比4.3%減)したことによるものです。

 

 (固定資産)
 当第1四半期連結会計期間末における固定資産の残高は、前連結会計年度末比1億8百万円減少(前連結会計年度末比0.9%減)し、125億49百万円となりました。その主な要因は、工具、器具及び備品が14百万円増加(前連結会計年度末比5.1%増)した一方で、建物及び構築物が61百万円減少(前連結会計年度末比1.2%減)、機械装置及び運搬具が36百万円減少(前連結会計年度末比2.7%減)、建設仮勘定が17百万円減少(前連結会計年度末比2.2%減)したことによるものです。

 

(流動負債)
 当第1四半期連結会計期間末における流動負債の残高は、前連結会計年度末比6億28百万円増加(前連結会計年度末比18.8%増)し、39億71百万円となりました。その主な要因は、短期借入金が3億20百万円増加(前連結会計年度末比114.3%増)その他が3億16百万円増加(前連結会計年度末比82.5%増)したことによるものです。

 

(固定負債)
 当第1四半期連結会計期間末における固定負債の残高は、前連結会計年度末比1億17百万円減少(前連結会計年度末比9.4%減)し、11億42百万円となりました。その主な要因は、長期借入金が1億円減少(前連結会計年度末比13.9%減)、その他が19百万円減少(前連結会計年度末比6.9%減)したことによるものです。

 

(純資産)

 当第1四半期連結会計期間末における純資産の残高は、前連結会計年度末比9百万円減少(前連結会計年度末比0.0%減)し、209億67百万円となりました。その主な要因は、利益剰余金が1億94百万円減少(前連結会計年度末比2.5%減)した一方で、為替換算調整勘定が1億84百万円増加(前連結会計年度末比40.9%増)したことによるものです。

 

 

(3)経営方針、経営環境及び対処すべき課題

1.経営方針

当社グループの経営理念は「仕濾過事」(ろかじにつかふる)であります。

「仕濾過事」(ろかじにつかふる)には、フィルタビジネスを通じて社会に貢献するという意思が込められており、当社グループは、この不変のDNAを通じ、フィルタビジネスを通じて「環境」、「空気」、「健康」をテーマにESG等の社会的課題解決に取り組み、コーポレート・サステナビリティの強化に努めるとともに、企業価値の最大化を図ってまいります。

 

2.SDGsへの取り組み

昨今、企業に対する社会からの期待や責任は多岐にわたり、企業が果たす役割の重要度はますます高まっています。当社グループは、1956年創業以来、経営理念として「仕濾過事」(ろかじにつかふる)を掲げ、 お客さまやビジネスパートナーに対してはもちろん、国や地域、自然や地球環境に対してもよい関係をつくり、社会的な責任を果たしてまいります。この理念は2015年、国連にて採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の考え方とも合致しております。社会を構成する一員として、企業に対しても大きな期待が寄せられている中、当社グループはサステナビリティの視点を踏まえた経営を促進するため、組織体としてSDGs推進委員会である「YSS (Yamashin Sustainable Solutions)」を取締役社長の諮問機関として設置いたしました。同委員会を通じ、経営理念である「仕濾過事」(ろかじにつかふる)の具現化、技術力を生かした新たな価値創造と、脱炭素、TCFD、再生可能エネルギー、資源循環といった社会課題の解決を通じ社会に貢献してまいります。

 

3.対処すべき課題

① 事業ポートフォリオの拡大

建機用フィルタ事業においては、新技術や高付加価値化の実現による製品ラインナップの拡充や中国市場でのシェア拡大に加え、当社が確立したナノファイバーの量産化技術を軸に、主要建機メーカの次世代グローバルスタンダードとして、ナノファイバー製油圧フィルタの開発供給を進めてまいります。また、第2の事業セグメントである、エアフィルタ事業においては、ナノファイバー技術による差別化製品の開発に努め、海外市場も視野に積極的なM&Aを含む当該事業の拡大を迅速に進めてまいります。更には、第3の事業ポートフォリオとして、様々な産業資材としての活用を踏まえた新たな事業の確立により、当社グループ全体の企業価値の向上を図ってまいります。

 

② 収益性の改善

当社グループは、グループ全体の収益管理体制の強化を図ることを企図した、取締役社長の諮問機関である原価企画委員会を設置しております。同委員会では、既存製品の実績数値のモニタリングによる収益性の管理及び原価低減活動の推進や、新製品開発段階から顧客が求める品質や機能を最小限のコストで実現する原価企画、VA「Value Analysis」、VE「Value Engineering」活動を行っております。同委員会での活動を通じ、より一層の収益基盤の強化を図るとともに、顧客に対する圧倒的な競争力の確保に努めてまいります。

また、利益創出体制の確立を企図した全社的プロジェクトである「Project PAC 23」を立ち上げ、販売、生産、開発及び物流拠点の最適化を図り、グローバルサプライチェーンを強化し、主要市場における品質管理・保証体制を踏まえた製品供給機能、生産機能及び開発機能の適切な連携体制を整備することで継続した収益性の改善を図ってまいります。

 

③ 人材の育成強化

当社グループは、日本・欧米・アジア地域に販売会社、アジア地域に生産会社及び開発会社を子会社として擁し、グローバルに事業展開しておりますが、今後は、海外M&Aも踏まえた事業展開も想定されることから、より一層海外拠点の重要性が増すと考えております。このため、当社グループでは、日本国内のみならず海外拠点を含めたグループ全体の経営管理体制を担う有用な人材を育成・確保すべく、ダイバーシティ(人材の多様性)を踏まえた人材採用育成プログラムを新たに策定し、次世代の人材力強化に取り組んでまいります。

 

 

④ ガバナンスの更なる充実

当社グループは、コーポレート・ガバナンス及びビジネスに関する事項等について幅広く議論し、コーポレート・ガバナンスの継続的な充実を図ることを目的とした取締役会の諮問機関として、ガバナンス委員会を設置しております。同委員会は、取締役会の経営の監督機能の実効性の評価、課題に対する取締役会への助言、改善提案、報告、執行役員への通知といった活動を行っております。同委員会は透明性及び客観性を確保するため、独立社外取締役で構成されております。

また、グループ会社が行う業務執行に関するリスクの監視・牽制機能(モニタリング)、内部監査で実施される評価業務の支援を目的とした社内委員会として、取締役社長の諮問機関である業務監理委員会を設置しております。

このように、ガバナンス委員会及び業務監理委員会の活動を通じ、より一層牽制機能の強化等による業務執行の適切な監督を行うことで経営の透明性と質の向上を図り、アカウンタビリティ(説明責任)をより明確に果たし、コーポレート・ガバナンスの強化に努めてまいります。

 

(4)経営方針、経営戦略等

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針、経営戦略等については、(3)経営方針、経営環境及び対処すべき課題に記載のとおりであり、重要な変更はありません。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題については、(3)経営方針、経営環境及び対処すべき課題に記載のとおりであり、重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

当第1四半期連結累計期間における研究開発費の総額は1億16百万円であります。

なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。