文中の将来に関する事項は、特段の記載が無い限り、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは「インターネットマーケティングを通じて豊かな世界を実現する」という経営理念のもと、企業ビジョンとして「モバイルから生活を豊かに」を掲げております。
これらの目的を達成するために、当社グループの事業は、スマートフォンメディアを中心としたモバイルサービスの企画・開発・運営等を行う「モバイルサービス事業」と、仮想通貨・ブロックチェーン関連事業、スマートフォン決済事業及び投資育成事業からなる「フィナンシャルサービス事業」で構成されております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、連結売上高、EBITDAであり、2021年を最終年度とする中期経営計画を策定しております。本計画にて、連結売上高225億円、EBITDA30億円を最終年度に達成すべき数値目標として定めております。なお、当社グループのEBITDAは税金等調整前当期純利益+支払利息+減価償却費+のれん償却費(持分法による投資損益に含まれるのれん償却に相当する額も加算)+のれん等減損損失で算出しております。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
当社グループの主力事業であるモバイルサービス事業は、スマートフォン端末の普及に伴う広告市場の拡大とインターネット技術の進化に伴って、今後も高い成長が期待される領域であります。このような市場環境において当社が継続的な成長を続けるためには、現在運営している複数のメディアの利用者満足度を高めることに加え、集客力のある新しいメディアを立ち上げ収益化する必要があると認識しております。
他方、フィナンシャルサービス事業は、ブロックチェーンビジネスに対する社会的関心の高まりやO2O(Online-to-Offline)サービスの拡大等もあり、今後の成長が期待できる領域であります。当社では、100%子会社での暗号資産(仮想通貨)交換業の登録審査完了及び開業を目指すとともに、引き続き新たなブロックチェーン事業の立ち上げにも積極的に取り組んでまいります。また、将来を見据えO2Oビジネス等を展開する企業への積極的な投資を続けていく所存であります。
これらを実現するため、以下の7点を主な経営課題と認識しております。
当社の主要サービスであるポイントサイトの競争力を強化するためには、会員数の拡大や収益性向上を図ることが必要であると考えております。多様な集客方法による会員数の増加や、ポイント獲得手段の増加といった継続的なサイトの改良に取り組むとともに、ポイント費用のコントロールや表示アルゴリズムの精度向上により利用者の属性に適した広告表示を実現する等の収益性向上に向けた各種施策にも取り組んでまいりました。今後もこれらの取組みをより充実したものとすると同時に、利便性や収益性向上に向けた新たな施策を展開してまいります。
他方で、中長期的な事業拡大を目指し、当社の強みである「インセンティブを用いた成功報酬型ビジネスモデル」を取り入れた新規メディア(コンテンツメディア)を複数立ち上げております。なお、新規メディアについては、自社での企画・開発だけでなく事業譲受等も積極的に活用してメディアポートフォリオの充実を図っていく方針であります。
当社グループの中長期的な成長のためには、メディアビジネスの成長だけでなく、モバイルサービス事業における事業間シナジーの追求や収益多角化が重要になると考えております。「モッピー」や各種コンテンツメディアの収益だけでなく、これら自社メディアの媒体力を活かしたアフィリエイトプログラムの拡大やモバイル分野において有数のシステム開発力を持つ連結子会社ゆめみとの連携が不可欠であると考えております。これらの施策を実現するために、グループのリソースを最大限活用していく方針であります。
当社グループは、スマートフォン端末と自社ポイントサイトを活用したO2Oビジネスに進出することにより事業拡大を図っていくことを経営戦略としております。特に「ポイントを生かしたオムニチャネル支援」「トークンエコノミー」「暗号資産(仮想通貨)」を重点分野と位置づけ、これらに関連する事業を展開するベンチャー企業等に対する投資を積極的に行っております。投資育成事業においては、投資に関する専門知識を有するメンバーで構成する会議体での検討を通じて可能な限りリスクを回避しつつ継続的に取り組んでまいります。
当社グループは、2017年9月に100%子会社である株式会社マーキュリーを設立し、2018年1月29日付で資金決済に関する法律第63条の3第1項の規定による仮想通貨交換業の登録申請書を関東財務局に提出し、受理されております。現在も暗号資産(仮想通貨)取引所の開設に向け着実に準備を進めております。当事業への進出にあたっては、暗号資産(仮想通貨)によるマネー・ローンダリングの防止、利用者の資産である暗号資産(仮想通貨)の分別管理、システムリスク管理の徹底を図ること等が、サービス運営上の重要課題であると認識しております。
また、「暗号資産(仮想通貨)交換業」という法令上の登録事業者となりますので、監督官庁である金融庁による監督の下、従業員に対する教育、情報セキュリティの強化等を図るとともに、利用者にも、安心してサービスを利用していただけるように最大限努めてまいります。
当社グループの中長期的な成長戦略として、既存の自社運営メディアの強化に加え、新規メディアの立ち上げ、O2Oビジネスへの進出を進めてまいります。今後も事業規模の拡大が予想されることから、メディア運営、システム開発、マーケティング、Webデザイン、管理等の各分野において、優秀な人材を採用し、継続的に育成していくことが不可欠であると考えております。
他方で、人材の多様性をこれまで以上に重視してまいります。さまざまなバックボーンを有する優秀な人材が当社グループに集結し影響し合うことでこれまでにない新しいアイディアが生み出されると考えております。また、担当業務に応じた適切な能力開発に取り組むことに加え、常に新しいことへの挑戦ができる職場環境を創り出すことで、採用した人材も生き生きと働くことができ、当社グループで長く活躍することができるものと考えております。
当社グループの運営する各種メディアや開設準備を進めている暗号資産(仮想通貨)取引所は、システム負荷の高いサービスとなっていることから、システムの安定的な稼動が当社グループの業務遂行上必要不可欠な事項となっております。また、自社運営メディアの利用者数の増加や暗号資産(仮想通貨)取引所の開設等により、アクセス数は今後も増加することが予想されます。
当社グループは、このような状況の変化にも柔軟に対応しながら、引き続き安定的なシステム稼働を維持していくことが重要であると考えており、サーバー設備の増強や負荷分散を推進する等の対策が必要となることから、今後も継続的な設備投資を行ってまいります。
また、インターネットサービスの普及により、利用者の利便性が高まる一方で、ハッキング等による外部からの悪意ある攻撃のリスクが生じており、セキュリティ強化に関する社会的要請は急速に高まっております。運営するポイントサイトでは現金、電子マネー等に交換可能なポイントを、開設予定の暗号資産(仮想通貨)取引所では利用者からお預かりする各種資産を管理することから、セキュリティ強化が引き続き重要な課題であると認識しております。
⑦関係会社を含めた管理体制の構築・強化
当社グループは、当社(株式会社セレス)、連結子会社3社(株式会社ゆめみ、株式会社マーキュリー、株式会社バッカス)及び持分法適用関連会社1社(ビットバンク株式会社)によって構成されております。当社グループの持続的な成長のためには、当社の内部管理体制をより一層強化することはもちろん、関係会社を含めたグループガバナンス体制の強化が必須であると考えております。
当社グループは、関係会社を含めて事業を拡大し、企業価値を継続的に高めていくために、社内規程やマニュアルの適切な整備、定期的な社内教育の実施等を通じて業務の効率化とコンプライアンスの意識向上を図るとともに、監査役による監査や機動的な内部監査の実施等により、当社グループの内部管理体制と関係会社管理体制の実効性を確保してまいります。
当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、特段の記載が無い限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループはモバイルサービス事業を主力事業としておりますが、当社グループの事業発展のためには、インターネット利用者数の増加や関連市場の拡大が必要であると考えております。また、2019年の携帯電話端末出荷台数に占めるスマートフォンの割合が88.8%と、継続的に上昇しており、今後もこの傾向が継続することが予想されております(株式会社MM総研発表資料より)。
しかしながら、広告を閲覧するデバイスの多様化が進む中、当社グループが事業環境の変化に適切に対応できなかった場合、または、新たな法的規制の導入等の予期せぬ原因によりインターネット関連市場の成長が鈍化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
国内のスマートフォン広告市場の規模については、2019年見込で1兆2,493億円(前年比22.7%増)と好調に推移することが予測されており、今後も継続的に拡大することが見込まれています(株式会社D2C/株式会社サイバー・コミュニケーションズ発表資料より)。
しかしながら、インターネット広告市場は変化のスピードが早く、景気動向や広告主の広告出稿戦略にも大きな影響を受ける構造となっております。また、広告主の費用対効果に対する要求も厳しくなってきております。当社グループがそのような変化に適切に対応できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが事業展開しているインターネット関連市場では、技術革新や顧客ニーズの変化のスピードが非常に早く、インターネット関連事業の運営者はその変化に柔軟に対応する必要があります。当社グループにおいても、最新の技術動向や環境変化を常に把握できる体制を構築するだけではなく、優秀な人材の確保及び教育等により技術革新や顧客ニーズの変化に迅速に対応できるよう努めております。
しかしながら、当社グループが技術革新や顧客ニーズの変化に適時に対応できない場合、また、変化への対応のためにシステム投資や人件費等多くの費用を要する場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループはモバイルサービス事業を主たる事業領域としておりますが、当該分野においては多くの企業が事業展開をしております。中でもポイントサイトは参入障壁が低く、競合が激しい状況にあります。最適なユーザビリティを追求したサイトの構築、サービス利用者の訪問頻度向上を目指した特色あるサービスやコンテンツの提供、メディア利用時の安全性の確保やカスタマーサポートの充実等に取り組み、競争力の向上を図っております。
しかしながら、同様のサービスを展開する企業等との競合激化や、十分な差別化が図られなかった場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループのモバイルサービス事業においては、扱う広告の掲載順位やメディア内での表示位置、インセンティブとして付与するポイントの売上に対する付与率等をどのようにコントロールするかといったメディア運営に関するノウハウが蓄積され、競合他社との差別化要因となっております。また、当社グループの事業の成否は、メディア運営、システム開発、webデザイン、管理等の各分野に精通した人材とインターネットビジネスに最適化された組織体制に大きく依存しております。
しかしながら、人材需要が急増するインターネット関連分野において人材獲得競争が激化し、在職している従業員が流出した場合には、メディア運営ノウハウの流出や組織体制のバランスが崩れ効率的な運営ができないこと等が想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、スマートフォン端末と自社ポイントサイトを活用したO2Oビジネスに進出することにより事業拡大を図っていくことを経営戦略としております。特に「ポイントを生かしたオムニチャネル支援」「トークンエコノミー」「暗号資産(仮想通貨)」を重点分野と位置づけ、これらに関連する事業を展開するベンチャー企業等に対する投資を積極的に行っております。出資対象とするベンチャー企業等は、市場環境変化への対応力並びに開発能力及び経営管理能力の不足等、その将来性において不確定要素を多数抱えております。当該投資を行う際には、専門知識を有するメンバーで構成する会議体にて慎重に検討し、極力リスクを回避するよう努めておりますが、投資先が期待した成果を上げることができず業績が悪化した場合には、営業投資有価証券の減損処理等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループでは、投資事業組合等(ファンド)への出資も実施しておりますが、ファンドが出資する未公開企業についても同様の不確定要素を抱えていることから、出資先の業績が悪化した場合には、これらの投資が回収できず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)子会社におけるプロジェクトの採算管理について
株式会社ゆめみが行う、モバイルサービス及びアプリ等の開発や制作全般において、予定していた技術で対応できない等の理由で、受注時の見積工数・期間を超過する場合があります。同社は、受注時の見積精度の向上・工程管理の向上に努める一方、契約の締結に際し、長期間にわたる大型かつ包括的な請負契約を避け、複数の個別契約に分割して影響を極小化する、あるいは部分検収を受け、仕様追加や変更に対して追加受注を受ける対応を図る方針であります。
しかしながら、見積時点では想定できなかった事態の発生により案件の採算が悪化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(8)子会社におけるマーケティング支援及び保守運用サービスについて
株式会社ゆめみの提供するオムニチャネルを中心としたデジタルマーケティング支援サービスと保守運用サービスは、一旦受注すると業務の性質上継続受注する傾向にあります。
しかしながら、顧客の方針変更により契約内容が変更となる、あるいは何らかの理由により顧客との契約が終了する等した場合には、一時的に余剰人員が発生し、固定費負担が当社グループの業績を圧迫する可能性があります。
当社グループの運営する各種メディアや開設準備を進めている暗号資産(仮想通貨)取引所は、システム負荷の高いサービスとなっていることから、システムの安定的な稼動が当社グループの業務遂行上必要不可欠な事項となっております。そのため、当社グループでは継続的な設備投資を実施するだけではなく、サービスで使用するサーバー設備やネットワークを常時監視し、障害の兆候が見られた場合には担当の役職員に対し自動でメールが送信される等、システム障害の発生を未然に防ぐことに努めております。
しかしながら、アクセスの急増、ソフトウエアの不備、コンピューターウィルスや人的な破壊行為、役職員の過誤、自然災害等、想定していない事象の発生によるサービスの停止により収益機会の喪失を招く恐れがあります。このような事態が発生した場合には、当社グループが社会的信用を失うこと等が想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主力事業であるポイントサイトにおいて現金や電子マネーに交換可能なポイントを発行していることから、当該ポイントを不正に取得することを目的とした悪意の第三者によるシステムへの不正アクセス等を受ける可能性があります。また、暗号資産(仮想通貨)関連事業においても保持する暗号資産(仮想通貨)を対象とする同様のリスクを認識しております。当社グループでは、サービスを提供するシステムや社内情報システム等に対して適切なセキュリティ対策を実施したうえで監視体制を強化しております。また、適宜、外部のシステム評価会社を活用し、システムの安全性を確認しております。
しかしながら、不正アクセスによるシステムへの侵入が発生し、サービス利用者の個人情報、ポイントや保持する暗号資産(仮想通貨)に関する重要なデータが消去または不正に入手される可能性は否定できません。このような事態が発生した場合には損害賠償請求を受ける可能性や社会的信用を失うこと等が想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが運営しているサービスは「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「消費者契約法」、「特定商取引に関する法律」、「資金決済に関する法律」等の法規制を受けております。当社グループは、メディア運営にあたってはこれら法令に抵触することが無いよう、一般社団法人日本インタラクティブ広告協会の定める広告ガイドラインに準拠した広告掲載基準を設け、それに従った審査を実施するだけではなく、従業員教育等を徹底するとともに法令遵守体制の構築と強化を図っております。また、暗号資産(仮想通貨)関連事業においては、金融庁をはじめとする関係各所との連携を密にしたうえで、事業環境の変化等に適宜適切に対応できる体制の整備を進めております。
しかしながら、これら法令の改正や新たな法令の制定、想定外の事態の発生等により当社グループの展開する事業が法令に抵触した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループによる第三者の知的財産権侵害の可能性については、専門家と連携を取り調査可能な範囲で対応を行っておりますが、当社の事業領域に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社グループが認識せずに他社の知的財産権を侵害してしまう可能性は否定できません。この場合、損害賠償請求や使用差止請求等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、ポイントサイトにおいて付与したポイントを現金と交換する際に預金口座情報等の個人情報を取得しております。また、採用課金型アルバイト求人サイトにおいては求人広告への応募者の氏名等の個人情報を取得しております。そのため、個人情報の保護に関する法律が定める個人情報取扱事業者としての義務を課せられております。
個人情報の取得の際には利用目的を明示し、その範囲内でのみ利用するとともに、個人情報の管理につきましても、社内でのアクセス権限の設定、アクセスログの保存、外部データセンターでの情報管理、個人情報管理に関する規程の整備を行っております。さらに、役員及び従業員を対象とした社内研修等を通じて関連ルールの存在を周知徹底し、意識の向上を図ることで関連ルールの順守に努めております。
なお、体制構築の一環として2009年3月に一般財団法人日本情報経済社会推進協会よりプライバシーマークの付与認定を受けており、2019年3月の定時更新でも合格認定を受けております。
しかしながら、外部からの不正アクセス、社内管理体制の瑕疵、その他想定外の事態の発生により個人情報が社外に流出した場合、損害賠償請求を受ける可能性や当社グループの社会的信用を失うこと等が想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業においては、今後の事業拡大や新規事業の展開に伴い、技術者をはじめメディア運営に不可欠な人材を適時に確保し、それら人材を育成のうえ有機的に連携させる必要があると考えております。
しかしながら、当社グループの必要とする人材が必要な時期に確保できない場合、または、人材育成が計画通り進まなかった場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、当社(株式会社セレス)、連結子会社3社(株式会社ゆめみ、株式会社マーキュリー、株式会社バッカス)及び持分法適用関連会社1社(ビットバンク株式会社)によって構成されております。当社グループの持続的な成長のためには、当社の内部管理体制をより一層強化することはもちろん、関係会社を含めたグループガバナンス体制の強化が必要であると認識しております。今後、事業規模の拡大に合わせ、内部管理体制も充実・強化させていく方針でありますが、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは事業規模の拡大と収益源の多様化を図るため、積極的に新規事業の立ち上げに取り組んでいく方針であります。
しかしながら、新規事業においては、採算性に不透明な点が多く結果的に当初予想した収益が得られず、初期コストが回収できない可能性があること、安定した収益を生み出すまでにある程度の時間を要する可能性があること等が予想され、新規事業に取り組んだ結果、利益率の低下等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループはモバイルサービス事業を手掛けておりますが、当事業におけるメディア力の強化や新たな事業領域への進出において、M&A及び資本業務提携は有効な手段の1つであると考えております。M&A等の実施に際しては、外部専門家の協力を仰ぎながら対象企業に対する詳細なデューデリジェンスを実施し、様々なリスクの低減を図る方針であります。
しかしながら、このようなプロジェクトは当初の予定通り進捗できる保証はないうえ、各種調査で確認できなかった事項がM&A等の実施後に明らかになる場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しております。しかしながら、現在当社グループは成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に充当することにより企業価値の継続的な拡大を目指す一方、現金配当や自社株買い等の株主への利益還元によって資本効率を高めることが重要であると認識しております。
したがって、当面は、内部留保と株主への利益還元の双方のバランスを勘案し配当を実施する予定ですが、今後の業績如何、または優先的な資金需要が生じた場合には配当方針を変更する可能性があり、当該方針の変更が投資家の支持を得られなかった場合、当社株価の形成に影響を与える可能性があります。
(19)新株予約権行使による株式価値希薄化について
当社グループでは、取締役、従業員に対するインセンティブ等を目的とした新株予約権を発行しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、既存株主の株式価値が希薄化する可能性があります。なお、2019年12月末日現在、新株予約権による潜在株式総数は自己保有分を含めて988,900株であり、発行済株式総数11,487,600株の8.6%に相当しております。
(20)のれん等の減損について
当社グループは2019年12月末時点で1,200,303千円ののれんを計上しております。今後、取得した会社や事業の収益性が著しく低下し減損損失の計上が必要となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当連結会計年度において、当社が運営するポイントサイトである「お財布.com」を「モッピー」に統合することを決定したこと等に伴う減損損失320,175千円(のれん269,527千円、ソフトウエア50,648千円)を計上しております。
(21)暗号資産(仮想通貨)関連事業について
当社グループは、2017年9月に100%子会社である株式会社マーキュリーを設立し、2018年1月29日付で資金決済に関する法律第63条の3第1項の規定による暗号資産(仮想通貨)交換業の登録申請書を関東財務局に提出し、受理されております。当事業への進出にあたっては、暗号資産によるマネー・ローンダリングの防止、利用者の資産である暗号資産の分別管理、システムリスク管理の徹底を図ること等が、サービス運営上の重要課題であると認識しております。当社グループは株式会社マーキュリーへの投資を継続し、暗号資産交換業の登録に向け、着実に準備を進めておりますが、何らかの事由により登録審査が完了せず将来にわたり開業できなかった場合には、当社グループの今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。また、実際の開業時期が遅れることで先行投資の金額が増加し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、持分法適用関連会社であるビットバンク株式会社は資金決済に関する法律第63条の2に基づき、仮想通貨交換業者として登録を受け、同法及び関係法令による各種規制の下で暗号資産(仮想通貨)交換業を営んでおります。万が一、同社がこれらの法令や諸規則等に違反し、登録の取消し等の処分を受けた場合には当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い」(実務対応報告第38号 2018年3月14日)及び「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度から適用しており、経営成績及び財政状態に関する説明については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善に伴い緩やかな回復基調で推移致しました。一方、景気の先行きについては、米中通商問題の長期化、中国経済の減速、英国のEU離脱問題の動向といった懸念すべき事項も多いことから、依然として不透明な状況が続いております。携帯電話市場においては、2019年の総出荷台数に占めるスマートフォンの割合が88.8%と高い割合を維持しております(注)。スマートフォン端末の普及に伴い、スマートフォン広告市場についても継続的に拡大しております。
このような環境の中、当社グループは「インターネットマーケティングを通じて豊かな世界を実現する」という企業理念のもと、「自社の運営するメディアの利用価値を最大化する」というミッションを実現することを目指しております。
当連結会計年度は、当社グループが運営するポイントサイト「モッピー」の会員数や掲載広告数の増加、アフィリエイトプログラムにおけるD2C(Direct-to-Consumer)クライアントとの取引拡大、継続投資の成果によるコンテンツメディアの成長などを背景としてモバイルサービス事業が大幅に伸長したことや、連結子会社であるゆめみの業績貢献により、売上高は16,510,742千円(前年同期比54.2%増)となりました。一方で前年同期には営業投資有価証券の売却益があったため、営業利益は880,466千円(同27.9%減)となり、暗号資産(仮想通貨)の評価方法に関する会計方針等の変更があったことにより、経常利益は792,158千円(前年同期は2,554千円の経常損失)となりました。また、当社が運営するポイントサイトである「お財布.com」を「モッピー」に統合することを決定したこと等に伴う減損損失の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は74,916千円(前年同期は313,808千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
(注)株式会社MM総研の発表資料によっております。
セグメントの業績は、以下のとおりであります。
モバイルサービス事業
モバイルサービス事業は、日本最大級のポイントサイトである「モッピー」に加え、採用課金型アルバイト求人サイト、不動産情報サイト等の運営をしております。「モッピー」においては、株式会社セブン・ペイメントサービスとポイント交換で連携する等の取り組みにより、継続的にポイントの利用価値向上に取り組んでまいりました。また、多様な集客方法により会員数が増加したことに加え、会員の利便性向上を目的としたポイントの獲得手段の増加、各種キャンペーンの実施等、継続的なサイトの改良に取り組んでまいりました。連結子会社のゆめみにおいては、上期にエンジニアを積極採用した成果が早期に実現し、同社の過去最高売上高を達成しております。
この結果、当連結会計年度におけるモバイルサービス事業の売上高は16,372,713千円(前年同期比60.9%増)、セグメント利益は2,005,469千円(同38.9%増)となりました。
フィナンシャルサービス事業
フィナンシャルサービス事業は、暗号資産(仮想通貨)関連事業、スマートフォン決済事業、投資リターンを得ることを目的とした投資育成事業を行っております。ポイントサイトで当社の発行するポイントは現金や電子マネーに交換可能との観点からは一種の暗号資産(仮想通貨)であると認識しており、現在流通する各種暗号資産やその要素技術であるブロックチェーン技術をいち早く活用することで、新たな事業を生み出すことが可能であると考えております。このような考えのもと、100%子会社である株式会社マーキュリーへの投資を継続し、暗号資産(仮想通貨)交換業の登録に向け、着実に準備を進めてまいりました。また、投資育成事業においては、新たな資本提携による投資先の多様化を図るとともに、保有する営業投資有価証券の精査を徹底し、一部株式について減損処理を行う一方、継続保有していた一部上場株式についてはリターン確保の観点から売却することといたしました。
この結果、当連結会計年度におけるフィナンシャルサービス事業の売上高は181,311千円(前年同期比65.9%減)、セグメント損失は367,742千円(前年同期は302,132千円のセグメント利益)となりました。
b.財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産残高は12,902,195千円となり、前連結会計年度末に比べ984,794千円増加しました。これは主に売上が増加したことにより受取手形及び売掛金が687,461千円増加したこと、投資育成事業においてブロックチェーン事業やD2C分野への出資を積極的に行ったことにより営業投資有価証券が411,242千円増加したこと等によるものです。
(負債)
当連結会計年度末における総負債残高は6,320,900千円となり、前連結会計年度末に比べ841,272千円増加しました。これは主に事業規模の拡大により買掛金が277,427千円増加、ポイント引当金が301,291千円増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産残高は6,581,294千円となり、前連結会計年度末に比べ143,521千円増加しました。これは主に新株予約権の行使や譲渡制限付株式報酬として新株を発行したことにより資本金が25,723千円増加したことに加え、投資先の新規上場に伴い保有する有価証券の時価が上昇したことによりその他有価証券評価差額金が136,950千円増加したこと等によるものです。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末より430,794千円減少し、3,946,420千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれぞれの主な要因は以下のとおりであります。
当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は、770,850千円(前年同期比55.6%増)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益452,667千円の計上、ポイント引当金の増加額301,291千円による増加があったこと等によります。
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、1,117,977千円(前年同期比23.6%減)となりました。主な要因は、関係会社社債の取得による支出500,000千円、有形固定資産の取得による支出258,558千円があったこと等によります。
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、83,667千円(前年同期は1,697,619千円の獲得)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入800,000千円があったものの、長期借入金の返済による支出635,982千円、短期借入金の純減額350,000千円があったこと等によります。
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.販売先の販売割合が総販売実績額の10%以上を占める販売先はありません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、資産及び負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき、合理的に判断して行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度は、売上高16,510,742千円(前年同期比54.2%増)となりました。報告セグメントごとの売上高については、モバイルサービス事業は6,197,650千円(前年同期比60.9%増)増加し16,372,713千円、フィナンシャルサービス事業は350,086千円(同65.9%減)減少し181,311千円となりました。
(売上原価・売上総利益)
売上原価は、前連結会計年度に比べ5,017,908千円(前年同期比78.4%増)増加し11,416,318千円となりました。これは主に、モバイルサービス事業におけるユーザーへのポイント付与数の増加やアフィリエイトプログラムの規模拡大、フィナンシャルサービス事業における一部株式の減損処理等によるものであります。
この結果、売上総利益は前連結会計年度に比べ786,374千円(同18.3%)増加し5,094,424千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ1,127,374千円(前年同期比36.5%増)増加し4,213,958千円となりました。これは主に、売上拡大に伴う人件費や広告宣伝費の増加等によるものであります。
この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ341,000千円(同27.9%減)減少し880,466千円となりました。
(営業外収益及び営業外費用、経常利益)
営業外収益は、前連結会計年度に比べ10,015千円(前年同期比532.2%増)増加し11,897千円となりました。これは主に、一部の仮想通貨を売却した際に発生した売却差益等によるものであります。
営業外費用は、前連結会計年度に比べ1,125,697千円(同91.8%減)減少し100,205千円となりました。これは主に、持分法による投資損失や仮想通貨評価損の減少等によるものであります。
この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ794,712千円(前年同期は2,554千円の経常損失)増加し792,158千円となりました。
(特別利益及び特別損失、税金等調整前当期純利益)
特別利益は、前連結会計年度に比べ243,443千円(前年同期比99.4%減)減少し1,355千円となりました。これは主に、前連結会計年度において段階取得に係る差益が発生したこと等によるものであります。
特別損失は、前連結会計年度に比べ162,638千円(同91.3%増)増加し340,846千円となりました。これは主に、「お財布.com」を「モッピー」に統合することを決定したことに伴う減損損失の計上等によるものであります。
この結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ388,631千円(同606.9%増)増加し452,667千円となりました。
(親会社に帰属する当期純利益)
税効果会計適用後の法人税等負担額は、前連結会計年度に比べ12,381千円(前年同期比4.2%増)増加し309,240千円となりました。
非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ12,475千円(前年同期比15.4%減)減少し68,510千円となりました。
以上の結果、親会社に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ388,724千円(前年同期は313,808千円の親会社に帰属する当期純損失)増加し74,916千円となりました。
(EBITDA)
EBITDAは、前連結会計年度に比べ665,499千円(前年同期比159.8%増)増加し1,081,916千円となりました。これは主に、上記税金等調整前当期純利益の増加及びのれん減損損失の計上等によるものであります。
b.財政状態の分析
財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.財政状態の状況」に記載のとおりであります。
c.キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、モバイルサービス事業の売上原価、事業の維持拡大のために必要な人件費や広告宣伝費等の販売費及び一般管理費の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資やフィナンシャルサービス事業における投資等であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、これらの資金需要につきましては、自己資金及び金融機関からの借入や社債の発行で資金調達しております。また、エクイティファイナンスについては、市場の状況等を勘案しながら必要に応じて実施を検討していく方針であります。
なお、当社グループは運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行8行と総額1,880,000千円の当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。当連結会計年度末における当該契約に基づく借入実行残高は800,000千円であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。