第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは「インターネットマーケティングを通じて豊かな世界を実現する」という経営理念のもと、企業ビジョンとして「モバイルから生活を豊かに」を掲げております。

 これらの目的を達成するために、当社グループの事業は、スマートフォンメディアやアフィリエイトプログラムを中心としたモバイルサービスの企画・開発・運営等を行う「モバイルサービス事業」と、暗号資産関連事業、ファクタリングサービス事業及び投資育成事業からなる「フィナンシャルサービス事業」で構成されております。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、連結売上高、EBITDAであり、2021年を最終年度とする中期経営計画を策定しております。本計画にて、連結売上高238億円、EBITDA30億円を最終年度に達成すべき数値目標として定めております。なお、当社グループのEBITDAは税金等調整前当期純利益+支払利息+減価償却費+のれん償却費(持分法による投資損益に含まれるのれん償却に相当する額も加算)+減損損失で算出しております。

 

(3)経営環境及び優先的に対処すべき課題

 新型コロナウイルス感染症の拡大による当社グループの業績への影響は、現時点においては軽微であり、経営環境及び優先的に対処すべき課題についてはその前提にて記載しておりますが、今後、新型コロナウイルス感染症の収束時期やその他の状況の変化により、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループの主力事業であるモバイルサービス事業は、更なる拡大が見込まれるスマートフォン広告市場を背景に、今後も高い成長が期待される領域であります。このような市場環境において当社が「インターネットマーケティングを通じて豊かな世界を実現する」という経営理念のもと、「自社の運営するメディアの利用価値を最大化する」というミッションを実現させ、持続的な成長を続けていくためには、既存の自社運営メディアやアフィリエイトプログラムを継続的に改良していくだけでなく、これらで培ったノウハウを基に新たな事業の立ち上げと早期の収益化に取り組んでいく必要があると認識しております。

 他方、フィナンシャルサービス事業は、ブロックチェーンビジネスに対する社会的関心の高まりや投資育成事業における投資先の成長等により、中長期的な観点での企業価値向上へ貢献が期待できる領域であります。当社では、100%子会社である株式会社マーキュリーでの「暗号資産交換業」の登録完了を受け、2021年3月より暗号資産販売所「CoinTrade」を開業しておりますが、引き続き新たな暗号資産・ブロックチェーン関連事業の立ち上げにも積極的に取り組んでまいります。また、将来を見据え自社サービスとの協業が見込める事業を展開する企業への積極的な投資を続けていく所存であります。

 これらを実現するため、以下の8点を主な経営課題と認識しております。

 

①自社運営メディアの強化

 当社グループの主要サービスであるポイントサイト「モッピー」の競争力を強化するためには、会員数の拡大やユーザーの利便性向上を図ることが必要であると考えております。当社では2020年7月に新たに「モッピー」スマートフォン版アプリをリリースし多様な集客方法による会員数の増加を図るとともに、ポイント交換先の追加や継続的なサイトの改良等にも取り組んでまいりました。今後も「モッピー」スマートフォン版アプリへの決済機能追加等によりこれらの取り組みをより充実したものとすると同時に、事業の収益性向上に向けた新たな施策も展開してまいります。

 

②事業間シナジーの追求と収益多角化

 当社グループの中長期的な成長のためには、自社運営メディアの成長だけでなく、メディアの媒体力を活かして他事業とのシナジー効果を実現させ、収益を多角化させることが重要になると考えております。

 モバイルサービス事業においては、自社運営メディアの媒体力を活かしてアフィリエイトプログラムへ2015年に本格参入し、両事業のシナジー効果により大きく成長してまいりました。今後は自社グループ内でD2C(Direct-to-Consumer)メーカーとなる会社を保有することで、垂直統合型ビジネスモデルの構築を進めてまいります。

 また、フィナンシャルサービス事業では、資金調達情報サイト「資金調達プロ」に寄せられる個人事業主等からの資金調達ニーズに着目し、新たにフリーランス向けファクタリングサービス「nugget(ナゲット)」の提供を開始しております。

 これらの事業を推進するために、モバイル分野において有数のシステム開発力を持つ連結子会社「ゆめみ」を含めたグループのリソースを最大限活用していく方針であります。

 

③投資育成事業における継続的な投資の実施

 当社グループは、投資育成事業において「D2C」「インフルエンサーマーケティング」「ブロックチェーン」を自社サービスとの協業が見込める重点分野と位置づけ、これらに関連する事業を展開するベンチャー企業等に対する投資を積極的に行っております。投資育成事業においては、投資に関する専門知識を有するメンバーで構成する会議体での検討を通じて可能な限りリスクを回避しつつ継続的に取り組んでまいります。

 

④暗号資産販売所「CoinTrade」の開設

 当社グループは、2017年9月に100%子会社である株式会社マーキュリーを設立し、2018年1月29日付で資金決済に関する法律第63条の3第1項の規定による仮想通貨交換業(現暗号資産交換業)の登録申請書を関東財務局に提出し、受理されておりました。この度、関東財務局より2021年2月17日付で資金決済に関する法律に基づく「暗号資産交換業者」としての登録が完了した旨の通知を受領し、2021年3月15日付で暗号資産販売所「CoinTrade」を開業いたしました。

 「CoinTrade」の運営にあたっては、暗号資産によるマネー・ローンダリングの防止、利用者の資産の分別管理、システムリスク管理の徹底を図ること等が重要課題であると認識しております。

 また、資金決済に関する法律を始めとする国内法令、監督官庁である金融庁が公表する事務ガイドライン、自主規制団体である一般社団法人日本暗号資産取引業協会が定める諸規則等を遵守し、従業員に対する教育、情報セキュリティの強化等を図るとともに、利用者にも安心してサービスを利用していただけるように最大限努めてまいります。

 

⑤人材獲得と育成

 当社グループは、モバイルサービス及びフィナンシャルサービスの各事業において今後も事業規模の拡大や新サービスの提供を計画していることから、事業運営、システム開発、マーケティング、Webデザイン、管理等の各分野において、優秀な人材を採用し、継続的に育成していくことが不可欠であると考えております。

 他方で、人材の多様性をこれまで以上に重視してまいります。様々なバックボーンを有する優秀な人材が当社グループに集結し影響し合うことでこれまでにない新しいアイディアが生み出されると考えております。また、担当業務に応じた適切な能力開発に取り組むことに加え、常に新しいことへの挑戦ができる職場環境を創り出すことで、採用した人材も生き生きと働くことができ、当社グループで長く活躍することができるものと考えております。

 

⑥システムの安定化とセキュリティ強化

 当社グループの運営する各種メディアや2021年3月開設の暗号資産販売所「CoinTrade」は、システム負荷の高いサービスとなっていることから、システムの安定的な稼働が当社グループの業務遂行上必要不可欠な事項となっております。また、「モッピー」をはじめとする自社運営メディアの利用者数の増加や「CoinTrade」の開設等により、アクセス数は今後も増加することが予想されます。

 当社グループは、このような状況の変化にも柔軟に対応しながら、引き続き安定的なシステム稼働を維持していくことが重要であると考えており、サーバー設備の増強や負荷分散を推進する等の対策が必要となることから、今後も継続的な設備投資を行ってまいります。

 また、インターネットサービスの普及により、利用者の利便性が高まる一方で、ハッキング等による外部からの悪意ある攻撃のリスクが生じており、セキュリティ強化に関する社会的要請は急速に高まっております。「モッピー」では現金、電子マネー等に交換可能なポイントを、「CoinTrade」では利用者からお預かりする各種資産を管理することから、セキュリティ強化が引き続き重要な課題であると認識しております。

 

⑦関係会社を含めた管理体制の構築・強化

 当社グループは、当社(株式会社セレス)、連結子会社4社(株式会社ゆめみ、株式会社マーキュリー、株式会社バッカス、株式会社四季デザイン)及び持分法適用関連会社1社(ビットバンク株式会社)によって構成されております。当社グループの持続的な成長のためには、当社の内部管理体制をより一層強化することはもちろん、関係会社を含めたグループガバナンス体制の強化が必須であると考えております。

 当社グループは、事業を拡大し、企業価値を継続的に高めていくために、社内規程やマニュアルの適切な整備、定期的な社内教育の実施等を通じて業務の効率化とコンプライアンスの意識向上を図るとともに、実効性の高い内部監査の実施等により、各グループ会社の内部管理体制と当社の関係会社管理体制を一層強化してまいります。

 

⑧ESG、SDGsへの取り組み

 当社グループは「インターネットマーケティングを通じて豊かな世界を実現する」という経営理念のもと、持続可能な社会の実現を目指し、2009年から中国内蒙古で植林活動を行うなど、環境対策に取り組んでまいりました。2021年からは「モッピー」をはじめとした自社サービスで使用するサーバーやオフィスで消費する電力を、再生可能エネルギー由来の電力に変更していくことにより排出CO2の100%オフセット(カーボンニュートラル)を目指してまいりますが、今後も持続可能な脱炭素社会の実現に貢献するため、様々な施策を講じていく所存であります。

 また、当社は取締役会の監査・監督機能をさらに強化し、当社グループの持続的な企業価値向上に向けてコーポレート・ガバナンス体制をより一層充実することを目的として、2021年3月24日付で監査等委員会設置会社に移行いたしました。本移行により、取締役の3分の1以上が独立社外取締役となりますが、今後もより実効性の高いガバナンス機能を有する経営体制の構築を目指してまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、次のとおりであります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)新型コロナウイルス感染症の影響について

新型コロナウイルス感染症の拡大による当社グループの業績への影響は、現時点においては軽微でありますが、今後、新型コロナウイルス感染症の収束時期やその他の状況の変化により、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループでは新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、不要不急の外出、出張及び会合等の取り止め、在宅勤務(リモートワーク)やWeb会議の導入、社内イベントの中止等を実施しており、今後も新型コロナウイルス感染症の拡大防止や従業員及び関係者の安全確保に努めてまいります。

 

(2)インターネット広告市場について

2020年の国内インターネット広告市場は、2兆2,290億円(前年比105.9%)となり、コロナ禍においても社会のデジタル化等を追い風として好調に推移いたしました(株式会社電通「2020年の日本の広告費」より)。

しかしながら、インターネット広告市場は変化のスピードが早く、景気動向や広告主の広告出稿戦略にも大きな影響を受ける構造となっております。また、広告主の費用対効果に対する要求も厳しくなってきております。当社グループがそのような事業環境の変化に適切に対応できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)技術革新等について

当社グループが事業展開しているインターネット関連市場では、技術革新や顧客ニーズの変化のスピードが非常に早く、インターネット関連事業の運営者はその変化に柔軟に対応する必要があります。当社グループにおいても、最新の技術動向や環境変化を常に把握できる体制を構築するだけではなく、優秀な人材の確保及び教育等により技術革新や顧客ニーズの変化に迅速に対応できるよう努めております。

しかしながら、当社グループが技術革新や顧客ニーズの変化に適時に対応できない場合、また、変化への対応のためにシステム投資や人件費等多くの費用を要する場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)他社との競合について

当社グループはインターネット広告市場を主たる事業領域としておりますが、当該分野においては多くの企業が事業展開をしております。中でもポイントサイトは参入障壁が低く、競合が激しい状況にあります。そのような環境下で、当社グループは最適なユーザビリティを追求したサイトの構築、サービス利用者の訪問頻度向上を目指した特色あるサービスやコンテンツの提供、メディア利用時の安全性の確保やカスタマーサポートの充実等に継続的に取り組み、「モッピー」を国内最大級のポイントサイトに成長させてまいりました。

当社グループは今後も更なる競争力の向上を図っていく方針ですが、同様のサービスを展開する企業等との競合激化や、十分な差別化が行えなかった場合、「モッピー」の競争優位が脅かされ、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(5)メディア運営ノウハウの流出について

当社グループのモバイルサービス事業においては、扱う広告の掲載順位やメディア内での表示位置、インセンティブとして付与するポイントの売上に対する付与率等をどのようにコントロールするかといったメディア運営に関するノウハウが蓄積され、競合他社との差別化要因となっております。また、当社グループの事業の成否は、メディア運営、システム開発、webデザイン、管理等の各分野に精通した人材とインターネットビジネスに最適化された組織体制に大きく依存しております。

しかしながら、人材需要が急増するインターネット関連分野において人材獲得競争が激化し、在職している従業員が流出した場合には、メディア運営ノウハウの流出や組織体制のバランスが崩れ効率的な運営ができないこと等が想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)投資育成事業について

当社グループが出資対象とするベンチャー企業等は、市場環境変化への対応力並びに開発能力及び経営管理能力の不足等、その将来性において不確定要素を多数抱えております。当該投資を行う際には、専門知識を有するメンバーで構成する会議体にて慎重に検討し、極力リスクを回避するよう努めておりますが、投資先が期待した成果を上げることができず業績が悪化した場合には、営業投資有価証券の減損処理等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

また、当社グループでは、投資事業組合等(ファンド)への出資も実施しておりますが、ファンドが出資する未公開企業についても同様の不確定要素を抱えていることから、出資先の業績が悪化した場合には、これらの投資が回収できず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、有価証券の評価については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 a.有価証券の減損」をご参照ください。

 

(7)システムの安定性について

当社グループの運営する各種メディアや暗号資産販売所は、システム負荷の高いサービスとなっていることから、システムの安定的な稼動が当社グループの業務遂行上必要不可欠な事項となっております。そのため、当社グループでは継続的な設備投資を実施するだけではなく、サービスで使用するサーバー設備やネットワークを常時監視し、障害の兆候が見られた場合には担当の役職員に対し自動でメールが送信される等、システム障害の発生を未然に防ぐことに努めております。

しかしながら、アクセスの急増、ソフトウエアの不備、コンピューターウィルスや人的な破壊行為、役職員の過誤、自然災害等、想定していない事象の発生によるサービスの停止により収益機会の喪失を招く恐れがあります。このような事態が発生した場合には、当社グループが社会的信用を失うこと等が想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)不正アクセスについて

当社グループの主力事業であるポイントサイトにおいて現金や電子マネーに交換可能なポイントを発行していることから、当該ポイントを不正に取得することを目的とした悪意の第三者によるシステムへの不正アクセス等を受ける可能性があります。また、暗号資産関連事業においても保有する暗号資産(顧客からの預り資産を含む)を対象とする同様のリスクを認識しております。当社グループでは、サービスを提供するシステムや社内情報システム等に対して適切なセキュリティ対策を実施したうえで監視体制を強化しております。また、適宜、外部のシステム評価会社を活用し、システムの安全性を確認しております。

しかしながら、不正アクセスによるシステムへの侵入が発生し、サービス利用者の個人情報、ポイントや保有する暗号資産に関する重要なデータが消去または不正に入手される可能性は否定できません。このような事態が発生した場合には損害賠償請求を受ける可能性や社会的信用を失うこと等が想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)法的規制について

当社グループが運営しているモバイルサービス事業は「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「消費者契約法」、「特定商取引に関する法律」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」等の法規制を受けております。当社グループは、事業運営にあたってはこれら法令に抵触することが無いよう、一般社団法人日本インタラクティブ広告協会の定める広告ガイドライン等に準拠した広告掲載基準を設け、それに従った審査を実施するだけではなく、従業員教育等を徹底するとともに法令遵守体制の構築と強化を図っております。

しかしながら、これら法令の改正や新たな法令の制定、想定外の事態の発生等により当社グループの展開する事業が法令に抵触した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

なお、暗号資産関連事業については「(15)暗号資産関連事業について」をご参照ください。

 

(10)知的財産権について

当社グループによる第三者の知的財産権侵害の可能性については、専門家と連携を取り調査可能な範囲で対応を行っておりますが、当社の事業領域に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社グループが認識せずに他社の知的財産権を侵害してしまう可能性は否定できません。この場合、損害賠償請求や使用差止請求等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)個人情報保護について

当社グループでは、ポイントサイトにおいて付与したポイントを現金と交換する際に預金口座情報等の個人情報を取得しております。また、採用課金型アルバイト求人サイトやフリーランス向けファクタリングサービスにおいては利用者の氏名等の個人情報を取得しております。そのため、個人情報の保護に関する法律が定める個人情報取扱事業者としての義務を課せられております。

個人情報の取得の際には利用目的を明示し、その範囲内でのみ利用するとともに、個人情報の管理につきましても、社内でのアクセス権限の設定、アクセスログの保存、外部データセンターでの情報管理、個人情報管理に関する規程の整備を行っております。さらに、役員及び従業員を対象とした社内研修等を通じて関連ルールの存在を周知徹底し、意識の向上を図ることで関連ルールの順守に努めております。

なお、体制構築の一環として2009年3月に一般財団法人日本情報経済社会推進協会よりプライバシーマークの付与認定を受けており、2019年3月の定時更新でも合格認定を受けております。

しかしながら、外部からの不正アクセス、社内管理体制の瑕疵、その他想定外の事態の発生により個人情報が社外に流出した場合、損害賠償請求を受ける可能性や当社グループの社会的信用を失うこと等が想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)内部管理体制について

当社グループは、当社(株式会社セレス)、連結子会社4社(株式会社ゆめみ、株式会社マーキュリー、株式会社バッカス、株式会社四季デザイン)及び持分法適用関連会社1社(ビットバンク株式会社)によって構成されております。当社グループの持続的な成長のためには、当社の内部管理体制をより一層強化することはもちろん、関係会社を含めたグループガバナンス体制の強化が必要であると認識しております。今後、事業規模の拡大に合わせ、内部管理体制も充実・強化させていく方針でありますが、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)新規事業立ち上げに伴うリスクについて

当社グループは事業規模の拡大と収益源の多様化を図るため、積極的に新規事業の立ち上げに取り組んでいく方針であります。

しかしながら、新規事業においては、採算性に不透明な点が多く結果的に当初予想した収益が得られず、初期コストが回収できない可能性があること、安定した収益を生み出すまでにある程度の時間を要する可能性があること等が予想され、新規事業に取り組んだ結果、利益率の低下等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)固定資産の減損について

「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 b.固定資産の減損」をご参照ください。

 

(15)暗号資産関連事業について

当社グループは、100%子会社である株式会社マーキュリー及び持分法適用関連会社であるビットバンク株式会社において、関東財務局より資金決済に関する法律第63条の2に基づく暗号資産交換業者として登録を受け、同法及び関係法令等による各種規制の下で暗号資産交換業を営んでおります。当社グループは関連法令や諸規則等を遵守し、利用者保護に努めてまいる所存ですが、万が一、両社がこれらの法令や諸規則等に違反し、登録の取消し等の行政処分を受けた場合には当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、暗号資産関連事業に関する詳細は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境及び優先的に対処すべき課題」に記載のとおりであります。

 

なお、上記以外にも様々なリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

a.経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大や緊急事態宣言に伴う経済活動の停滞により国内外の景気は大きく減退しており、当面は厳しい状況が続くことが予想されます。

 このような環境の中、当社は「インターネットマーケティングを通じて豊かな世界を実現する」という企業理念のもと、「自社の運営するメディアの利用価値を最大化する」というミッションを実現することを目指しております。

 当連結会計年度は、売上面では、当社グループが運営するポイントサイト「モッピー」で、ポイ活トレンドの好影響やスマートフォン版アプリのリリースにより会員数やトラフィック増加に大きく寄与しました。また、新型コロナウィルス感染症拡大に伴う巣ごもり消費の増加により、当社の運営するアフィリエイトプログラム「AD.TRACK」において、美容・アパレル分野のEC、デジタルコンテンツ等に関する広告の取扱いが好調に推移しました。

 利益面では、増収効果に加えて、「モッピー」においてコストの見直しを行ったことから利益率が改善しました。関係会社においては、連結子会社である株式会社ゆめみが人材への先行投資一巡に伴い大幅な増益となり、また持分法適用関連会社であるビットバンク株式会社も暗号資産市場の取引活性化を背景とした好業績により利益貢献しました。一方で、特別損失として非連結子会社の株式評価損、投資用不動産情報サイト「Oh!Ya」にかかるのれんの減損損失、及び株式会社ゆめみのリモートワーク推奨による一部のオフィス解約に伴う損失を計上しました。

 この結果、当連結会計年度における売上高は20,213百万円(前年同期比22.4%増)、営業利益は1,496百万円(同70.0%増)、経常利益は1,816百万円(同129.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は744百万円(同893.9%増)となり、売上高、営業利益及び経常利益については過去最高の業績を達成しました。

 なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による当社グループの業績への影響は、現時点においては軽微であり、固定資産の減損会計等その前提にて会計上の見積りを行っております。

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

 (モバイルサービス事業)

 モバイルサービス事業は、日本最大級のポイントサイトである「モッピー」に加え、自社アフィリエイトプログラム「AD.TRACK」やポイントサイト以外の各種コンテンツメディアの運営、及び企業のDX化支援を手がける連結子会社「ゆめみ」で構成されております。

 「モッピー」においては、ポイ活トレンドや巣ごもり消費増加等の外部環境の変化を好機とし、「モッピー」スマートフォン版アプリのリリース等多様な集客方法により、当連結会計年度末の会員数は290万人(前年同期比20.3%増)となりました。また、会員の利便性向上を目的としたポイントの獲得手段の増加、各種キャンペーンの実施等、継続的なサイトの改良も行ってまいりました。

 「AD.TRACK」においては、自社メディアの媒体力の活用やクライアントの新規開拓等に加えて、インフルエンサーマーケティングへの取り組みなどの施策により、取扱高の大幅な増加を達成しました。

 コンテンツメディアにおいては、記事広告型メディアの運用手法改善や資金調達情報サイトである「資金調達プロ」の成長が業績に寄与しました。

 「ゆめみ」においては、先行投資一巡によるコスト削減効果に加えて、案件への継続的関与を行う準委任・運用・保守比率の向上に取り組んでまいりました。

 この結果、当連結会計年度におけるモバイルサービス事業の売上高は20,253百万円(前年同期比23.7%増)、セグメント利益は2,677百万円(同33.5%増)となり、モバイルサービス事業の全事業が過去最高の売上高を達成しました。

 

 (フィナンシャルサービス事業)

 フィナンシャルサービス事業は、暗号資産関連事業、ファクタリングサービス事業、投資リターンを得ることを目的とした投資育成事業を行っております。

 暗号資産関連事業においては、2020年度は100%子会社である株式会社マーキュリーへの投資を継続し、2021年2月17日付で資金決済に関する法律に基づく「暗号資産交換業者」としての登録が完了した旨の通知を受領し、2021年3月15日付で暗号資産販売所「CoinTrade」を開業しました。また、ファクタリングサービス事業としてフリーランス向け資金調達支援フィンテックサービス「nugget(ナゲット)」のサービスを開始しました。さらに投資育成事業では、当連結会計年度において計11件の投資を実行し、新たに2社の投資先が上場を達成しております。

 この結果、当連結会計年度におけるフィナンシャルサービス事業の売上高は8百万円(前年同期比95.5%減)、セグメント損失は343百万円(前年同期は367百万円のセグメント損失)となりました。

 

b.財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における総資産残高は16,227百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,324百万円増加しました。これは主に売上が増加したことにより現金及び預金が2,146百万円、受取手形及び売掛金が321百万円増加したこと、投資育成事業においてブロックチェーン事業やD2C分野への出資を積極的に行ったことにより営業投資有価証券が525百万円増加したこと等によるものです。

 

(負債)

 当連結会計年度末における総負債残高は9,135百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,814百万円増加しました。これは主に事業規模の拡大により買掛金が267百万円増加、ポイント引当金が371百万円増加したこと、及び手元資金確保のため短期借入金が500百万円増加、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)が431百万円増加したことによるものです。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産残高は7,091百万円となり、前連結会計年度末に比べ510百万円増加しました。これは主に利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴い744百万円増加した一方、配当金の支払いにより154百万円減少したこと、投資先の新規上場に伴い保有する有価証券の時価が上昇したことによりその他有価証券評価差額金が94百万円増加したこと等によるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末より2,139百万円増加し、6,097百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれぞれの主な要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は、2,258百万円(前年同期比192.9%増)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益1,496百万円の計上、未払金の増加額809百万円による増加があったこと等によります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、482百万円(前年同期比56.8%減)となりました。主な要因は、無形固定資産の取得による支出361百万円、投資有価証券の取得による支出64百万円があったこと等によります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は、363百万円(前年同期は83百万円の使用)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出895百万円があったものの、長期借入れによる収入1,320百万円、短期借入金の純増額500百万円があったこと等によります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループの生産実績は、金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

モバイルサービス事業

20,253

23.7

フィナンシャルサービス事業

8

△95.5

セグメント間取引

△47

合計

20,213

22.4

(注)1.販売先の販売割合が総販売実績額の10%以上を占める販売先はありません。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度は、売上高20,213百万円(前年同期比22.4%増)となりました。報告セグメントごとの売上高については、モバイルサービス事業は3,880百万円(前年同期比23.7%増)増加し20,253百万円、フィナンシャルサービス事業は173百万円(同95.5%減)減少し8百万円となりました。

 

(売上原価・売上総利益)

 売上原価は、前連結会計年度に比べ2,550百万円(前年同期比22.3%増)増加し13,967百万円となりました。これは主に、モバイルサービス事業におけるユーザーへのポイント付与数の増加やアフィリエイトプログラムの規模拡大、フィナンシャルサービス事業における一部株式の減損処理等によるものであります。

 この結果、売上総利益は前連結会計年度に比べ1,151百万円(同22.6%)増加し6,246百万円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ535百万円(前年同期比12.7%増)増加し4,749百万円となりました。これは主に、売上拡大に伴う人件費や広告宣伝費の増加等によるものであります。

 この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ616百万円(同70.0%増)増加し1,496百万円となりました。

 

(営業外収益及び営業外費用、経常利益)

 営業外収益は、前連結会計年度に比べ345百万円増加し357百万円(前年同期は11百万円)となりました。これは主に、暗号資産市場の取引活性化を背景とした持分法による投資利益の増加や暗号資産評価益によるものであります。

 営業外費用は、前連結会計年度に比べ62百万円(前年同期比62.2%減)減少し37百万円となりました。これは主に、持分法による投資損失の減少等によるものであります。

 この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ1,023百万円(前年同期比129.3%増)増加し1,816百万円となりました。

 

(特別利益及び特別損失、税金等調整前当期純利益)

 特別利益は、前連結会計年度に比べ7百万円(前年同期比533.8%増)増加し8百万円となりました。これは主に、投資有価証券売却益が増加したこと等によるものであります。

 特別損失は、前連結会計年度に比べ12百万円(同3.8%減)減少し327百万円となりました。これは主に、非連結子会社の株式評価損、投資用不動産情報サイト「Oh!Ya」にかかるのれんの減損損失、及び株式会社ゆめみのリモートワーク推奨による一部のオフィス解約に伴う損失によるものであります。

 この結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ1,044百万円(同230.7%増)増加し1,496百万円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 税効果会計適用後の法人税等負担額は、前連結会計年度に比べ340百万円(前年同期比110.0%増)増加し649百万円となりました。

 非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ34百万円(前年同期比50.2%増)増加し102百万円となりました。

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ669百万円(前年同期比893.9%増)増加し744百万円となりました。

 

(EBITDA)

 EBITDAは、前連結会計年度に比べ950百万円(前年同期比87.9%増)増加し2,032百万円となりました。これは主に、上記税金等調整前当期純利益の増加及びのれん減損損失の計上等によるものであります。なお、当社グループのEBITDAは税金等調整前当期純利益+支払利息+減価償却費+のれん償却費(持分法による投資損益に含まれるのれん償却に相当する額も加算)+減損損失で算出しております。

 

b.財政状態の分析

 財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 .財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、モバイルサービス事業の売上原価、事業の維持拡大のために必要な人件費や広告宣伝費等の販売費及び一般管理費の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資やフィナンシャルサービス事業における投資等であります。

 さらに、当社グループは、企業価値を継続的に拡大し、株主に対する利益還元を行うことを重要な経営課題として認識しております。当社グループの配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、これらの資金需要につきましては、自己資金及び金融機関からの借入や社債の発行で資金調達しております。また、エクイティファイナンスについては、市場の状況等を勘案しながら必要に応じて実施を検討していく方針であります。

 なお、当社グループは運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行11行と総額2,380百万円の当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。当連結会計年度末における当該契約に基づく借入実行残高は1,300百万円であります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、資産及び負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき、合理的に判断して行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりですが、特に以下の事項に関する会計上の見積りが当社グループの連結財務諸表の作成に大きな影響を及ぼすと考えております。

 なお、新型コロナウイルスの感染拡大の影響に係る会計上の見積りの仮定については、「第5 経理の状況  1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

 

a.有価証券の減損

 当社グループは、時価のある有価証券のうち、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には減損処理を行い、30%~50%程度下落した場合には、回復可能性等を総合的に判断して減損処理を行っております。また、時価のない有価証券については、実質価額が著しく低下した場合に減損処理を行っております。将来の時価の下落、投資先の業績不振や財政状態の悪化により評価損の計上が必要となる可能性があります。

 

b.固定資産の減損

 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。割引前将来キャッシュ・フローは事業計画を基礎とし、将来の不確実性を考慮して見積っておりますが、将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性があります。

 なお、当連結会計年度においては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※2 減損損失」に記載のとおり、減損損失(243百万円)を計上しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。