第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当事業年度におけるわが国経済は、政府の成長戦略に基づく経済政策の実施により、雇用・所得環境に改善傾向が見られ、また原油価格の下落や円安などを背景に企業業績の改善が進み、緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、欧州金融不安に加え、中国景気の減速などから依然として先行き不透明な状況が続いております。

 当社が属する医療・介護業界につきましては、わが国が超高齢社会を迎えたこともあり、市場規模はますます拡大するものと思われます。

 こうした環境の中、当社は、介護医療関連事業の主力サービスである「CS(ケア・サポート)セット」を、より普及・拡大させるために、全営業拠点を挙げて積極的に施設(病院及び介護老人保健施設等)に対して営業活動を展開してまいりました。なお、当社の営業拠点数は、平成27年3月に埼玉県さいたま市大宮区にさいたま支店を開設したことにより10拠点になりました。これにより、当事業年度の新規導入の施設数は142施設、解約施設数は14施設となり、当事業年度末のCSセット導入施設数は前事業年度末より128施設増加し644施設となりました。

 また、平成27年7月1日を効力発生日として、当社普通株式を1株につき2株の割合をもって分割いたしました。これは、投資単位当たりの金額を引き下げるとともに、株式数を増加させることにより株式の流動性を高め、投資家の皆様により投資しやすい環境を整えることを目的とするものです。さらに、当社は平成27年11月9日をもって、東京証券取引所マザーズから東京証券取引所市場第一部へ市場変更いたしました。

 なお、特別損失に固定資産除却損19,363千円を計上しております。これは、前事業年度から開発を進めておりました物流システムについて、開発計画の見直し(機能縮小)を行ったことに伴い、開発を中止した機能にかかる金額を損失処理したものであります。

 この結果、当事業年度の売上高は9,011,284千円(前年同期比20.7%増)、営業利益は588,488千円(同35.7%増)、経常利益は591,406千円(同36.1%増)、当期純利益は363,050千円(同40.2%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ214,952千円増加し、当事業年度末には1,869,837千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果得られた資金は323,192千円であり、前事業年度に比べ58,540千円増加しました(前年同期比22.1%増)。当事業年度における営業活動による資金の増加の主な要因は、売上債権の増加額が314,843千円、たな卸資産の増加額が66,517千円、法人税等の支払額が210,270千円となったものの、税引前当期純利益が572,092千円、仕入債務の増加額が207,587千円となったものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は70,554千円であり、前事業年度に比べ53,056千円支出が増加しました(前年同期比303.2%増)。当事業年度における投資活動による資金の使用の主な内容は、システム開発費用等の発生により、無形固定資産の取得による支出が43,391千円となったこと並びに松本本社隣接地の取得及びさいたま支店の開設に伴う設備の取得等により、有形固定資産の取得による支出が19,167千円となったものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果使用した資金は37,685千円となりました。前事業年度は株式上場に伴う株式の発行による収入1,042,856千円があったため、819,670千円の資金流入でしたが、当事業年度は資金流出に転じました。当事業年度における財務活動により資金の使用の主な内容は、短期借入金の純増減額(返済)22,000千円と配当金の支払額18,325千円であります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 当社の事業セグメントは、介護医療関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(1)生産実績

 当社は、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。

 

(2)受注実績

 当社は、受注から役務提供の開始までの期間が短いため、記載を省略しております。

 

(3)販売実績

 当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成27年1月1日

至 平成27年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

介護医療関連事業

9,011,284

120.7

合計

9,011,284

120.7

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 今後の当社を取り巻く経営環境は、医療・介護業界の市場規模全体の伸び率が老齢人口の増大に伴って継続的に拡大する方向で推移するものと思われますが、今後の行政施策の変更や法改正が当社事業に多大な影響を及ぼす可能性があり、また当社の業態に類似した新規参入業者の出現など外部環境の変化により、競争が激化することも予想され、決して楽観できる状況ではないと認識しております。当社は、そのような外部環境の変化の中にあってもさらなる事業規模の拡大を図っていくために、次の事項に取り組んでまいります。

 

(1)全国への営業・サービス網の整備

 平成26年12月期の札幌支店の開設に続き、平成27年3月に埼玉県さいたま市大宮区にさいたま支店を開設しました。これにより、北関東エリアに対してより細やかで迅速なサービスを提供することが可能となりました。今後、CSセットの導入施設数を増やすべく、各エリアの需要動向等に合わせて人員配置の見直し等を行い、より積極的に活動して行く予定です。

 また、当事業年度に設置しました営業企画室の人員を拡充し、各営業拠点に向けてのサポート活動を行うことによって、より効果的・効率的な全国展開が行える体制を整えていきます。営業活動や施設でのCSセットの運営方法のレベルアップを図り、当社の営業活動の効率化・高度化を目指すとともに、利用者や導入施設その他関係者の満足向上に繋げていきます。

 

(2)知名度、ブランド力の向上

 当社が介護医療関連事業として行っている衣類、タオル類の洗濯付きレンタルと日常生活用品の提供を組み合わせたサービスは、首都圏やその周辺地域においてはある程度社会的認知が進んでいるものの、その他の地域における認知度は十分とはいえない状況であり、また、当社名及び「CSセット」の認知度が十分な水準となっているとはいえません。一人でも多くの方にCSセットをご利用頂くためにも、CSセットの利用者や取引先(病院・介護老人保健施設等及びリネンサプライ業者等)に対し、サービスの内容やメリットの訴求とともに、各々の関係先からのCSセットへの満足度を高める取り組みを継続していくことによって、当社名及び「CSセット」の知名度、ブランド力を高めていく必要があるものと認識しております。

 

(3)システム化の促進

 当社は、CSセットの運営に当たって、顧客情報管理(顧客情報及びCSセットの利用状況)、物流管理、営業活動管理等において情報システムを利用しております。今後もCSセット導入施設の増加に伴い、取り扱う情報量やこれに対応する事務作業が増加することが予想されます。これに対応するため、請求関連業務、物流関連業務、営業活動管理に関する情報システム化を積極的に推進することによって、より正確かつ効率的に業務を遂行するとともに、入手した各種データを分析することによって、新たなビジネス展開の可能性も探ってまいります。

 

(4)人材の育成

 当社は、社員の教育、育成を当社が永続的に成長するためには欠くことのできない重要な課題であると認識しております。これまでは先輩社員から直接指導を受ける実践型の人材教育(OJT)を人材育成の中心としておりましたが、より短期間で優秀な人材を育成すべく、新卒採用者への教育プログラムの見直しや中堅・幹部従業員向けの各種研修の拡充を図ります。これとともに、報酬体系や人事評価など人事制度全般の再構築を進めております(適用は平成29年12月期以後の予定)。

 

(5)CSセット利用料金の回収能力の向上

 当社が提供するCSセットの利用者は、病院・介護老人保健施設等に入院、入所する個人です。病院・介護老人保険施設等の窓口において利用申込みが行われますが、申込み時に利用者個人の信用能力の調査を行うことや経済力が乏しい個人からの利用申込みをお断りすることは現実的ではなく実施しておりません。また、利用中や退院・退所後に経済状態が悪化されることやお亡くなりになることもあることから、利用料金の一部について滞留及び貸倒れが発生します。

 当社では、債権管理部門において書面及び電話によるきめ細やかな回収活動を実施しておりますが、今後の請求件数の増加に耐えうる債権回収体制を構築し、回収能力を向上してまいります。

 

4【事業等のリスク】

 当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。文中における将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。

 なお、以下の記載は、投資判断に影響を及ぼすすべてのリスクを網羅するものではないことにご留意ください。

 

 (1)他社との競合について

 当社が行う介護医療関連事業については、当社と競合関係にある会社が数社あるものの、当社と同等の規模で全国展開を行っている事業者は現時点においては存在していないものと認識しております。しかしながら、リネンサプライ業者やその他、病院・介護関係の事業者がさらなる収益を期待して、当社同様の定額サービスを行うことや他の事業者が新規参入を行うことの可能性は否定できません。当社は、これまで蓄積してきた介護医療関連事業に関する運営ノウハウを進化させるとともに、リネンサプライ業者及び日常生活用品等販売業者などとの良好な関係を維持・向上することにより事業基盤をより確実なものとすべく努めてまいりますが、当社に比べ、資本力、知名度、顧客基盤に優れる会社が新規参入する等他社との競合状況が激化した場合には、既存顧客の喪失や収益力の低下等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 (2)商品の安全性について

 当社では、CSセットの利用者に対し、寝巻き、タオル等のレンタルや紙おむつや身の回り品の販売を行っております。リネンサプライ業者については、医療関連サービスマーク(注)取得の有無や洗濯工程における衛生面の確認など安全性には十分な配慮をしておりますが、何らかの理由により提供したこれら物品に重大な問題が発生した場合は、当社への損害賠償請求や当社に対する信用の失墜等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(注)「一般財団法人医療関連サービス振興会」が、良質な医療関連サービスに対して認定を行っているものです。

 

 (3)特定の取引先との取引について

 タオル類・衣類等の洗濯物やその他消耗品としてCSセットサービスにより提供する物資についてはリネンサプライ業者等から洗濯業務の提供と商品の供給を受けております。CSセットサービスの展開は、既にその病院・介護老人保健施設等において寝具などのリース、洗濯業務を行っている既存のリネンサプライ業者等と提携することを基本としている為、市場シェアの高いリネンサプライ業者等との取引割合が高くなる傾向にあります。これらリネンサプライ業者等とは相互協力関係にあり、良好な関係の維持に努めておりますが、リネンサプライ業者等の事業方針や当社との関係等に変化が生じた場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社はCSセットサービスにより提供する消耗品(日常生活用品)の配送、納品作業、在庫管理等の物流業務の一部を、当社の運営ノウハウを用いて特定業者へ外部委託しておりますが、当該外部委託先の事業方針や当社との関係等に変化が生じた場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 (4)新規導入施設への導入計画が想定どおり進まないことによるリスク

 当社は、平成15年5月のサービス開始以来、病院・介護老人保健施設等を対象にCSセットサービスを提供してまいりました。営業エリアの開拓にあたっては、新規に営業拠点を配置し、当該拠点を中心に新たな施設への提案・導入を行っております。

 今後も、当社独自の営業活動のほか、提携しているリネンサプライ業者等との連携等によって、新規の契約施設の獲得に努めていきますが、当社における人材面・物流面等の問題や提携先との関係変化等が生じた場合には、新規導入施設への導入計画が想定どおり進まず、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 (5)売上債権の貸倒れに関するリスク

 当社が提供するCSセットの利用者は、病院・介護老人保健施設等に入院、入所する個人です。CSセットの利用代金は、原則として後払いですが、必ずしもその全てが回収できるとは限らず、利用料金の一部について滞留及び貸倒れが発生します。病院・介護老人保健施設等の窓口において利用申込みが行われますが、申込み時に利用者個人の信用能力の調査を行うことや経済力が乏しい個人からの利用申込みをお断りすることは現実的ではなく実施しておりません。また、利用中や退院・退所後に経済状態が悪化されることやお亡くなりになることもあります。

 当社では、今後の請求件数の増加に耐えうる債権回収体制を構築し、回収能力を向上するよう務めるとともに、貸倒れによる損失に備えるため、貸倒引当金の計上を行っておりますが、利用者の経済状態の変化や当社の債権回収体制構築の遅れ等によって、多額の不良債権が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 (6)各種規制について

 当社は、病院の入院患者や介護老人保健施設等の入所者に対して医療保険や介護保険制度の対象とならない独自のサービスとしてCSセットを提供しております(介護医療関連事業)。当該事業を行うにあたって必要となる許認可、免許、登録、行政指導等はありませんが、サービス提供の場である病院や介護老人保健施設等は、医療法、健康保険法、介護保険法等の法律や厚生労働省等の行政・所管官庁による指導・規制のもと運営されていることから、当社においても各種規制について特段の注意を払っております。

 しかしながら、医療法、健康保険法、介護保険法等の法令の改正や、行政指導の運用の見直し等が行われ、当社が何らかの対応を余儀なくされた場合や、これらに対応できない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 (7)個人情報の管理について

 当社は、介護医療関連事業において、利用者の個人情報を入手しており、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務が課せられております。当社では、個人情報の取扱と管理には細心の注意を払い、社内でのルール化やその手続きの明確化・徹底化を図っております。また、平成21年3月に、一般財団法人日本情報経済社会推進協会の発行するプライバシーマークの付与認定を受けております(平成27年3月更新)。

 しかしながら、個人情報管理に関する全てのリスクを完全に排除することは困難であり、個人情報の漏洩等のトラブルが発生する可能性は否定できず、かかる事態となった場合には、損害賠償請求や信用の低下等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 (8)今後の事業展開について

 当社は、事業基盤の拡大と収益の安定化を図り、成長を加速させるために、介護医療関連事業で培ったノウハウを活かせる関連・周辺事業への積極展開を推進していく予定です。新規事業展開にあたっては慎重な検討を重ねたうえで取り組んでまいりますが、当該事業を取り巻く環境の変化等により、当初の計画通りの成果が得られない場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 (9)組織体制について

 イ.人材の確保と育成について

 当社が今後事業をさらに拡大し、成長を続けていくためには、優秀な人材の確保が重要課題となっております。こうした人材の確保が計画通りに進まなかった場合、あるいは、人材育成が計画通りに進まず、重要な人材が社外に流出した場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 ロ.小規模組織特有のリスクについて

 当社は、平成27年12月31日現在、取締役5名、監査役3名、従業員143名(臨時雇用者を除く)で構成されており、現在の内部管理体制はこの規模に応じたものとなっております。当社では今後、業容の拡大及び従業員の増加にあわせて組織整備、内部管理体制の拡充等を図る予定ですが、これらの対応が順調に進まなかった場合には、当社の業務に支障が生じ、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 本文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び会計上の見積り

 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たっては、会計方針の選択・適用、資産・負債、収益・費用の金額など開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。

 なお、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、本書「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表」に記載しておりますので、あわせてご参照ください。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

 当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ流動資産が588,459千円増加し、固定資産が18,203千円増加した結果、資産の部は606,662千円増加し、4,309,085千円となりました。

 主な増加要因は、CSセット利用者の増加に伴う売上高の増加であり、現金及び預金が214,957千円、売掛金が200,376千円、未収入金が114,467千円、商品が66,517千円増加しております。

(負債)

 当事業年度末の負債は、前事業年度末に比べ259,038千円増加し、1,851,848千円となりました。

 主な増加要因は、CSセット利用者の増加に伴う仕入高等の増加であり、買掛金が207,587千円、未払金が37,135千円増加するとともに、利益の増加により、未払法人税等が15,159千円増加しました。

(純資産)

 当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べ347,623千円増加し、2,457,237千円となり、自己資本比率は57.0%となりました。

 主な増加要因は、当期純利益363,050千円の計上により、繰越利益剰余金が増加したことであります。

 

(3)経営成績の分析

(売上高)

 当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ1,547,617千円増加の9,011,284千円(前年同期比20.7%増)となりました。これは、主力サービスであるCSセットのサービス内容を、利用者、ご家族、医療・介護施設職員など現場の意見を取り入れ、より細やかなニーズに応えられるものへ見直した結果、本サービスを導入する病院及び介護老人保健施設等516施設から644施設と順調に増加したことによるものです。平成26年4月より営業活動を開始した札幌支店において成果が堅調に推移していること並びに平成27年3月に埼玉県さいたま市大宮区にさいたま支店を開設し、北関東での営業活動を開始したことも、売上高を押し上げる要因となりました。

(売上総利益)

 当事業年度の売上総利益は、前事業年度に比べ436,649千円増加の2,491,946千円(前年同期比21.2%増)となりました。売上総利益率は、前事業年度の27.5%から、ほぼ横ばいの推移を示す27.7%となりました。これは、売上高の増加率と売上原価の増加率がほぼ同等であったことによるものであります。

(販売費及び一般管理費)

 当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ281,833千円増加の1,903,457千円(前年同期比17.4%増)となりました。主な増加要因は、従業員数の増加による給与手当の増加116,281千円及び賞与の増加34,494千円並びに法定福利費の増加24,668千円、今後の契約数増加に対応するためにタブレット端末による申込システムの導入などシステム化を進めたことにより通信費の増加40,049千円及び情報処理費の増加18,394千円、新役員の就任等による役員報酬の増加15,918千円であります。

(営業利益)

 当事業年度の営業利益は、前事業年度に比べ154,816千円増加の588,488千円(前年同期比35.7%増)となりました。営業利益率は、前事業年度の5.8%から6.5%へと上昇しました。これは、売上総利益の増加率と比べて、販売費及び一般管理費の増加率が低かったことによるものであります。

(営業外損益)

 当事業年度の営業外収益は、前事業年度に比べ10,790千円減少の2,941千円(前年同期比78.6%減)となりました。主な減少要因は、前年度において計上された役員保険の解約に伴う保険解約返戻金11,759千円が当事業年度では計上されなかったことによるものであります。

 当事業年度の営業外費用は、前事業年度に比べ12,968千円減少の23千円(前年同期比99.8%減)となりました。主な減少要因は、前年度において計上された株式交付費9,855千円が当事業年度では計上されなかったこと及び短期借入金を当事業年度途中において完済していることに伴い支払利息が3,054千円低減したことによるものであります。

(経常利益)

 当事業年度の経常利益は、前事業年度に比べ156,994千円増加の591,406千円(前年同期比36.1%増)となりました。経常利益率は、5.8%から6.6%へと上昇いたしました。これは、営業利益率の上昇によるものであります。

(特別損益)

 当事業年度の特別利益は、前事業年度に比べ67千円減少の50千円(前年同期比57.3%減)となりました。これは、固定資産売却益について、当事業年度の発生額が前事業年度の発生額を下回ったことによるものであります。

 当事業年度の特別損失は、計上のなかった前事業年度に対し、当事業年度は19,363千円となりました。これは、前事業年度より開発を進めておりました物流システムについて、開発計画の見直し(機能縮小)を行ったことに伴い、開発を中止した機能に係る金額を損失処理したことによるものであります。

(当期純利益)

 当事業年度の当期純利益は、前事業年度に比べ104,156千円増加の363,050千円(前年同期比40.2%増)となりました。当期純利益率は、前事業年度の3.5%から4.0%へと上昇いたしました。これは、経常利益率の上昇によるものであります。

(4)キャッシュ・フローの分析

 当事業年度のキャッシュ・フローの状況は、本書「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しておりますが、その分析の状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果得られた資金は323,192千円であり、前事業年度に比べ58,540千円増加しました(前年同期比22.1%増)。当事業年度における営業活動による資金の増加の主な内容は、売上債権の増加額が314,843千円、たな卸資産の増加額が66,517千円、法人税等の支払額が210,270千円となったものの、税引前当期純利益が572,092千円、仕入債務の増加額が207,587千円となったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は70,554千円であり、前事業年度に比べ53,056千円支出が増加しました(前年同期比303.2%増)。当事業年度における投資活動による資金の使用の主な内容は、システム開発費用等の発生により、無形固定資産の取得による支出が43,391千円となったこと並びに松本本社隣接地の取得及びさいたま支店の開設に伴う設備の取得等により、有形固定資産の取得による支出が19,167千円となったものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果使用した資金は37,685千円となりました。前事業年度は株式上場に伴う株式の発行による収入1,042,856千円があったため、819,670千円の資金流入でしたが、当事業年度は資金流出に転じました。当事業年度における財務活動による資金の使用の主な内容は、短期借入金の純増減額(返済)22,000千円と配当金の支払額18,325千円であります。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因は、行政施策の変更や法改正、当社の業態に類似した新規参入業者の出現、商品の安全性を担保できなかった場合の信用失墜、売上債権の貸倒れ、さらには、新規導入施設への導入計画が想定どおり進まないことなどが考えられます。

 なお、詳細につきましては、本書「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(6)経営戦略の現状と見通し

 当社の当面の経営課題は、全国への営業・サービス網の整備と知名度、ブランド力の向上です。

 平成27年3月に埼玉県さいたま市大宮区にさいたま支店を開設し、松本本社を含む10拠点から営業活動を展開しておりますが、日本全国を十分にカバーできているとはいえない状況です。日本全国に向けてCSセットの導入施設を増やすべく、各エリアの需要動向等に合わせて人員配置の見直し等を行い、より積極的に活動していく予定です。

 また、当社がCSセットとして行っている衣類、タオル類の洗濯付レンタルと日常生活用品の提供を組み合わせたサービスは、首都圏やその周辺地域においてはある程度社会的認知が進んでいるものの、その他の地域における認知度は十分とはいえない状況であり、また、当社名および「CSセット」の認知度が十分な水準となっているとはいえないことから、当社は、CSセットの利用者や取引先(病院・介護老人保健施設等及びリネンサプライ業者等)に対し、サービスの内容やメリットの遡求とともに、各々の関係先からのCSセットへの満足度を高める取り組みを継続していくことによって、当社名及び「CSセット」の知名度、ブランド力を高めていく必要があるものと認識しております。

 なお、詳細につきましては、本書「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。

 

(7)経営者の問題意識と今後の方針について

 当社は、経営理念に掲げる「心豊かな生活環境の実現」に向けて、介護医療関連事業を中心に事業展開しておりますが、今後は、将来的な行政施策の変更や法改正、または新規参入業者の出現といった諸々の事業リスクにも適宜・適切に対応していくことが必要不可欠であります。そこで当社は、既存商品及びサービスの充実、CSセットの全国展開に加え、新規サービスの創出及びオリジナル商品開発にも積極的に取り組んでまいります。

 また、当社はCSセット導入施設数の増加及び利用者人数の増加に対応するため、正社員を積極的に採用しております。このような状況において、成長率の鈍化を防ぎ、より強い組織とするために人材育成や施設でのCSセットの運営方法等の共有化・高度化等に取り組んでいきます。人材育成については、これまでは先輩社員から直接指導を受ける実践型の人材教育(OJT)を人材育成の中心としておりましたが、より短期間で優秀な人材を育成すべく、新卒採用者への教育プログラムの見直しや中堅・幹部従業員向けの各種研修の拡充を図ります。