第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当事業年度における我が国経済は、政府による積極的な経済政策を背景に、雇用・所得環境において緩やかな回復基調をたどり、個人消費は一部で停滞するも全体的に底堅い動きとなりました。一方、中国をはじめとする新興国の経済成長の鈍化や、英国のEU離脱、米国の大統領選後における政策動向への懸念など、我が国経済に及ぼす影響は未知数であり、経済の行く先は依然不透明な状況がつづいております。

 当社が属する医療・介護業界につきましては、65歳以上人口が3,461万人、総人口の27.3%(平成27年国勢調査による人口推計)を占めるなど高齢化が一層進み、当社サービスの市場規模はますます拡大するものと思われます。

 こうした環境の中、当社は、介護医療関連事業の主力サービスである「CS(ケア・サポート)セット」(病院・施設等での生活で必要となる衣類、タオル類の洗濯サービス付レンタルと日常生活用品の提供を組み合わせた日額制サービス)を、より普及・拡大させるために、全国10営業拠点において、営業活動を施設(病院及び介護老人保健施設等)に対して展開してまいりました。また、平成28年4月には、東北エリア4拠点(岩手、宮城、青森、秋田)にてCSセットと同種のサービスであるLTセットを展開する株式会社エルタスクとの間で資本業務提携契約(同社発行済株式数の10.0%の取得)を結び、競争力の強化に努めてまいりました。併せて、平成28年7月には商談や情報収集、営業サポートの拠点として、東京都港区に東京オフィスを設置しました。これにより、当事業年度の新規導入の施設数は135施設、解約施設数は15施設となり、当事業年度末のCSセット導入施設数は前事業年度末より120施設増加し764施設となりました

 この結果、当事業年度の売上高は11,407,598千円(前年同期比26.6%増)、営業利益は736,069千円(同25.1%増)、経常利益は749,323千円(同26.7%増)、当期純利益は500,670千円(同37.9%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ254,434千円増加し、当事業年度末には2,124,271千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果得られた資金は396,367千円であり、前事業年度に比べ73,175千円増加しました(前年同期比22.6%増)。当事業年度における営業活動による資金の増加の主な要因は、売上債権の増加額が519,861千円、たな卸資産の増加額が89,038千円、法人税等の支払額が247,545千円となったものの、税引前当期純利益が749,590千円、仕入債務の増加額が393,306千円となったものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は106,557千円であり、前事業年度に比べ36,002千円支出が増加しました(前年同期比51.0%増)。当事業年度における投資活動による資金の使用の主な内容は、株式会社エルタスクの株式取得により、投資有価証券の取得による支出が37,000千円となったこと、システム開発費用等の発生により、無形固定資産の取得による支出が18,414千円となったこと、東京オフィスの開設に伴う設備の取得等により、有形固定資産の取得による支出が27,289千円となったこと並びに東京オフィスの開設や名古屋支店の移転に伴い、敷金の差入による支出が32,010千円となったものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果使用した資金は35,376千円となり、前事業年度に比べ2,308千円支出が減少しました(前年同期比6.1%減)。これは主に、当事業年度の配当金の支払額が44,160千円となったものの、新株予約権の行使に伴う株式の発行による収入が8,840千円となったこと及び借入金の返済がないことによるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 当社の事業セグメントは、介護医療関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(1)生産実績

 当社は、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。

 

(2)受注実績

 当社は、受注から役務提供の開始までの期間が短いため、記載を省略しております。

 

(3)販売実績

 当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成28年1月1日

至 平成28年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

介護医療関連事業

11,407,598

126.6

合計

11,407,598

126.6

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 今後の当社を取り巻く経営環境は、医療・介護業界の市場規模全体の伸び率が老齢人口の増大に伴って継続的に拡大する方向で推移するものと思われますが、今後の行政施策の変更や法改正が当社事業に多大な影響を及ぼす可能性があり、また当社の業態に類似した新規参入業者の出現など外部環境の変化により、競争が激化することも予想され、決して楽観できる状況ではないと認識しております。当社は、そのような外部環境の変化の中にあってもさらなる事業規模の拡大を図っていくために、次の事項に取り組んでまいります。

 

(1) 全国への営業・サービス網の整備

 平成28年7月に東京都港区に東京オフィスを開設しました。新規営業活動の後方支援を行う営業企画室を東京オフィスに設置することにより、今まで以上に全国の支店に対してタイムリーな情報提供や、営業力強化活動を行う事が可能となりました。また、CSセットの導入施設数を効率的に増やすために、各エリアの需要動向等に合わせて人員配置の見直し等を行い、新たな支店設置の検討を含めて、引き続き積極的に活動して行く予定です。

 

(2) 人材の育成

 当社は、従業員の教育、育成を当社が永続的に成長するためには欠くことのできない重要な課題であると認識しております。先輩従業員から直接指導を受ける実践型の人材教育(OJT)に加え、より短期間で優秀な人材を育成すべく、新卒採用者への教育プログラムとしてメンター制度の確立や中堅・幹部従業員向けの各種研修の拡充を図ります。これとともに、報酬体系や人事評価など人事制度全般の再構築を進めております(適用は平成30年12月期の予定)。

 

(3) 知名度、ブランド力の向上

 当社が介護医療関連事業として行っている衣類、タオル類の洗濯サービス付きレンタルと日常生活用品の提供を組み合わせたサービスは、当社の上場及び業容の拡大によって、全国的にある程度社会的に認知されるようになってきました。しかし、当社名及びCSセットサービスとしての認知度はまだ十分な水準となっているとはいえません。利用者、病院・施設、提携業者の満足度を向上させる活動を継続的に行う事によって、当該サービスのトップランナーとしてのブランド力を高めてまいります。

 

(4) システム化の促進

 当社は、CSセットの運営に当たって、顧客情報管理(顧客情報及びCSセットの利用状況)、物流管理、営業活動管理等において情報システムを利用しております。今後もCSセット導入施設の増加に伴い、取り扱う情報量やこれに対応する事務作業が増加することが予想されます。これに対応するため、請求関連業務、物流関連業務、営業活動管理に関する情報システム化を積極的に推進することによって、より正確かつ効率的に業務を遂行するとともに、入手した各種データを分析することによって新たなビジネス展開の可能性も探ってまいります。

 

(5) CSセット利用料金の回収能力の向上

 当社が提供するCSセットの利用者は、病院・介護老人保健施設等に入院、入所する個人です。病院・介護老人保健施設等の窓口において利用申込みが行われますが、申込み時に利用者個人の信用能力の調査を行うことや経済力が乏しい個人からの利用申込みをお断りすることは現実的ではなく実施しておりません。また、利用中や退院・退所後に経済状態が悪化されることやお亡くなりになることもあることから、利用料金の一部について滞留及び貸倒れが発生します。

 当社では、債権管理部門において書面及び電話によるきめ細やかな回収活動を実施しておりますが、今後の請求件数の増加に耐えうる債権回収体制を構築し、回収能力を向上してまいります。

 

4【事業等のリスク】

 当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。文中における将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。

 なお、以下の記載は、投資判断に影響を及ぼすすべてのリスクを網羅するものではないことにご留意ください。

 

(1) 他社との競合について

 当社が行う介護医療関連事業については、当社の株式上場及び業容の拡大等により、サービスとしての認知度が増したことにより、入院セットに対するニーズの高まりとともに、当社同様に入院セットを主たる事業とする他業者のほか、その他病院・介護関連の事業者なども当社同様のサービスを提供することにより、市場が活性化しつつあるものと認識しております。

 当社は、引き続きCSセットサービス利用者に対する質の向上と、リネンサプライ業者及び日常生活用品等販売業者等との良好な関係を維持・向上することに努めてまいりますが、当社に比べ、資本力、知名度、顧客基盤に優れる会社が新規参入する等他社との競合状況が激化した場合には、既存顧客の喪失や収益力の低下等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2) 商品の安全性について

 当社では、CSセットの利用者に対し、寝巻き、タオル等のレンタルや紙おむつや身の回り品の販売を行っております。リネンサプライ業者については、医療関連サービスマーク(注)取得の有無や洗濯工程における衛生面の確認など安全性には十分な配慮をしておりますが、何らかの理由により提供したこれら物品に重大な問題が発生した場合は、当社への損害賠償請求や当社に対する信用の失墜等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(注)「一般財団法人医療関連サービス振興会」が、良質な医療関連サービスに対して認定を行っているものです。

 

(3) 特定の取引先との取引について

 タオル類・衣類等の洗濯物やその他消耗品としてCSセットサービスにより提供する物資についてはリネンサプライ業者等から洗濯業務の提供と商品の供給を受けております。CSセットサービスの展開は、既にその病院・介護老人保健施設等において寝具などのリース、洗濯業務を行っている既存のリネンサプライ業者等と提携することを基本としている為、市場シェアの高いリネンサプライ業者等との取引割合が高くなる傾向にあります。これらリネンサプライ業者等とは相互協力関係にあり、良好な関係の維持に努めておりますが、リネンサプライ業者等の事業方針や当社との関係等に変化が生じた場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社はCSセットサービスにより提供する消耗品(日常生活用品)の配送、納品作業、在庫管理等の物流業務の一部を、当社の運営ノウハウを用いて特定業者へ外部委託しておりますが、当該外部委託先の事業方針や当社との関係等に変化が生じた場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4) 新規導入施設への導入計画が想定どおり進まないことによるリスク

 当社は、平成15年5月のサービス開始以来、病院・介護老人保健施設等を対象にCSセットサービスを提供してまいりました。営業エリアの開拓にあたっては、新規に営業拠点を配置し、当該拠点を中心に新たな施設への提案・導入を行っております。

 今後も、当社独自の営業活動のほか、提携しているリネンサプライ業者等との連携等によって、新規の契約施設の獲得に努めていきますが、当社における人材面・物流面等の問題や提携先との関係変化等が生じた場合には、新規導入施設への導入計画が想定どおり進まず、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) 売上債権の貸倒に関するリスク

 当社が提供するCSセットの利用者は、病院・介護老人保健施設等に入院、入所する個人です。CSセットの利用代金は、原則として後払いですが、必ずしもその全てが回収できるとは限らず、利用料金の一部について滞留及び貸倒れが発生します。病院・介護老人保健施設等の窓口において利用申込みが行われますが、申込み時に利用者個人の信用能力の調査を行うことや経済力が乏しい個人からの利用申込みをお断りすることは現実的ではなく実施しておりません。また、利用中や退院・退所後に経済状態が悪化されることやお亡くなりになることもあります。

 当社では、今後の請求件数の増加に耐えうる債権回収体制を構築し、回収能力を向上するよう努めるとともに、貸倒れによる損失に備えるため、貸倒引当金の計上を行っておりますが、利用者の経済状態の変化や当社の債権回収体制構築の遅れ等によって、多額の不良債権が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(6) 各種規制について

 当社は、病院の入院患者や介護老人保健施設等の入所者に対して医療保険や介護保険制度の対象とならない独自のサービスとしてCSセットを提供しております(介護医療関連事業)。当該事業を行うにあたって必要となる許認可、免許、登録、行政指導等はありませんが、サービス提供の場である病院や介護老人保健施設等は、医療法、健康保険法、介護保険法等の法律や厚生労働省等の行政・所管官庁による指導・規制のもと運営されていることから、当社においても各種規制について特段の注意を払っております。

 しかしながら、医療法、健康保険法、介護保険法等の法令の改正や、行政指導の運用の見直し等が行われ、当社が何らかの対応を余儀なくされた場合や、これらに対応できない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(7) 個人情報の管理について

 当社は、介護医療関連事業において、利用者の個人情報を入手しており、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務が課せられております。当社では、個人情報の取扱と管理には細心の注意を払い、社内でのルール化やその手続きの明確化・徹底化を図っております。また、平成21年3月に、一般財団法人日本情報経済社会推進協会の発行するプライバシーマークの付与認定を受けております(平成27年3月更新)。

 しかしながら、個人情報管理に関する全てのリスクを完全に排除することは困難であり、個人情報の漏洩等のトラブルが発生する可能性は否定できず、かかる事態となった場合には、損害賠償請求や信用の低下等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(8) 今後の事業展開について

 当社は、事業基盤の拡大と収益の安定化を図り、成長を加速させるために、介護医療関連事業で培ったノウハウを活かせる関連・周辺事業への積極展開を推進していく予定です。新規事業展開にあたっては慎重な検討を重ねたうえで取り組んでまいりますが、当該事業を取り巻く環境の変化等により、当初の計画通りの成果が得られない場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(9) 組織体制について

 イ.人材の確保と育成について

 当社が今後事業をさらに拡大し、成長を続けていくためには、優秀な人材の確保が重要課題となっております。こうした人材の確保が計画通りに進まなかった場合、あるいは、人材育成が計画通りに進まず、重要な人材が社外に流出した場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 ロ.小規模組織特有のリスクについて

 当社は、平成28年12月31日現在、取締役5名、監査役3名、従業員160名(臨時雇用者を除く)で構成されており、現在の内部管理体制はこの規模に応じたものとなっております。当社では今後、業容の拡大及び従業員の増加にあわせて組織整備、内部管理体制の拡充等を図る予定ですが、これらの対応が順調に進まなかった場合には、当社の業務に支障が生じ、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 本文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び会計上の見積り

 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たっては、会計方針の選択・適用、資産・負債、収益・費用の金額など開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。

 なお、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、本書「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表」に記載しておりますので、あわせてご参照ください。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

 当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ流動資産が873,079千円増加し、固定資産が81,590千円増加した結果、資産の部は954,669千円増加し、5,263,754千円となりました。

 主な増加要因は、CSセット利用者の増加に伴う売上高の増加であり、現金及び預金が254,439千円、売掛金が280,262千円、未収入金が239,599千円、商品が89,038千円増加しております。

(負債)

 当事業年度末の負債は、前事業年度末に比べ490,615千円増加し、2,342,463千円となりました。

 主な増加要因は、CSセット利用者の増加に伴う仕入高等の増加であり、買掛金が393,306千円、未払金が77,587千円増加するとともに、利益の増加により、未払法人税等が20,977千円増加しました。

(純資産)

 当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べ464,053千円増加し、2,921,290千円となり、自己資本比率は55.5%となりました。

 主な増加要因は、当期純利益500,670千円の計上により、繰越利益剰余金が増加したことであります。

 

(3)経営成績の分析

(売上高)

 当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ2,396,313千円増加の11,407,598千円(前年同期比26.6%増)となりました。これは、主力サービスであるCSセットのサービス内容を、利用者、ご家族、医療・介護施設職員など現場の意見を取り入れ、より細やかなニーズに応えられるものへ見直した結果、本サービスを導入する病院及び介護老人保健施設等644施設から764施設と順調に増加したことによるものです。

(売上総利益)

 当事業年度の売上総利益は、前事業年度に比べ536,424千円増加の3,028,370千円(前年同期比21.5%増)となりました。売上総利益率は、前事業年度の27.7%から、26.5%となりました。これは、売上高の増加率より売上原価の増加率が高かったことによるものであります。

(販売費及び一般管理費)

 当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ388,843千円増加の2,292,301千円(前年同期比20.4%増)となりました。主な増加要因は、従業員数の増加による給与手当の増加139,722千円並びに法定福利費の増加19,889千円、営業活動の効率化を図るために、外部業者へ配送業務を大幅に委託したこと等による外注費の増加46,389千円、東京オフィス開設及び名古屋支店移転等による事務用品費の増加7,572千円及び地代家賃の増加20,379千円であります。

(営業利益)

 当事業年度の営業利益は、前事業年度に比べ147,580千円増加の736,069千円(前年同期比25.1%増)となりました。営業利益率は、前事業年度と変らず6.5%となりました。これは、売上総利益率が1.1%低下したにもかかわらず、販売費及び一般管理費の増加率が低かったことから、営業利益率においては前年同等となったものであります。

(営業外損益)

 当事業年度の営業外収益は、前事業年度に比べ10,814千円増加の13,755千円(前年同期比367.7%増)となりました。主な増加要因は、保有有価証券を売却したことによる有価証券売却益の増加1,554千円及び株式会社エルタスクへの経営指導料の増加8,000千円であります。

 当事業年度の営業外費用は、前事業年度に比べ478千円増加の502千円(前年同期の営業外費用は23千円)となりました。主な増加要因は、名古屋支店移転に伴い内装設備を除却したことによる固定資産除却損の増加451千円であります。

(経常利益)

 当事業年度の経常利益は、前事業年度に比べ157,917千円増加の749,323千円(前年同期比26.7%増)となりました。経常利益率は、前事業年度の実績と変らず6.6%となりました。売上利益率は低下したものの、販売費及び一般管理費の増加率が低く、営業利益以降の利益指数に大きな変動はありませんでした。

(特別損益)

 当事業年度の特別利益は、前事業年度に比べ217千円増加の267千円(前年同期比433.6%増)となりました。これは、固定資産売却益について、当事業年度の発生額が前事業年度の発生額を上回ったことによるものであります。

 当事業年度の特別損失は、計上されるものはなく、前事業年度に比べ19,363千円減少となりました。

(当期純利益)

 当事業年度の当期純利益は、前事業年度に比べ137,619千円増加の500,670千円(前年同期比37.9%増)となりました。当期純利益率は、前事業年度の4.0%から4.4%へと上昇いたしました。これは、法定実効税率の引下げによる法人税等の負担率の低下及び特別損失に計上されるものがなかったことによるものであります。

(4)キャッシュ・フローの分析

 当事業年度のキャッシュ・フローの状況は、本書「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しておりますが、その分析の状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果得られた資金は396,367千円であり、前事業年度に比べ73,175千円増加しました(前年同期比22.6%増)。当事業年度における営業活動による資金の増加の主な内容は、売上債権の増加額が519,861千円、たな卸資産の増加額が89,038千円、法人税等の支払額が247,545千円となったものの、税引前当期純利益が749,590千円、仕入債務の増加額が393,306千円となったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は106,557千円であり、前事業年度に比べ36,002千円支出が増加しました(前年同期比51.0%増)。当事業年度における投資活動による資金の使用の主な内容は、株式会社エルタスクの株式取得により、投資有価証券の取得による支出が37,000千円となったこと、システム開発費用等の発生により、無形固定資産の取得による支出が18,414千円となったこと、東京オフィスの開設に伴う設備の取得等により、有形固定資産の取得による支出が27,289千円となったこと並びに東京オフィスの開設や名古屋支店の移転に伴い、敷金の差入による支出が32,010千円となったものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果使用した資金は35,376千円となり、前事業年度に比べ2,308千円支出が減少しました(前年同期比6.1%減)。これは主に、当事業年度の配当金の支払額が44,160千円となったものの、新株予約権の行使に伴う株式の発行による収入が8,840千円となったこと及び借入金の返済が終了したことによるものであります。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因は、行政施策の変更や法改正、当社の業態に類似した新規参入業者の出現、商品の安全性を担保できなかった場合の信用失墜、売上債権の貸倒れ、さらには、新規導入施設への導入計画が想定どおり進まないことなどが考えられます。

 なお、詳細につきましては、本書「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(6)経営戦略の現状と見通し

 当社の当面の経営課題は、全国への営業・サービス網の整備と知名度、ブランド力の向上です。

 当社は、平成29年3月時点で松本本社を含む11拠点から営業活動を展開しておりますが、日本全国を十分にカバーできているとはいえない状況です。日本全国に向けてCSセットの導入施設を増やすべく、各エリアの需要動向等に合わせて人員配置の見直し等を行い、より積極的に活動していく予定です。

 また、当社がCSセットとして行っている衣類、タオル類の洗濯付レンタルと日常生活用品の提供を組み合わせたサービスは、首都圏やその周辺地域においてはある程度社会的認知が進んでいるものの、その他の地域における認知度は十分とはいえない状況であり、また、当社名および「CSセット」の認知度が十分な水準となっているとはいえないことから、当社は、CSセットの利用者や取引先(病院・介護老人保健施設等及びリネンサプライ業者等)に対し、サービスの内容やメリットの遡求とともに、各々の関係先からのCSセットへの満足度を高める取り組みを継続していくことによって、当社名及び「CSセット」の知名度、ブランド力を高めていく必要があるものと認識しております。

 なお、詳細につきましては、本書「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。

 

(7)経営者の問題意識と今後の方針について

 当社は、経営理念に掲げる「心豊かな生活環境の実現」に向けて、介護医療関連事業を中心に事業展開しておりますが、今後は、将来的な行政施策の変更や法改正、または新規参入業者の出現といった諸々の事業リスクにも適宜・適切に対応していくことが必要不可欠であります。そこで当社は、既存商品及びサービスの充実、CSセットの全国展開に加え、新規サービスの創出及びオリジナル商品開発にも積極的に取り組んでまいります。

 また、当社はCSセット導入施設数の増加及び利用者人数の増加に対応するため、正社員を積極的に採用しております。このような状況において、成長率の鈍化を防ぎ、より強い組織とするために人材育成や施設でのCSセットの運営方法等の共有化・高度化等に取り組んでいきます。人材育成については、これまでは先輩社員から直接指導を受ける実践型の人材教育(OJT)を人材育成の中心としておりましたが、より短期間で優秀な人材を育成すべく、新卒採用者への教育プログラムの見直しや中堅・幹部従業員向けの各種研修の拡充を図ります。