文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「私達は、お客様に満足していただける最高の商品とサービスを追求し、情熱を持った行動を通じて、心豊かな生活環境の実現に貢献します。」を経営理念として、当社グループの主力商品である「CSセット」の提供を中心に事業活動を行っております。お客様のニーズに合った商品及びサービスの提供を行うことにより、競争力を一層強化するとともに、株主の皆様、従業員なども含めたステークホルダーの期待に応えることにより、企業価値の最大化を図ることを基本方針としております。
(2)経営戦略等
当社グループは、経営理念に掲げる「心豊かな生活環境の実現」に向けて、介護医療関連事業(CSセット)を展開しておりますが、今後は、将来的な行政施策の変更や法改正、または新規参入業者の出現といった諸々の事業リスクにも適宜・適切に対応していくことが必要不可欠と考えております。
中長期的な経営戦略としては、当面はCSセットの全国シェア拡大に注力してまいります。CSセットの利用者や病院その他関係者が求めるサービスとなるよう改善を継続し、一人でも多くの方にCSセットをご利用頂けるよう営業展開をいたします。また、新たな付加価値の開発も重要な課題です。事業規模の拡大、売上高の増加に伴い、人件費等の費用面が増加しておりますが、システム化を含めた生産性の向上にも取り組みます。また、CSセット利用者の個人情報や病院その他関係者との強固な関係を用いた新規ビジネスへの参入を事業提携・M&Aを含めて推進していきます。
(3)経営環境
当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により感染拡大地域においては緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用が繰り返しされるなど、社会経済活動が大きく制限されました。一方、新型コロナワクチンの接種や感染対策が段階的に進み、新規感染者数の減少傾向が続いたことから、社会経済活動は徐々に持ち直しの動きがみられました。しかし、2022年1月以降は新たな変異株の出現による感染再拡大の懸念などもあり、先行き不透明な状況は依然として継続しております。
当社グループが属する医療・介護業界につきましては、2022年1月1日現在、65歳以上人口が3,622万人、総人口の28.9%(総務省統計局 人口推計-2022年1月報-)を占めるなど高齢化が確実に進行しており、当社グループに係るサービスの市場規模はますます拡大するものと思われます。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の経営環境につきましては、老齢人口の増大に伴い、医療・介護業界の市場規模全体の伸び率が継続的に拡大する方向で推移することが予想されるものの、決して楽観できる状況とは考えておりません。今後の行政施策の変更や法改正が当社事業に多大な影響を及ぼす可能性、また当社の業態に類似した新規参入業者の出現など外部環境の変化により、競争が激化することも考えられます。
当社グループといたしましては、そのような外部環境の変化の中にあってもさらなる事業規模の拡大を推進していくために、以下の点に注力していくこととしております。
① 全国への営業・サービス網の整備
当社グループは、2021年4月に沖縄県那覇市に当社子会社である株式会社琉球エランを設立するとともに、2021年11月に千葉県千葉市に千葉支店を開設いたしました。これにより、沖縄県内並びに東京都23区内及び千葉県内において、地域に密着したより細やかで迅速なサービスを提供することができるようになりました。
当社グループは、過年度からの計画的な拠点開設及び大規模支店の二分割化の結果、2021年12月末時点で全国24ヶ所、2022年1月の金沢支店の分割により全国25ヶ所の本支店網となり、これらの本支店から全国の病院及び介護老人保健施設等に対して、CSセットの営業活動を進めております。今後も新たな支店又は営業所を開設し、営業拠点から施設までの距離を短縮し、迅速かつ細やかなサービスを提供するための体制を整備してまいります。
② 収益性の改善
CSセットは、サービス提供を行う施設ごとに各種の仕様決定を行うオーダーメイドタイプのサービスです。利用者へ提供するプランの内容(日額単価、衣類・タオル類の品目・品質等、日常生活用品の品目等)や運営方法(注文受付方法、納品・在庫管理方法等)は、施設や取引業者等との協議の上で個別に決定しております。当社グループは、これまで蓄積してきたノウハウを人材教育で共有することにより収益性を確保しております。しかし、CSセットのニーズの多様化に伴い、施設に常駐の受付スタッフを配置することや、日常生活用品の納品業務を外部委託すること、人件費の上昇や原油をはじめとするエネルギー価格の高騰に伴う仕入価格の上昇の影響もあり、売上原価率もしくは売上高販管費比率が押し上げられる傾向にあります。
このため、当社グループは、生産性の高い組織へと変化させ、さらなる収益性の改善を図るため、主に以下に記載する「人材の育成」と「システム化の促進」を実行してまいります。
③ 人材の育成
当社グループは、従業員の成長なくして企業の成長はなく、当社グループが永続的に成長するためには、従業員の教育、育成による従業員の成長が必要不可欠な重要な課題であると認識しております。先輩従業員から直接指導を受ける実践型の人材教育(OJT)に加え、より短期間で優秀な人材を育成すべく、新卒採用者への教育プログラムとしてのメンター制度の確立や中堅・幹部従業員向けの各種研修を行っております。また、新型コロナウイルスをはじめとする感染症流行期においても人材教育を進められるよう、集合研修に代えてオンラインによる研修を取り入れる等の工夫を行っております。今後は、将来的な海外展開を見据え、グローバルな人材の採用、育成にも力を入れてまいります。
④ システム化の促進
当社グループは、CSセットの運営にあたり各種の情報システムを利用しております。特に請求管理業務や購買管理業務は労働集約的な業務であり、CSセット契約施設数の増加に伴い、業務量及び当該業務に従事する従業員が増加する傾向にあります。このため、当社グループは、数年前からシステム化の促進に注力しており、今後もスピードを上げて対応する予定です。また、今後は、請求管理業務や購買管理業務以外の業務分野においても、生産性を高めるためのシステム化を図るとともに、AIやIT技術を活用した新たなビジネス展開の可能性を探ってまいります。
⑤ 付加価値の向上と知名度、ブランド力の向上
当社グループがCSセットとして行っている「衣類、タオル類の洗濯サービス付きレンタルと日常生活用品の提供を組み合わせたサービス」は、当社の上場及び業容の拡大によって、全国的に認知されるようになってきました。当社は、仕入先メーカーとのOEM契約による当社オリジナル商品の開発や、地域社会に対する協賛活動を図るなど、知名度やブランド力の向上に向けた取り組みを継続的に行っております。しかし、現状では、当社グループ及びCSセットサービスの認知度が十分な水準に達しているとはいえません。今後は、これらの知名度及びブランド力向上の施策に加えて、お客様の「困った」を解決する新たなサービスを展開し、付加価値のさらなる向上を図ることによって、入院セットサービスを提供するリーディングカンパニーとしてのブランド力を高めてまいります。
⑥ 顧客満足度の向上と利用料金の回収能力の向上
当社グループのお客様は、病院の入院患者や介護老人保健施設等の入所者である個人です。当社は当該個人のお客様に対し、申込時に信用調査を行うことや経済力が乏しい個人からの利用申込みをお断りすることは現実的ではなく実施しておりません。このため、当社グループとしては、当該個人の顧客満足度を高めること及び利用料金の回収能力を高めることが重要な課題であると認識しております。
例えば、当社グループでは、顧客満足度を高めるために、顧客対応業務を行っている株式会社エランサービスにおいて、外国人からの問い合わせに対応した電話対応の多言語化、クレジットカード決済等の支払方法の多様化等を実施しております。また、当社グループは、カスタマーサポートセンターの営業時間のさらなる拡大(24時間対応)を行うなど、顧客満足度の向上に積極的に取り組んでおります。
また、利用料金の回収業務については、当社の債権管理部門が株式会社エランサービスと密に連携して、書面や電話による細やかな回収活動を実施しております。
当社グループは、引き続き、お客様であるCSセット利用者の顧客満足度の向上を図りながら、利用料金の回収能力の向上に向けた取り組みを推進してまいります。
⑦ 感染症等の流行時や災害時における当社事業の運営リスクへの対応
当社グループがCSセットとして行っている「衣類、タオル類の洗濯サービス付きレンタルと日常生活用品の提供を組み合わせたサービス」は、病院や介護老人保健施設等の施設で提供されています。
今後、治療法が確立されていない感染症が社会的に流行した場合や、広範囲にわたる地震、台風、豪雨のような大規模災害時には、施設が当社からの受託業務を履行できない事態が想定されます。これにより、施設内におけるCSセットの運営が円滑に進まず、結果として、当社の売上高の減少につながる可能性があります。
当社としては、CSセットの運営業務のデジタル化を図るなど、施設内におけるCSセット運営業務の効率化を推進するとともに、感染症の流行時や大規模災害の発生時等の緊急時においても、現場の運営が円滑に進むよう、対応策を検討してまいります。
⑧ 事業を通じたサステナブルな社会への貢献
近年、環境問題をはじめとする様々な社会課題が顕在化するなか、サステナビリティ経営が企業の社会的責任として求められ、SDGsに代表される社会課題解決の取り組みにおいて企業が果たす役割に注目と期待が集まっています。
当社グループは、事業活動を通じて、企業の持続的な成長とともに社会のサステナビリティへの貢献を推進するため、ESG(環境、社会、ガバナンス)に係る各分野への適切な対応を図るとともに、持続可能な社会の実現に向け努力してまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高営業利益率及び営業活動によるキャッシュ・フローを重視しております。売上高の増大を図りながら徹底したコスト管理を行い、付加価値の高い商品及びサービスを提供していくとともに、売上債権を確実に回収する体制を構築・維持し、売上高営業利益率の向上及び営業活動によるキャッシュ・フローの確保に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
また、以下の記載は、投資判断に影響を及ぼすすべてのリスクを網羅するものではないことにご留意ください。
(1) 他社との競合について
当社グループが行う介護医療関連事業については、当社グループの株式上場及び業容の拡大等により、サービスとしての認知度が増したことにより、入院セットに対するニーズの高まりとともに、当社グループ同様に入院セットを主たる事業とする他業者のほか、その他病院・介護関連の事業者なども当社グループ同様のサービスを提供することにより、市場が活性化しつつあるものと認識しております。
当社グループは、引き続きCSセットサービス利用者に対する質の向上と、リネンサプライ業者及び日常生活用品等販売業者等との良好な関係を維持・向上することに努めてまいりますが、当社グループに比べ、資本力、知名度、顧客基盤に優れる会社が新規参入する等他社との競合状況が激化した場合には、既存顧客の喪失や収益力の低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(2) 商品の安全性について
当社グループでは、CSセットの利用者に対し、寝巻き、タオル等のレンタルや紙おむつや身の回り品の販売を行っております。リネンサプライ業者については、医療関連サービスマーク(注)取得の有無や洗濯工程における衛生面の確認など安全性には十分な配慮をしておりますが、何らかの理由により提供したこれら物品に重大な問題が発生した場合は、当社グループへの損害賠償請求や当社グループに対する信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(注)「一般財団法人医療関連サービス振興会」が、良質な医療関連サービスに対して認定を行っているものです。
(3) 特定の取引先との取引について
タオル類・衣類等の洗濯物やその他消耗品としてCSセットサービスにより提供する物資についてはリネンサプライ業者等から洗濯業務の提供と商品の供給を受けております。CSセットサービスの展開は、既にその病院・介護老人保健施設等において寝具などのリース、洗濯業務を行っている既存のリネンサプライ業者等と提携することを基本としている為、市場シェアの高いリネンサプライ業者等との取引割合が高くなる傾向にあります。これらリネンサプライ業者等とは相互協力関係にあり、良好な関係の維持に努めておりますが、リネンサプライ業者等の事業方針や当社グループとの関係等に変化が生じた場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループはCSセットサービスにより提供する消耗品(日常生活用品)の配送、納品作業、在庫管理等の物流業務の一部を、当社グループの運営ノウハウを用いて特定業者へ外部委託しておりますが、当該外部委託先の事業方針や当社グループとの関係等に変化が生じた場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(4) 新規導入施設への導入計画が想定どおり進まないことによるリスク
当社グループは、2003年5月のサービス開始以来、病院・介護老人保健施設等を対象にCSセットサービスを提供してまいりました。営業エリアの開拓にあたっては、新規に営業拠点を配置し、当該拠点を中心に新たな施設への提案・導入を行っております。
今後も、当社独自の営業活動のほか、提携しているリネンサプライ業者等との連携等によって、新規の契約施設の獲得に努めていきますが、当社グループにおける人材面・物流面等の問題や提携先との関係変化等が生じた場合、あるいは、感染症等の長期間の流行により病院や介護老人保健施設等に対する営業活動を自粛せざるを得ない場合には、新規導入施設への導入計画が想定どおり進まず、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(5) 売上債権の貸倒に関するリスク
当社グループが提供するCSセットの利用者は、病院・介護老人保健施設等に入院、入所する個人です。CSセットの利用代金は、原則として後払いですが、必ずしもその全てが回収できるとは限らず、利用料金の一部について滞留及び貸倒れが発生します。病院・介護老人保健施設等の窓口において利用申込みが行われますが、申込み時に利用者個人の信用能力の調査を行うことや経済力が乏しい個人からの利用申込みをお断りすることは現実的ではなく実施しておりません。また、利用中や退院・退所後に経済状態が悪化されることやお亡くなりになることもあります。
当社グループでは、今後の請求件数の増加に耐えうる債権回収体制を構築し、回収能力を向上するよう努めるとともに、貸倒れによる損失に備えるため、貸倒引当金の計上を行っておりますが、利用者の経済状態の変化や当社グループの債権回収体制構築の遅れ等によって、多額の不良債権が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(6) 各種規制について
当社グループは、病院の入院患者や介護老人保健施設等の入所者に対して医療保険や介護保険制度の対象とならない独自のサービスとしてCSセットを提供しております。当該事業を行うにあたって必要となる許認可、免許、登録、行政指導等はありませんが、サービス提供の場である病院や介護老人保健施設等は、医療法、健康保険法、介護保険法等の法律や厚生労働省等の行政・所管官庁による指導・規制のもと運営されていることから、当社グループにおいても各種規制について特段の注意を払っております。
しかしながら、医療法、健康保険法、介護保険法等の法令の改正や、行政指導の運用の見直し等が行われ、当社グループが何らかの対応を余儀なくされた場合や、これらに対応できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(7) 個人情報の管理について
当社グループは、介護医療関連事業において、利用者の個人情報を入手しており、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務が課せられております。当社グループでは、個人情報の取扱と管理には細心の注意を払い、社内でのルール化やその手続きの明確化・徹底化を図っております。また、2009年3月に、一般財団法人日本情報経済社会推進協会の発行するプライバシーマークの付与認定を受けております(2021年3月更新)。
しかしながら、個人情報管理に関する全てのリスクを完全に排除することは困難であり、個人情報の漏洩等のトラブルが発生する可能性は否定できず、かかる事態となった場合には、損害賠償請求や信用の低下等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(8) 今後の事業展開について
当社グループは、事業基盤の拡大と収益の安定化を図り、成長を加速させるために、介護医療関連事業で培ったノウハウを活かせる関連・周辺事業への積極展開を推進していく予定です。新規事業展開にあたっては慎重な検討を重ねたうえで取り組んでまいりますが、当該事業を取り巻く環境の変化等により、当初の計画通りの成果が得られない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(9) 人材の確保と育成について
当社グループが今後事業をさらに拡大し、成長を続けていくためには、優秀な人材の確保が重要課題となっております。こうした人材の確保が計画通りに進まなかった場合、あるいは、人材育成が計画通りに進まず、重要な人材が社外に流出した場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(10) 気候変動に関するリスク
国際社会において気候変動問題は、早急な解決が求められる重要な社会課題として認識されており、世界全体で脱炭素化に向けた取り組みが進められています。日本においても、猛暑日の増加、豪雨被害の頻発等の気候変動の具体的影響が生じており、ESG投資の加速や炭素税の本格的な導入が議論されるなど、気候変動及びその対策が企業経営にもたらす影響は一層増大することが予想されます。
当社グループといたしましては、このような経営環境であることを踏まえ、環境規制や関連法規等の遵守は当然として、気候変動などの環境問題への対応を重要課題として捉え、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)に沿った情報開示への取り組みや環境保全、環境負荷低減に努める活動など、リスクの低減に向けた取り組みを開始する予定です。しかし、気候変動は年々深刻さを増しており、将来、気候変動を主因とする不測の事態や環境規制への適応が極めて困難な事象が発生する場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概況
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a. 経営成績
当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により感染拡大地域においては緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用が繰り返しされるなど、社会経済活動が大きく制限されました。一方、新型コロナワクチンの接種や感染対策が段階的に進み、新規感染者数の減少傾向が続いたことから、社会経済活動は徐々に持ち直しの動きがみられました。しかし、2022年1月以降は新たな変異株の出現による感染再拡大の懸念などもあり、先行き不透明な状況は依然として継続しております。
当社グループが属する医療・介護業界につきましては、2022年1月1日現在、65歳以上人口が3,622万人、総人口の28.9%(総務省統計局人口推計-2022年1月報-)を占めるなど高齢化が確実に進行しており、当社グループに係るサービスの市場規模はますます拡大するものと思われます。
こうした環境の中、当社グループは、介護医療関連事業の主力サービスである「CS(ケア・サポート)セット」をより普及・拡大させるために、当連結会計年度に営業を開始した千葉支店(千葉県千葉市)を含めた全国24ヶ所の本支店から、営業活動を施設(病院及び介護老人保健施設等)に対して展開してまいりました。
これにより、当社グループにおける当連結会計年度の新規契約の施設数は264施設、契約終了施設数は64施設となり、当連結会計年度末のCSセット導入数は、前連結会計年度末より200施設増加し1,814施設となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は31,635,891千円(前期比21.4%増)、営業利益は2,798,670千円(同35.3%増)、経常利益は2,818,548千円(同31.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,905,925千円(同31.8%増)となりました。
なお、当社は、2021年1月1日を効力発生日として、当社普通株式を1株につき2株の割合をもって分割いたしました。これは、投資単位当たりの金額を引き下げ、株式数の増加により株式の流動性を高めることで、投資家の皆様により投資しやすい環境を整えるとともに、投資家層の更なる拡大を図ることを目的として実施したものであります。
b. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、13,947,800千円となり、前連結会計年度末と比べて2,258,725千円増加しました。
このうち、流動資産は12,129,983千円となり、前連結会計年度末と比べて1,949,859千円増加しました。これは主に、貸倒引当金が45,843千円増加(引当金のため流動資産の残高は減少)したものの、現金及び預金が1,134,373千円増加、売掛金が611,790千円増加、未収入金が191,918千円増加、商品が86,285千円増加したためであります。
一方、固定資産は、1,817,816千円となり、前連結会計年度末と比べて308,866千円増加しました。これは無形固定資産が56,870千円減少したものの、有形固定資産が24,309千円、投資その他の資産が341,427千円増加したためであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、6,464,077千円となり、前連結会計年度末と比べて959,205千円増加しました。このうち、流動負債は6,417,063千円と前連結会計年度末と比べて915,232千円の増加となりました。これは主に、買掛金が710,546千円、未払金が43,363千円、未払法人税等が52,650千円、未払消費税等が81,932千円増加したためであります。
固定負債は、47,013千円と前連結会計年度末と比べて43,973千円の増加となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、7,483,722千円となり、前連結会計年度末に比べて1,299,519千円の増加となりました。自己資本比率は前連結会計年度末から比べて0.8%上昇し、53.7%となりました。
純資産合計の増加は、主に利益剰余金の増加によるものであり、株主に対する配当金の支払い424,193千円が生じたものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上1,905,925千円により利益剰余金が1,481,732千円増加したためであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ1,134,371千円増加し、5,607,760千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は2,106,198千円(前期比158,440千円の収入増加)となりました。法人税等の支払いで916,265千円の資金が減少したものの、年間を通じた営業活動により3,022,409千円の資金が増加しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は357,677千円(前期比290,651千円の支出減少)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出267,891千円、有形固定資産の取得による支出56,644千円、無形固定資産の取得による支出21,344千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果使用した資金は614,149千円(前期比340,324千円の支出増加)となりました。これは主に株主への配当金の支払415,976千円、自己株式の取得による支出196,869千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業セグメントは、介護医療関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(1)生産実績
当社グループは、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
(2)受注実績
当社グループは、受注から役務提供の開始までの期間が短いため、記載を省略しております。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
|
|
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
介護医療関連事業 |
31,635,891 |
121.4 |
|
合計 |
31,635,891 |
121.4 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりであります。
a. 財政状態
(資産・負債)
当社の資産、負債の大部分を占める現金及び預金、売掛金、未収入金、貸倒引当金、買掛金の年度別残高推移は以下のとおりとなっております。
(単位:千円)
|
回次 |
第24期 |
第25期 |
第26期 |
第27期 |
第28期 |
|
決算年月 |
2017年12月 |
2018年12月 |
2019年12月 |
2020年12月 |
2021年12月 |
|
売掛金 |
2,114,530 |
2,477,293 |
2,779,071 |
3,279,413 |
3,891,204 |
|
未収入金 |
1,294,357 |
1,180,556 |
1,697,463 |
1,765,497 |
1,957,416 |
|
貸倒引当金 |
△271,153 |
△357,801 |
△431,490 |
△441,059 |
△486,903 |
|
小計 |
3,137,734 |
3,300,049 |
4,045,043 |
4,603,851 |
5,361,717 |
|
買掛金 |
2,340,491 |
2,745,825 |
3,340,056 |
4,157,946 |
4,868,493 |
|
差引 |
797,243 |
554,223 |
704,987 |
445,904 |
493,223 |
|
現金及び預金 |
2,146,632 |
3,057,392 |
3,472,071 |
4,497,677 |
5,632,051 |
|
合計 |
2,943,876 |
3,611,616 |
4,177,058 |
4,943,582 |
6,125,275 |
当社の主力サービスであるCSセットを導入する施設が順調に増加するとともに、利用者数が増加していることを背景に、売掛金、未収入金、買掛金の各期末残高も増加傾向となっております。また、売掛金が増加傾向にあることから、貸倒引当金の金額も増加傾向にあります。
一方で、請求回収業務の運用改善を継続することで、売掛金、未収入金の回収サイトの短縮化が図られ、現金及び預金は増加傾向にあります。このことから、当社グループのキャッシュ・フロー獲得能力は年々、向上しているものと考えております。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、7,483,722千円となり、前連結会計年度末に比べて1,299,519千円の増加となりました。自己資本比率は前連結会計年度末から比べて0.8%上昇し、53.7%となりました。
また、自己資本利益率は、新型コロナウイルス感染症の影響で営業活動が依然として制約を受けていますが、CSセットの利用率が上昇し、利用者が増加したことや販管費及び一般管理費の削減効果により、前連結会計年度に比べ、2.1%上昇し、27.9%となりました。このことから、当社グループの収益性及び資本効率は向上しているものと考えております。
なお、当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、活動費用の抑制により利益率が上昇した側面があることから、中長期的に継続して利益率を高められる事業運営を実行してまいります。
b. 経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ21.4%増の31,635,891千円となりました。これは、当連結会計年度に営業を開始した当社千葉支店(千葉県千葉市)を含めた全国24ヶ所の全支店から、当社グループの主力サービスであるCSセットを全国に普及・拡大させるために営業活動を施設(病院及び介護老人保健施設等)に対して展開した結果、本サービスを導入する施設が1,614施設から1,814施設と順調に増加したことによるものです。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、前連結会計年度に比べ21.9%増の23,758,949千円となりました。これは主に、売上高拡大に伴い商品仕入が増加したことによるものです。
新型コロナウイルス感染症の拡大や原油価格の上昇等の影響から、仕入価格が上昇し、当連結会計年度における売上総利益率は前連結会計年度に比べ0.3%低下し、24.9%となりました。
この結果、当連結会計年度における売上総利益は前連結会計年度に比べ20.0%増の7,876,942千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ13.0%増の5,078,271千円となりました。従業員数の増加による給与手当の増加及び法定福利費の増加、請求件数等の増加に伴う通信費、支払手数料、外注費の増加などの増加要因があったものの、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響及び社内におけるコスト削減の取り組みにより、販管費率は前連結会計年度に比べ1.2%低下し、16.1%となりました。
この結果、当連結会計年度における営業利益率は前連結会計年度に比べ0.9%上昇し、8.8%となり、当連結会計年度における営業利益は前連結会計年度に比べ35.3%増の2,798,670千円となりました。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度の営業外損益は、営業外収益25,851千円、営業外費用5,974千円となりました。
この結果、当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ31.2%増の2,818,548千円となりました。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度は、特別損益が発生しませんでした。
当連結会計年度の法人税等合計は、912,622千円となりました。
この結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ31.8%増の1,905,925千円となりました。
c. 経営戦略の現状と見通し
当社は、2014年11月の東京証券取引所マザーズ市場への上場以来、前連結会計年度(2020年12月期)までの間、全国展開を図るための営業網の強化拡大に加え、社内管理体制の強化に注力するとともに、新事業開発に向けた取り組みを行ってまいりました。これにより、全国展開のための営業網の整備や社内管理体制の強化について、一定の成果を得るとともに、新規事業の検討に向けての基礎を築くことができました。
そして、当連結会計年度(2021年12月期)は「全国展開、グループ力強化、新事業開発」を経営戦略に掲げ、さらなる成長に向けた新たな取り組みを着実に実行してまいりました。新型コロナウイルス感染症の拡大の影響から、営業活動に制約が出たこともあり、当連結会計年度は、当初計画した新規契約施設数を達成できなかったものの、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益については、当初目標を達成しました。当連結会計年度の活動状況及び経営成績等を振り返ると、当社グループとして改善すべき課題が未だ残されてはいるものの、前連結会計年度に認識した当社グループの経営課題に対し、真摯に取り組んだ結果として一定の成果を出すことができたものと評価しております。
今後は、当社グループのさらなる事業拡大に向けて、中期的にはCSセットの付加価値向上を図ることでCSセットの差別化を図るとともに、新たな収益の柱として、ヘルスケア領域の新規事業を複数展開すること及び海外事業展開を中期成長戦略に掲げて活動してまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 資本の源泉及び資金の流動性に係る情報
当社グループの主な資金需要としては、人材投資、システム投資及び新規事業投資が挙げられます。
人材投資については、今後の契約施設数の増加を見据えて、引き続き、従業員の採用を計画しており、これによる人件費の増加を見込んでおります。システム投資については、規模の拡大に伴い、効率的な事業運営へ変化させるためのシステム化の推進に取り組んでまいります。また、新規事業投資については、新たな収益の柱を構築するため、新規事業の検討を積極的に進めてまいります。
上記の各資金需要に係る財源は、当面、営業キャッシュ・フローを基礎とした自己資金を考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、採用している重要な会計方針は、本書「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますので、あわせてご参照ください。
当社グループの連結財務諸表の作成においては、経営者による会計方針の選択や適用、資産・負債、収益・費用の報告及び開示に影響を与える見積りを行う必要があります。その見積りは、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づく合理的と考えられる様々な要因を考慮して行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
なお、固定資産の減損損失の判定、繰延税金資産の回収可能性の判定における今後の経営成績及び将来キャッシュ・フローの見積りでは、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は今後、当連結会計年度と同程度の影響が継続するとの前提に基づいて会計上の見積りを行っております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。