第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国の経済は、人民元安で始まった中国経済の失速懸念や英国のEU離脱ショックによる株式・為替市場の混乱があったものの、政府や日銀のマイナス金利導入等の各種政策もあり、景気は年末にかけての株高・円安を背景に、緩やかに持ち直しました。一方、米国新大統領による保護主義的な政策は世界貿易の縮小や世界経済の減速を招く懸念があると指摘されており、先行き不透明な状況であります。

 当社企業グループは、クリエイティブサービスを事業とし、お客様が創造性(クリエイティブ)を表現するために必要である多様なソリューションを提供するため、「クリエイティブをサポートする企業集団」として、幅広いビジネスを積極的に展開、推進しております。

 印刷技術の進化や、ネットワーク環境の利便性向上などにより、クリエイティブの表現方法、表現技術、伝達手段は多種、多様化しております。印刷製造技術のみならず、2D-CAD・3D-CAD・3D-CGを軸とする技術、プロダクトを含む多様なデザイン力・IT構築力をトータルで保持することが当社企業グループにおける企業間競争において重要となっております。

 汎用的な一般情報用紙への印刷にとどまらない、特殊素材・立体物への印刷技術と提案活動に加え、多岐にわたる「カタチあるモノ」、例えばノベルティ・フィギュア・3Dプリンター造形などへのクリエイティブ提案を含めたソリューションの提供ニーズは今後拡大が見込めるものと思われます。

 また、単純な紙媒体の総体的需要は今後縮小が確実視されておりますが、それを代替するデジタルコンテンツに対するクリエイティブサービスへのニーズは、マーケティング分野を中心に、拡大してきております。

 当社企業グループは、グループ各社が専門とする技術及びノウハウと、最新設備を備えたグループインフラを活用し、クリエイティブニーズを確かなカタチとしてご提供しております。また、ワンストップで様々なプロフェッショナルサービスを提供できるようグループ間の支援体制を整え、ソリューション営業の強化を図っております。

 当連結会計年度においてもその一環として、株式会社ソニックジャム、クラウドゲート株式会社をグループ化し、デジタルコンテンツ制作の強化を図りました。加えて商品ラインナップの拡充のためノベルティ商品制作の株式会社コローレをグループ化いたしました。

 また当連結会計年度は、前連結会計年度にグループ化いたしました株式会社サカモトの業績が年間を通じて業績に寄与しております。

 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高332億90百万円(前期比1.3%増)、営業利益は8億70百万円(前期比62.0%増)、経常利益10億24百万円(前期は匿名組合投資損失等の計上により経常利益32百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益5億28百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失4億28百万円)となりました。

 

 なお、当社企業グループの事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて9億65百万円減少し、25億98百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は41億47百万円(前連結会計年度比26億63百万円増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益10億16百万円、減価償却費13億3百万円、のれん償却額2億69百万円、売上債権の減少8億5百万円及仕入債務の増加7億83百万円により資金が増加したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は8億66百万円(前連結会計年度比9百万円増加)となりました。これは主に、有形固定資産売却収入2億77百万円、貸付金の回収による収入2億10百万円により資金が増加しましたが、有形固定資産の取得による支出5億65百万円、投資有価証券の取得による支出1億57百万円、貸付けによる支出6億41百万円により資金が減少したことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は42億47百万円(前連結会計年度比30億12百万円増加)となりました。これは主に、短期借入金の減少21億30百万円、長期借入金の返済による支出7億5百万円、設備関係割賦債務の返済による支出2億75百万円、自己株式の取得による支出9億53百万円、配当金の支払額2億78百万円により資金が減少したことによるものです。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当社企業グループは、クリエイティブサービス事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年1月1日

至 平成28年12月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

クリエイティブサービス事業

33,286

101.3

(注)金額は販売価額によっており、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注実績

 当社企業グループは、クリエイティブサービス事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

クリエイティブ

サービス事業

33,827

102.3

2,281

130.7

(注)金額は販売価額によっており、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

  当社企業グループは、クリエイティブサービス事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年1月1日

至 平成28年12月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

クリエイティブサービス事業

33,290

101.3

(注)1 金額は販売価額によっており、消費税等は含まれておりません。

2 総販売実績の10%以上を占める販売顧客に該当するものはありません。

 

3【対処すべき課題】

 当社企業グループが属するクリエイティブサービス業界においては、社会環境の変化やデジタル技術の発展等により、そのニーズは急速に多種、多様化しております。今後も技術の進歩等を要因としたニーズの変化が予測されるところであります。こうした環境認識の下、さらなる企業価値向上、持続的成長の実現に向け、以下の課題に継続して取り組んでまいります。

(1)グループ各社の役割と事業責任の明確化、また、経営の機動性を向上させ、効果的な経営資源の調達及び配分を行うことでグループ全体の企業価値の向上を図ってまいります。

(2)グループ各社が専門とする技術及びノウハウのさらなる向上を図るとともに、グループ各社の連携の強化、付加価値の高いサービスの提供、新たなサービスの開発等により顧客満足度の向上に取り組んでまいります。

(3)主力事業領域におけるシェア拡大、新規事業領域への挑戦、また不採算事業の構造改革等を、M&Aを含め機動的な組織再編に取り組み、安定的な事業ポートフォリオの形成を目指してまいります。

(4)当社企業グループは事業拡大のため、人材の確保及び教育を重要な課題と認識しております。当社が中心となって、潜在能力の高い人材の獲得に向けて各種採用活動を進めるとともに、教育及びワークライフバランス(働き方の見直し)を積極的に進めてまいります。

 

4【事業等のリスク】

 以下において、当社企業グループが事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社企業グループの事業、業績及び財務状況は、かかるリスク要因のいずれによっても著しい悪影響を受ける可能性があります。当社株式の市場価格は、これらの要因のいずれによっても下落する可能性があります。

 当社企業グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本書の記載を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経済動向による影響について

  当社企業グループにおける営業収入は、日本国内市場における広告宣伝活動の需要に大きく影響を受けます。国内経済の低迷が長期化した場合は、企業収益の減少に伴い、企業は広告宣伝活動を縮小する傾向にあるため、当社企業グループの業績は大きな影響を受ける可能性があります。

  当社企業グループの予算編成及び業績予想は、当社企業グループが属する市場の成長予測、各顧客のクリエイティブサービス関連の需要予測等作成時点で入手可能な情報に基づいて作成されておりますが、当社企業グループの業績予想は実績と乖離する可能性があります。

 

(2)競合について

 当社企業グループは顧客にとって付加価値の高い製品・サービスをワンストップで提供しているものと自負しておりますが、価格面において競争を優位に展開できる保証はなく、当社企業グループの製品・サービスが激しい価格競争にさらされ、当社企業グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3)売上債権管理上のリスク

  当社企業グループは、社内規定に基づいて締結された顧客との契約をベースに売上債権を管理しております。また、新規取引毎に信用調査を実施し、信用度を確認した後取引口座を設定し、債権管理担当者が日々入金状況を確認しており、債権管理において特段の問題は生じておりません。
 しかしながら、経済情勢の急速な悪化と情報媒体の急速な多様化による印刷関連企業の淘汰により、経営基盤の脆弱な企業等において、経営状況が悪化する場合も考えられます。
 当社企業グループでは、今後、信用調査をより一層強化していく方針ですが、予測不能な事態が生じた場合には売上債権の回収に支障をきたす可能性があります。

 

(4)自然災害等のリスクについて

 地震等の自然災害によって、当社企業グループの製造拠点が壊滅的な損害を受ける可能性があります。当社企業グループの工場、事業所は一定の地震に耐え得る機能を有しております。しかしながら、工場、事業所、機械及びライフラインが壊滅的な損害を被った場合、製造業務が一時的に停止し、業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに工場・事業所、機械装置類の修復、修理または代替のために多額な費用を要する可能性もあります。

 

(5)情報システムとセキュリティ

  インターネットをはじめとするコンピュータネットワークや情報システムの果たす役割が高まり、情報システムの構築やセキュリティ対策の確立は事業活動を継続する上で、いまや不可欠となっております。これに対して、近年ソフト・ハードの不具合やコンピュータウイルス等による情報システムの停止、顧客情報の漏洩等さまざまなリスクの発生の可能性が高まっております。当社企業グループは、個人情報の保護に努め、システムとデータの保守・管理には万全を尽くしております。しかしながら、万一データの漏洩が発生した場合は、当社の信用が低下し、今後の事業展開に多大な影響を与える可能性があります。

 

(6)法的規制等

  法令の遵守を基本として事業を進めておりますが、製造物責任や廃棄物処理責任、環境・個人情報保護関連、税制関連等において、さまざまな法的規制を受けており、今後更にその規制が強化されることも考えられます。そのような場合、事業活動に対する制約の拡大やコストの増加も予想され、当社企業グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

(株式交換契約)

⑴ 簡易株式交換によるクラウドゲート株式会社の完全子会社化

 当社は、平成28年7月7日開催の取締役会において、当社を株式交換完全親会社、クラウドゲート株式会社を株式交換完全子会社とする株式交換(以下、「本株式交換」といいます。)を行うことを決議、同日付で株式交換契約を締結し、平成28年9月10日の株式交換効力発生において完全子会社といたしました。なお、本株式交換は会社法第796条第2項の規定に基づく、当社の株主総会の承認を必要としない簡易株式交換であります。

 詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

⑵ 簡易株式交換による株式会社ソニックジャムの完全子会社化

 当社は、平成28年8月10日開催の取締役会において、当社を株式交換完全親会社、平成28年7月5日付の株式を取得により子会社化した株式会社ソニックジャムを株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」といいます。)をすることを決議、同日付にて株式交換契約を締結し、平成28年9月10日の株式交換効力発生において完全子会社といたしました。なお、本株式交換は会社法第796条第2項の規定に基づく、当社の株主総会の承認を必要としない簡易株式交換であります。

 詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

6【研究開発活動】

 特に記載すべき事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 以下の記載のうち将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社企業グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、連結会計年度末における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に貸倒引当金、退職給付引当金、資産除去債務、繰延税金資産及び時価のない投資有価証券であり、その評価については継続して行っております。

 なお、評価及び見積りについては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

 

(2)財政状態に関する分析

①資産、負債及び純資産の状況

(資産)

 流動資産は、現金及び預金、受取手形及び売掛金の減少を主な要因として、前連結会計年度末に比べて11億53百万円の減少となりました。

 固定資産は、投資有価証券は増加となりましたが、減価償却費等による有形固定資産の減少を主な要因として、前連結会計年度末に比べて6億54百万円の減少となりました。

 この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて18億8百万円減少し、289億78百万円となりました。

(負債)

 流動負債は、買掛金は増加となりましたが、短期借入金の減少を主な要因として、前連結会計年度末に比べて12億33百万円の減少となりました。

 固定負債は、繰延税金負債、退職給付に係る負債は増加となりましたが、長期借入金、その他固定負債に含まれております長期未払金の減少を主な要因として、前連結会計年度末に比べて3億36百万円の減少となりました。

 この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて15億69百万円減少し、198億87百万円となりました。

(純資産)

 純資産は、自己株式の取得及び剰余金の配当金による減少を主な要因として、前連結会計年度末に比べて2億38百万円減少となり、90億90百万円となりました。

 

(3)当連結会計年度の経営成績の分析

(売上高)

 売上高は、332億90百万円(前連結会計年度328億48百万円)となりました。売上高の概況及び詳細については、「第2 事業の状況 1.業績等の概要(1)業績」をご参照ください。

(売上原価、販売費及び一般管理費)

 売上原価は、外注加工費の内製化及びコスト削減が実現化したことにより、244億83百万円(前連結会計年度250億91百万円)となりました。

 以上の結果、売上総利益は、88億6百万円(前連結会計年度77億56百万円)、売上総利益率が26.45%(前連結会計年度23.61%)となりました。
 販売費及び一般管理費は、連結子会社が増加したことにより、79億36百万円(前連結会計年度72億19百万円)となりました。

 以上の結果、営業利益は8億70百万円(前連結会計年度5億37百万円)となりました。

(営業外損益)

 営業外収益は、持分法による投資利益、受取事務手数料が前連結会計年度に比べ増加し、2億53百万円(前連結会計年度1億14百万円)、営業外費用は、匿名組合投資損失、持分法による投資損失の計上がなくなったことにより99百万円(前連結会計年度6億19百万円)となりました。

 以上の結果、経常利益10億24百万円(前連結会計年度32百万円)となりました。

(特別損益)

 特別利益は、固定資産売却益81百万円等により1億29百万円(前連結会計年度1億80百万円)であります。特別損失は、固定資産売却損34百万円、減損損失55百万円等により1億37百万円(前連結会計年度4億80百万円)であります。

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は5億28百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失4億28百万円)となりました。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当連結会計年度における状況は、「第2 事業の状況 1.業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

キャッシュ・フロー指標のトレンド

 

平成27年12月期

平成28年12月期

自己資本比率(%)

30.0

31.0

時価ベースの自己資本比率(%)

22.3

24.2

債務償還年数(年)

11.0

3.2

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

12.3

48.6

 (注)自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

*各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

*株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出しております。

*営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

*有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

*利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の支払利息の支払額を使用しております。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因、経営者の問題認識と今後の方針について

 経営成績に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項は、「4 事業等のリスク」に記載いたしました。

 当社企業グループ経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案し、スピードを持って対応していくよう努めております。

 当社企業グループでは、今後も「クリエイティブをサポートする企業集団」として、クリエイティブサービス事業を軸に事業を行ってまいります。またニーズの変化に対応するために、柔軟に商材ポートフォリオ、人材ポートフォリオ、事業ポートフォリオの最適化を進めてまいります。