第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、「新しい価値の概念を追求し、誠実に世の中に価値を提供する」ことを企業理念とし、世の中の人が幸せになるサービスや事業を創造していくことを目指しています。

 

(2)経営戦略等

当社グループは、上述の企業理念に基づき「無駄のないスマートな社会の実現」というビジョン達成に向けた三つ目の通過点として、売上高1,000億円を目指す「SHIFT1000-シフトワンサウザンド-」を策定いたしました。

創業以来、製造業における業務改善コンサルティングの知見を持って、ソフトウェア開発分野における属人化された業務のプロセスを変革し、開発エンジニアとテストエンジニアの分業を進めていくことで開発エンジニアが開発工程に集中し、開発に専念できる環境を整備するなど、ITエンジニアの働き方を変革してまいりました。

「SHIFT1000-シフトワンサウザンド-」では、売上高3,000億円を見据えた顧客のポートフォリオを確立し、人事基盤を強化することで人材データベースを進化させ、より顧客ニーズに応えられるサービスラインナップの拡充とともに、M&Aの規模をさらに拡大させてまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するため、売上高成長率、営業利益率、自己資本当期純利益率(ROE)を客観的な指標としております。

 

(4)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループは、今後のさらなる成長を実現する上で、以下の事項を経営課題として重視しております。

① 営業展開について

総務省及び経済産業省による「2020年情報通信業基本調査」によると、わが国において主としてソフトウェア業を営む企業の売上高は16兆2,988億円と試算されております。また、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が公表する「ソフトウェア開発データ白書2018-2019」によると開発工程に占めるテスト工程の割合は、約33%とされており、当社グループの対面するソフトウェアテストの市場規模は約5兆円と推定されます。

しかしながら、依然として顧客企業内においてソフトウェア開発者がテスト工程の業務を行っているのが主流であり、ソフトウェアテストのアウトソース需要は拡大傾向にあるものの、日本国内で顕在化しているアウトソース市場は小規模なものにとどまっております。

当社グループは、この潜在的な5兆円の市場に対して、既存の労働集約的なサービスではなく、仕組化・標準化されたソフトウェアテストサービスを提供することにより、顧客のニーズを喚起し、アウトソース市場を掘り起こしてきました。

さらに、エンターテインメント業界から、金融・流通業界まで、あらゆる企業へのサービス展開を目指すべく、営業体制の強化を図ってまいります。

 

② サービスラインナップの強化

当社グループは、独自に標準化・仕組化されたノウハウに基づきソフトウェアテストを提供しており、その対象分野は、特定の業種業態にとらわれない幅広い分野を対象としつつ、テストの対象もスマートフォン向けの小規模なアプリケーションから金融機関の基幹システムなどの大規模なものまで、規模や開発言語・手法にもとらわれない幅広いものとなっております。

今後さらに事業規模を拡大していく上では、各業界における高度な業務知識の拡充、多様化する開発手法へ対応したサービスラインナップの強化が重要な課題であると認識しております。

こうした課題に対応するため、プロジェクトマネージメントやコンサルティングスキルに長けた専門性が高く優秀な人材の確保、育成を進めてまいります。また、柔軟な組織体制を構築し、より専門性の高いチーム編成を行うことで、網羅的なサービスラインナップ強化を進めてまいります。

加えて、品質保証事業を軸に、IT業界における各機能を当社グループ内に網羅的に備えることで、お客様のあらゆるニーズに対応できるようになるという考えのもと、M&A活動を積極的に推進し、サービスポートフォリオの拡充にも取り組んでまいります。

 

③ 人材採用力の強化

当社グループは、それまで開発者が行ってきたテスト工程を、開発者以外であっても実行できるように、作業工程の徹底的な標準化を行うことでIT人材以外の人材を採用してまいりました。また、IT業界における知識や経験の豊富な人材の採用も同時に行ってまいりました。

1,000億円企業を目指すにあたっては、前述の営業展開やサービスラインナップの強化を進めるため、各分野のスペシャリストの採用が早期に取り組むべき課題であると認識しております。

こうした課題に対応するため、従前の採用手法だけにとどまらず、動画面接やリファラル採用の強化等のあらゆる採用手法を積極的に取り入れ、採用体制の強化を進めてまいります。

 

④ 海外展開

海外のソフトウェア開発市場は日本よりも大きく、また、ソフトウェアテストのアウトソース市場の顕在化も進んでおります。

そのため、当社グループにおけるサービスの海外展開は長期的な成長を実現するために取り組むべき課題であると認識しております。当社グループでは、海外子会社を設立し、日本で培ったソフトウェアテストのノウハウに基づき、コスト競争力に優れたリソースを利用したサービスの開発を進めております。こうしたサービス提供の準備が整い次第、北米などの主要なソフトウェア開発市場へ進出を図ってまいります。

 

⑤ 企業ブランドの醸成と新規事業展開

当社グループは現在ソフトウェアテストを中心とした事業展開を図っており、標準化された高品質なサービス提供によって業務アプリケーション領域におけるソフトウェアテストのリーディングカンパニーとしての地位を確立しつつあるものと認識しております。

一方で当社グループは、「新しい価値の創造」を目指し、世界中で通用するサービスを創造することを企業理念に掲げており、品質を軸として積極的な事業展開を行い、新しい価値を創造する企業としてのブランドを醸成していくことが重要な課題であると認識しております。

こうした課題に対応するため、収益の柱としてのソフトウェアテストの事業を拡大させる一方で、開発工程の上流からサービスを提供することで開発全体の品質保証を図るべく、M&A活動の積極的な推進等により領域の拡大を目指しております。

加えて、これまでの事業活動を通じて得たIT業界における「ヒト」「モノ」「カネ」に関する情報をもとに、新たなサービスの創出に取り組んでおります。

「スマートな社会」の実現に向けて、引き続き既存事業の拡大と新規事業の創出に取り組むことで、なくてはならない当社グループのポジショニングを強化してまいります。

 

 

⑥ 内部管理体制の強化

当社グループは、さらなる事業拡大を推進し、企業価値を向上させるためには、効率的なオペレーション体制を基盤としながら、内部管理体制を強化していくことが重要な課題であると認識しており、コンプライアンス体制及び内部統制の充実・強化を図ってまいります。

 

⑦ 情報資産に関する管理体制の強化

当社グループは、事業を通してお客様の重要な情報資産を取り扱っているほか、競争力の源泉となる、独自に標準化・仕組化されたノウハウを保有しており、情報管理体制を継続的に強化していくことが重要であると考えています。現在においても、ISMS国際規格「ISO/IEC 27001:2013」の認証を取得し、情報セキュリティ方針を策定したうえで情報資産を管理しており、eラーニングを毎月実施し従業員の啓発を行う等、万全の注意を払っていますが、今後も社内体制や管理方法の強化を図ってまいります。

 

⑧ 新型コロナウイルス感染症対策の徹底

世界的に感染拡大が続いている新型コロナウイルス感染症については、従業員及びその家族、お客様、パートナー様の安全と健康確保を最優先に、柔軟かつ迅速な施策を実施する必要があると考えております。

これまでに実施してきた具体的な施策としては、手洗い・うがいの徹底、マスク着用の義務化やアルコール消毒の推進、全従業員へ毎日の検温測定と報告体制の構築による体調不良の従業員の即時把握、全社的な在宅勤務の推奨とそれに伴うウェブ会議の活用、執務室エリア内の衝立の設置、案件従事者が在宅勤務を実現できるような3段階のセキュリティ体制の構築とお客様への提案活動、また在宅勤務を行う従業員等に対する手当の支給などが含まれます。

引き続き、お客様や社員等の安全確保を最優先に、関係各所と連携し適切に対応してまいります。

 

⑨ アフターコロナへの対応

新型コロナウイルスを契機に、ライフスタイルや価値観、そしてIT業界に変化がもたらされることが予想されます。それらの変化に対応し、「アフターコロナ」の社会においても成長を加速させるため、当社グループはこれまでの事業ポジショニングやブランディング、従業員の働き方を見つめなおし、必要に応じて変化させていきます。

従業員の働き方としては、基本的に在宅勤務を推進する一方、コミュニケーションを目的として週一回程度の出社を奨励しています。在宅勤務を前提としたエンジニアの採用を進めつつ、従業員総会、社内広報のオンライン化などにより、柔軟な働き方の提供と帰属意識の醸成の両立を実現しています。 

事業内容においては、ソフトウェアの品質保証を中核としながらも、その概念を拡大しました。従来どおりの「ソフトウェアテスト」に加え、「売れるサービスづくり」にもこれまで以上に注力するようブランディングを転換しています。お客様のビジネス成功にコミットすることで、従来より取り組んできた日本のIT業界の構造変革を促しながら、アフターコロナにおける当社グループのポジショニングをより明確化してまいります。
 
 

 

 

2 【事業等のリスク】

経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。

 

当社グループは、これらリスク要因を認識した上で、その発生自体の回避、あるいは発生した場合の対応に努める方針でありますが、これらはすべてのリスクを網羅したものではなく、予見しがたいリスク要因も存在するため、投資判断については、本項以外の記載内容もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ソフトウェアテスト市場の動向について

リスクの内容

当社グループは、ソフトウェアテストサービスを中心とした事業展開を図っております。この当社グループが提供しているソフトウェアテストのアウトソース市場は、ソフトウェア開発会社の品質意識の高まりやIT人材不足等の社会的要請を背景に拡大傾向にあり、当社グループは、今後もこの傾向は継続するものと見込んでおります。

しかしながら、当社グループの期待どおりにソフトウェアテストのアウトソース市場が拡大しなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

対応策

ソフトウェアテストサービス以外のIT業界関連市場への対応力を強化すべく、サービスラインナップの拡充に努めております。

 

 

(2) 人材の確保について

リスクの内容

当社グループにおいては、人材採用が重要なキーファクターとなります。日本のエンジニア人口が100万人程度に留まる中、IT投資額の拡大が進んでいることから、IT業界における求人倍率は他の業界では見られない11倍という高い水準になっております。当社グループでは、採用を加速するために独自に作成した、各種業務に必要な能力を図る検定試験や、非IT人材からの採用、離職率低下施策、協力会社との連携を強化することで、十分な人材の確保に努めております。

しかしながら、競争の激化や何らかの理由で業務上必要とされる十分なエンジニアを確保することができなかった場合には、円滑なサービス提供や積極的な受注活動が阻害され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

対応策

高水準のスキルを有した従業員を安定的に確保するため、採用担当者を中心とした人事部門の体制強化、市場価値を意識した競争力のある給与水準の確保、転職顕在層に留まらない、転職潜在層に対するアプローチの強化等の取り組みを行っております。

また、離職率の低下に向けて、従業員のエンゲージメント状況を定点観測し、発見された課題に対して施策を講じ、改善に努めているほか、グループを含めた様々なキャリア形成を支援する取り組みを行っております。

その他、従業員以外にも技術力の高いビジネスパートナーを多数確保するため、エンジニアプラットフォーム等を利用し、各ビジネスパートナーとの連携体制を構築しております。

 

 

 

(3) 契約不適合責任等について

リスクの内容

当社グループでは、業務委託を中心とした契約形態でサービスを提供しており、基幹事業であるソフトウェアテストサービスの実施にあたっては、顧客企業に対して、ソフトウェアテストサービスはソフトウェア等に含まれる不具合等の全てを発見することを保証するものではなく、また、ソフトウェア等の完全性を保証するものではないことを十分説明するよう努めております。

また、業務内容を問わず、契約上、損害賠償責任についても一定の免責条項等を設定することを方針としております。

しかしながら、何らかの事情により当社グループが契約不適合責任あるいは損害賠償責任の追及を受け、賠償責任を負うこととなった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

対応策

契約に際しては、保証条件及び損害賠償責任について顧客企業に十分に説明するとともに、原則として、契約不適合責任を負わない準委任形態にてサービスを提供できるよう顧客企業と調整を行っております。

 

 

(4) 機密情報の漏洩について

リスクの内容

当社グループの提供するサービスにおいては、顧客企業よりソフトウェア等の開発に関する機密情報を預かるため、当該機密情報の外部漏洩のないよう従業員等と秘密保持契約を締結しております。従業員が利用する端末には、データの暗号化、アクセス制限/ログの取得監視、各種システムに対するID管理システム(多要素認証含む)を導入することで、在宅も含めたデータの保全に努めております。特に機密性の高い業務においては、指紋認証システムによる入退室管理、監視カメラによる24時間365日の監視等、様々な漏洩防止施策を講じております。

また、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格である「ISO27001」(ISMS)の認証を取得し、情報の適正な取扱いと厳格な管理を行っております。

しかしながら、これらの施策にもかかわらず、何らかの理由により機密情報や個人情報が外部に漏洩した場合には、当社グループへの損害賠償責任の追及や社会的信用の喪失等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

対応策

当社グループでは機密情報の漏洩リスクに対応すべく、上記施策のほか機密情報の取扱いに関するeラーニング等による従業員教育を継続的に実施しております。また、軽微な事象が発生した場合についてもコンプライアンス委員会、情報セキュリティ委員会を通じて周知徹底し、再発の防止に努めております。

 

 

(5) 社員による不正

リスクの内容

当社グループの事業拡大に伴い、役職員数は年々増加していることから、役職員等の内部関係者による贈収賄・横領・インサイダー取引等の不正行為が発生しないよう、コンプライアンス関連規程を制定するとともに、当社グループの役職員等が遵守すべき法令・ルールについてeラーニングによる啓発等を継続的に行っております。

しかしながら、法令等に抵触する事態や内部関係者による不正行為が発生するといった事態が生じた場合や、事業の急速な拡大により内部管理体制の構築が追いつかないという事態が生じる場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

対応策

上記施策のほか、内部通報制度であるホットラインの設置等を行い、法令遵守違反・役職員等による不正行為、不祥事等を早期に発見することに努め、迅速な対応を図っております。

 

 

 

(6) ソフトウェアテスト・ソフトウェア開発事業における法規制について

リスクの内容

当社グループのソフトウェアテスト及びソフトウェア開発業務は、顧客企業との間で締結する業務委託契約に基づき、準委任または請負の形態により提供されております。

業務委託契約は、派遣契約と異なり、労働者の業務遂行に係る指揮命令が雇用主である当社グループに帰属していますが、契約形態を業務委託契約としながら、実質的に顧客企業から業務従事者に対して指揮命令が行われる、偽装請負の問題が社会的にも取り上げられています。

偽装請負は職業安定法や労働基準法に抵触するものであるため、当社グループが顧客企業と業務委託契約を締結する場合、当社等の従業員が顧客企業構内にて業務を行う必要が生じたとしても、必ず管理責任者を設置し、従業員への指揮命令を当該管理責任者が行うこととする体制をとっております。

しかしながら、行政当局より偽装請負の問題を指摘され、業務停止等の処分を受けることとなった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

対応策

当社グループの従業員に対して、偽装請負の防止を含めた法令順守に関するeラーニングを継続的に実施しているほか、当社グループにおけるコンプライアンス違反の撲滅を重点テーマとするグループコンプライアンス委員会を設置し、各種法令への遵守に向けた社員教育及び体制整備に努めております。

 

 

(7) 海外展開について

リスクの内容

当社グループは、海外に拠点を置くグループ会社を有しております。

しかしながら、海外での事業活動において、予期せぬ法律または規制の変更、大規模な自然災害の発生、政治経済の変化、為替変動、商習慣の相違、雇用制度や労使慣行の相違、不利な影響を及ぼす租税制度の変更、コーポレート・ガバナンスの不備に起因する粉飾決算等が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

対応策

海外における様々なリスクに対応するため、当社従業員を海外子会社の役員に任命し、経営会議等において直接報告を受ける体制をとることにより、リスクの低減に努めております。

 

 

(8) 新規事業展開について

リスクの内容

当社グループは、「新しい価値の創造」を目指し、世界中で通用するサービスを創造することを企業理念に掲げており、ソフトウェアテスト以外の領域においても積極的な事業展開を行い、新しい価値を創造する企業としてのブランドを醸成していくことが重要な課題であると認識しております。

こうした課題に対応するため、収益の柱としてのソフトウェアテストサービスを拡大させる一方で、既存事業との関連性、収益性、社会性、従業員の士気向上への影響等を考慮した上で、一定の割合を定めて新規事業に積極的に投資しております。

しかしながら、これらの活動は不確定要素が多く、事業計画を達成できなかった場合は、それまでの投資負担が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

対応策

新規事業展開に関しましては、リスクを最小化すべくスモールスタートでのトライアルを前提とし、既存事業との関連性、収益性等を中心に十分に検討を行ったうえで実施しております。

 

 

 

(9) M&Aについて

リスクの内容

当社グループは、サービス提供力の強化、及び新たな事業領域への展開等を目的として、M&Aを積極的に推進しております。

M&Aによる事業展開においては、当社グループが当初想定したシナジーや事業拡大等の効果が得られない可能性があることに加えて、新規事業領域に関しては、M&Aによりその事業固有のリスク要因が加わる可能性があります。

これらに加えて、当社グループ参画後の業績悪化に伴い、のれん減損等が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

対応策

M&Aを積極的に推進するにあたって、対象企業の財務内容や契約関係等について、弁護士・税理士・公認会計士等の外部専門家の助言を含めたデューデリジェンスを実施し、その結果を鑑みて取締役会において十分な検討しております

また、投資後の子会社のガバナンスや管理につきましては、グループ経営会議及びグループ業績会議を開催し、毎月の業績についてモニタリングを実施し、当社取締役会に報告しております。モニタリングの結果、予算達成状況が芳しくない会社につきましては、直ちにグループとしての対応策を実施しております。

 

 

(10) 代表者への依存について

リスクの内容

当社代表取締役社長である丹下大は、当社グループの創業者であり、創業以来の最高経営責任者であり、当社グループの事業運営における事業戦略の策定や業界における人脈の活用等に関して、重要な役割を果たしております。

当社グループは、同氏への過度な依存を回避すべく、経営管理体制の強化、経営幹部職員の育成、採用を図っておりますが、現時点において同氏に対する依存度は高い状況にあると考えております。

今後において、何らかの理由により同氏の当社グループにおける業務遂行の継続が困難となった場合、当社グループの事業運営等に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

対応策

上記対応策のほか、他社にて経営経験を有する者を常勤の業務執行取締役とすることで、業務執行に関する代表者への依存度を軽減させております。また、指名委員会の助言を受け豊富な経験を有する社外取締役を招聘することにより、取締役会の体制強化を図っております。

 

 

(11) 新型コロナウイルス感染症について

リスクの内容

当社グループでは、新型コロナウイルス感染症への対応として、衛生管理や検温の徹底、在宅勤務の推進等の感染防止活動を実施しております。

しかしながら、今後さらなる感染が拡大し、終息までの期間が長期化した場合、市場の低迷、顧客の業績悪化による債権回収の停滞、現場への入場制限等によるプロジェクトの遅延、従業員への感染等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

対応策

上記1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(4)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題⑧、⑨をご参照ください。

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、前連結会計年度より引き続き、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、厳しい状況が長期化いたしました。感染拡大の防止策として、ワクチン接種の促進や各種の経済施策などにより経済水準の持ち直しの動きがあるものの、一部で弱さもみられ、国内外における経済的な見通しは不透明な状況が続いております。

当社グループにおいては、前連結会計年度より新型コロナウイルス感染症拡大防止にグループ会社一丸となって取り組んでおります。従業員の安心/安全を守る施策として全従業員へ毎日の検温測定と報告の徹底、全社的な在宅勤務の推奨、それに伴い案件従事者が在宅勤務を実現できるよう、お客様への提案活動などの対策を講じております。当社グループは、様々な業界のお客様にサービスを提供しているため、特定の業種業態に依存した構造ではないため、新型コロナウイルス感染症の業績への影響は限定的なものとなっており、現時点の経済活動状況を前提とすると、この傾向は続くものと予想しております。

 

当社グループがサービスを提供するソフトウェア関連市場においては、事業会社・IT関連会社など産業界全体に変革を起こすDX(デジタル・トランスフォーメーション)という概念が浸透し、多様な業界において推進されております。その中で、既存のシステムを先進的な環境で新たにシステムを作り直して移転するマイグレーションは、最も注目されている手法の一つであります。そのため、今後ますます、既存のメインフレームを理解し先進的なクラウド技術を掌握し、経営課題を解決する最適解を提案できる人材の確保や育成が重要課題になってまいります。

また、新しい生活様式(ニューノーマル)の定着によって、テレワークやリモートによるコミュニケーション、電子決済などがさらに活性化しており、これらに関わるネットワークやアプリケーションにおけるセキュリティ領域も重要視されています。

こうした経営環境の中、当社グループでは当連結会計年度において、売上高1,000億円企業に向けた成長戦略「SHIFT1000 -シフトワンサウザンド-」を掲げ、営業力の強化による顧客基盤の拡大、構造化・数式化され科学されたM&A戦略の実現、IT業界の構造変化に合わせたサービス提供力の向上、多様な人材獲得手法の展開を重点課題として取り組んでおります

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

(資産)

当連結会計年度末における資産につきましては、前連結会計年度末と比べ14,451,046千円増加し、34,272,155千円となりました。これは主に、資金調達等により現金及び預金が7,723,473千円、株式会社ホープス等グループ会社が8社増加したことによりのれんが3,457,293千円、売掛金が2,130,020千円増加したこと等によるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債につきましては、前連結会計年度末と比べ2,548,672千円増加し、11,588,287千円となりました。これは主に、取引量の増加等のため買掛金が865,128千円、株式会社ホープス等グループ会社が8社増加したことにより人件費増加等のため未払費用が569,611千円、未払法人税等が660,765千円、賞与引当金が118,521千円増加したこと等によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産につきましては、前連結会計年度末と比べ11,902,373千円増加し、22,683,868千円となりました。これは主に、株式付与ESOP信託に充当するための自己株式取得等により自己株式が930,967千円増加し、純資産額は減少しましたが、資金調達や無償減資による振替等により資本剰余金が9,863,847千円、利益剰余金が2,818,609千円増加したこと等によるものであります。

 

 

b.経営成績

当連結会計年度の売上高は46,004,569千円(前年度比60.2%増)、営業利益は3,994,926千円(前年度比69.8%増)、経常利益は4,736,701千円(前年度比86.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,818,609千円(前年度比71.0%増)となりました。

 

セグメント別の業績は次のとおりであります。

 

(エンタープライズ市場)

当連結会計年度では、前連結会計年度より特にIT投資規模が大きい通信・保険業界などの各分野を注力業界として定め取り組んだ結果、長期的な関係構築を視野に入れたプロジェクトへの参画が進み、こうした新規顧客からの売上高が徐々に増加してまいりました。

この結果、当連結会計年度のエンタープライズ市場の売上高は42,860,697千円(前年度比64.9%増)、営業利益は6,746,805千円(前年度比51.7%増)となりました。

 

(エンターテインメント市場)

当連結会計年度では、競合との差別化を図ることによる業界内認知度の向上や、既存顧客からの売上高が増加したことにより、収益基盤の拡大を進めました。

この結果、当連結会計年度のエンターテインメント市場の売上高は3,143,871千円(前年度比15.7%増)、営業利益は696,531千円(前年度比61.9%増)となりました。

 

 

<セグメント別売上高>

セグメントの名称

2020年8月

前連結会計年度

2021年8月

当連結会計年度

前連結会計年度比

金額

構成比

金額

構成比

金額

増減率

エンタープライズ市場

千円

千円

千円

25,994,799

90.5

42,860,697

93.2

16,865,898

64.9

エンターテインメント市場

2,717,377

9.5

3,143,871

6.8

426,493

15.7

合計

28,712,177

100.0

46,004,569

100.0

17,292,392

60.2

 

 

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は前連結会計年度末より7,623,471千円増加した結果、14,147,471千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローは4,758,005千円の収入(前年同期は2,250,560千円の収入)となりました。これは主に、売上債権の増加1,384,743千円や法人税等の支払額1,193,890千円等の資金の減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益の計上4,525,754千円、のれん償却額760,858千円、未払金及び未払費用の増加542,444千円、仕入債務の増加522,826千円等の資金の増加要因があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動によるキャッシュ・フローは5,432,861千円の支出(前年同期は5,926,354千円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出420,010千円や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出4,511,712千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動によるキャッシュ・フローは8,286,168千円の収入(前年同期は1,510,923千円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出1,157,917千円や自己株式の取得による支出930,967千円等の資金の減少要因があったものの、株式の発行による収入9,746,870千円等の資金の増加要因があったことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

該当事項はありません。

 

b.受注実績

当社グループの提供するサービスは、受注から販売までの所要日数が短く、期中の受注高と販売実績とがほぼ一致するため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

エンタープライズ市場

42,860,697

64.9

エンターテインメント市場

3,143,871

15.7

合計

46,004,569

60.2

 

 

(注) 1.セグメント間の取引はありません。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループにおける経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。

この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しており、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、46,004,569千円となり、前連結会計年度に比べ17,292,392千円増加(前年度比60.2%増)となりました。

これは、エンタープライズ市場・エンターテインメント市場の両市場において既存顧客が堅調に拡大したことに加え、特にエンタープライズ市場において新規顧客が増加し、グループ内における多様なサービスの組み合わせによる大型案件の獲得が順調に進み、売上高の成長を牽引したことが主な要因であります。

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度の売上原価は32,091,598千円となり、前連結会計年度に比べ12,329,555千円増加(前年度比62.4%増)し、また、売上総利益は13,912,970千円となり、前連結会計年度に比べ4,962,836千円増加(前年度比55.4%増)となりました。売上総利益率については、当連結会計年度で30.2%となり、前連結会計年度31.2%に対して1.0ポイント低下いたしました。

当連結会計年度においては、高付加価値が提供できるサービスの売上割合が増加したものの、2020年に入り、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、ソフトウェア開発の規模などが縮小したことにより稼働率が低下したことが主な要因であります。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は9,918,044千円となり、前連結会計年度に比べ3,321,286千円の増加(前年度比50.3%増)となりました。これは主に、給料及び手当が1,217,788千円及び採用費が708,182千円増加したこと等によるものであります。

この結果、営業利益は3,994,926千円となり、前連結会計年度に比べ1,641,550千円の増加(前年度比69.8%増)となりました。営業利益率については、当連結会計年度で8.7%となり、前連結会計年度8.2%に対して0.5ポイント向上いたしました。これは、前連結会計年度に行っていた戦略的なマス広告を当連結会計年度で終了させたこと等によるものであります。

(経常利益)

当連結会計年度において、受取配当金90,393千円及び助成金収入710,197千円の計上を含め営業外収益を834,806千円計上いたしました。一方で営業外費用を93,032千円計上いたしました。この結果、経常利益は4,736,701千円となり、前連結会計年度に比べ2,201,571千円の増加(前年度比86.8%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度において、税金等調整前当期純利益は4,525,754千円(前期比78.5%増)となり、法人税等が1,708,505千円、非支配株主に帰属する当期純損失が1,361千円計上された結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2,818,609千円(前期比71.0%増)となりました。

 

b.資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、中長期的に持続的な成長を図るため、従業員等の採用にかかる費用や人件費等の製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用への資金需要があります。

当連結会計年度における資金の主な増減要因については、「第2 事業の概況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しておりますが、経常的な運転資金や事業規模拡大による設備投資等につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入により調達された資金を財源としております。

 

c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、「新しい価値の概念を追求し、誠実に世の中に価値を提供する」という企業理念のもと、優秀な人材を集め、世界で必要とされる製品・サービスを創造し、それを世界中の人に使っていただくことで価値貢献したいと考えています。そのために、当社グループは、高い収益性をもって成長し続けることを目標としており、成長性と収益性、効率性のバランスをとりながら経営を行ってまいります。

具体的な指標として、売上高成長率、売上高営業利益率、自己資本当期純利益率(ROE)を高水準で維持していくことを目標としており企業価値の最大化を図ってまいります。

当連結会計年度を含む、直近3連結会計年度の代表的な指標の推移は以下のとおりです。

(単位:%)

 

2019年8月

2020年8月

2021年8月

売上高成長率

152.7

147.0

160.2

売上高営業利益率

7.9

8.2

8.7

自己資本当期純利益率(ROE)

17.7

17.2

17.1

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。