第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

なお、2024年2月1日に行われた株式会社クラブネッツとの企業結合について前中間連結会計期間に暫定的な会計処理を行っておりましたが、前連結会計年度末に確定したため、前中間連結会計期間との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。

 

(1) 経営成績の状況

① 当中間期における業績

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあり、国内経済は緩やかに回復しております。一方で、アメリカの今後の政策動向や金融資本市場の変動等もあり、国内外における経済的な見通しは不透明な状況が続いております。

当社グループがサービスを提供するソフトウェア関連市場においては、「2025年の崖」(複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムが残存した場合に想定される国際競争力の低下やわが国経済の停滞など)が迫りくる中で、産業界全体に変革を起こすDX(デジタル・トランスフォーメーション)の需要は引き続き高まっており、中でも生成AI等の新技術の活用は注目が集まっています。その中で、人間とAIの共存共栄を図るためにも、人材の確保や育成、再教育(リスキリング)がますます重要になると考えております。

また、ネットワークやアプリケーションを中心として社会全体におけるセキュリティ領域への注目が集まる中、マルウェアへの感染やソフトウェアの脆弱性を悪用した攻撃等によるセキュリティリスクの顕在化が進み、その重要性は一層高まってきております。

こうした経営環境の中、当社グループでは売上高3,000億円企業に向けた成長戦略「SHIFT3000 -シフトスリーサウザンド-」を掲げております。企業価値向上に向けたDX戦略のもと、IT市場はますます活況となることが想定される中、当社グループが創業以来培ってきた営業力・サービス・人事/採用力・M&A/PMI力を掛け合わせることで事業の拡大と成長を目指してまいります。

これらの結果、当中間連結会計期間における、当社グループの業績は以下のとおりであります。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前中間期

当中間期

増減

増減率

売上高

52,305

61,688

9,383

17.9

営業利益

4,683

8,058

3,375

72.1

EBITDA(※)

5,889

9,651

3,762

63.9

親会社株主に帰属する

中間純利益

2,982

4,493

1,511

50.7

 

※EBITDAは、営業利益にのれん以外の無形固定資産を含む固定資産の減価償却費、のれん償却費を加算して算定しております。当社グループでは、将来の成長のための投資の源泉たる現金の創出力を測る指標として有用であると判断し、EBITDAもモニタリングの対象としております。

 

② 業績予測に対する進捗と主要なKPIの推移

当社グループは、「新しい価値の概念を追求し、誠実に世の中に価値を提供する」という企業理念のもと、持続的に社会課題を解決する会社としての成長を目指しております。その実現のマイルストーンとして売上高目標を設定しており、企業理念の実現と企業価値の最大化を図ってまいります。なお、当中間連結会計期間における通期業績予想値に対する進捗率は以下のとおりであります。

 

 

 

業績予想値

(通期)

(百万円)

当中間期実績値

(百万円)

進捗率

(参考)

前中間期における通期業績予想値に対する進捗率

売上高

130,000

61,688

47.5

42.9~45.9

営業利益

13,500

8,058

59.7

32.1~40.4

経常利益

13,500

7,868

58.3

33.1~41.6

親会社株主に帰属する

中間(当期)純利益

7,900

4,493

56.9

29.8~40.9

 

上記のとおり、当中間連結会計期間の連結業績は、売上高成長を伴った業績予想値という目標のなか、売上高は順調に推移しております。また、前連結会計年度から取り組んできた稼働率向上施策の成果もあり、各段階利益も順調に推移しております。

一方、顧客単価、顧客数、エンジニア単価、エンジニア数などのKPIは上昇トレンドを継続しております。当中間連結会計期間におけるこれらの指標及び2017年8月期からの四半期ごとの推移は以下のとおりであります。

 


顧客月額売上単価及び月間取引顧客数の算出方法は、以下のとおりであります。なお、これらの計算における売上高には、顧客単価や顧客数をKPIとして業績を管理することが適切ではないと認められる一部の事業(ライセンス販売や教育サービス等)に係る売上高及び顧客数を含めておりません。

 

(ア) 顧客月額売上単価(単体)

顧客月額売上単価(単体)=

単体売上高

単体顧客数(合計)

 

単体売上高

売上高と、売上計上予定額(稼働は開始しているが検収前のため翌月以降に計上される予定の売上高)を当月の稼働の実績に基づいて月別に按分した額を、四半期で合計した数値

単体顧客数(合計)

売上高を計上した顧客数と、売上高を計上していないが稼働があった顧客数を四半期で合計した数値

 

 

 

(イ) 顧客月額売上単価(連結)

顧客月額売上単価(連結)=

単体売上高+連結子会社売上高

単体顧客数(合計)+連結子会社顧客数(合計)

 

単体売上高

上記(ア)に記載のとおり

連結子会社売上高

月次の売上高を四半期で合計した数値

単体顧客数(合計)

上記(ア)に記載のとおり

連結子会社顧客数(合計)

月次の売上高を計上した顧客数を四半期で合計した数値

 

 

(ウ) 月間取引顧客数

月間取引顧客数=単体顧客数(平均)+連結子会社顧客数(平均)

単体顧客数(平均)

その月に売上高を計上した顧客の数と、その月に売上高を計上していないが稼働があった顧客の数を合計し、四半期で平均した数値

連結子会社顧客数(平均)

その月に売上高を計上した顧客の数を四半期で平均した数値

 

 


エンジニア単価及びエンジニア数推移の算出方法は以下のとおりであります。なお、これらの計算における売上高には、エンジニア単価として業績を管理することが適切ではないと認められる一部の事業(ライセンス販売や教育サービス等)に係る売上高及びエンジニア数を含めておりません。

 

(ア) エンジニア単価(単体)

エンジニア単価(単体)=

単体売上高

単体エンジニア数

 

単体売上高

エンジニアが稼働しない売上高を除く売上高

単体エンジニア数

売上を計上した案件に係る稼働があったエンジニアの稼働時間と、その管理に携わった人員の稼働時間を合計し、人月換算した数値

 

 

(イ) エンジニア単価(連結)

エンジニア単価(連結)=

単体売上高+連結子会社売上高

単体エンジニア数+連結子会社エンジニア数

 

単体売上高

上記(ア)に記載のとおり

連結子会社売上高

月次の売上高を四半期で合計した売上高

単体エンジニア数

上記(ア)に記載のとおり

連結子会社エンジニア数

月次の所属エンジニア数を四半期で合計した数値

 

 

 

(ウ) エンジニア数推移

エンジニア数推移におけるエンジニア数は、四半期末時点において、雇用契約が締結されている当社グループの正社員、契約社員及びアルバイトの所属人数並びに協力会社の従業員契約者数の合算数値であります。

 

③ セグメント別の業績

セグメント別の業績は次のとおりであります。

(ア)ソフトウェアテスト関連サービス

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前中間期

当中間期

増減

増減率

売上高

33,844

39,606

5,761

17.0

%

売上総利益

11,478

14,585

3,106

27.1

%

販売費及び一般管理費

3,963

4,069

105

2.7

%

うち取得関連費用

216

23

△192

△89.0

%

うちのれん償却費

1

1

0

0.0

%

うち顧客関連資産に係る減価償却費

%

営業利益

7,515

10,516

3,001

39.9

%

EBITDA

7,611

10,610

2,999

39.4

%

 

ソフトウェアテスト関連サービスでは、主にソフトウェアテスト・品質保証、コンサルティング・PMO、カスタマーサポート、セキュリティといったサービスを提供しております。

当中間連結会計期間では、既存顧客の売上拡大が奏功し、ソフトウェアテスト関連サービスの売上高は39,606百万円(前年同期比17.0%増)、営業利益は10,516百万円(前年同期比39.9%増)となりました。

また、ソフトウェアテスト関連サービスセグメントの販売費及び一般管理費に含まれているM&Aに係る取得関連費用は、23百万円(前年同期比89.0%減)となっております。

なお、当社で計上している一般管理費のうち4,309百万円(前年同期は3,337百万円)は、ソフトウェアテスト関連サービスセグメントに配分せず、全社費用としております。

 

(イ)ソフトウェア開発関連サービス

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前中間期

当中間期

増減

増減率

売上高

16,769

19,733

2,963

17.7

%

売上総利益

4,031

5,096

1,064

26.4

%

販売費及び一般管理費

3,412

3,514

101

3.0

%

うち取得関連費用

5

2

△3

△61.1

%

うちのれん償却費

409

424

15

3.7

%

うち顧客関連資産に係る減価償却費

37

41

4

10.9

%

営業利益

619

1,581

962

155.5

%

EBITDA

1,113

2,114

1,001

90.0

%

 

ソフトウェア開発関連サービスでは、主にシステム開発、システム性能改善、IT戦略策定、システム企画・設計、エンジニアマッチングプラットフォーム、データ分析などのソフトウェア開発プロセスに直接的に関与するサービスを提供しております。

当中間連結会計期間では、営業力の拡大と順調なエンジニア採用によって、ソフトウェア開発関連サービスの売上高は19,733百万円(前年同期比17.7%増)、営業利益は1,581百万円(前年同期比155.5%増)となりました。また、ソフトウェア開発関連サービスセグメントの販売費及び一般管理費に含まれているM&Aに係る取得関連費用は、2百万円(前年同期比61.1%減)となっております。

 

(ウ)その他近接サービス

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前中間期

当中間期

増減

増減率

売上高

3,639

4,881

1,242

34.1

%

売上総利益

1,401

2,238

836

59.7

%

販売費及び一般管理費

1,495

1,994

498

33.3

%

うち取得関連費用

62

95

33

53.9

%

うちのれん償却費

289

284

△4

△1.6

%

うち顧客関連資産に係る減価償却費

58

150

91

156.7

%

営業利益又は営業損失(△)

△94

244

338

%

EBITDA

419

904

484

115.6

%

 

その他近接サービスでは、主にWeb企画制作、マーケティング、キッティング、クラウドサービス、ローカライズ、M&A/PMI(Post Merger Integration)など、ソフトウェアテスト及びソフトウェア開発と近接するマーケットで、当社の既存事業とは異なるビジネスモデルに基づくサービスを提供しております。

当中間連結会計期間では、M&Aによる新規連結子会社の増加により、その他近接サービスの売上高は4,881百万円(前年同期比34.1%増)、営業利益は244百万円前年同期は94百万円営業損失)となりました。また、その他近接サービスセグメントの販売費及び一般管理費に含まれているM&Aに係る取得関連費用は、95百万円(前年同期比53.9%増)となっております。

 

(2) 財政状態の状況

(資産)

当中間連結会計期間末における総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ5,082百万円増加し、67,800百万円となりました。これは主に、借入等により現金及び預金が4,159百万円増加したこと等によるものであります。

(負債)

当中間連結会計期間末における負債につきましては、前連結会計年度末と比べ3,477百万円増加し、31,673百万円となりました。これは主に、前連結会計年度末が金融機関の休日であったことから、未払いとなっていた社会保険料等の支払により未払費用が1,631百万円、約定弁済等のため長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が1,510百万円減少したものの、運転資金等の確保を目的とした新規借入により短期借入金が5,600百万円増加したこと等によるものであります。

(純資産)

当中間連結会計期間末における純資産につきましては、前連結会計年度末と比べ1,604百万円増加し、36,126百万円となりました。これは主に、子会社株式の追加取得により資本剰余金が1,488百万円減少したものの、親会社株主に帰属する中間純利益の計上により利益剰余金が4,493百万円増加したこと等によるものであります。他方、譲渡制限株式ユニット制度の権利確定後の当社株式付与に充当するための自己株式の取得等により純資産の部から控除される自己株式が898百万円増加しております。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末より4,056百万円増加した結果、24,901百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間において営業活動によるキャッシュ・フローは4,043百万円の収入(前年同期は546百万円の収入)となりました。これは主に、法人税等の支払額2,124百万円、未払金及び未払費用の減少額1,948百万円等の資金の減少要因があったものの、税金等調整前中間純利益の計上7,185百万円等の資金の増加要因があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間において投資活動によるキャッシュ・フローは1,465百万円の支出(前年同期は6,826百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出555百万円、出資金の払込による支出376百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出272百万円並びに増床による敷金及び保証金の差入による支出271百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間において財務活動によるキャッシュ・フローは1,478百万円の収入(前年同期は8,052百万円の収入)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出1,600百万円、約定弁済等のため長期借入金の返済による支出1,510百万円、譲渡制限株式ユニット制度の権利確定後の当社株式付与に充当するための自己株式の取得による支出999百万円等の資金の減少要因があったものの運転資金を目的とした借入を行い、短期借入金の純増減額5,600百万円等の資金の増加要因があったことによるものであります。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題についての重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は19百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(7)従業員数

当中間連結会計期間において、従業員数に著しい変動はありません。

 

(8)生産、受注及び販売の実績

当中間連結会計期間において、生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。

 

(9)主要な設備

該当事項はありません。

 

(10)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、中長期的に持続的な成長を図るため、従業員等の採用にかかる費用や人件費等の売上原価、販売費及び一般管理費の営業費用への資金需要があります。また、M&A資金や経常的な運転資金、事業規模拡大による設備投資等については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入により調達された資金を財源としております。

なお、当中間連結会計期間において、金融機関より、運転資金に充てるため5,600百万円の借入を行っております。さらに、当中間連結会計期間において、流動性確保を主目的として、コミットメントライン契約の更新及び借入枠の増額を行っております。

これらの結果、当中間連結会計期間末時点における当座貸越極度額及びコミットメントライン契約の総額は44,150百万円、借入実行残高は5,650百万円となり、借入未実行残高は38,500百万円となっております。

 

3 【経営上の重要な契約等】

 当社は、2025年4月4日付で、株式会社ライズ・コンサルティング・グループの普通株式の一部を取得すること及び同社と資本業務提携契約を締結することを決定し、同日付で株式譲渡契約及び資本業務提携契約を締結いたしました。当該株式の取得により、同社は当社グループの持分法適用関連会社となる予定です。

 詳細については、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)

(株式会社ライズ・コンサルティング・グループの株式取得による持分法適用関連会社化)」に記載のとおりであります。