文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社は「百術不及一誠」を基本理念としております。これは“百術は一誠に及ばず”と読み、どんなに小細工を弄しても真心にはかなわない、という意味です。すべてのお客様に誠心誠意で接することが大切だということを教えている言葉で、当社の心構えとして全社員の心にあります。
経営姿勢としては「独立独歩」「進取の気性」「百尺竿頭進一歩」が挙げられます。特色ある路線を歩み、そして常に未来を見据えて未来を先取りし続けたい、そのためには百尺もある高い竿の先まで登り、必要とあらばなおそこから思い切って一歩を踏み出す勇気を持ちたい、そういう経営があってこそ初めて、日本の資本市場を引っ張り、国民経済に寄与することができるという強い理念です。
当社は、収益構造の多様化と新しい収益分野への積極的な取組みにより、安定的・持続的成長を目指しております。
当社は株式市場の相場状況に左右されない体質作りを目指しており、その指標としているのが経費カバー率です。経費カバー率は、以下の算式により算出しており、安定的に80%超とすることを目指しております。
当事業年度の経費カバー率は73.4%(前事業年度は67.5%)と目標とする80%超には届きませんでした。債券による手数料が増加し数値は前事業年度よりも改善したものの、受益証券やその他の商品による手数料が前年同期比でマイナスになったことが伸び率を抑えることになりました。引き続き、委託手数料(株券)以外の収入を増やすとともに、冗費の節約に努めたいと存じます。
当社を取り巻く経営環境においては、インターネット専業証券会社の台頭や、これら専業証券会社を中心とした手数料の引き下げ、競合他社同士の合併・業務提携等により、他社との競争が激化しております。また、小口投資サービスやロボアドバイザー等FinTech(フィンテック)を活用した異業種からの参入も相次いでおり、競合他社との差別化がさらに求められる状況となっております。一方で、資産形成や資産管理に関心を持つシニア層や将来受け取る年金に不安を抱く若年層においては、人生100年時代に向けて投資への関心が高まっており今後はさらに広く浸透していくと思われ、その流れは当社の顧客基盤の拡大にとっても追い風となることが期待されます。
このような状況のもと、当社は、北陸3県では最も多い10店舗を展開する証券会社として、競合他社の戦略に対抗する策を常に考え、実行していくことで、当社の営業基盤は強化されると考えております。そのためには「情報提供の充実を図ること」、「多様な商品を持つこと」及び「新規顧客の獲得」の3点に注力していく方針です。
中長期的には、「情報提供の充実を図ること」については、当社作成の「Imamura Report」や専門調査機関等より提供を受けている情報を活用して提案力を磨くとともに、研修等により信頼される営業員を育成します。また、調査部門の充実に努めます。「多様な商品を持つこと」については、受入手数料に占める株式委託手数料以外の受入手数料等の比率を高めることにより、前述した経費カバー率が安定的に80%超となるよう努めます。そのためには成長が期待される新たな仕組みの金融商品の販売にも積極的に取り組むとともに、有価証券の引受業務の増加を図ります。「新規顧客の獲得」については、5年間で1万5千人の新規顧客の獲得を目指しております。当事業年度の開設口座数は3,553口座、過去5事業年度の累計では16,631口座と目標を達成しております。今後も厳しい環境が予想されますが、新事業年度においても引き続き単年度の目安となる3,000口座以上の新規顧客の獲得を目指します。新型コロナウイルスの感染拡大を受け社員や顧客の健康を守るために飛び込み営業が制限され、目標達成が困難となることが予想されます。そのような中でも当社は、テレコールを中心にする等して接触を減らしながら効率的な新規顧客の獲得を図ってまいります。
なお、当社には営業活動に関する大量のデータが蓄積されており、これまでは主にコンプライアンスを重視して営業活動の管理に利用してきました。今後は前述の3点の経営戦略について、より積極的に取り組むためにも当データを活用してまいります。具体的には、BI(ビジネスインテリジェンス)ツール等を用いて営業現場において当データを分析し、現状の把握からマーケティングへの応用等を行っていきます。また、AI的な機能との連携を図ることで、分析力の向上も図っていきたいと考えております。
当社では、多様化する投資家のニーズを捉え一層の企業価値の向上を図るため、以下の項目を優先的に対処すべき重要な課題と認識しております。
当社の主たる顧客は北陸3県に所在しており、大手調査機関等の作成するレポート等では顧客のニーズに必ずしも添えない状況であるため、顧客向け情報誌「情報シャトル特急便」、北陸経済動向や北陸企業ニュース等で構成する「Imamura Report」を発行しております。これらに加え専門調査機関の作成するレポート等により、顧客への投資情報提供の充実に努めます。
当社の顧客基盤の拡大には、既存顧客との取引増加と新規顧客の獲得が必要だと認識しております。特に新規顧客の獲得にあたっては、顧客のニーズを十分に把握するためにも多種多様なサービスを提供することが必要と考えており、営業員一人ひとりに多機能携帯端末及びスマートフォンを携帯させ、営業用資料の共有及び投資情報の迅速な提供を図るほか、自社開発のシステムを活用して効率的できめ細やかな営業活動を行います。
日本は高齢化と人口減少期に入っており、当社の営業地盤である北陸においては、3大都市圏と比べるとその進行は早くなっています。当社はこのような状況にあっても顧客数の増加を図るために、年間3,000名の新規顧客の獲得に取り組んでいるところです。将来受け取る年金に不安を抱く若年層には、老後資金の形成のために定時定額に投資信託を買い付けるつみたて投信やつみたてNISAを積極的に提案して顧客の増加につなげていきます。また、高齢化社会における資産形成や資産管理に関心が高まる今こそ、対面営業の強みを活かして、顧客のニーズに合った提案・サポートを行い、コンプライアンス面にも目を配りながら高齢顧客層との取引においてもサービスの充実を図ります。
今般の新型コロナウイルスの感染拡大により生活様式の変化が求められており、新規顧客の獲得にあたっても不特定の方々への飛び込み訪問による接触はできなくなっています。従来から行っている電話による接触を幅広く行うことを中心にして、客先への移動時間を節約し効率的に顧客基盤の拡大を図ります。また、役職員及びその同居家族の健康観察を日々行い発熱等体調不良者がいる場合は休業させ、訪問して顧客と直接対話する場面においては、事前にアポイントメントを取った上で行い、マスクの着用等の感染拡大予防策を徹底いたします。
収益に占める株式売買による委託手数料の割合が高く、株式市況の影響を受けやすい状況にあります。顧客の多様なニーズに応えるため他社株転換条項付円建社債及び外貨建債券等の販売や募集取扱い受益証券の拡充だけでなく、金地金の販売等にも取り組んでおります。これらの商品に注力していくことで安定した収益の確保に努める所存です。この指標として前述した経費カバー率を採用し、安定的に80%超とすることを目指しております。
また、顧客の資産状況や商品の購入状況を分析してニーズに合った商品の提案を行うことや、販売状況の視覚化を行い現状の把握や予測を行うこと等、データを活用することで収益向上につなげてまいります。
当社では、顧客からの信頼を獲得し維持していくことが、事業拡大に欠かせない重要な事項と考えており、これまで法令遵守の徹底のため内部管理組織を整備し、顧客からの信頼向上に努めてまいりました。また、顧客からの信頼をより高めていくためにも、引き続き当社役職員への教育・研修等によりコンプライアンスの更なる充実に努めてまいります。
本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、当社では、事業等のリスクを、将来の経営成績等に与える影響の程度や発生の蓋然性等に応じて、「特に重要なリスク」「重要なリスク」に分類しております。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
株式相場の下落又は低迷により流通市場の市場参加者が減少し株券等の売買高が縮小する場合には、委託手数料が減少する可能性があります。また、発行市場においても、株式相場の下落又は低迷により他社株転換条項付円建社債等の株式系仕組債・投資信託等の販売額が縮小し、引受け・募集等に係る手数料が減少する等、同様の影響を受ける可能性があります。このような場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。株式相場の下落又は低迷の時期を予想することは困難であり、その期間についても同様であります。当社は、株式以外での収益を高めることで、当リスクの軽減を図っております。
近年の規制緩和に伴う銀行等との競合、異業種からの参入、競合他社同士の合併・業務提携等により競合他社との競争が激化しております。当社が競争力を維持できない場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社は取扱商品の豊富な品揃え、インターネット取引の自営、顧客から信頼される営業員の育成等、競争力の維持・向上に努めており、当リスクの顕在化する可能性は低いと思われます。
当社の主たる顧客は、個人投資家であります。このため、個人投資家の投資行動の変化が業績に影響する可能性があります。個人投資家の投資行動の変化は、年齢、相場環境、景気動向、税制の変更等様々であります。当社は、新規顧客の獲得に注力して収益基盤の拡大を図っており、当リスクの顕在化する可能性は低いと思われます。
当社は、すべての本支店の土地・建物を保有し、固定資産のグルーピングを店舗単位で行っております。これらの中には市場価格が著しく下落しているものがあり、収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなる可能性があります。「固定資産の減損に係る会計基準」に規定される減損損失を認識するに至った場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、店舗毎の営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなる場合には、減損損失を計上する可能性があります。
当社は、金融商品取引業を営むため、金融商品取引法第29条に基づく「第一種金融商品取引業」の登録を内閣総理大臣より受けております。金融商品取引業者は、金融商品取引業又はこれに付随する業務に関し、法令又は法令に基づく規定に違反した時は、登録又は認可の取消し、一定期間の業務停止又は何らかの改善命令を受ける可能性がありますが、当事業年度末時点では、法令違反等による業務改善命令や業務停止命令等の行政処分に該当する事実はないと認識しております。当社は、法令遵守を重視した運営を行っており、登録等の取消しに至る事態が発生する可能性は低いと思われますが、事業内容が単一セグメントであることから、将来何らかの事由により登録等の取消しを命じられた場合には、当社の経営成績、財政状態並びに企業の継続に影響を及ぼす可能性があります。
金融商品取引業者には、金融商品取引法及び金融商品取引業等に関する内閣府令に基づき、自己資本規制比率維持の規制が課されており、同比率に関し120%を下回ることのないようにする必要がありますが、当事業年度末時点では、当社において同比率が120%を下回る事実はないと認識しております。当社は、市場リスク相当額に上限を設けるとともに、同比率を営業日毎に算出して200%を下回らない運営を行っていることから、当リスクが顕在化する可能性は低いと思われますが、将来何らかの事由により定められた自己資本規制比率を維持できない場合は、業務停止や金融商品取引業者の登録の取消しを命じられる可能性があります。また、経営環境の悪化による損失計上等の要因により自己資本規制比率が著しく低下した場合には、比率を維持する観点から積極的にリスクをとり収益を追求することが困難となり、収益機会を逸する可能性が高まります。その結果、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、自己の計算において、株価・債券価格・金利・為替その他市場価格等の変動に伴うリスクを内包した金融資産を保有しております。例えば、他社株転換条項付円建社債について、仕入契約締結後の売出し期間中に、株価等の市場価格が低迷し販売残が発生した場合には、その販売残を仕入価格を大幅に下回る価格で転売することにより、損失が発生する可能性があります。当社ではリスク管理を徹底しており、当リスクが顕在化する可能性は低いと思われますが、市場価格が急激に変動した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社の取引先が決済を含む債務不履行に陥った場合、また、当社が保有する有価証券の発行体の信用状況が著しく悪化した場合には、元本の毀損や利払いの遅延等により損失を被り、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社は、取引先が債務不履行となることのないよう社内規定によりリスクの軽減を図り、商品有価証券については、保有期間を短くしてリスクの軽減を図っており、当リスクが顕在化する可能性は低いと思われます。
当社では、各種規程の整備やコンプライアンス体制の整備強化に努めておりますが、事務処理プロセスで発生する事務ミス、事故、又は不正等により損失が発生する可能性があります。また、このような事により、社会的信用が低下する等、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社は、事務ミス、事故、又は不正等の発生を抑止するための各種統制を実施しており、当リスクが顕在化する可能性は低いと思われます。
当社が業務上使用するコンピュータ・システムや通信回線にハードウエアの不具合、ソフトウエアの不具合、人為的ミス、不正アクセス、災害、停電等の諸要因により障害が発生した場合、障害規模によっては当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社が使用しているコンピュータ・システムや通信回線は原則として冗長化構成とし、使用しているソフトウエアについては、使用開始前に必ずテストを実施して不具合の発生を予防しております。また、人為的ミスや不正アクセスについては、監視機能の充実を図り、災害・停電等については訓練を実施して備えております。このような対策により、当リスクが顕在化する可能性は低いと思われます。
当社の事業は、法人、個人のお客様からの信用に大きく依存しています。当社役職員に起因する法令違反や訴訟等が発生した場合には、当社の社会的信用が低下する可能性があります。また、憶測や事実に基づかない風説等が流布された場合、その内容の正確性に関わらず、当社の社会的信用が低下する可能性もあります。その結果、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社は、インターネット上で当社に関する事実に基づかない書込み等の発見に努めており、当リスクの顕在化する可能性は低いと思われます。
(8) 法令遵守に関するリスクについて
当社は、法令遵守に係る問題について内部統制の整備を図り、より充実した内部管理体制の確立と役職員の教育・研修等を通じて意識の徹底に努めております。しかしながら、価格変動商品を扱っている業務の特殊性から、そのプロセスに関与する役職員の故意又は過失により法令に違反する行為がなされる可能性があります。このような場合には、訴訟等を提起され、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼすような損害賠償を求められる事案が生じる可能性があります。当社は、苦情・相談のための専用窓口を設置するとともに、通話のモニタリングに努めて法令違反行為の抑止及び早期発見を図っており、当リスクの発生頻度は低いと思われます。なお、本書提出日現在において、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のある訴訟等はありません。
当社は、顧客情報の管理に関する社内規定を整備し管理には万全を期しておりますが、サイバー攻撃によるウイルス・マルウエア感染及び不正アクセス等並びに故意又は過失により、万一、基幹システムの停止や情報が外部に漏洩した場合には、賠償金の発生や社会的信用が失墜すること等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社は、ウイルス・マルウエア感染や不正アクセス等の対策を実施しておりますが、日々状況が変化しており完全に回避することは困難なため、発生に備えた訓練を実施する等の対応を行っております。また、故意・過失による流出についても技術的な対策を行うとともに、全役職員を対象とした情報セキュリティ研修を実施して啓蒙を図っております。これまでのところ被害は確認されておりませんが、新型コロナウイルス感染拡大の予防策としてテレワークを推進する中、細心の注意を払っているものの依然として世界的にサイバー攻撃は増加しており、リスクは増大傾向にあると認識しております。
自然災害の発生や感染症の流行等により事業の縮小を余儀なくされた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、当社の営業基盤は北陸地区を主力としており、この地区のインフラが麻痺するような場合には、その影響はより大きくなります。当リスクの発生可能性を予測することは困難ですが、自然災害に備えて業務継続に必須であるコンピュータ・システムを堅牢なデータセンターに設置する等の対策を行っております。
また、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、当社は、社員や顧客、取引先等の健康と安全を第一に考え、一定のルールのもと極力接触を控えた事業活動を行っております。他にも、本社業務のスプリットチーム制やテレワークの導入、テレビ会議システムの活用等の対策を講じて事業を継続できる体制の整備に努めており、本書提出日現在において、経営成績及び財政状態への影響は限定的となっております。しかしながら、今後さらに感染が拡大し、万一、社内で感染者が多数発生した場合には当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
なお、当社の事業は投資・金融サービス業という単一セグメントであるため、セグメントごとの分析については記載を省略しております。
当事業年度末における総資産は前事業年度末に比べ5億13百万円増加し、153億69百万円となりました。
現金・預金が9億62百万円、預託金が3億79百万円それぞれ増加し、信用取引資産が7億1百万円減少したこと等により流動資産は6億29百万円増加し、120億5百万円となりました。固定資産は1億16百万円減少し、33億64百万円となりました。
預り金が5億39百万円、受入保証金が1億55百万円、未払法人税等が1億49百万円、未払金が43百万円それぞれ増加し、信用取引負債が6億29百万円、繰延税金負債が50百万円それぞれ減少したこと等により負債合計は2億73百万円増加し、67億89百万円となりました。
利益剰余金が3億7百万円増加し、その他有価証券評価差額金が67百万円減少したことにより純資産は2億40百万円増加し、85億80百万円となりました。
当社は、金融機関等からの借入れは、信用取引にかかる借入れ及び一時的な資金繰りに必要な借入れを除いて行わない方針であります。信用取引での顧客への金銭等の貸付は、証券金融会社から借り入れる他、自己資金を充てています。固定資産の取得についても自己資金で賄っており、前事業年度は一部の店舗の改修等に伴って固定資産が42百万円増加しました。当事業年度は投資有価証券の値下がり等により固定資産は1億16百万円の減少となっております。
また、利益剰余金の増加等により純資産は85億80百万円となりました。
当事業年度におけるわが国の景気は緩やかに回復しておりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大により大幅に下押しされ厳しい状況が続いております。
国内の株式市場では21,500円から始まった4月の日経平均株価は、米中貿易摩擦の激化等を受けて、4月の高値22,362円から6月の安値20,289円まで、新元号「令和」初の取引からの6日連続安を含め2,000円を超す下落となりました。その後は21,000円台を回復しましたが、消費税増税等を背景に上値は重く、米国による対中関税第4弾の公表や米国の長短金利の逆転を受けて再び投資家心理が悪化し、8月には20,100円台まで下値の水準を切り下げました。米中通商協議が再開されることが伝わると上昇に転じ、米中貿易協議の部分合意や英国総選挙の結果を受けて上げ幅を広げ、12月には1年2か月ぶりに24,000円を突破しました。年明け後も24,000円台を回復する場面があり、2月中旬までは底堅い動きとなりましたが、中国で発生した新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を背景に市場環境は一変し、日経平均株価は連日で大幅安となり、更には原油価格の急落や急速な円高・ドル安も加わり、3月には3年4か月ぶりに17,000円を割り込みました。急落前の水準から3月19日の安値16,358円までおよそ1か月で7,000円を超す大幅な下落となりました。感染拡大の勢いは衰えず、世界各国で人やモノの移動が制限され世界経済の悪化が懸念される中で、各国の打ち出す経済対策に注目が集まり反発する場面もあり当事業年度を18,917円で終えました。
このような状況の中、当社は地域密着型の対面営業を行う証券会社として、株式営業や債券販売、投資信託販売を中心に営業を展開しました。株式営業においては、「情報シャトル特急便」、「Imamura Report」等当社作成の情報誌に加え、専門調査機関の作成するレポートによる情報提供等、お客様のニーズにお応えする提案・サポートを積極的に行いました。債券販売においては、他社株転換条項付円建社債や日経平均株価連動円建社債の販売を継続的に推進するとともに、福井県債、北陸電力債や、投資を通じてSDGsの実現に貢献することができる外貨建てグリーンボンドも取り扱いました。投資信託販売においては、米国株式配当貴族(年4回決算型)をはじめ多種類の投資信託を取り扱いました。また、ホームページの当社取扱い投資信託の基準価額一覧ページをリニューアルして利便性の向上を図ったほか、投資信託分析ツールの導入によりお客様へのサービス拡充に努めました。新型コロナウイルスの感染拡大により株価が急激に下落する中、お客様へのアフターフォローを引き続き丁寧に行い、安心してお取引いただけるよう尽力してまいりました。
その結果、当事業年度の営業収益は32億99百万円(前年同期比13.3%増)、純営業収益は32億75百万円(同13.3%増)、経常利益は5億67百万円(同62.0%増)、当期純利益は3億40百万円(同65.5%増)となりました。
当事業年度における主な収益及び費用の状況は次のとおりであります。
当事業年度の受入手数料の合計は32億28百万円(前年同期比14.0%増)となりました。その内訳は次のとおりであります。
株券に係る委託手数料は13億13百万円(同11.9%増)となり、受益証券を含めた委託手数料の合計は13億37百万円(同12.0%増)となりました。
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は16億64百万円(同22.0%増)となりました。
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は66百万円(同5.1%減)となりました。
その他の受入手数料は1億58百万円(同22.1%減)となりました。
トレーディング損益は28百万円(前年同期比7.3%増)となりました。
金融収益が43百万円(前年同期比16.6%減)、金融費用が23百万円(同16.0%増)となった結果、差し引き金融収支は19百万円(同37.8%減)となりました。
販売費・一般管理費は27億21百万円(前年同期比6.6%増)となりました。
営業外収益は、受取配当金等22百万円(前年同期比19.9%増)、営業外費用は、為替差損等9百万円(同50.0%増)となりました。
⑥ 特別損益
特別利益は、投資有価証券売却益等3百万円(前年同期は0百万円)、特別損失は、投資有価証券評価損等8百万円(前年同期比83.7%増)となりました。
当事業年度の受入手数料の合計は32億28百万円(前年同期比14.0%増)となり、その商品別内訳は、株券13億17百万円(同11.7%増)、債券16億64百万円(同22.1%増)、受益証券1億82百万円(同15.4%減)、その他62百万円(同14.2%減)であります。株券部門と債券部門においては前年同期に比べ手数料が増加したものの、受益証券部門とその他の部門においては前年同期に比べ手数料が減少しました。その結果、当社が目標とする経営指標である経費カバー率は73.4%(前事業年度は67.5%)と目標とする80%には届きませんでした。また、当社は経営戦略の一つとして「新規顧客の獲得」を掲げており、その指標として5年間で15,000口座の新規顧客の獲得を目指しております。前事業年度の開設口座数は単年度の目安となる3,000口座を15.8%上回り3,475口座となり、当事業年度は3,553口座となり目標を18.4%上回りました。
また、2017年4月の富山支店開設により、北陸3県で10店舗体制となり3年が経過し、顧客からの信頼も一層高まり営業力もついてきたと自負しております。引き続き、情報提供の充実及び商品の多様性を図り、新規の顧客開拓と顧客からの預り資産の増加に注力する所存です。なお、富山支店につきましては、開設当初に設定した収益目標を当事業年度下半期において達成いたしました。当社のビジネスモデルが通用する証であり、来期以降もさらなる収益の拡大を図ってまいります。
なお、当社は引き続き、顧客の資産形成に資するためニーズに沿った金融商品の提案や資産管理におけるサポートを行っていきますが、今般の新型コロナウイルスの感染拡大を受け、当社においても、新たな生活様式に対応した営業活動を推進してまいります。新型コロナウイルス感染拡大予防策の徹底や感染拡大の第2波に備えた事業運営は勿論のこと、先端的なBIツールやAI機能等を営業支援ツールに活用し業務の効率化を模索します。また、電話を一層活用しながら移動時間を減少させるアポイントメントとなるよう取り組みを進め、対面営業の強みを活かしつつ、資産形成のアドバイザーとしてこれからも顧客にとって身近な存在であり続けられるようサービスの向上を図ってまいります。
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、期首残高に比べ9億62百万円増加し、57億43百万円となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、11億40百万円の資金増加(前事業年度は、13億90百万円の資金増加)となりました。これは、税引前当期純利益5億62百万円、減価償却費1億30百万円を計上したこと等に加え、信用取引資産の減少7億1百万円、預り金の増加5億39百万円、受入保証金の増加1億55百万円等により資金が増加する一方、信用取引負債の減少6億29百万円、顧客分別金信託の増加3億80百万円、法人税等の支払額1億円等により資金が減少した結果であります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出92百万円等により1億21百万円の資金減少(前事業年度は、2億7百万円の資金減少)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いにより33百万円の資金減少(前事業年度は、66百万円の資金減少)となりました。
当事業年度の上半期は日経平均株価の上値が重く、下半期は順調に上昇した後、大きく急落し、その後は反発したものの伸び悩みました。この結果、税引前当期純利益、減価償却費に加え、預り金や受入保証金の増加、信用取引残高の縮小、法人税の支払い等により、営業活動によるキャッシュ・フローでの資金増加額は1,140百万円となりましたが、前事業年度に比べ縮小しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、当事業年度には大規模な設備投資がなかったこと等から資金減少額が前事業年度に比べ縮小しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度の期末配当金が1株当たり12.5円と半減したため、資金減少額が前事業年度に比べ縮小しました。
これらの結果、当事業年度末の資金は期首に比べ増加し57億43百万円となり、依然として高水準を維持しております。また、当社では資金を手許現金及び要求払預金に限定しているため、その流動性に懸念はありません。なお、現時点においては、重要な資本的支出の予定はありません。
当社の業績は経済情勢及び市場環境の変動による影響を大きく受けることから、将来に対する予測が困難であります。そのような状況のもと、当社は、一時的な業績不振に陥った場合にも柔軟な営業戦略の推進を維持できるよう、内部留保の充実が重要であると考えております。今回、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大という予測困難な事態が発生し、企業の手元流動性が注目されました。当社は普段から内部留保の充実に努めており、当事業年度及び本書提出日現在において、信用取引にかかる借入金以外の金融機関等からの借入金による資金調達は行っておりません。なお、引き続き、内部留保の充実を図るとともに、株主の皆様への継続的かつ安定的な利益還元を目指してまいります。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積り及び仮定の設定を必要とします。経営者は、過去の実績やそれぞれの状況等を勘案し合理的と考えられる仮定を用いて見積りを行っておりますが、見積り及び仮定については特有の不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定の内、重要なものは以下のとおりであります。
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、2020年度中期経営計画の前提となった数値を、経営環境等の外部要因に関する情報や当社が用いている内部の情報(過去における中期経営計画の達成状況など)と整合的に修正し見積っております。当該見積りには、営業収益に影響する東京証券取引所の株式売買代金の見込、GDP年間成長率、金利動向などの仮定に新型コロナウイルスの感染拡大による影響を織り込み、見積りを行っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、2020年度中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当社が用いている内部の情報と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。当該見積りには、営業収益に影響する東京証券取引所の株式売買代金の見込、GDP年間成長率、金利動向などの仮定に新型コロナウイルスの感染拡大による影響を織り込み、見積りを行っております。2020年度中期経営計画の見積期間を超える期間の将来キャッシュ・フローは、過去の実績値の平均で継続するとの仮定をおいて見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。