第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

当社グループの経営理念は、「人にやさしいシステムの提供で社会に貢献する」としております。
「人」は当社サービスの利用者(社労士様、人事担当者様)のみでなくその先に居る関係者(企業従業員様やその家族の方々)を指し、「やさしいシステム」は、利用者が使いやすいシステムであることはもちろん社会保障や人材育成に貢献することで社会基盤を支えるシステムを指します。

また、平成28年10月に株式会社ビジネスネットコーポレーションが当社グループに加わったことにより、社労夢事業の事業領域である社会保障分野から人材育成、経費精算、年末調整業務分野へとサービスの対応領域が広がっていることから、業務を効率化し生産性を上げることはもちろん企業全体そして個々の従業員が付加価値を生み、支援をしていく「人事労務領域総合サービスの提供」をグループの経営方針としております。

 

(1) 目標とする経営指標

当社グループでは、各事業において提供している各種製品、サービスをより多くの方々に、より長期間にわたって提供することを目指し、安定的に事業を推進するために、事業規模の拡大と収益性の向上が当面の重要な課題と認識しております。従いまして、連結売上高と連結売上高営業利益率を重要な経営指標として位置付け、当該指標の向上に努めたいと考えております。また、企業価値と株主価値のバランスを図る観点から自己資本利益率(ROE)も重要な経営指標として位置付けております。

 

(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題

①  最新の情報技術への対応

当社グループが属する業界においては、システム開発技術、ネットワーク技術、対応デバイスの広がり、AI(人工知能)の活用など、技術革新が絶え間なく行われており、これらの技術に対応することが、当社グループの製品・サービスをより多くの方々により長く利用頂くために必要であると認識しております。これら最新の情報技術への対応を継続的に行うことの重要性を認識し、対処してまいりたいと思います。

 

②  人材の確保と育成

当社グループでは、製品・サービスを提供する市場が広がっていると共に、取り扱う製品・サービスも多様になってきております。このような環境の中では、システム開発、顧客サポート、営業、管理など、様々な専門性を有する優秀な人材の確保と育成が欠かせません。ただ、昨今の労働市場の環境変化によりタイムリーな中途採用は苦戦を強いられており、経営資源の戦略的な配分を含め、人員計画の達成が重要な課題であると認識しております。また、採用後により専門性が高い人材へと育成することも、重要な課題であると認識し、研修制度や評価制度を整備し、対処してまいりたいと思います。特に、当社サービスを支えるインフラを担当する部門の強化は急務であると考えております。

 

③  法務確認・コンプライアンス体制の強化

当社グループでは、平成30年3月期の決算作業中に過去の法務確認に係る内部統制体制の不備に起因する過年度決算の修正を行いました。本件の再発を防止するため、契約締結・更新時の確認・審査手続の厳格化等の再発防止策を講じて適正な内部統制の整備・運用を図ってまいりますと思います。

 

④  各事業の当面の重点取組課題は以下の通りです。

 

(社労夢事業)

・社会保険労務士向けサービスの付加価値向上

社労夢事業の主要顧客である社会保険労務士事務所は数が限られており、限られたマーケットです。その中でどれだけ付加価値の高いサービスを提供し顧客満足度を高められるかが重要な課題であると認識しております。これに対処するため、ASPサービスで利用するシステムをインターネット運用に適した開発言語により再構築して顧客の利便性を高める、RPA(ロボティックプロセスオートメーション。Robotic Process Automationの略)など最新のテクノロジーをサービスに組み込む、社会保険労務士から顧問先に提供できるサービスを拡充していく、及びネットワークにおける安全性を高めるなどの対応をしてまいりたいと思います。

 

・一般法人マーケットへの拡販

社労夢事業では売上高の大半が社会保険労務士に対するものであり、特定業界への依存度が高いため、事業の安定的な成長のためには、当該業界以外の分野へ事業展開を行っていくことが重要な課題であると認識しております。これに対処するため、社労夢事業において保有するソフトウエア資産、ノウハウを活用して、一般法人へのサービス拡充を推進してまいりたいと思います。

 

(CuBe事業)

・収益の平準化

CuBe事業においては大企業からの受託開発が売上高の大半を占めており、事業の収益構造は顧客企業の予算執行のタイミングや開発工期との兼ね合いから、通期決算末(3月末)に納品及び売上計上が集中する傾向にあります。キャッシュ・フローの平準化、業務集中の分散、及び不測の事態などにより売上が翌期にずれる、いわゆる期ズレを防ぐためには、受注を平準化する、もしくは保守サービスの拡大やクラウドサービスの開発によりストック型ビジネスの比率を上げるなどの対策を講じる必要があると考えております。

特に、クラウドサービスの開発及び早期の収益化が大きな課題と認識しており、クラウドサービス事業を推進してまいりたいと思います。

 

2 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

また、必ずしもこのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努めております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 法的規制等、事業環境に関するリスク

①  社会保険労務士の動向

当社グループの主要顧客である社会保険労務士事務所は、社会保険労務士法に基づき専業業務として社会保険及び労働保険の手続き代行が認められておりますが、今後、この専業業務に規制緩和等が行われ、他士業が参入し、競合により社会保険労務士の業務量に変化が生じる場合や、情報技術の進展によって社会保険労務士の業務量に変化が生じる場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②  労働保険事務組合の動向

当社グループの主要顧客である労働保険事務組合は、厚生労働大臣の認可を受け、労災保険と雇用保険に関し、事業主から委託を受け、これらの事務手続き及び保険料の納付を行っておりますが、今後、何らかの理由で政府からの認可数が減少する場合、労働保険事務組合向けサービスを提供する当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③  社会保険及び労働保険関連法令の改正

当社グループがユーザーに提供しているシステムは、社会保険及び労働保険関連法令の改正の都度、タイムリーにシステム変更を行っていく必要があります。そのため、今後、大きな改正が行われる場合は、大規模なシステム変更を行う必要があり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④  電子申請と動向

当社グループの社会保険、労働保険システムは、平成16年8月から開始された厚生労働省と社会保険庁の電子申請届出システムに対応する電子申請機能を加え、サービス提供を行っております。また、平成18年4月に電子政府の一環として新たに開始されたe-Gov電子申請システムに対して、当社グループでは、運用開始時から電子申請機能が利用可能となるよう対応を図ってまいりました。現時点までは、e-Gov電子申請システムの機能改変について情報収集と調査を継続することで、途切れることなく最新の申請方式を取り入れてまいりました。

しかしながら、今後、e-Gov電子申請システムの改訂内容や仕様について正確な情報を収集し、迅速に電子申請機能への対応を行うことができない場合、競合他社に遅れを取り、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) サービス提供に関するリスク

①  外部からのインターネットデータセンターへの攻撃

当社グループはインターネットを活用したサービス提供を行っておりますが、昨今、インターネット上のサーバ攻撃が高度化かつ日常化しており、当社グループの事業の遂行において非常に脅威となっており、当社グループのサーバが外部からのDoS攻撃(注1)の対象となった際は、当社グループのサービス提供へ影響が及ぶことがあります。

現在は、最新のUTM(統合脅威管理アプライアンス)製品(注2)を導入し、セキュリティ会社から新種の攻撃元や攻撃パターンの自動更新の提供を受けており、既知の攻撃に対する防御を行える構成を採用しております。

しかしながら、国家機関が関与するような大規模な組織的な攻撃などの発生も非現実的なものではなくなっており、万一、当社グループのサーバがこのような組織的な攻撃の対象となった場合に防御できるかは不明確であり、このような脅威が顕在化した場合、当社グループの主力製品であるインターネット・サービスが提供できなくなる可能性があります。

 

②  情報システムの故障・不具合

当社グループでは、ハードウエアは故障するものとの前提に立ったインフラ構築の方針のもと、積極的に冗長化(注3)システムを採用するなどし、ハードウエアの故障が直ちにサービス停止に結び付かないよう設備を整えております。しかしながら、冗長化システムには、「実際の障害検知に遅れが生ずる」、「想定した通りの待機系への切替えに失敗する」、「複雑さが増したがため、障害箇所の特定が困難になる」という不確実性もあり、完璧なシステムはありえないのが現実であります。

また、ソフトウエアにも多くの不具合が内包されており、オペレーティングシステムなどセキュリティに直結するものについてはパッチ(注4)の適用をせざるを得ない状況にあります。ベンダーから提供されるネットワーク機器、ストレージ機器、サーバ機器等のファームウエア(注5)についても、ベンダーから推奨されるパッチ適用に対して、想定される様々なリスク等を勘案し、適用の要否を慎重に判断しておりますが、それでも不具合が生じた場合、当社グループの主力製品であるASPサービスが提供できなくなる可能性があります。

 

③  個人情報管理

当社グループのサービスでは、人事情報、社会保険、労働保険、給与計算等において多くの個人情報が受託管理されております。また、マイナンバー制度の開始と共にそれらの個人情報の中には、特定個人情報も含まれております。これらの個人情報の流出が発生した場合には、当社グループ及び当社グループの提供するサービスの信頼性の失墜に繫がり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、外部からの攻撃対策、提供システムでの不具合対策、社内からのアクセス制限など、システム的に最大限の努力を重ねても、個人情報流出を完璧に抑止することは困難であります。特に当社グループの従業員及び開発協力会社による多量のデータ流失は、当社グループの事業遂行上の危険性もあるため、当該対策として当社及び株式会社ビジネスネットコーポレーションではプライバシーマークを取得し個人情報管理を徹底しておりますが、万一、情報の漏洩があった場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜により、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④  自然災害の影響

当社グループのサービスを提供するサーバは、東日本と西日本にそれぞれ1か所、インターネットデータセンターを運営する会社に設置しております。当該インターネットデータセンターには、インターネットデータセンターの運営会社自身のサーバも設置されており、耐震構造、複数変電所からの電力供給、1日以上の自家発電装置など、災害対策への信頼性は高いと判断しております。

しかしながら、東日本大震災を経て見直された巨大地震の最大被害想定は、従来の被害想定を超えた甚大なものとなっており、インターネットデータセンターも被災しないとは断言できないものとなっております。また、インターネットデータセンター自体の被災は免れた場合でも、通信回線や電話局に大きな被害が発生すると、復旧には相当な日数を要する可能性があり、このような不測の事態が発生した場合、当社グループの業績や財政状態、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤  知的財産権について

当社グループは、ソフトウエアの開発を自社で行っております。当社で開発されたソフトウエアにかかる知的財産権について、これまで、第三者より侵害訴訟等を提起されたことはありませんが、ソフトウエアに関する技術革新の顕著な進展により、当社グループのソフトウエアが第三者の知的財産権に抵触する可能性を的確に想定、判断できない可能性があります。また、当社グループの業務分野において認識していない特許等が成立している場合、当該第三者より損害賠償及び使用差し止めの訴えや、当該訴えに対する法的手続き諸費用の発生等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥  ライセンス契約について

当社グループでは、一部サービス提供にあたり他社ソフトウエアを利用しており、提供元とライセンスに関する契約を締結しております。本ライセンスについて契約内容の変更が発生した場合や、提供停止により代替ソフトウエアが必要となるような場合には、代替手段の入手や自社開発などに相応の期間や費用が発生するなど、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) システム開発に関するリスク

①  クラウドサービスにて提供するシステムの開発投資について

当社グループのクラウドサービスにて提供するシステムの開発コストは、ソフトウエアとして資産化され、リリース後にソフトウエア償却費として複数年に亘り計上される予定ですが、開発投資が想定より多額となる場合、また、対応するシステム利用料が計画通り増加しない場合は、当社グループの業績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

②  受託開発にて提供するシステムの開発投資について

当社グループは顧客企業の各種情報システムに関する受託開発業務を行っております。開発の大型化、短納期化するシステム開発においては、計画通りの品質を確保できない場合や開発期間内に完了しないことにより、費用が想定以上に増大化する可能性があります。また、システム開発にあたっては、生産能力の確保、生産効率化、技術力活用等のために業務の一部を外部に委託しておりますが、生産性や品質が期待に満たないおそれがあります。これらにより、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③  技術革新に関するリスク

当社グループが属する情報サービス業界は技術革新が激しいことから、当社グループが現在保有する技術・技能・ノウハウなどが陳腐化する可能性があります。また、当社グループの提供する製品やサービスが業界の技術標準の急速な変化に対応することができないことにより、その技術優位性あるいは価格優位性を失う可能性があります。当社グループが業界の技術変化の方向性を予測・認識できない場合や、予測しえても適切に対応できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 人材及び組織に関するリスク

①  代表取締役社長  三宅 登への依存について

当社及びグループ各社の代表取締役である三宅 登は、社会保険及び労働保険に関する豊富な知識と経験、同業界において豊富な人脈を有しており、当社グループの事業運営にあたって重要な役割を果たしております。

現在、権限委譲を進め組織的な経営体制の構築途上ではありますが、何らかの理由により同氏の業務執行が困難となった場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②  人材の確保・育成について

当社グループは、従業員数が102名(平成30年3月末現在)と小規模な組織で運営しておりますが、今後、システム開発技術者を中心に優秀な人材を獲得し、事業規模の拡大に対応していく方針であります。

しかしながら、人材獲得が計画どおりに進まなかった場合、また、重要な人材が社外流出した場合は、事業運営への障害、事業拡大への制約要因となり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) その他のリスク

①  M&Aに伴うのれんについて

当社グループは事業規模の拡大や営業基盤の拡大により、収益性や競争力の向上を図るため、資本提携を行っており、資本提携による連結子会社化の際の株式取得に伴って支払った対価と純資産価額との差額については、のれんとして資産に計上しております。のれんはその超過収益力の効果の発現する期間に渡って均等償却を実施しております。

のれん計上後の事業環境の変化により、のれんの超過収益力が著しく低下した場合には、減損損失が発生するなど、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(注) 1.DoS攻撃とは、相手のコンピュータやルータなどに大量なデータを送信して使用不能に陥らせたり、トラフィックを増大させて相手のネットワークを妨害したり、停止させる攻撃のことであります。

2.UTM(統合脅威管理アプライアンス)製品は、コンピュータウィルスやハッキングなどの脅威から、ネットワークを効率的かつ包括的に保護するものであります。

3.冗長化とは、システムの一部に何らかの障害が発生した場合に備えて、障害発生後でもシステム全体の機能を維持し続けられるように予備装置を平常時からバックアップとして配置し運用しておくことであります。

4.パッチとは、コンピュータにおいてプログラムの一部分を更新してバグ修正や機能変更を行なうためのデータのことであります。

5.ファームウエアとは、ハードウエアの基本的な制御を行うために機器に組み込まれたソフトウエアのことであります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の各種施策の効果により企業収益は改善しており、雇用環境・設備投資の改善も続き、緩やかな回復基調で推移しました。一方、世界経済については、全般的に緩やかに回復しているものの、中国を始めとするアジア新興国等の経済の先行き、政策に関する不確実性による影響、通商問題の動向等には留意が必要な状況です。

国内の情報サービス業界では、クラウドコンピューティングに代表されるサービス化の流れが一層加速する中、政府が推進する「働き方改革」に伴う効率的な働き方や多様な働き方を実現するため、業務システムや人的資源を管理するタレントマネジメントシステム等の人事労務関連システムへの投資意欲が高まっております。また、AI(人工知能)やRPA(ロボティックプロセスオートメーション。Robotic Process Automationの略)といった最新のテクノロジーの活用も進んでおります。

このような環境の下、当社グループでは、社労夢事業における社労夢システムの拡販と、CuBe事業における新サービスの開発を進める等、業容拡大を図りました。

その結果、当連結会計年度における業績は売上高1,887,269千円(前期比17.9%増)、売上原価753,276千円(前期比11.5%増)、売上高に対する売上原価の比率39.9%(前期比2.3ポイント低下)、売上総利益1,133,992千円(前期比22.5%増)、販売費及び一般管理費819,843千円(前期比33.1%増)、営業利益314,149千円(前期比1.5%増)、売上高に対する営業利益の比率16.6%(前期比2.7ポイント低下)、経常利益317,975千円(前期比3.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益204,425千円(前期比9.7%増)となりました。また、当社グループが重要な経営指標と考える自己資本利益率(ROE)は、当社単体では22.7%となり前期比0.8ポイント上昇しましたが、連結ベースでは20.7%となり前期比1.7ポイント低下しました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

社労夢事業
 

社労夢事業の主要顧客である社会保険労務士市場におきましては、政府による行政手続のオンライン利用促進や、業務効率化の必要性を背景に、システムの新規導入が増加すると共に、既に利用しているシステムから付加価値の高いクラウドサービスに移行する事務所も増えております。また、一般法人市場においても、人事総務業務の効率化を推進する目的で行政手続のオンライン化を進める企業や、申請業務を内製化する企業が増加しており、システム需要が高まっております。

このような中、社労夢事業では、各種法令改正への対応を進める等、社労夢システムの機能強化及び利便性を高めるとともに、導入促進の割引キャンペーンや、サービス等生産性向上IT導入支援事業の対象事業者として登録を行い補助金の対象となることで、社労夢システムの導入を促進いたしました。

この結果、クラウドサービス売上高は、1,203,809千円(前期比16.8%増)となりました。これは、主力サービスである「ネットde社労夢」と「社労夢ハウス」のユーザー数が順調に増加したことに伴う月額利用料の積み上がりにより、ASPサービス売上高が1,039,933千円(前期比13.6%増)となったこと、及び上期を中心に上述の補助金やキャンペーンを利用した新規導入が進み、システム構築サービス売上高が163,875千円(前期比41.7%増)となったことによります。

 また、システム商品販売売上高は、前連結会計年度のような大型のシステム受注が無かったため102,017千円(前期比32.7%減)となり、その他サービス売上高はマイナンバー取得代行サービスの需要が一巡したことにより3,643千円(前期比73.2%減)となりました。

 一方、法人向け営業活動の強化並びにサービス提供体制を拡充したこと等により販売管理費が増加し、前期に比べコストが増加しました。

 以上の結果、社労夢事業の売上高は1,309,470千円(前期比9.5%増)となり、売上総利益891,420千円(前期比21.3%増)、営業利益は315,054千円(前期比21.3%増)となりました。

 

CuBe事業

 

CuBe事業は、大手企業の人事総務部門等に対し、業務プロセスに着目したコンサルテーションを行い、業務の効率化に資するフロントシステムを、顧客ごとにカスタマイズし開発、提供しております。同事業において提供する「人財CuBe」は、目標管理、人事考課等を中心に人材の採用から、その後の評価、育成、異動等、人事に関わる様々な業務プロセスにおいて従業員と人事部門を結ぶシステムです。このほか、勤怠管理や人事諸届、経費精算等の業務プロセスをシステム化する「就業CuBe」、「申請CuBe」、「精算CuBe」等を提供しております。これらフロントシステムは、人事総務部門だけでなく顧客企業全体の業務効率化に資するものであり、政府が推進する「働き方改革」の目的に適うシステムであります。また、これまでの大手企業向けフロントシステムのノウハウを活かした、クラウドサービスの開発を進めております。

当連結会計年度においては、「人財CuBe」、「精算CuBe」を中心に大型案件、改修案件等を順調に納品すると共に、受注活動・開発を進めました。また、事業開始以来本格的に取り組んでいるクラウドサービスの開発においては、平成29年6月に新サービス「ネットde精算」を、平成29年10月に「年末調整CuBeクラウド」の提供を開始しました。これらに加えて、平成30年4月に提供を開始した「人財CuBeクラウド」の開発を進めました。

「ネットde精算」は、開発を連結子会社である株式会社ビジネスネットコーポレーションが、クラウドサービス のインフラ提供とマーケティングを当社が行いましたが、「年末調整CuBeクラウド」と「人財CuBeクラウド」は、 開発はもちろん、クラウドインフラの整備とマーケティングも株式会社ビジネスネットコーポレーションが行っております。

一方、受託開発案件が全般的に小型化し開発効率が悪化した点、人材採用や開発体制の比重の変更等クラウドサービス開発へ積極的な投資を行った点等により、売上原価、販売管理費共に増加しております。

なお、CuBe事業は、大型案件の売上が下期に偏重する傾向にあり、上期は利益率が相対的に低くなる傾向があります。前連結会計年度は下期のみが連結決算の対象でしたが、当連結会計年度は上期も含めて連結決算の範囲となっております。

この結果、CuBe事業の売上高は578,850千円(前期比43.1%増)、売上総利益242,721千円(前期比34.2%増)、営業損失は3,282千円(前期は72,342千円の営業利益)となりました。なお、CuBe事業の営業損失については、のれん償却額38,861千円を反映しております。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当社グループは、生産活動を行っていないため、記載を省略しております。

 
② 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

CuBe事業

550,689

372.5

285,341

39.5

合計

550,689

372.5

285,341

39.5

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.社労夢事業では、受注から販売までの期間が短期間であり、期中の受注高と販売高がほぼ同一となるため、記載を省略しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

販売区分の名称

前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
  至 平成29年3月31日)

当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
  至 平成30年3月31日)

販売高(千円)

前期比(%)

販売高(千円)

前期比(%)

社労夢事業

1,196,330

1,309,470

9.5

 

クラウドサービス

1,031,051

1,203,809

16.8

 

システム商品販売

151,697

102,017

△32.7

 

その他サービス

13,581

3,643

△73.2

CuBe事業

404,456

578,850

43.1

セグメント間の内部売上高又は振替高

△1,051

合計

1,600,787

1,887,269

17.9

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

(2) 財政状態

(資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、1,329,416千円(前期比12.8%増)となりました。主な内訳は、現金及び預金720,192千円及び売掛金391,808千円となっております。
 また、固定資産の残高は848,903千円(前期比2.7%減)となりました。主な内訳は、のれん330,326千円、ソフトウエア仮勘定216,627千円、ソフトウエア139,035千円となっております。
 以上の結果、総資産は2,178,320千円(前期比6.2%増)となりました。

なお、セグメントごとの資産は、社労夢事業が1,279,391千円(前期比18.4%増)となりました。主な内訳は、流動資産957,423千円、固定資産321,967千円となっております。

CuBe事業が899,321千円(前期比6.6%減)となりました。主な内訳は、流動資産372,385千円、のれん330,326千円となっております。

 

(負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、991,776千円(前期比86.4%増)となりました。主な内訳は、未払金542,594千円、1年内返済予定の長期借入金112,985千円及び短期借入金100,000千円となっております。
 また、固定負債の残高は50,315千円(前期比90.7%減)となりました。内訳は、長期借入金50,315千円となっております。
 以上の結果、負債合計は1,042,091千円(前期比3.1%減)となりました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における株主資本は、1,065,232千円(前期比16.7%増)となりました。主な内訳は、資本金219,110千円及び資本剰余金198,290千円、利益剰余金648,098千円となっております。
 以上の結果、純資産は1,136,229千円(前期比16.6%増)となり、当社の経営指標である自己資本利益率は20.7%(前期比1.7ポイントの低下)となりました。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、653,043千円(前期比3.6%増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は、444,767千円(前期比54.9%増)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益316,895千円、減価償却費94,288千円、売上債権の減少42,050千円、主な減少要因は、法人税等の支払額108,603千円、仕入債務の減少65,213千円などであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、248,601千円(前期比57.9%減)となりました。主な減少要因は、無形固定資産の取得による支出226,142千円、有形固定資産の取得による支出36,960千円などであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、173,519千円(前期は196,275千円の獲得)となりました。主な減少要因は、長期借入金の返済114,411千円、配当金の支払額51,565千円などであります。

 

当社グループの運転資金には、原価や販売費及び一般管理費に計上される対価や納税資金等があります。設備投資資金には、サーバー増設等の大規模な設備投資があります。

これらの必要資金の財源は、獲得した利益等により生み出される内部資金で賄っております。

  

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。