第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社は、「音と映像で社会を豊かに」を企業理念に掲げ、設立以来、感動を伝える音声・映像関連の独自技術の研究開発を通じて、豊かな社会の創造に貢献する企業となることをめざしております。

 

(2) 経営戦略

当社は、設立以来、主に音声・映像関連の技術を得意として研究開発を行い、「CRIWARE」として、エンターテインメント分野を中心に展開してきました。今後は、近年のスマートフォンゲーム市場の拡大など、環境の変化に柔軟に対応していくとともに、海外市場における顧客獲得に注力いたします。

また、エンターテインメント以外の市場の開拓にも積極的に取り組み、従来の延長線上にない事業拡大を図り、収益力を高めていく方針です。これからも研究開発型の企業として新技術・新製品の開発に積極的に取り組み、グローバルスタンダードなプロダクトラインナップをめざします。

 

(3) 目標とする経営指標

当社グループは、中長期的な事業拡大と企業価値向上をめざしており、売上高の持続的な成長と20%程度の営業利益率を重要な経営指標としております。ただし、当面はCRI TeleXusへの研究開発投資や、モビリティへのソフトウェア投資を優先して行うため、営業利益率は一時的に低下する見込みです。

 

(4) 経営環境及び対処すべき課題

当社グループを取り巻く経営環境は、技術革新のスピードが速く、最新のトレンドが目まぐるしく変化する厳しい環境です。また、海外の経済・物価動向、今後のウクライナ情勢の展開や資源価格の動向、内外の感染症の動向やその影響など、わが国経済を巡る不確実性はきわめて高く、予断を許さない状況が続いております。

このような環境の中、当社グループは、ゲーム事業で得られた技術やノウハウ、知見、資金を、エンタープライズ事業の研究開発や営業強化に投下することで、事業領域を拡げ、グループ全体で飛躍的な成長をめざします。また、テレウェア構想の実現のために、オンラインコミュニケーションプラットフォーム「CRI TeleXus(シーアールアイ テレクサス)」への技術開発投資を継続するとともに、将来の事業の柱として期待する「モビリティビジネス」に対しても技術開発投資を継続いたします。

 

セグメント別には、次の課題に取り組みます。

① ゲーム事業

前期第4四半期にオンラインコミュニケーションプラットフォーム「CRI TeleXus(シーアールアイ テレクサス)」の一部機能として先行リリースした「空間オーディオ対応ボイスチャット」の採用実績獲得に注力するとともに、AI通訳等の機能拡充を推し進めます。

海外向けは、新作ゲームの認可再開やロックダウン解除により復調しつつある中国市場に引き続き注力し、現地子会社と連携した販促強化により受注拡大を目論見ます。

また、赤字が続いているゲーム開発/運営子会社は、経営改善や収益構造見直しにより、黒字転換を図ります。

② エンタープライズ事業

組込み分野につきましては、モビリティビジネスの拡大に向け、新製品「CRI Glassco(シーアールアイ グラスコ)」への開発投資を継続いたします。音響ビジネスは、本格始動したカラオケ案件に注力いたします。遊技機ビジネスは、業界としてスマート遊技機への入れ替えが進む中で、当社技術の貢献範囲拡大を狙います。

新規分野につきましては、アパレルや自動車、通販業界に対し、引き続きWeb動画ソリューション及びWeb画像軽量化ソリューションの拡販を進めるとともに、ファンエンゲージメント向上支援や採用関連など、従来とは異なる分野に技術提供を行い、拡大を目論見ます。また、他企業と協業することで、当社単独では難しかった領域への進出を図ります。

 

2 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクとはいえない内容についても、投資家の投資判断において重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示いたします。

なお、当社グループはこれらのリスクが発生する可能性を十分認識した上で、発生の回避や、万が一発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に対する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討された上で行われる必要があります。また、本項の記載内容は、当社グループの事業もしくは当社株式への投資に関するリスクのすべてを網羅するものではありません。

なお、本項における記載事項は、当連結会計年度末現在における当社の認識を基に記載したものであり、将来の環境の変化等によって、本項の認識が変化する可能性があります。

 

① 株式会社セガとの関係について

取引関係においては、セガサミーホールディングス株式会社の子会社である株式会社セガは、ゲーム関連コンテンツの企画・開発・販売事業等で世界展開しており、当社グループの重要な顧客の1社であります。2022年9月期における取引関係は、当社グループから株式会社セガに対するミドルウェアの許諾販売取引で147,878千円(当社グループの売上高全体に占める割合は5.2%)となっており、今後、株式会社セガが何らかの理由によって当社ミドルウェアの採用を中止した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

人的関係においては、当社は、株式会社セガの元コーポレート本部財務部参事の金成壽及氏を監査役(現:取締役(監査等委員))として招聘した経緯がありますが、この招聘は、同氏が金融機関時代及び株式会社セガの管理部門で培った識見等を当社のコーポレート・ガバナンス体制の更なる充実に資するためのものです。

② 事業内容に関するリスクについて

a. 当社の主要製品である音声・映像関連ミドルウェアは、顧客の開発環境に組み込まれて継続的に使用される特性があるため、容易に乗り換えることが困難であり、これまでの実績やサポートノウハウ、長年の研究開発の蓄積が他社の参入障壁になっていると考えております。しかしながら、今後、他社が競争優位性の高いミドルウェア製品を開発、市場投入した場合には当社グループの業績に影響を与えることがあります。

b. 当社グループの株式会社アールフォース・エンターテインメントは、大手ゲームパブリッシャーからの受託を中心に計画的にゲーム開発を行っておりますが、大幅な開発遅延が生じたり、新規案件の受注が想定どおりに進まない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 会社組織のリスクについて

人材の確保及び育成並びに技術者の退職等に関連するリスクについて

当社グループの事業は高い技術力が必要とされ、優秀な技術者を確保し育成することが重要であります。そのため当社グループでは、高い資質を持つ社員を厳選して採用し、技術面と人格面からの育成に注力しております。また、社員が常に高いモチベーションを持って働けるよう、職場環境の向上や企業風土の醸成を心がけています。しかしながら、何らかの理由で短期間に集中して多数の技術者が退職する事態が発生した場合、当社グループの技術力や開発力が低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 投資リスクについて

当社グループは、M&Aや資本業務提携による積極的な事業拡大を推進しております。投資対象の検討は慎重に行っておりますが、投資後、計画通りに進まない場合には、投資有価証券評価損が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ その他

a. ストックオプション及び第三者割当新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社は、取締役及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を高めることを目的に、会社法の規定に従ってストックオプションとして、2015年12月18日に第3回新株予約権(2015年11月12日開催の取締役会決議)及び2018年2月15日に第5回新株予約権(2018年1月18日開催の取締役会決議)を発行しております。

また、第三者割当新株予約権として、2021年1月12日に第4回無担保転換社債型新株予約権付社債(2020年12月24日開催の取締役会決議)を発行しております。2022年9月末日現在、新株予約権の潜在株式数の合計は814,437株であり、発行済株式総数5,578,150株の14.6%に相当します。

これらが行使された場合、当社株式価値の希薄化や株式売買の需給への影響をもたらし、当社グループの株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

b. 特許など知的財産や訴訟に関するリスクについて

当社のミドルウェア技術は、公開された音声・映像規格に準拠したデジタルデータに関する処理技術ですが、特許出願は保有する技術の詳細を公開することになり第三者が盗用する危険性があります。また、第三者が盗用した場合、ソフトウェアの性質から盗用を断定することが困難であるため、保有技術を公開することになる特許出願は積極的には行っておらず、慎重に判断して実施しております。

c. 新型コロナウイルス感染症に関するリスク

新型コロナウイルス感染症が長期に及んだ場合、当社グループの事業活動においても影響が生じる懸念があります。受注に関するリスクとしては、イベントの延期や自粛が長期化した場合、当社グループの新製品や新技術発表の場が失われ、新規案件獲得が想定どおり進まない可能性があります。また、顧客企業の収益が悪化し、経費支出の抑制や新規投資判断の先送りが顕著となった場合、当社グループの製品・サービスの販売が想定どおり進まない可能性があります。

当社グループは、これらの影響を最小限のものとするべく、新しい技術や仕組みを積極的に取り入れ、ウィズコロナ時代に即した臨機応変な対応を行ってまいります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、資源高の影響などを受けつつも、新型コロナウイルス感染症抑制と経済活動の両立が進むもとで、企業収益は全体として高水準で推移し、業況感は横ばいとなっており、基調としては持ち直しております。

当社グループを取り巻く事業環境については、新型コロナウイルス感染症の影響によりライフスタイルが大きく変容し、ボイスチャットやWeb会議ツールなどオンラインコミュニケーションツールの活用は常態化しております。また、メタバースと呼ばれる仮想空間が注目を集めるとともに、テレワークやオンライン授業、ライブコマースなど、さまざまな分野でデジタル変革が進行しており、音声・映像を活用したオンラインサービスへの要求水準も高度化してきております。

これらの状況下、当社グループは、オンラインコミュニケーションプラットフォーム「CRI TeleXus(シーアールアイ テレクサス)」の開発を行うとともに、今後成長が見込める事業、市場を見据えた研究開発体制を整備し、事業基盤の拡大、グループシナジーの創出に注力いたしました。

当連結会計年度の業績は、売上高2,840,897千円(前期比1.8%減)、営業利益97,424千円(前期比65.8%減)、経常利益138,506千円(前期比58.7%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、特別損失の計上により339,600千円(前期は199,702千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 

セグメント毎の経営成績は、次のとおりであります。

(ゲーム事業)

当社製ミドルウェア「CRIWARE(シーアールアイウェア)」等のライセンス売上は、第1四半期において大手顧客からの一括ライセンス契約の受注があったものの、スマートフォン向けF2P売上減等により、国内は減少いたしました。また、海外は、中国におけるロックダウンの影響等によるコンテンツ制作の受注減が響き、減少いたしました。株式会社ツーファイブが行う音響制作は、第3四半期で大型案件を受注したこと等により、増加いたしました。株式会社アールフォース・エンターテインメントが行うゲーム開発/運営は、第4四半期に新規案件の売上が計上されたものの、既存アプリ運営の赤字幅増加により、増収減益となりました。当セグメントの売上高は2,164,074千円(前期比0.4%増)、セグメント利益は153,762千円(前期比52.6%減)となりました。

(エンタープライズ事業)

組込み分野は、モビリティがライセンス売上・開発案件ともに引き続き好調に推移したことに加え、コロナ禍で止まっていたカラオケ案件が始動し始めるなど事業環境は好転しているものの、ネットワーク組込みシステム開発の大規模フェーズ終了の影響が大きく、減少いたしました。新規分野は、オンライン上でコミュニケーションを行うゲーム開発者交流イベントやファンエンゲージメント向上に寄与するシステムなど、複数案件を受注し新たな可能性を開拓したものの、前期第1四半期にあったデジタル展示会プラットフォーム「CRI DXExpo(シーアールアイ ディーエックスエキスポ)」の大口売上がなくなった影響が大きく、減少いたしました。当セグメントの売上高は676,822千円(前期比8.2%減)、セグメント損失は56,338千円(前期は40,000千円のセグメント損失)となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産の部)

当連結会計年度の資産の部は、前連結会計年度末に比べて515,651千円減少し、5,016,660千円となりました。これは主に、「現金及び預金」の減少(前連結会計年度末に比べて575,386千円の減少)、「その他流動資産」の減少(前連結会計年度末に比べて50,232千円の減少)及び「投資その他の資産」の減少(前連結会計年度末に比べて167,003千円の減少)があった一方、「売掛金及び契約資産」の増加(前連結会計年度末に比べて112,012千円の増加)、「有形固定資産」の増加(前連結会計年度末に比べて75,398千円の増加)及び「無形固定資産」の増加(前連結会計年度末に比べて99,812千円の増加)によるものであります。

(負債の部)

当連結会計年度の負債の部は、前連結会計年度末に比べて90,135千円減少し、1,480,446千円となりました。これは主に、「未払法人税等」の減少(前連結会計年度末に比べて43,082千円の減少)、「その他流動負債」の減少(前連結会計年度末に比べて81,728千円の減少)及び「賞与引当金」の減少(前連結会計年度末に比べて11,220千円の減少)があった一方、「買掛金」の増加(前連結会計年度末に比べて48,779千円の増加)によるものであります。

(純資産の部)

当連結会計年度の純資産の部は、前連結会計年度末に比べて425,516千円減少し、3,536,213千円となりました。これは主に、「親会社株主に帰属する当期純損失」の計上及び配当金の支払いによる「利益剰余金」の減少(前連結会計年度末に比べて448,736千円の減少)及び「その他有価証券評価差額金」の減少(前連結会計年度末に比べて8,100千円の減少)があった一方、「為替換算調整勘定」の増加(前連結会計年度末に比べて23,500千円の増加)によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ575,787千円減少し、3,317,767千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下の通りです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果得た資金は23,320千円(前連結会計年度は546,151千円の獲得)となりました。これは主に、減価償却費の計上131,792千円及び減損損失の計上217,324千円並びに投資有価証券評価損の計上215,799千円の資金の増加要因があった一方、税金調整前当期純損失の計上314,937千円、売上債権の増加額106,209千円及びその他流動資産の増加額24,418千円並びに法人税等の納付額90,146千円の資金の減少要因があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動により使用した資金は527,021千円(前連結会計年度は39,878千円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出98,761千円、有形固定資産の取得による支出87,986千円及び無形固定資産の取得による支出344,774千円並びに敷金及び保証金の差入による支出13,400千円の資金の減少要因があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動により使用した資金は97,013千円(前連結会計年度は32,070千円の獲得)となりました。これは主に、配当金の支払いによる支出96,925千円の資金の減少要因があったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

当連結会計年度の当社グループに係る生産、受注及び販売の実績は次のとおりであります。

なお、当社グループは、ミドルウェア使用許諾及びサポートによる売上が主でありますが、生産、受注という概念と馴染まないため、下記、生産実績及び受注状況の表については受託売上について記載しております。

 

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績を分野ごとに示すと、次のとおりであります。

 

区分

当連結会計年度(千円)
(自 2021年10月1日
 至 2022年9月30日)

前年同期比(%)

ゲーム事業

837,273

△4.6

エンタープライズ事業

348,553

△17.0

合計

1,185,827

△8.6

 

(注) 金額は販売価格によっております。

 

b. 受注状況

当連結会計年度の受注状況を分野ごとに示すと、次のとおりであります。

 

区分

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

ゲーム事業

890,555

+5.0

53,281

エンタープライズ事業

352,953

+22.5

11,000

+66.7

合計

1,243,509

+9.4

64,281

+874.0

 

 

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績を分野ごとに示すと、次のとおりであります。

 

区分

当連結会計年度(千円)
(自 2021年10月1日
 至 2022年9月30日)

前年同期比(%)

ゲーム事業

2,164,074

+0.4

エンタープライズ事業

676,822

△8.2

合計

2,840,897

△1.8

 

(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度
(自 2020年10月1日
 至 2021年9月30日)

当連結会計年度
(自 2021年10月1日
 至 2022年9月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社セガ

158,001

5.5

147,878

5.2

 

 

(2) 経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確定性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。この連結財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 「当連結会計年度の経営成績等」及び「セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況」に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

ゲーム事業においては、ミドルウェア一括ライセンス契約の受注や新規ゲーム開発案件にかかる売上計上があったものの、スマホ向けF2P売上の減少や中国ロックダウンの影響等によるコンテンツ制作の受注減及び既存アプリ運営の赤字幅増加により増収減益となりました。またエンタープライズ事業においては、モビリティのライセンス売上及び開発案件が好調に推移するとともに、カラオケ案件の再始動があったものの、ネットワーク組込みシステム開発の大規模フェーズ終了の影響が大きく、減収減益となりました。その結果、売上高は2,840,897千円(前連結会計年度比1.8%減)となりました。

(売上原価、売上総利益)

売上原価は1,493,363千円(前連結会計年度比4.4%増)となりました。これは主に、新卒採用等による人件費の増加及び既存アプリ運営における外注費の増加によるものであります。この結果、売上総利益は1,347,534千円(前連結会計年度比7.9%減)となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

販売費及び一般管理費は1,250,109千円(前連結会計年度比6.1%増)となりました。これは主に、新卒採用等による人件費の増加、減価償却費の増加及び貸倒引当金の繰入によるものであります。なお、当連結会計年度における研究開発費は76,946千円(前連結会計年度比4.0%増)となりました。この結果、営業利益は97,424千円(前連結会計年度比65.8%減)となりました。

(営業外収益、営業外費用及び経常利益)

営業外収益は、主として為替差益、受取配当金及び補助金収入等により47,409千円(前連結会計年度比17.5%減)となり、営業外費用は、主としてオフィス移転費用等により6,327千円(前連結会計年度比2.2%増)となり、この結果、経常利益は138,506千円(前連結会計年度比58.7%減)となりました。

(特別損失及び税金等調整前当期純損益)

特別損失は、減損損失及び投資有価証券評価損により453,443千円(前連結会計年度比913.8%増)となり、この結果、税金等調整前当期純損失は314,937千円(前連結会計年度は291,002千円の税金等調整前当期純利益)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純損益)

税金費用は、21,480千円(前連結会計年度比73.9%減)となり、この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は339,600千円(前連結会計年度は199,702千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 

b. 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループにおける中長期的な事業拡大と企業価値向上のために必要な資金需要の主なものは、人件費等の原価、販売費及び一般管理費の営業費用及び研究開発費であり、自己資金により賄っております。

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの主な増減要因につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」欄に記載のとおりであります。

 

c. 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、中長期的な事業拡大と企業価値向上をめざしており、売上高の持続的な成長と20%程度の営業利益率を重要な経営指標としております。

当連結会計年度は、売上高2,840,897千円(前期比1.8%減)、営業利益97,424千円(営業利益率3.4%)となりました。売上高は5期連続の増収とはならず微減、営業利益率は子会社アールフォース・エンターテインメントの赤字幅拡大やエンタープライズ事業の赤字が影響し、悪化いたしました。引き続き、子会社とエンタープライズ事業の収益改善に取り組み、中長期的に20%程度の営業利益率をめざしてまいります。ただし、当面はCRI TeleXusへの研究開発投資や、モビリティへのソフトウェア投資を優先して行うため、営業利益率は一時的に低下する見込みです。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

販売等の契約

契約相手

上海希艾維信息科技有限公司

契約書名

CRIWARE 再販売契約書

契約締結日

2019年6月1日

契約内容

当社が提供するソフトウェアに関するノウハウの提供及び再販売に係る契約

 

 

5 【研究開発活動】

研究開発をベースに許諾製品を開発することが当社の主要ビジネスであるため、新技術の検証や研究には柔軟に工数を割りあてております。

(1) 研究開発方針について

音声・映像・画像分野の最新技術動向を把握しつつ、実際の開発環境やユーザー環境に適用できるようなテーマの研究開発を行っております。

また、顧客や見込み顧客と接する中で、必要とされる技術、必要とされそうな技術テーマについて取り組んでおります。

 

(2) 研究開発分野について

音声・映像・画像にかかわる技術を核として、ゲーム向けや、ネットワーク通信関連の研究開発を進めております。

既に提供中のツール・ミドルウェアについても、新規プラットフォームの対応や、機種固有機能の活用などの研究開発を行っております。
 

(3) 研究開発体制について

各開発チームが担当する顧客分野において、必要とされる技術を中心に最高技術責任者が方針を決定し、研究開発を進めております。開発チーム間での情報共有を行い、研究成果は他分野への活用も模索いたします。製品化の目途が立った段階で、経営判断を行い製品開発にシフトいたします。また、研究開発の後に顧客との受託契約を締結し、受託開発に移行する場合もあります。

 

(4) 研究開発活動の主な成果

動画関連技術については、Nintendo Switch™用の動画視聴アプリ「ABEMA」に、ネットワーク動画再生機能を提供しました。また、iOS用カラオケアプリにビデオチャット機能を提供しました。

スマートフォンゲーム向けには、ダウンロード時間を高速化する機能をCRIWAREに追加し、ゲームの待ち時間削減に貢献しました。

 

なお、当連結会計年度の研究開発費総額は、76,946千円であります。