当期における我が国経済は、政府の経済政策を背景に企業収益の改善や雇用情勢の持ち直しがみられるなど、緩やかな回復基調が続いているものの、新興国の景気減速や英国のEU離脱問題、米国の大統領選挙後の株価や円相場の急激な変動など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
国内食品業界におきましても、消費者の低価格志向は強まっており、厳しい環境が続いております。
このような状況のもと当社は、大手ユーザーとの取組み強化や新商品の販売を全社一丸となって取り組むとともに、円高による原価の低減や新規取引先開拓など収益力の向上に取り組んでまいりました。以上の結果、骨なし魚事業におきましては、新魚種の導入や大手問屋PB商品の販売強化によりシェア拡大を図りましたが、主要な販売先の購買方針変更による売上減少が影響して売上高12,329,036千円(前年同期比5.6%減)、ミート事業におきましては、「楽らく匠味シリーズ」の販売が引き続き好調に推移したことにより売上高2,814,799千円(前年同期比2.9%増)、その他事業におきましては、新商品の販売強化や大手ユーザーとの取組み強化が寄与して売上高11,960,999千円(前年同期比2.2%増)となりました。これにより当期の売上高は27,104,835千円(前年同期比1.5%減)となりました。
損益面につきましては、一部指定替え上場手数料や基幹システム更新による減価償却費の増加があったものの、原価の低減に取り組んだことにより、営業利益は1,270,260千円(前年同期比8.6%増)、経常利益は1,282,946千円(前年同期比8.8%増)、当期純利益は867,341千円(前年同期比10.6%増)となりました。
当事業年度末における現金及び現金同等物は2,356,995千円と前事業年度末と比べ494,728千円(26.6%)の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、976,557千円の収入(前期は335,614千円の収入)となりました。税引前当期純利益が1,295,780千円、未払消費税等の増加が75,150千円、法人税等の支払が334,960千円ありました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、135,604千円の支出(前期は6,254千円の収入)となりました。貸付金の回収による収入が250,000千円あった一方で、無形固定資産の取得による支出が130,400千円、貸付けによる支出が240,000千円ありました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、346,042千円の支出(前期は346,091千円の支出)となりました。配当金の支払が330,455千円ありました。
該当事項はありません。
当事業年度における仕入実績は、次のとおりであります。
|
事業の名称 |
仕入高(千円) |
前年同期比(%) |
|
業務用冷凍食品卸売 |
22,644,293 |
97.1 |
|
合計 |
22,644,293 |
97.1 |
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
該当事項はありません。
当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。
|
事業の名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
業務用冷凍食品卸売 |
27,104,835 |
98.5 |
|
合計 |
27,104,835 |
98.5 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
我が国経済は、政府の経済政策を背景に企業収益の改善や雇用情勢の持ち直しがみられるなど、緩やかな回復基調が続いているものの、新興国の景気減速や英国のEU離脱問題、米国の大統領選挙後の株価や円相場の急激な変動など、依然として先行き不透明な状況が続いております。国内食品業界におきましても、消費者の低価格志向は強まっており、厳しい環境が続いております。このような環境の中で当社におきましては、エンドユーザー様の「安全安心でおいしく、安価で簡単調理な商品を」というニーズに対して満足して頂ける商品の提供が、当社の使命であると認識しております。また、高付加価値商品を開発して価格競争からの回避を図ることも当社の重要な基本戦略であります。
以上の基本戦略を遂行するため、以下の課題に重点的に取り組んでまいります。
(1) 商品の競合に関する課題
当社は、当社独自技術の下、凍ったまま調理できる「楽らくクックシリーズ」や「楽らく匠味シリーズ」など、エンドユーザー様にご満足頂ける高付加価値商品の提供に注力しております。また、当社商品は、トレーサビリティなど徹底した品質管理により安全安心を追求し、競合商品との差別化を図っております。
しかし、競合他社も当社商品よりもさらに優れた骨なし魚やミート商品を開発し、あるいは当社と同様の技術で当社より安価な骨なし魚やミート商品を販売し、当社商品の競争力が低下する可能性も想定されます。これに対処するため、当社としては、安価な骨取り魚の取組みや海外生産工場の拡充により仕入価格のコストダウンを図るとともに、新商品の販売強化や末端ユーザー様への直接営業の強化を図ることにより、当社商品の優位性の維持・拡充に努めてまいります。
(2) 単一事業に関する課題
当社は国内における業務用冷凍食品卸売事業の専業であり、将来的な国内需要の減少、景気の動向等により業務用冷凍食品事業の市場規模が縮小する可能性も想定されます。これに対処するため、エンドユーザー様の満足度をより高めることでユーザー様からの支持向上に努めることに加え、今後拡大が予想されるシルバー市場の需要取り込みや、販売チャネル・方法の多様化等を行うことで収益構造の多角化に努めてまいります。
(3) 生産拠点に関する課題
当社が取り扱う商品の約60%が海外の生産拠点に依存しており、そのうち約50%が中国の生産拠点に依存していることから、生産拠点の分散が不可欠であると考えております。今後は、タイ、ベトナムなどに生産拠点を新設・拡充するとともに、国内シフトも一部推し進めていくことにより生産拠点におけるリスクの分散を図り、生産管理体制の強化に取り組んでまいります。
本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 商品の仕入れについて
① 食品の安全性の問題
当社は、消費者に安全・安心な食品の提供を常に心がけ、仕入先である国内外の協力工場に対する衛生・品質管理を徹底しております。しかしながら、当社の管理体制でカバーしきれない不測の商品クレームなどが大量に発生した場合、商品の回収または被害者への賠償など想定外の費用の発生により当社の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また原材料の調達、当社商品の加工・製造を行っている国や地域において発生した食品の安全性に係わる問題の発生により、出荷制限や輸入禁止措置が発令された場合など、原材料の調達及び商品の供給に支障をきたし当社の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 原材料の市況変動について
当社の協力工場では国内外から水産物・畜肉をはじめとする原材料を買付しており、分散調達や協力工場に対し計画的に発注することにより特定の仕入先への集中の回避と安定した数量の確保を図っております。しかし、漁獲規制の強化、水揚げ数量や相場の変動、感染性疾病等による生産量の低下などによって予想以上に原料市況に影響を与える事象が生じた場合には、当社の商品に欠品が発生するなどにより当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 為替レートの変動について
当社は、骨なし魚など海外からの仕入の比率が約60%あるため、為替変動の影響を受ける事業を行っております。急激な為替レートの変動により仕入価格が高騰した場合に販売価格への転嫁が遅れる可能性があり、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 一括物流センターについて
当社は大半の仕入商品を株式会社ヒューテックノオリンの冷凍食品物流機能を利用して一括納品しております。物流コスト等の条件面については都度他社とも比較検討しております。一方、天災等の大規模な災害や何らかの事由により、同社の物流システムが影響を受けた場合、また商品の保管や配送において正常な事業活動を行うことができなくなった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 特定の仕入先への依存について
重要な仕入先であるセイショウフーズ株式会社と株式会社三翔からの仕入高が当社仕入高に占める割合は、それぞれ前者が17.0%(平成28年3月期)、16.6%(平成29年3月期)、後者が14.5%(平成28年3月期)、13.9%(平成29年3月期)となっております。当社は、協力工場に対して分散調達することにより特定の仕入先からの依存度の低下を図っておりますが、当該企業との契約期間の満了、解除等による取引の終了や、天災等により当該企業の生産体制に重大な支障が発生した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 商品の販売について
① 得意先の経営破綻について
当社は、得意先に対する債権の回収不能という事態を未然に防ぐべく、情報収集・与信管理等、債権保全に注力していますが、今後予期せぬ得意先の経営破綻が発生した場合には、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 食の安全性に関する風評被害について
過去における食品偽装問題等、食の安全性をおびやかす事態が発生し、当社が取扱う商品に問題がない場合でも、報道等により消費者の不安心理が高まり、受注が減少する等により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 知的財産権について
① 当社保有の知的財産権について
当社では「冷凍骨抜き魚身及びその加工方法」「加熱処理した魚の製造方法」「凍ったまま調理できる冷凍魚の製造方法および冷凍魚」「湯せん・蒸し調理用魚介類包装冷凍食品及びその製造方法」「施設調理用冷凍揚物の製造方法及び施設調理用冷凍揚物」の5つの製造特許を取得しております。今後も知的財産権の保全に積極的に取り組む予定ですが、当社の知的財産権が第三者に侵害された場合には、解決までに多くの時間及び費用がかかるなど、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 当社による第三者の知的財産権侵害について
当社による第三者の知的財産権の侵害については、可能な範囲で調査を行い対応しております。しかしながら、当社の事業領域における第三者の知的財産権を完全に把握することは困難であり、当社が認識せずに他社の特許を侵害してしまう可能性は否定できません。この場合には当社に対する損害賠償請求や、ロイヤリティの支払要求等が行われることにより、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 情報システムの運用について
当社は、販売、購買、管理等の情報をコンピュータにより管理しています。これらの情報システムの運用については、コンピュータウイルス感染によるシステム障害やハッキングによる被害及び外部への社内情報の漏洩が生じないよう万全の対策を講じています。しかしながら、当社の想定を超えた技術による情報システムへの不正アクセスやコンピュータウイルスの感染などにより、当社の情報システムに障害が発生したり、外部へ社内情報が流出する事態が発生した場合、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 人材の確保・育成について
当社が今後の成長を実現していくためには、営業、開発、経営管理等の各方面において優秀な人材を確保・育成していくことが重要な課題と認識しており、必要な施策を実施しています。しかしながら人材の確保・育成ができなかった場合には、当社の事業目的の達成が困難となる可能性があります。
(6) 繰延税金資産等について
当社では、将来の課税所得等に関する予測に基づき回収可能性を慎重に検討した上で繰延税金資産等を計上しています。しかし、今後の業績動向により、一部ないし全部について回収可能性が低いと判断された場合、繰延税金資産等の計上額が修正され、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 法的規制等について
当社の事業を展開するうえで様々な法的規制を受けており、食品関係では食品衛生法・製造物責任法・食品リサイクル法・JAS法等の各種法規制に服しております。本書提出日現在これら法的規制の違反はなく、法的規制の順守に努めておりますが、将来、当社の事業に関連する新たな法的規制の成立、または既存の法的規制の改正・強化等が行われた場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 自然災害への対応について
当社は、大規模な地震をはじめとする自然災害が発生した場合に備え、危機管理総括マニュアルを整備し、定期的な訓練により社内への浸透を図っておりますが、被害が発生した場合には、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 関連当事者取引について
当社の筆頭株主は株式会社フルタであり、本書提出日現在で当社発行済株式総数の45.82%を所有しております。同社は古田耕司氏及びその近親者が全株式を所有する資産管理会社であります。一方、古田耕司氏及びその近親者が議決権の過半数を所有する株式会社昔亭・フルタフーズ株式会社は、当社商品の製造委託会社の一部であります。
① 株式会社昔亭について
株式会社昔亭とは商品の仕入取引を行なっており、当社の主力商品である「楽らく匠味シリーズ」等の製造を委託しております。取引価格につきましては、第三者間取引と同様、市場での販売価格を勘案して決定しております。なお、同社との取引は今後も継続する方針であります。
② フルタフーズ株式会社について
フルタフーズ株式会社とは商品の仕入取引を行なっており、主に「アメリカンドッグ」等の製造を委託しております。取引価格につきましては、株式会社昔亭同様、市場での販売価格を勘案して決定しております。なお、「アメリカンドッグ」につきましては同社の市場占有率が高く、他社からの入手が困難な商品のため、今後も同社との取引は継続する方針であります。
当社と関連当事者との平成29年3月期における取引金額は以下の通りであります。
(単位:千円)
|
|
株式会社昔亭 |
フルタフーズ株式会社 |
|
未収入金 |
1,034 |
337 |
|
買掛金 |
103,452 |
43,363 |
|
未払費用 |
41 |
― |
|
前受収益 |
818 |
― |
|
預り保証金 |
1,920 |
― |
|
商品仕入高 |
1,197,938 |
442,599 |
|
販売促進費 |
144 |
― |
|
運搬費 |
70 |
812 |
|
受取賃貸料 |
8,976 |
― |
|
雑損失 |
509 |
0 |
当社の経営上の重要な契約は、次のとおりであります。
|
相手先 |
相手先の |
契約品目 |
契約 |
契約期間 |
契約内容 |
|
セイショウフーズ株式会社 |
東京都港区浜松町1-9-9 |
冷凍食品 |
平成25年4月 |
1年度毎の自動更新 |
冷凍食品製造加工委託契約 |
|
株式会社三翔 |
東京都中央区八丁堀3-22-13 |
冷凍食品 |
平成17年8月 |
1年度毎の自動更新 |
冷凍食品製造加工委託契約 |
|
相手先 |
相手先の |
契約品目 |
契約 |
契約期間 |
契約内容 |
|
株式会社ヒューテックノオリン |
神奈川県川崎市川崎区東扇島29-1 |
冷凍食品 |
平成18年4月 |
1年度毎の自動更新 |
貨物保管運送契約 |
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に賞与引当金、繰延税金資産及び繰延税金負債等であり、継続して合理的に評価しております。
なお、見積り及び判断・評価については、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因などに基づき行っていますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なることがあります。
(2)財政状態の分析
①資産
当期の総資産は469,717千円増加し10,016,615千円となりました。これは主にソフトウェアが27,274千円減少した一方で、現金及び預金が494,728千円、売掛金が56,752千円増加したことによるものです。
②負債
負債合計は68,579千円減少し3,046,906千円となりました。これは主に未払法人税等が112,034千円増加した一方で、未払金が196,711千円、買掛金が45,086千円減少したことによるものです。
③純資産
純資産合計は538,297千円増加し6,969,708千円となりました。これは主に配当金の支払を330,455千円行った一方で、当期純利益を867,341千円計上したことにより、利益剰余金が増加したことによるものです。これにより自己資本比率は69.6%となりました。
(3)経営成績の分析
①売上高
「1業績等の概要(1)業績」に記載のとおりであります。
②売上総利益
売上総利益は、売上高が減少したものの粗利率の改善により4,463,269千円と前期比157,032千円(3.6%)増加しました。
③営業利益
販売費及び一般管理費は、販売促進費等が減少しましたが、基幹システム更新による減価償却費の増加などにより前期に比べ増加しました。その結果営業利益は1,270,260千円と前期比100,769千円(8.6%)増加しました。
④経常利益
経常利益は、営業利益の増加により1,282,946千円と前期比103,796千円(8.8%)増加しました。
⑤当期純利益
当期純利益は、経常利益の増加により867,341千円と前期比82,830千円(10.6%)増加しました。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
「1業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(5)経営戦略の現状と見通し
当社は、安全と安心を優先に顧客に満足と感動を提供することを経営理念としております。この経営理念に基づき、業務用冷凍食品卸売事業における営業活動によりユーザーニーズを迅速・的確に掴み、ユーザー様に満足して頂ける商品の開発及び提供を行うことで業容を拡大してまいりました。
今後の見通しにつきましては、消費者の低価格指向が一層強まるなど、厳しい経営環境が続くものと予測しております。このような状況の中、当社は以下の施策により引き続き経営効率を確保しつつ業績を拡大してまいります。
まず、商品面においては、新商品骨取り魚の取組みとベトナム生産工場の拡充により仕入価格のコストダウン強化を図ってまいります。また、完全調理品や加熱済み商品の開発によって調理の人手不足に対応した商品の充実を図り、販売強化を図ってまいります。
また、販売面においては、エンドユーザー様への直接販売と新商品の取組み強化により更なる拡販を図ってまいります。
(6)経営者の問題認識と今後の方針
当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。
当社は、顧客にご満足頂ける商品の開発、同業他社に負けないコスト競争力の強化、内部統制の強化等を課題と考えております。このような状況のもと、短期的には骨なし魚事業での原価低減施策実施とユーザー様への直接販売強化による売上拡大、中長期的には骨なし魚の原材料について、自社での調達や製造委託先に対する原材料買付資金の貸し付けにより価格と供給の安定を図ってまいります。また、営業、開発、経営管理等の各方面において優秀な人材の確保、育成を図り、更なる業容の拡大を目指してまいります。