当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との対比の記載はしておりません。
当連結会計年度における我が国の経済は、政府による経済政策や日本銀行による金融緩和政策が下支えとなり、企業収益の改善が進み、設備投資も堅調に推移いたしました。それに伴い、雇用・所得環境に改善傾向が見られる等、引き続き緩やかな回復基調が続いております。
一方で、我が国の非労働人口における就業希望者は、平成27年平均で約412万人であり、内訳としては、女性が約301万人とおよそ4分の3を占めております。その理由として最も多く挙げられているのが「出産・育児のため」であり、約95万人が回答しております。また、「適当な仕事がありそうにない」と回答している人数は、男女計で約121万人となっており、現在、多くの国民が働きたくても、何らかの事情で働くことが出来ない状況にあることが窺えます。(出典:総務省「平成27年 労働力調査」)
このような環境の中、当社は『"働く"を通して人々に笑顔を』というミッションの下、時間や場所にとらわれない新しい働き方の選択肢を提供すべく事業を推進してまいりました。
クラウドソーシング事業においては、広告投資を抑制しながらも着実に会員数を増やし、平成28年8月に100万人を突破いたしました。また、ユーザー数の増加に伴い、クライアント数も規模を問わず幅広く増加し、平成28年9月時点で13.8万社となっております。プラットフォームサービスにおいては、ユーザー数の増加に伴い各指標が順調に伸びたことに加え、エンタープライズサービスにおけるクライアントのプラットフォーム利用も進んだことにより、より良質かつ大口のクライアントが、プラットフォームの成長をより後押しし、その結果、総契約額・営業収益共に過去最高を更新、より多くの人々に新しい働き方の選択肢を提供することに成功いたしました。
その一方で、積極的な投資を行った前事業年度から引き続き、事業拡大のための人員増加に伴う人件費や、人員採用に伴う採用教育費、オフィス移転に伴う地代家賃等、営業費用が増加しております。加えて、当社が保有する投資有価証券につき、実質価額が簿価を著しく下回っていることから、特別損失として投資有価証券評価損12,661千円を計上いたしました。
以上の結果、当連結会計年度において、営業収益は1,228,887千円と順調に拡大した一方で、営業損失593,090千円、経常損失590,093千円、親会社株主に帰属する当期純損失647,577千円となりました。なお、当社の報告セグメントは「クラウドソーシング事業」のみであり、その他の事業セグメントは開示の重要性が乏しいため、記載を省略しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は2,105,478千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、365,613千円となりました。主な増加要因としては減価償却費16,585千円、減損損失32,798千円の計上及び預り金の増加223,678千円、未払金の増加46,726千円がありました。一方で主な減少要因としては、税金等調整前当期純損失635,493千円の計上及び営業投資有価証券の増加46,554千円がありました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は113,877千円となりました。主な増加要因としては、本社移転に伴う敷金の回収による収入55,581千円であります。主な減少要因としては、定期預金の預入による支出96,000千円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出38,889千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、22,601千円となりました。主な増加要因としては、短期借入金の増加による収入32,000千円であります。
生産に該当する事項が無いため、生産実績に関する記載はしておりません。
受注生産を行っておりませんので、受注状況に関する記載はしておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。なお当社グループの報告セグメントはクラウドソーシング事業の単一セグメントであります。
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セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
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クラウドソーシング事業 |
1,228,887 |
― |
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(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当社グループは当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前年同期は記載しておりません。
当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりであります。
(1)国内クラウドソーシング市場の拡大
急速な成長を続けるクラウドソーシング市場の中で、リーディングカンパニーの1社として市場を牽引する立場であり続けることが当社グループの成長においても重要であると考えており、平成26年5月に業界団体となる「クラウドソーシング協会」を設立し、当社代表が代表理事を務めるなど、国内クラウドソーシング市場の形成と発展に取り組んでおります。同時に、企業におけるクラウドソーシング活用や在宅ワークの社会的普及を促すべく、政府・地方自治体などと連携した取り組みをさらに強化してまいります。当該市場の拡大や業界の認知度向上により、当社は国内クラウドソーシング市場における総契約額100億円の早期達成を目指し事業を推進してまいります。また、クラウドソーシングの新たな形として、個人のスキルや強みを売り買いすることの出来る新サービス「WoW!me(ワオミー)」を開始予定。今後も、新たな市場開拓を行い、国内クラウドソーシング市場の発展に貢献してまいります。
(2)サービスの認知度向上
当社グループが今後も高い成長率を持続していくためには、運営サービスである「クラウドワークス」の認知度を向上させ、新規ユーザーを獲得することが必要不可欠であると考えております。従来の積極的な広報活動に加え、インターネットを活用したマーケティング・広告活動、大手企業との連携、全国各地でのセミナー活動、お笑いコンビ「キングコング」西野亮廣氏のデタラメ顧問就任等、年齢や性別を問わずより多くの人々に対する認知度向上に向けた取り組みを行ってまいりました。引き続き、これらの活動をより一層強化・推進してまいります。
(3)一般層でも簡単に利用出できるシンプルかつ快適なサービスへの進化
当社グループが運営する「クラウドワークス」は、サービス開始以来4年6か月(平成28年9月末時点)で登録ユーザー数が104.8万人、発注企業が13.8万社を超え、日本最大級のクラウドソーシングサービスに成長しております。今後、拡大した登録ユーザーを活性化し、「クラウドワークス」で得た仕事による報酬を増やしていくため、発注者が仕事を投稿する際の煩わしさや複雑さを減らして仕事の量を増やすとともに、受注者にとって利用時の障害となるシステム利用料を撤廃する等、プラットフォームサービスの使いやすさ向上に取り組んでまいります。
(4)長期契約型クラウドワーキングの浸透
「クラウドワークス」上での取引の多くは、単発契約の割合が高く、長期安定的な就業機会の提供は限定的なものに留まっているのが現状です。しかし、海外の主要クラウドソーシングサービスでは、発注企業と時給制で契約を結び、同じ企業をクライアントとして長期間働くスタイルが普及しており、国内においても、働き方の選択肢として長期契約型クラウドワーキングの浸透が求められています。当社グループでは、オンラインワークとオフィスワークを組み合わせた働き方で発注企業と受注者が信頼関係を築くことにより長期的な契約を促すサービス「クラウドテック」を展開。新しい働き方の一つとして定着させていくことを目指します。
(5)大企業クライアントの開拓と深耕
社会的影響力が強く、人材ニーズが大きい大企業との取引を増やすことは、クラウドソーシング普及と当社グループの営業収益拡大において非常に重要な意味を持ちます。当社グループは、大企業クライアントを開拓し継続的な取引を実現するため、エンタープライズサービスにおいて、大企業独特の課題、内規やオペレーションに応じたサービスのカスタマイズとソリューション提案の強化を図っております。今後、大企業クライアントに対応出来る人材の育成とともに、大企業が導入しやすい汎用的なクラウドソーシング業務のパッケージ商材化、重点クライアントに対するフォローアップ体制の強化を進め、営業並びにディレクション業務の効率向上、事業成長スピード向上に取り組んでいきたいと考えております。
(6)取引データの蓄積・解析体制の強化
「クラウドワークス」上での取引の情報は、日々当社データベースに蓄積されています。当社では現在、500以上の指標を自動生成する管理システム「professor」を独自開発し、「クラウドワークス」上での取引やユーザーの動きを把握し、PDCAサイクルを高速で回せるしくみを整備しておりますが、より高度なデータ活用を行っていく必要があると考えております。どのようなクライアントがどのような仕事をどのような単価で発注したか、どのようなスキルや実績を持つメンバーが仕事を受注した結果、クライアントからどのような評価を得たかという、クラウドソーシングプラットフォームならではの情報をビッグデータとして蓄積し、独自に解析することで、仕事とメンバーのマッチング率を高めたり、各メンバーが報酬水準を上げていくために習得すべきスキルを提案し教育プログラムの受講を促すなど、サービスレベルとユーザーのロイヤリティを向上させていくことが今後のサービス拡充においては必要不可欠であると考えております。そのため、取引を通じて取得するデータの整備とこれを独自に解析していくための体制構築に取り組んでまいります。
(7)蓄積データを活用した新規事業の育成
ユーザーがライフステージの変化に応じてクラウドワーキング以外の働き方を希望した際、ユーザーが「クラウドワークス」上で働いたデータを活用してキャリアチェンジをサポートできることは、当社グループならではの価値です。この価値を活かし、当社グループはクラウドソーシング事業に留まらないトータルキャリアサポート企業となることを目指します。
(8)サービスの安全性及び健全性の確保
「クラウドワークス」では、サービス内でユーザー同士がメッセージなどを通じてコミュニケーションを行い、原則として非対面で業務を進行することから、より安心・安全に取引を行うことができるように、サービスの安全性及び健全性の確保が最も重要な課題であると考えております。利用規約や各種ガイドラインを制定しており、安心・安全に取引が行われるような環境を整備しておりますが、今後も継続的な取り組みを行ってまいります。
(9)情報管理体制の強化
「クラウドワークス」では、ユーザーの個人情報を多く預かっており、その情報管理を強化していくことが重要であると考えております。現在、個人情報保護方針及び社内規程に基づき管理を徹底しておりますが、今後も社内教育・研修の実施やシステムの整備などを継続して行ってまいります。
(10)システムの安定性強化
当社の運営する「クラウドワークス」はインターネットを介したサービス提供を行っているため、そのシステムを安定的に稼働させることが重要になります。そのために、突発的なアクセス増加にも耐えられるようなサーバー設備の強化や、そのための人員確保、教育・研修の実施などに努めてまいります。また、自然災害、大火災等の緊急事態に備えるために、事業継続計画を策定し、安定的なサービスの提供が出来る環境を整備しておりますが、今後も蓄電池の導入等、継続的な取り組みを行ってまいります。
(11)組織体制の整備
当社グループの継続的な成長には、事業拡大に応じて優秀な人材を採用し、組織体制を整備していくことが重要であると考えております。当社の理念に共感し、高い意識を持った優秀な人材を採用していくために、積極的な採用活動を行ってまいります。また、従業員自らが「働き方革命」の体現者となるために、副業の解禁、リモートワーク・フレックスタイム制等をパッケージ化した制度「ハタカク!」を導入、働きやすい環境の整備を行ってまいりました。今後も、従業員の「個」のパフォーマンスを最大化させる労働環境の整備に取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。
また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業環境に関するリスク
① 国内クラウドソーシング市場について
当社グループが事業を展開する国内クラウドソーシング市場は、矢野経済研究所が発表した「クラウドソーシング市場に関する調査結果2014」によると平成25年度推計で215億円であり、平成25年度から平成30年度までの年平均成長率は53.3%で推移、平成30年度に1,820億円に達すると予測されており、今後も継続的な拡大が見込まれています。
これは、多額の初期投資を要し機能変更が難しい自前構築のサーバーが、月額課金のASPサービス、従量課金で最新の機能を備えたクラウドサービスへと移行していったように、人材調達の方法がフルタイムの直接雇用から人材派遣、そして、必要な時に求めるスキルやアイデアを調達できるクラウドソーシングに移行していくというトレンドに後押しされると考えております。クラウドソーシングの周辺領域には、ソフトウェア開発受託やデザイン、ビジネスプロセスアウトソーシング、人材派遣、求人広告などの幅広い市場が存在します。クラウドソーシング市場は、これらの周辺市場からの流入に加え、現在は潜在労働力となっている専業主婦やシニア、失業者などの新たな収入源として拡大する余地があると考えております。また、クラウドテック事業、BPO事業等、クラウドソーシングの周辺事業にも事業領域を拡大することで、クラウドソーシング市場の成長に過度に依存しない体制への転換を図っている最中であります。
しかしながら、上記の予測通りにクラウドソーシング市場が拡大しなかった場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
②競合他社の動向について
現在、国内でクラウドソーシング事業を展開する競合企業が複数存在しており、また、今後の市場規模拡大に伴い新規参入が相次ぐと考えております。当社グループは幅広いカテゴリの仕事に対応できるサービス構築を進めるとともに、積極的な広報活動やカスタマーサポートの充実に取り組んでおり、市場における優位性を構築し、競争力を向上させてまいりました。
今後もユーザー目線に立ってサービスをより充実させていくと同時に、知名度向上に向けた取り組みを積極的に行ってまいりますが、海外大手クラウドソーシング事業者の本格的な日本進出や、新規参入により競争が激化した場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
③新規機能の開発について
当社グループでは、次の成長の種を模索するため、「クラウドワークス」のユーザー基盤を活用した新規機能の開発を適宜ユーザーのニーズを汲み取りながら行っていきたいと考えております。
当社グループは新機能の開発計画を立て、必要に応じて外部のサポートを受けることを検討しつつ、進捗管理を適切に行っておりますが、開発が想定通りに立ち上がらなかった場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
④サイトの安全性及び健全性確保について
当社グループが運営する「クラウドワークス」では、不特定多数のユーザー同士がサービス内でメッセージ機能などを利用してコミュニケーションを図ることにより取引を行っており、これらのコミュニケーションを通じて、個人情報の流出や、違法行為が行われる危険性があります。当社グループでは、このような行為が行われることを防ぐため、利用規約及び各種ガイドラインを制定しております。また、「クラウドワークス」内に違反報告制度を設けており、ユーザーが違反を発見した場合には、当社宛に通知が届く仕組みとなっており、報告を元に適切な対応を行っております。
しかしながら、「クラウドワークス」内において利用規約及び各種ガイドラインに反したトラブルが発生した場合には、当社が責任を問われる可能性があるほか、当社サービスの信用力低下やイメージ悪化を招き、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑤システムトラブルについて
当社グループの事業は、すべてインターネットを介して行われており、そのサービス基盤はインターネットに接続するための通信ネットワークに依存をしております。安定的なサービス運営を行うために、サーバー設備等の強化や社内体制の構築を行っておりますが、アクセスの急激な増加等による負荷の拡大や地震などの自然災害や事故などにより予期せぬトラブルが発生し、大規模なシステム障害が起こった場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑥クラウドソーシング事業への依存について
当社グループの営業収益は、その大半がクラウドソーシング事業によるものであります。今後もクラウドソーシング市場が拡大していることに加え、ユーザー数の増加やサービスの拡充などにより、収益規模は拡大していくものと考えております。加えて、当社グループはクラウドテック事業等、クラウドソーシングの周辺事業にも事業領域を拡大することでクラウドソーシング事業に過度に依存しない体制の構築を図っておりますが、当社の運営する「クラウドワークス」の利用者の減少や市場規模の縮小などの要因などによりクラウドソーシング事業の営業収益が減少した場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業体制に関するリスク
①小規模組織であることについて
当社グループは平成28年9月30日現在、従業員数が137名と小規模な組織であり、内部管理体制もそれに応じたものとなっております。今後、事業の成長とともに人員の採用及び教育を行っていくとともに、内部管理体制の強化を行っていく方針でありますが、人員採用などが適切に行えなかった場合、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
②特定人物への依存について
当社の代表取締役社長である吉田浩一郎は、当社の創業者であり、設立以来、最高経営責任者として経営方針や事業戦略の立案・決定及びその遂行において重要な役割を果たしております。
当社では、最高財務責任者及び最高技術責任者を吉田の他に定めるなど、同氏に過度に依存しない経営体制の構築を進めておりますが、何らかの理由により同氏が当社の業務を継続することが困難となった場合、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
③優秀な人材の獲得・育成について
当社グループは、今後の企業規模の拡大に伴い、当社グループの理念に共感し高い意欲を持った優秀な人材を継続的に採用し、強固な組織を構築していくことが重要であると考えております。今後、積極的な採用活動を行っていく予定でありますが、当社グループの求める人材が十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
④内部管理体制の構築について
当社の継続的な成長のためには、コーポレート・ガバナンスが適切に機能することが必要不可欠であると認識をしております。管理部門の経験のある人材を確保しつつ、経験の浅いメンバーを教育し、管理体制の強化を図ることで業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、各社内規定及び法令遵守を徹底してまいりますが、事業が急拡大することにより、コーポレート・ガバナンスが有効に機能しなかった場合には、適切な業務運営を行う事ができず、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(3)法的規制に関するリスク
①個人情報の保護について
当社が運営する「クラウドワークス」では、メールアドレスをはじめとする利用者本人を識別することができる個人情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律」の適用を受けております。これらの個人情報については、個人情報保護方針に基づき適切に管理するとともに、社内規程として個人情報保護規程を定めており、社内教育の徹底と管理体制の構築を行っております。
しかしながら、何らかの理由でこれらの個人情報が外部に流出したり、悪用されるといった事態が発生した場合には、当社グループの事業及び業績並びに企業としての社会的信用力に影響を及ぼす可能性があります。
②法的規制について
当社が運営する「クラウドワークス」は、「電気通信事業法」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「特定商取引に関する法律」、「プロバイダ責任制限法」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」等といった法規制の対象となっております。
これらの法規制を遵守した運営を行ってきており、今後も社内教育や体制の構築などを行っていく予定です。また、平成26年5月には業界団体となる「クラウドソーシング協会」を設立し、業界として独自規制の制定を検討するなど、業界全体の健全性向上に努めております。しかし、今後新たな法令の制定や、既存法令の強化などが行われ、当社が運営する事業が規制の対象となるなど制約を受ける場合には、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
③知的財産権について
当社グループでは、当社グループが運営する事業に関する知的財産権の獲得に努めるとともに、運営する「クラウドワークス」内においては、違反報告制度を導入するなど、第三者の知的財産権侵害などが起こらないような管理体制の構築を行っております。また、エンタープライズサービスにおいては、納品された成果物に関して、知的財産権の侵害が行われていないことを当社内において確認する体制を構築しております。
しかしながら、当社の認識していない知的財産権が既に成立していることにより当社の事業運営が制約を受ける場合や、第三者の知的財産権侵害が発覚した場合などにおいては、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(4)その他
①継続的な投資と経常赤字について
当社グループは、継続的な成長のため、認知度の向上、ユーザー数の拡大、大企業を中心としたクライントの開拓・深耕などに取り組んでいかなければならないと考えております。会社設立以降、これら取り組みを積極的に進めていることもあり、第5期までの業績は経常赤字となっております。
予実管理及び、投資効果の測定の徹底により、当期業績や中期経営計画の達成状況を確認してまいりますが、予実差異が当初の計画を大幅に上回った場合は、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
②新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社グループは、当社取締役、従業員に対するインセンティブ、及び、資金調達を目的とし、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。平成28年9月30日時点で新株予約権による潜在株式数は2,727,000株であり、発行済株式総数13,277,660株の20.9%に相当しております。
③税務上の繰越欠損金について
第5期事業年度末には、当社に税務上の繰越欠損金が存在しております。当社の業績が事業計画に比して順調に推移することにより、繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、当期純損益及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
④自然災害に関するリスク
地震、風水害等の自然災害により事務所、システム等の設備、社員等に被害が発生した場合には、事業継続計画(BCP)の策定、防災訓練の実施、社員安否システムの導入検討等、防災管理体制強化の対策を講じておりますが、被害を完全に回避できるものではなく、災害の規模によっては主要設備、データの損傷等により、当社グループの業績及び財政状況が悪影響を受ける可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、2,911,302千円となりました。
流動資産は2,702,626千円となり、主な内訳は現金及び預金が2,132,290千円、売掛金が210,638千円、未収入金が199,679千円となっております。
固定資産は208,675千円となり、主な内訳は有形固定資産が72,175千円、投資その他の資産が134,187千円となっております。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、1,153,937千円となりました。
流動負債は1,106,425千円となり、主な内訳は、短期借入金が32,000千円、未払金が207,409千円、預り金が707,616千円となっております。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は1,757,364千円となりました。
(3)経営成績の分析
(営業収益)
当連結会計年度の営業収益は、1,228,887千円となりました。これは認知度の向上によるメンバー(受注者)の増加やエンタープライズサービスの積極的な推進により、大企業を中心に発注量が大幅に増えたことで、「クラウドワークス」上での取引が拡大したためであります。
なお、当社の報告セグメントは「クラウドソーシング事業」のみであり、その他の事業セグメントは開示の重要性が乏しいため、記載を省略しております。
(営業費用、営業損益)
当連結会計年度の営業費用は、1,821,977千円となりました。これは事業の拡大に伴う人員の増加による給与等の支払いが増大したことによるものです。この結果、営業損失は593,090千円となりました。
(経常損益)
当連結会計年度において営業外収益が4,296千円、営業外費用が1,299千円発生しております。この結果、経常損失は590,093千円となりました。
(当期純損益)
当連結会計年度において、特別損失45,459千円が発生しております。この結果、税金等調整前当期純損失は635,493千円となり、法人税等の計上により、親会社株主に帰属する当期純損失は647,577千円となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループは、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載の通り、市場の成長、競合他社、人材の確保・育成、法的規制など様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。短期的には、エンタープライズサービスの対応人員を中心に優秀な人材を採用することにより関連費用が先行して発生しますが、増強した組織体制により大企業クライアントを開拓・深耕することで安定的収益基盤を構築すると同時に、拡大する案件を効率的かつ確実に処理するためのディレクション体制の強化に取り組み、事業規模拡大と効率化を両立させることにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を出来る限り分散し、リスクの発生を抑えてまいります。
(6)経営戦略の現状と見通し
当社グループは、会社設立以来クラウドソーシング事業を主要な事業として展開しており、日本国内におけるクラウドソーシング市場の拡大に寄与してまいりました。
当社グループでは、今後もクラウドソーシング事業に注力し、その市場規模の拡大とともに、長期に渡る成長の基盤となるプラットフォームを構築し、事業の足固めを図る方針であります。新規ユーザー獲得に向けた「クラウドワークス」のPR・マーケティング活動の強化や行政等と連携したクラウドソーシングの普及活動、大企業クライアントの開拓・深耕に向けた営業体制の構築、幅広い仕事に最適化するシステム改修やカテゴリ特化型クラウドソーシングプラットフォームとの提携、データ解析体制の強化などに経営資源を投下し、収益機会の拡大を目指すとともに、社内インフラの整備とオペレーションの仕組化により効率性の高い組織を作り、収益性の向上を図っていく方針です。