第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 (1) 財政状態及び経営成績の状況

当社グループは当中間連結会計期間(2025年1月1日から2025年6月30日まで)において成長戦略に挙げたテーマに取り組んで参りました。

情報プラットフォーム事業については、当期からこれまでの契約社数増に重点をおいた活動から顧客あたりの売上高向上を推進する方針へと転換しました。これに伴い、営業部の組織変更を実施し新規/既存顧客からグローバル/複数社契約を獲得する活動を推進しました。また、インド子会社及び前期に設立した深圳子会社の営業人員の採用を進め現地におけるローカル企業の契約獲得を推進するための人員増を図りました。コンテンツ面においては、販売台数カスタマイズ集計機能を新たに実装し、メーカー、モデル、パワートレインなどの項目をユーザーが自由に選択できるようにすることで台数データを様々な切り口で集計可能にするとともに、これまで蓄積してきた一次情報についてコンテンツ間でシステム的に連携させることで関連情報を一度に閲覧できるようにするなどユーザーエクスペリエンスの向上を図りました。また、BYDを筆頭に躍進著しい中国メーカーの情報をさらに強化するため中国市場に関するコンテンツを増強しました。さらに、トランプ政権による関税引き上げが自動車産業に大きな影響を与えるとの懸念から、メディアからの問い合わせが増加しテレビ・新聞といった媒体を通じて当社名がクレジットされ認知度向上に寄与しました。以上の結果、売上高、セグメント利益ともに前年同期比で増加しました。

情報プラットフォーム事業以外の事業について、市場予測情報販売事業は、販売本数が前年同期比で増加し、さらに、平均販売単価も上昇した結果、売上高、セグメント利益ともに増加しました。プロモーション広告事業は、引き続きリピート受注が好調に推移し、売上高、セグメント利益ともに増加しました。分解調査データ販売事業は、売上高は増加しましたが、固定費増加の影響を受けセグメント利益は減少しました。車両・部品調達代行事業は、売上高、セグメント利益ともに1桁台の増加にとどまりました。コンサルティング事業は、自動車/大手部品メーカーから付加価値の高い案件発注が増加傾向にあり平均受注単価は向上しましたが、受注件数が前年同期比減となり売上高も減少しました。自動車ファンド事業は、関連会社である「自動車産業支援ファンド2021投資事業有限責任組合」から毎期定額で受領する管理報酬を売上として計上しているため、売上高はほぼ横ばいで推移しました。車両分解・計測事業は、前年同期で計上したような大型の計測案件が当期は計上されず売上高は前年同期比で大きく減少しました。人材紹介事業は、引き続き低調に推移しセグメント利益は前年同期比で減少しました。

自動車産業界においては、BYDを筆頭に中国の自動車メーカーによる攻勢を受け日系・欧米メーカーが苦戦を強いられていることに加え、最大市場である中国では過度な値引き競争が起こるなど業績全体の利益水準が低下傾向にあります。さらに、トランプ政権の関税政策により産業界の先行きに対する不確実性が急速に高まったことで多くの自動車/部品メーカーで経費削減や予算執行を延期したり停止する動きが加速しており、この影響から当社グループ全体の業績についても、足元では、市場予測情報販売、プロモーション広告事業を除くすべての事業で受注低迷やサービス解約が増加するなど厳しい状況になっております。この結果、売上高は2,929百万円(前年同期比5.2%増加)、また、営業利益については、前年下期に設立したベンチマークセンター、深圳子会社、及び福岡コールセンターに係る固定費増の影響も受け1,071百万円(前年同期比3.7%減少)、経常利益は、持分法による投資損失10百万円を計上したものの受取利息及び受取配当金等を計上したことから1,081百万円(前年同期比3.4%減少)、親会社株主に帰属する中間純利益は、751百万円(前年同期比4.6%減少)となりました。

通期の業績予想に対する進捗については、売上高で45.1%、営業利益、経常利益では、それぞれ43.8%及び44.1%、親会社株主に帰属する中間純利益については44.0%となっております。

 

 

また、四半期ごとの業績については以下のとおり推移しました。

 

○ 四半期毎の連結業績の推移

 

 

前中間連結会計期間
 (自 2024年1月1日
  至 2024年6月30日)
 (百万円)

当中間連結会計期間

(自 2025年1月1日
  至 2025年6月30日)
  (百万円)

増減率
 (%)

第1四半期連結会計期間

売上高

1,589

1,587

△0.1

 

営業利益

644

590

△8.4

第2四半期連結会計期間

売上高

1,196

1,342

+12.2

 

営業利益

469

481

+2.6

中間連結会計期間

売上高

2,785

2,929

+5.2

 

営業利益

1,113

1,071

△3.7

 

 

○ 第1四半期連結会計期間

第1四半期連結会計期間は、前年同四半期において車両分解・計測事業で一過性の売上が計上されるなど前年同四半期の業績が特に好調だった反動を受けたこと、深圳子会社及び福岡コールセンターの体制整備に時間を要していること、さらにBYDなど新興メーカーの台頭が一部の自動車/部品メーカーの業績悪化を招き当社サービスへの受注動向に影響を与えたことにより売上高は前年同四半期に及びませんでした。また、利益面においては、2024年下期に設立したベンチマークセンター、深圳子会社、及び福岡コールセンターに係る固定費増の影響も受け対前年同四半期で8.4%の減少となりました。

 

○ 第2四半期連結会計期間

第2四半期連結会計期間は、米国の関税政策に係る影響が見通せないことから多くの自動車/部品メーカーが予算執行を差し控えており、当社の市場予測情報販売、プロモーション広告事業を除く各サービスの受注動向に影響を与えました。ただ、前述のとおり市場予測情報販売、及びプロモーション広告事業が引き続き好調に推移したこと、及びコンサルティング、車両分解・計測、分解調査データ販売事業における受注が対前年同四半期で改善したことなどから売上高、営業利益ともに増加しました。

 

各セグメントの経営成績は以下の通りであります。なお、前第3四半期連結会計期間において完成したベンチマークセンターの稼働に伴い、これまで部門共通費として集計していた全社費用の配賦方法を見直し、前第3四半期連結会計期間より各事業の実態に応じて合理的に配賦する方法に変更しております。当中間連結会計期間の比較・分析は、変更後の測定方法の数値に基づいて実施しております。

 

 

〇 事業セグメント別損益(連結ベース)

 

前中間連結会計期間
(自 2024年1月1日

  至 2024年6月30日)

(百万円)

当中間連結会計期間
(自 2025年1月1日

  至 2025年6月30日)

(百万円)

増減率(%)

情報プラットフォーム事業

売上高

1,772

1,884

+6.3

セグメント利益

886

905

+2.2

市場予測情報販売事業

売上高

157

187

+18.8

セグメント利益

46

59

+27.2

プロモーション広告事業

売上高

55

68

+23.3

セグメント利益

44

53

+21.0

分解調査データ販売事業

売上高

94

97

+4.0

セグメント利益

38

33

△11.5

車両・部品調達代行事業

売上高

234

253

+7.9

セグメント利益

22

24

+9.2

コンサルティング事業

売上高

314

305

△2.9

セグメント利益

49

10

△78.6

自動車ファンド事業

売上高

19

19

△0.3

セグメント利益

0

8

+852.9

車両分解・計測事業

売上高

93

63

△32.1

セグメント利益又は損失

32

△9

人材紹介事業

売上高

43

49

+14.9

セグメント損失

△7

△11

その他

売上高

セグメント損失

△3

売上高 計

2,785

2,929

+5.2

セグメント利益 計

1,113

1,071

△3.7

 

 

○ 情報プラットフォーム事業:売上高1,884百万円(前年同期比6.3%増加)、セグメント利益(営業利益)905百万円(前年同期比2.2%増加

当中間連結会計期間における情報プラットフォーム事業は、人民元安の影響から中国の売上高は前年同期比で減少しておりますが、全体として売上高は前期における契約純増の効果により6.3%の増加となりました。全般的に日系・欧米メーカーの業績不振、及び業界内における不確実性の高まりを受け新規契約/解約に影響が出ている状況ですが、足元ではインド、北米地域は比較的好調に推移しています。

 

○ 情報プラットフォーム事業地域別売上高

地域

前中間連結会計期間

(自 2024年1月1日

  至 2024年6月30日)

(百万円)

当中間連結会計期間

(自 2025年1月1日

  至 2025年6月30日)

(百万円)

増減率(%)

日本

675

688

+1.8

中国

327

308

△5.8

アジア

315

356

+13.0

北米

239

289

+20.5

欧州

202

225

+11.4

その他

11

16

+40.6

合計

1,772

1,884

+6.3

 

 

 

○ 市場予測情報販売事業:売上高187百万円(前年同期比18.8%増加)、セグメント利益(営業利益)59百万円(前年同期比27.2%増加

当中間連結会計期間の市場予測情報販売事業は、BYDなど中国メーカーの躍進により自動車産業界の勢力図が大きく変わる可能性があることに加え、米国と各国との関税をめぐる交渉が長期化する懸念から先行き不透明感がさらに高まる結果となり、台数予測情報に対する需要も引き続き高水準で推移しました。その結果、当該サービスにおいては高価格帯製品の販売が好調だったほか、値上げの効果も相まって平均販売価格が上昇し、売上高、セグメント利益ともに前年同期比で増加しました。

 

○ プロモーション広告事業:売上高68百万円(前年同期比23.3%増加)、セグメント利益(営業利益)53百万円(前年同期比21.0%増加

当中間連結会計期間のプロモーション広告事業は、リピート顧客からの受注が安定的に推移したこと、及び案件当たりの受注額が上昇したことにより好調に推移しました。さらに、当第2四半期連結会計期間におけるPRメール配信数の増加も手伝って売上高、セグメント利益ともに前年同期比2割超の増加となりました。

 

分解調査データ販売事業:売上高97百万円(前年同期比4.0%増加)、セグメント利益(営業利益)33百万円(前年同期比11.5%減少

当中間連結会計期間における分解調査データ販売事業について、第1四半期は一定数の販売を見込んでいたTesla CYBERTRUCKの分析レポートが想定を下回るなど売上高は前年同四半期割れとなりましたが、第2四半期は提携先であるFEV社製のレポート販売などが貢献し上半期は前年同期比で4.0%の増加となりました。一方で、セグメント利益は固定費が増加したことに伴い減少しました。

 

車両・部品調達代行事業:売上高253百万円(前年同期比7.9%増加)、セグメント利益(営業利益)24百万円(前年同期比9.2%増加

当中間連結会計期間における車両・部品調達代行事業は、車両本体など単価が高い反面、利益率の低い調達案件が増加しました。その結果、売上高は7.9%増になり、一方で固定費がほぼ横ばいだったことから、セグメント利益については9.2%の増加となりました

 

○ コンサルティング事業:売上高305百万円(前年同期比2.9%減少)、セグメント利益(営業利益)10百万円(前年同期比78.6%減少

当中間連結会計期間のコンサルティング事業については、前期の第1四半期の業績が特に好調だった反動を受けたこと、及び自動車/部品メーカーが予算執行を差し控えていることなどが業績に影響を与えています。しかしながら、今期は自動車メーカー向けの技術展示会を開催するなど当該事業の認知活動を推進したことにより当第2四半期連結会計期間の検収件数は前年同四半期を上回り売上高はおよそ7割増となるなど業績が改善しました。これに伴い売上高は前年同期比2.9%の減少まで回復しました。セグメント利益については、利益率の低い案件が増加したこと、及びベンチマークセンターに係る固定費が増加した影響から大きく減少しました。

 

○ 自動車ファンド事業:売上高19百万円(前年同期比0.3%減少)、セグメント利益(営業利益)8百万円(前年同期比852.9%増加

当中間連結会計期間の自動車ファンド事業は、体制に大きな変更がなかったため売上高は横ばいで推移しました。セグメント利益については固定費の減少を受け増加しました。

 

○ 車両分解・計測事業:売上高63百万円(前年同期比32.1%減少)、セグメント損失(営業損失)9百万円(前年同期比-)

当中間連結会計期間の車両分解・計測事業は、前期8月のベンチマークセンター稼働以降、積極的に認知活動を行った結果、多彩な案件の引き合いが届くようになり新規で商用車メーカーから請負い案件を受託するなど徐々に成果も上がっています。しかしながら、対前年同期では前期に計上した請負い案件が1億円と高額であったこと、及び業界全体に不透明感が広がり自動車/部品メーカーが一時的に外注費を圧縮していることなどから受注が伸び悩み、売上高、セグメント利益ともに前年同期比で減少しました。

 

 

○ 人材紹介事業:売上高49百万円(前年同期比14.9%増加)、セグメント損失(営業損失)11百万円(前年同期比-)

当中間連結会計期間の人材紹介事業は、成約件数が22件(前年同期20件)となりました。業績については、一部のメーカーで採用を絞る動きもあり引き続き低調に推移しましたが、最悪期は脱しゆるやかな回復傾向を示しております。

 

○ その他:売上高-百万円(前年同期比-)、セグメント損失(営業損失)3百万円(前年同期比-)

その他は報告セグメントに含まれない事業セグメントである車載ソフトウェア開発受託事業で構成されています。当該事業を推進する株式会社マークラインズソフト開発は2025年4月に設立が完了し事業活動を開始しております。これに伴い固定費が発生しセグメント損失を計上しております。

 

 (2) 財政状態の分析

(資  産)

当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末と比較し、278百万円増加9,031百万円となりました。この増加の主な内訳は、投資有価証券の2,237百万円増加、及び敷金及び保証金の159百万円増加等であり、一方、減少の内訳は、現金及び預金の1,901百万円減少、売掛金の93百万円減少、商品の53百万円減少及び前払費用の14百万円減少等であります。

 

(負 債)

当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末と比較し、156百万円増加2,292百万円となりました。この増加の主な内訳は、前受金の128百万円増加、未払消費税等の71百万円増加及び未払金の13百万円増加等であり、一方、減少の内訳は買掛金の47百万円減少、未払費用の9百万円減少及び役員賞与引当金の6百万円減少等であります。

 

(純資産)

当中間連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末と比較し、122百万円増加6,739百万円となりました。この増加の主な内訳は、親会社株主に帰属する中間純利益751百万円の計上及び配当金634百万円の支払いによる利益剰余金の116百万円増加、その他有価証券評価差額金の10百万円減少、及び為替換算調整勘定の27百万円減少であります。

 

 (3) キャッシュ・フローの状況の分析

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より1,901百万円減少し、4,159百万円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況と主たる増減要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間の営業活動により獲得した資金は、1,190百万円(前年同期は1,098百万円の収入)となりました。この主な増加要因は、税金等調整前中間純利益1,081百万円、前受金の増加額146百万円、未払消費税等の増加額114百万円、減価償却費44百万円、売上債権の減少額92百万円及び持分法による投資損失10百万円等であり、一方、主な減少要因は、法人税等の支払額331百万円、受取利息及び受取配当金15百万円等であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間の投資活動により支出した資金は、2,457百万円(前年同期は268百万円の支出)となりました。この主な減少要因は、投資有価証券の取得による支出2,262百万円、敷金及び保証金の差入による支出167百万円、無形固定資産取得による支出15百万円及び有形固定資産取得による支出12百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間の財務活動により支出した資金は、590百万円(前年同期は474百万円の支出)となりました。この主な減少要因は、配当金の支払額634百万円であり、一方で増加の要因は非支配株主からの払込みによる収入44百万円であります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。