(1)業績
当連結会計年度(2016年7月1日~2017年6月30日)における世界経済は、米国新大統領就任に伴う政策変更や英国のEU離脱による不確実性増加等の影響により、不透明な状況にありました。国内においては、広く景況感の改善がみられ、雇用情勢も改善傾向にありました。今後は、北朝鮮問題や米国新政権の政策運営などの海外情勢の影響を注視していく必要があります。
一方で、当社グループが注力している技術者派遣・請負事業は安定成長が継続し、特に自動車・自動車部品、IT業界の技術者に対する需要は引き続き活況でしたが、技術者採用市場における供給不足の状態が前連結会計年度より継続いたしました。
このような経済環境の中、当社グループとしては主に以下の取組みを実施いたしました。
(シフトアップ・チャージアップの推進)
技術者一人当たりの売上単価の向上に向けて、シフトアップ(配属先を変更することによる売上単価向上)とチャージアップ(同一配属先での契約更新時の売上単価向上)を前連結会計年度に引き続き推進いたしました。
(技術者の確保と育成)
当社グループの成長の礎となる高品質技術者の確保のため、技術者による知人紹介の推進等、採用強化を進めました。加えて、㈱テクノプロ・エンベデッド(旧商号:安川情報エンベデッド㈱)を連結子会社化することで、組込開発領域における優秀な技術者を獲得いたしました。また、前連結会計年度に連結子会社化した技術者向け教育研修事業を営むピーシーアシスト㈱と教育研修施設(テクノプロ・ラーニング)との融合を進める等、技術者の育成体制を強化いたしました。
(グローバル化)
シンガポールを拠点としてアジア8ヵ国で人材サービスを営むHRnetGroup Limitedへの出資を実行いたしました。今後、同社をコアパートナーとして、アジア展開を図る日系企業の現地人材獲得支援や当社グループが技術開発のアウトソーシング事業を国内及びアジアで展開する上での技術者の獲得等を共同で進めてまいります。また、外国人技術者に係るオンライン採用プラットフォーム「TalentHub(タレントハブ)」事業を推進するプレイネクストラボ㈱との資本業務提携も強化してまいります。
これら取組みの結果、当連結会計年度末の国内技術者数は14,346人(前連結会計年度末比1,219人増)へと増加しました。また、当連結会計年度の平均稼働率は95.3%と前年同期比0.2%増加し、シフトアップ・チャージアップを継続的に推進した結果、技術者一人当たり売上(国内)も月額633千円と同9千円改善し、売上収益の増加に貢献しました。
採用面においては、当連結会計年度の国内技術者採用数は2,684人(前連結会計年度比143人増)であり、技術者数の伸びに寄与しております。
費用面においては、業績向上に伴う技術者の人件費増加、受託請負の拡大に伴う外注費の増加といった売上原価増要因があり、売上総利益率は23.4%(同0.2%低下)となりました。また、IT活用による業務効率化を進めた結果、売上収益販売管理費比率を13.9%(同0.3%改善)にコントロールいたしました。
以上の結果、当連結会計年度の当社グループの業績につきましては、売上収益は1,000億95百万円(前連結会計年度比10.8%増)、営業利益は96億47百万円(同13.6%増)、税引前当期利益は95億59百万円(同20.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は77億17百万円(同4.9%増)となりました。
当連結会計年度における主要事業分野の業績は、次のとおりです。
(R&Dアウトソーシング分野)
前連結会計年度に引き続き、専任チームの主導によるシフトアップ・チャージアップの交渉ならびに請負・受託業務のプロセス改善による高収益化の推進を進めました。これらの取組みの結果、同分野の売上収益は850億46百万円(前連結会計年度比11.7%増)となりました。
(施工管理アウトソーシング分野)
前連結会計年度に引き続き、重点顧客への配属とチーム配属の推進による技術者一人当たりの売上単価の向上を進めました。これらの取組みの結果、同分野の売上収益は132億3百万円(前連結会計年度比5.6%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ16億89百万円増加し、133億98百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、資金は86億34百万円の収入(前期は79億50百万円の収入)となりました。これは主に、税引前当期利益(95億59百万円)、買掛金及びその他の債務の増加(10億89百万円)、法人所得税還付額(15億71百万円)による資金の増加に対し、売掛金及びその他の債権の増加(13億44百万円)法人所得税支払額(36億69百万円)により資金が減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、資金は28億64百万円の支出(前期は9億6百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出(21億95百万円)、有形固定資産の取得(2億18百万円)及び無形資産の取得による支出(2億1百万円)等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、資金は40億87百万円の支出(前期は61億45百万円の支出)となりました。これは主に、配当金支払額(38億15百万円)、長期借入金の返済による支出(17億81百万円)による資金の減少に対し、短期借入金の純増額(20億円)により資金が増加したこと等によるものです。
(3)IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
(のれんの償却)
日本基準においては、のれんはその効果の及ぶ期間を見積り、当該期間で償却することとしておりましたが、IFRSでは償却を行わず、毎期の減損テストにより必要な場合は減損損失を計上します。
この結果、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が前連結会計年度15億61百万円、当連結会計年度16億44百万円減少しております。
(1)生産実績
当社グループで行う事業(技術者派遣・請負事業)は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しています。
(2)受注状況
当社グループで行う事業(技術者派遣・請負事業)は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しています。
(3)販売実績
当社グループは技術者派遣・請負事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載に代えて事業分野別の販売実績を記載しています。当社の当連結会計年度における販売実績は次のとおりとなります。
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事業分野の名称 |
当連結会計年度 (自 2016年7月1日 至 2017年6月30日) |
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金額 (百万円) |
前年同期比 (%) |
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R&Dアウトソーシング |
85,046 |
111.7 |
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施工管理アウトソーシング |
13,203 |
105.6 |
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その他 |
1,845 |
111.0 |
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合計 |
100,095 |
110.8 |
(注)上記金額には、消費税等は含まれていません。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、下記に掲げる「テクノプロ・グループ・ビジョン」の実現を通じて、持続的に成長し、中長期的な企業価値を向上させることを経営の基本方針としています。
「テクノプロ・グループ・ビジョン」
我々テクノプロ・グループは、
1.エンジニア一人ひとりに誠実に向き合い、夢の実現をサポートするパートナーです。
2.専門性の高い技術者集団として、グローバルに事業を展開するお客さまの研究・開発・設計を様々なソリューションで支援します。
3.エンジニアが業界をまたがって活躍できる環境をつくることで、変化を続ける市場に柔軟に対応できる産業構造の実現に貢献します。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、売上収益及び営業利益の中長期的な成長を重視しております。また、当社の売上収益と営業利益の大半を占めるR&Dアウトソーシング分野及び施工管理アウトソーシング分野の売上収益の構成要素である、技術者一人当たり売上、在籍技術者数及び稼働率を重要なKPIとして管理しています。
(3)中長期的な会社の経営戦略
① 技術者派遣の成長と収益性向上
当社グループの主たる事業領域である技術者派遣は、国内研究開発費やIT投資の増加傾向、有効求人倍率等に示される国内雇用環境、改正労働者派遣法等の状況から、引き続き市場が成長し、大手プレイヤーに追い風の環境にあるとみています。一方で、当社においては、技術者一人当たり売上の向上や間接業務効率化等のオペレーション改善を通じて、収益性を高める余地が高いと考えています。
従って、多様な採用チャネルの活用と技術者リテンションの取組み強化による技術者増加を図ると共に、シフトアップ・チャージアップの推進、教育研修等による技術者の高付加価値化や情報システム投資によるコアプロセスのIT武装化により、技術者派遣の成長と収益性向上を推進してまいります。
② 技術を核としたグローバル人材サービス・グループとしての成長
当社グループでは、事業ドメインを「技術を核としたグローバル人材サービス」と定義し、中長期的成長を目指しています。技術者派遣・請負事業のコア・コンピタンス(営業力と約1,800社の顧客接点、約13,000名の在籍技術者と年間2,000名超の採用に係る技術者接点、技術者への教育研修等の人材開発ノウハウ)を活かした多角化領域として、(ア)開発・研究請負事業やターゲット技術領域での事業化推進等による技術者の高付加価値化、(イ)コアパートナーとの提携を活かした、アジアを主体としたグローバル化、(ウ)技術者派遣事業におけるIT基盤を活かし、企業と技術者に人材獲得・育成・配属等の仕組みを提供する人材ソリューションのプラットフォーム化、を進めることで、10年後を見据えた長期的な企業価値向上を図ってまいります。
上記2つの戦略を進めるにあたり、M&Aは重要な手段と位置付けており、積極的に活用していく方針です。
(4)外部環境
改正労働者派遣法の施行に伴い、従前より無期雇用を主体とする当社グループにとっては技術者採用増、M&Aや業務提携等の成長機会拡大の環境下にあります。
R&Dアウトソーシング分野においては、「顧客の製品開発サイクルの短期化が進む中、設計・開発・研究業務のアウトソーシングの動きの増加」「プロジェクトごとに請負契約として完全にアウトソーシングする動きの進展」「顧客企業の求める法令遵守体制や管理体制を充足できる上位事業者への集約化」「中長期的な少子化の進展や理工系学生の減少のため、技術者の需給が逼迫した環境の継続」が予測されます。
また、施工管理アウトソーシング分野において需要を牽引する建設投資は、2020年に開催予定の東京オリンピックにむけて堅調に推移する見込みです。しかし、建設業界への新卒者入職者数が低水準で推移する一方で、高齢化が進展しつつあるため、引き続き技術者不足の状態が継続するものと予測されます。
(5)対処すべき課題
上記を背景に、対処すべき課題として次の内容に取り組んでまいります。
① 価格改善
当社グループの技術者一人当たり売上は2013年6月期より年率平均1.6%で向上しているものの、改善の余地が大きいと判断しています。そのため、技術者に対する教育研修の充実等を通じて付加価値を高めていくことに加えて、チーム配属の強化を進めてまいります。
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2013年6月期 |
2014年6月期 |
2015年6月期 |
2016年6月期 |
2017年6月期 |
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技術者一人当たり売上(千円/月) |
593 |
601 |
614 |
624 |
633 |
(国内。主たる子会社の売上高合算/Σ[月末稼働技術者数]により算定。)
特に、今後の日本の技術開発を支え、需要が見込まれる領域の技術者を拡充し、価格算定モデルの活用を進めることで、技術者の需給状況と技術領域に応じて的確に判断した上での価格政策を進めます。
また、技術者を同一価格の同一案件に長期間固定させず、技術者のスキル向上に応じた適正価格水準の案件への配属を進める戦略的シフトアップを推進いたします。
② 高品質技術者の確保と育成
人材の確保は当社グループの成長の礎であり、いかに高品質の技術者を獲得し、あるいは在籍技術者のスキルをいかに高めていくかは重要な課題の一つです。技術者採用市場は近年逼迫しており、従来主力のWeb媒体等に加えて、知人紹介や人材紹介会社等の多様な採用チャネルを活用し、高品質技術者の獲得を推進してまいります。
また、中長期的に需要が見込まれるターゲット技術領域(組込ソフトウェア、3次元設計技術、CAE技術、インバーター技術、高周波回路設計、FPGA、車載組込、AI、ディープラーニング、IoT、再生医療、バイオ医薬品等)における技術者育成を、教育研修基盤と戦略的アライアンスを活用しつつ進めることで、技術者の高付加価値化を図り、また技術者人事制度の充実等を通じて、技術者のリテンションを推進してまいります。
③ 技術者派遣事業におけるIT技術の活用とプラットフォーム化
技術者派遣事業においては、採用母集団の形成、スクリーニングと採用、配属(マッチング)、リテンション、研修、育成・要員計画といったコアプロセスが存在し、IT技術の進展により、各プロセスにおける技術者情報を可視化する仕組みの構築が可能です。この仕組みにより、技術者情報の収集・蓄積・分析をデータサイエンスも活用しつつ充実させることで、コアプロセスを強化するための効果的な打ち手が可能となります。当社グループではこれらを実現するためのIT投資を積極化しております。この仕組みは、技術者派遣事業にとどめることなく、企業と技術者に対して、人材の獲得・育成を効果的に実現するための汎用性がある仕組み(プラットフォーム)として発展する可能性を秘めたものであり、長期的な当社グループの成長にとって不可欠なものと認識しています。
④ ブランド力の強化
中長期的に技術者・顧客・アライアンス先と共に成長していく上で、「テクノプロ」ブランドの知名度向上は重要な課題です。従前、当社グループでは各事業会社が各々の会社名で独自の事業運営を実施していましたが、2013年11月に「テクノプロ」ブランドへの統一を実施し、ブランド投資を進めてまいりました。当社グループとしては継続的にブランド投資と各種媒体への露出を積極化し、顧客と技術者双方への「テクノプロ」ブランドの浸透を図り、営業力と採用力の強化を進めてまいります。
⑤ 法規制の変化への対応
2015年9月30日に施行された改正労働者派遣法の主要改正点は下記となります。
・特定労働者派遣事業(届出制)と一般労働者派遣事業(許可制)の区別を廃止し、全ての労働者派遣事業を許可制とする。
・これまで派遣期間を制限する区分として政令26業務(*)・自由化業務の区分が設けられていたが、それを廃止し、全ての業務に共通する派遣労働者個人単位の期間制限(3年)と派遣先の事業所単位の期間制限(3年、一定の場合に延長可)を設ける。但し例外として無期雇用労働者や雇用の確保が困難な者には上限はない。
・派遣元事業主に計画的な教育訓練等の実施を義務付けること等により、派遣労働者のキャリアアップを推進する。
当社グループにおいては、許可要件(資産要件・遵法要件)や教育訓練等の義務は十分に充足可能ですが、中小零細の競合派遣会社には負担となり、淘汰が進む可能性があります。また、当社グループの89.1%が無期雇用であるため、派遣期間制限の取扱い変更は大きな影響はなく、むしろ、従前自由化業務であった分野(例:プラント保守)の受注を促進し、業績にプラスに働くと想定しています。
当社グループでは、これらの法規制の変化に機動的に対応し、成長を実現してまいります。
(*)政令26業務とは、「その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務」又は「その業務に従事する労働者について、就業形態、雇用形態等の特殊性により、特別の雇用管理を行う必要があると認められる業務」として、派遣法施行令第4条第1項並びに第5条で定められた業務であり、派遣可能期間の制限がありません。一方で、自由化業務とは、期間制限を受けない業務及び労働者派遣が禁止されている業務以外の業務のことをいいます。期間は派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務について原則1年間と定められています(過半数労働組合等の意見を聴いた上で3年間まで延長可能です)。
⑥ 業務プロセスの向上
当社グループの本社及び事業所の事務業務は、プロセス・ルール・帳票の標準化を進めることにより、効率化できる余地があります。情報システムへの投資による基幹システムのバージョンアップと共に、内部統制を具備した事務の標準化・効率化を推進することで、事務機能の強化を図ります。
⑦ M&Aによる事業拡大
技術者派遣業務の成長を加速し、技術系人材サービスを拡大していく上での有力な手段の一つはM&Aであると考えております。当社グループのコンプライアンス、教育研修、情報システム等を含む業務基盤を活かし、ターゲット技術領域の技術者の拡充のため、あるいは多様な産業・顧客基盤を活かした事業拡大を図る上でも、M&Aは有力な手段です。当社グループでは、現有事業とのシナジーを勘案し、買収対象候補先に対する厳格な事業性評価に基づきM&A戦略を推進し、成長を図ってまいります。
当社グループの営業活動その他に係るリスク要因について、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しています。ただし、全てのリスクを網羅したものではなく、業績に影響を与えうるリスク要因はこれらに限定されるものではありません。
なお、本項における将来に関する事項については、本書提出日時点において入手可能な情報に基づき、合理的であると当社グループが判断したものであります。
(1)コンプライアンス
当社グループは、技術者、顧客、社会に対して価値を提供していくことを経営理念として掲げており、リスク管理及びコンプライアンスについて、「コンプライアンス宣言」「テクノプロ・グループ企業行動規範」「コンプライアンス89項目マニュアル」を当社グループ役職員に徹底させています。
具体的な体制としては、コンプライアンス最高責任者である当社代表取締役社長を委員長とし、当社グループの取締役及び執行役員等で構成されるCSR委員会を設置し、コンプライアンス体制の企画・運営等に関する重要事項を審議しています。実務面では、当社CSR推進部が当社グループ横断的なリスク管理を担い、各子会社に設置したコンプライアンス推進部及び労政部が、労働者派遣法等の関連業法の遵守を推進しています。また、当社代表取締役直属の内部監査部によるコンプライアンス・業務・会計監査を強化していることに加え、内部通報制度により違法行為等の情報がタイムリーに集約される体制を構築しています。さらには、役職員への教育研修を徹底して実践するなどし、コンプライアンスを重視する経営風土を全役職員に浸透させるべく努めております。
しかしながら、上記取組みにもかかわらず、コンプライアンスを軽視した社会的倫理に反する行為等が当社グループ役職員によりおこなわれた場合、社会や顧客が被る損害への賠償やレピュテーションの悪化等を通じて、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)取引先業界の景気動向
当社グループは2017年6月末時点で国内に14,346人の技術者を擁しており、そのうち89.1%(12,786人)が無期雇用となっております。当社グループでは、技術者の付加価値を高めるための教育研修を強化しており、2012年6月期以降、技術者の稼働率は95%超と安定的に推移しています。また、R&Dアウトソーシング分野では多様な業界・顧客と取引することで、特定の業界や特定の顧客の業況に大きく影響を受けない、リスクを分散した運営をおこなっています。当社グループにおける顧客上位10社の売上高占有率は11.7%(当連結会計年度)です。
しかしながら、取引先業界の景気が悪化した場合には、残業時間の短縮化、契約条件の悪化、更には派遣技術者の契約解除が起こり得ます。多くの無期雇用技術者を擁しているが故に、景気下降局面では非稼働技術者の人件費負担が大きくなり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
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2013年6月期 |
2014年6月期 |
2015年6月期 |
2016年6月期 |
2017年6月期 |
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技術者稼働率(%) |
95.1 |
95.3 |
95.4 |
95.1 |
95.3 |
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稼働技術者数(人/年度末) |
9,733 |
10,519 |
11,315 |
12,402 |
13,699 |
(技術者稼働率、稼働技術者数共に国内。また、技術者稼働率はΣ[月末稼働技術者数]/Σ[月末総在籍技術者数]により算定。)
(3)技術者の採用
優秀な技術者の獲得は、当社グループの成長の推進力です。採用力は当社の強みであり、技術者採用数と総在籍技術者数は下表のとおり順調に推移しています。しかし、近年、国内における技術者需給は逼迫しており、当社グループにおいては、従前の既卒者を中心とした採用に加えて新卒採用の増加を図っております。また、採用チャネルについても、従前のWeb媒体やハローワーク等に加えて、人材紹介事業者の活用や知人紹介等へ多角化することで、必要とされる技術者の確保に努めています。
しかしながら、今後の技術者採用市場の動向によっては、人材の確保に難航する虞もあり、結果として当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
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2013年6月期 |
2014年6月期 |
2015年6月期 |
2016年6月期 |
2017年6月期 |
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技術者採用数(人) |
2,040 |
2,230 |
2,413 |
2,541 |
2,684 |
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総在籍技術者数(人) |
10,401 |
11,089 |
11,969 |
13,127 |
14,346 |
(技術者採用数、総在籍技術者数共に国内。また、総在籍技術者数は年度末時点。)
(4)情報セキュリティ
当社グループの技術者は、業務上、顧客の研究開発等の機密情報を知り得る可能性があります。そのため、情報セキュリティに関する各種規程を整備・運用し、役職員への教育研修等を通じて、情報及び情報機器の適正な取扱いを浸透させています。
また、当社グループでは、ネットワークセキュリティ等を強化することで、当社グループ情報システムのデータ損失や漏洩への対策を進めています。
上記対策にも関わらず、顧客の機密情報の外部流出が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループ情報システムにおけるデータ損失や漏洩により、当社グループの業務運営に支障が生じる可能性があります。
(5)個人情報保護
当社グループでは、技術者を含む従業員の個人情報を大量に保有していることから、個人情報の適正な管理は極めて重要であると認識しており、当社CSR推進部長を個人情報保護責任者と定め、個人情報保護規程の整備・運用及び個人情報に関するセキュリティ対策を情報システム面も含めて講じています。
上記対策にも関わらず、個人情報の外部流出が発生した場合、当社グループへの社会的信用の失墜等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)人材派遣事業に関する規制等
当社グループは、労働者派遣法、「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(昭和61年労働省告示第37号)、その他の関連法令の規定に従い、労働者派遣事業を行っており、法令に抵触した場合には、労働者派遣事業の廃止または許可取消、事業停止の処分等を受けるおそれがあります。そのため、当社グループでは、組織・規程・役職員教育を含めて厳格な法令遵守体制を構築・運用しています。しかしながら、労働者派遣法その他の関連法令に抵触する行為が当社グループで発生した場合には、当社グループの業績に影響が出る可能性があります。
また、労働者派遣法を始めとする関係諸法令は、経済環境・社会環境の変化に伴い、継続的な見直しが行われています。従って、当社グループの業態に著しく不利な改訂が将来的に実施された場合には、当社グループの収益性に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの許認可状況
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許認可の名称 |
監督官庁 |
許可番号 |
取得年月日 |
有効期限 |
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㈱テクノプロ |
労働者派遣事業 |
厚生労働省 |
(派)13-305617 |
2014年7月 |
2022年6月 |
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有料職業紹介事業 |
厚生労働省 |
13-ユ-301819 |
2006年12月 |
2019年11月 |
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㈱テクノプロ・コンストラクション |
労働者派遣事業 |
厚生労働省 |
(派)13-304191 |
2009年2月 |
2022年1月 |
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有料職業紹介事業 |
厚生労働省 |
13-ユ-303846 |
2009年2月 |
2022年1月 |
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㈱テクノプロ・キャリア |
労働者派遣事業 |
厚生労働省 |
(派)13-306288 |
2016年2月 |
2019年1月 |
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有料職業紹介事業 |
厚生労働省 |
13-ユ-304788 |
2010年10月 |
2018年9月 |
なお、上記の許可に関して、事業停止、許可取消しまたは事業廃止となる事由は労働者派遣法第14条及び職業安定法第32条に定められております。本書提出日現在において当社グループが認識している限り、当社グループにはこれら事業停止、許可取消しまたは事業廃止の事由に該当する事実はありません。
(7)社会保険料率の変化
当社グループは多数の従業員を抱えており、社会保険の加入義務があります。社会保険料の料率が上昇した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8)労務リスク
当社グループでは14,000人を超える従業員を雇用しており、また毎年多数の従業員を採用しております。経営理念の一つとして、「エンジニア一人ひとりに誠実に向き合い、夢の実現をサポートするパートナーです。」を掲げ、採用時の人材品質確保、コンプライアンスを重視した労務管理を含む技術者管理の充実、教育研修体制の強化、従業員満足度向上等の取組みを実践しております。
しかしながら、労働安全衛生や雇用関係等に関して従業員との間で紛争が発生する可能性もあり、その場合には、当社グループの業績や財務状況が影響を受ける可能性があります。
(9)自然災害・事故
当社グループは全国に190ヵ所以上の事業拠点を有しております。自然災害や事故については、企業危機対策規程を定め、また情報システム障害に関してはデータリカバリーセンターを活用する等の対策を講じています。
しかしながら、地震や洪水等の自然災害や予期せぬ事故等により、当社グループあるいは顧客の設備が損壊する等の被害が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10)減損会計の適用
当社グループは、2017年6月30日現在、連結財政状態計算書にのれんを295億41百万円計上しており、総資産の42.1%を占めています。主要な内訳は機械、電気・電子領域(138億23百万円)、組込制御、ITインフラ領域(79億69百万円)であり、当社グループの収益性に認識可能な低下がみられる場合には、のれんの減損が生じているか否かについて判断することが必要となります。のれんに関する減損損失が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。なお、これらののれんは非償却性資産であります。
特記すべき事項はありません。
特記すべき事項はありません。
当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、原則として当社グループの連結財務諸表に基づいて分析したものです。
なお、本項に記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されています。
これらの連結財務諸表の作成にあたっては一部に見積りによる金額を含んでおりますが、見積りにつきましては、過去実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づいており、妥当性についての継続的な評価を行っています。
しかしながら見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
(2)財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は701億19百万円(前連結会計年度末比64億84百万円増加)となりました。主な内訳は、のれん295億41百万円、売掛金及びその他の債権139億97百万円、現金及び現金同等物133億98百万円等であります。
各項目の状況は以下のとおりであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は310億91百万円(前連結会計年度末比38億72百万円増加)となりました。主な内訳は、現金及び現金同等物133億98百万円(同16億89百万円増加)、売掛金及びその他の債権139億97百万円(同14億17百万円増加)等であります。
(非流動資産)
当連結会計年度末における非流動資産の残高は390億27百万円(前連結会計年度末比26億12百万円増加)となりました。主な内訳は、のれん295億41百万円(同1億49百万円増加)、繰延税金資産36億15百万円(同59百万円減少)等であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は246億15百万円(前連結会計年度末比41億60百万円増加)となりました。主な内訳は、買掛金及びその他の債務94億59百万円(同11億48百万円増加)、従業員給付に係る負債40億円(同4億3百万円増加)等であります。
(非流動負債)
当連結会計年度末における非流動負債の残高は178億7百万円(前連結会計年度末比12億23百万円減少)となりました。主な内訳は、借入金125億49百万円(同17億44百万円減少)、退職後給付に係る負債46億52百万円(同4億86百万円増加)等であります。
(親会社の所有者に帰属する持分)
当連結会計年度末における親会社の所有者に帰属する持分の残高は276億96百万円(前連結会計年度末比37億32百万円増加)となりました。主な内訳は、資本剰余金59億75百万円(同1億83百万円減少)、利益剰余金210億75百万円(同38億94百万円増加)等であります。
(3)経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載のとおりです。