第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

本項における将来に関する事項については、本書提出日時点において入手可能な情報に基づき、合理的であると当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、下記に掲げる「テクノプロ・グループ・ビジョン」の実現を通じて、持続的に成長し、中長期的な企業価値を向上させることを経営の基本方針としています。

 

「テクノプロ・グループ・ビジョン」

我々テクノプロ・グループは、

1.エンジニア一人ひとりに誠実に向き合い、夢の実現をサポートするパートナーです。

2.専門性の高い技術者集団として、グローバルに事業を展開するお客さまの研究・開発・設計を様々なソリューションで支援します。

3.エンジニアが業界をまたがって活躍できる環境をつくることで、変化を続ける市場に柔軟に対応できる産業構造の実現に貢献します。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、売上収益及び営業利益の中長期的な成長を重視しております。また、当社の売上収益と営業利益の大半を占めるR&Dアウトソーシング分野、施工管理アウトソーシング分野及び海外分野の売上収益の構成要素である、技術者一人当たり売上、在籍技術者数及び稼働率を重要なKPIとして管理しています。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

①  技術者派遣の成長と収益性向上

当社グループの主たる事業領域である技術者派遣は、国内研究開発費やIT投資の増加傾向、有効求人倍率等に示される国内雇用環境、改正労働者派遣法等の状況から、引き続き市場が成長し、大手プレイヤーに追い風の環境にあるとみています。一方で、当社においては、技術者一人当たり売上の向上や間接業務効率化等のオペレーション改善を通じて、収益性を高める余地が高いと考えています。

従って、多様な採用チャネルの活用と技術者リテンションの取組み強化による技術者増加を図るとともに、シフトアップ・チャージアップの推進、教育研修等による技術者の高付加価値化や情報システム投資によるコアプロセスのIT武装化により、技術者派遣の成長と収益性向上を推進してまいります

 

②  技術を核としたグローバル人材サービス・グループとしての成長

当社グループでは、事業ドメインを「技術を核としたグローバル人材サービス」と定義し、中長期的成長を目指しています。技術者派遣・請負事業のコア・コンピタンス(営業力と約2,000社の顧客接点、約19,000名の在籍技術者と年間4,000名超の採用に係る技術者接点、技術者への教育研修等の人材開発ノウハウ)を活かした多角化領域として、(ア)開発・研究請負事業やターゲット技術領域での事業化推進等による技術者の高付加価値化、(イ)当社グループの海外拠点を活用したグローバル化、(ウ)技術者派遣事業におけるIT基盤を活かし、企業と技術者に人材獲得・育成・配属等の仕組みを提供する人材ソリューションのプラットフォーム化、を進めることで、10年後を見据えた長期的な企業価値向上を図ってまいります。

 

上記2つの戦略を進めるにあたり、M&Aは重要な手段と位置付けており、積極的に活用していく方針です。

 

(4)外部環境

改正労働者派遣法の施行に伴い、従前より無期雇用を主体とする当社グループにとっては技術者採用増、M&Aや業務提携等の成長機会拡大の環境下にあります。

R&Dアウトソーシング分野においては、「顧客の製品開発サイクルの短期化が進む中、設計・開発・研究業務のアウトソーシングの動きの増加」「プロジェクトごとに請負契約として完全にアウトソーシングする動きの進展」「顧客企業の求める法令遵守体制や管理体制を充足できる上位事業者への集約化」「中長期的な少子化の進展や理工系学生の減少のため、技術者の需給が逼迫した環境の継続」が予測されます。

また、施工管理アウトソーシング分野において需要を牽引する建設投資は、2020年に開催予定の東京オリンピックや2025年に開催予定の大阪万博にむけて堅調に推移する見込みです。しかし、建設業界全体での高齢化が進展しつつあるため、引き続き技術者不足の状態が継続するものと予測されます。

(5)対処すべき課題

上記を背景に、対処すべき課題として以下の内容に取り組んでまいります。

①  価格改善

 

2015年6月期

2016年6月期

2017年6月期

2018年6月期

2019年6月期

技術者一人当たり売上(千円/月)

614

622

626

630

630

(国内。主たる子会社2社の売上高合算/Σ[月末稼働技術者数]により算定。)

 

当社グループの技術者一人当たり売上は2015年6月期より年率平均0.6%で向上しているものの、前年に比べ伸びが鈍化しています。これは、働き方改革関連法の影響による残業時間の削減が影響しています。しかしながら、契約単価の上昇には継続して取り組んでいることから、改善の余地が大きいと判断しています。そのため、技術者に対する教育研修の充実等を通じて付加価値を高めていくことに加えて、チーム配属の強化を進めてまいります。

特に、今後の日本の技術開発を支え、需要が見込まれる領域の技術者を拡充し、価格算定モデルの活用を進めることで、技術者の需給状況と技術領域に応じた的確な判断のもと、価格政策を進めます。

また、技術者を同一価格の同一案件に長期間固定させず、技術者のスキル向上に応じた適正価格水準の案件への配属を進める戦略的シフトアップを推進いたします。

 

②  高品質技術者の確保と育成

 

2015年6月期

2016年6月期

2017年6月期

2018年6月期

2019年6月期

戦略分野技術者数(人)

1,796

2,092

3,193

3,805

4,193

(国内。主たる子会社2社。各年度末時点。)

 

人材の確保は当社グループの成長の礎であり、いかに高品質の技術者を獲得し、あるいは在籍技術者のスキルをいかに高めていくかは重要な課題の一つです。技術者採用市場は近年逼迫しており、従来主力のWeb媒体等に加えて、知人紹介や人材紹介会社等の多様な採用チャネルを活用し、高品質技術者の獲得を推進してまいります。

また、中長期的に需要が見込まれるターゲット技術領域(組込ソフトウェア、3次元設計技術、CAE技術、インバーター技術、高周波回路設計、FPGA、車載組込、AI、ディープラーニング、IoT、再生医療、バイオ医薬品等)における技術者育成を、教育研修基盤と戦略的アライアンスを活用しつつ進めることで、技術者の高付加価値化を図り、また技術者人事制度の充実等を通じて、技術者のリテンションを推進してまいります。

 

③  IT技術の活用とプラットフォーム化

技術者派遣事業においては、採用母集団の形成、スクリーニングと採用、配属(マッチング)、リテンション、研修、育成・要員計画といったコアプロセスが存在し、IT技術の進展により、各プロセスにおける技術者情報を可視化する仕組みの構築が可能です。この仕組みにより、技術者情報の収集・蓄積・分析をデータサイエンスも活用しつつ充実させることで、採用効率の向上、効果的な人材育成、適正な技術者配属(契約単価向上)等、コアプロセスを強化するための効果的な打ち手が可能となります。この仕組みは、技術者派遣事業にとどめることなく、企業と技術者に対して、人材の獲得・育成等を効果的に実現するための汎用性がある仕組み(プラットフォーム)として発展する可能性を秘めたものであり、長期的な当社グループの成長にとって不可欠なものと認識しています。当社グループではこれらを実現するためのIT投資を積極化しております。

 

④  法規制の変化への対応

2018年6月に成立した働き方改革関連法が2019年4月より順次施行されています。同法は、「36協定の上限時間の変更、有給休暇取得義務化等の長時間労働の是正」、「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保。いわゆる正規雇用労働者と非正規雇用労働者の不合理な待遇差解消」等を企業に求めるものであり、当社グループにおいては同法遵守に向けて様々な取組みを行っています。

具体的には、社内システムを使った残業時間の見える化を推進し、長時間労働の削減を進めるとともに、計画的有給休暇取得を進めています。また、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保に関しては、「派遣先の労働者と均等・均衡待遇」又は「同種業務の一般的な労働者の平均賃金と同等以上であることを満たす労使協定による待遇」のいずれかを確保する必要があります。当社グループは後者を選択する予定です。

⑤  業務プロセスの向上

当社グループの本社及び事業所の事務業務は、プロセス・ルール・帳票の標準化を進めることにより、効率化できる余地があります。2019年1月に業務改革プロジェクトを発足させ、営業・人事・会計といった当社基幹システムの抜本的な見直しを進め、ワンシステム化・IT共通基盤の強化を目指しています。情報システムへの投資による基幹システムのバージョンアップとともに、内部統制を具備した事務の標準化・効率化を推進することで、事務機能の強化を図ります。

 

⑥  M&Aによる事業拡大

技術者派遣業務の成長を加速し、技術系人材サービスを多角化していく上での有力な手段の一つはM&Aであると考えています。当社グループのコンプライアンス、教育研修、情報システム等を含む業務基盤を活かし、ターゲット技術領域の技術者の拡充のため、あるいは多様な産業・顧客基盤を活かした事業拡大を図る上でも、M&Aは有力な手段です。当社グループでは、現有事業とのシナジーを勘案し、買収対象候補先に対する厳格な事業性評価及びROIC(投下資本利益率)等による将来的な価値創造の評価に基づきM&A戦略を推進いたします。また、連結子会社化後、専門部隊を主体としたPMI体制による早期のガバナンス強化とグループ会社間連携による事業サポートを推進し、グループ内シナジーの実現を図っています。

 

⑦  グローバル事業の拡大

国内における人口は2010-2011年をピークに減少期に入り、労働力人口は近年横ばいを維持しておりますが、将来的な減少・高齢化が予測されています。当社グループの事業拡大のためには技術者の継続的な確保が必要ですが、国内での技術者確保は一層困難になると見込んでいます。現地法人の開設やM&Aによる当社グループの海外拠点を活用し、グローバルでの人材の採用を進め、外国籍技術者の確保を進めてまいります。また併せて日系企業海外拠点を中心に人材サービスの拡大を進め、グローバル事業の更なる拡大を進めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

当社グループの事業運営、業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。また、必ずしも重要な影響を及ぼすリスク要因に該当しない事項についても、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しています。当社グループでは、事業の持続的成長のため、現在及び中長期におけるリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であり、当社株式に関する投資判断は、主に以下の記載事項を検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日時点において入手可能な情報に基づき、当社グループが合理的であると判断したものであります。また、当社グループで発生しうるリスク及び投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主なリスクは、これらに限られるものではありません。

 

A.事業運営及びコンプライアンス上のリスク

(1)技術革新への対応

技術の変化のスピードは現代において加速度的に増しており、技術を核としたグローバル人材サービスを顧客に提供する当社グループは、技術革新に適時適切に対応していく必要があります。このような技術革新に関しては、以下のようなリスクがあり、これらに対応できない場合には、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

・当社グループが技術変化の方向性を正しく予測・認識できない場合や、たとえできたとしても当社グループの技術者の有する技術スキルの向上が間に合わず、技術が陳腐化するリスク

・新たな技術により研究開発やITシステム開発の工数が大幅に縮減し、技術人材への需要が減少することによって、当社グループに余剰人員が発生するリスク

・新たな技術に対応できる技術者の確保又は育成に、多額の費用が発生するリスク

・HRテックやリモートワーク等の技術の発展により、顧客による直接雇用やフリーランスの技術者に需要を奪われるリスク

一方で、技術革新により顧客の技術人材に対するニーズが高まれば、当社グループへの需要がさらに増える可能性があります。

当社グループでは、技術者の有する能力やスキルの高度化、新たな技術の習得等を支援するために様々な教育研修の機会を整備するとともに、教育研修投資の資本効率の向上に努めています。また、当社グループでは、持続的な成長のために、将来の技術動向を分析し、長期に渡って強い需要が見込まれる技術分野を「戦略技術分野」と定め、その分野の技術を持つ技術者の確保・育成を進めています。

 

(2)関連法制の動向

当社グループは、労働者派遣法、「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(昭和61年労働省告示第37号)、その他の関連法令の規定に従い、労働者派遣事業を行っており、法令に抵触した場合には、労働者派遣事業の許可の取消、事業停止の処分等を受けるおそれがあります。労働者派遣法その他の関連法令に抵触する行為が当社グループで発生した場合には、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、組織・規程・役職員教育を含めて、厳格な法令遵守体制を構築・運用しています。

また、労働者派遣法をはじめとする関係諸法令は、経済環境・社会環境の変化に伴い、継続的な見直しが行われており、当社グループの業態に著しく不利な改訂が将来的に実施された場合には、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。近年では労働者派遣法以外にも、時間外労働の上限規制、年次有給休暇の時季指定、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保、高年齢者雇用確保措置等の改訂が実施されており、当社グループでは当該改訂に対応するための諸施策を採っておりますが、今後の更なる改訂によっては、対応のために多額の費用が発生する可能性があります。

一方で、規制の厳格化によって中小派遣事業者が淘汰され、当社グループへの需要がさらに増え、市場シェア拡大につながる可能性があります。

なお、当社グループが許認可を受けている労働者派遣事業及び有料職業紹介事業に関して、事業廃止又は許可取消、事業停止となる事由は労働者派遣法第14条及び職業安定法第32条に定められております。本書提出日現在において、当社グループが認識している限り、当社グループにはこれら事業廃止又は許可取消、事業停止の事由に該当する事実及びその兆候はありません。

 

(3)顧客の属する業界の景気動向

当社グループは、2019年6月30日時点で国内に19,293人の技術者を擁しており、そのうち88.9%(17,160人)が無期雇用となっております。顧客の属する業界の景気が悪化した場合には、就業時間の短縮化、契約条件の悪化、さらには派遣契約期間中での中途解約等が起こる可能性があります。多くの無期雇用技術者を擁しているが故に、景気下降局面では無期雇用の非稼働技術者の人件費負担が大きくなり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、技術者の付加価値を高めるための教育研修を強化しており、2012年6月期以降、技術者の稼働率は95%超と安定的に推移しています。また、R&Dアウトソーシング分野では多様な業界・顧客と取引することで、特定の業界や特定の顧客の業況に大きく影響を受けない、リスクを分散した事業運営を行っています。なお、当社グループにおける顧客上位10社の売上高占有率は13.3%(当連結会計年度)です。

 

(4)企業買収(M&A)

当社グループは、中期経営計画に基づく成長戦略の一環として、M&Aや出資、新会社の設立を実行することがあります。M&Aや出資に際しては、対象となる企業について詳細なデューディリジェンスを実施し、リスク回避に努めておりますが、買収後に偶発債務等の発生が判明した場合、当該事業が当初想定した収益計画を達成できない場合、投資先の経営に対して十分なコントロールやモニタリングができず、事業運営に支障をきたすような事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、資本コストを常に意識した事業運営を行っており、投資時における価格交渉や投資後の統合作業(PMI)の手続きにおいて、資本コストを上回る投下資本利益率(ROIC)を重要な経営指標の一つとして位置付け、価値を創造しながらの持続的成長を目指しています。

 

(5)減損会計の適用

当社グループは、2019年6月30日現在、連結財政状態計算書に合計396億75百万円のれんと無形資産を計上しております。これらは総資産の42.3%を占めており、主要な内訳は、機械、電気・電子領域(146億51百万円)、組込制御、ITインフラ領域(79億69百万円)になります。当社グループでは、国内及び海外において積極的にM&Aを推進している結果、のれんと無形資産は増加傾向にありますが、当社グループの収益性に認識可能な低下がみられる場合、事業環境等の変化によってM&Aにおいて期待された成果が得られないと判断される場合には、のれんや無形資産の減損が生じているか否かについての判断が必要となります。のれんや無形資産に関する減損損失が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、これらのうち、のれんは非償却性資産であります。

また、M&Aや出資にあたり、ダウンサイドリスクの回避を意識しながら、当初の投資額や取得比率を抑えて減損の潜在額を小さくすることや、売主である創業者にインセンティブを与え、当該事業の経営リスクを軽減することを目的として、少数株主にプット・オプションを付与している場合があります。当該事業が当初想定した収益計画から大きく乖離した場合には、オプションの公正価値に変化が生じているか否かの判断が必要になり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、減損リスクを意識することで、M&Aへの取組みに規律を働かせています。M&Aを実行するに際し、投資検討におけるデューディリジェンスの過程から、事業部門やPMI担当者によるチームを組成し、投資後の計画を先行的に策定し、投資後においては各種施策を早期に開始し、当該事業の経営改善やグループ間連携の強化による想定シナジーの早期実現に努めています。

 

(6)人材の確保

近年、国内における技術者需給は逼迫しており、今後の技術者採用市場の動向によっては、技術者人材の確保が難航するおそれもあり、結果として当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

採用力は当社グループの強みの一つであり、優秀な技術者の獲得は成長の推進力です。当社グループでは、従前の既卒者を中心とした中途採用に加えて、新卒採用の強化を図っています。また、採用チャネルについても、従前のWeb媒体やハローワーク等に加えて、人材紹介事業者の活用や知人紹介等に多角化することで、採用経費の効率化と人材の質の向上等を目指しながら、必要とされる技術者の確保に努めています。これらの取組みの結果、技術者採用数と総在籍技術者数は下表のとおり順調に推移しています。

また、当社グループでは、毎年従業員満足度調査を実施し、その結果を元に処遇改善施策を実施する等、採用競争力の強化と退職率の低減に努めています。

 

2015年6月期

2016年6月期

2017年6月期

2018年6月期

2019年6月期

技術者採用数(人)

2,413

2,541

2,684

4,151

4,512

総在籍技術者数(人)

11,969

13,127

14,346

16,797

19,293

(技術者採用数、総在籍技術者数ともに国内(M&Aによる技術者増加を含む)。また、総在籍技術者数は年度末時点。)

さらに、当社グループは、技術者数の急激な増加と組織の拡大に対応すべく、安定した事業運営に必要な数の管理社員を採用・育成する必要があり、当該人材の確保が難航した場合には、当社グループの事業運営や業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、技術者の採用には競争力があるものの、管理社員の採用には、逼迫した労働市場において業種を問わない競合との厳しい獲得競争にさらされています。当社グループでは、最新のIT技術の導入や業務フローの見直しによって管理社員の生産性を上げるべく、技術者派遣事業のコアプロセスを強化するプラットフォーム構築を目的としたIT投資を積極化する一方、業務改革プロジェクトを発足し、営業・人事・会計といった当社基幹システムの抜本的な見直しを進め、事務機能の強化を図っています。

 

(7)労務

当社グループは、技術者に加え管理社員を含めると、20,000人を超える従業員を雇用しており、また毎年多数の従業員を採用しております。このため、労働安全衛生や雇用関係等に関して従業員との間で紛争が発生する可能性もあり、その場合には当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、経営理念の一つとして、「エンジニア一人ひとりに誠実に向き合い、夢の実現をサポートするパートナーです。」を掲げ、採用時の人材品質確保、コンプライアンスを重視した労務管理を含む技術者管理の充実、教育研修体制の強化、従業員満足度向上等の取組みを実践しています。

 

(8)コンプライアンス

当社グループは、自らが事業を展開する国又は地域の法令等を遵守する必要があります。当社グループ役職員により、コンプライアンスを軽視した社会的倫理に反する行為等が行われた場合には、社会や顧客が被る損害への賠償やレピュテーションの悪化等を通じて、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、当社代表取締役を委員長とし当社グループの取締役・監査役等で構成するCSR委員会において「統合リスク管理計画」を策定し、重視すべきコンプライアンスリスクの特定とその重点管理を行っています。実務面では、グループ横断のコンプライアンス専任部門の設置、トラブル発生時のエスカレーションルール徹底、内部監査の実施と是正活動、内部通報制度の周知等を通して、重大なコンプライアンス違反発生を防ぐことに努めています。

 

(9)情報セキュリティ

当社グループの技術者は、業務上、顧客の研究開発等の機密情報を知り得る可能性があります。当社グループの技術者によって、顧客の機密情報の外部流出が発生した場合には、当社グループへの損害賠償請求等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループ情報システムにおけるデータ損失や漏洩により、当社グループの業務運営に支障が生じる可能性があります。

当社グループでは、情報セキュリティに関する各種規程を整備・運用し、役職員への教育研修等を通じて、情報及び情報機器の適正な取扱いを浸透させています。また、当社グループでは、ネットワークセキュリティ等を強化することで、当社グループ情報システムのデータ損失や漏洩への対策を進めています。

 

(10)事業イメージ・レピュテーション

当社グループの主要な事業である技術者派遣事業は、多くの人材を雇用する社会的責任の大きな事業であり、当社グループ役職員により社会的信用や企業イメージを棄損する行為が行われた場合には、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。また、技術者派遣市場は事業者数が多く細分化されており、当社グループのみならず、類似の事業を営む他社においてコンプライアンスを軽視した社会的倫理に反する行為等が行われた場合にも、業界全体に対するイメージの悪化を通じて、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)個人情報保護

当社グループは、技術者を含む従業員や、採用応募者の個人情報を大量に保有しており、個人情報の外部流出が発生した場合には、当社グループへの社会的信用の失墜等により、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、個人情報の適正な管理は極めて重要であると認識しており、役職員への継続的な教育研修等を通じて、個人情報の適正な取扱いを浸透させています。また、当社CSR推進部長を個人情報保護責任者と定め、個人情報保護規程の整備・運用及び情報システム面も含めた個人情報に関するセキュリティ対策を講じています。

 

(12)自然災害・事故

当社グループは、全国に200ヵ所以上の事業拠点を有しており、当社グループの技術者は国内2,000社以上の顧客先にて勤務しています。そのため、地震や洪水等の自然災害や予期せぬ事故等により、当社グループあるいは顧客の設備が損壊する等の被害が発生した場合には、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、自然災害や事故について事業継続計画及び企業危機対策規程を定め、また情報システム障害に関してはデータリカバリーセンターを活用する等の対策を講じています。

 

B.中長期の視点から事業に影響を及ぼす可能性のあるリスク

(1)グローバル化の進展

近年、当社グループの主要顧客である大手日系企業は、研究開発やITシステム開発のグローバル化を進めており、この動きは今後益々加速するものと考えられます。また、新興国の技術力向上により、欧米においては重要な開発プロジェクトであっても、安価なオフショアリング開発が用いられるようになってきています。日本でも将来的には、国内における開発プロジェクトが縮小して技術開発サービス需要が減少し、かつこのような変化に当社グループが対応できない場合には、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

一方で、当社グループがグローバル規模で顧客の需要に応える事業基盤を確立し、各地域で最適な技術開発サービスをソリューションとして提案することができれば、当社グループの新たな成長機会となる可能性があります。

当社グループでは、中期経営計画に基づく成長戦略の一環としてグローバル化を推進しており、2019年6月30日現在、中国、シンガポール、インド、イギリス等の海外拠点の技術者数は、合計で1,608名になります。

 

(2)雇用慣行の変化

日本において技術開発サービスの需要が強い背景の一つとして、日本的雇用慣行では迅速な直接雇用人員の調整が困難であり、研究開発やITシステム開発のプロジェクトにおいて、適時適切な人材を確保することが難しいことがあります。近年、日本では雇用慣行が徐々に変化しつつあり、将来的に雇用の流動化が一層進展し、顧客が開発プロジェクトごとに必要な人材を直接雇用することが一般化した場合には、人材のアウトソース需要が減少し、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、中期経営計画に基づき、最先端の技術を有する技術者の育成や技術コンサルティング、技術者を中心とした人材紹介業等、より高付加価値な技術開発サービスへと事業の多角化を進めています。

 

(3)顧客の需要動向の変化

近年、デジタル化やソフトウェア化の進展により、研究開発やITシステム開発の手法も大きく変化しています。欧米では、従来からITシステム開発の内製化やパッケージ化が広く浸透しており、日本でも将来的には、技術の進化によって顧客の開発手法が変化することが想定されます。このような変化に当社グループが対応できない場合には、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

一方で、当社グループによる新たな開発手法を習得した技術者の育成やグローバルでの開発リソースの最適化等によって、顧客が技術の変化に対応するための技術開発サービスをソリューションとして提案することができれば、当社グループの新たな成長機会となる可能性があります。

 

(4)国内の人口推移

当社グループの事業の過半は国内で行われていますが、国内では総人口及び技術者数が継続的に減少すると見込まれており、当社グループが事業を展開する市場の縮小や、新卒・中途採用の競争激化により、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

一方で、国内での技術人材需要は継続的に高止まりが予想され、グローバル人材の採用や技術開発の効率化によって顧客の技術開発ニーズに応えることができれば、当社グループの新たな成長機会となる可能性があります。

 

(5)世界的な経済情勢の長期的趨勢

当社グループへの需要は、顧客の研究開発やITシステム開発への投資に強く連動しています。当社グループの主要顧客である大手日系企業は、将来にわたる国際競争力を維持するため、積極的な研究開発投資を継続的に行っており、当社グループの成長の要因となっています。

しかしながら、近年の世界的な保護主義への回帰や、自由経済への制約が将来にわたって継続し、多くの日系企業が研究開発投資に消極的な姿勢に転換した場合には、技術人材への需要が減少し、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2018年7月1日~2019年6月30日)における世界経済は、米中貿易摩擦等による中国経済の減速や英国のEU離脱に伴う欧州経済の混乱、中東の不安定な政治状況等が影響し、減速懸念が根強い一年でした。一方、国内においても、2018年10月以降下落の続いていた日経平均株価は上昇基調へと転じたものの、輸出の停滞と消費の一進一退が続き、また2019年10月に予定される消費税増税への懸念から、景気の先行きに対する警戒感が強まっています。

このような経済環境を背景としつつも、当社グループが注力している技術者派遣・請負事業は成長が継続しており、中でも自動車・自動車部品業界、IT業界、建設業界の技術者に対する需要は高い状態が続いています。

当連結会計年度において、当社グループとしては主に以下の取組みを実施いたしました。

 

(シフトアップ・チャージアップの推進)

技術者一人当たりの売上単価の向上に向けて、シフトアップ(配属先を変更することによる売上単価向上)とチャージアップ(同一配属先での契約更新時の売上単価向上)を、前連結会計年度に引き続き推進いたしました。

 

(技術者の確保)

国内における技術者採用市場は、需要に対して供給不足の状態が継続し、当社グループのさらなる成長のため、技術者の確保が重要な課題となっています。新卒採用を積極的に行うとともに、優秀な技術者の確保を行うための具体的な取組みとして、技術者による知人紹介や人材紹介会社の積極活用、採用セミナーの開催等を進めております。また、ハイエンド技術者に特化したスカウト型の人材紹介事業を営むテクノブレーン㈱を2019年2月に連結子会社化し、2019年7月には、人材紹介事業を営む連結子会社である㈱テクノプロ・キャリアとの間で、テクノブレーン㈱を存続会社とする吸収合併を行いました。この合併により、登録型とスカウト型の強みを併せ持った様々な領域の人材紹介サービスを行うことが可能となります。技術者を主体とする人材紹介事業の成長を進め、グループ内外への技術者供給力を高めてまいります。

 

(技術者の高付加価値化)

技術者の高付加価値化を進める施策として、㈱ALBERT、㈱アイズファクトリーとのデータサイエンティスト養成・派遣事業での協業、Strategic Cyber Holdings LLCが運営するCYBERGYM TOKYOとサイバーセキュリティエキスパート育成事業での協業、㈱A.L.I.TechnologiesとAI技術を活用したドローンソリューションサービスの共同展開等を進めました。また、東京大学、東京工業大学、鳥取大学等の各研究機関との共同研究を推進するとともに、当社連結子会社で教育研修事業を手がけるピーシーアシスト㈱が運営するWinスクールにおいて、時代に即したニーズの高い技術習得のための講座を新規開設する等、技術者の高付加価値化に向け様々な取組みを進めてまいりました。引き続き、当社グループの技術者、研究者の知識や技術の向上を積極的に図り、技術者の高付加価値化を進めてまいります。

 

(グローバル化の推進)

2018年10月に英国を拠点に技術者派遣事業及び人材紹介事業を展開するOrion Managed Services Limitedを連結子会社化し、アジア地域に加え欧州地域における中長期的な事業拡大を推進する礎を築きました。同社に加え、アジア地域に拠点を持つテクノプロ中国グループ各社やHelius Technologies Pte Ltd等で連携を行い、欧州・アジアに拠点を有する日系企業への技術系サービスの提供を進めるとともに、日本国内で就業のできる外国籍技術者を確保し、国内技術者不足に対応できる体制構築を進めてまいります。

 

これら取組みの結果、当連結会計年度末の国内技術者数は19,293人(前連結会計年度末比2,496人増)へと増加しました。当連結会計年度の平均稼働率は95.5%と前連結会計年度比0.2pt減少となりましたが、高稼働率を維持いたしました。シフトアップ・チャージアップは前連結会計年度より継続的に推進しており、技術者一人当たり売上(㈱テクノプロ及び㈱テクノプロ・コンストラクションの平均)の向上を進めてまいりましたが、多くの新卒技術社員の入社や政府主導の働き方改革による残業時間の減少等が影響し、月額630千円と同0.1千円の減少となりました。

採用面においては、当連結会計年度の国内技術者採用数(M&Aによって獲得した技術者数を含む)は4,512人(前連結会計年度比361人増)であり、技術者数の伸びに寄与しております。

 

費用面においては、業績向上に伴う技術者の人件費増加といった売上原価増の要因があったものの、売上総利益率は25.3%となりました。一方で、グループ規模の拡大に伴い管理コストも増加し、売上収益販売管理費比率は15.8%となりました。

 

当連結会計年度における主要事業分野の業績は以下のとおりであります。

(R&Dアウトソーシング分野

専任チームの主導によるシフトアップ・チャージアップの交渉による高収益化の推進を進めることに加え、人材育成・採用に係る情報システムの構築を進めました。これらの取組みの結果、同事業の売上収益は1,137億83百万円(前連結会計年度比16.8%増)となりました。

 

(施工管理アウトソーシング分野

前連結会計年度に引き続き、チーム配属の推進による技術者一人当たりの売上単価の向上を進めるとともに、未経験者採用・育成、及び施工管理に加え、設計等の領域の拡大を進めました。これらの取組みの結果、同事業の売上収益は177億20百万円(前連結会計年度比20.9%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4億21百万円減少し、212億30百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、資金は112億70百万円の収入(前期は107億98百万円の収入)となりました。これは主に、税引前当期利益(137億27百万円)、買掛金及びその他の債務の増加(16億59百万円)による資金の増加に対し、売掛金及びその他の債権の増加(17億86百万円)、法人所得税支払額(35億29百万円)により資金が減少したこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、資金は44億29百万円の支出(前期は53億61百万円の支出)となりました。これは主に、子会社の取得による支出(37億5百万円)、有形固定資産の取得(3億75百万円)及びその他の金融資産の取得による支出(2億60百万円)等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、資金は71億84百万円の支出(前期は28億26百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入れによる収入(10億円)による資金の増加に対し、配当金支払額(43億38百万円)、長期借入金の返済による支出(34億33百万円)により資金が減少したこと等によるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しています。

 

ロ.受注実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しています。

 

ハ.販売実績

当社グループは技術者派遣・請負事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載に代えて事業分野別の販売実績を記載しています。当社グループの当連結会計年度における販売実績は以下のとおりであります。

事業分野の名称

連結会計年度

(自 2018年7月1日

  至 2019年6月30日)

金額

(百万円)

前年同期比

(%)

R&Dアウトソーシング

113,783

116.8

施工管理アウトソーシング

17,720

120.9

その他

12,671

287.2

合計

144,176

123.7

(注)上記金額には、消費税等は含まれていません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は以下のとおりであります。

なお、本項に記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものです。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されています。

これらの連結財務諸表の作成にあたっては一部に見積りによる金額を含んでおりますが、見積りにつきましては、過去実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づいており、妥当性についての継続的な評価を行っています。

しかしながら見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 

② 経営成績の分析

「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。

 

③ 財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は937億71百万円(前連結会計年度末比55億69百万円増加)となりました。主な内訳は、のれん370億79百万円、売掛金及びその他の債権197億65百万円、現金及び現金同等物212億30百万円等であります。

各項目の状況は以下のとおりであります。

 

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は445億62百万円(前連結会計年度末比35億61百万円増加)となりました。主な内訳は、現金及び現金同等物212億30百万円(同4億21百万円減少)、売掛金及びその他の債権197億65百万円(同23億86百万円増加)等であります。

(非流動資産)

当連結会計年度末における非流動資産の残高は492億8百万円(前連結会計年度末比20億7百万円増加)となりました。主な内訳は、のれん370億79百万円(同25億80百万円増加)、繰延税金資産39億57百万円(同24百万円増加)等であります。

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は341億71百万円(前連結会計年度末比54億26百万円増加)となりました。主な内訳は、買掛金及びその他の債務129億64百万円(同19億18百万円増加)、従業員給付に係る負債58億46百万円(同9億52百万円増加)等であります。

 

(非流動負債)

当連結会計年度末における非流動負債の残高は135億34百万円(前連結会計年度末比29億55百万円減少)となりました。主な内訳は、社債及び借入金58億25百万円(同23億19百万円減少)、その他の長期金融負債66億97百万円(同5億95百万円減少)等であります。

 

(親会社の所有者に帰属する持分)

当連結会計年度末における親会社の所有者に帰属する持分の残高は448億3百万円(前連結会計年度末比31億9百万円増加)となりました。主な内訳は、資本剰余金73億4百万円(同16億98百万円減少)、利益剰余金311億29百万円(同53億4百万円増加)等であります。

 

④ キャッシュ・フローの状況の分析

「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性

① 資金需要

当社グループは技術者派遣業務を主体として事業運営しているため、主要な運転資金需要は、人件費(給与手当、賞与、法定福利費等)の支払となります。また、技術者派遣業務は、役務提供の対価が毎月入金されることが基本であるため、運転資金の大半は顧客からの入金で充足されます。なお、当連結会計年度における売上債権回転期間は1.6ヵ月、未払人件費等回転期間は1.4ヵ月です。

その他、情報システム投資や営業拠点投資、M&A投資が主要な資金需要となります。

 

② 財務政策

当社グループは、(ア)将来的成長へ向けた積極投資、(イ)適正な財務健全性・レバレッジの確保、(ウ)株主還元の規律、の最適なバランスを踏まえた財務政策を基本方針としており、指標としては基本的1株当たり当期利益の長期継続的改善を重視し、借入金を主体とした負債性資本による調達を基本としています。

また、当社グループでは、当連結会計年度末時点において、短期的資金需要を賄うため、総額160億円のコミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結しております。

 

(4)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報

(のれんの償却)

日本基準においては、のれんはその効果の及ぶ期間を見積り、当該期間で償却することとしておりましたが、IFRSでは償却を行わず、毎期の減損テストにより必要な場合は減損損失を計上します。

この結果、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が前連結会計年度21億48百万円、当連結会計年度28億60百万円減少しております。

 

(5)参考情報

報告セグメント区分の変更

当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているセグメントです。当社グループは、当連結会計年度まで、技術者派遣・請負事業を単一セグメントで展開しておりましたが、国内技術者派遣事業以外のサービスからの収益が拡大していることを受け、2020年6月期(2019年7月1日~2020年6月30日)の会計年度より、従来ビジネスユニット別にて管理していた分野を基に「R&Dアウトソーシング事業」、「施工管理アウトソーシング事業」、「国内その他事業」、「海外事業」の4区分を報告セグメントとし、報告セグメントごとの業績を取締役会に報告して業績管理する等のセグメント別の経営を開始しております。

各報告セグメントの概要は下記になります。

「R&Dアウトソーシング事業」は、自動車・自動車部品、産業機械・装置、情報通信機器、電機・電子機器、IT、半導体、エネルギー、医薬品、化学等の業界における大手企業等を顧客として、機械、電気・電子、組込制御、ITネットワーク、ビジネスアプリケーション、システム保守運用、生化学等の技術領域において、技術者派遣・請負業務を提供しております。「施工管理アウトソーシング事業」は、建設業界、主に大手ゼネコン・サブコンを顧客として、建築・土木・設備電機・プラント領域における施工管理業務(安全管理、品質管理、工程管理、原価管理)の技術者派遣を提供しております。「国内その他事業」は、人材紹介事業、技術系教育研修事業を行っております。「海外事業」は、中国において技術者派遣・請負及び人材紹介業務、シンガポールとインドを主体にIT技術者派遣業務、英国において技術者派遣及び人材紹介業務を提供しております。

 

なお、参考情報として、前連結会計年度及び当連結会計年度の報告セグメントに関する情報を、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを以下に開示いたします。(非監査数値)

 

(報告セグメントに関する情報)

報告セグメントの会計方針は、連結財務諸表作成における会計方針と同一であります。各報告セグメントのセグメント間の取引は、市場実勢価格に基づいており、セグメント利益は営業利益になります。なお、セグメント資産は、各報告区分ごとには、算定していないため記載は省略しております。

 

前連結会計年度(自 2017年7月1日 至 2018年6月30日)

(単位:百万円)

 

報告セグメント

全社/

消去

連結

 

R&D

アウト

ソーシング

事業

施工管理

アウト

ソーシング

事業

国内

その他

事業

海外

事業

合計

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客からの売上収益

97,457

14,659

2,213

2,166

116,497

32

116,529

セグメント間の内部

売上高又は振替高

230

587

169

987

△987

売上収益合計

97,687

14,659

2,800

2,336

117,484

△955

116,529

営業利益

9,261

1,540

293

138

11,233

4

11,238

金融収益

69

金融費用

148

持分法による投資利益(△は損失)

3

税引前利益

11,163

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費及び償却費

162

24

20

69

276

230

506

減損損失

資本的支出

126

49

18

15

210

198

408

(注)全社/消去のセグメント利益には、各報告セグメントに配分していない全社費用が含まれております。

 

当連結会計年度(自 2018年7月1日 至 2019年6月30日)

(単位:百万円)

 

報告セグメント

全社/

消去

連結

 

R&D

アウト

ソーシング

事業

施工管理

アウト

ソーシング

事業

国内

その他

事業

海外

事業

合計

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客からの売上収益

113,783

17,720

2,705

9,920

144,130

45

144,176

セグメント間の内部

売上高又は振替高

237

769

363

1,370

△1,370

売上収益合計

114,021

17,720

3,474

10,283

145,500

△1,324

144,176

営業利益

10,672

1,938

416

△931

12,096

1,642

13,739

金融収益

109

金融費用

113

持分法による投資利益(△は損失)

△7

税引前利益

13,727

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費及び償却費

218

33

18

293

564

213

777

被支配株主に付与されたプット・オプションに係る益

1,359

1,359

条件付対価に係る価値変動額(利益)

110

110

減損損失

1,673

1,673

1,673

資本的支出

231

26

30

46

333

127

460

(注)全社/消去のセグメント利益には、各報告セグメントに配分していない全社費用が含まれております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 特記すべき事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 特記すべき事項はありません。