(1)業績
当事業年度における国内経済は、政府の経済政策の効果もあり、雇用・所得環境の改善が見られ、緩やかな回復基調となっているものの、世界各地での地政学的リスクの高まりによる世界情勢の不安定化や米国新政権の政策運営、英国のEU離脱問題によるEU各国への影響、さらに資源国および新興国経済の動向等、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
食品業界におきましては、原材料単価や物流コストの上昇、人口減少による市場規模の縮小及び所得水準の伸び悩み等が足かせになるなど、依然として厳しい状況となりました。
このような環境の下、当社は、2016年6月にアスラポート・ダイニング・グループ(以下、アスラポート・グループという)と資本業務提携を締結し、新製品開発及び販路拡大による業績の回復に努めてまいりました。また、事業ポートフォリオの見直しにも取組み、主に、当社主力事業部門であるナショナル・ブランド事業部門において商品の定番化による在庫管理強化を進めることで、製品在庫の廃棄低減による利益率の向上に努めてまいりました。
海外においては、2017年3月に台湾の食品メーカーの金利食安科技股份有限公司(KEE Fresh & Safe Foodtech Co., Ltd.)と基本売買契約及びOEM契約を締結し、非加熱殺菌のコールドプレス製品を製造し、日本に輸入販売を開始しております。同社との契約締結は、当社の重要な海外事業展開の1つであり、アジア戦略の一環として取組むこととしております。
この結果、当事業年度の業績は、売上高1,619百万円(前年同期比37.0%減)、営業損失は506百万円(前事業年度は営業損失474百万円)、経常損失は589百万円(前事業年度は経常損失579百万円)、当期純損失は591百万円(前事業年度は当期純損失683百万円)となりました。
当社は輸入食品製造販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。事業部門別の売上高は次のとおりであります。
① NB事業部門
NB事業部門に関しては、当上半期においては、今夏開催されたリオデジャネイロ・オリンピックに合わせ新製品の発売による売上高獲得と当社主力製品のフルッタアサイーシリーズの販売チャネルの選択によるCVSでの取扱いを縮小することで、在庫リスク及び流通コスト等の費用低減に努めてまいりました。また、当下半期においては、事業ポートフォリオの見直しにより、3月に大きく販売予定としていた新製品導入と、メディアとの共同企画によるコラボレーション製品の発売を見送ったことが影響したことで、売上は減少することとなりました。
以上の結果、NB事業部門全体の売上高は888百万円(前事業年度比40.2%減)となりました。
② AFM事業部門
AFM事業部門に関しては、大手菓子メーカーに採用されているアグロフォレストリー産カカオ豆が高級チョコレートでの需要の高まりを見せているものの、天候不順等により現地ブラジルでのカカオ豆の収穫が減ったことから原料調達が想定を下回ったことで、需要の高まりに反して機会損失となりました。また、事業ポートフォリオの見直しで、AFM事業部門の比率を高めることを目標としていますが、成果が遅れており、外食チェーン店や食品メーカーでのアサイー原材料の採用も一巡するなか売上は低調となりました。
一方で、アスラポート・グループ傘下の弘乳舎との共同開発によるアサイーゼリーが、宅配弁当のデザートメニューに採用されることで、業務提携効果第1弾として具現化いたしました。しかしながら、総じて製品開発や製造技術の適応化に時間を要したことで、業績に与える影響は限定的となりましたが、引続きアスラポート・グループとの協業によるシナジー効果により業績回復に努めてまいります。
以上の結果、AFM事業部門全体の売上高は569百万円(前事業年度比33.1%減)となりました。
③ DM事業部門
ダイレクト・マーケティング事業部門(DM事業部門)の、直営店舗に関しては、2016年5月に玉川髙島屋店を閉店したことで、渋谷ヒカリエ店1店舗となったことで店舗売上としては減少することとなりましたが、トッピングパスポート券配布や様々なキャンペーンを実施し売上獲得に努めました。また、2017年3月には渋谷ヒカリエ店のリニューアルを実施し、当社旗艦店としての役割向上と消費者へのアサイーの再認知を図るべく取組みました。
WEB通販に関しては、自社通販サイトへの誘導や潜在顧客の掘り起こし等により販売促進に取組んだものの、効果は限定的となりました。一方で、株式会社ファイトロックスと当社とで、アサイーとフコキサンチンを使用した通販専用製品の開発にも引続き取組んでおりますが、生産技術問題の解決に時間を要している状況にあり、製品化には少々時間を要するものと考えております。
この結果、DM事業部門全体の売上高は161百万円(前年同期比30.7%減)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ109百万円増加し、当事業年度末には397百万円になりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果使用した資金は224百万円(前事業年度は1,194百万円の使用)となりました。
これは主に、たな卸資産の減少302百万円、売上債権の減少90百万円があった一方で、税引前当期純損失592百万円の計上、仕入債務の減少150百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果獲得した資金は0百万円(前事業年度は3百万円の使用)となりました。
これは主に、資産除去債務の履行による支出2百万円があった一方で、敷金及び保証金の回収による収入9百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果調達した資金は329百万円(前事業年度は956百万円の調達)となりました。
これは主に、社債の償還による支出25百万円があった一方で、転換社債型新株予約権付社債の転換による収入197百万円、株式の発行による収入142百万円があったこと等によるものであります。。
当社は輸入食品製造販売事業の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しております。また、当社は、複数の事業部門で同一種類の商品を取り扱うため、生産実績及び商品仕入実績については、商品群別に記載をしております。
(1)生産実績
当事業年度の生産実績を商品群別に示すと次のとおりであります。
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商品群の名称 |
当事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前事業年度比(%) |
|
チルド商品(千円) |
707,526 |
△33.9 |
|
冷凍商品(千円) |
58,424 |
△66.3 |
|
常温商品(千円) |
108,288 |
△43.8 |
|
合計(千円) |
874,239 |
△39.2 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)商品仕入実績
当事業年度の商品仕入実績を商品群別に示すと次のとおりであります。
|
商品群の名称 |
当事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前事業年度比(%) |
|
チルド商品(千円) |
18,064 |
20.2 |
|
冷凍商品(千円) |
217,386 |
△41.9 |
|
常温商品(千円) |
97,603 |
△39.3 |
|
合計(千円) |
333,054 |
△39.4 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)受注状況
当社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(4)販売実績
当事業年度の販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
|
事業部門の名称 |
当事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前事業年度比(%) |
|
NB事業部門(千円) |
888,580 |
△40.2 |
|
AFM事業部門(千円) |
569,213 |
△33.1 |
|
DM事業部門(千円) |
161,660 |
△30.7 |
|
合計(千円) |
1,619,454 |
△37.0 |
当事業年度の販売実績を商品群別に示すと次のとおりであります。
|
商品群の名称 |
当事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前事業年度比(%) |
|
チルド商品(千円) |
879,469 |
△39.6 |
|
冷凍商品(千円) |
448,914 |
△30.9 |
|
常温商品(千円) |
291,070 |
△37.6 |
|
合計(千円) |
1,619,454 |
△37.0 |
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります
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相手先 |
前事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
㈱日本アクセス |
396,674 |
15.4 |
226,042 |
14.0 |
|
三菱食品㈱ |
368,006 |
14.3 |
221,315 |
13.7 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は、対処すべき課題として以下の施策に取り組んでまいります。
① 事業ポートフォリオの見直し
・NB(ナショナル・ブランド)商材の選別・集約
・AFM(アグロフォレストリー・マーケティング)事業、通販事業への資源集中・拡大
現在、売上構成比が一番高く、当社売上を牽引しているNB事業ですが、高価格の原材料在庫を抱えているため、原価が高くなっており、収益獲得のため価格訴求型のチャネル販売は収れんさせ、製品を集約させることにより原価改善を進めてまいります。加えて、販売エリアを含む物流効率化についても検討し、収益性を改善してまいります。
AFM事業のメーカー向け原料販売、外食チェーン向け原料・業務用販売は物流費率が比較的低く、在庫コントロールもしやすいという側面を持ち、管理コストが抑えられる事業であり、加えて、アスラポート・グループとのシナジー効果が表れる事業でもあります。
また、通販事業に関しては、中長期的に伸ばしていくべき事業でありますが、通常の通販事業と比較して当社の通販は相対的に粗利率が悪いことから、通販専用商品開発を進めております。
今後はNB事業の効率化を図りつつ、AFM事業及び通販事業へ資源をシフトさせ、拡大させていくことで、収益性の改善を図ります。
② アスラポート・グループとの連携強化
アスラポート・グループとの新製品開発及び販路拡大に取組、さらなる連携強化を図り、アグロフォレストリー・マーケティング事業へのリソース配分を強化してまいります。
③ 機能性商材の開発強化(R&D強化)
平成27年4月より、我が国では機能性表示食品の制度がスタートいたしました。アマゾンフルーツは、赤道直下の強い紫外線と強烈な雨といった過酷な環境で生育するため、環境ストレスによる活性酸素と戦う抗酸化物質を蓄えます。当社は、今後、アマゾンフルーツの機能性を様々なアプローチで研究を進めることで、当社独自の新商品開発へと繋げてまいります。
企業や大学との共同研究を進めており、アマゾンスーパーフード素材を予防医学とスポーツ栄養学の発展に役立てることを目標にアサイーをはじめとするアマゾンスーパーフードの効能を検証してまいります。
これらの取組を商品開発に活かし、砂糖・香料・着色料不使用という品質へのこだわりやおいしさという魅力に加えて、機能性という魅力を加味した商品づくりを推進してまいります。
④ 海外への事業展開
ポテンシャルの大きい海外市場特に、アジア市場において日本品質の高付加価値アサイー製品の導入を図るべく、各市場における現地パートナーとの業務提携の計画を進めてまいります。
⑤ 在庫削減への取組み
上記の営業・商品施策により、アサイー及びアマゾンフルーツ冷凍パルプ原材料在庫の削減を推進してまいります。
⑥ コスト削減への取組み
商品ラインナップを絞り込むことにより在庫回転率を上げ、在庫圧縮による倉庫料の低減と物流費や販売手数料等の変動費の見直し及び事務所賃料をはじめとした固定費の経費削減に取組んでまいります。
⑦ 財務基盤の強化
上記の施策に取組むことにより、損益の改善と在庫の削減を推し進め、財務基盤を強化してまいります。また、自己資本を強化するべく取組みとして、事業シナジーも考慮しつつ、第三者割当増資及び資本業務提携等も含めて検討してまいります。
以下において、当社の事業、経営状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項を記載しております。
当社は、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生後の対応に努めるものでありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項も慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在のものであります。
① 事業内容に関するリスク
(a)アマゾンフルーツ仕入のトメアス総合農業協同組合(CAMTA)への依存について
当社は平成14年12月に初回の締結が行われ、その後平成28年10月に最新の更新が行われたトメアス総合農業協同組合(CAMTA)との取引基本契約により、CAMTAが生産するアサイー及びその他のフルーツの冷凍パルプの日本における独占販売権及び米国、オーストラリア、中国、韓国、ニュージーランド及びオセアニア諸国において商品を販売する権利を有しております。
当社は同取引基本契約に基づき、当社が扱うアサイーを含むアマゾンフルーツ冷凍パルプについて全てをCAMTAから購入する義務を負っており、当社の製商品のほとんどに、それらアマゾンフルーツ冷凍パルプが用いられております。
当社の製商品にはこれらのアマゾンフルーツに他の果物等を加えるため、平成29年3月期の当社の製品売上原価のうち材料費に占めるCAMTAからの仕入金額は7割以上、商品売上原価のうち商品仕入高に占めるCAMTAからの仕入金額は9割以上となっております。
このように、現時点での当社の事業活動は、同取引基本契約に基づくCAMTAからのアマゾンフルーツ仕入を前提とし行われております。
同取引基本契約の有効期限は、更新日より5年間(現契約は平成33年10月まで)となっております。また、その更新は両者間において更新に異議がない場合は、自動的に5年間の契約延長がなされることとなっており、契約解除条項は存在しません。
当社は創業時よりCAMTAとの絆を大切にしてまいりました。当社は本社から年数回CAMTAを訪問する等CAMTAとの良好な関係維持に努めつつ、品質の確認、生産・財務状況の確認等を行っております。また、アサイー冷凍パルプの購買にあたっては、同取引基本契約に基づいて、毎年個別購買契約を締結し、購入数量の確保及び価格の安定化を図っております。
今後においても、原料の安定確保のためCAMTAとの関係強化を図ってまいりますが、CAMTAとの関係の変化、取引縮小、原料等の価格引き上げ、本地域における自然災害などがあり、CAMTAからアサイー等を計画通りに仕入れることができない場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(b)売上高におけるアサイーの依存について
当社の売上高実績に占めるアサイー関連事業の売上高(当社全体の売上高からカカオ豆の卸販売や、アサイー以外の冷凍フルーツパルプの販売といった、アサイーに直接関係しない事業分を除いた売上高)の割合は、平成29年3月期において8割以上となっております。
当社としましては、アサイービジネスの一層の拡大に注力する一方、アサイー以外のアマゾンフルーツを用いた商品の開発、販売等にも取り組み、当社全体としての事業の拡大を図っております。世界的な消費者の「健康志向」「本物志向」という潮流の中でアサイー認知度が急激に向上したことなどから、最近においてアサイー関連市場は拡大しましたが、消費者の嗜好の変化等によってアサイー関連市場の大幅な縮小を余儀なくされる等、予期せぬ事態が発生した場合、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(c)アサイーの仕入について
当社は、アサイー及びアサイーを原料とした製品販売を主体としており、安定的なアサイーの確保のための灌水設備等の現地投資や、他のアマゾンフルーツの売上比率の向上などを検討し、リスク低減を図っております。しかしながら、天候不順等によるアサイー価格の高騰、品質劣化等により、アサイーを適正価格で仕入れることができない場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(d)食の安全性について
当社の仕入先であるCAMTAは栽培から製造まで一貫して品質管理を行っており、それ以外の原料・外注委託については、当社が品質の確認を行っております。また、表示についても当社で確認するとともに、保健所等の行政機関に対しても確認を依頼しております。しかしながら、万が一大規模な商品回収を実施した場合、もしくは当社の商品に直接の問題がない場合であっても、食品業界全体やブラジル産食品、アサイー等に対する風評などにより当社商品に影響がある場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(e)競合について
当社は、“経済が環境を復元させる事業モデルの構築~グリーンエコノミーの実現~”を企業コンセプトとし、アマゾンフルーツをわが国に普及、拡大すべく事業を展開しておりますが、フルーツ飲料を含む飲料市場においては、大手企業を含む多くの企業が事業展開していることもあり、今後有力な競合先が現れる可能性があります。今後、新規参入等により競争が激化した場合には、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(f)為替相場の変動について
当社は、CAMTAへの商品代金の支払いはドル建てで行っており、為替相場の変動の影響を受けております。為替予約等の活用により、為替リスクを回避する努力を行っておりますが、業容の拡大に応じて適時にすべての為替リスクをヘッジできる保証はなく、為替相場の変動が短期間に乱高下した場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(g)訴訟に関するリスクについて
当社は、研究開発をはじめその事業活動において第三者の知的財産権を侵害することのないように細心の注意を払っております。しかしながら、知的財産権を侵害したとして第三者から不測の訴訟を提起され、その結果によって損失が発生する場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(h)情報の漏えい等に関するリスクについて
当社は、事業運営に必要な、お客様を含む個人情報や経営にかかわる重要情報等の機密情報を多数保有しております。当社は、これらの情報管理の重要性を十分認識し、Pマークも取得しております。また、従業員に対する教育の実施など、システム管理を含めた適切な対策を実施しております。しかしながら、現時点で予期しえない不正アクセスやコンピューターウィルスの感染等などによる機密情報の漏えい、改ざん、消失等が起こった場合は、当社の信用失墜に繋がり、今後の営業活動に影響を及ぼし、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(i)継続企業の前提に関する重要事象等について
当社は、前事業年度に引続き、当事業年度においても重要な営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナス計上により、将来にわたって事業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が見受けられます。しかしながら、当該事象を解消又は改善するための対応策を講じることにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと認識しております。なお、当該事象又は状況についての分析・検討内容及び解消又は改善するための対応策は、7.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (7)重要事象等に記載しております。
② 事業体制に関するリスク
(a)代表者への依存について
当社の創業者であり、事業推進者である代表取締役の長澤誠は、経営方針や経営戦略等、当社の事業活動全般において重要な役割を果たしており、同氏に対する当社の依存度は高くなっております。
当社においては、同氏に過度な依存をしない経営体制を構築すべく、執行役員制度の導入等により権限移譲を進めておりますが、何らかの理由で同氏の業務遂行が困難になった場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(b)小規模組織であることについて
当事業年度末現在における当社組織は、取締役4名(うち社外取締役1名)、監査役3名(うち社外監査役2名)、従業員30名の小規模な組織であり、内部管理体制や業務執行体制はこの規模に応じた組織で対応しております。このため、業容拡大に応じた人員を確保できず役職員による業務遂行に支障が生じた場合、あるいは役職員が予期せず退社した場合には、内部管理体制や業務執行体制が有効に機能せず、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ その他のリスク
(a)新株予約権の行使による株式価値の希薄化
当社では、当社役職員に対するインセンティブを目的とした新株予約権を発行しております。これらの新株予約権の行使が行われた場合、発行済株式総数が増加し、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があり、この株式価値の希薄化が株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
(b)株式の希薄化に関するリスク
当社は、平成28年6月22日開催の当社取締役会において、本新株式と本新株予約権付社債及び本新株予約権の発行決議を行っており、行使期限を平成30年7月7日としており、それまでに本新株予約権付社債及び本新株予約権により本新株予約権付社債の転換による発行株式188,106株、本新株予約権の行使による発行株式数は185,000株が発行されることとなります。
本新株式と本新株予約権付社債及び本新株予約権の発行により、当社普通株式の1株当たりの株式価値及び持分割合が希薄化し、当社株価に悪影響を及ぼすおそれがあります。
当社の経営上重要な契約は、以下のとおりであります。
|
相手先 |
国名 |
契約の名称 |
契約の主な内容 |
契約年月日 |
有効期限 |
|
トメアス総合農業協同組合 (CAMTA) |
ブラジル |
BASIC SALES AGREEMENT |
アサイー及びその他のフルーツの冷凍パルプの日本における独占販売契約、及び米国、オーストラリア、中国、韓国、ニュージーランド及びオセアニア諸国において商品を販売する販売契約 |
平成23年10月 |
契約締結日より5年 契約期間5年間満了後、異議のない場合自動更新 |
|
株式会社アスラポート・ダイニング及び株式会社弘乳舎
|
日本 |
資本業務提携契約 |
アサイーヨーグルト他乳製品の開発、製造、販売及び牛乳宅配チャネルの活用及び外食店舗への卸販売、アジア、その他海外におけるアサイー専門店展開等の両社間で合意した協業に関する事項についての契約 |
平成28年6月 |
契約締結日より2年 契約期間2年間満了後、異議のない場合1年間自動更新
|
当社は、フルッタアサイーブランドの強化及びアサイーの再認知を主たるテーマとし、研究開発に取り組んでおります。
当事業年度の主な研究内容と開発商品は次のとおりであります。なお、当社は、輸入商品製造販売事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載はしておりません。当事業年度の研究開発費総額は、25,041千円であります。
①フルッタアサイーブランドの強化
平成29年3月に、フルッタアサイーシリーズを大幅リニューアル致しました。
『アサイーエナジー® オリジナル』は、シリーズ誕生初期から定番の、累計売上NO.1商品です。より多くのアサイーファンの方々に満足いただく為に、アサイー本来の味わいをより楽しめるよう素材をシンプルにし、糖度や酸度のバランスとスムージー感の強い濃厚な飲みごたえにこだわりました。
『アサイービューティ®』は、インナービューティーをコンセプトとし、健康的な美しさを求める女性のための、フルーツの素材自体の栄養を生かした美容ドリンクです。この度、商品特性をより明確にするため、アサイーとザクロやゴジベリーなどのスーパーフードに、3種のハーブ(ハイビスカス、ローズヒップ、ローズ)を配合し、『アサイービューティ®ハーブ』としてリニューアル致しました。夜のリラックスタイムでもカロリーを気にせず飲める96kcalです。(従来比20%減)
また、アサイーは本来「低糖質」なものであるということをアピールする為、『アサイーベーシック』を終売とし、『アサイー低糖質』を新発売致しました。
アサイーは100gあたり糖質1.9g(最高濃度のグロッソアサイーピューレの場合)の低糖質食品です。そのものは甘味や酸味がなくあっさりとした味わいで、本品は「低糖質で甘味のないアサイーを美味しく飲めるドリンク」をコンセプトに、砂糖・香料・着色料を使用せず、100g中4.2gの低糖質ながら適度な甘さとボディ感のある飲みごたえを、非糖質で天然甘味料のステビアとラカンカによって実現しました。
720mlの大容量タイプは、『アサイーエナジー® オリジナル』を同様にリニューアルし、『アサイー低糖質』を新しく投入致しました。
②アイスカテゴリーの強化
アサイーボウルをイメージしたこだわりのバーアイス『アサイーバー ベリー&チョコグラノーラ』を平成29年3月より発売致しました。アサイーボウルをもっと手軽に、もっと幅広い方々に召し上がっていただけるよう、ハンディなバーアイスとして表現致しました。
美容や健康を意識しながらも、美味しさと自分へのご褒美も求めたい方の為に、チョコレートコーティングの氷菓ながら砂糖と香料、着色料不使用に拘り、さらに滑らかな食感とリッチな濃厚さを追求しました。オーツ麦や大麦、玄米を使用したグラノーラが、カリッとした食感を実現しております。
③新カテゴリーとしての試み
ヨーグルト需要の拡大にあわせ、ヨーグルト専用の『デザートソース アサイー』を平成28年7月に発売致しました。アサイーのコク、ゴジベリーの深み、チアシードの食感を生かした、いつものヨーグルトにかけるだけで美味しさと栄養がグレードアップ。砂糖や香料、着色料、保存料、増粘剤などの添加物を使用せず、みずみずしい味わいと風味に拘った、チルド品質のデザートソースです。
また、新フレーバーとして、4種のアマゾンフルーツを使用した『デザートソース アマゾンフルーツミックス』を、平成29年3月に発売致しました。同じく砂糖や増粘剤、保存料、着色料などの添加物を使用せず、アセロラ、グァバ、クプアス、マンゴーの4種のアマゾンフルーツと、チアシードを贅沢にブレンドし、フルーツ独自の爽やかな酸味と香りが特徴です。
④特殊な製法と技術を導入(素材の鮮度への拘り)
「鮮度=非加熱」をコンセプトに、『非加熱コールドプレス製法』によりこれまでにない鮮度を実現した進化形コールドプレスの『COLD PRESSED FRUITS』アサイー・ピタヤ・ビーツとグリーングァバ・ほうれん草の2品を、平成29年3月に発売致しました。
素材の鮮度や美味しさ、栄養を損なうのは熱であると考え、熱をかけない搾汁方法で果実と野菜の味わいをまるごと楽しめるコールドプレス製法と、High Pressure Processing(超高圧処理)の略で、非加熱で菌を不活性化するHPP技術を採用致しました。さらに冷凍保存で鮮度をキープし、お客様に絞りたての美味しさと栄養をお届け致します。また、従来のコールドプレスは高単価な価格面から一部の消費者の利用に限られておりましたが、本品は462円(税抜・希望小売価格)の低価格を実現致しました。当社は、現代人の美と健康をサポートするコールドプレスが、より広く一般的に親しまれるマーケットを開拓してまいります。
⑤アサイーの機能性に関する研究
当社は、平成28年8月に国立大学法人 千葉大学と「アサイーの機能性」に関する共同研究契約を締結し、『アマゾンスーパーフード素材を予防医学とスポーツ栄養学の発展に役立てる』ことを目標に掲げ、「アサイーの脳と細胞の活性作用」及び「アサイーの体力増強作用」を検証することに取組んでおります。
これら取組を通して、アマゾンスーパーフードが現代人の健康的かつスタイリッシュでアクティブな生活づくりを応援してまいります。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。その詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。その作成は、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案して合理的に見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
(2)財政状態の分析
① 資産
当事業年度末における総資産の残高は、前事業年度末より437百万円減少して、2,277百万円となりました。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は、362百万円減少して、2,246百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金が109百万円増加した一方で、原材料及び貯蔵品が228百万円、売上債権が90百万円、商品及び製品が74百万円減少したこと等によるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は、75百万円減少して、31百万円となりました。この主な要因は、デリバティブ取引契約の解約によるデリバティブ債権が70百万円減少したこと等によるものであります。
② 負債
当事業年度末における負債の残高は、前事業年度末より43百万円減少して、2,166百万円となりました。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は、234百万円減少して、1,701百万円となりました。この主な要因は短期借入金が76百万円増加した一方で、買掛金が150百万円、1年内返済予定の長期借入金が104百万円減少したこと等によるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は、191百万円増加して、465百万円となりました。この主な要因は、資金調達による転換社債型新株予約権付社債の発行により155百万円、長期借入金が45百万円増加したこと等によるものであります。
③ 純資産
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末より394百万円減少して、110百万円になりました。
この主な要因は、第三者割当増資等により資本金及び資本剰余金が196百万円増加した一方で、当期純損失591百万円計上したこと等によるものであります。
(3)経営成績の分析
当事業年度は、前期より悪化した業績の回復を図るべく、アスラポート・グループ傘下の乳業メーカー弘乳舎との新製品の共同開発とアスラポート・グループでの当社製品等の取扱いを推し進める事で、シナジー効果波及に努めました。その結果として宅配弁当のデザートメニューに採用されたアサイーゼリーについては具現化しましたが、総じて製品開発の遅れはもとより、アサイー原材料と乳製品の製造技術の適応化の遅れが影響したことで、同グループとの協業による売上高は大きく下回るものとなりました。今後、当社としては課題解決に取組むことで、引き続きアスラポート・グループとの協業による業績回復に取組んでまいります。
また、事業ポートフォリオの見直しにより3月に大きく販売予定としていたリテールでの新製品導入と、メディアとの共同企画によるコラボレーション製品の発売を見送ったことが影響し、当事業年度の売上高は1,619百万円(前年同期比37.0%減)となりました。
利益面につきましては、価格高騰と為替円安の影響を受けた高価格のアサイー原材料在庫があるなか、引き続き当社利益に影響を与えているものの、事業ポートフォリオの見直しによる利益獲得及び当下期より製品の集約化による在庫管理強化に努める事で製品等の廃棄損低減による利益率の改善に努めました。しかしながら、売上減少による製品在庫等の滞留による影響もあり、効果は限定的となったことで、売上総利益は359百万円(前年同期比43.3%減)となりました。
販売費及び一般管理費においては、主に原材料在庫の増加に伴う保管費用が増加したものの、売上が減少するなか、人件費をはじめとした固定費並びに販売促進費などの変動費についても費用対効果等を鑑みた上での経費削減に努めたことで、前期に比べ242百万円減少したものの、売上総利益にて販売費及び一般管理費が賄うことができなかったことで、結果として、営業損失は506百万円(前事業年度は営業損失474百万円)となりました。
また、営業外損益に関しては、デリバティブ取引契約を解約したことでデリバティブ解約損54百万円を計上したことで、経常損失は589百万円(前事業年度は経常損失579百万円)、特別損失として、2期連続で営業損失を計上したことで当社事業の回収可能性を検討した結果、全社及び店舗における固定資産に対する減損損失3百万円を計上しました。結果として当期純損失は591百万円(前事業年度は当期純損失683百万円)となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載しております。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社の経営成績に影響を与える可能性があると認識しております。
このため、当社の事業上の競争力を高め、収益性の向上と財務体質の強化を図るとともに、内部管理体制の整備やコンプライアンスの徹底、優秀な人材の確保と情報管理システムの整備等の事業のインフラ整備を進め、経営成績に重要な影響を与える可能性のあるリスクに適切に対処していく所存です。
(6)経営者の問題認識と今後の課題について
当社の経営者は、「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(7)重要事象等
「4 事業等のリスク (i)継続企業の前提に関する重要事象等について」に記載しておりますように、当事業年度において、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しておりますが、以下のとおり当該事状況を改善・解消すべく取組んでおり、事業収益の改善と財務体質の強化が図られることで、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
当社は、業績回復と資金繰りの正常化を目指し、平成28年6月22日に第三者割当増資とアスラポートダイニング・グループ(以下、アスラポート・グループという)との資本業務提携を締結いたしました。この第三者割当増資により349,014千円の調達を実施したことと、資金繰り悪化の要因ともなっていた原材料在庫の資金化を進める事で、当面の資金繰りについては問題ないものと考えているものの、2期連続で重要な営業損失が生じたことで、自己資本が大きく毀損される結果となり、財務体制の強化が急務となっていることから、第三者割当増資等を含めて検討し取組んでまいります。
業績に関しては、資本業務提携を締結したアスラポート・グループとの新製品開発等の協業によるシナジー効果により、業績改善に取組んでいるものの、製品開発や製造技術の適応性に時間を要していることで、今期の当社業績に与える影響は限定的となりましたが、引き続き協業による業績回復に取組んでまいります。
それらと併せて下記の対応策についても取組み、業績回復及び財務体質の健全化に努めてまいります。
①事業ポートフォリオの見直し
当社主力事業であるナショナル・ブランド事業において、販売チャネルの見直し等による、流通コストや販売コストの削減及び人材配置の見直しを実施し、アスラポート・グループをはじめとした外食産業やメーカーへの販売強化を図るべくアグロフォレストリー・マーケティング事業への人材の強化を図ります。ダイレクト・マーケティング事業については、通販専用商品の開発と直営店舗の開発及びFC店舗展開に取組んでまいります。
②アスラポート・グループとの連携強化
アスラポート・グループとの連携強化を図るべく、アグロフォレストリー・マーケティング事業の人材強化
③コスト削減
在庫圧縮による倉庫料の低減と物流費や販売手数料等の変動費の見直し及び事務所賃料をはじめとした固定費の経費削減に取組んでまいります。
④海外への事業展開
広大な海外市場の開拓を目指し、アジア、北米市場において日本品質の高付加価値アサイー製品の導入を図るべく、現地法人との業務提携も視野に入れ取組んでまいります。
⑤自己資本増強
2期連続で多大な営業損失の計上により自己資本が毀損したことで、事業シナジーも考慮しつつ、第三者割当増資及び資本業務提携等も含め自己資本増強に取組んでまいります。