(1)業績
当連結会計年度における当社グループの主たる事業領域である医療関連業界におきましては、社会保障・税の一体改革で描かれた平成37年(2025年)の医療・介護の将来像の実現に向けて、各都道府県において地域包括ケアシステム構築のため、地域の現状や課題、将来の医療需要の推計等を踏まえた地域医療構想が策定されました。さらに厚生労働省は7月に地域医療構想の達成に向け、公的医療機関等に対し「公的医療機関等2025年プラン」の平成29年中の策定を要請しました。また、診療報酬改定の影響により医療機関は、より一層の病床の機能分化、医療・介護の連携が求められていくこととなります。
このような事業環境のもと、医療機関向けのパッケージ販売を主としたデータネットワークサービスにおいては、DPC分析ベンチマークシステム「EVE」の導入数が799病院と、大規模なDPC実施病院のベンチマークデータを保有いたしております。また、病院向け経営支援システム「Medical Code」の導入数は265病院となりました。
さらに、患者自身が診療情報の一部を保管・閲覧できるWEBサービス「カルテコ」と患者が自由に支払い条件を設定できる医療費後払いサービス「CADA決済」を電子カルテと連携させ活用するサービスである「CADA-BOX」の導入数が5病院となりました。また、テクマトリックス株式会社との業務提携により、平成29年12月8日より「カルテコ」上で医用画像を閲覧できるサービスを開始いたしました。
データ利活用サービスにおいては、EBM(Evidence based medicine:根拠に基づいた医療)分野を中心に、主として製薬会社向けに、当社が保有する大規模診療データベースを用いた調査・分析サービス等の売上高が順調で、1,654,204千円(前期比38.5%増)となりました。医療関連業界においてもビッグデータの活用が注目されている中、大規模診療データベースは、平成29年12月末現在で、実患者数が2,117万人となりました。
また、当連結会計年度において、下記の通り、子会社の設立及び株式の取得による子会社化がありました。
1月には、歯科分野における著名な医師の手技や臨床知識の共有による医療の質向上を目的とした医師向け会員型サービスを行っている株式会社Doctorbookの全株式を取得いたしました。歯科分野から市場の大きい医科分野へ展開できる基盤を当社グループは有するとともに、株式会社Doctorbookの持つ優れた動画制作能力により、既存事業の営業手法の変革を進めております。
2月には、当社が保有する大規模診療データベースから、本質的な生活者ニーズを読み取り、それに即したOTC医薬品・ヘルス&ビューティーケア製品を製造販売することを目的に、MDVコンシューマー・ヘルスケア株式会社を設立いたしました。同社は7月1日には女性が抱える乾燥性敏感肌の悩みに着目し開発した、高保湿プレミアムスキンケアシリーズである「KISOU」を上市いたしました。
6月には、株式会社コスメックスの全株式を取得いたしました。当社グループは、株式会社コスメックスが行っている、「少施設多症例治験」によるSMO業務、及びシステムを活用した効率的かつ充実した治験施設への支援を成長させる顧客基盤を有しております。さらに、大規模診療データベースを利活用した治験事業の実現により、当社グループのさらなる成長と医療の質向上を加速させると判断しております。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は3,225,842千円(前期比22.5%増)となり、売上総利益は2,606,183千円(前期比19.9%増)となりました。
販売費及び一般管理費については、主に、業容拡大に伴う人員増加による給与手当や、本社増床による家賃等の増加、新規サービスにおける広告宣伝費の増加、子会社の増加に伴うのれんの償却額の増加等により、2,037,098千円(前期比16.8%増)となりました。その結果、営業利益が、569,085千円(前期比32.1%増)となりました。
営業外収益として受取利息等を計上し、営業外費用として株式交付費償却等を計上したことにより、経常利益が565,122千円(前期比36.0%増)となりました。
特別損益については、主に、減損損失を計上したことにより、税金等調整前当期純利益は547,308千円(前期比86.3%増)となりました。
法人税、住民税及び事業税を214,121千円計上し、法人税等調整額を△21,412千円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は354,599千円(前期比99.0%増)となりました。
なお、当社グループは、医療データネットワーク事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。(以下、「(2)キャッシュ・フロー」においても同じ。)
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、1,697,899千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、486,214千円(前期は196,378千円の収入)となりました。これは主に、プラス要因として、税金等調整前当期純利益が547,308千円、減価償却費が98,330千円であった一方で、マイナス要因として、たな卸資産の増加が144,078千円であったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、739,870千円(前期は144,633千円の支出)となりました。これは主に、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が429,483千円、有形固定資産の取得による支出が110,850千円、定期預金の預入による支出が100,000千円、敷金の差入による支出が55,511千円、無形固定資産の取得による支出が42,565千円であったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、7,792千円(前期は139,709千円の収入)となりました。
当社グループは、医療データネットワーク事業の単一セグメントであります。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。
|
サービスの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
生産高 |
||
|
データネットワークサービス(千円) |
400,139 |
116.8 |
|
データ利活用サービス (千円) |
219,520 |
190.3 |
|
合計(千円) |
619,659 |
135.3 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.金額は売上原価によっております。
(2)受注状況
当社グループのサービスは、受注から納品までの期間が極めて短いため、記載を省略しております。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。
|
サービスの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
販売高 |
||
|
データネットワークサービス(千円) |
1,571,638 |
109.3 |
|
データ利活用サービス (千円) |
1,654,204 |
138.5 |
|
合計(千円) |
3,225,842 |
122.5 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、経営理念を以下のとおり定め、経営を行なっております。
―私たちが目指すこと―
私たちは、医療や健康分野での革新的な活動を通じ、生活者のメリット創出に貢献します。
―私たちの使命―
私たちは、医療や健康分野のICT化を推進し、情報の高度活用を図ります。
―私たちがお約束すること―
<医療や健康に関わる全ての皆様に>
私たちは、皆様の立場で考え抜き、課題解決を通じてともに発展することを目指します。
<ともに働く仲間たちに>
私たちは、傍観者でなく全員が主役です。立場を超えた有益な意見交換を歓迎します。
―私たちが大切にする思い―
「正々堂々」
私たちは、いつでも、どこでも、そして誰に対しても「正々堂々」とした企業活動を行ないます。
(2) 経営戦略等
当社グループは、膨大に蓄積された医療・健康情報を有効活用することが、今以上の医療の質向上、ひいては生活者にとってのメリット創出につながると考え、医療や健康分野のICT化を推進しております。
現在、医療業界におけるICT化は、電子カルテシステムやオーダリングシステムの採用よる「EMR」(Electronic Medical Record;医療機関内で共有される医療・健康記録)の段階でありますが、患者を巻き込んだ医療の質向上、ひいては生活者や予防をまで含んだ「EBM」社会の実現には、「EHR」(Electronic Health Record;異なる施設間や機能間にて共有される医療・健康記録)、や「PHR」(Personal Health Record;個人が自ら管理する医療・健康記録)の実現が不可欠です。
「EMR」「EHR」「PHR」を実現し、中長期的な成長を目指してまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高成長率、売上高経常利益率、ROE(自己資本利益率)を経営上の重要な指標と位置づけ、高い成長率の持続と収益性及び資本効率のさらなる向上を図り、企業価値のさらなる増大を目指してまいります。
売上高成長率、売上高経常利益率、ROE(自己資本利益率)の状況について、直近2年間の推移及び今期業績予想に関する数値は下表のとおりです。
なお、業績予想に関する数値は、当社グループが現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により異なる可能性があります。
(参考)売上高成長率、売上高経常利益率、ROE(自己資本利益率)の状況
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[連 結] |
売上高成長率 (対前期増減率) |
売上高経常利益率 |
ROE (自己資本利益率) |
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売上高 |
経常利益 |
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平成28年12月期 (実 績) |
9.1% |
15.8% |
6.7% |
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2,632百万円 |
415百万円 |
|
平成29年12月期 (実 績) |
22.5% |
17.5% |
11.9% |
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3,225百万円 |
565百万円 |
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平成30年12月期 (予 想) |
46% |
17% |
14% |
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4,700百万円 |
800百万円 |
(注)当社は平成28年12月期より連結財務諸表を作成しているため、平成28年12月期の売上高成長率は、平成27年12月期〔 個別 〕売上高と比した数値を記載しております。
(4) 経営環境
当連結会計年度における当社グループの主たる事業領域である医療関連業界におきまして、社会保障・税の一体改革で描かれた平成37年(2025年)の医療・介護の将来像の実現に向けて、各都道府県において地域包括ケアシステム構築のため、地域の現状や課題、将来の医療需要の推計等を踏まえた地域医療構想が策定されました。さらに厚生労働省は7月に地域医療構想の達成に向け、公的医療機関等に対し「公的医療機関等2025年プラン」の平成29年中の策定を要請しました。また、診療報酬改定の影響により医療機関は、より一層の病床の機能分化、医療・介護の連携が求められていくこととなります。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは創業以来、蓄積された医療・健康情報を有効利用し、今以上の医療の質の向上、ひいては生活者メリットの創出を目指し事業に取り組んでおります。
医療データ利活用のパイオニアである当社グループは、現段階において既に、①信頼関係の上に構築された日本全国の病院との顧客基盤、②日本最大級である2,000万人超の診療データベース、③医療ビッグデータ構築・利活用のためのノウハウ、を保有しておりますが、さらなる医療・健康情報の利活用を目指すため、以下に記載した取組みを当面の課題と考えております。
① 「CADA-BOX」導入の推進
「CADA-BOX」は、データベースのリアルタイム性と多様性を向上させるため、患者から二次利用の同意を得た電子カルテデータを蓄積することを目的とした病院向けのシステムで、患者自身が診療情報の一部を管理・閲覧できるWEBサービス「カルテコ」と、患者が自由に支払い条件を設定できる医療費後払いサービス「CADA決済」を付帯しています。「CADA-BOX」の普及を通じて、データベースのリアルタイム性と多様性を向上させることが、今後の新規ビジネス拡大の基盤となると考えております。そのため、まずは日本全国2次医療圏344エリアの中核病院への早期導入を目指しております。
② 医療・健康データの一元化
さらなる医療・健康情報の利活用のためには、医療・健康に関わる様々なデータを患者を中心として一元化することが必要であると考えております。そのために、「CADA-BOX」で集積する急性期病院を中心とした診療データはもちろんのこと、診療所の診療データ、健診データ、院外薬局のデータ、介護データなど、画像や日々のバイタルデータも含めたこれら各種データを蓄積してまいります。同時に、膨大な医療ビッグデータを、高いセキュリティ環境の下、統合的に保管・運用できるデータベース運用環境の整備を進めてまいります。
③ 新規事業の推進
当社グループは、事業成長を継続・加速化していく上で、当社グループの強みを最大限活用した新規事業の積極的な推進は必須であると考えており、主にはデータベースの拡充にあわせたデータ利活用サービスのビジネス領域において飛躍的な拡大を図ってまいります。その中でも、医療ビッグデータを活用した治験分野での事業可能性は非常に高いと考えており、早期の事業実現に向けて準備を進めております。
④ M&A及びアライアンスの積極的推進と最新情報処理技術の活用
先に記載した「CADA-BOX」導入の推進、医療・健康データの一元化、新規事業の推進をドラスティックに進めていくために、M&A及びアライアンス戦略の立案・実行を積極的に推進してまいります。中でも、医療ビッグデータの活用を更に進展させていく上では、AIをはじめとする最新の情報処理技術の活用は必須であり、それら技術を保有する企業・団体との連携を視野に入れて準備してまいります。
⑤ 優秀な人材の確保と育成
当社グループは、今後、事業成長を継続・加速化していく上で、優秀な人材の確保及び育成は、最重要課題の一つであると認識しております。今後も、新卒・中途採用を問わず、当社の使命に共感した人材の確保と同時に、常に洗練された教育体制やマニュアルを駆使し、医療に関する深い知識とITに関する高いスキルを持ち合わせた人材の育成に取り組んでまいります。
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を以下のとおり記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に取り組む方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、本項記載のうち将来に関する事項は、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではなく、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 新規サービス展開に伴うリスクについて
当社グループでは、今後も引き続き、積極的に新規事業に取り組んで参りますが、これによりシステム投資などの支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、予測とは異なる状況が発生し新規事業の展開が計画どおりに進まない場合、投資を回収できず、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 特定役員への依存について
当社代表取締役社長 岩崎博之は、当社グループ経営の最高責任者であり、営業活動、開発活動に深く関与をしております。当社グループでは、過度な依存を回避すべく、会議体における意思決定の徹底、経営管理体制の強化、マネジメント層の採用、育成を図っておりますが、現時点において当該役員に対する依存度は高い状況にあるといえます。そのため、何らかの理由により当該役員が当社グループ業務を遂行することが困難な状態となり、後任となる経営層の採用、育成が進捗していなかった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 人材の確保・育成について
当社グループは、今後の事業拡大を進めていくにあたり、優秀な人材を確保するとともに人材育成が重要な課題であると認識しております。このため、採用活動の充実、人材流出の防止に努めておりますが、必要とする人材の確保ができなかった場合や中核となる優秀な人材の流出等が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 主要顧客の動向について
当社グループのユーザである医療機関の経営環境は、医療保険制度の変更及びDPC制度の導入等により厳しさを増しております。そのため医療機関では、業務を効率化し医療サービスを向上させることが経営上必要不可欠となっております。データネットワークサービスにおける主要サービスである「EVE」及び「Medical Code」は、病院経営支援システムであり、経営状況の向上を目指す医療機関からのニーズは益々増加するものと考えられます。しかしながら、法規制、医療制度改革等の動向によっては、市場が順調に拡大しない可能性があり、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、データ利活用サービスとして、製薬会社から、傷病名毎の医薬品の処方状況等の解析及び各製薬会社が提供している医薬品の処方状況の解析調査等委託業務を請け負っているため、製薬業界の経済環境及び製薬会社の経営方針の影響を強く受ける特性があります。したがって製薬会社が事業縮小したり、製薬会社の経営が悪化した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 診療報酬について
当社グループの製品・サービスは医療業界向けであります。2年に一度改定される診療報酬制度に対応した開発・保守体制を構築することを最重要項目と認識しており、製品・サービスの提供において万全の対策を講じております。しかしながら、万一予想し得ない事故等により、サービス提供が間に合わない場合、または、新診療報酬に適合できない場合は、当社の信用を失墜させることになりかねないとともに、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、今後、診療報酬がマイナスとなるような改定等が行われた場合、当社グループの顧客である医療機関の収益を圧迫させることとなり、医療機関の投資意欲・投資余力に影響を及ぼすものと考えられます。その場合、当社グループが提供するサービスの導入を中止、延期する医療機関が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 情報セキュリティに関する事故について
当社グループでは、ASPによるサービス提供を行う等、情報システムに依存した事業を展開しております。当社は、平成23年5月に情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証であるISO/IEC 27001:2005 / JIS Q 27001:2006を取得し、それらの規格基準に沿って日常業務のあらゆる局面において、各種のセキュリティ管理策を講じ、個人情報を含む情報資源管理を実施し、情報漏洩等のリスクの回避を行っております。しかしながら、コンピュータウイルス等は、日々、新種が増殖していると言われ、その時点で考え得る万全の対策を行っていたとしても、予想し得ない悪意による不正行為等により、個人情報等の情報資源の漏洩、破壊等の事故が発生した場合、当社グループの信用を失墜させることになりかねないとともに、損害賠償等により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) システム障害について
当社グループは、医療機関及び製薬会社に対して、ASPによるサービスの提供を行っております。また、サーバ運用に際しては、国内大手データセンターへホスティングを中心とした業務を委託しております。しかしながら、自然災害、火災、コンピュータウイルス、通信トラブル、第三者による不正行為、サーバへの過剰負荷、人為的ミス等の原因によりサーバ及びシステムが正常に稼動できなくなった場合、あるいはサーバ上の情報が消失した場合、当社グループのサービスが停止する可能性があります。当社グループでは上記のような場合に備え、データセンターで不測の事態が生じた場合にも、当社グループ内にデータセンターに保存されている情報を全て保存しており、当社グループ及びデータセンターの二ヵ所で情報を保存することで事業運営が行える体制を整えております。当社グループでは、このような対策を行っておりますが、何らかのシステム障害により当社グループのサービスが停止した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 個人情報の保護、顧客情報の保護について
当社グループは、多数の医療機関・製薬会社・個人に対してサービスを提供しております。提供に際して、顧客より、要配慮個人情報である診療情報等の機密情報を受け取る場合があり、その取扱いには、現時点で考え得る最善の情報セキュリティ管理策を講じるとともに、各担当者が細心の注意を払い運用しております。しかしながら、機密情報の流出等の重大なトラブルが当社グループで発生した場合には、当社グループの社会的信用は低下し、お客様に対する賠償責任が発生する可能性があり、その場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、個人情報を含む情報資源に関して、個人情報保護法等の関連規制を遵守しながら、その管理体制を整備しておりますが、今後個人情報保護法の改廃や新たな法的規制が設けられる場合や個人情報をめぐる社会情勢の変化、関係官庁等の対応の厳格化等により対応が必要な場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 知的財産権について
当社グループは、システムの設計及びプログラム開発を自らで行っておりますが、知的財産権の出願・取得を行っておりません。これまで、当社グループは第三者より知的財産権に関する侵害訴訟等を提起されたことはありませんが、ソフトウエアに関する技術革新の顕著な進展により、当社グループのソフトウエアが第三者の知的財産権に抵触する可能性を的確に想定、判断できない場合も考えられます。また、当社グループの業務分野において認識していない特許等が成立している場合、当該第三者より損害賠償及び使用差し止め等の訴えを起こされる可能性があり、並びに当該訴えに対する法的手続諸費用が発生する可能性等があります。このような場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 政府の施策とその影響について
当社グループの医療機関向けデータネットワーク事業は、DPC制度導入対象病院に対し、経営支援システム等のサービスを提供しております。DPC制度とは、平成15年に導入された、急性期入院医療を対象とした診療報酬の包括評価制度であり、平成29年4月1日現在、DPC制度導入対象病院は日本全国で1,664病院あります。DPC制度は、今後、対象病棟を拡充していく動きもあるなど、今後も引き続き見直しを行いながら継続していくものと予測されます。しかしながら、政府の施策により、その仕組みが根底より大きく変更となった場合、または、制度そのものが消滅した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 富士フイルムグループとの関係について
富士フイルムホールディングス株式会社の完全子会社である富士フイルム株式会社は、平成29年12月末現在において、当社株式の発行済株式総数の28.2%を保有しております。
当社グループと富士フイルムグループの間には、双方が持つ技術上・営業上の資産を基にした営業取引があり、社外取締役1名を招聘しておりますが、従業員の派遣出向及び受け入れ出向並びに営業外取引は存在しておりません。また、当社グループの事業戦略、人事政策及び資本政策等について、何ら制約等も受けておりません。
なお、同社グループは、今後も当社株式を安定保有する意向を有しており、当社グループと同社グループとの関係について重大な変化は生じないものと考えております。しかしながら、将来において、何らかの要因により、同社グループが経営方針や営業戦略等(当社株式の保有方針等を含む)を変更した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について
当社グループは、本書提出日現在、新株予約権の付与はありませんが、今後において、業績向上等、当社グループの成長に貢献すると考えられる役員・従業員に対して新株予約権の付与を行っていく方針であり、これらの新株予約権の行使がなされた場合には、当社グループの1株当たりの株式価値が希薄化することになり、将来における株価へ影響を及ぼす可能性があります。
(13) 製品に関する不具合、クレームについて
当社グループは、本書提出日現在まで、当社グループが開発・販売するシステム等に関し、ユーザ等から訴訟を提起され、または損害賠償請求を受けたことはありません。当社グループは、その開発・販売に係る全てのシステム等につき、欠陥等の不具合を発生させないよう、また、不具合が生じたとしても早期に発見し、かつ是正し得るよう、管理体制を構築しております。しかし当社グループが提供したシステム等に予期しがたい欠陥等が発生し、製品回収や損害賠償等が発生した場合、多大な損害賠償金及び訴訟費用を必要とすることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 競合について
当社グループは、医療機関向けサービスとして、DPC制度を導入または導入を検討している急性期病院に対して、経営支援システム等を販売しております。当該製品は、大手コンピュータメーカー、医療情報システム会社など数社と競合状況にあり、これらの競合先との競争に備えて、技術開発の強化、営業力・営業体制の強化や保守体制の強化を講じておりますが、競争の結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、EBM Providerサービスとして、製薬会社等に対して、傷病名から患者における医薬品の処方状況等の解析及び各製薬会社が提供している医薬品の処方状況の解析調査等委託業務を行っております。当社グループの最大の強みは、大規模なデータ量と質(病名、全診療行為、薬剤情報、身長体重、腫瘍ステージ、臨床検査値、入退院経路等の診療情報)を保持していることで、製薬会社からの受注状況を鑑み、後発他社に対する新規参入障壁は比較的高いと認識しています。しかしながら今後、市場規模の拡大に伴い、当社グループより認知度の高いブランドを有する企業等が新規参入してきた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 決済サービスにおける貸倒れについて
当社グループでは、医療費専門の決済サービスを営んでおります。債権の貸倒れによる損失に備えるための必要額を計上しておりますが、景気の変動、顧客の信用状況の変化、その他の事由により、貸倒損失、または貸倒引当金繰入の負担が増加し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(16) 製品・サービスの陳腐化について
当社グループは、当社システム開発部門において、既存製品の改良と新製品等の研究開発に取り組んでおりますが、万一、当社グループが想定していない新技術及び新サービスが普及等した場合には、当社グループの提供するソフトウエア、サービス等が陳腐化し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの製品の競合先との競争激化による製品価格の引下げは、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(17) 重要な契約について
当社グループの事業展開上、重要な契約を「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」に記載しております。これらの契約が解除された場合、当社グループにとって不利な契約改定が行われた場合、契約期間満了後に契約が継続されない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(18) 外注先について
当社グループでは、外部専門家の知識・ノウハウの活用あるいは生産性向上のため、システムの構築に係る業務の一部を外部委託しております。当社グループでは外部委託先に対して、継続的に良好な提携関係を図ることが可能な取引先を選定しており、品質水準管理体制に関して十分な管理を行うとともに、良好な関係の維持に努めております。しかしながら、将来において取引条件の変更、契約の解消等が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(19) 買収(M&A)等の投資について
当社グループは、事業拡大の一環としてM&A等の投資を行っており、それに伴うのれんが計上されております。今後も新たにのれんが発生し、償却費用が増加する可能性があります。また、投資先の業績が当初計画に及ばず、将来の期間にわたりその状態が継続すると予想される場合には、減損処理等を行う必要が生じ、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
(20) 収益の季節変動性について
当社グループの売上高の約50%を占めるデータ利活用サービスにおいて、外資系製薬会社の決算期のある第4四半期に受注が増加することから、当社グループの売上高は第4四半期に占める比重が高くなる傾向にあります。このため、特定の四半期業績のみをもって当社グループの通期業績見通しを判断することは困難であり、また、第4四半期の業績如何によっては通期の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
最近事業年度の各四半期の業績は、次のとおりです。
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|
第1四半期 (1-3月期) |
第2四半期 (4-6月期) |
第3四半期 (7-9月期) |
第4四半期 (10-12月期) |
連結会計年度計 |
|
|
売上高 (千円) |
データネットワークサービス |
309,911 |
390,732 |
408,056 |
462,937 |
1,571,638 |
|
データ利活用サービス |
335,124 |
297,815 |
367,761 |
653,502 |
1,654,204 |
|
|
合計 |
645,036 |
688,547 |
775,818 |
1,116,440 |
3,225,842 |
|
|
営業利益 (千円) |
64,008 |
80,279 |
27,245 |
397,552 |
569,085 |
|
当社は、下記のとおり業務提携契約を締結しております。
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契約相手 |
契約書名 |
契約締結日 |
契約期間 |
契約内容 |
|
株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン |
業務提携契約書 |
平成18年4月1日 |
平成18年4月1日から平成19年3月31日 以後1年ごとの自動更新 |
DPC分析ベンチマークシステム「EVE」及びDPC分析コストベンチマークシステム「Cost Matrix」の開発、販売、コンサルティングなどのサービス事業に関する業務提携 |
|
株式会社メディパルホールディングス |
包括業務提携に関する契約書 |
平成18年12月26日 |
平成18年12月26日から平成19年12月25日 以後1年ごとの自動更新 |
当社が保有・開発するシステムの販売サポート等
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当社グループは研究開発活動として、新製品開発等に係る要件定義検討、仕様書作成、設計、テスト等を実施しております。
当連結会計年度の研究開発活動は、主として大規模診療データベースにかかるものであり、研究開発費の総額は6,262千円であります。
なお、当社グループは医療データネットワーク事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当社グループの財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これらの連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、過去の実績等を勘案して合理的な見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
(2)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産残高は、前連結会計年度末と比べて558,471千円増加し、3,752,496千円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べて67,088千円増加し、2,864,437千円となりました。これは主に、現金及び預金が161,448千円減少したものの、商品が142,220千円、売掛金が24,082千円、繰延税金資産が20,464千円増加したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末と比べて493,788千円増加し、888,058千円となりました。これは主に、のれんが367,048千円、有形固定資産が67,283千円、投資その他の資産が77,300千円増加したことによるものです。
繰延資産は、株式交付費の償却が完了し、前連結会計年度末と比べて2,405千円減少しました。
(負債)
当連結会計年度末の負債残高は、前連結会計年度末と比べて203,871千円増加し、588,069千円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比べて187,078千円増加し、550,833千円となりました。これは主に、未払法人税が108,010千円、製薬会社向け年間サービスの契約増加に伴い前受収益が増えた結果、その他の流動負債が77,679千円増加したことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末と比べて16,793千円増加し、37,236千円となりました。これは主に、資産除去債務が14,416千円増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産残高は、前連結会計年度末と比べて354,599千円増加し、3,164,426千円となりました。これは利益剰余金が354,599千円増加したことによるものです。
(3)当連結会計年度の経営成績の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」をご参照ください。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」をご参照ください。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」をご参照ください。