第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、経営理念を以下のとおり定め、経営を行なっております。

 

―私たちが目指すこと―

私たちは、医療や健康分野での革新的な活動を通じ、生活者のメリット創出に貢献します。

 

―私たちの使命―

私たちは、医療や健康分野のICT化を推進し、情報の高度活用を図ります。

 

―私たちがお約束すること―

<医療や健康に関わる全ての皆様に>

私たちは、皆様の立場で考え抜き、課題解決を通じてともに発展することを目指します。

<ともに働く仲間たちに>

私たちは、傍観者でなく全員が主役です。立場を超えた有益な意見交換を歓迎します。

 

―私たちが大切にする思い―

「正々堂々」

私たちは、いつでも、どこでも、そして誰に対しても「正々堂々」とした企業活動を行います。

 

(2)経営戦略等

 当社グループは、膨大に蓄積された医療・健康情報を有効活用することが、今以上の医療の質向上、ひいては生活者にとってのメリット創出につながると考え、医療や健康分野のICT化を推進しております。
 現在、医療業界におけるICT化は、電子カルテシステムやオーダリングシステムの採用による「EMR」(Electronic Medical Record;医療機関内で共有される医療・健康記録)の段階でありますが、患者を巻き込んだ医療の質向上、ひいては生活者や予防まで含んだ「EBM」社会の実現には、「EHR」(Electronic Health Record;異なる施設間や機能間にて共有される医療・健康記録)、や「PHR」(Personal Health Record;個人が自ら管理する医療・健康記録)の実現が不可欠です。
 「EMR」「EHR」「PHR」を実現し、中長期的な成長を目指してまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、売上高成長率、売上高経常利益率、ROE(自己資本利益率)を経営上の重要な指標と位置づけ、高い成長率の持続と収益性及び資本効率のさらなる向上を図り、企業価値のさらなる増大を目指してまいります。

 売上高成長率、売上高経常利益率、ROE(自己資本利益率)の状況について、直近3年間の推移及び今期業績予想に関する数値は下表のとおりです。

 なお、業績予想に関する数値は、当社グループが現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により異なる可能性があります。

(参考)売上高成長率、売上高経常利益率、ROE(自己資本利益率)の状況

[連 結]

売上高成長率

(対前期増減率)

売上高経常利益率

ROE

(自己資本利益率)

 

売上高

経常利益

2019年12月期

(実 績)

12.5%

20.0%

15.3%

 

4,026百万円

804百万円

2020年12月期

(実 績)

13.7%

25.1%

17.3%

 

4,579百万円

1,148百万円

2021年12月期

(実 績)

23.9%

28.1%

26.3%

 

5,672百万円

1,592百万円

2022年12月期

(予 想)

11.1%

25.4%

28.8%

 

6,300百万円

1,600百万円

(注)1.2022年12月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用するため、上記の連結業績予想は当該会計基準等を適用した後の金額となっております。

   2.2022年12月期の売上高成長率は会計基準変更の影響を受けるため、2021年12月期の実績値と2022年12月期の予測値の比較は困難ですが、参考数値として単純比較結果の11.1%を記載しております。

 

(4)経営環境

 当連結会計年度における当社グループの主たる事業領域である医療関連業界におきましては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を契機として、柔軟な医療提供体制、データ利活用、予防医療の重要性が再認識されました。これにより、都道府県による医療機能の分化・連携や病院と診療所の機能分化・連携、医療・介護分野におけるデータ利活用やオンライン化、PHRの拡充、多職種連携による生活習慣病などの予防・重症化予防を推進する動きが加速しております。医療関連業界をはじめ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による影響は、予断を許さない状況にありますが、当連結会計年度における当社グループの業績に重大な影響は観測されておりません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは創業以来、蓄積された医療・健康情報を有効利用し、今以上の医療の質の向上、ひいては生活者メリットの創出を目指し事業に取り組んでおります。

 医療データ利活用のパイオニアである当社グループは、現段階において既に、『信頼関係の上に構築された日本全国の病院との顧客基盤』、『日本最大級である3,800万人超の診療データベース』、『医療ビッグデータ構築・利活用のためのノウハウ』を保有しておりますが、さらなる医療・健康情報の利活用を目指すため、以下に記載した取組みを当面の課題と考えております。

 

① 大規模診療データベース「さくらDB」の拡充及びリアルタイム性の向上

 当社グループは、日本最大級である3,800万人超の診療データベースを保有しておりますが、今後、新規ビジネスを飛躍的に拡大していくためには、大規模診療データベース「さくらDB」を拡充し、リアルタイム性を向上させることが必要であると考えております。2021年12月末においてリアルタイム診療データベースは80万人規模にまでなっておりますが、今後も引き続き、『「カルテコ」を中心としたPHR関連サービスの開発・展開』、『医療・健康分野における新サービスの開発・展開』を積極的に進めていくことにより、さらなるリアルタイム診療データベースの規模拡大を進めてまいります。併せて、医療機関だけでなく様々な機関と連携することで情報ソースを多様化し、大規模診療データベース「さくらDB」の拡充を図ってまいります。

 

② 医療・健康データの一元化

 さらなる医療・健康情報の利活用のためには、医療・健康に関わる様々なデータを、患者を中心として一元化することが必要であると考えております。そのために、急性期病院を中心とした診療データはもちろんのこと、診療所(クリニック)の診療データ、健康診断データ、院外薬局データ、介護データなど、画像や日々のバイタルデータも含めたこれら各種データを連携し、蓄積してまいります。同時に、膨大な医療ビッグデータを、高いセキュリティ環境の下、統合的に保管・運用できるデータベース運用環境の整備を進めてまいります。

 

③ 新規事業の推進

 事業成長を継続・加速化していく上では、当社グループの強みを最大限活用した新規事業の積極的な推進が必須であると考えております。『データベースの拡充にあわせたデータ利活用サービス』、『B2Cサービス』、『海外事業』等の成長ポテンシャルが高いと考えられるビジネス領域において、新規事業を積極的に推進してまいります。

 

④ M&A及びアライアンスの積極的推進と最新情報処理技術の活用

 先に記載した、①大規模診療データベース「さくらDB」の拡充及びリアルタイム性の向上、②医療・健康データの一元化、③新規事業の推進をドラスティックに進めていくためには、各種アライアンスによりそのスピードを上げていく必要があると考えており、M&A及びアライアンス戦略の立案・実行を積極的に推進し、最新情報処理技術の活用も進めてまいります。

 

⑤ 優秀な人材の確保と育成

 当社グループは、今後、事業成長を継続・加速していく上で、優秀な人材の確保及び育成は、最重要課題の一つであると認識しております。今後も、ジェンダーや国籍などに左右されない人的リソースを活用し、新卒・中途採用といった採用ルートを問わず、当社の使命に共感した人材の確保と同時に、常に洗練された教育体制やマニュアルを駆使し、医療に関する深い知識とITに関する高いスキルを持ち合わせた人材の育成に取り組んでまいります。

 

 

⑥ 社会における一員としての責任と持続的な成長へのコミット

 当社グループは創業以来、蓄積された医療・健康情報を有効利用し、今以上の医療の質の向上、ひいては生活者メリットの創出を目指し事業に取り組んでおります。当社の事業目的は社会性があるものと認識しておりますが、地球環境の保全や持続的な成長の視点は、今後の企業活動における欠かせない要素であり、社会における一員としての責任とその遂行を会社としてコミットするだけでなく、当社グループのメンバーにもこの考えを周知すべく、活動をしてまいります。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を以下のとおり記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に取り組む方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
 なお、本項記載のうち将来に関する事項は、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではなく、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)新規サービス展開に伴うリスクについて

 当社グループでは、今後も引き続き、積極的に新規事業に取り組んでまいりますが、これによりシステム投資などの支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、予測とは異なる状況が発生し新規事業の展開が計画どおりに進まない場合、投資を回収できず、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)特定役員への依存について

 当社代表取締役社長 岩崎博之は、当社グループ経営の最高責任者であり、営業活動、開発活動に深く関与をしております。当社グループでは、過度な依存を回避すべく、会議体における意思決定の徹底、経営管理体制の強化、マネジメント層の採用、育成を図っておりますが、現時点において当該役員に対する依存度は高い状況にあるといえます。そのため、何らかの理由により当該役員が当社グループ業務を遂行することが困難な状態となり、後任となる経営層の採用、育成が進捗していなかった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)人材の確保・育成について

 当社グループは、今後の事業拡大を進めていくにあたり、優秀な人材を確保するとともに人材育成が重要な課題であると認識しております。このため、採用活動の充実、人材流出の防止に努めておりますが、必要とする人材の確保ができなかった場合や中核となる優秀な人材の流出等が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)主要顧客の動向について

 当社グループのユーザである医療機関の経営環境は、医療保険制度の変更及びDPC制度の導入等により厳しさを増しております。そのため医療機関では、業務を効率化し医療サービスを向上させることが経営上必要不可欠となっております。データネットワークサービスにおける主要サービスである「EVE」及び「Medical Code」は、病院経営支援システムであり、経営状況の向上を目指す医療機関からのニーズは益々増加するものと考えられます。しかしながら、法規制、医療制度改革等の動向によっては、市場が順調に拡大しない可能性があり、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、データ利活用サービスとして、製薬会社から、傷病名毎の医薬品の処方状況等の解析及び各製薬会社が提供している医薬品の処方状況の解析調査等委託業務を請け負っているため、製薬業界の経済環境及び製薬会社の経営方針の影響を強く受ける特性があります。したがって製薬会社が事業縮小したり、製薬会社の経営が悪化した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)診療報酬について

 当社グループの製品・サービスは医療業界向けであります。2年に一度改定される診療報酬制度に対応した開発・保守体制を構築することを最重要項目と認識しており、製品・サービスの提供において万全の対策を講じております。しかしながら、万一予想し得ない事故等により、サービス提供が間に合わない場合、または、新診療報酬に適合できない場合は、当社の信用を失墜させることになりかねないとともに、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、今後、診療報酬がマイナスとなるような改定等が行われた場合、当社グループの顧客である医療機関の収益を圧迫させることとなり、医療機関の投資意欲・投資余力に影響を及ぼすものと考えられます。その場合、当社グループが提供するサービスの導入を中止、延期する医療機関が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)情報セキュリティに関する事故について

 当社グループでは、ASPによるサービス提供を行う等、情報システムに依存した事業を展開しております。当社は、2011年5月に情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証であるISO/IEC 27001:2005 / JIS Q 27001:2006を取得し、それらの規格基準に沿って日常業務のあらゆる局面において、各種のセキュリティ管理策を講じ、個人情報を含む情報資源管理を実施し、情報漏洩等のリスクの回避を行っております。しかしながら、コンピュータウイルス等は、日々、新種が増殖していると言われ、その時点で考え得る万全の対策を行っていたとしても、予想し得ない悪意による不正行為等により、個人情報等の情報資源の漏洩、破壊等の事故が発生した場合、当社グループの信用を失墜させることになりかねないとともに、損害賠償等により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)システム障害について

 当社グループは、医療機関及び製薬会社に対して、ASPによるサービスの提供を行っております。また、サーバ運用に際しては、国内大手データセンターへホスティングを中心とした業務を委託しております。しかしながら、自然災害、火災、コンピュータウイルス、通信トラブル、第三者による不正行為、サーバへの過剰負荷、人為的ミス等の原因によりサーバ及びシステムが正常に稼動できなくなった場合、あるいはサーバ上の情報が消失した場合、当社グループのサービスが停止する可能性があります。当社グループでは上記のような場合に備え、データセンターで不測の事態が生じた場合にも、当社グループ内にデータセンターに保存されている情報を全て保存しており、当社グループ及びデータセンターの2ヵ所で情報を保存することで事業運営が行える体制を整えております。当社グループでは、このような対策を行っておりますが、何らかのシステム障害により当社グループのサービスが停止した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)個人情報の保護、顧客情報の保護について

 当社グループは、多数の医療機関・製薬会社・個人に対してサービスを提供しております。提供に際して、顧客より、要配慮個人情報である診療情報等の機密情報を受け取る場合があり、その取扱いには、現時点で考え得る最善の情報セキュリティ管理策を講じるとともに、各担当者が細心の注意を払い運用しております。しかしながら、機密情報の流出等の重大なトラブルが当社グループで発生した場合には、当社グループの社会的信用は低下し、お客様に対する賠償責任が発生する可能性があり、その場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、個人情報を含む情報資源に関して、個人情報保護法等の関連規制を遵守しながら、その管理体制を整備しておりますが、今後個人情報保護法の改廃や新たな法的規制が設けられる場合や個人情報をめぐる社会情勢の変化、関係官庁等の対応の厳格化等により対応が必要な場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)知的財産権について

 当社グループは、システムの設計及びプログラム開発を自らで行っておりますが、知的財産権の出願・取得を行っておりません。これまで、当社グループは第三者より知的財産権に関する侵害訴訟等を提起されたことはありませんが、ソフトウエアに関する技術革新の顕著な進展により、当社グループのソフトウエアが第三者の知的財産権に抵触する可能性を的確に想定、判断できない場合も考えられます。また、当社グループの業務分野において認識していない特許等が成立している場合、当該第三者より損害賠償及び使用差し止め等の訴えを起こされる可能性があり、並びに当該訴えに対する法的手続諸費用が発生する可能性等があります。このような場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)政府の施策とその影響について

 当社グループの医療機関向けデータネットワーク事業は、DPC制度導入対象病院に対し、経営支援システム等のサービスを提供しております。DPC制度とは、2003年に導入された、急性期入院医療を対象とした診療報酬の包括評価制度であり、2021年4月1日現在、DPC対象病院は日本全国で1,755病院あります。DPC制度は、今後、対象病棟を拡充していく動きもあるなど、今後も引き続き見直しを行いながら継続していくものと予測されます。しかしながら、政府の施策により、その仕組みが根底より大きく変更となった場合、または、制度そのものが消滅した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)SBIホールディングスとの関係について

 SBIホールディングス株式会社は、当社株式の発行済株式総数の20.9%を保有しております。

 当社グループとSBIホールディングスグループ(以下「同社グループ」という。)は、SBIホールディングス子会社並びに同社グループの出資先企業と必要に応じた協力関係を保ちながら事業を展開しており、役員の兼務、従業員の派遣、出向及び受け入れ出向等の人的関係はありません。

 また、当社グループの事業戦略、人事政策及び資本政策等について、何ら制約等も受けておりません。

 なお、同社グループは、今後も当社株式を安定保有する意向を有しており、当社グループと同社グループとの関係について重大な変化は生じないものと考えております。しかしながら、将来において、何らかの要因により、同社グループが経営方針や営業戦略等(当社株式の保有方針を含む)を変更した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について

 当社は、本書提出日現在、新株予約権の付与はありませんが、今後において、業績向上等、当社グループの成長に貢献すると考えられる役員・従業員に対して新株予約権を付与する制度を採用しております。これらの新株予約権の行使がなされた場合には、当社グループの1株当たりの株式価値が希薄化することになり、将来における株価へ影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)製品に関する不具合、クレームについて

 当社グループは、本書提出日現在まで、当社グループが開発・販売するシステム等に関し、ユーザ等から訴訟を提起され、または損害賠償請求を受けたことはありません。当社グループは、その開発・販売に係る全てのシステム等につき、欠陥等の不具合を発生させないよう、また、不具合が生じたとしても早期に発見し、かつ是正し得るよう、管理体制を構築しております。しかし当社グループが提供したシステム等に予期しがたい欠陥等が発生し、製品回収や損害賠償等が発生した場合、多大な損害賠償金及び訴訟費用を必要とすることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)競合について

 当社グループは、医療機関向けサービスとして、DPC制度を導入または導入を検討している急性期病院に対して、経営支援システム等を販売しております。当該製品は、大手コンピュータメーカー、医療情報システム会社など数社と競合状況にあり、これらの競合先との競争に備えて、技術開発の強化、営業力・営業体制の強化や保守体制の強化を講じておりますが、競争の結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、製薬会社向けサービスとして、傷病名から患者における医薬品の処方状況等の解析及び各製薬会社が提供している医薬品の処方状況の解析調査等委託業務を行っております。当社グループの最大の強みは、大規模なデータ量と質(病名、全診療行為、薬剤情報、身長体重、腫瘍ステージ、臨床検査値、入退院経路等の診療情報)を保持していることで、製薬会社からの受注状況を鑑み、後発他社に対する新規参入障壁は比較的高いと認識しています。しかしながら今後、市場規模の拡大に伴い、当社グループより認知度の高いブランドを有する企業等が新規参入してきた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)決済サービスにおける貸倒れについて

 当社グループでは、医療費専門の決済サービスを営んでおります。債権の貸倒れによる損失に備えるための必要額を計上しておりますが、景気の変動、顧客の信用状況の変化、その他の事由により、貸倒損失、または貸倒引当金繰入の負担が増加し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)製品・サービスの陳腐化について

 当社グループは、当社システム開発部門において、既存製品の改良と新製品等の研究開発に取り組んでおりますが、万一、当社グループが想定していない新技術及び新サービスが普及等した場合には、当社グループの提供するソフトウエア、サービス等が陳腐化し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの製品の競合先との競争激化による製品価格の引下げは、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)重要な契約について

 当社グループの事業展開上、重要な契約を「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」に記載しております。これらの契約が解除された場合、当社グループにとって不利な契約改定が行われた場合、契約期間満了後に契約が継続されない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。


(18)外注先について

 当社グループでは、外部専門家の知識・ノウハウの活用あるいは生産性向上のため、システムの構築に係る業務の一部を外部委託しております。当社グループでは外部委託先に対して、継続的に良好な提携関係を図ることが可能な取引先を選定しており、品質水準管理体制に関して十分な管理を行うとともに、良好な関係の維持に努めております。しかしながら、将来において取引条件の変更、契約の解消等が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(19)買収(M&A)等の投資について

 当社グループは、事業拡大の一環としてM&A等の投資を行っており、それに伴うのれんが計上されております。今後も新たにのれんが発生し、償却費用が増加する可能性があります。また、投資先の業績が当初計画に及ばず、将来の期間にわたりその状態が継続すると予想される場合には、減損処理等を行う必要が生じ、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における当社グループの主たる事業領域である医療関連業界におきましては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を契機として、柔軟な医療提供体制、データ利活用、予防医療の重要性が再認識されました。これにより、都道府県による医療機能の分化・連携や病院と診療所の機能分化・連携、医療・介護分野におけるデータ利活用やオンライン化、PHRの拡充、多職種連携による生活習慣病などの予防・重症化予防を推進する動きが加速しております。医療関連業界をはじめ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による影響は、予断を許さない状況にありますが、当連結会計年度における当社グループの業績に重大な影響は観測されておりません。

 このような事業環境のもと、データネットワークサービスにおいては、主として株式会社Doctorbookの医療動画配信サービスの売上拡大、及び株式会社システム ビィー・アルファの新規連結効果により、売上高は2,061,638千円(前期比28.7%増)となりました。

 データ利活用サービスにおいては、主として製薬会社向けに当社が保有する大規模診療データベースを活用した調査・分析サービス、及びWEB分析ツール「MDV analyzer」の売上拡大により、売上高は3,610,662千円(前期比21.3%増)となりました。また、大規模診療データベースは、2021年12月末現在で、実患者数が3,849万人(前年同月末比398万人増)となりました。

 これらの結果、当連結会計年度の売上高は5,672,300千円(前期比23.9%増)となり、売上総利益は4,643,759千円(前期比19.6%増)となりました。

 販売費及び一般管理費については、主に人件費や研究開発費の増加に伴い、3,049,540千円(前期比11.5%増)となりました。その結果、営業利益は1,594,218千円(前期比39.1%増)となりました。

 営業外収益として主に貸倒引当金戻入額、営業外費用として主に自己株式の取得に伴う支払手数料を計上したことにより、経常利益は1,592,990千円(前期比38.7%増)となりました。

 また、特別損失として固定資産除却損等を計上したことにより、税金等調整前当期純利益は1,591,896千円(前期比47.9%増)となりました。

 法人税、住民税及び事業税を568,676千円計上し、法人税等調整額を△76,818千円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,087,267千円(前期比55.3%増)となりました。

 なお、当社グループは、医療データネットワーク事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。(以下、「② キャッシュ・フローの状況」においても同じ。)

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、3,202,172千円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、1,082,616千円(前期は964,366千円の収入)となりました。これは主に、法人税等の支払額又は還付額が471,953千円あったものの、税金等調整前当期純利益が1,591,896千円であったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、26,933千円(前期は142,583千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が24,040千円であったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、1,030,598千円(前期は589,644千円の支出)となりました。これは、自己株式の取得による支出が889,073千円、配当金の支払額が141,524千円であったことによるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

 当社グループは、医療データネットワーク事業の単一セグメントであります。

 

a. 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。

サービスの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

生産高

データネットワークサービス(千円)

692,317

161.9

データ利活用サービス   (千円)

336,223

124.6

合計(千円)

1,028,541

147.5

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

        2.金額は売上原価によっております。

 

b. 受注実績

 当社グループのサービスは、受注から納品までの期間が極めて短いため、記載を省略しております。

 

c. 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。

サービスの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

販売高

データネットワークサービス(千円)

2,061,638

128.7

データ利活用サービス   (千円)

3,610,662

121.3

合計(千円)

5,672,300

123.9

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これらの連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、過去の実績等を勘案して合理的な見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

② 財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末の資産残高は、前連結会計年度末と比べて212,928千円増加し、5,534,706千円となりました。

 流動資産は、前連結会計年度末と比べて205,913千円増加し、4,525,088千円となりました。これは主に、売掛金が190,890千円増加したことによるものです。

 固定資産は、前連結会計年度末と比べて7,014千円増加し、1,009,618千円となりました。これは、無形固定資産が75,712千円、有形固定資産が37,568千円減少したものの、投資その他の資産が120,296千円増加したことによるものです。

(負債)

 当連結会計年度末の負債残高は、前連結会計年度末と比べて143,898千円増加し、1,328,848千円となりました。

 流動負債は、前連結会計年度末と比べて143,572千円増加し、1,243,559千円となりました。これは主に、未払法人税等が101,340千円増加したことによるものです。

 固定負債は、前連結会計年度末と比べて326千円増加し、85,288千円となりました。これは主に、資産除去債務が291千円増加したことによるものです。

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産残高は、前連結会計年度末と比べて69,029千円増加し、4,205,858千円となりました。これは主に、自己株式を889,073千円取得したものの、剰余金の配当を上回る親会社株主に帰属する当期純利益を計上した結果、利益剰余金が945,332千円増加したことによるものです。

 

③ 当連結会計年度の経営成績の分析

 当連結会計年度における当社グループの主たる事業領域である医療関連業界におきましては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を契機として、柔軟な医療提供体制、データ利活用、予防医療の重要性が再認識されました。これにより、都道府県による医療機能の分化・連携や病院と診療所の機能分化・連携、医療・介護分野におけるデータ利活用やオンライン化、PHRの拡充、多職種連携による生活習慣病などの予防・重症化予防を推進する動きが加速しております。医療関連業界をはじめ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による影響は、予断を許さない状況にありますが、当連結会計年度における当社グループの業績に重大な影響は観測されておりません。

 このような事業環境のもと、データネットワークサービスにおいては、主として株式会社Doctorbookの医療動画配信サービスの売上拡大、及び株式会社システム ビィー・アルファの新規連結効果により、売上高は2,061,638千円(前期比28.7%増)となりました。

 データ利活用サービスにおいては、主として製薬会社向けに当社が保有する大規模診療データベースを活用した調査・分析サービス、及びWEB分析ツール「MDV analyzer」の売上拡大により、売上高は3,610,662千円(前期比21.3%増)となりました。また、大規模診療データベースは、2021年12月末現在で、実患者数が3,849万人(前年同月末比398万人増)となりました。

 これらの結果、当連結会計年度の売上高は5,672,300千円(前期比23.9%増)となり、売上総利益は4,643,759千円(前期比19.6%増)となりました。

 販売費及び一般管理費については、主に人件費や研究開発費の増加に伴い、3,049,540千円(前期比11.5%増)となりました。その結果、営業利益は1,594,218千円(前期比39.1%増)となりました。

 営業外収益として主に貸倒引当金戻入額、営業外費用として主に自己株式の取得に伴う支払手数料を計上したことにより、経常利益は1,592,990千円(前期比38.7%増)となりました。

 また、特別損失として固定資産除却損等を計上したことにより、税金等調整前当期純利益は1,591,896千円(前期比47.9%増)となりました。

 法人税、住民税及び事業税を568,676千円計上し、法人税等調整額を△76,818千円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,087,267千円(前期比55.3%増)となりました。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループは財務の安全性を重視するとともに、銀行借入に依存しない経営を継続しております。資金の運用は短期的な預金等に限定するとともに、運転資金については内部資金により調達することを原則としております。

 当社グループの運転資金需要の主なものは、人件費をはじめとする販売費及び一般管理費等の営業費用であり、これらの支出は内部資金によっております。また設備投資資金等についても、現金及び預金を使用することとしており、安全性を重視しつつも効率的な資金運用を目指しています。

 また、利益配分に関して、当社は株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つと位置付けており、連結配当性向20%以上程度を目途に、長期安定的な配当を行っていくことを基本方針としています。加えて、資本効率の向上を通じた株主利益の向上及び機動的な資本政策の遂行のため状況に応じて自己株式取得を機動的に行ってまいります。

 

⑥ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、売上高成長率、売上高経常利益率、ROEを経営上の重要な指標と位置づけ、高い成長率の持続と収益性及び資本効率のさらなる向上を図り、企業価値のさらなる増大を目指しております。

 当連結会計年度の売上高成長率は、23.9%、売上高経常利益率は、28.1%、ROEは、26.3%となりました。引き続き、これらの指標について、高水準の持続及び改善に取り組んでまいります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

  当社は、下記のとおり業務提携契約を締結しております。

 

契約相手

契約書名

契約締結日

契約期間

契約内容

株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン

業務提携契約書

2006年4月1日

2006年4月1日から2007年3月31日まで

以後1年ごとの自動更新

DPC分析ベンチマークシステム「EVE」の開発、販売、コンサルティングなどのサービス事業に関する業務提携

株式会社メディパルホールディングス

包括業務提携に関する契約書

2006年12月26日

2006年12月26日から2007年12月25日まで

以後1年ごとの自動更新

当社が保有・開発するシステムの販売サポート等

 

株式会社メディパルホールディングス

資本業務提携契約書

2019年1月30日

2019年1月30日から2024年1月29日まで

以後自動継続

株式会社Doctorbookに対する出資及び業務提携等

 

SBIホールディングス株式会社

資本業務提携契約書

2020年11月10日

2020年11月10日から2022年11月9日まで

以後1年ごとの自動更新

協業及び相互の企業価値を向上させることを目的とした資本業務提携

 

 

5【研究開発活動】

 当連結会計年度の研究開発活動は、主として新サービス開発によるものであり、研究開発費の総額は316,638千円であります。

 なお、当社グループは医療データネットワーク事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。