当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当社グループは、「生活者が生涯を通じて自身の医療・健康情報を把握できる社会」および「それらの情報をもとに、自身で医療・健康分野のサービスを選択できる社会」の実現をビジョンとして定義しております。当社グループは、主にデータネットワークサービスとデータ利活用サービス、その他サービスの3つのサービス区分で事業を展開しており、高いセキュリティ環境の下、膨大な医療・健康に係るデータを蓄積し、それを有効活用することが、医療の質向上、ひいては患者や生活者へのメリット創出につながると考えております。
データネットワークサービスは、情報の発生元の一つである医療機関にクラウド型アプリケーションの「MDV Act」をはじめとする各種経営支援システムを提供すると同時に、医療機関及び患者から二次利用の許諾・同意を得たうえで医療・健康情報を収集・蓄積するものであります。これに加え、クラウド型健診システムの「アルファ・サルース」の拡販やPHRシステムの「カルテコ」の普及に努めており、収益基盤の強化や各種サービスを通じた新たな医療データの集積を図っております。データ利活用サービスは、当社グループがデータネットワークサービスを通じて収集・蓄積した大規模診療データベース「さくらDB」を中心とする医療・健康情報を活用したサービスであります。主に製薬会社、研究機関などに対して、WEB分析ツールである「MDV analyzer」や、各種分析データ等を「アドホック調査サービス」として提供しております。その他サービスは、子会社である株式会社Doctorbookが扱う医療動画配信サービスなどで構成されております。引き続き、当社が培ってきたノウハウやアライアンス活動を通じた新たな収益の柱を創出すべく、事業を推進してまいります。
当中間連結会計期間においては、前期に増強した営業人員の戦力化が進んだことにより、当第1四半期連結会計期間に続きデータ利活用サービスの売上が伸長いたしました。また、DeSCヘルスケア株式会社と共同開発したMDV analyzerの「拡大推計機能」が国内で特許を取得いたしました。そのほか、企業向けPHRシステムの「カルテコworkwell」を運輸・旅客業界向けに本格展開いたしました。「カルテコworkwell」の導入を通じて、運輸・旅客業界の安全運行とサービス品質の向上に貢献してまいります。
当中間連結会計期間の売上高は3,034,610千円(前年同期比9.1%増)、売上総利益は2,126,874千円(前年同期比3.2%増)、販売費及び一般管理費は2,131,912千円(前年同期比4.8%増)、営業損失は5,038千円(前年同期は26,938千円の営業利益)、経常利益は3,826千円(前年同期は32,010千円の経常損失)、親会社株主に帰属する中間純損失は10,179千円(前年同期は86,619千円の親会社株主に帰属する中間純損失)となりました。
また、当中間連結会計期間におけるサービス区分別の売上高については下表のとおりです。
(単位:千円)
|
回次 |
第22期 中間連結会計期間 |
第23期 中間連結会計期間 |
前年 同期比 |
|
データネットワークサービス |
625,851 |
600,658 |
△4.0% |
|
データ利活用サービス |
1,904,659 |
2,136,795 |
+12.2% |
|
その他サービス |
249,942 |
297,156 |
+18.9% |
|
売上高 合計 |
2,780,453 |
3,034,610 |
+9.1% |
なお、大規模診療データベースは、2025年6月末現在で、実患者数が5,270万人(前年同月末比470万人増)となっております。
(2)財政状態に関する分析
1.資産、負債及び純資産の状況
(資産)
当中間連結会計期間末の資産残高は、前連結会計年度末と比べて120,534千円減少し、4,628,573千円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べて11,446千円減少し、3,100,025千円となりました。これは主に、現金及び預金が485,352千円増加した一方で、売掛金及び契約資産が317,008千円、その他の流動資産が194,709千円減少したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末と比べて109,088千円減少し、1,528,548千円となりました。これは主に、投資その他の資産が76,703千円減少したことによるものです。
(負債)
当中間連結会計期間末の負債残高は、前連結会計年度末と比べて202,108千円増加し、1,796,675千円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比べて201,558千円増加し、1,640,125千円となりました。これは主に、契約負債が372,529千円増加したことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末と比べて549千円増加し、156,549千円となりました。これは、主に資産除去債務が315千円増加したことによるものです。
(純資産)
当中間連結会計期間末の純資産残高は、前連結会計年度末と比べて322,642千円減少し、2,831,898千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純損失が10,179千円であることと、剰余金の配当の結果、利益剰余金が256,249千円減少したことによるものです。
2.キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、1,832,619千円となりました。当中間連結会計期間末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、828,296千円(前期は88,003千円の支出)となりました。これは主に、契約負債が372,529千円増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、24,002千円(前期は490,152千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が14,235千円、貸付金による支出が6,600千円であったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、318,941千円(前期は246,144千円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額が245,610千円であったことによるものです。
(3)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発活動は、主として新サービス開発によるものであり、研究開発活動の金額は、45,071千円であります。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは財務の安全性を重視するとともに、銀行借入に依存しない経営を継続しております。資金の運用は短期的な預金等に限定するとともに、運転資金については内部資金により調達することを原則としております。
当社グループの運転資金需要の主なものは、人件費をはじめとする販売費及び一般管理費等の営業費用であり、これらの支出は内部資金によっております。また設備投資資金等についても、現金及び預金を使用することとしており、安全性を重視しつつも効率的な資金運用を目指しています。
また、利益配分に関して、当社は株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つと位置付けており、連結配当性向20%以上程度を目途に、長期安定的な配当を行っていくことを基本方針としています。加えて、資本効率の向上を通じた株主利益の向上及び機動的な資本政策の遂行のため状況に応じて自己株式取得を機動的に行ってまいります。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定、または締結等はありません。