当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、企業理念「Wow the World!(すべての人々に感動を)」のもと、当社が起点となり世界中にWow!(“Wow”、“和を”、“輪を”)を提供すべく取り組んでおります。そして、その実現に向け、社員一人ひとりが忘れてはいけない精神として「One Step Beyond(First to Try, First to Fail, First to Recover)」を掲げております。
当社グループではROEを重視しつつ、当社グループの企業価値を高めていくことが重要であると考えていることから、売上高、営業利益、経常利益、税引前当期純利益を重要な経営指標として事業推進を行ってまいります。
2024年4月期より報告セグメントを「モバイルオンラインゲーム事業」「ブロックチェーン等事業」に変更していることから、当該2事業における経営戦略を記載しております。
モバイルオンラインゲーム事業に関しては、成熟化した市況を踏まえ、今後はよりリスクを抑制しつつ事業推進を図ってまいります。
具体的には、今後、当面はオリジナルタイトルの開発は行わず、当社の保有するゲームエンジンを活用したIPタイトルの開発を中心に行っていく方針であります。
加えて、安定収益モデルとなる受託開発への取り組みも更に強化するなど、高リスク型から低リスク型のゲーム開発に戦略をシフトしていくことで、安定的な収益の創出を目指してまいります。
ブロックチェーン等事業に関しては、今後急成長が見込まれる市況において、当社の優位性を存分に活用し積極的な事業展開と経営資源の一層の投下を行ってまいります。
具体的には、ゲームを主体とするエンターテイメント領域については、モバイルオンラインゲーム事業で培ったノウハウの活用による自社開発でのゲームタイトルの配信に加え、有力企業への出資や協業等を通じ、様々なゲームに当社が携わる体制を構築しつつ、ヒットタイトルの創出を目指してまいります。
金融領域においては、ファンド投資やノード運用を通じて培った知見を活用のうえ事業化を図っていく方針であり、当社が有するトークンの運用ノウハウの活用によるアセットマネジメントビジネスの確立や、ブロックチェーン関連サービスのプラットフォーム化等を推進しつつ、投資事業についてもさらに強化していく事で、当社の収益を下支えするようなビジネスを構築していく方針です。
モバイルオンラインゲーム事業においては、市場のレッドオーシャン化に伴う開発費や運用費の高騰により年々参入障壁が高くなり、資金余力のないプレイヤーの淘汰が続いております。一方、成熟市場ながらも市場規模は引き続き大きく、当社グループが有する強みをしっかりと活用のうえ事業展開を行っていくことで、同市場における企業成長の余地は十分にあると考えております。
ブロックチェーン等事業においては、目下市場は急成長を遂げており、ブロックチェーン技術の活用によりこれまで体験し得なかった様々なサービスが構築されていくと考えております。当社グループでは、他社に先駆けブロックチェーン事業に参入したことにより、様々な競争優位性を有していることから、同市場において大きく企業成長できる余地があると考えております。
当社は、モバイルオンラインゲーム事業においては、当面オリジナルタイトルの開発は行わず、「自社が有する実績のあるゲームエンジン」に「他社有力IP」を掛け合わせ、低コストかつ収益創出の蓋然性が高い新規タイトルの開発を実施してまいります。加えて、安定収益を創出し得る開発受託への取り組みも更に強化することで、本事業をキャッシュエンジン化すべく取り組んでまいります。また、これまでゲーム開発で培ってきた技術とノウハウを活かし、低予算での開発が可能なカジュアルゲームに加え、コンソールやSteam向けコンテンツの開発・配信も推進することで、収益源の多角化を目指してまいります。
一方、ブロックチェーンゲームの開発にあたっては、モバイルオンラインゲームの開発で培った豊富な経験やナレッジを活用した自社での開発に加え、出資や協業、共同開発等を戦略的に実行することで、有力なブロックチェーン企業との友好なパートナーシップを構築しつつ、ヒットタイトルの創出を目指してまいります。
当社グループは、これまでに複数のゲームコンテンツを海外展開してきたノウハウを最大限活用し、収益力の強化を図ることが重要な課題であると考えております。そのため、自社開発の有力ゲームのみならず、他社の有力ゲームの海外展開等も推進することで、収益軸の拡大を目指し取り組んでまいります。
当社グループは、現在ゲームコンテンツの配信による売上が収益の大半を占めておりますが、今後の経営基盤の安定を図るためには、ボラティリティの低い事業を着実に成長させ、確固たる収益基盤として確立していく必要があると考えております。その点、当社グループではブロックチェーン領域において、市場黎明期より培った多様なノウハウやネットワークを活用のうえ積極的な事業展開を図っており、特にアセットマネジメント領域においては独自のポートフォリオ戦略を確立のうえ既に収益化を実現し、更なる事業拡大に向けた有力企業との戦略的提携等も積極的に実施しております。今後もこれらの取り組みを中心に経営資源を更に投下していくことで、コンテンツに依存しない収益基盤の拡大を図ってまいります。
当社グループのビジョン実現のためには、ユーザーから継続的に支持されるサービス提供に加え、多くのユーザーに愛着を持っていただける会社となることが必要だと考えております。そのため、積極的な広報活動、IR活動及びCSR活動を推進していくことで、当社グループのコーポレートブランドの向上を図ってまいります。
当社グループは、当社グループが提供するゲームコンテンツのユーザー数の増加が、業績拡大のための重要な課題であると考えております。当社グループでは、SNS等のインターネット媒体を含む各種メディアへの広告出稿及びイベント等を通じたユーザー獲得施策を継続的に実施しておりますが、過大な広告出稿はユーザー獲得単価の高騰につながると考えております。従って、当社グループではゲームコンテンツ毎の広告出稿に関する費用対効果を分析、把握した上で、今後も積極的かつ効果的な手法による広告出稿を実施し、ユーザー獲得の強化を図ってまいります。
当社グループが提供するゲームコンテンツは、スマートフォン・タブレット端末等を通じインターネット上で提供していることから、システムの安定的な稼働及びスマートフォン・タブレット端末の技術革新への適切な対応が重要な課題であると考えております。従って、当社グループではサーバー等のシステムインフラを安定的に稼働させるべく、継続的なインフラ基盤の強化及び専門的な人員の確保に努めるとともに、必要に応じて他社が提供するサービスを利用しながら、技術革新にも迅速に対応できる開発体制作りに努めてまいります。
当社グループは、今後の更なる事業拡大のために、当社の成長フェーズに応じた組織体制の強化が不可欠であると考えております。そのためには、優秀な人材の確保が重要であると考えており、従業員一人一人がライフスタイルに合わせて仕事ができるように在宅勤務やフレックスタイム制度などの柔軟な働き方を可能とする制度を整備しております。このような多様な働き方を提供することにより、従業員のワークライフバランスを取りやすくし、優秀な人材確保に努めてまいります。
当社グループは、今後もより一層の事業拡大を見込んでおります。そのため、事業拡大に応じた「業務の適正を確保するための体制」の強化を図るとともに、金融商品取引法における内部統制報告制度の適用等も踏まえ、より一層のコーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでまいります。
当社グループは、モバイルオンラインゲーム領域、ブロックチェーン領域等をとりまく環境が大きく変化する中で、当社が提供しているコンテンツをユーザーが安心安全に利用できる環境を整備することが重要な課題であると考えております。そのため、一般社団法人日本オンラインゲーム協会や一般社団法人日本ブロックチェーン協会及び一般社団法人日本デジタル空間経済連盟に加盟し、消費者保護の観点から業界各社との連携や情報交換を図っております。あわせて、「資金決済に関する法律」等の各種法令や、監督官庁の指針、ガイドライン等による規制を遵守することで、健全な環境の整備に努めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティに関する考え方
当社グループは企業理念である「Wow the World!(すべての人に感動を)」のもと、事業活動を通じ、環境問題や社会課題の解決に向けた取り組みを推進してまいります。当社グループが優先的に取り組むべき課題として4つのマテリアリティを重要なテーマとして設定いたしました。本マテリアリティに沿って、サステナブルな企業成長、サステナブルな社会の実現を目指してまいります。

(2)ガバナンス
当社グループは、当社企業集団の全リスクを統括して管理する取締役会直属の最高機関としてリスクマネジメント委員会を設置しております。当委員会は、委員長である当社代表取締役、取締役、弁護士を含む外部の有識者等から構成され、様々なサステナビリティや気候変動に関する課題を取り上げ協議しております。当委員会は、その内容を定期的に取締役会及び監査等委員会に報告するとともに、必要に応じて提言や問題提起を行っております。
また、当委員会は取締役会直属の機関であり、取締役会はその活動を監督しております。
①気候変動
当社グループは、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の各報告書、国際エネルギー機関(IEA)の世界エネルギー展望(World Energy Outlook)、その他関連情報を参照し、気候変動のリスク及び機会がもたらす組織のビジネス・戦略・財務計画への影響を1.5℃シナリオの下で識別しております。機構関連のリスク及び機会を識別するにあたっては、移行リスク・物理的リスク・機会に分類しております。これらの分類ごとに、当社グループの調達と売上に対する財務的影響の大きさを短期(1年)、中期(3年)、長期(10年)の時間軸で定性的に評価・分析し、リスクと機会が組織に与える影響を把握しております。今般、2025年4月期における財務データ等を基に気候関連のリスクと機会を分析いたしました。
なお、当社グループでは、2021年11月の国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)にて産業革命前からの気温上昇を「1.5℃」に抑える努力を追求するとした合意文書が採択されていることから、「1.5℃シナリオ」に沿った開示を行っております。
・1.5℃シナリオ
②人的資本
当社グループは、持続可能な成長を実現し続けるために、企業理念である「Wow the World!(すべての人々に感動を)」の精神を全従業員が持ち、世界中にWow!(“Wow”、“和を”、“輪を”)を提供すべく業務に取り組んでおります。Wow!を提供することを通して世界中の人と人との関係を築くことで、持続可能で豊かな社会の実現に貢献してまいります。
「環境負荷低減による持続的な社会の実現」「次世代育成による持続的な企業成長」「わくわくと働ける持続可能なライフスタイルの促進」を、サステナビリティ戦略の軸と位置づけ、柔軟な働き方の推進を積極的に進めております。
当社グループでは、従業員一人一人が自身のライフスタイルに合わせて仕事ができるよう、在宅勤務やフレックスタイム制度、育児時短勤務、パパママ休暇などの柔軟な働き方を可能とする多様な制度を整備しております。これらの取り組みにより、従業員がワーク・ライフ・バランスを取りやすくなり、優秀な人材を確保すると共に流出を防止しております。
当社はこれらの取り組みを通じて、組織全体の生産性向上を図り、最終的には企業価値のさらなる向上を目指します。働きやすい環境の提供が従業員のモチベーションを高め、革新的なアイデアやソリューションの創出に寄与すると確信しております。これらの施策を推進することで、当社グループは持続可能な成長を確実なものにし、業界内外からの信頼と評価を獲得していく方針であります。
当社グループでは、リスクマネジメント委員会において、気候変動も含むあらゆるリスクと機会を洗い出し、重要性に応じた当該リスクへの対応策を検討しております。リスクマネジメント委員会は、検討結果を取締役会に報告し、取締役会は、各部門に対し対応策の実施を指示いたします。リスクマネジメント委員会は、各部門における実施状況をモニタリングするとともに、必要に応じて対応策の見直しを行い、リスクと機会を適切に管理してまいります。
①気候変動
(ⅰ)気候関連リスク及び機会の評価指標
当社グループでは、以下のとおり、気候関連のリスクと機会毎に指標を設定し、これら指標の動向を分析して財務に対する影響度を検討しております。
(ⅱ)スコープ別温室効果ガス(GHG)排出量と関連リスク
スコープ別の温室効果ガス排出量について、GHGプロトコルに基づき、外部専門家の監修により算定を行っております。2022年4月期より、当社を対象として(子会社除く)、スコープ1、2を算定しております。
Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
(ⅲ)気候関連リスク及び機会を管理する目標及び実績
当社グループでは、シナリオ分析やGHG排出量算定の結果を踏まえ、1.5℃水準に達するよう、グループ一同、サステナビリティな営業活動を目指し、GHG排出量の削減努力をしてまいります。
現行の実績としては、「グリーンサイトライセンス」に参加し、海外での植林活動による環境改善を支援しております。また、企業規模での環境保全の一環として、業務の「ペーパーレス化」を推進しております。今後も打ち合わせやプレゼンテーションもオンラインで行う機会をさらに増加させてまいります。
以上の取り組みを実施・継続することで、カーボンニュートラルを目指しております。
②人的資本
当社では、上記「(3)戦略」において記載したサステナビリティ戦略について、次の指標を用いております。
当該指標に関する目標・実績及び取り組み内容については、次のとおりであります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
当社グループは、スマートフォン/タブレット端末及びそれに準じるスマートデバイス向けにゲームコンテンツ等の提供を行っております。
スマートデバイス市場は成熟期を迎え、スマートデバイスの普及動向により事業が大きく左右されるリスクは限りなく低くなったものの、新たな法的規制の導入や技術革新、新たな端末の普及等の予期せぬ要因によりスマートデバイスビジネスの発展が阻害される場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
当社グループが事業展開を行うモバイルインターネット業界においては、事業に関連する技術革新のスピードが速く、それに基づく新サービスの創出が相次いで行われております。当社グループは技術革新に伴う事業構造の変化に迅速に対応する強固な体制作りに努めておりますが、技術革新に関し予期せぬ事態が生じた場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
当社グループが事業展開を行うモバイルオンラインゲーム市場は、スマートフォン/タブレット端末の高性能化及び普及拡大に伴い、市場成熟期ながらも安定的に推移しております。当社グループにおいては、モバイルオンラインゲーム市場は国内・海外において引き続き安定推移すると見込んでおりますが、市場が大きく縮小した場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
当社グループは、将来市場の拡大が見込まれるブロックチェーン領域及びXR領域等への早期参入により、将来の収益基盤の構築を目指しております。当該事業領域において、市場の成長が鈍化又は縮小した場合、若しくは当社グループの成長予測を下回った場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
当社グループが運営するモバイルオンラインゲーム事業は、Apple Inc.、Google Inc.等の決済代行事業者(プラットフォーマー)を介して一般消費者(ユーザー)にゲームコンテンツを提供するため、プラットフォーマーとの間でコンテンツ提供に関する契約を締結、ないしはコンテンツ提供に関する規約に同意する必要があります。そのため、プラットフォーマーの事業方針の変更等に伴い、当社グループのゲームコンテンツの提供が困難となった場合は当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、ゲームコンテンツの健全性確保のため、コンテンツの制作・配信過程において、当社グループ独自の基準を設定しております。この基準は、青少年に対して著しく暴力的ないしは性的な感情を刺激する描写・表現をコンテンツ内に使用しないこと等を基本方針としております。しかしながら、今後法的規制の強化や新たな法令の制定等に伴い、当社グループのコンテンツの提供が規制される事態等が生じた場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、ゲームコンテンツ単位での開発費の予実管理による資金繰り管理及び費用対効果を見極めた広告宣伝の実行により、強固な財務基盤を実現しております。しかしながら、近年、ネイティブアプリの高品質化に伴い、開発期間が長期に亘り開発費が高騰する傾向にあり、また、競合他社との競争激化に伴い、広告宣伝に関しても多額の投資が必要なケースも増加しています。今後、市場環境の変化等により一層のコスト増加を強いられる場合には、先行投資に耐えうる運転資金の確保が必要になります。
当社グループは、自然災害、アクセス過多によるサーバー停止等の要因によるシステムトラブルの発生を回避するために、サーバーの負荷分散、稼動状況の監視、定期的バックアップの実施等の手段を講じることで、システムトラブルの防止及び回避に努めております。
しかしながら、提供しているゲームコンテンツを管理するサーバーや配信システムにおいて何らかのトラブルが発生することで、ゲーム配信に障害が生じる可能性もあり、当該障害が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
モバイルオンラインゲーム市場には競合他社が多数存在しておりますが、当社グループではゲームコンテンツ開発に際し、時代の潮流を見据えた企画の立案及び高い技術力を用いた開発を実施し、ユーザーのニーズに即した魅力あるゲームコンテンツを提供しております。また、ゲーム運用に際しては、ユーザーの利用状況調査・分析等に基づく効果的な運用及びマーケティングを行っております。
しかしながら、今後当社グループが提供するゲームコンテンツがユーザーに支持されず、又は競合他社との競争激化に伴い、当社グループが提供するゲームコンテンツのユーザー数及びアイテム課金額等が著しく減少した場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、当社グループが提供するゲームコンテンツのユーザー数を拡大させることが安定した収益基盤の確立、業績の拡大のための重要な課題であると考えております。
しかしながら、競合他社との競争激化、ユーザーの嗜好の変化、又はその他の不測の要因によりユーザー数が想定どおりに増加しない場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
当社グループは、管理する電子ウォレットにおいて暗号資産を保有しております。
権限のない第三者による電子ウォレットに対する不正アクセスのリスクを軽減するためのサイバーセキュリティ対策を講じておりますが、電子ウォレットに対して不正アクセスが行われた場合には、権限のない第三者によりこれらの電子ウォレットに保管される暗号資産が消失させられるとともに、当社グループがこれらの暗号資産を取り戻せない可能性があります。当社グループが保有する暗号資産の消失により、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
当社グループの提供するゲームコンテンツのユーザーの個人情報に関しては「個人情報の保護に関する法律」の適用を受けております。加えて、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」では、他ユーザーのID、パスワードの無断使用の禁止等が定められております。さらに、「特定商取引に関する法律」及び「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」により、一部の広告・宣伝メールの送信に際し、法定事項の表示義務を負う場合があります。
当社グループは上記法的規制等について適切な対応をしておりますが、不測の事態により、当該規則等に抵触しているとして何らかの行政処分を受けた場合、また、今後これらの法令等が強化され、若しくは新たな法令等が定められ当社の事業が制約を受ける場合、当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
現在、モバイルオンラインゲーム業界においてはユーザー間においてゲーム内のアイテムをオークションサイト等で売買するというリアル・マネー・トレードと呼ばれる行為が一部のユーザーにより行われております。当社グループでは、利用規約でリアル・マネー・トレードの禁止を表記しており、またオークションサイト等の監視も実施しております。しかしながら、当社グループが提供するゲームに関し大規模なリアル・マネー・トレードが発生する等、不測の事態が生じた場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
当社グループが属するモバイルオンラインゲーム業界、XR業界(VR、AR、MR等)及びブロックチェーン業界は、新たな業態であるため、法的規制の適用に関する解釈の相違等が発生しやすい環境にあるといえます。
当社グループでは、「資金決済に関する法律」等の各種法令や、監督官庁の指針、ガイドライン等による規制を遵守することに加え、加入している業界団体の意見も取り入れ、事業展開を図っております。しかしながら、今後社会情勢の変化によって、既存の法令等の解釈の変更や新たな法令等の制定等、法的規制が行われた場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
当社グループの開発拠点は、日本においては東京都及び福岡県にあり、当該地区において大地震、台風等の自然災害及び事故、火災等により、開発・運用業務の停止、設備の損壊や電力供給の制限等の不測の事態が発生した場合には、当社グループの事業活動に支障をきたす可能性があります。また、海外にも子会社等を有しており、各所在地で同様の要因により開発・運用業務の停止、設備の損壊や電力供給の制限等の不測の事態が発生した場合には、当社グループの事業活動に支障をきたす可能性があり、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。なお、システムリスクについては、「(1) 事業内容に関するリスクについて ② 事業のリスクについて ニ.システムリスクについて」に記載しております。
当社グループでは、事業拡大を進めていくにあたり、優秀な人材の確保、育成が極めて重要な課題であると考えております。このため、採用活動の強化、研修体制の充実等に努めておりますが、十分な人材を確保・育成できない場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
当社グループは個人情報を取得しているため、個人情報を有するサーバーへのアクセス制限や情報セキュリティに関する基本方針及び個人情報保護に関する規程を制定し、社員教育を実施する等、個人情報の管理体制強化を図っております。しかしながら、今後、個人情報の流出等の不測の事態が発生した場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、知的財産の取扱いに関する留意事項を文書化した社内基準を制定するとともに、従業員に対し当該基準の遵守について定期的な共有を図る等、内部管理体制を構築しております。また、ゲームコンテンツ制作の一部を委託する外部クリエイターとの契約において、知的財産については第三者の知的財産権を侵害しないこと、当社グループに対して著作権を譲渡すること等の細かな取り決めを行っております。
しかしながら、当社グループの提供するコンテンツによる第三者の知的財産権の侵害等、不測の事態が発生した場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、内部関係者の不正行為等が発生しないよう、国内、海外の法令・ルールの遵守及び企業倫理に沿った法令遵守を定めた規程を制定するとともに、内部監査等で遵守状況の確認を行っております。しかしながら、法令等に抵触する事態や内部関係者による不正行為等、不測の事態が発生した場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、当社の新株予約権(以下、「ストック・オプション」という。)を付与しております。また、今後におきましても、役員及び従業員に対してインセンティブとしてストック・オプションを付与する可能性があります。これらのストック・オプションが権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
当社は、2012年より海外子会社の設立を開始し、当連結会計年度の海外の売上高が全社売上高の約3割を占めている状況にあります。今後も引き続きグローバルな事業展開を行っていく方針でありますが、各所在地の法令、制度・規制、社会情勢等をはじめとしたカントリーリスクが顕在化し、円滑な事業推進を行うことが困難になった場合、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
なお、当社グループでは、連結財務諸表の作成時に外貨建てから円換算を行っていることから、換算時の為替レートが大幅に変動した場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
当社は、同業他社等に対するM&Aや資本業務提携を既存の事業を補完・強化するための有効な手段の一つであると位置づけております。M&Aや資本業務提携の実行に際しては、財務・税務・法務・ビジネス等に関する詳細なデュー・ディリジェンスを行い、各種リスクの低減に努める方針でありますが、事前に想定されなかった事象が発生した場合、又はM&Aや資本業務提携に見合う効果の創出がなされなかった場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、中長期的な事業成長の実現に向け、当社グループでのM&A、資本業務提携活動に加え、ファンドを通じた投資活動を行っております。投資活動においては、当社グループとの業務シナジーを創出されうる事業領域への投資活動を遂行しており、主としてモバイルオンラインゲーム領域及びブロックチェーン領域への投資を行っております。各事業領域への投資実行に際しては、財務・税務・法務・ビジネス等に関する詳細なデュー・ディリジェンスを行うことで、投資リスクの低減に努めておりますが、事前に想定されなかった事象が発生した場合、又は投資先の株式価値が著しく低下した場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
また、ブロックチェーン領域においては暗号資産への投資も行っており、「資金決済法における暗号資産の会計処理等に関する当面の取扱い」(実務対応報告第38号 2018年3月14日)に従った会計処理を行っておりますが、暗号資産に関しては短期的な時価の変動が激しいことから、保有する暗号資産の時価が著しく低下した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化が進み、インバウンド需要の復調や雇用・所得環境の改善など、緩やかな回復基調にある一方、米国の金融・通商政策や中国の不動産市場の停滞による影響のほか、地政学リスクの長期化に伴う資源価格の高騰や金融政策の変動等の影響により、依然として先行きが不透明な状況が続いております。
当社グループが属する業界におきましては、モバイルオンラインゲーム市場においては、角川アスキー総合研究 所の「ファミ通モバイルゲーム白書2025」によると、2024年のスマートフォンゲーム市場は、国内は1兆7,290億円、グローバルは12兆4,103億円と、市場は成熟期にあるものの引き続き安定的に推移をしております。
また、ブロックチェーン市場におきましては、株式会社グローバルインフォメーションが2024年に発表した報告によると、2029年にはブロックチェーン市場が全世界で2,489億米ドルまで拡大すると予測されております。
当連結会計年度の売上高は8,942,741千円(前年同期比25.9%減)、営業利益は370,823千円(前年同期は5,040,235千円の営業損失)、経常利益は2,103,632千円(前年同期は4,514,014千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,063,322千円(前年同期は5,934,026千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
当連結会計年度のセグメントごとの状況は次のとおりであります。
売上高に関しては、不採算タイトルの早期撤退、一部タイトルの他社への運営移管、並びに、当社の連結子会社であった株式会社エイリムの株式譲渡等により、前年同期比で減収となりました。営業利益に関しては、開発・運用体制の大幅な見直し等に伴うコストの適正化等が奏功したことにより、外注費や広告費が減少し、前年同期比で大幅に損失額が減少いたしました。
この結果、売上高は6,454,439千円(前年同期比39.9%減)、営業損失は118,981千円(前年同期は3,485,612千円の営業損失)となりました。
ブロックチェーン等事業に関しては、当該事業を取り巻く法令及び行政の動向等を踏まえつつ事業展開を行っており、ブロックチェーンゲームの配信やプラットフォームビジネスを中心としたエンターテイメント領域に加え、アセットマネジメント、投資を中心とした金融領域の2軸で事業を推進しております。売上高に関しては、エンターテイメント領域においては、ブロックチェーン技術を活用した推し活プロジェクト「OSHI3」の基軸となるトークン「OSHI」の受領及び本プロジェクトの第一弾タイトルである「ファントム オブ キル -オルタナティブ・イミテーション-」の配信に伴う売上高計上、並びにトークン「FCT」の受領に伴う売上高計上等により前年同期比で増収となりました。アセットマネジメント領域においては、ノード運営のポートフォリオ最適化により良質なトークンを保有し、安定収益を創出した結果、前年同期比で概ね同水準の売上高となりました。営業利益に関しては、売上高の増加に加え、開発中のタイトルの開発コストが減少したこと等に伴い、前年同期比で増益となりました。
この結果、売上高は2,488,302千円(前年同期比86.9%増)、営業利益は489,805千円(前年同期は1,554,623千円の営業損失)となりました。
当連結会計年度末における資産合計は23,884,755千円となり、前連結会計年度末に比べ4,552,183千円の増加となりました。流動資産合計は15,736,683千円となり、前連結会計年度末に比べ3,791,369千円の増加となりました。これは主に、暗号資産、並びに現金及び預金の増加によるものであります。固定資産合計は8,148,071千円となり、前連結会計年度末に比べ760,813千円の増加となりました。これは主に、ソフトウエア仮勘定の増加によるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は6,004,409千円となり、前連結会計年度末に比べ1,085,541千円の減少となりました。流動負債合計は5,112,234千円となり、前連結会計年度末に比べ209,481千円の減少となりました。これは主に、未払金の減少によるものであります。固定負債合計は892,174千円となり、前連結会計年度末に比べ876,060千円の減少となりました。これは主に、長期借入金の減少によるものであります。
当連結会計年度末における純資産合計は17,880,345千円となり、前連結会計年度末に比べ5,637,725千円の増加となりました。これは主に、資本剰余金及び利益剰余金の増加によるものであります。なお、自己資本比率は69.9%となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末4,778,622千円に比べ1,299,891千円増加し、6,078,513千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は881,114千円(前連結会計年度は5,147,137千円の支出)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益2,467,032千円及び売上債権及び契約資産の減少額1,475,116千円、支出の主な内訳は、暗号資産評価益2,024,031千円及び投資有価証券売却益1,195,655千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は1,662,076千円(前連結会計年度は152,266千円の収入)となりました。収入の主な内訳は、投資有価証券の売却による収入1,195,656千円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入474,835千円、支出の主な内訳は、無形固定資産の取得による支出1,644,960千円及び暗号資産等の取得による支出1,460,605千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は3,773,445千円(前連結会計年度は898,937千円の支出)となりました。収入の主な内訳は、株式の発行による収入2,915,743千円、非支配株主からの払込みによる収入1,172,574千円、支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出1,834,871千円であります。
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.Apple Inc.及びGoogle Inc.は決済代行事業者であり、ユーザーからの代金回収を代行しております。
経営者の視点による財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
「経営成績等の状況の概要 (1) 経営成績の状況」及び「経営成績等の状況の概要 (2) 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末4,778,622千円に比べ1,299,891千円増加し、6,078,513千円となりました。
当社グループの運転資金需要のうち主なものには、モバイルオンラインゲーム事業及びブロックチェーン等事業等における人件費、外注費及び広告宣伝費があります。
当社グループでは、主として内部資金及び借入により調達した資金を運転資金に充当する方針であり、必要に応じて追加の資金調達を実施いたします。
なお、キャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (3) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
当社は、モバイルオンラインゲーム事業においては、他社IPタイトルを主軸に経営資源を投下していく方針です。オリジナルタイトルについては開発を行わず、当社ゲームエンジンとIPを組み合わせたタイトルの開発や開発受託への取り組みを更に強化する等、現在の市況を踏まえた最適なポートフォリオを構築することで、収益力の拡大を目指してまいります。
ブロックチェーン等事業においては、ブロックチェーンゲームの配信やプラットフォームビジネスを中心としたエンターテイメント領域に加え、アセットマネジメント及び投資を中心とした金融領域の2つの領域に積極的に経営資源を投下し、収益の主軸として成長させていく方針であります。
エンターテイメント領域においては、「OSHI3」をはじめとした、ブロックチェーンサービスをシームレスに提供できるプラットフォームの構築に加え、モバイルオンラインゲームの開発で培った豊富な経験・ナレッジを活用した高品質なブロックチェーンゲームの配信により、早期の収益化を目指してまいります。
金融領域においては、アセットマネジメント事業では、既に安定収益を創出しているノード運営にて最適なポートフォリオ運用を継続しつつ、将来的には他社資本の組入れも含め運用資産の更なる拡大等を図ることで、収益力の更なる強化を図ってまいります。投資事業においては、既存ファンドからの継続的な投資回収を行いつつ、新規ファンドからの投資活動も積極的に実施することで、中長期的な投資収益の創出に向けた基盤を構築してまいります。
該当事項はありません。