当期における我が国の経済状況は、政府の経済政策や金融政策により雇用・所得環境の改善が続くなか、一部に弱さもみられたものの、緩やかな回復基調で推移しました。また、世界の経済状況は、中国をはじめとする新興国経済の減速や中東情勢の悪化等がみられたものの、米国や欧州を中心に全体としては緩やかな景気回復が続きました。
一方、当社グループを取り巻く国内事業環境においては、公共投資の減少傾向と、人手不足等に起因する人件費の高騰及び土木・建築工事の遅れ等により、引き続き厳しい状況が続きました。
このような状況のなか、当社グループは、平成27年5月29日に「中期経営計画(平成28年3月期~平成30年3月期)」を策定し、国内外の事業基盤や新たなソリューションの開発を強化するとともに、国内の地域企業やパートナー企業との連携による事業領域の拡大を進めてまいりました。
国内事業においては、市場環境変化に対応した体制づくりを進め、補完関係のある企業との戦略的提携、他社とは差別化された技術・製品の開発とその拡販、及び全社的な経費削減、コストダウン等の収益改善の取り組みを継続してまいりました。その結果、老朽化した施設の更新や維持管理の需要及び民間委託や広域化を伴うPPP(注)案件の受注につなげることができました。また、海外事業においては、安定した市場成長が見込まれる欧米を中心とした事業展開を加速し、平成28年1月15日付で米国水処理エンジニアリング会社であるAqua-Aerobic Systems, Inc.を完全子会社化するなど、積極的な経営資源の投入を行うことで事業基盤の構築を図りました。
当連結会計年度における業績については、サービスソリューション事業が前年に比べ売上・営業損益ともに好調に推移したものの、プラントエンジニアリング事業が低調に推移したことにより、全体としては前年を下回りました。
当連結会計年度における売上高は1,030億98百万円(前年同期比3.6%減)、営業利益は53億99百万円(前年同期比34.3%減)、経常利益は51億44百万円(前年同期比37.4%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は27億78百万円(前年同期比44.3%減)となりました。なお、受注高は1,125億14百万円、当期末日現在の受注残高は1,072億49百万円となり、順調に積み上がりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
(プラントエンジニアリング事業)
プラントエンジニアリング事業の受注高は658億80百万円、売上高は一部案件の受注時期の遅れや当期売上に寄与しない長納期案件の増加、土木・建築工事の遅れによる工事進行基準案件の次期への売上計上遅れ等により590億31百万円(前年同期比8.7%減)、営業利益は売上減少の影響及び一部案件の損益悪化並びにAqua-Aerobic Systems, Inc.の買収費用の計上等により11億70百万円(前年同期比75.2%減)となりました。
(サービスソリューション事業)
サービスソリューション事業の受注高は466億33百万円、売上高は国内の浄水場・下水処理場向け設備の補修工事及び運転管理の受託等が順調に推移したことにより440億67百万円(前年同期比4.3%増)、営業利益は売上増加等により42億28百万円(前年同期比20.9%増)となりました。
(注) PPP(Public-Private Partnership):公共サービスの提供に民間が参画する手法を幅広く捉えた概念で、
民間の資金、技術、ノウハウ、経営能力を活用し、効率化や公共サービスの向上を目指すもの。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は199億97百万円となり、前連結会計年度末に比べ、96億8百万円減少しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
法人税等の支払による支出31億13百万円、売上債権の増加による支出11億7百万円、たな卸資産の増加による支出5億18百万円の一方、税金等調整前当期純利益51億44百万円、減価償却費10億24百万円、仕入債務の増加による収入7億2百万円などにより、営業活動に伴う資金の増加は95百万円(前年同期比52億24百万円減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
新規連結子会社の取得による支出101億34百万円、有形固定資産の取得による支出5億59百万円などにより、投資活動に伴う資金の減少は110億23百万円(前年同期比95億20百万円増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払による支出15億3百万円の一方、長期借入による収入28億17百万円などにより、財務活動に伴う資金の増加は8億74百万円(前年同期比218億47百万円減)となりました。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
プラントエンジニアリング事業 | 65,880 | 93.8 | 74,032 | 117.1 |
サービスソリューション事業 | 46,633 | 99.3 | 33,217 | 108.4 |
合計 | 112,514 | 96.0 | 107,249 | 114.3 |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3. 受注高のうち、官公庁からの受注が9割以上を占めております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
プラントエンジニアリング事業 | 59,031 | 91.3 |
サービスソリューション事業 | 44,067 | 104.3 |
合計 | 103,098 | 96.4 |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
東京都 | 20,394 | 19.07 | 17,913 | 17.37 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、社会とともに持続的な発展を遂げるため「エンジニアリング企業として『水資源の最適解』を提供し、いつでもどこでもだれもが水と共に安心して生きることができる社会を願い、たゆまぬ挑戦を続ける」という理念のもと、お客様、地域社会、株主・投資家をはじめとするステークホルダーの皆様の期待にお応えし、社会から信頼され、社会に貢献し続ける企業グループを目指します。
当社グループの主要事業である国内の上下水道事業においては、高度経済成長期に整備された施設・設備の老朽化が進んでおり、その維持管理及び更新が喫緊の課題となっております。一方で、多くの自治体では、人口減少等に起因する財政難や人材不足の問題が顕在化しております。このような状況下において、公共のインフラ整備では民間の資金等を活用するPFI(注)等による官民連携が図られており、今後は上下水道事業の民営化、広域化による合理化が進むものと予想されております。海外における上下水道市場では、一部の新興国において不透明感があるものの、全体の市場としては底堅く伸張すると想定されています。
こうした事業環境のなか、当社グループは、変化を先取りし成長し続ける企業グループを目指し、「成長分野の拡大」、「収益力の向上」、「コーポレート・ガバナンスの強化」を実行してまいります。
①成長分野の拡大
(国内運営事業への進出)
国内の上下水道事業の官民連携が進むなか、PPP事業で培った経験と、当社グループの技術を補完する企業との戦略的提携により事業領域を拡大し、設計・建設から維持管理・運営までを包括的に最適化したトータルソリューションを提供できる企業への成長を目指します。
(海外事業の拡大)
海外事業においては、安定した市場成長が見込まれる欧米を戦略エリアに位置付け、事業拡大に注力します。当社は、平成28年1月に米国の水処理エンジニアリング会社であるAqua-Aerobic Systems, Inc.を傘下に入れました。今後は同社の米国内での販売網や納入実績を基盤として、当社のオゾン処理システム、セラミック膜ろ過システム、高速ろ過システム等の販売力をより一層強化します。将来の市場成長が見込まれるアジア等の発展途上地域では、官民連携を通じた事業基盤づくりに取り組みます。
②収益力の向上
持続的な事業の発展のため、市場の変化を的確に把握した新しいソリューション・製品を継続的に提供し、受注機会を創出してまいります。また、開発段階から設計・調達・建設・運営までの一元管理によるコストの最適化や業務の効率化など、全社的なコストダウン及び経費削減の取り組みを継続的に行うことにより、収益力の向上を図ってまいります。
③コーポレート・ガバナンスの強化
当社グループは、ステークホルダーとの信頼関係を深め、誠実にその使命を果たすという基本理念の実現に向けて、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでまいります。業務執行に対する監督体制を強化し、透明性の高い経営を目指すとともに、内部統制機能の強化及びコンプライアンスを推進し、企業価値の持続的向上を実現する体制の構築に努めてまいります。
(注) PFI(Private Finance Initiative):公共施設などの設計・建設、維持管理、運営、それらに要する資
金調達に民間を活用する公共事業の手法。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の有価証券に関する投資判断は本項以外の記載内容もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、以下の事項のうち将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが記載が妥当であると判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(市場環境)
当社グループの事業は、公共事業が占める割合が高いため、国及び地方公共団体の予期せぬ政策転換や財政状態悪化等による上下水道施設の整備費や維持管理費の予算削減により業績に影響を及ぼす可能性があります。
(事業環境)
我が国において、人口減少及び生活スタイルや産業構造の変化により、予期せぬ水需要の減少が起これば、施設の新規建設工事、老朽化施設の更新工事及び改良工事等で一定の需要が将来に渡り継続する保証はありません。当社グループとしても新技術・新製品等による需要の喚起、施設の運転維持管理・サービスへの構造転換、民需分野・海外市場での展開にも注力してまいりますが、それらの施策の進捗動向によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(入札制度)
当社グループが提供する上下水道処理施設の機械設備・電気設備及びそれらの運転維持管理は高い公共性を有しておりますので、これらの販売については、上下水道の各事業体が実施する入札に応募し、落札することが基本条件となっております。入札参加には、一定の工事実績、経営成績及び財務状態、技術力等の提示された条件を満足させる必要がありますが、今後、入札制度に予期せぬ変更が生じた場合、あるいは競争激化により入札価格が著しく低下した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(法令規制・コンプライアンスについて)
当社グループが現在行っている事業活動は、建設業法を始め様々な法的規制の適用を受けております。特に、建設業は許可事業であり、建設業法等に違反した場合には、許可取消処分等を含む行政処分を受ける可能性があります。当社グループは、適切な内部統制システムを整備する等によりコンプライアンスの徹底を図っておりますが、法令違反等が発生する可能性が皆無とは言えず、万一発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、今後予期せぬ法令等の変更が生じた場合にも、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の特定建設業の許可は次のとおりです。提出日現在、許可の継続に支障をきたすような要因はありません。
許認可の名称 | : | 特定建設業 |
取得年月 | : | 平成19年2月19日 |
有効期限 | : | 平成24年2月19日~平成29年2月18日 |
法令違反の要件及び主な取消事由 | : | 不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反等に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条) 不正入札等不誠実な行為があった場合は業務停止等の処分(同法第28条) |
(事故及び災害)
当社グループの拠点及び建設中又は運転維持管理を委託された現場において、予期せぬ大事故、大規模な自然災害等の偶発事象が発生した場合には業績に影響を及ぼす可能性があります。
(調達等に伴うリスク)
当社グループは製品の製造工場を保有しておらず、他社からの製品購入に依存しております。発注にあたっては、与信管理を行い、経営状況の安定している業者を選定しておりますが、発注先において原材料価格の急騰や特殊な材料・部品が調達困難な状況が発生すれば、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(製品・サービスに関する欠陥について)
当社グループが提供する装置やサービス等において、顧客の発注仕様に忠実に履行したにも関わらず予期せぬ欠陥や事故が原因で水質汚濁や大気汚染等を招き、地域住民の生活を不安に陥れたり、顧客に深刻な損害をもたらしたりした場合、当社グループは社会的に著しく信頼性を失い、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(退職給付債務)
当社グループの年金資産の時価の変動や、割引率等の退職給付債務算定に用いる前提の変更、及び運用利回りの状況の変化があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(当社グループ事業の特性)
当社グループは受注から完納までに複数年を要する案件が多く、また、PPP事業は15年以上の長期に渡る施設を運営する契約であり、受注後の調達品や外注費用等の急激な価格変動により受注契約時に見積ったコストとの差異が発生し業績に影響を及ぼす可能性があります。
(業績の季節的変動)
当社グループは、顧客の大半が官公庁・地方自治体等であり、それらの予算執行期限が年度末に集中しております。そのため、売上高に季節変動があり売上が期末に著しく偏る傾向があります。工期の遅れ、顧客事由等により、売上が翌期にずれ込んだ場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(技術力)
当社グループは、他社が販売する新商品・新技術に対抗しうる商品開発・技術開発に失敗した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(資格者)
当社グループの事業に必要な資格保有者を安定的に確保できなくなれば、入札参加資格を満足させることができず受注機会を喪失し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(海外事業)
当社グループは海外においても事業を展開しており、今後拡大する方向です。海外における事業においては、以下のような予期しない事象が発生すれば、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
① 各国の法律や規制、税制の変更
② 各国の社会、政治情勢の急速な変化
③ 各国の財政状態の急速な変化
④ 為替レートの急激な変化
⑤ 異なる商習慣への不適応
⑥ 労働環境の変化、人材確保や教育・育成の困難性
⑦ 新型インフルエンザ等の伝染病の流行
(その他の関係会社との関係について)
日本碍子㈱及び富士電機㈱は、本書提出日現在において、それぞれ当社発行済株式の28.9%を所有する大株主であり、株主総会の承認が必要な全ての事項の決定に関して、他の株主の意向にかかわらず両大株主が当該決定に影響を与える可能性があります。
当社と日本碍子㈱、富士電機㈱及びそのグループ会社との間の関係等については、以下のとおりです。
① 日本碍子㈱、富士電機㈱及びそのグループ会社との取引
当社グループは日本碍子㈱へのセラミック膜の製造等の委託、富士電機㈱への配電盤等の製造委託、電気工事発注等の取引を行っています。
当社グループの独立性確保の観点も踏まえ、取引にあたっては、価格等の取引条件は市場実勢等を参考に、一般取引と同様に見積書をベースにして、その都度交渉の上で決定しており、決裁権限・手続きは「職務権限規程」に基づき処理しております。
重要な取引については取締役会に対して定期的に報告を行うとともに、管理部門における取引開始時のチェック、監査役監査や内部監査における取引内容等の事後的なチェックを行う等、健全性及び適正性確保の仕組みを整備し、さらに強化していきます。当連結会計年度における主な取引は次のとおりです。
(単位:百万円)
取引先 | 取引内容 | 金額 |
日本碍子㈱ | 製品等購入 | 3,507 |
富士電機㈱ | 製品等購入 | 9,149 |
② 当社グループ役員の日本碍子㈱、富士電機㈱の役員等との兼任
当社の社外取締役には、日本碍子㈱の取締役専務執行役員を兼任している者が1名、富士電機㈱の顧問を兼任している者が1名おります。
当社は、平成27年10月28日開催の取締役会において、当社の米国子会社であるMETAWATER USA, INC.を通じて、米国の非上場株式会社であるAqua-Aerobic Systems, Inc.を買収する手続きを開始することについて決議し、同日付で、当事者間で合併契約を締結いたしました。また、平成28年1月15日付で発行済株式を100%取得いたしました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度の研究開発活動は、従来より継続して、人々が安心して暮らせる安全な水環境の創造と保全に寄与する技術開発を積極的に行っております。
研究開発体制は、当社の開発戦略委員会が研究開発方針や経営資源の配分決定等を統括し、当社内の研究開発部門が個別の研究開発テーマを執行しております。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費は16億78百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
(プラントエンジニアリング事業)
上下水道プラントの建設案件の受注拡大に向けた商品開発及び海外や新事業等の成長分野の事業拡大に向けた商品開発を活動方針としており、当社の持つ機械や電気に関する技術を融合させた、新しい差別化商品の開発を目的としております。
具体的には、固液分離技術、酸化処理技術、熱操作技術、計測制御技術、生物処理技術、ICT等の当社のコア技術を基に、次世代型の造水・水の再生技術の開発、地球温暖化防止のための温室効果ガス排出削減及び省エネルギー技術の開発、監視制御技術の開発に取り組んでおります。
次世代型の造水・水再生に関する商品では、微粉炭の砂ろ過設備への適用技術を開発し、凝集沈澱ろ過市場への展開を行っております。また、海外や新事業への展開を目指して、油田随伴水処理技術の開発に取り組んでおります。
温室効果ガス排出削減、省エネルギーに関する商品では、焼却炉の省エネルギー化開発、脱水・焼却・発電の全体最適を図るシステム開発を行い、汚泥処理市場での競争力強化を図っております。また、無曝気循環式水処理技術の開発を行い、エネルギー消費の少ない新しい下水処理場の構築を目指して取組んでおります。
監視制御に関する商品では、次世代監視制御システムの機能拡充開発を行い、EPC(注)電気分野の更なる競争力強化を図っております。
当連結会計年度における研究開発費は12億円であります。
(サービスソリューション事業)
上下水道施設運転維持管理の第三者委託・包括委託案件の受注拡大を目指し、アセットマネジメント、維持管理費削減や保守・運転員の作業軽減を実現する新しい商品やサービス、さらに上下水道事業体の統合・広域化に対応したクラウド監視サービスなどの開発を目的としております。
当社のコア技術であるICTと機電融合技術を活用し、維持管理の省力化、運転者支援、設備延命化を実現する商品やサービスの開発に取り組んでおります。
具体的には、上下水道に関わる情報やデータを標準化・共有化し、運転維持管理の包括化や事業体の広域化に対応しうる高度なソリューションを提供するための「クラウド型プラットフォーム」において、広域監視コンテンツとNTTデータ㈱のIoTプラットホームを連携させることで、データ収集頻度を上げるなど、各種機能を向上させ、上下水道事業体及び運転管理事業者へ、より高付加価値なサービス展開を図っております。
また、サービスソリューション事業の要となる制御システムやセンサーを開発し、運転管理や設備診断等の差別化を図っております。
当連結会計年度における研究開発費は4億77百万円であります。
(注) EPC(Engineering, Procurement and Construction):設計、調達、建設を含む建設工事を請け負う方式
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し、一定の会計基準の範囲内にて合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性により、実際の結果は見積りとは異なることがあります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(2) 経営成績の分析
当連結会計年度における当社グループの業績は、受注高は前連結会計年度に比べ4.0%減少の1,125億14百万円となり、売上高は前連結会計年度に比べ3.6%減収の1,030億98百万円となりました。なお、セグメントの経営成績につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。
売上原価は、前連結会計年度に比べ、1.3%減少の840億36百万円となりました。販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ0.6%増加の136億62百万円となりました。
これらの結果、営業利益は前連結会計年度に比べ34.3%減益の53億99百万円となりました。また、経常利益は前連結会計年度に比べ37.4%減益の51億44百万円となりました。特別損失の計上はありません。以上により税金等調整前当期純利益は51億44百万円となり、前連結会計年度に比べ29億20百万円の減益となりました。これらの結果親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ44.3%減益の27億78百万円となりました。
(3) 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ66億7百万円増加し、1,208億65百万円となりました。
流動資産は、受取手形及び売掛金が増加したものの、有価証券が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ21億18百万円減少し、1,028億4百万円となりました。
固定資産は、Aqua-Aerobic Systems, Inc.の買収に伴いのれんが増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ87億26百万円増加し、180億60百万円となりました。
流動負債は、未払法人税等が減少したものの、買掛金及び前受金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ24億83百万円増加し、508億60百万円となりました。
固定負債は、Aqua-Aerobic Systems, Inc.の買収に伴い長期借入金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ37億35百万円増加し、218億43百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び配当金の支払いにより、前連結会計年度末に比べ3億88百万円増加し、481億61百万円となりました。
(4) キャッシュ・フローの分析
当社グループの主な資金需要は、運転資本、設備投資、研究開発、IT投資に対するものであり、それらは内部留保資金及び借入金により賄われております。
なお、詳細は「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載されているとおり、市場環境の変化、事業環境の変化、法令等への抵触、事故及び災害、調達等に伴うリスク、製品・サービスに関する欠陥等、様々なリスクが、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。