文中の将来に関する事項は、当期末日現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループの主要事業である国内の上下水道市場では、人口減少等に起因する自治体の財政難や技術者不足が顕在化していることに加え、高度経済成長期に整備された施設・設備の老朽化や大地震・ゲリラ豪雨等への対策が喫緊の課題となっております。このような状況下において、PFI法(注1)の施行及び改正や政府方針等により、公共インフラ整備に民間の資金、技術、ノウハウを活用する公民連携や上下水道事業体の経営及び技術両面での事業運営の強化に向けた広域化が加速しており、今後、更に民間企業の活用が進展するものと予想されております。
一方、海外の上下水道市場においては、欧米を中心に施設・設備の老朽化対策、環境規制の厳格化等が求められており、アジアの新興国等では上下水道インフラの新たな整備が急務となっております。今後は政府や自治体の後押しを受けて、上下水道整備に関わる技術やノウハウの国際展開が更に進むものと予想されております。
こうした市場環境のなか、当社グループが2015年5月に策定した2017年度を最終年度とする中期経営計画(以下「前中期経営計画」という。)は、長納期案件の増加や土木・建築工事の人手不足に起因する売上計上時期の遅れ等により、数値目標は達成できなかったものの、PPP(注2)事業をはじめとする大型案件の受注により過去最高の受注高を達成するとともに、案件の大型化及び長納期化の影響もあり、当期末の受注残高は順調に積み上がっております。
当社グループは、このような事業環境を踏まえ、長期ビジョン(10年後の姿)の実現に向けた最初のステージとして2020年度を最終年度とする「中期経営計画2020」を策定し、「①戦略開発投資」「②事業戦略」「③持続的なESGの取り組み」を重点施策として、2020年度の経営目標である受注高1,400億円、売上高1,280億円、営業利益90億円の達成に向け、全社を挙げて取り組んでまいります。
①戦略開発投資
今後10年間において、包括化案件を中心とする長納期案件の増加、コンセッション(注3)に代表される広域化案件の台頭等の大きな環境変化が予想されるなか、従来の開発投資に「戦略開発投資」を加えて、中長期的な成長に不可欠な製品開発、ソリューション開発及び新事業開発を進めてまいります。
②事業戦略
当社グループは、前中期経営計画に引き続き、EPC(注4)事業とO&M(注5)事業を基盤分野、PPP事業と海外事業を成長分野と位置付け、事業の強化及び拡大を進めてまいります。
(基盤分野)
EPC事業では、今後の更新需要を捉えてIT活用等によるエンジニアリング体制及びコスト競争力を強化し、更なる収益力の向上に取り組んでまいります。また、O&M事業では、ストック機場及び維持管理ノウハウの活用により事業の安定成長を目指してまいります。
(成長分野)
PPP事業では、これまでの成果を活かした地域戦略による事業範囲の拡大と今後のコンセッションに向けた体質強化に取り組んでまいります。また、海外事業では、引き続き安定した市場成長が見込まれる欧米を戦略エリアと位置付け、米国子会社であるAqua-Aerobic Systems, Inc.を基盤として更なる事業拡大に取り組んでまいります。
③持続的なESGの取り組み
当社グループは、環境貢献度の高い事業活動を通じた社会貢献にとどまらず、企業市民として環境負荷の低減や地域貢献活動にも積極的に取り組み、国連が提唱する持続可能な開発目標「Sustainable Development Goals(SDGs)」にも貢献してまいります。また、コーポレートガバナンスにおいては、更なる経営体制の効率化と強化を図るとともに、各ステークホルダーと積極的な対話を行うことにより、信頼性及び透明性の高い経営を目指してまいります。
(注) 1.PFI法:民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律
2.PPP (Public-Private Partnership) :公共サービスの提供に民間が参画する手法
3.コンセッション:施設の所有権を移転せず、民間企業に公共インフラの事業運営権を長期にわたって付与する手法
4.EPC (Engineering, Procurement and Construction) :設計・調達・建設
5.O&M (Operation and Maintenance) :運転・維持管理
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、以下の事項のうち将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが記載が妥当であると判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1) 事業環境の変動等について
① 当社グループの事業は、公共事業(特に上下水道事業)の占める割合が高いため、国及び地方公共団体の予期せぬ政策転換や財政状態の悪化並びに人口減少や生活スタイル・産業構造の変化による水需要の減少等により、上下水道施設整備に関わる建設工事や維持管理等の需要が減少する可能性があり、そうした場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 公共事業における入札参加には、一定の工事実績、経営成績、財務状態、技術力等の提示された条件を満足させる必要がありますが、入札制度に予期せぬ変更が生じた場合や、競争の激化により入札価格が著しく低下した場合、あるいは資格保有者の退職等により安定的な人材の確保が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 公共事業において、受注から完納までに複数年を要する案件やPPP事業のように15年以上の長期に渡る施設の運営等を実施する案件が増加しており、受注後の調達品や外注費用等の急激な価格変動により受注契約時の見積原価に対して差異が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 公共事業における予算執行期限が年度末に集中しているため、当社グループの売上高が期末に集中する傾向があります。その結果、土木建築工事の遅れや顧客事由等により当社受託案件の売上時期が翌期にずれ込む可能性があり、そうした場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 国際情勢の変動等について
当社グループは欧米を中心に事業展開していますが、海外で以下のような予期せぬ事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
・予期しない法律、規制、税制等の変更
・社会、政治、財政、為替等の急激な変化
・労働環境の変化による人材確保や教育等の困難性
・テロ、戦争等による社会的混乱 等
(3) 大規模な災害や事故等について
当社グループの拠点及び当社グループが受託した建設中の現場又は運転維持管理を委託された現場において、予期せぬ大規模な自然災害や大事故等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 法令規制とコンプライアンスについて
当社グループの事業は、建設業法を始め様々な法的規制の適用を受けております。特に建設業は許可事業であり、建設業法等に違反した場合には許可取消処分等を含む行政処分を受ける可能性があります。当社グループは適切な内部統制システムを整備する等によりコンプライアンスの徹底を図っておりますが、法令違反等が発生する可能性が皆無とは言えず、万一発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、今後予期せぬ法令等の変更が生じた場合にも、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の特定建設業の許可は次のとおりです。提出日現在、許可の継続に支障をきたすような要因はありません。
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許認可の名称 |
: |
特定建設業 |
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取得年月 |
: |
平成19年2月19日 |
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有効期限 |
: |
平成29年2月19日~平成34年2月18日 |
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法令違反の要件及び 主な取消事由 |
: |
不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反等に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条) 不正入札等不誠実な行為があった場合は業務停止等の処分(同法第28条) |
(5) 製品・サービスの品質等について
① 当社グループが提供する製品・サービス等において、品質管理体制を整備し、品質の確保及び向上に努めておりますが、予期せぬ事情により大きな品質問題が発生し、顧客である地方自治体及び地域住民の皆様に甚大な影響を与える可能性があり、そうした場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 当社グループが提供する製品は、自社で製造設備を保有しておらず、他社からの調達に依存しております。調達先は与信管理等により経営状況の安定している企業を選定していますが、調達先において原材料の急騰や特殊な材料・部品等の調達が困難な状況に陥った場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 退職給付債務について
当社グループの年金資産の時価変動、割引率等の退職給付債務算定に用いる前提の変更、及び運用利回りの状況の変化等があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) その他の関係会社との関係について
日本碍子株式会社及び富士電機株式会社は、本書提出日現在において、それぞれ当社発行済株式の28.9%を所有する大株主であり、株主総会の承認が必要な全ての事項の決定に関して、他の株主の意向にかかわらず両大株主が当該決定に影響を与える可能性があります。
当社と日本碍子株式会社及び富士電機株式会社との関係等は、以下のとおりです。
① 日本碍子株式会社及び富士電機株式会社との取引
当社グループは、日本碍子株式会社にセラミック膜の製造等の委託、富士電機株式会社に配電盤等の製造委託、電気工事発注等の取引を行っております。当社グループの独立性確保の観点も踏まえ、取引において、価格等の取引条件は市場実勢等を参考にし、一般取引と同様に見積書をベースとして、その都度交渉の上で決定しており、決裁権限・手続きは「職務権限規程」に基づき処理しております。
重要な取引については、取締役会に対して定期的に報告を行うとともに、管理部門における取引開始時のチェック、監査役監査や内部監査における取引内容等の事後的なチェックを行う等、健全性及び適正性確保の仕組みを整備し、さらに強化しております。
当連結会計年度における当社グループとの主な取引は次のとおりです。
(単位:百万円)
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取引先 |
取引内容 |
金額 |
|
日本碍子株式会社 |
製品購入等 |
332 |
|
富士電機株式会社 |
製品購入等 |
9,209 |
② 当社グループ役員の日本碍子株式会社及び富士電機株式会社の役員等との兼任
当社の社外取締役には、日本碍子株式会社の取締役専務執行役員を兼任している者が1名、富士電機株式会社の顧問を兼任している者が1名おります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当期における我が国の経済状況は、政府の経済政策や金融政策により雇用・所得環境の改善が続くなか、緩やかな回復基調が続きました。また、世界の経済状況は、欧州の政治情勢や米国政権の不確実性による影響が懸念されたものの、緩やかな回復が続きました。
当社グループを取り巻く国内事業環境においては、公共投資の減少傾向と人手不足に起因する人件費の高騰及び土木・建築工事の遅れ等により、引き続き厳しい状況が続きました。
このような状況のなか、当社グループは、中期経営計画(平成28年3月期~平成30年3月期)の基本方針に基づき、当期も引き続き基盤分野である国内のEPC事業及びO&M事業の強化と、成長分野と位置付けるPPP事業及び海外事業の拡大に注力し、「変化を先取りし、成長し続ける企業」を目指してまいりました。
国内事業においては、自治体の抱える財政難及び人材不足等の課題に対して公民連携及び民間活用が進展するなか、パートナー企業との戦略的提携、他社との差別化を図った技術・製品の開発とその拡販、全社的な合理化及びコストダウン等による収益改善に継続的に取り組んでまいりました。
海外事業においては、安定した市場成長が見込まれる欧米を中心とした事業展開を推進するなかで、特に米国子会社であるAqua-Aerobic Systems, Inc.を基盤として更なる事業拡大に向けた活動に取り組んでまいりました。
当連結会計年度における当社グループの業績については、売上高は1,108億95百万円(前年同期比0.7%減)、営業利益は67億45百万円(前年同期比6.6%増)、経常利益は64億65百万円(前年同期比3.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は39億31百万円(前年同期比17.1%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益の減少は、前連結会計年度が米国子会社における税効果の影響により好転したことによるものです。
また、PPP事業を含む大型案件の受注により、受注高は過去最高額となる1,315億89百万円(前年同期比10.0%増)、当期末日現在の受注残高は1,358億86百万円(前年同期比18.0%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
(プラントエンジニアリング事業)
プラントエンジニアリング事業においては、海外事業は順調に推移したものの、国内EPC事業は大型の長納期案件の増加及び土木・建築工事の遅れによる工事完了時期の延期等の影響により低調に推移し、売上高は649億65百万円(前年同期比2.7%減)となりましたが、コストダウン等の施策により営業利益は26億23百万円(前年同期比56.6%増)となりました。また、受注高は699億7百万円(前年同期比11.9%増)となりました。
(サービスソリューション事業)
サービスソリューション事業においては、PPP事業及びO&M事業が順調に推移したことにより、売上高は459億30百万円(前年同期比2.3%増)となりましたが、案件構成の違い等により営業利益は41億21百万円(前年同期比11.4%減)となりました。また、受注高は616億81百万円(前年同期比7.9%増)となりました。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
プラントエンジニアリング事業 |
69,907 |
111.9 |
74,650 |
107.1 |
|
サービスソリューション事業 |
61,681 |
107.9 |
61,236 |
134.6 |
|
合計 |
131,589 |
110.0 |
135,886 |
118.0 |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3. 受注高のうち、官公庁からの受注が9割以上を占めております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
プラントエンジニアリング事業 |
64,965 |
97.3 |
|
サービスソリューション事業 |
45,930 |
102.3 |
|
合計 |
110,895 |
99.3 |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
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相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
|
|
東京都 |
17,704 |
15.85 |
17,256 |
15.56 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、会計基準に基づいて見積りが行われており、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(2) 経営成績の分析
当連結会計年度における当社グループの業績は、受注高は前連結会計年度に比べ10.0%増加の1,315億89百万円となり、売上高は前連結会計年度に比べ0.7%減収の1,108億95百万円となりました。なお、セグメント別の経営成績につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況の分析 (業績等の概要)」に記載のとおりであります。
売上原価は、前連結会計年度に比べ、1.5%減少の869億25百万円となりました。販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ0.5%増加の172億24百万円となりました。
これらの結果、営業利益は前連結会計年度に比べ6.6%増益の67億45百万円となりました。また、経常利益は前連結会計年度に比べ3.4%増益の64億65百万円となりました。特別損失の計上はありません。以上により、税金等調整前当期純利益は64億65百万円となり、前連結会計年度に比べ2億54百万円の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ17.1%減益の39億31百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益の減少要因は、前連結会計年度が米国子会社における税効果の影響により好転したことによるものであります。
(3) 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ20億30百万円増加し、1,229億91百万円となりました。
流動資産は、仕掛品及び貯蔵品が減少しましたが、現金及び預金並びに売掛金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ33億13百万円増加し、1,068億94百万円となりました。
固定資産は、のれん及び顧客関連資産が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ12億82百万円減少し、160億97百万円となりました。
流動負債は、買掛金が減少しましたが、前受金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ5億12百万円増加し、490億42百万円となりました。
固定負債は、PFI等プロジェクトファイナンス・ローンが減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ12億63百万円減少し、189億6百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び配当金の支払により、前連結会計年度末に比べ27億82百万円増加し、550億42百万円となりました。
(4) キャッシュ・フローの分析
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの主な資金需要は、運転資本、設備投資、研究開発、IT投資に対するものであり、それらの資金は内部留保資金及び借入金により賄われております。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は249億77百万円となり、前連結会計年度末に比べ、16億25百万円増加しました。当連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
売上債権の増加による支出43億11百万円、法人税等の支払による支出23億94百万円の一方、税金等調整前当期純利益64億65百万円、前受金の増加による収入20億67百万円、減価償却費14億41百万円などにより、営業活動に伴う資金の増加は51億75百万円(前年同期比25億94百万円減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出5億27百万円、無形固定資産の取得による支出2億17百万円などにより、投資活動に伴う資金の減少は8億68百万円(前年同期比6億63百万円減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払による支出15億3百万円、PFI等プロジェクトファイナンス・ローンの返済による支出8億25百万円などにより、財務活動に伴う資金の減少は26億19百万円(前年同期比78百万円減)となりました。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しているとおり、事業環境や国際情勢の変動、大規模災害・事故、法令規制・コンプライアンス、製品・サービスの品質等、様々なリスクが当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。
当期の研究開発活動は、継続して、水・環境インフラの持続可能性(サステイナビリティ)に寄与する技術開発を積極的に行っております。
研究開発体制は、当社の開発戦略委員会が研究開発方針や経営資源の配分決定等を統括し、当社内の研究開発部門が個別の研究開発テーマを執行しております。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費は17億6百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動は次のとおりであります。
(プラントエンジニアリング事業)
上下水道プラントの建設案件の受注拡大に向けた商品開発及びPPP事業や海外事業等の成長分野の事業拡大に向けた商品開発を活動方針としており、当社の持つ機械や電気に関する技術を融合させた、新しい差別化商品の開発を目的としております。
具体的には、固液分離技術、酸化処理技術、熱操作技術、計測制御技術、生物処理技術、ICT等の当社のコア技術を基に、次世代型の造水・水再生技術の開発、地球温暖化防止のための温室効果ガス排出削減及び省エネルギー技術の開発、監視制御技術の開発に取り組んでおります。
次世代型の造水・水再生に関する商品では、上水道分野において、LEDを光源に用いた世界初となる浄水場向け紫外線処理装置を開発し、市場への展開を行っております。また、下水道分野において、最終沈殿池にろ過部を組み込むことにより、処理能力の大幅向上を可能にする新しい処理技術の開発に取り組んでおります。
温室効果ガス排出削減、省エネルギーに関する商品では、浄水場凝集混和槽向け低動力攪拌装置、下水処理場焼却炉の省エネルギー化開発を行い、上下水道市場での競争力強化を図っております。また、無曝気循環式水処理技術の開発を行い、引き続きエネルギー消費の少ない新しい下水処理場の構築を目指して取り組んでおります。
監視制御に関する商品では、監視制御システムの機能拡充開発を行い、EPC事業における電気分野の更なる競争力強化を図っております。
当連結会計年度における研究開発費12億14百万円であります。
(サービスソリューション事業)
上下水道施設運転維持管理の第三者委託・包括委託案件の受注拡大を目指し、アセットマネジメントの合理化、維持管理費削減や保守・運転員の作業軽減を実現する新しい商品やサービス、さらに上下水道事業体の統合・広域化に対応したクラウド監視サービスなどの開発を目的としております。
当社のコア技術であるICTと機電融合技術を活用し、維持管理の省力化、運転者支援、設備延命化を実現する商品やサービスの開発に取り組んでおります。
具体的には、上下水道に関わる情報やデータを標準化・共有化し、運転維持管理の包括化や事業体の広域化に対応しうる高度なソリューションを提供するための「クラウド型プラットフォーム」において、広域監視や画像監視、アセットマネジメント等の各種コンテンツの機能を向上させ、上下水道事業体及び運転管理事業者へ、より高付加価値なサービス展開を図っております。また、下水道管路の点検・維持管理業務から改築・修繕計画の立案までを効率的に支援するシステムを開発し、新たなクラウドサービスとして提供を開始しました。
当連結会計年度における研究開発費は4億92百万円であります。