第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

文中の将来に関する事項は、当期末日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

当社グループの主要事業である国内の上下水道市場では、人口減少等に起因する自治体の財政難や技術者不足が顕在化していることに加え、施設・設備の老朽化や大地震・集中豪雨等の自然災害への対策が喫緊の課題となっております。このような状況において、PFI法改正や水道法改正(2018年12月公布)等の政府方針により、公共インフラ整備に民間の資金、技術、ノウハウを活用する公民連携や、上下水道事業体の経営強化に向けた施策として広域化の検討が進展しております。また、IoT、AI、5G等の技術革新を背景に、新たな事業機会やビジネスモデルが創出されるものと予想されます。

一方、海外の上下水道市場においては、欧米を中心に施設・設備の老朽化対策、環境規制の厳格化等が求められております。また、アジアの新興国等では人口及び水需要の増加に伴う上下水道インフラ整備の需要が高まっております。今後も各国の上下水道市場における課題やニーズを背景とした事業機会が継続されるものと予想されます。

このような事業環境を踏まえ、当社グループは、長期ビジョン(10年後の姿)の実現に向けた最初のステージとして、2020年度(2021年3月期)を最終年度とする「中期経営計画2020」を策定いたしました。2020年度の経営目標である受注高1,400億円、売上高1,300億円、営業利益90億円の達成に向けて次の3点を重点課題とし、全社を挙げて取り組んでおります。なお、2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症の影響により景気の急速な悪化が続いておりますが、現時点では今後の動向が不透明であることから、2020年度の計画には織り込んでおりません。

 

①戦略開発投資

当社グループは、従来の開発投資に「戦略開発投資」を加え、中長期的な成長に不可欠な製品、ソリューション及び新事業の開発を進めております。「広域化+包括化」に対するマスメリット経営においては、3センター(設備運転員訓練センター、ナレッジセンター、共通部品センター)の設置に続き、WOODAP(ウーダップ)(注1)の考え方を軸として、社会の新たなニーズに対応したソリューション提案の推進に取り組んでまいります。また、ナンバーワン製品群の開発においては、緊急時及び災害時の対応として、可搬型非常用セラミック膜ろ過装置の開発に着手しており、2020年度の製品化に向けて取り組んでまいります。

 

②事業戦略

 当社グループは、EPC事業とO&M事業を基盤分野、PPP事業と海外事業を成長分野と位置付け、事業の強化及び拡大を進めてまいります。

(基盤分野の強化)

EPC事業では、今後の更新需要を捉え、IT、3D-CAD等を活用したエンジニアリング手法の確立やコスト競争力の強化により、更なる受注拡大と収益力の向上に取り組んでまいります。また、O&M事業では、ストック機場や維持管理ノウハウの活用による安定成長や、ドローンの活用及びWBCの拡販強化等による新規事業の創出に取り組んでまいります。

(成長分野の拡大)

PPP事業では、今後の更なる公民連携の進展に向けて、これまでの実績やノウハウを活かした地域戦略を強化するとともにコンセッション(注2)案件に対応するための体質強化等に取り組んでまいります。また、海外事業では、新たにREMOVE(リムーブ)(注3)のコンセプトに基づき、引き続き欧米を戦略エリアと位置付け、米国子会社であるAqua-Aerobic Systems, Inc.を基盤として更なる事業拡大に取り組んでまいります。

 

③持続的なESGの取り組み

当社グループは、環境貢献度の高い事業活動を通じた社会貢献にとどまらず、企業市民として環境負荷の低減や地域貢献活動にも積極的に取り組み、国連が提唱する持続可能な開発目標「Sustainable Development Goals(SDGs)」にも貢献してまいります。また、政府が推進する働き方改革に対しては、サテライトオフィス設置、週休三日制の導入等により社員の多様なワークスタイルの実現に向けて積極的に取り組んでまいります。一方、コーポレートガバナンスにおいては、引き続き経営体制の強化に取り組むとともに、各ステークホルダーと積極的な対話を行うことにより、信頼性及び透明性の高い経営を目指してまいります。

 

(注) 1.WOODAP(ウーダップ):災害時の早期復旧を核とした設計・建設、運営・維持管理の考え方

2.コンセッション:施設の所有権を移転せず、民間企業に公共インフラの事業運営権を長期にわたって付与する手法

3.REMOVE(リムーブ):水環境市場における新たなニーズを満たすため、“水”から何かを取り除くという考え方

 

2 【事業等のリスク】

 

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。

なお、以下の事項のうち将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが記載が妥当であると判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1) 事業環境の変動等について

① 当社グループの事業は、公共事業(特に上下水道事業)の占める割合が高いため、国及び地方公共団体の予期せぬ政策転換や財政状態の悪化並びに人口減少や生活スタイル・産業構造の変化による水需要の減少等により、上下水道施設整備に関わる建設工事や維持管理等の需要が減少する可能性があり、そうした場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 公共事業における入札参加には、一定の工事実績、経営成績、財務状態、技術力等の提示された条件を満足させる必要がありますが、入札制度に予期せぬ変更が生じた場合や、競争の激化により入札価格が著しく低下した場合、あるいは資格保有者の退職等により安定的な人材の確保が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 公共事業において、受注から完納までに複数年を要する案件やPPP事業のように15年以上の長期に渡る施設の運営等を実施する案件が増加しており、受注後の調達品や外注費用等の急激な価格変動により受注契約時の見積原価に対して差異が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 公共事業における予算執行期限が年度末に集中しているため、当社グループの売上高が期末に集中する傾向があります。その結果、土木建築工事の遅れや顧客事由等により当社受託案件の売上時期が翌期にずれ込む可能性があり、そうした場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 国際情勢の変動等について

当社グループは欧米を中心に事業展開していますが、海外で以下のような予期せぬ事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

・予期しない法律、規制、税制等の変更
・社会、政治、財政、為替等の急激な変化
・労働環境の変化による人材確保や教育等の困難性
・テロ、戦争等による社会的混乱

・人類を脅かす感染症のパンデミック 等

 

(3) 大規模な災害・事故及び感染症等について

① 当社グループの拠点及び当社グループが受託した建設中の現場又は運転維持管理を委託された現場において、予期せぬ大規模な自然災害や大事故等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 当社グループの事業は、国内の公共事業の占める割合が高く、また、全国で事業活動を実施しているため、新型コロナウイルスのような感染症が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 法令規制とコンプライアンスについて

当社グループの事業は、建設業法を始め様々な法的規制の適用を受けております。特に建設業は許可事業であり、建設業法等に違反した場合には許可取消処分等を含む行政処分を受ける可能性があります。当社グループは適切な内部統制システムを整備する等によりコンプライアンスの徹底を図っておりますが、法令違反等が発生する可能性が皆無とは言えず、万一発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、今後予期せぬ法令等の変更が生じた場合にも、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社の特定建設業の許可は次のとおりです。提出日現在、許可の継続に支障をきたすような要因はありません。

許認可の名称

特定建設業

取得年月  

2007年2月19日

有効期限  

2017年2月19日~2022年2月18日

法令違反の要件及び

主な取消事由

不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反等に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)

不正入札等不誠実な行為があった場合は業務停止等の処分(同法第28条)

 

 

(5) 製品・サービスの品質等について

① 当社グループが提供する製品・サービス等において、品質管理体制を整備し、品質の確保及び向上に努めておりますが、予期せぬ事情により大きな品質問題が発生し、顧客である地方自治体及び地域住民の皆様に甚大な影響を与える可能性があり、そうした場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 当社グループが提供する製品は、自社で製造設備を保有しておらず、他社からの調達に依存しております。調達先は与信管理等により経営状況の安定している企業を選定していますが、調達先において原材料の急騰や特殊な材料・部品等の調達が困難な状況に陥った場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 退職給付債務について

当社グループの年金資産の時価変動、割引率等の退職給付債務算定に用いる前提の変更、及び運用利回りの状況の変化等があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) その他の関係会社との関係について

日本碍子株式会社及び富士電機株式会社は、本書提出日現在において、それぞれ当社発行済株式の25.3%及び24.4%を所有する大株主であり、株主総会の承認が必要な全ての事項の決定に関して、他の株主の意向にかかわらず両大株主が当該決定に影響を与える可能性があります。

当社と日本碍子株式会社及び富士電機株式会社との関係等は、以下のとおりです。

① 日本碍子株式会社及び富士電機株式会社との取引

当社グループは、日本碍子株式会社にセラミック膜の製造等の委託、富士電機株式会社に配電盤等の製造委託、電気工事発注等の取引を行っております。当社グループの独立性確保の観点も踏まえ、取引において、価格等の取引条件は市場実勢等を参考にし、一般取引と同様に見積書をベースとして、その都度交渉の上で決定しており、決裁権限・手続きは「職務権限規程」に基づき処理しております。

重要な取引については、取締役会に対して定期的に報告を行うとともに、管理部門における取引開始時のチェック、監査役監査や内部監査における取引内容等の事後的なチェックを行う等、健全性及び適正性確保の仕組みを整備し、さらに強化しております。

当連結会計年度における当社グループとの主な取引は次のとおりです。

(単位:百万円)

取引先

取引内容

金額

日本碍子株式会社

製品購入等

958

富士電機株式会社

製品購入等

8,292

 

 

② 当社グループ役員の日本碍子株式会社及び富士電機株式会社の役員等との兼任

当社の社外取締役には、日本碍子株式会社の取締役専務執行役員を兼任している者が1名、富士電機株式会社の顧問を兼任している者が1名おります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

(業績等の概要)

 

当期における我が国の経済状況は、一部に弱さが残るものの、雇用・所得環境の改善が続くなかで各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続きました。また、世界の経済状況は、通商問題の動向、中国経済の先行き、政策に関する不確実性等のリスクがあるものの、全体としては緩やかな回復が続きました。一方で、2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により経済活動が制約され、景気は足下で急速に減速しました。

このような状況のなか、当社グループは、2020年度(2021年3月期)を最終年度とする「中期経営計画2020」の達成に向けて「①戦略開発投資」「②事業戦略(基盤分野の強化と成長分野の拡大)」「③ 持続的なESGの取り組み」を重点施策とし、全社を挙げて取り組んでまいりました。

国内事業においては、自治体の抱える財政難や人材不足等の課題に対して公民連携・民間活用が進展するなか、パートナー企業との戦略的提携、他社との差別化を図った技術・製品の開発とその拡販、全社的な合理化及びコストダウン等による収益改善に継続的に取り組んでまいりました。

海外事業においては、安定した市場成長が見込まれる欧米を中心とした事業展開を推進するなかで、特に米国子会社であるAqua-Aerobic Systems, Inc.を基盤として、更なる事業拡大に向けた活動に取り組んでまいりました。

 

当連結会計年度における当社グループの業績については、次表のとおりとなりました。

 

 

2019年3月期

(百万円)

2020年3月期

(百万円)

増減

(百万円)

増減率

(%)

売上高

117,342

128,723

+11,381

+9.7

営業利益

7,607

8,223

+615

+8.1

経常利益

7,624

8,132

+508

+6.7

親会社株主に帰属する

当期純利益

5,170

5,677

+506

+9.8

受注高

123,807

125,011

+1,204

+1.0

受注残高

142,351

138,639

△3,711

△2.6

 

 

当社グループの事業は、「プラントエンジニアリング事業セグメント」に基盤分野であるEPC事業及び成長分野と位置付ける海外事業が区分され、また、「サービスソリューション事業セグメント」に基盤分野であるO&M事業及び成長分野と位置付けるPPP事業が区分されております。セグメント別の業績は次のとおりです。

 

(プラントエンジニアリング事業)

プラントエンジニアリング事業における業績は、次表のとおりとなりました。

EPC事業においては、売上高は好調に推移したものの、営業利益は案件構成の違い等により概ね前期と同水準にて推移しました。また、海外事業においては、売上高及び営業利益共に概ね前期と同水準にて推移しました。

 

 

2019年3月期

(百万円)

2020年3月期

(百万円)

増減

(百万円)

増減率

(%)

売上高

65,517

72,366

+6,848

+10.5

営業利益

3,191

3,188

△3

△0.1

受注高

73,915

67,861

△6,053

△8.2

受注残高

83,047

78,542

△4,505

△5.4

 

 

 

(サービスソリューション事業)

サービスソリューション事業における業績は、次表のとおりとなりました。

O&M事業においては、売上高及び営業利益共に好調に推移しました。また、PPP事業においても、売上高及び営業利益共に好調に推移しました。

 

 

2019年3月期

(百万円)

2020年3月期

(百万円)

増減

(百万円)

増減率

(%)

売上高

51,824

56,356

+4,532

+8.7

営業利益

4,416

5,035

+619

+14.0

受注高

49,892

57,150

+7,258

+14.5

受注残高

59,303

60,097

+793

+1.3

 

 

 

(受注及び販売の状況)

 

(1) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

プラントエンジニアリング事業

67,861

91.8

78,542

94.6

サービスソリューション事業

57,150

114.5

60,097

101.3

合計

125,011

101.0

138,639

97.4

 

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3. 受注高のうち、官公庁からの受注が9割以上を占めております。

 

(2) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

プラントエンジニアリング事業

72,366

110.5

サービスソリューション事業

56,356

108.7

合計

128,723

109.7

 

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

東京都

19,967

17.02

17,267

13.41

 

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)

 

 (1) 経営成績の分析

当連結会計年度における当社グループの業績は、受注高は前連結会計年度に比べ1.0%増加1,250億11百万円となり、売上高は前連結会計年度に比べ9.7%増収1,287億23百万円となりました。なお、セグメント別の経営成績につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況の分析 (業績等の概要)」に記載のとおりであります。

売上原価は、前連結会計年度に比べ、11.4%増加1,018億46百万円となりました。販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ2.0%増加186億53百万円となりました。

これらの結果、営業利益は前連結会計年度に比べ8.1%増益82億23百万円となりました。また、経常利益は前連結会計年度に比べ6.7%増益81億32百万円となりました。特別損失の計上はありません。以上により、税金等調整前当期純利益は81億32百万円となり、前連結会計年度に比べ6.7%の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ9.8%増益56億77百万円となりました。

 

 (2) 財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ131億51百万円減少し、1,194億69百万円となりました。

流動資産は、売掛金が増加しましたが、仕掛品並びに現金及び預金が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ135億96百万円減少し、1,019億41百万円となりました。

固定資産は、退職給付に係る資産が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ4億44百万円増加し、175億27百万円となりました。

流動負債は、買掛金が増加しましたが、前受金が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ19億92百万円減少し、543億33百万円となりました。

固定負債は、PFI等プロジェクトファイナンス・ローンが減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ17億20百万円減少し、155億42百万円となりました。

純資産は、自己株式の取得による減少などにより、前連結会計年度末に比べ94億38百万円減少し、495億92百万円となりました。

 

 (3) キャッシュ・フローの分析

   (資本の財源及び資金の流動性)

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

主な資金需要は、運転資本、設備投資、研究開発、IT投資に対するものであり、それらの資金は主に営業キャッシュ・フローで充当しており、必要に応じて借入金による調達で対応しております。
 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は128億76百万円となり、前連結会計年度末に比べ、149億20百万円減少しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

   (営業活動によるキャッシュ・フロー) 

売上債権の増加による支出18億59百万円、法人税等の支払による支出25億37百万円の一方、税金等調整前当期純利益81億32百万円、減価償却費10億98百万円などにより、営業活動に伴う資金の増加は35億21百万円(前年同期比27億15百万円減)となりました。

 

   (投資活動によるキャッシュ・フロー)

有形固定資産の取得による支出6億円、無形固定資産の取得による支出1億79百万円などにより、投資活動に伴う資金の減少は13億80百万円(前年同期比5億75百万円増)となりました。

 

   (財務活動によるキャッシュ・フロー)

配当金の支払による支出16億7百万円、PFI等プロジェクトファイナンス・ローンの返済による支出8億44百万円、自己株式の取得による支出142億88百万円などにより、財務活動に伴う資金の減少は170億72百万円(前年同期比144億55百万円増)となりました。 

 

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

 

2017年3月期

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

自己資本比率(%)

43.1

44.6

44.4

41.4

時価ベースの自己資本比率(%)

62.1

70.1

61.0

70.3

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(%)

205.0

284.1

220.2

355.6

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

35.5

23.7

28.5

18.5

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

      2.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

      3.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を
対象としております。

 

 (4)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しているとおり、事業環境や国際情勢の変動、大規模災害・事故、法令規制・コンプライアンス、製品・サービスの品質等、様々なリスクが当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 

(5) 重要な会計方針及び重要な会計上の見積り・当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、会計基準に基づいて見積りが行われており、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しております。

当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針や見積が連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があると考えております。

 

・完成工事高及び完成工事原価の計上基準

完成工事高の計上は、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。

工事進行基準の採用に当たっては、原価の見積りが合理的に可能であることが前提であり、総原価を見積り後、見積りと実績の比較を行い見直し、適時かつ適切に総原価へ反映を行っております。ただし、想定していなかった原価の発生等により工事進捗度が変動した場合は、完成工事高及び完成工事原価が影響を受ける可能性があります。なお、今後の新型コロナウイルス感染症が当社グループの事業活動に与える影響が不透明であることから、完成工事高の計上においてその影響を織り込んでおりません。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

 

当社は、2019年10月29日開催の取締役会において、自己株式の取得及びその具体的な取得方法として自己株式の公開買付けを行うことを決議し、2019年10月30日から2019年11月27日を取得期間として本公開買付けを実施いたしました。本公開買付けにより、2019年12月19日付で自己株式4,200,000株を取得いたしました。

 

 

5 【研究開発活動】

 

当期の研究開発活動は、継続して、水・環境インフラの持続可能性(サステイナビリティ)に寄与する技術開発に積極的に取り組んでおります。また、「中期経営計画2020」の目標達成に向けて、中長期的成長に不可欠な製品開発、ソリューション開発、新事業開発を推進しております。

研究開発体制は、当社の開発戦略委員会が研究開発方針や経営資源の配分決定等を統括し、当社内の研究開発部門が個別の研究開発テーマを執行しております。

当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費は2,374百万円であります。

 

セグメントごとの研究開発活動は次のとおりであります。

 

(プラントエンジニアリング事業)

上下水道プラントの建設案件の受注拡大に向けた商品開発及び海外事業等の成長分野の事業拡大に向けた商品開発を活動方針としており、当社の持つ機械や電気に関する技術を融合させた、新しい差別化商品の開発を目的としております。

具体的には、固液分離技術、酸化処理技術、熱操作技術、計測制御技術、生物処理技術、ICT等の当社のコア技術を基に、次世代型の造水・水再生技術の開発、地球温暖化防止のための温室効果ガス排出削減及び省エネルギー技術の開発、監視制御技術の開発に取り組んでおります。

次世代型の造水・水再生に関する商品では、下水道分野において、最終沈殿池にろ過部を組み込むことにより、処理能力の大幅向上を可能にする新しい処理技術の開発に取り組んでおり、国の実証評価を経て、本技術の導入ガイドラインが策定されました。

温室効果ガス排出削減、省エネルギーに関する商品では、ICT・AIを活用した、下水高度処理の能力向上と省エネルギーを両立できる新しい処理システムの開発を行い、競争力強化を図っております。

監視制御に関する商品では、継続して監視制御システムの機能拡充開発を行い、EPC事業における電気分野の更なる競争力強化に取り組んでおります。

当連結会計年度における研究開発費は1,997百万円であります。

 

(サービスソリューション事業)

上下水道施設運転維持管理の第三者委託・包括委託案件の受注拡大を目指し、アセットマネジメントの合理化、維持管理費削減や保守・運転員の作業軽減を実現する新しい商品やサービス、さらに上下水道事業体の統合・広域化に対応したクラウド監視サービスなどの開発を目的としております。

当社のコア技術であるICTと機電融合技術を活用し、維持管理の省力化、運転者支援、設備延命化を実現する商品やサービスの開発に取り組んでおります。

具体的には、上下水道に関わる情報やデータを標準化・共有化し、運転維持管理の包括化や事業体の広域化に対応しうる高度なソリューションを提供するための「クラウド型プラットフォーム」において、新たなコンテンツの追加や、広域監視、画像監視、アセットマネジメント等の各種コンテンツの機能向上を行い、上下水道事業体及び運転管理事業者へ、より高付加価値なサービスの展開を図っております。また、ドローンやAI等の最先端技術を活用し、施設の効率的な維持管理を支援する技術の開発や、「WOODAP」を実践するための新たなソリューション開発に取り組んでおります。

当連結会計年度における研究開発費は377百万円であります。