第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

文中の将来に関する事項は、当期末日現在において、当社グループが判断したものです。

 

当社グループの主要事業である国内の上下水道市場では、人口減少等に起因する自治体の財政難や技術者不足が顕在化していることに加え、高度経済成長期に整備された施設・設備の老朽化、大地震や台風・集中豪雨等の自然災害への対策が喫緊の課題となっております。このような状況において、PFI法の施行や水道法の改正等による民間の資金、技術、ノウハウを活用する公民連携、国土強靭化計画に基づく取り組み等が着実に進展しております。また、AI、IoT等の技術革新を背景に、新たな事業機会やビジネスモデルの創出が予想されます。

一方、海外の上下水道市場では、欧米等の先進国では施設・設備の老朽化に加え、米国では水資源の確保に向けた再生水の活用、欧州では環境規制の厳格化等への対策が重点課題となっております。また、アジアの新興国等では人口増による水需要の増加に伴い、上下水道インフラ整備の需要が高まっております。今後も各国の上下水道市場における課題やニーズを背景とした事業機会の創出が予想されます。

このような市場環境を踏まえ、当社グループは長期ビジョンの実現に向けた次のステージとして、2023年度(2024年3月期)を最終年度とする「中期経営計画2023」を策定いたしました。

 

① 基盤分野の強化と成長分野の拡大

当社グループは、EPC事業とO&M事業を基盤分野、PPP事業と海外事業を成長分野と位置付け、事業の強化及び拡大を推進します。

(基盤分野の強化)

EPC事業では、今後の更新需要及び大型案件への対応を見据え、IT、AI等を活用したエンジニアリング手法を確立し、設計品質の向上、コスト競争力の強化により、更なる受注拡大と収益力の向上に取り組んでまいります。また、O&M事業では、既設機場の継続的な受注による安定成長に加え、ITツールの活用、WBCの拡販強化等により新たな機場及び新規事業の獲得を図ります。

(成長分野の拡大)

設計・建設・運転・維持管理を含む大型案件の増加が想定されるPPP事業では、今後の公民連携の進展に向けて、これまでの実績やノウハウを活かした地域戦略を強化するとともに、新たなビジネスモデルの創出を図ります。また、海外事業では、引き続き欧米を戦略エリアと位置付け、欧米のグループ企業間の連携を深め、更なる事業拡大を推進します。

 

② 研究開発投資の拡大

当社グループは、今後の更新需要及び公民連携の更なる進展に対応するため、研究開発投資を拡大してまいります。

(強い分野の更なる強化)

当社グループの強みである焼却分野・水処理分野・監視制御システム分野について、今後も積極的に研究開発投資を行い、今後の更新需要の取り込みを図ります。

(機電融合技術の創出)

当社グループは、水環境事業における機械と電気の双方の技術を有しており、これらの優位性を活かした製品・システムを継続的に創出することで、競争力を強化します。

(情報連鎖を活かした価値創出)

現場の運転維持管理情報、プラント監視制御システム及びWBC等の連鎖により、新たな価値を創出し、維持管理の効率化、経営の最適化、災害に強いシステム・サービス等を提供してまいります。

 

③ 持続的なESGの取り組み

当社グループは、公共インフラを担う企業として事業活動を通じた社会貢献に加え、企業市民として環境負荷の低減や地域貢献活動にも積極的に取り組み、国連が提唱する持続可能な開発目標「Sustainable Development Goals(SDGs)」に貢献してまいります。また、政府が推進する働き方改革に対しても、女性活躍機会の創出、年齢・場所にとらわれない働き方の推進等により、社員の多様なワークスタイルの実現に向けて積極的に取り組んでまいります。一方、コーポレート・ガバナンスにおいては、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けて、ステークホルダーとの積極的な対話を通じて、信頼の獲得と透明性の高い経営を目指してまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

 

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針です。

なお、以下の事項のうち将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが記載が妥当であると判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1) 事業環境の変動等について

① 当社グループの事業は、公共事業(特に上下水道事業)の占める割合が高いため、国及び地方公共団体の予期せぬ政策転換や財政状態の悪化並びに人口減少や生活スタイル・産業構造の変化による水需要の減少等により、上下水道施設整備に関わる建設工事や維持管理等の需要が減少する可能性があり、そうした場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 公共事業における入札参加には、一定の工事実績、経営成績、財務状態、技術力等の提示された条件を満足させる必要がありますが、入札制度に予期せぬ変更が生じた場合や、競争の激化により入札価格が著しく低下した場合、あるいは資格保有者の退職等により安定的な人材の確保が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 公共事業において、受注から完納までに複数年を要する案件やPPP事業のように15年以上の長期に渡る施設の運営等を実施する案件が増加しており、受注後の調達品や外注費用等の急激な価格変動により受注契約時の見積原価に対して差異が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 公共事業における予算執行期限が年度末に集中しているため、当社グループの売上高が期末に集中する傾向があります。その結果、土木建築工事の遅れや顧客事由等により当社受託案件の売上時期が翌期にずれ込む可能性があり、そうした場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 国際情勢の変動等について

当社グループは欧米を中心に事業展開していますが、海外で以下のような予期せぬ事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

・予期しない法律、規制、税制等の変更
・社会、政治、財政、為替等の急激な変化
・労働環境の変化による人材確保や教育等の困難性
・テロ、戦争等による社会的混乱

・人類を脅かす感染症のパンデミック 等

 

(3) 大規模な災害・事故及び感染症等について

① 当社グループの拠点及び当社グループが受託した建設中の現場又は運転維持管理を委託された現場において、予期せぬ大規模な自然災害や大事故等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 当社グループの事業は、国内の公共事業の占める割合が高く、また、全国で事業活動を実施しているため、新型コロナウイルスのような感染症が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 法令規制とコンプライアンスについて

当社グループの事業は、建設業法を始め様々な法的規制の適用を受けております。特に建設業は許可事業であり、建設業法等に違反した場合には許可取消処分等を含む行政処分を受ける可能性があります。当社グループは適切な内部統制システムを整備する等によりコンプライアンスの徹底を図っておりますが、法令違反等が発生する可能性が皆無とは言えず、万一発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、今後予期せぬ法令等の変更が生じた場合にも、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社の特定建設業の許可は次のとおりです。提出日現在、許可の継続に支障をきたすような要因はありません。

許認可の名称

特定建設業

取得年月  

2007年2月19日

有効期限  

2017年2月19日~2022年2月18日

法令違反の要件及び

主な取消事由

不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反等に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)

不正入札等不誠実な行為があった場合は業務停止等の処分(同法第28条)

 

 

 

(5) 製品・サービスの品質等について

① 当社グループが提供する製品・サービス等において、品質管理体制を整備し、品質の確保及び向上に努めておりますが、予期せぬ事情により大きな品質問題が発生し、顧客である地方自治体及び地域住民の皆様に甚大な影響を与える可能性があり、そうした場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 当社グループが提供する製品は、自社で製造設備を保有しておらず、他社からの調達に依存しております。調達先は与信管理等により経営状況の安定している企業を選定していますが、調達先において原材料の急騰や特殊な材料・部品等の調達が困難な状況に陥った場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 退職給付債務について

当社グループの年金資産の時価変動、割引率等の退職給付債務算定に用いる前提の変更、及び運用利回りの状況の変化等があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) その他の関係会社との関係について

日本碍子株式会社及び富士電機株式会社は、当期末日現在において、それぞれ当社発行済株式の24.42%及び24.35%を所有する大株主であり、株主総会の承認が必要な全ての事項の決定に関して、他の株主の意向にかかわらず両大株主が当該決定に影響を与える可能性があります。

当社と日本碍子株式会社及び富士電機株式会社との関係等は、以下のとおりです。

① 日本碍子株式会社及び富士電機株式会社との取引

当社グループは、日本碍子株式会社にセラミック膜の製造等の委託、富士電機株式会社に配電盤等の製造委託、電気工事発注等の取引を行っております。当社グループの独立性確保の観点も踏まえ、取引において、価格等の取引条件は市場実勢等を参考にし、一般取引と同様に見積書をベースとして、その都度交渉の上で決定しており、決裁権限・手続きは「職務権限規程」に基づき処理しております。

重要な取引については、取締役会に対して定期的に報告を行うとともに、管理部門における取引開始時のチェック、監査役監査や内部監査における取引内容等の事後的なチェックを行う等、健全性及び適正性確保の仕組みを整備し、さらに強化しております。

当連結会計年度における当社グループとの主な取引は次のとおりです。

(単位:百万円)

取引先

取引内容

金額

日本碍子株式会社

製品購入等

1,053

富士電機株式会社

製品購入等

8,533

 

 

② 当社グループ役員の日本碍子株式会社及び富士電機株式会社の役員等との兼任

当社の社外取締役には、日本碍子株式会社の取締役専務執行役員を兼任している者が1名、富士電機株式会社の顧問を兼任している者が1名おりましたが、2021年6月22日開催の当社第48期定時株主総会終結の時をもって任期満了となり退任しております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

 

(業績等の概要)

 

当期における我が国の経済状況は、新型コロナウイルス感染症の影響により、厳しい状況となりました。また、世界の経済状況においても、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により、厳しい状況が続きました。感染拡大防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを引き上げていくなかで、持ち直しの動きも見られましたが、感染の再拡大が経済活動に与える影響が懸念されました。

このような状況のなか、当社グループは、2020年度(2021年3月期)を最終年度とする「中期経営計画2020」の達成に向けて「①戦略開発投資」「②事業戦略(基盤分野の強化と成長分野の拡大)」「③持続的なESGの取り組み」を重点施策とし、全社を挙げて取り組んでまいりました。

 

国内事業においては、自治体の抱える財政難や人材不足等の課題に対して公民連携・民間活用が進展するなか、パートナー企業との戦略的提携、他社との差別化を図った技術・製品の開発とその拡販、合理化及びコストダウン等による収益改善に継続的に取り組んでまいりました。

海外事業においては、安定した市場成長が見込まれる欧米を中心とした事業展開を推進し、更なる事業拡大に向けて取り組んでまいりました。

 

当連結会計年度における当社グループの業績は、次表のとおりとなりました。なお、当期において、退職給付信託に拠出していた株式の売却による未認識数理計算上の差異(貸方差異)の一括償却として、原価及び販売管理費への戻し入れを実施いたしました。また、従業員に対する特別慰労金を支給いたしました。これらによる営業利益への影響額は、1,735百万円となりました。

 

2020年3月

(百万円)

2021年3月

(百万円)

増減

(百万円)

増減率

(%)

売上高

128,723

133,355

+4,631

+3.6

営業利益

8,223

10,863

+2,639

+32.1

経常利益

8,132

11,053

+2,920

+35.9

親会社株主に帰属する

当期純利益

5,677

6,542

+864

+15.2

受注高

125,011

159,124

+34,112

+27.3

受注残高

138,639

169,307

+ 30,667

+22.1

 

(注)2021年3月期より、Wigen Companies, Inc.及びRood Wit Blauw Holding B.V.を連結の範囲に含めております。

 

 

当社グループの事業は、「プラントエンジニアリング事業セグメント」に基盤分野であるEPC事業及び成長分野と位置付ける海外事業が区分され、また、「サービスソリューション事業セグメント」に基盤分野であるO&M事業及び成長分野と位置付けるPPP事業が区分されております。セグメント別の業績は次のとおりです。

 

 

(プラントエンジニアリング事業)

プラントエンジニアリング事業における業績は、次表のとおりとなりました。なお、退職給付信託に拠出していた株式の売却による未認識数理計算上の差異(貸方差異)の一括償却及び従業員への特別慰労金の支給による営業利益への影響額は、980百万円となりました。当該影響を除き、EPC事業においては、売上高及び営業利益共に好調に推移し、前期を上回りました。海外事業においては、売上高は好調に推移し前期を上回りましたが、営業利益は前期を下回りました。

 

2020年3月

(百万円)

2021年3月

(百万円)

増減

(百万円)

増減率

(%)

売上高

72,366

76,462

+4,095

+5.7

営業利益

3,188

5,538

+2,349

+73.7

営業利益(注)

3,188

4,557

+1,369

+42.9

受注高

67,861

92,047

+24,185

+35.6

受注残高

78,542

99,025

+20,483

+26.1

 

(注) 退職給付信託に拠出していた株式の売却による未認識数理計算上の差異(貸方差異)の一括償却による影響及び従業員への特別慰労金の支給による影響を除いた営業利益

 

(サービスソリューション事業)

サービスソリューション事業における業績は、次表のとおりとなりました。なお、退職給付信託に拠出していた株式の売却による未認識数理計算上の差異(貸方差異)の一括償却及び従業員への特別慰労金の支給による営業利益への影響額は、754百万円となりました。当該影響を除き、O&M事業においては、売上高及び営業利益共に前期を下回りました。また、PPP事業においては、売上高は好調に推移し前期を上回りましたが、営業利益は前期を下回りました。

 

2020年3月

(百万円)

2021年3月

(百万円)

増減

(百万円)

増減率

(%)

売上高

56,356

56,893

+536

+1.0

営業利益

5,035

5,325

+290

+5.8

営業利益(注)

5,035

4,570

△464

△9.2

受注高

57,150

67,077

+9,927

+17.4

受注残高

60,097

70,281

+10,184

+16.9

 

(注) 退職給付信託に拠出していた株式の売却による未認識数理計算上の差異(貸方差異)の一括償却による影響及び従業員への特別慰労金の支給による影響を除いた営業利益

 

 

(受注及び販売の状況)

 

(1) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

プラントエンジニアリング事業

92,047

135.6

99,025

126.1

サービスソリューション事業

67,077

117.4

70,281

116.9

合計

159,124

127.3

169,307

122.1

 

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3. 受注高のうち、官公庁からの受注が9割以上を占めております。

 

 

(2) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

プラントエンジニアリング事業

76,462

105.7

サービスソリューション事業

56,893

101.0

合計

133,355

103.6

 

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

東京都

17,267

13.41

19,655

14.74

 

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)

 

 (1) 経営成績の分析

当連結会計年度における当社グループの業績は、受注高は前連結会計年度に比べ27.3%増加1,591億24百万円となり、売上高は前連結会計年度に比べ3.6%増収1,333億55百万円となりました。なお、セグメント別の経営成績につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況の分析 (業績等の概要)」に記載のとおりであります。

売上原価は、前連結会計年度に比べ、1.9%増加1,037億36百万円となりました。販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ0.5%増加187億55百万円となりました。

これらの結果、営業利益は前連結会計年度に比べ32.1%増益108億63百万円となりました。また、経常利益は前連結会計年度に比べ35.9%増益110億53百万円となりました。特別損失の計上はありません。以上により、税金等調整前当期純利益は110億53百万円となり、前連結会計年度に比べ35.9%の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ15.2%増益65億42百万円となりました。

 

 (2) 財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ117億25百万円増加し、1,311億94百万円となりました。

流動資産は、現金及び預金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ73億8百万円増加し、1,092億50百万円となりました。

固定資産は、退職給付に係る資産、のれん及び顧客関連資産が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ44億16百万円増加し、219億44百万円となりました。

流動負債は、買掛金及び前受金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ82億56百万円増加し、625億90百万円となりました。

固定負債は、PFI等プロジェクトファイナンス・ローンが減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ3億71百万円減少し、151億70百万円となりました。

純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、前連結会計年度末に比べ38億40百万円増加し、534億32百万円となりました。

 

 (3) キャッシュ・フローの分析

   (資本の財源及び資金の流動性)

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

主な資金需要は、運転資本、設備投資、研究開発、IT投資に対するものであり、それらの資金は主に営業キャッシュ・フローで充当しており、必要に応じて借入金による調達で対応しております。
 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は180億44百万円となり、前連結会計年度末に比べ、51億68百万円増加しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

 

   (営業活動によるキャッシュ・フロー) 

仕入債務の減少による支出8億21百万円、法人税等の支払による支出25億27百万円となりましたが、税金等調整前当期純利益110億53百万円、減価償却費12億47百万円などにより、営業活動に伴う資金の増加は104億4百万円(前年同期比68億83百万円増)となりました。

 

   (投資活動によるキャッシュ・フロー)

有形固定資産の取得による支出7億35百万円、新規連結子会社の取得による支出25億64百万円などにより、投資活動に伴う資金の減少は32億52百万円(前年同期比18億72百万円増)となりました。

 

   (財務活動によるキャッシュ・フロー)

配当金の支払による支出17億37百万円、PFI等プロジェクトファイナンス・ローンの返済による支出8億55百万円などにより、財務活動に伴う資金の減少は21億3百万円(前年同期比149億69百万円減)となりました。

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

 

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

自己資本比率(%)

44.6

44.4

41.4

40.6

時価ベースの自己資本比率(%)

70.1

61.0

70.3

73.5

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(%)

284.1

220.2

355.6

112.2

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

23.7

28.5

18.5

67.7

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

      2.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

      3.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を
対象としております。

 

 (4)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しているとおり、事業環境や国際情勢の変動、大規模災害・事故、法令規制・コンプライアンス、製品・サービスの品質等、様々なリスクが当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 

(5) 重要な会計方針及び重要な会計上の見積り・当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、会計基準に基づいて見積りが行われており、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しております。

当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針や見積が連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があると考えております。

 

・完成工事高及び完成工事原価の計上基準

完成工事高の計上は、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。

工事進行基準の採用に当たっては、原価の見積りが合理的に可能であることが前提であり、総原価を見積り後、見積りと実績の比較を行い見直し、適時かつ適切に総原価へ反映を行っております。ただし、想定していなかった原価の発生等により工事進捗度が変動した場合は、完成工事高及び完成工事原価が影響を受ける可能性があります。なお、今後の新型コロナウイルス感染症が当社グループの事業活動に与える影響が不透明であることから、完成工事高の計上においてその影響を織り込んでおりません。

 

4 【経営上の重要な契約等】

 

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

 

当期の研究開発活動は、継続して、水・環境インフラの持続可能性(サステイナビリティ)に寄与する技術開発に積極的に取り組んでおります。また、「中期経営計画2020」の目標達成に向けて、中長期的成長に不可欠な製品開発、ソリューション開発、新事業開発を推進しております。

研究開発体制は、当社の開発戦略委員会が研究開発方針や経営資源の配分決定等を統括し、当社の研究開発部門が個別の研究開発テーマを執行しております。

当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費は2,100百万円です。

 

セグメントごとの研究開発活動は次のとおりです。

 

(プラントエンジニアリング事業)

上下水道プラントの建設案件の受注拡大に向けた商品開発及び海外事業等の成長分野の事業拡大に向けた商品開発を活動方針としており、当社の持つ機械や電気に関する技術を融合させた、新しい差別化商品の開発を目的としております。

具体的には、固液分離技術、酸化処理技術、熱操作技術、計測制御技術、生物処理技術、ICT等の当社のコア技術を基に、次世代型の造水・水再生技術の開発、地球温暖化防止のための温室効果ガス排出削減及び省エネルギー技術の開発、監視制御技術の開発に取り組んでおります。

次世代型の造水・水再生に関する商品では、水道分野において、セラミック膜ろ過システムの洗浄方法等の改良により、従来に比べて処理能力を高める開発を行い、競争力強化を図っております。

温室効果ガス排出削減、省エネルギーに関する商品では、ICT・AIを活用した、下水高度処理の能力向上と省エネルギーを両立できる新しい処理システムの開発に引き続き取り組んでおります。

監視制御に関する商品では、継続して監視制御システムの機能拡充開発を行い、EPC事業における電気分野の更なる競争力強化に取り組んでおります。

当連結会計年度における研究開発費は1,658百万円です。

 

(サービスソリューション事業)

上下水道施設運転維持管理の第三者委託・包括委託案件の受注拡大を目指し、アセットマネジメントの合理化、維持管理費削減や保守・運転員の作業軽減を実現する新しい商品やサービス、さらに上下水道事業体の統合・広域化に対応したクラウド監視サービスなどの開発を目的としております。

当社のコア技術であるICTと機電融合技術を活用し、維持管理の省力化、運転者支援、設備延命化を実現する商品やサービスの開発、「WOODAP」を実践するための新たなソリューション開発に取り組んでおります。

具体的には、「クラウド型プラットフォーム(WBC)」において、広域監視、画像監視、アセットマネジメント等の各種コンテンツの機能向上を行い、上下水道事業体及び運転管理事業者へ、より高付加価値なサービスの展開を図っております。また、設備・機器の維持管理データをICT・クラウドを用いて一元的に収集・整理(蓄積)して活用することで、効率的・継続的なストックマネジメントを実現するシステムの開発に取り組んでおり、国の実証評価を経て、本システムの導入ガイドラインが策定されました。

当連結会計年度における研究開発費は442百万円です。