文中の将来に関する事項は、当期末日現在において、当社グループが判断したものです。
当社グループの主要事業である国内の上下水道市場では、人口減少等に起因する自治体の財政難や技術者不足が顕在化していることに加え、高度経済成長期に整備された施設・設備の老朽化、大地震や台風・集中豪雨等の自然災害への対策が喫緊の課題となっております。このような状況において、PFI法の施行や水道法の改正等による民間の資金、技術、ノウハウを活用する公民連携、国土強靭化計画に基づく取り組み等が着実に進展しております。また、AI、IoT等の技術革新を背景に、新たな事業機会やビジネスモデルの創出が予想されます。
一方、海外の上下水道市場では、欧米等の先進国では施設・設備の老朽化に加え、米国では水資源の確保に向けた再生水の活用、欧州では環境規制の厳格化等への対策が重点課題となっております。また、アジアの新興国等では人口増による水需要の増加に伴い、上下水道インフラ整備の需要が高まっております。今後も各国の上下水道市場における課題やニーズを背景とした事業機会の創出が予想されます。
このような市場環境を踏まえ、当社グループは長期ビジョンの実現に向けた次のステージとして、2023年度(2024年3月期)を最終年度とする「中期経営計画2023」を策定し、2023年度の経営目標である受注高1,500億円、売上高1,450億円、営業利益105億円の達成に向けて次の3点を重点課題とし、全社を挙げて取り組んでおります。
① 基盤分野の強化と成長分野の拡大
当社グループは、EPC事業とO&M事業を基盤分野、PPP事業と海外事業を成長分野と位置付け、事業の強化及び拡大を推進します。
(基盤分野の強化)
EPC事業では、今後の更新需要及び大型案件への対応を見据え、IT、AI等を活用したエンジニアリング手法を確立し、設計品質の向上、コスト競争力の強化により、更なる受注拡大と収益力の向上に取り組んでまいります。
また、O&M事業では、既設機場の継続的な受注による安定成長に加え、遠隔サポート支援体制の整備や提案活動の強化等により、新たな機場の獲得を図ります。
(成長分野の拡大)
PPP事業では、当社を含むコンソーシアムが国内初の上工下水一体のコンセッション案件である「宮城県上工下水一体官民連携運営事業」を受託し、新たな公民連携の事業モデルの確立に向けて取り組んでおります。引き続き、当社の実績やノウハウを活かした地域戦略を強化し、事業の拡大を推進してまいります。
また、海外事業では、欧米を戦略エリアと位置付け、欧米のグループ企業間の連携を深め、各地域の課題に対応するビジネスモデルを創出し、更なる事業拡大を推進します。
② 研究開発投資の拡大
当社グループは、今後の更新需要及び公民連携の更なる進展に対応するため、研究開発投資を拡大してまいります。
(強い分野の更なる強化)
当社グループの強みの一つであるオゾンを活用した「オゾン・促進酸化処理技術(AOP: Advanced Oxidation Process)」を国内で初めて水道用・産業用に導入しました。今後も継続して当社グループの強みの更なる強化に向けた研究開発投資を行い、新たな需要の取り込みを図ります。
(機電融合技術の創出)
当社グループは、水環境事業における機械と電気の双方の技術を有しており、これらの優位性を活かした製品・システムを継続的に創出することで、競争力を強化します。
(情報連鎖を活かした価値創出)
現場の運転維持管理情報、プラント監視制御システム及びWBC(注)等の連鎖により、新たな価値を創出し、維持管理の効率化、経営の最適化、災害に強いシステム・サービス等を提供してまいります。
③ 持続的なESGの取り組み
当社グループは、持続可能な環境・社会の実現と企業価値の向上に向けた取り組みに関する目的、基本方針及び重要課題(マテリアリティ)を定めた「サステナビリティに関する基本方針」を制定し、今後もより一層、公共インフラに携わる企業として、事業を通じてサステナビリティに関する取り組みを推進してまいります。
また、当社は、株式会社東京証券取引所の新市場区分への移行に際し、「プライム市場」を選択し、同市場が求める基準及びコーポレートガバナンス・コード等に対応し、株主を含むステークホルダーの皆様との積極的な対話を通じて、社会から信頼され、社会に貢献し続ける企業を目指してまいります。
(注) WBC(ウォータービジネスクラウド):クラウド型プラットフォームを活用した上下水道事業をサポートするICTサービス
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針です。
なお、以下の事項のうち将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが記載が妥当であると判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1) 事業環境の変動等について
① 当社グループの事業は、公共事業(特に上下水道事業)の占める割合が高いため、国及び地方公共団体の予期せぬ政策転換や財政状態の悪化並びに人口減少や生活スタイル・産業構造の変化による水需要の減少等により、上下水道施設整備に関わる建設工事や維持管理等の需要が減少する可能性があり、そうした場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 公共事業における入札参加には、一定の工事実績、経営成績、財務状態、技術力等の提示された条件を満足させる必要がありますが、入札制度に予期せぬ変更が生じた場合や、競争の激化により入札価格が著しく低下した場合、あるいは資格保有者の退職等により安定的な人材の確保が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 公共事業において、受注から完納までに複数年を要する案件やPPP事業のように15年以上の長期に渡る施設の運営等を実施する案件が増加しており、受注後の調達品や外注費用等の急激な価格変動により受注契約時の見積原価に対して差異が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 公共事業における予算執行期限が年度末に集中しているため、当社グループの売上高が期末に集中する傾向があります。その結果、土木建築工事の遅れや顧客事由等により当社受託案件の売上時期が翌期にずれ込む可能性があり、そうした場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響により、社会生活及び企業活動が制限され、半導体不足や物流の停滞等に起因する製品の調達及び納期確保が困難な状況が続いております。今後、使用する部材及び製品等を早期に調達することで納期確保に努めますが、今後の調達先の状況等により、納期確保が困難となる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 国際情勢の変動等について
当社グループは欧米を中心に事業展開していますが、海外で以下のような予期せぬ事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
・予期しない法律、規制、税制等の変更
・社会、政治、財政、為替等の急激な変化
・労働環境の変化による人材確保や教育等の困難性
・テロ、戦争等による社会的混乱
・人類を脅かす感染症のパンデミック 等
特に、ロシアによるウクライナ侵攻に伴い、資源の供給不足による原材料の高騰、欧州における事業活動への影響等が懸念され、今後の事態の進展によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 大規模な災害・事故及び感染症等について
① 当社グループの拠点及び当社グループが受託した建設中の現場又は運転維持管理を委託された現場において、予期せぬ大規模な自然災害や大事故等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 当社グループの事業は、国内の公共事業の占める割合が高く、また、全国で事業活動を実施しているため、新型コロナウイルスのような感染症が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 法令規制とコンプライアンスについて
当社グループの事業は、建設業法を始め様々な法的規制の適用を受けております。特に建設業は許可事業であり、建設業法等に違反した場合には許可取消処分等を含む行政処分を受ける可能性があります。当社グループは適切な内部統制システムを整備する等によりコンプライアンスの徹底を図っておりますが、法令違反等が発生する可能性が皆無とは言えず、万一発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、今後予期せぬ法令等の変更が生じた場合にも、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の特定建設業の許可は次のとおりです。提出日現在、許可の継続に支障をきたすような要因はありません。
(5) 製品・サービスの品質等について
① 当社グループが提供する製品・サービス等において、品質管理体制を整備し、品質の確保及び向上に努めておりますが、予期せぬ事情により大きな品質問題が発生し、顧客である地方自治体及び地域住民の皆様に甚大な影響を与える可能性があり、そうした場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 当社グループが提供する製品は、自社で製造設備を保有しておらず、他社からの調達に依存しております。調達先は与信管理等により経営状況の安定している企業を選定していますが、調達先において原材料の急騰や特殊な材料・部品等の調達が困難な状況に陥った場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 退職給付債務について
当社グループの年金資産の時価変動、割引率等の退職給付債務算定に用いる前提の変更、及び運用利回りの状況の変化等があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) その他の関係会社との関係について
日本碍子株式会社及び富士電機株式会社は、当期末日現在において、それぞれ当社発行済株式の24.4%及び24.3%を所有する大株主であり、株主総会の承認が必要な全ての事項の決定に関して、他の株主の意向にかかわらず両大株主が当該決定に影響を与える可能性があります。
当社と日本碍子株式会社及び富士電機株式会社との関係等は、以下のとおりです。
当社グループは、日本碍子株式会社にセラミック膜の製造等の委託、富士電機株式会社に配電盤等の製造委託、電気工事発注等の取引を行っております。当社グループの独立性確保の観点も踏まえ、取引において、価格等の取引条件は市場実勢等を参考にし、一般取引と同様に見積書をベースとして、その都度交渉の上で決定しており、決裁権限・手続きは「職務権限規程」に基づき処理しております。
重要な取引については、取締役会に対して定期的に報告を行うとともに、管理部門における取引開始時のチェック、監査役監査や内部監査における取引内容等の事後的なチェックを行う等、健全性及び適正性確保の仕組みを整備し、さらに強化しております。
当連結会計年度における当社グループとの主な取引は次のとおりです。
(単位:百万円)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
当期における我が国の経済状況は、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況が続きました。また、世界の経済状況においても、新型コロナウイルス感染症の影響等によるサプライチェーンの停滞や半導体不足等により厳しい状況が続きましたが、持ち直しの動きもみられました。一方で、急速な円安ドル高の進行や、2022年2月に発生したロシアのウクライナ侵攻に伴う原材料価格の上昇等により、景気の下振れリスクが懸念されました。
このような状況のなか、当社グループは、2023年度(2024年3月期)を最終年度とする「中期経営計画2023」を策定し、その達成に向けて「①基盤分野の強化と成長分野の拡大」「②研究開発投資の拡大」「③持続的なESGの取り組み」を重点施策とし、全社を挙げて取り組んでまいりました。
当連結会計年度における当社グループの業績は、次表のとおりとなりました。
(注)当連結会計年度より、収益認識に関する会計基準を適用しております。
また、前連結会計年度より、Wigen Companies, Inc.及びRood Wit Blauw Water B.V.を連結の範囲に含めております。
なお、前期において、退職給付信託に拠出していた株式の売却による未認識数理計算上の差異(貸方差異)の一括償却として、原価及び販売管理費への戻し入れを実施しております。同じく前期において、従業員に対する特別慰労金を支給しております。これらによる前期の営業利益への影響額は、1,735百万円となっております。
当社グループの事業は、「プラントエンジニアリング事業セグメント」に基盤分野であるEPC事業及び成長分野と位置付ける海外事業が区分され、また、「サービスソリューション事業セグメント」に基盤分野であるO&M事業及び成長分野と位置付けるPPP事業が区分されております。セグメント別の業績は次のとおりです。
(プラントエンジニアリング事業)
プラントエンジニアリング事業における業績は、次表のとおりとなりました。
EPC事業においては、売上高及び営業利益共に前期を下回りました。海外事業においては、売上高は北米及び欧州の子会社の業績が好調に推移したこと等により前期を上回りましたが、営業利益は前期を下回りました。
(注) 前期において、退職給付信託に拠出していた株式の売却による未認識数理計算上の差異(貸方差異)の一括償却及び従業員への特別慰労金の支給を実施しており、その影響額を除いた営業利益を参考として記載しております。
(サービスソリューション事業)
サービスソリューション事業における業績は、次表のとおりとなりました。
O&M事業においては、売上高及び営業利益共に好調に推移し、前期を上回りました。また、PPP事業においても、売上高及び営業利益共に前期を上回りました。
(注) 前期において、退職給付信託に拠出していた株式の売却による未認識数理計算上の差異(貸方差異)の一括償却及び従業員への特別慰労金の支給を実施しており、その影響額を除いた営業利益を参考として記載しております。
(受注及び販売の状況)
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2. 受注高のうち、官公庁からの受注が9割以上を占めております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)
(1) 経営成績の分析
当連結会計年度における当社グループの業績は、受注高は前連結会計年度に比べ4.3%減少の152,279百万円となり、売上高は前連結会計年度に比べ1.7%増収の135,557百万円となりました。なお、セグメント別の経営成績につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況の分析 (業績等の概要)」に記載のとおりであります。
売上原価は、前連結会計年度に比べ、3.2%増加の107,065百万円となりました。販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ8.5%増加の20,344百万円となりました。
これらの結果、営業利益は前連結会計年度に比べ25.0%減益の8,146百万円となりました。また、経常利益は前連結会計年度に比べ20.8%減益の8,751百万円となりました。特別損失の計上はありません。以上により、税金等調整前当期純利益は8,751百万円となり、前連結会計年度に比べ20.8%の減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ4.5%減益の6,245百万円となりました。
(2) 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,871百万円増加し、133,065百万円となりました。
流動資産は、現金及び預金が増加しましたが、仕掛品が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ310百万円減少し、108,939百万円となりました。
固定資産は、公共施設等運営権並びにソフトウエア仮勘定が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ2,181百万円増加し、24,125百万円となりました。
流動負債は、買掛金が増加しましたが、前受金が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ5,610百万円減少し、56,980百万円となりました。
固定負債は、PFI等プロジェクトファイナンス・ローン並びに退職給付に係る負債が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ1,365百万円増加し、16,536百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、前連結会計年度末に比べ6,115百万円増加し、59,548百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの分析
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
主な資金需要は、運転資本、設備投資、研究開発、IT投資に対するものであり、それらの資金は主に営業キャッシュ・フローで充当しており、必要に応じて借入金による調達で対応しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は20,613百万円となり、前連結会計年度末に比べ、2,569百万円増加しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
契約負債の減少による支出5,207百万円、法人税等の支払による支出4,292百万円となりましたが、税金等調整前当期純利益8,751百万円、売上債権及び契約資産の増加による収入3,121百万円などにより、営業活動に伴う資金の増加は6,635百万円(前年同期比3,768百万円減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出1,206百万円、無形固定資産の取得による支出1,577百万円、公共施設等運営権の取得による支出1,000百万円などにより、投資活動に伴う資金の減少は3,846百万円(前年同期比594百万円増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
PFI等プロジェクトファイナンス・ローンの借入による収入1,600百万円となりましたが、配当金の支払による支出1,741百万円、PFI等プロジェクトファイナンス・ローンの返済による支出863百万円などにより、財務活動に伴う資金の減少は628百万円(前年同期比1,475百万円減)となりました。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
3.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しているとおり、事業環境や国際情勢の変動、大規模災害・事故、法令規制・コンプライアンス、製品・サービスの品質等、様々なリスクが当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
(5) 重要な会計方針及び重要な会計上の見積り・当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、会計基準に基づいて見積りが行われており、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しております。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針や見積が連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があると考えております。
・履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき一定の期間にわたり認識する収益
当社グループは、工事契約による請負、役務の提供(以下、工事契約等)については、一定の期間にわたり履行義務は充足されると判断し、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき一定の期間にわたり収益を認識する方法(履行義務の充足に係る進捗度の見積りはコストに基づくインプット法)を適用しております。履行義務の充足に係る進捗度は案件の原価総額の見積りに対する連結会計年度末までの発生原価の割合に基づき算定しております。
ただし、想定していなかった原価の発生等により進捗度が変動した場合は、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する収益及び費用の金額に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。
当期の研究開発活動は、継続して、水・環境インフラの持続可能性(サステナビリティ)に寄与する技術開発に積極的に取り組んでおります。また、「中期経営計画2023」の目標達成に向けて、中長期的成長に不可欠な製品開発、ソリューション開発、新事業開発を推進しております。
研究開発体制は、当社の開発戦略委員会が研究開発方針や経営資源の配分決定等を統括し、当社の研究開発部門が個別の研究開発テーマを執行しております。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費は
セグメントごとの研究開発活動は次のとおりです。
(プラントエンジニアリング事業)
上下水道プラントの建設案件の受注拡大に向けた商品開発及び海外事業等の成長分野の事業拡大に向けた商品開発を活動方針としており、当社の持つ機械や電気に関する技術を融合させた、新しい差別化商品の開発を目的としております。
具体的には、固液分離技術、酸化処理技術、熱操作技術、計測制御技術、生物処理技術、ICT等の当社のコア技術を基に、新たな造水・水再生技術の開発、地球温暖化防止のための温室効果ガス排出削減及び省エネルギー技術の開発、監視制御技術の開発に取り組んでおります。
新たな造水・水再生に関する商品では、水道分野において、水源のカビ臭に対する新たな解決手段として、オゾン処理に過酸化水素を組み合わせた処理技術を開発しました。
温室効果ガス排出削減、省エネルギーに関する商品では、ICT・AIを活用した、下水高度処理の能力向上と省エネルギーを両立できる新しい処理システムの開発に取り組んでおり、国の実証評価を経て、本システムの導入ガイドラインが策定されました。
監視制御に関する商品では、監視制御システムの機能拡充開発、複数の監視制御設備間の接続・通信を大規模な改修を行うことなく実現する技術開発等を行い、EPC事業における電気分野の更なる競争力強化に取り組んでおります。
また、当社グループが開発した「流動タービン」「ディスク式特殊長毛ろ布ろ過装置」「初沈代替高速ろ過システム」は、日本下水道事業団(以下「JS」という。)との共同研究成果に基づき、JSの「新技術Ⅰ類」に選定されました。
当連結会計年度における研究開発費は
(サービスソリューション事業)
上下水道施設運転維持管理の第三者委託・包括委託案件の受注拡大を目指し、アセットマネジメントの合理化、維持管理費削減や保守・運転員の作業軽減を実現する新しい商品やサービス、さらに上下水道事業体の統合・広域化に対応したクラウド監視サービスなどの開発を目的としております。
当社のコア技術であるICTと機電融合技術を活用し、維持管理の省力化、安全性向上、運転者支援、設備延命化を実現する商品やサービスの開発、「WOODAP(注)」を実践するための新たなソリューション開発に取り組んでおります。
具体的には、「クラウド型プラットフォーム(WBC)」において、広域監視、画像監視、アセットマネジメント等の各種コンテンツの機能向上に取り組み、上下水道事業体及び運転管理事業者へ、より高付加価値なサービスの展開を図っております。また、現場作業の安全性を向上させる技術として、作業時に危険箇所に近づいてしまった場合、スマートフォンの警報と振動で作業員に危険を知らせる「危険個所アラームシステム」を開発し、運用を開始しました。
当連結会計年度における研究開発費は
(注)WOODAP(ウーダップ):災害時の早期復旧を核とした設計・建設、運営・維持管理の考え方