第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

文中の将来に関する事項は、当期末日現在において、当社グループが判断したものです。

 

当社グループの主要事業である国内の上下水道市場では、人口減少等に起因する自治体の財政難や技術者不足が顕在化していることに加え、高度経済成長期に整備された施設・設備の老朽化、大地震や台風・集中豪雨等の自然災害への対策が喫緊の課題となっております。このような状況において、PFI法の施行や水道法の改正等による民間の資金、技術、ノウハウを活用する公民連携、国土強靭化計画に基づく取り組み等が着実に進展しております。また、AI、IoT等の技術革新を背景に、新たな事業機会やビジネスモデルの創出が予想されます。

一方、海外の上下水道市場では、欧米等の先進国では施設・設備の老朽化に加え、米国では水資源の確保に向けた再生水の活用、欧州では環境規制の厳格化等への対策が重点課題となっております。また、アジアの新興国等では人口増による水需要の増加に伴い、上下水道インフラ整備の需要が高まっております。今後も各国の上下水道市場における課題やニーズを背景とした事業機会の創出が予想されます。

このような市場環境を踏まえ、当社グループは長期ビジョンの実現に向けた第2ステージとして、2023年度(2024年3月期)を最終年度とする「中期経営計画2023」を策定しました。2023年度の経営目標を受注高1,600億円、売上高1,550億円、営業利益100億円に修正の上、次の3つの重点課題に全社を挙げて取り組んでおります。

 

① 基盤分野の強化と成長分野の拡大

当社グループは、EPC事業とO&M事業を基盤分野、PPP事業と海外事業を成長分野と位置付け、事業の強化及び拡大を推進します。

(基盤分野の強化)

EPC事業では、今後の更新需要及び大型案件への対応を見据え、IT、AI等を活用したエンジニアリング手法を確立し、設計品質の向上、コスト競争力の強化により、更なる受注拡大と収益力の向上に取り組んでまいります。また、O&M事業では、既設機場の継続的な受注による安定成長に加え、遠隔サポート支援体制の整備やWBC(注1)関連の新たなサービス提案等により、新規機場の開拓を図ります。近年の物価上昇や半導体不足等のリスクに対応して、電気製品の貯蔵化や物価上昇に対する顧客交渉等により、売上高や収益への影響の軽減を図ります。

(成長分野の拡大)

PPP事業では、国内初の上工下水一体のコンセッション事業である「宮城県上工下水一体官民連携運営事業」がスタートし、新たな公民連携の事業モデルの確立に向けて取り組んでおります。引き続き、当社の実績やノウハウを活かして、地域・パートナーとの連携を強化し、事業の拡大を推進してまいります。また、海外事業では、欧米を戦略エリアと位置付け、欧米のグループ企業間の連携を深め、各地域の課題に対応するビジネスモデルを創出し、更なる事業拡大を推進します。

 

② 研究開発投資の拡大

当社グループは、今後の更新需要及び公民連携の更なる進展に対応するため、研究開発投資を拡大してまいります。

(強い分野の更なる強化)

当社グループの強みである焼却分野・水処理分野(セラミック膜、オゾン)・監視制御システム分野について、今後も積極的に研究開発投資を行い、老朽化した施設の更新需要や新たな需要の取り込みを図ります。

(機電融合技術の創出)

当社グループの特徴である機電融合技術を生かし、2019年度に実施したB-DASHプロジェクト(注2)「単槽型硝化脱窒プロセスのICT・AI制御による高度処理技術」がガイドライン化されました。今後も、水・環境事業における機械と電気の双方の技術を有している優位性を活かして、特徴ある製品及びシステムを継続的に創出することで、競争力を強化します。

(情報連鎖を活かした価値創出)

現場の運転維持管理情報、プラント監視制御システム及びWBC等の連鎖により、新たな価値を創出し、維持管理の効率化、経営の最適化、災害に強いシステム・サービス等を提供してまいります。

 

③ 持続的なESGの取り組み

当社グループは、持続可能な環境・社会の実現と企業価値の向上に向けた取り組みに関する目的、基本方針及び重要課題(マテリアリティ)を定めた「サステナビリティに関する基本方針」を制定し、今後もより一層、公共インフラに携わる企業として、事業を通じてサステナビリティに関する取り組みを推進、開示することで、企業価値の向上に努めてまいります。

また、働き方改革の一環として「遠隔地勤務制度」や「副業制度」を導入し、社員の多様なワークスタイルの実現に向けて取り組んでまいります。コーポレート・ガバナンスにおいては、株主を含むステークホルダーの皆様との積極的な対話を通じて、社会から信頼され、社会に貢献し続ける企業を目指してまいります。

 

(注) 1.WBC(ウォータービジネスクラウド):クラウド型プラットフォームを活用した上下水道事業をサポートするICTサービス

2.B-DASHプロジェクト:国土交通省が実施する下水道革新的技術実証事業

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 

文中の将来に関する事項は、当期末現在において、当社グループが判断したものです。

 

当社グループは、持続可能な環境・社会の実現と企業価値の向上に向けた取り組みに関する目的、基本方針及び重要課題(マテリアリティ)を「サステナビリティに関する基本方針」として次のとおり定めています。当方針は、サステナビリティ委員会及び経営会議にて議論し、取締役会にて決議しています。

 

当社グループは、地球温暖化等の環境課題、人権問題等の社会課題及び当社グループを取り巻く事業環境における課題等に対して、企業理念である「続ける。続くために。」の実践を通じて、持続可能な環境・社会の実現に向けて取り組み、企業価値の向上を遂げることを目的とする。

 

基本方針

当社グループは、私たちの日常の安全・安心な生活を支え、環境と社会の持続可能性に貢献し、社会と共に持続可能な発展を遂げるため、ステークホルダーの期待に応え、社会から信頼され、社会に貢献し続ける企業であることを目指します。この実現に向けて、次の取り組みを続けていきます。

・環境・社会の課題解決に向けて、顧客・地域・パートナーと連携し、最適な技術・サービスで貢献していきます。

・人が最大の財産であり、多様性を認め、多様な働き方を構築し、安心して安全に働ける環境を整備していきます。

・中長期的な企業価値の向上に向けて、最良のコーポレート・ガバナンスを実現し、社会と共に持続可能な企業を目指します。

 

重要課題(マテリアリティ)

上記目的及び基本方針の実現に向けて、当社グループの事業と関係性が深く、社会・ステークホルダーにおいても重要な課題を重要課題(マテリアリティ)と位置付け、以下の6項目を対象としました。

重要課題

(マテリアリティ)

方針

目標

水環境

人々の暮らしになくてはならないライフラインである上下水道施設の建設、維持管理、運営において、最適な技術・サービスの提供を通じて、安全な水質の確保、水環境の循環及び保全に貢献します。

・持続可能な上下水道施設への貢献

・海外における水環境への貢献

・水源林の保全

循環型社会

豊かな自然環境を守り続けるために、限りある資源を有効に活用し、循環型社会の形成に貢献します。

・持続可能なリサイクル施設への貢献

・産業廃棄物の削減と再利用の推進

・環境負荷の低減

温室効果ガス

排出削減

地球温暖化による海面上昇、異常気象等の課題に対して、事業活動を通じて温室効果ガス(Greenhouse Gas:GHG)の排出削減に貢献します。

・上下水道施設におけるGHG排出削減

・サプライチェーン排出量(CO2)の削減

地域社会

持続可能な社会を実現する上では、顧客・地域・パートナーとの連携が重要であり、事業活動を通じて地域社会に貢献します。

・地域社会・経済の活性化

・災害時の支援対応

・社会貢献活動

人財

多様性を認め、多様な働き方を整え、従業員が働きやすい環境を整備します。また、事務所・現場での業務における安全衛生にも配慮し、事故・けがの発生を未然に防ぐようにします。

・働きがいのある職場環境の創出

・従業員への教育支援

・労働安全衛生の向上

ガバナンス

透明性・信頼性の高い企業経営を行い、コンプライアンスの推進及び内部統制機能を強化し、企業価値の持続的向上の実現に向けた最良のコーポレート・ガバナンスに取り組みます。

・コーポレート・ガバナンスの充実

・コンプライアンスの推進

 

 

 

 

(1) ガバナンス

当社は、持続可能な環境・社会の実現と企業価値の向上に向けた取り組みを推進するための機関として、サステナビリティ委員会を設置しています。当委員会は、環境分科会、社会分科会、ガバナンス分科会の3つの分科会を設けており、各分科会は期初に計画した活動内容に基づき年間を通じて活動しています。環境分科会は、事業活動における環境貢献及び環境負荷の可視化、気候変動関連の取り組み状況の取りまとめ、環境意識の醸成や啓発等に取り組んでいます。社会分科会は、地域貢献活動の推進、働きやすい職場環境の整備、多様な人財の確保と活動支援等に取り組んでいます。ガバナンス分科会は、コンプライアンスの周知徹底、リスクマネジメントの適切な運用に取り組み、グループ全体の視点で取りまとめています。

当委員会は、原則、年に2回開催し、各分科会の計画及び活動内容を報告し、協議しています。また、当委員会での報告内容及び協議内容等を、適宜、経営会議及び取締役会に報告しています。

 

(2) リスク管理

当社グループは、経営に影響を及ぼす可能性のある様々なリスクを体系的に認識・評価し、適切に管理することにより、リスクの発生を未然に防止あるいはリスクの発生による損失を低減し、グループの企業価値の維持・拡大に繋げることを目的として、「メタウォーターグループリスク管理規程」及び「リスク管理実施手順書」(以下、「リスク管理規程類」という。)を策定しています。

リスク管理規程類には、リスク管理の体制及びプロセス、影響度評価基準、リスク分類等を定めています。影響度評価基準は、リスクが顕在化した際に想定される影響の大きさを評価するために重要項目(5項目)を3段階(大、中、小)に分類し、リスク分類は、当社の外部環境や事業環境に大きな影響を与える項目として、外部環境(6分類)、事業環境(17分類)に分類しています。

当社グループでは、リスク管理規程類に基づき、年度の期初にリスク抽出、影響度評価、対応方法の検討等を各部門及び子会社にて実施し、上期終了時点において中間評価を行います。通期終了時点には同様に通期評価を行い、上期及び通期共に各部門等のリスク管理内容を社内に開示しています。

また、ガバナンス分科会は、各部門及び子会社等が認識・評価するリスクやリスクに対する対応策等をグループ全体の視点で取りまとめて、サステナビリティ委員会に報告、協議しています。当委員会での報告内容及び協議内容等を、適宜、経営会議及び取締役会に報告しています。

 

(3) 戦略及び指標と目標

当社グループは、企業理念「続ける。続くために。」の実践を通じて、持続可能な環境・社会の実現に向けて、ステークホルダーの期待に応え、社会から信頼され、社会に貢献し続ける企業であることを目指しています。その実現に向けて、長期ビジョン及び中期経営計画を策定し、戦略的に重要課題(マテリアリティ)の解決に取り組んでいます。重要課題(マテリアリティ)の中で、当社グループの事業及び社会課題との関連性が深く、さらに企業への開示要求が高い、温室効果ガス排出削減(気候変動対策)と人財(人的資本)に関する戦略及び指標と目標は以下のとおりです。今後も重要課題(マテリアリティ)に関する具体的な戦略及び指標と目標について、引き続き検討していきます。

 

① 温室効果ガス排出削減(気候変動対策)

当社グループは、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の枠組みに則り、気候関連リスク及び機会を抽出するとともに気候関連シナリオを選択し、財務影響と緊急度の視点による影響度を評価しています。気候関連シナリオは、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)及び国際エネルギー機関(IEA)のシナリオ群からCOP27の結果等を受けて、厳しい規制や技術革新等で気温上昇を1.5℃未満に抑えたシナリオと、現行の対応から大きく変化せず気温が4℃以上上昇するシナリオを選択し、次のとおり分析を行いました。

 

a.1.5℃未満シナリオ

(リスク)

当社グループの事業領域は、公共事業が大半を占めており、特に移行リスクである政府・自治体の政策動向や技術動向等に大きな影響を受けます。規制が強化されて炭素価格が導入された場合は、資材等の調達コストや施工時の建設コストの増加により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、低炭素技術・製品等の導入に向けた競争が激化した場合にも、開発コストの増加や市場による競争力の低下等により、同様に当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

当社グループは、温室効果ガスの排出削減に貢献する技術・製品を有しており、継続的に研究開発投資を実施することで、既存製品の改良のみならず、次世代の技術・製品の早期開発に取り組んでいます。また、自社の事業活動における再生エネルギーの活用や調達先、協力企業と連携したサプライチェーン排出量の削減も引き続き検討してまいります。

 

b.4℃シナリオ

(リスク)

当社グループは、公共事業における施設及び設備の設計・建設・運転維持管理を主な業務としており、特に物理リスクである異常気象や自然災害等に大きな影響を受けます。気温上昇によりヒートストレスが増加した場合は、労働生産性の悪化や人的被害等による工期長期化や建設コストの上昇等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、災害が激甚化した場合は、当社グループの建設現場や当社グループが運転維持管理している現場における災害対応や復旧コストの増加等により、同様に当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

当社グループは、建設現場におけるヒートストレス等の影響を軽減するために現場の施工期間の短縮に向けた技術・システムの開発に取り組んでいます。また、自然災害・激甚災害に備え、運転維持管理現場等における自動化や無人化に向けた開発と当社及び子会社(SPCを含む。)等において個別に事業継続計画(BCP)を定め、定期的にBCP訓練を実施しています。今後も引き続き、運転維持管理現場等における無人化や自動化、遠隔監視の開発を積極的に推進し、社会課題の解決とともに働きやすい環境の整備を目指します。

 

当社グループは、1.5℃未満及び4℃シナリオのいずれにおいても、炭素税を含むコスト増の可能性を考慮しつつ、気候変動関連ニーズに応える技術・製品の開発等に継続的に取り組み、事業のレジリエンスをより一層高めていきます。

 

(指標と目標)

Scope1、2については、再生エネルギーの活用及び非化石電力証書の購入等により「2030年度に2020年度比70%削減」「2050年度に実質ゼロ」の目標を設定しました。ただし、現時点で当社グループ企業の全てのScope1、2及び3が算出できていないため、出来るだけ速やかに算出し、開示するように努めます。

項目

対象範囲

基準年

目標年

目標内容

2023年3月期実績

GHG排出量

(Scope1、2)

連結子会社

(注)

2020年

2030年

70%削減

3,968t-Co2/年

2050年

実質ゼロ

 

(注) 当社、メタウォーターサービス(株)、ウォーターネクスト横浜(株)、テクノクリーン北総(株)及び(株)アクアサービスあいちを対象としています。

 

② 人財(人的資本)

当社グループは、企業理念である「続ける。続くために。」の実践を通じて、持続可能な環境・社会の実現に向けて取り組むなかで人を最大の財産と捉え、「人事理念」を次のとおり定めています。

 

持続可能な環境・社会の実現を目指す当社グループは、人を最大の財産と捉え、

・安心・安全・健康を最優先に考える。

・変化に対応できる、挑戦的で創造的な企業風土を醸成する。

・変革に挑戦しつづける自立した個を尊重し、そうした多様な個が協働する活力ある組織をつくる。

・チャンスは公平・公正に提供し、やる気と能力のある人財を積極的に登用・活用する。

・自己成長意欲のあるプロフェッショナル人財を支援し、能力開発の機会を積極的に提供する。

 

 

昨今のめまぐるしい社会環境変化や価値観が多様化する時代において、この人事理念を土台とし、社員と企業が共に成長していくために以下のような取り組みを行っています。なお、当社グループは、人を最大の財産と捉え、従業員の雇用、教育、さらに働きやすい環境整備等に対して、継続的かつ積極的に投資を実施しています。

 

a.安心・安全・健康

当社グループは、社員及び全ての関係者が安全に就業できる職場環境の整備、また、社員とその家族の心と身体の健康増進を支援する健康経営を推進しています。現場の安全を最優先として、オリジナルの作業ガイドラインの作成や協力会社社員への独自のライセンス制度の運用など、当社ならではの取り組みを実践しています。健康面については健康管理センターを本社及び複数の事業所に配置し、産業医だけではなく心理カウンセラー、専属の健康管理スタッフが常時社員をフォローする体制を整えています。テレワーク環境下の運動不足解消法などの情報発信、ウォーキングイベントの定期開催などの活動も積極的に行っています。

 

b.働きやすさの追求

人を企業競争力の要に位置付ける当社グループは、「働きたい会社No.1」を目指し、2017年から働き方改革を推進してきました。具体的には、様々な事情を持つ多様な個が活躍し続けられるように、コロナ禍前から「テレワーク制度の導入」「複数のサテライトオフィスの設置」「週休3日制度の導入」「所定労働時間の30分短縮」「単身赴任の段階的解除」などを他企業に先駆けて実施してきました。今後も、環境変化や社員のニーズにきめ細かく対応し、より多様な就労を可能にする環境や風土構築に取り組んでいきます。

 

c.多様性の尊重

多様な人財が切磋琢磨し、その能力・適性を最大限に発揮することが当社グループの成長に繋がると考え、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。新入社員の女性比率30%以上を目標とした積極採用、両立支援制度の充実、女性管理職の計画的な登用などを行ってきた結果、女性管理職比率はここ数年で増加しています。現状の比率をさらに増加させるため、今後も女性の採用及び管理職登用を推進していきます。その他にも、障がい者の活躍の場の拡充、男性社員の育児休業取得促進などを行っており、多様性を認め受け入れる風土醸成が重要との認識から、ダイバーシティに関する研修の実施など多面的な取り組みを推進しています。

 

d.成長・挑戦を支援

人が最大の財産である当社グループは、社員の能力開発を経営における重要事項と位置付け、人事理念に掲げるとおり、成長意欲のある社員の能力や可能性を最大限に伸ばす環境と仕組みを整備しています。社員の成長ステージに応じた能力開発を目的として、階層別研修・指名型研修・選択型研修(自己啓発)・職種別専門教育など幅広いプログラムを用意し、社員ひとりひとりの成長をサポートします。特に選択型研修については、成長意欲のある社員のニーズに応えるよう、200を超えるカリキュラムを用意しており、積極的に活用されています。

 

(指標と目標)

人事理念に基づく各種取り組みに関する指標と実績は、次のとおりです。今後、各指標に関して、他社状況やベンチマーク等を意識しつつ、さらに指標の改善に向けて積極的に取り組んでいきます。

カテゴリ

指標

2023年3月期実績(注)

a.安心・安全・健康

労働災害度数率

1.32

ストレスチェック高ストレス比率 (全国平均15.7%)

8.1 %

1人当たり健康管理費用

46.8 千円

b.働きやすさの追求

ワークオプション実現度 (社員意識調査結果)

平均 3.9点/5点満点

ジョブリターン者数累計 (2018年度制度開始)

8 人

新卒採用・中途採用3年目定着率

新卒採用:90.9 %

中途採用:94.0 %

離職率

1.9 %

c.多様性の尊重

障がい者雇用率

2.6 %

女性社員管理職比率

2.8 %

男性社員育児休業取得率

31.7 %

d.成長・挑戦を支援

1人当たり研修費

105 千円

表彰対象資格取得者数

40 人

選択型(自己啓発)研修参加者数

953 人

 

(注) 当社における実績であり、連結子会社であるメタウォーターサービス株式会社の女性社員管理職比率等については「第1 企業の概況 5 従業員の状況」に記載しています。

 

3 【事業等のリスク】

 

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものです。また、当社グループのリスク管理の概要及び運用状況は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しています。

 

① 国際紛争・テロ等の社会的混乱

(リスク)

当社グループは、国内と共に北米・欧州を主要な拠点として事業展開しており、国際紛争やテロ等が発生した場合には、各拠点における事業の中断や物流の寸断等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

当社グループは、国際紛争やテロ等に対する事業継続計画(BCP)を定めていませんが、事象の実態を見極め、必要に応じて各拠点・部門・子会社(SPCを含む。)等において個別に作成した事業継続計画(BCP)を参考に事業の継続に取り組みます。また、ロシアによるウクライナ侵攻に対しては、海外子会社と連携を密にし、従業員及び家族の安全を最大限に優先した上で、事業の継続に取り組んでいます。

 

② 自然災害

(リスク)

当社グループの拠点及び当社グループが受託した建設・運転維持管理等の現場において、大規模な自然災害(地震、豪雨、台風、洪水等)が発生した場合には、現地工事の中断及び損壊や現地稼働設備の停止及び損壊等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

当社グループは、自然災害の発生等に備え「事業継続マネジメント(BCM)規程」及び「事業継続計画(BCP)」を策定し、これらの規程等に基づき、各拠点・部門・子会社等において個別に事業継続計画(BCP)を定めています。また、定期的に各拠点において災害等を想定したBCP訓練を実施しています。

 

③ 感染症等のパンデミック

(リスク)

当社グループの事業は、国内外の公共事業の占める割合が高く、特に国内においては、全国で事業活動を実施しているため、新型コロナウイルスのような感染症が発生した場合には、現地工事の中断・中止、運転維持管理の作業中止等により、当社グループの業績への影響と共に顧客及び地域住民に多大な影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

当社グループは、感染症の発生等に備え、「事業継続マネジメント(BCM)規程」及び「事業継続計画(BCP)」を策定し、これらの規程等に基づき、各拠点・部門・子会社(SPCを含む)等において個別に事業継続計画(BCP)を定めています。また、今回の新型コロナウイルス感染症による感染拡大に対して、2020年2月14日付けで社長を本部長とする緊急対策本部を設置し、感染拡大の防止と社会インフラの継続を最優先に取り組んでいます。

 

④ 法令順守・コンプライアンス

(リスク)

当社グループの事業は、公共事業の占める割合が高く、入札制度及び建設業法を始め様々な法的規制の適用を受けており、法令違反があった場合には、指名停止や建設業の許可取消処分等を受ける可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

当社グループは、法令順守の意識の醸成を図るため、「コンプライアンス規程」を制定し、コンプライアンスプログラムとして、社内ルール・監視・監査・教育の各側面において役割や実施方法等を定めています。コンプライアンスプログラムの運用状況は、当該年度の終了後にサステナビリティ委員会のガバナンス分科会において取りまとめ、当委員会及び経営会議、取締役会に報告しています。

 

⑤ 情報漏洩・セキュリティ

(リスク)

当社グループの事業活動において、情報システム(携帯電話、モバイルPC等を含む)の利用頻度や重要性が増大するなか、サイバー攻撃やコンピューターウイルス等も進化しており、情報システムへの感染等が発生した場合には、情報の寸断や復旧対応等で業務が滞ることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

当社グループは、情報資産に対するセキュリティの向上を図るため、「情報セキュリティポリシー」及びその関連規程・基準等を制定し、情報システムの利用基準や管理方法、情報セキュリティ事故に対する対応方法等を定めています。サイバー攻撃やセキュリティ事故等による被害が発生した場合には、情報セキュリティ統括管理者を責任者として、情報収集や対応策等を実施し、サステナビリティ委員会のガバナンス分科会にて情報セキュリティのインシデント状況等を整理し、当委員会及び経営会議、取締役会に報告しています。

 

⑥ 人財採用・教育

(リスク)

当社グループの事業は、公共事業の占める割合が高く、建設業法に基づく技術者の確保が重要であり、採用及び教育に努めていますが、近年の少子高齢化による人口減少により技術者の確保が困難となることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(対応策)

当社グループは人を最大の財産と捉え「人事理念」を定め、社員と企業が共に成長していくための取り組みを実施しています。当社は「働きたい会社No.1」を目指すなかで、社会の変化やニーズに対応し、働き方改革、教育、支援等の様々な取り組みを実施しています。

 

⑦ 技術・調達及び価格競争力

(リスク)

当社グループの事業は、公共事業(主に上下水道事業)が大半を占めており、入札制度が適用されています。落札に際して、応札時の価格や技術力(性能等)、経営成績等が非常に重要となっていますが、当社製品・調達品の価格上昇や競合他社による新製品の市場投入等により競争が激化した場合には、受注高の低下や収益性の悪化等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

当社グループは、全社横断で研究開発の方針及び開発テーマの選定等を実施するため、開発戦略委員会を設置しています。中長期的な成長に向けて、製品開発・ソリューション開発・新事業開発等を推進しています。また、価格競争力の向上に対して、エンジニアリングツールの採用による合理化や製品・システムの改良によるコストダウン等を継続的に実施しています。特に近年では、新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢の長期化等による半導体不足や原材料の高騰等に対して、電気製品の貯蔵化、物価上昇に対する顧客交渉等に取り組んでいます。

 

⑧ 安全衛生

(リスク)

当社グループは、公共事業における機械設備及び電気設備の工事を主な事業としており、建設現場において労働災害等が発生した場合には、従業員の安全を脅かすだけでなく、顧客(地方自治体)から指名停止措置等を受ける可能性があり、一定期間入札に参加できなくなること等により受注機会を損失し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

当社グループは、従業員の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進するため、「労働安全衛生管理規程」や関連規程・基準を制定しています。また、全社安全衛生委員会において安全方針及び重点実施事項等を決定し、安全衛生の向上に取り組むとともに、当該年度の安全衛生状況を管理し、適宜対応策を検討しています。

 

⑨ 製品・サービスの品質管理

(リスク)

当社グループは、製品・システム・サービス等を提供しています。当社グループ及び調達先において品質の確保及び向上に努めていますが、予期せぬ事象等により品質問題が発生した場合には、顧客(地方自治体)に多大な迷惑をかけるとともに、復旧や信頼回復に係るコスト負担等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

当社は、顧客及び社会が求める製品及びサービスを持続的に提供するために、「品質管理規程」やその関連規程・基準等を制定しています。また、全社品質保証委員会において、品質方針及び重点施策等を決定し、品質向上に取り組むと共に当該年度の品質の状況を管理・共有し、適宜対応策を検討しています。

 

⑩ その他の関係会社との関係

(リスク)

当社の大株主である日本碍子株式会社及び富士電機株式会社は、当期末現在において、それぞれ当社発行済株式の20.92%及び20.88%を所有しています。また、当社グループは、日本碍子株式会社にセラミック膜の製造等の委託、富士電機株式会社に配電盤の製造等の委託を行っているため、適正な取引等がなされない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

当社は、調達品の取引における価格等の取引条件について、市場実勢等を参考にし、一般取引と同様に見積書をベースとして、その都度交渉の上で決定しており、決裁権限の手続き等を定めた「職務権限規程」に基づき、管理部門が合議に加わる等により、管理機能を強化しています。また、監査役監査や内部監査による取引内容の事後的なチェックを行うとともに主要株主との年間取引について整理の上、毎年、取締役会に報告し、取引の健全性及び適正性の確保に努めています。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

 

(業績等の概要)

 

当期における我が国の経済状況は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が緩和され、経済社会活動の正常化が進むなかで、景気は緩やかに持ち直してきました。また、世界の経済状況においても景気の緩やかな持ち直しが続きました。一方で、円安の進行やウクライナ情勢の長期化及び中国経済の減速等の影響による物価上昇やサプライチェーンの停滞及び半導体不足等、景気の下振れリスクが懸念されました。

このような状況のなか、当社グループは、2023年度(2024年3月期)を最終年度とする「中期経営計画2023」の達成に向けて、引き続き「①基盤分野の強化と成長分野の拡大」「②研究開発投資の拡大」「③持続的なESGの取り組み」を重点施策とし、全社を挙げて取り組んでまいりました。

 

当連結会計年度における当社グループの業績は、次表のとおりとなりました。

海外事業において北米子会社が順調に推移したこと、PPP事業において株式会社みずむすびマネジメントみやぎが順調に推移したこと等により、売上高及び営業利益共に前期を上回りました。また、受注が好調に推移し、受注高及び受注残高共に前期を上回りました。なお、経常利益には、円安影響による為替差益528百万円が含まれています。

 

2022年3月

(百万円)

2023年3月

(百万円)

増減

(百万円)

増減率

(%)

売上高

135,557

150,716

+15,158

+11.2

営業利益

8,146

8,688

+541

+6.7

経常利益

8,751

9,068

+317

+3.6

親会社株主に帰属する

当期純利益

6,245

6,252

+7

+0.1

受注高

152,279

193,404

+41,124

+27.0

受注残高

186,029

228,717

+42,688

+22.9

 

(注)当連結会計年度より、ウォーターネクサスOSAKA株式会社を連結の範囲に含めております。

 

当社グループの事業は、「プラントエンジニアリング事業セグメント」に基盤分野であるEPC事業及び成長分野と位置付ける海外事業が区分され、また、「サービスソリューション事業セグメント」に基盤分野であるO&M事業及び成長分野と位置付けるPPP事業が区分されております。セグメント別の業績は次のとおりです。

 

(プラントエンジニアリング事業)

プラントエンジニアリング事業における業績は、次表のとおりとなりました。

EPC事業においては、売上高及び営業利益共に前期を上回りました。海外事業においては、北米子会社の業績が好調に推移したこと等により売上高及び営業利益共に前期を上回りました。

 

2022年3月

(百万円)

2023年3月

(百万円)

増減

(百万円)

増減率

(%)

売上高

75,079

86,971

+11,891

+15.8

営業利益

2,103

4,002

+1,898

+90.2

受注高

89,095

94,898

+5,803

+6.5

受注残高

113,041

120,968

+7,927

+7.0

 

 

 

(サービスソリューション事業)

サービスソリューション事業における業績は、次表のとおりとなりました。

O&M事業においては、売上高及び営業利益共に前期を下回りました。PPP事業においては、株式会社みずむすびマネジメントみやぎが順調に推移したこと等により、売上高及び営業利益共に前期を上回りました。

 

2022年3月

(百万円)

2023年3月

(百万円)

増減

(百万円)

増減率

(%)

売上高

60,477

63,744

+3,267

+5.4

営業利益

6,042

4,686

△1,356

△22.4

受注高

63,184

98,505

+35,320

+55.9

受注残高

72,988

107,749

+34,761

+47.6

 

 

(受注及び販売の状況)

 

(1) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

プラントエンジニアリング事業

94,898

106.5

120,968

107.0

サービスソリューション事業

98,505

155.9

107,749

147.6

合計

193,404

127.0

228,717

122.9

 

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2. 受注高のうち、官公庁からの受注が9割以上を占めております。

 

(2) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

プラントエンジニアリング事業

86,971

115.8

サービスソリューション事業

63,744

105.4

合計

150,716

111.2

 

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

東京都

21,075

15.55

26,671

17.70

 

 

 

(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)

 

 (1) 経営成績の分析

当連結会計年度における当社グループの業績は、受注高は前連結会計年度に比べ27.0%増加193,404百万円となり、売上高は前連結会計年度に比べ11.2%増収150,716百万円となりました。なお、セグメント別の経営成績につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況の分析 (業績等の概要)」に記載のとおりであります。

売上原価は、前連結会計年度に比べ、12.5%増加120,428百万円となりました。販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ6.2%増加21,598百万円となりました。

これらの結果、営業利益は前連結会計年度に比べ6.7%増益8,688百万円となりました。また、経常利益は前連結会計年度に比べ3.6%増益9,068百万円となりました。特別損失の計上はありません。以上により、税金等調整前当期純利益は9,068百万円となり、前連結会計年度に比べ3.6%の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ0.1%増益6,252百万円となりました。

 

 (2) 財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ9,630百万円増加し、142,695百万円となりました。

流動資産は、現金及び預金が減少しましたが、受取手形、売掛金及び契約資産が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ3,702百万円増加し、112,642百万円となりました。

固定資産は、投資有価証券並びにソフトウエア仮勘定が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ5,927百万円増加し、30,053百万円となりました。

流動負債は、買掛金並びに短期借入金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ2,252百万円増加し、59,232百万円となりました。

固定負債は、長期借入金が減少しましたが、PFI等プロジェクトファイナンス・ローンが増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ286百万円増加し、16,823百万円となりました。

純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、前連結会計年度末に比べ7,090百万円増加し、66,639百万円となりました。

 

 (3) キャッシュ・フローの分析

   (資本の財源及び資金の流動性)

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

主な資金需要は、運転資本、設備投資、研究開発、IT投資に対するものであり、それらの資金は主に営業キャッシュ・フローで充当しており、必要に応じて借入金による調達で対応しております。
 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は11,085百万円となり、前連結会計年度末に比べ、9,528百万円減少しました。当連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

   (営業活動によるキャッシュ・フロー) 

税金等調整前当期純利益の計上による収入9,068百万円となりましたが、売上債権及び契約資産の増加による支出8,771百万円、棚卸資産の増加による支出1,588百万円、法人税等の支払による支出3,049百万円などにより、営業活動に伴う資金の減少は4,340百万円(前年同期比10,976百万円減)となりました。

 

   (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資有価証券の売却による収入1,719百万円となりましたが、有形固定資産の取得による支出1,034百万円、無形固定資産の取得による支出1,548百万円、投資有価証券の取得による支出5,794百万円などにより、投資活動に伴う資金の減少は6,452百万円(前年同期比2,606百万円減)となりました。

 

   (財務活動によるキャッシュ・フロー)

配当金の支払による支出1,743百万円となりましたが、短期借入金の借入による収入2,321百万円などにより、財務活動に伴う資金の増加は717百万円(前年同期比1,345百万円増)となりました。

 

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

自己資本比率(%)

41.4

40.6

44.5

45.7

時価ベースの自己資本比率(%)

70.3

73.5

65.5

52.8

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

355.6

112.2

187.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

18.5

67.7

41.8

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

3.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

4.2023年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。

 

 (4)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しているとおり、事業環境や国際情勢の変動、大規模災害・事故、法令規制・コンプライアンス、製品・サービスの品質等、様々なリスクが当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 

(5) 重要な会計方針及び重要な会計上の見積り・当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、会計基準に基づいて見積りが行われており、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しております。

当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針や見積が連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があると考えております。

 

・履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき一定の期間にわたり認識する収益

当社グループは、工事契約による請負、役務の提供(以下、工事契約等)については、一定の期間にわたり履行義務は充足されると判断し、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき一定の期間にわたり収益を認識する方法(履行義務の充足に係る進捗度の見積りはコストに基づくインプット法)を適用しております。履行義務の充足に係る進捗度は案件の原価総額の見積りに対する連結会計年度末までの発生原価の割合に基づき算定しております。

ただし、想定していなかった原価の発生等により進捗度が変動した場合は、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する収益及び費用の金額に影響を与える可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は、2022年11月29日開催の取締役会において、当社のコーポレート・ガバナンス強化(流通株式の拡大)を目的とする株式需給緩衝信託(以下「本信託」という。)の設定を決議し、野村信託銀行株式会社との間で本信託に関する契約を締結しました。本信託の内容は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりです。

 

 

6 【研究開発活動】

 

当期の研究開発活動は、継続して、水・環境インフラの持続可能性(サステナビリティ)に寄与する技術開発に積極的に取り組んでおります。また、「中期経営計画2023」の目標達成に向けて、中長期的成長に不可欠な製品開発、ソリューション開発、新事業開発を推進しております。

研究開発体制は、当社の開発戦略委員会が研究開発方針や経営資源の配分決定等を統括し、当社の研究開発部門が個別の研究開発テーマを執行しております。

当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費は2,070百万円です。

 

セグメントごとの研究開発活動は次のとおりです。

 

(プラントエンジニアリング事業)

上下水道プラントの建設案件の受注拡大に向けた商品開発及び海外事業等の成長分野の事業拡大に向けた商品開発を活動方針としており、当社の持つ機械や電気に関する技術を融合させた、新しい差別化商品の開発を目的としております。

具体的には、固液分離技術、酸化処理技術、熱操作技術、計測制御技術、生物処理技術、ICT等の当社のコア技術を基に、新たな造水、水・資源再生技術の開発、地球温暖化防止のための温室効果ガス排出削減及び省エネルギー技術の開発、監視制御技術の開発に取り組んでおります。

新たな造水、水・資源再生に関する商品では、下水道分野において、汚泥資源の肥料利用を促進する技術として、新たなリン回収システムの開発に取り組んでおります。

温室効果ガス排出削減、省エネルギーに関する商品では、大阪市と共同で開発した「下水高濃度返流水の省エネ型窒素除去装置」が一般社団法人日本産業機械工業会の優秀環境装置表彰「経済産業省 産業技術環境局長賞」を受賞しました。

監視制御に関する商品では、監視制御システムの機能拡充開発等を行い、EPC事業における電気分野の更なる競争力強化に取り組んでおります。

当連結会計年度における研究開発費は1,631百万円です。

 

(サービスソリューション事業)

上下水道施設運転維持管理の第三者委託・包括委託案件の受注拡大を目指し、アセットマネジメントの合理化、維持管理費削減や保守・運転員の作業軽減を実現する新しい商品やサービス、さらに上下水道事業体の統合・広域化に対応したクラウド監視サービスなどの開発を目的としております。

当社のコア技術であるICTと機電融合技術を活用し、維持管理の省力化、安全性向上、運転者支援、設備延命化を実現する商品やサービスの開発、新たなソリューション開発に取り組んでおります。

具体的には、「クラウド型プラットフォーム(WBC)」において、広域監視、画像監視、アセットマネジメント等の各種コンテンツの機能向上に取り組み、上下水道事業体及び運転管理事業者へ、より高付加価値なサービスの展開を図っております。また、WBC広域監視サービスの新たな機能として、複数の信号の組み合わせにより異常状態を検知し、プラント運用リスクを低減する「相関監視システム」を開発し、市場展開を図っております。

当連結会計年度における研究開発費は439百万円です。