(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済・金融政策の効果により、企業業績や雇用環境において緩やかな改善が続いているものの、中国など新興国経済の減速により停滞が強まる世界経済や円高の影響が懸念され、先行き不透明な状況で推移しました。
当社グループを取り巻く医療・ヘルスケア業界においては、高齢化社会の進行とともに医師や看護師をはじめとする医療の担い手不足が課題に挙げられ、医療従事者の需要はますます高まっております。遠隔医療分野において、政府により 2015 年6月 30 日に決定された「経済財政運営と改革の基本方針 2015」(骨太の方針 2015)に「遠隔医療の推進」が盛り込まれ、そして、厚生労働省は、平成27年8月10日に情報通信機器の開発・普及の状況を踏まえ、情報通信機器を用いた診療の取扱いを明確する通達「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について」を公表しました。それにより、医療現場での遠隔診療の活用に向けて、遠隔診療を取り巻く環境の整備が期待されております。
このような状況のなか、当社グループは、関東・東海・関西エリアの大都市圏を中心に非常勤医師紹介などサービスの拡大、及び業務提携を通じた医師のネットワークの拡大を図ってまいりました。その結果、各エリアの医療機関からの求人案件数が増加するとともに、サービス内容の充実とサービスの質の向上に向けた非常勤医師紹介に係る手数料率の一部改定の効果により、非常勤医師紹介に係る売上高は堅調に推移しました。また、無償で提供している医局向けサービス「ネット医局®」においては、関東の大学医局を中心に導入医局数が前連結会計年度比2.5倍の150医局となりました。
一方、非常勤医師紹介サービスの拡大に加えて、「医療を想い、社会に貢献する。」の企業理念のもと、医療分野のみならず、セルフメディケーション、ヘルスケア分野を含めてITを活用した医療情報プラットフォームの拡大への取り組みを積極的に進めてまいりました。主な取り組みとして、(1)連結子会社であるMRT NEO株式会社が運営する歯科クリニックの情報プラットフォーム「icashica.com」の提供開始、(2)株式会社オプティムと共同提供する遠隔診療・健康相談アプリ「ポケットドクター」の提供準備、(3)指先から採取する僅かな血液で、幅広い検査項目に対応できる新たな血液検査法の開発(「ポケットドクター」とデータ連携するアプリ開発を含む)、を進めてまいりました。
個人情報管理体制強化のため、社内システムの構築及び社内インフラの整備をするとともに、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)総合性評価制度の認定を取得しました。
(注)情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)総合性評価制度とは、国際的に整合性の取れた情報セキュリティマネジメントに対する第三者認定制度であります。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は1,001,513千円、営業利益は199,082千円、経常利益は184,399千円、親会社株主に帰属する当期純利益は140,991千円となりました。
また、売上の内訳は、医師紹介(非常勤医師及び常勤医師紹介)939,359千円、コメディカル(看護師、薬剤師、臨床検査技師、臨床工学技士及び放射線技師)紹介などその他62,153千円であります。
なお、当連結会計年度は連結初年度に当たるため、前連結会計年度との比較は行っておりません。
ご参考として、個別決算の業績につきましては、売上高996,400千円(前事業年度比19.8%増)、営業利益198,408千円(同14.3%増)、経常利益195,816千円(同26.0%増)、当期純利益152,636千円(同59.1%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、1,084,641千円となりました。
当連結会計年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果得られた資金は139,745千円となりました。これは、主に訴訟関連費用引当金が23,397千円及び情報セキュリティ対策費用引当金が22,565千円減少、売上債権が37,307千円増加、法人税等の支払額が71,652千円ありましたが、税金等調整前当期純利益216,711千円の計上、未払金が42,109千円増加等したことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は325,072千円となりました。これは、主に投資有価証券の取得による支出86,311千円、関係会社株式の取得による支出147,000千円、敷金及び保証金の差入による支出57,177千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果得られた資金は441,366千円となりました。これは、主に平成27年12月22日払込期日とする第三者割当増資等による株式の発行による収入395,268千円、非支配株主からの払込みによる収入48,000千円等によるものであります。
当社グループは、医療情報プラットフォームの提供事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
(1)生産実績
当社グループは、製品の生産を行っていないため、記載すべき事項はありません。
(2)受注状況
当社グループは、受注生産を行っていないため、記載すべき事項はありません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績を売上区分別に示すと、次のとおりであります。
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売上区分別の名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
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販売高(千円) |
前年同期比(%) |
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医師紹介 |
非常勤医師紹介 |
819,167 |
- |
|
常勤医師紹介 |
120,191 |
- |
|
|
小計 |
939,359 |
- |
|
|
その他 |
62,153 |
- |
|
|
合計 |
1,001,513 |
- |
|
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度より、連結財務諸表を作成しているため、前年同期比について記載しておりません。
当社グループの事業に関連する医療・ヘルスケア市場においては、医局人事統制力の緩和、恒常的な医師不足等といった状況が発生しており、医療分野の人材流動化の傾向が強まっております。このような環境下で、当社は強みとしている医師の互助組織として発足以来の経験・ノウハウの蓄積で確立した医療情報プラットフォームをさらに強化し、以下事項を対処すべき課題と認識して、「医療を想い、社会に貢献する。」という企業理念に沿って永続的な成長を実現するため、各課題に取り組んでまいります。
1.全国的な知名度の向上
当社グループは、東京大学医学部附属病院の医師同士が代診を相互に紹介する互助組織活動にその淵源があり、その結果、医師会員は1都3県の医師に集中しております。そのため1都3県においては、MRTの知名度は相当浸透し、強みを有していると考えております。一方で、1都3県以外の地域では、医師に対する当社の知名度は高いとはいえず、今後は、MRTというブランドを関東以外の地域に浸透させることにより、MRTの知名度の全国的な向上を図ることが求められます。
当社は、地方の学会参加、広報活動の他に、地方拠点の拡充などによるMRTの全国的な知名度向上が、地方における医師紹介の機会増につながるものと考えており、地方における医師不足の解消の一翼を担うことを通じ、地域医療の発展に取り組んでまいります。
医師会員分布
平成28年3月31日現在
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1都3県 |
左記以外 |
合計 |
|
医師会員比率(%) |
71.4 |
28.6 |
100.0 |
(注)1都3県とは、東京都、埼玉県、千葉県及び神奈川県としております。
2.非常勤医師紹介のさらなる強化
当社の医療人材紹介サービスにおいて、特に非常勤医師の人材紹介では、継続的に当社を利用している医師が数多く存在しているという事実があり、当社の強みになっていると考えております。しかしながら、当連結会計年度末日現在、当社に登録している医師会員数は約1万8千人(過去に登録されている医師の累計数(退会者を除く))であり、日本全国の医師数が約31万人(厚生労働省「平成26年(2014)医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」)であることを考えると、会員数の多さという視点ではまだ十分とはいえません。
このため、当社では、今後の非常勤医師紹介の拡大、新規事業展開を進めるため、医師会員数を大きく増やすことが課題であると考えております。当社は、医師同士の口コミにより、医師会員数を増やしてきておりましたが、今後は、営業体制・人員の強化を進め、SNS等の各種媒体を有効活用する等、口コミ以外のアプローチにより、医師会員数及び登録医療機関数の増加を目指しております。
3.医局への取り組み
医局の管理業務は、医師の勤怠管理、代診を含む市中病院への医師の紹介、医師(医局員、後期研修医などを含む)の募集など多岐にわたっており、その管理には多大な労力を投じているというのが実状であります。加えて医局人事統制が緩和される中、当社が医局から市中病院への医師の紹介など医師供給の機能を補完的に行う機会が増えてきているものと考えられます。
医局業務を支援するネット医局®を活用することで、医局にとっては、医局の管理業務の大幅な効率化、省力化がはかられることが期待される一方で、全国規模での医師会員数及び医療機関数の増加が課題である当社にとっては、大学病院を中心に、その関連の市中病院、開業医にいたるまで医局単位で医師をカバーし、医師会員数を増やすことが可能となります。ネット医局®は、医局への導入を推進する目的で、現在無償で提供しておりますが、ネット医局®を通じて医師ネットワークの拡大が図られるものと考えております。
4.新規サービスの拡充
当連結会計年度末日現在、当社グループは、医療情報プラットフォームの拡大に向けて、新たに一般顧客向けサービスとして「ポケットドクター」「icashica.com」「指先採血検査」の提供に取り組んでおります。これらのサービスの質を高めること、より付加価値の高い新たなサービスを提供することで収益性を高め、持続的な成長の実現を目指しております。
また、今後も引続き、これらのサービス以外にも、医師、医療機関、患者、一般顧客及びその他医療関係者に向けたサービスの拡充を目指しております。
5.アライアンス及びM&Aの取り組み
当社グループは、医療人材紹介サービスの拡大、医療・ヘルスケア分野における新規サービスの拡充を加速する目的として、アライアンス及びM&Aを積極的に進めてまいります。当社グループが独自で新規サービス開発等を実施することは、サービス提供までに長期に及ぶ期間を要し、顧客ニーズを含む外部環境の変化に対応することが出来ないリスクがあります。M&A等により、サービス提供期間の短縮、開発コスト削減などを実現することで、顧客ニーズに対応したサービスの提供あるいはサービスの向上を適時実施できるものと考えております。
6.システムの安定稼働と強化
当社グループは、インターネット技術を活用して事業を運営していることから、事業運営上、システムの安定稼働が、極めて重要であると認識しております。このため、当社グループは、会員数又は利用者数に応じたサーバーの増強を含め、システムの安定化のため継続的にシステム強化に取り組んでまいります。
7.人材の採用・育成
当社グループの「対処すべき課題」の解決には、優秀な人材を継続的に採用・育成することが課題であると認識しております。当社グループは、職場環境及び人事制度の整備を通じて、当社グループが必要とする優秀な人材を継続的に採用・育成するべく取り組んでまいります。
当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しております。あわせて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要であると当社が考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。
当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
本項記載の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
1. 事業環境に由来するリスクについて
(1)インターネット関連市場
当社グループの主たる事業は、インターネットを活用した医師を中心とする医療分野の人材紹介事業であり、インターネットの普及・利用状況や技術革新等の影響を受けます。わが国におけるインターネットの普及率は平成26年12月時点において82.8%(総務省「平成27年度版 情報通信白書」)であり、世界的に見ても高水準にあります。しかしながら、今後、インターネット利用の普及に伴う弊害の発生、利用に関する新たな規制の導入、その他予期せぬ要因によって、インターネット利用の順調な発展が阻害された場合、一般的な普及が進んでも何らかの理由で医療従事者の間でのインターネットの普及が阻害された場合、あるいは、急激なインターネットの技術革新が発生し当社グループが対応できない場合等には、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)医療・ヘルスケア市場
現在、当社グループの売上の多くが、医療・ヘルスケア関連分野からのものとなっています。医療・ヘルスケア関連業界は、高齢化などにより今後も市場の成長が見込まれますが、何らかの理由により、市場の成長が停滞し、あるいは市場が縮小するなどした場合や、市場動向に当社が対応できない場合等には、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(3)他社との競合
人材紹介業界は、新規参入障壁が低く、大手事業者から個人事業まで多数存在しています。しかしながら、医療分野の人材紹介業界に限ると、医師からの信頼を得ることが必要であり、当社グループは口コミや紹介をベースに会員を増やしていることから、差別化が図られていると考えております。しかしながら、今後、他社との競合による紹介手数料の低下、事業者間の合併・事業譲渡による再編が進む可能性も否定できず、当社グループがこれらの流れに対応できない場合には、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)法的規制等
当社グループ事業を規制する主な法規制として、「職業安定法」、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下「労働者派遣法」という。)」、「電気通信事業法」、「プロバイダ責任制度法」及び「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」があります。当社グループは、職業安定法に基づく厚生労働大臣の「有料職業事業許可」及び労働者派遣法に基づく厚生労働大臣の「一般労働者派遣事業許可」を受けており、許可の有効期間は5年であります。
職業安定法は、職業紹介事業等が労働力の需要供給の適正かつ円滑な調整に果たすべき役割に鑑み、その適正な運営を確保するために、紹介事業を規制しており、厚生労働大臣は、当社グループが有料職業紹介事業者としての欠格事由(職業安定法第32条)に該当したり、当該許可の取消事由(職業安定法第32条の9)に該当した場合には、許可の取り消しや業務の全部又は一部の停止を命じることが出来る旨を定めております。
また、労働者派遣法及びその施行令においては、原則として医師の医療機関への派遣が禁止されており、例外的にへき地などには医師派遣も法的に許されております。その限りにおいて、労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、「許可の取り消し等」を定めており(労働者派遣法第14条)、派遣元事業主(派遣事業を行う者、法人である場合にはその役員を含む。)が同条第1項のいずれかに該当するときは、許可の取り消しが出来る旨を定めております。
本書提出日現在において、当社グループが職業安定法及び労働者派遣法に定める取消事由に抵触することはありませんが、今後何らかの理由で許可が取り消された場合、当社グループの事業活動が制限され、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
このほか、当社グループは電気通信事業法上の特定電気通信事業者であり、通信の秘密の保護等の義務が課されております。また、当社グループが提供する歯科クリニック情報プラットフォームにおいては、「医療法」及び「保険医療機関及び保険医療養担規則」、加えて、当社グループの人材紹介先である医療機関は、「医療法」及び「薬事法」等の医療関連法規制等の影響を受けております。今後、これらの法規制等の改正等が生じた場合には、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
2. 事業内容に由来するリスクについて
(1)業績の季節変動性
医師紹介においては、紹介した人材の入職日を基準に売上高を計上するため、一般的に年度の始まりとされている4月の転職希望者が多く、第1四半期に売上高が偏重する傾向となります。
平成28年3月期の各四半期会計期間及び各四半期連結会計期間に係る売上高は以下のとおりであります。
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会計期間 |
第1四半期会計期間 |
第2四半期会計期間 |
第3四半期連結会計期間 |
第4四半期連結会計期間 |
|
自平成27年4月1日 至平成27年6月30日 |
自平成27年7月1日 至平成27年9月30日 |
自平成27年10月1日 至平成27年12月31日 |
自平成28年1月1日 至平成28年3月31日 |
|
|
売上高(千円) |
288,948 |
231,817 |
256,181 |
224,565 |
(注) 当社グループは、平成28年3月期第3四半期連結会計期間より連結財務諸表を作成しているため、第3四半期連結会計期間より連結売上高を記載しております。
(2)人材紹介の取引慣行
常勤医師紹介及びコメディカル転職紹介において、当社グループは医療機関に紹介した常勤医師及びコメディカルの入職時に売上高を計上しております。人材紹介事業の慣行として、求職者が自己都合により退職した場合には、求職者の勤務期間に応じて一定率の手数料を返金する取り決めがあり、当社グループにおいても医療機関と紹介手数料を返金する取り決めを行っております。過去の返金実績に応じて売上返金引当金を計上しておりますが、当社グループの想定する以上の返金が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)公務員医師の紹介
公務員医師は、国家公務員法及び地方公務員法に基づき兼業を禁止されておりますが、事前に兼業する許可を取得することで、兼業が認められております。
当社グループは、会員規約等により事前の兼業許可を取得することを医師会員に対して注意喚起しており、事前の兼業許可を取得していることを条件に公務員医師に対して医療機関への紹介を行っております。しかしながら、当該公務員医師が事前の兼業許可を得ていない場合に、当社グループは法令違反の公務員医師を医療機関に紹介する可能性があり、当社グループの職業紹介事業者としての信用が毀損される可能性があります。
なお、当社グループは、医師紹介サイトを通じた勤務実績に応じてMRTポイントを公務員医師を含む医師会員に対して付与しておりますが、公務員医師にとって当該ポイントは公務員の職務に関して収受等されるものではないこと等を弁護士に確認しており、法令に抵触するものではないと考えております。
(4)運営サイトの健全性の維持・向上
当社グループが提供するコミュニティサービスは、医師専用のサイトにおいて、多数の個人会員が会員間で独自にコミュニケーションをとることを可能としております。当社グループは、健全なコミュニティを育成するため、医師が会員登録するにあたり、医師免許や保険医登録票等を確認しており、医師になりすました者等の不適切な利用を排除しております。
しかしながら、今後急速な会員数の拡大等の結果として、当社グループが会員によるサイト内の行為を完全に把握することが困難となり、会員の不適切な行為に起因するトラブルが生じた場合には、当社グループが法的責任を問われる可能性があります。また、法的責任を問われない場合においても、ブランドイメージの悪化等により当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(5)システム障害
当社グループが提供する医療機関の求人情報や医療従事者向け専門サイト等のサービスは、コンピュータシステムと通信ネットワークにより提供されております。
当社グループは、自前のシステム管理体制の構築、定期的バックアップ、稼働状況の監視等により、システムトラブル発生の未然防止又は回避に努めておりますが、自然災害や不慮の事故、想定を上回る急激なアクセス増等の一時的な過負荷その他の要因によりコンピュータシステムにトラブルが生じた場合、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(6)知的財産権
①当社グループの知的財産権について
当社グループは、事業推進のため「MRT」、「ネット医局」、「ポケットドクター」等を商標登録しており、今後においても必要となる提供サービスの呼称等は商標登録し、当社グループの知的財産権として保護・管理する方針としております。しかしながら、当社グループの知的財産権が何らかの理由により侵害された場合には、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
②当社グループによる第三者の知的財産権の侵害について
本書提出日現在において、当社グループが第三者の知的財産権を侵害していないと認識しており、第三者から当社グループが第三者の知的財産権を侵害している旨の通知等を受け取っておりません。当社グループは、インターネットを通じたサービスの提供にあたり、第三者の著作権や商標権等の知的財産権を侵害することがないように、顧問弁護士等との連携を図る等の対策を講じておりますが、当社グループが意図しない形で第三者の知的財産権を侵害するような事態が発生した場合等には、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(7)人材の確保・育成
当社グループが事業拡大を進めていくには、優秀な人材の確保・育成が重要な課題であると認識しております。
しかしながら、人材を適時確保できない場合や人材が大量に社外へ流出してしまった場合、あるいは人材の育成が当社グループの計画どおりに進捗しない場合には、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(8)資本・業務提携
当社グループは、事業拡大及び新規事業の推進を目的として、資本・業務提携を実施しております。今後も事業拡大等に向けた他社との資本・業務提携に取り組んでまいります。しかしながら、経営環境の変化、提携先の業績停滞等により期待どおりの事業シナジー等が得られず、資本・業務提携が変更または解消されることがあります。場合によっては、提携先の財務状態及び業績の悪化等により出資金の一部または全部を損失計上する等、当社グループの財務状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)新規事業の推進
本書提出日現在、当社グループでは、中長期的には、医師ネット紹介での経験・ノウハウを活用し、ネット医局®をはじめとする新規事業に取り組んでまいりますが、これによりシステムへの先行投資や、人件費等の追加的な支出が発生する可能性があります。また、当該事業を推進させるなかで、当社グループの計画どおりに新規事業が進捗しない場合及び十分な収益を見込めず初期投資を回収できない場合等には、固定資産の減損損失の発生等、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
3. その他のリスクについて
(1)個人情報管理
当社グループでは、当社提供のサービスを利用する医師、看護師、その他の医療従事者から取得した個人情報を利用しているため、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されております。
そのため、当社グループは、平成24年3月にプライバシーマークを取得し、日本工業規格(JISQ15001)に合致した個人情報保護規程を策定のうえ、運営サイト上の暗号化や個人情報を管理しているファイルサーバーへのアクセス権限の制限等を通じて、個人情報の機密性を高める施策を講じております。また、平成25年10月に全サーバーシステムをISO27001準拠のデータセンターに移行を完了させ、アクセスログが完全保存される仕組みとするとともに、社員のメールやトラフィックの監視ツールの導入に加え、社員教育の徹底等あらゆる方策を講じております。さらに、平成28年3月に、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)総合性評価制度の認定を取得し、情報セキュリティの強化のための体制を整備しております。しかしながら、何らかの理由により当社グループが管理する個人情報等の漏洩、改ざん、不正使用等の事態が生じた場合、顧客からの損害賠償請求や信用の失墜等により、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)配当政策
当社グループは成長性を第一義と考えており、当面の間、成長資金を要すると考えられますので、内部留保の確保に努め、配当を行わない方針であります。今後、業績及び財務状態等を勘案しながら余剰資金が生まれたと判断される場合に、一定の利益を配当することを検討いたしますが、現時点において配当実施の可能性及び、その実施時期等については未定であります。
(3)潜在株式の行使による当社株式価値の希薄化
当社グループは、当社役員、従業員及び社外協力者に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、当社株式の1株当たりの価値が希薄化する可能性があります。なお、平成28年3月31日における潜在株式数は519,000株であり、発行済株式総数5,210,400株の10.0%に相当しております。
(注)平成28年4月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行っております。上記記載する潜在株式数及び発行済株式総数は、当該分割後の株式数としております。
(4)調達資金の使途
当社グループの公募増資及び第三者資金割当による調達資金の使途につきましては、システム開発及び新規事業開発を中心に充当する予定であります。しかしながら、調達した資金の使途の全てが必ずしも当社の成長に寄与するとは限らず、期待どおりの成果をあげられない可能性があります。
(1)合弁契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
合弁会社名 |
契約期間 |
契約内容 |
|
MRT株式会社 (当社) |
株式会社光通信 株式会社アイフラッグ |
日本 |
MRT NEO株式会社 |
平成27年12月4日から合弁会社存続期間まで |
医科歯科情報お問い合わせサイトを目的をする合弁会社設立 |
(2)業務提携契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約締結日 |
契約内容 |
契約期間 |
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MRT株式会社 (当社) |
株式会社オプティム |
日本 |
平成27年8月28日 |
医療健康相談サービス「ポケットドクター」の共同開発 |
平成27年8月28日から 平成28年3月31日まで |
|
平成28年4月1日 |
業務提携基本契約 |
平成28年4月1日から 平成29年3月31日まで 以後、1年毎に自動更新 |
|||
|
かかりつけ医診療サービス共同提供 |
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。なお、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較分析は行っておりません。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。この連結財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。
(2)財政状態に関する分析
①資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末における総資産につきましては、1,615,414千円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、1,240,556千円となりました。主な内訳は、現金及び預金1,084,641千円、売掛金103,651千円であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、374,857千円となりました。主な内訳は、ソフトウエア45,037千円、投資有価証券220,061千円であります。
②負債
当連結会計年度末における負債につきましては、342,003千円となりました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、224,292千円となりました。主な内訳は、未払法人税等47,588千円、賞与引当金33,020千円であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、117,711千円となりました。主な内訳は、長期未払金97,410円であります。
③純資産
当連結会計年度末における純資産につきましては、1,273,411千円となりました。
(3)経営成績の分析
①売上高
当連結会計年度においては、紹介キャンペーンなど医師会員向けの登録キャンペーンを実施したことにより医師会員登録数が堅調に伸び、さらに地方拠点の拡充等を取り組むことで非常勤医師求人案件数が堅調に推移しました。加えて、医師紹介サービス内容の充実、サービス品質の向上に向けた紹介手数料率の一部改定を実施しました。
この結果、当連結会計年度における売上高は、1,001,513千円となりました。
②売上原価、売上総利益
当連結会計年度における売上原価は、東海及び関西エリアの拠点人員の拡充等により163,812千円となりました。
この結果、当連結会計年度における売上総利益は、837,700千円となりました。
③販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、当社の本社移転に伴う地代家賃の増加、医師会員向けの登録キャンペーンを積極的に実施したことにより、638,617千円となりました。
この結果、当連結会計年度における営業利益は、199,082千円となりました。
④営業外損益、経常利益
当連結会計年度における営業外損益は、受取利息155千円を主な要因とした営業外収益262千円、平成27年12月22日払込期日となる第三者割当増資に係る株式交付費2,747千円及び持分法による投資損失11,417千円を主な要因とした営業外費用14,946千円を計上しました。
この結果、当連結会計年度における経常利益は、184,399千円となりました。
⑤特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、本社移転関連費用11,568千円を特別費用に計上しましたが、情報セキュリティ対策費用引当金戻入額21,983千円及び訴訟関連費用引当金戻入額21,897千円を特別利益に計上したことにより、216,711千円となりました。法人税住民税及び事業税等75,872千円計上した結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は140,991千円となりました。
(4)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、1,084,641千円となりました。
当連結会計年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果得られた資金は139,745千円となりました。これは、主に訴訟関連費用引当金が23,397千円及び情報セキュリティ対策費用引当金が22,565千円減少、売上債権が37,307千円増加、法人税等の支払額が71,652千円ありましたが、税金等調整前当期純利益216,711千円の計上、未払金が42,109千円増加等したことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は325,072千円となりました。これは、主に投資有価証券の取得による支出86,311千円、関係会社株式の取得による支出147,000千円、敷金及び保証金の差入による支出57,177千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果得られた資金は441,366千円となりました。これは、主に平成27年12月22日払込期日とする第三者割当増資等による株式の発行による収入395,268千円、非支配株主からの払込みによる収入48,000千円等によるものであります。
(5)経営戦略の現状と見通し
当社グループは、「医療を想い、社会に貢献する。」を企業理念とし、医療現場の主役である医師と医師との繋がり、そしてその医師のQOLの向上が豊かな医療の創造を実現させるという信念のもと、医師の互助組織を母体として発足いたしました。以来、経験・ノウハウの蓄積により確立した医療分野の人材ネットワークを強みとして医療情報のプラットフォームを提供することで、豊かな医療の創造の実現を目指しております。
上記の目的を実現する上で、経営方針を下記のとおり定めております。
(経営理念)
医療を想い、社会に貢献する。
(ビジョン)
医師とITを通じて、豊かな医療を創造する。
大切に受け継いできた相互扶助精神に基づき、患者様のために医療現場の問題をともに解決し、医療環境の未来をつなぐプラットフォームをつくります。
更なる企業価値向上のために、医師会員登録数及び医療機関登録数の増加に取り組みます。現在、主に口コミを中心に関東圏の会員を増やしておりますが、下記方針により、当社グループ及び当社サービスの知名度及び認知度向上を図ってまいります。
(医局向けサービスの拡充)
大学医局向けのサービスを拡充することにより、大学附属病院を中心に、その関連の市中病院、開業医にいたるまで医局単位での医師及び医療機関にアプローチを実施。
(地方へのビジネスの拡大)
関東圏以外の拠点を設けることにより、地方の医師及び医療機関との距離を縮小。
(自社メディアの活用)
自社メディアを活用して、医師会員及び医療機関に更なる付加価値サービスを提供。
(サービスの多様化)
医療人材紹介サービスに加えて、①医師同士が必要とする情報を交換する場を提供することにより医師と医師とをつなぐサービス、②医療情報を必要とする企業と医師をつなぐサービス、そして、③医療を必要する患者に医師をつなぐサービスの提供することにより、サービスの多様化を実現。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの事業に関連する医療・ヘルスケア市場においては、医局人事統制力の緩和、恒常的な医師不足等といった状況が発生しており、医療分野の人材流動化の傾向が強まっております。このような環境下で、「3 対処すべき課題」に記載のとおり、MRTブランドの浸透、医師会員数及び登録医療機関数の増加、医局への取り組みが当社の経営成績に重要な影響を与える要因と考えております。そのため、当社グループは、MRTの知名度の向上と医師会員及び登録医療機関の獲得のためにサービスの拡充を図ってまいります。