独立監査人の監査報告書

 

 

 

2022年3月31日

MRT株式会社

 

 

取締役会 御中

 

 

 

EY新日本有限責任監査法人

 

 

東京事務所

 

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

北澄 裕和

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

下田 琢磨

 

監査意見

 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているMRT株式会社の2021年1月1日から2021年12月31日までの第23期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。

 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、MRT株式会社の2021年12月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

監査意見の根拠

 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

監査上の主要な検討事項

 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

 

 

関連当事者である医療法人社団Vantage Clinicとの取引

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由

監査上の対応

 会社は、会社の役員の支配する医療法人社団Vantage Clinic(以下、「Vantage Clinic」)との間で医療人材紹介・RPOサービス及び自治体対応窓口サービスの提供取引を行っている。

 会社とVantage Clinicとのこれらの各種取引は、Vantage Clinicが自治体から受託した新型コロナウイルスワクチン接種業務(以下、「ワクチン接種業務」)をVantage Clinicが遂行するために実施された一連の取引であることから、これらの取引を適切かつ十分に理解するためには、取引の相互関連性を含む、会社とVantage Clinicとの取引の全体像を把握する必要がある。当監査法人は、これらの取引が相互に関連した複雑な関係にある一連の取引であり、決済条件を含む取引条件の個別性が高く、取引金額も多額に上っていることから、これら一連の取引を会社の通常の取引過程から外れた関連当事者との取引に該当すると判断した。

 一般的に関連当事者との取引は対等な立場で取引が行われているとは限らず、事業上の合理性のない取引が行われたり、独立第三者間の取引条件から逸脱した条件で取引が行われたりするリスクがある。

 以上より、当監査法人は、当該事項を監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。

 当監査法人は、会社とVantage Clinicとの取引を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。

(1)会社とVantage Clinicとの取引の検討

①事業上の合理性

・取引の事業上の合理性を把握・検討するため、当該取引を承認した会社の取締役会の議事録及びそれらの添付資料を閲覧するとともに、会社の経営者に対して取引実施の経緯、取引内容及び取引条件について質問した。

②社内承認

・取引が適切な会社の承認プロセスを経たうえで行われていることを確認するため、会社の取締役会議事録及びそれらの添付資料を閲覧するとともに、当該取引を承認した取締役会に出席した監査役から当該取締役会における審議の状況を聴取した。

③取引内容・取引条件

・取引内容及び取引条件を把握・検討するため、会社の経営者に質問した。

・医療人材紹介・RPOサービス売上については、会社とVantage Clinicとの間の契約書を閲覧し、独立第三者との取引内容及び取引条件と比較・検討した。

・自治体対応窓口サービス売上については、会社とVantage Clinicとの間の契約書及び当該取引を承認した会社の取締役会の審議資料である社内協議資料を閲覧することにより、取引内容及び取引条件の妥当性を検討した。

④取引の実在性・金額の正確性

・医療人材紹介・RPOサービス売上について、取引の実在性及び金額の正確性を検討するため、連結子会社である株式会社anew(以下、「anew」)が給与支払代行業務としてVantage Clinicに代行して医療従事者に支払った年間給与総額に契約書所定の手数料率を乗じた金額との整合性を検討した。なお、上記の医療従事者へ支払った給与については、サンプルを抽出し、給与金額及び支払先について、会社の基幹システム上の登録データ、anewの給与計算システムから出力された給与支給明細、給与代行支払時の銀行振込明細の3者間の整合性を検討した。

・自治体対応窓口サービス売上について、取引の実在性を検討するため、会社がVantage Clinicのために行っているサービスの内容を会社の担当者に質問したうえで、会社がVantage Clinicのために実際に行った、ワクチン接種業務にかかる契約の締結・まき直し及び業務対価の請求・回収に関する自治体との遣り取りの記録を閲覧した。さらに、取引金額の正確性を検討するため、Vantage Clinicと各自治体との年間取引の総額に契約書所定の手数料率を乗じた金額との整合性を検討した。

・会社のVantage Clinicに対する2021年12月31日現在の債権残高に関する残高確認状をVantage Clinicに対して送付し、回答内容との整合性を検討した。

 

(2)Vantage Clinicと自治体との取引の検討

 上記に加えて、当監査法人は、これらの関連当事者取引の実在性に関する心証を高めるとともに当該取引から生じた会社のVantage Clinicに対する債権の回収可能性を評価するため、会社とVantage Clinicとの取引が発生するもととなったVantage Clinicと自治体間の取引の実在性並びにVantage Clinicの自治体からの契約対価の回収状況及び未回収残高を把握するべく、以下の監査手続を追加で実施した。

・Vantage Clinicと自治体間のワクチン接種業務の受委託にかかる契約の一覧を入手し、Vantage Clinicと自治体との間の契約の存在及び内容を把握した。

・Vantage Clinicの入出金記録を閲覧し、振込人名義が自治体である入金金額を調査することにより、Vantage Clinicの自治体からの業務受託料の回収状況を把握した。

・2021年12月31日までにVantage Clinicが自治体に提供したワクチン接種業務にかかる業務受託料のうち、2022年3月6日時点でVantage Clinicが自治体から未受領のものについては、Vantage Clinicが認識している未収業務受託料について、当監査法人自らが当該自治体に電話で確認を実施した。

 

 

 

NOSWEAT株式の評価

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由

監査上の対応

 会社は、2021年12月31日現在、関係会社株式401,100千円、2021年12月31日に終了する事業年度において関係会社株式評価損213,444千円(うち、株式会社NOSWEAT(以下、「NOSWEAT」)に関するもの203,444千円)を計上している。【注記事項】(有価証券関係)に記載されているとおり、当該関係会社株式は、時価を把握することが極めて困難と認められる子会社株式である。

 【注記事項】(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、会社は、関係会社の財政状態の悪化により当該関係会社の株式の実質価額が著しく低下したときは、当該関係会社株式を実質価額まで減額し評価損を計上している。会社は、実質価額を1株当たりの純資産額に所有株式数を乗じた金額に超過収益力を反映して評価している。超過収益力は、事業計画をもとに算定された将来キャッシュ・フロー及び加重平均資本コストを基礎として算定した割引率により算定している。

 超過収益力の算定における将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となる事業計画の主要な仮定は、医療従事者紹介事業においては、求職者の獲得数、その獲得コストの対売上収益比率、職業を斡旋するキャリアコンサルタント1人当たりの成約数及び成約総額である。また、現在価値を算定するための割引率の見積りの基礎となる主要な仮定は、類似企業のデータを参照した加重平均資本コストである。

 事業計画に基づく将来キャッシュ・フロー及び割引率の見積りについては、不確実性を伴い、経営者の判断が必要である。また、関係会社株式のうち評価損計上前において超過収益力反映前の実質価額が帳簿価額を著しく下回るNOSWEAT株式については、評価損計上の要否の判定において超過収益力の見積りが重要である。

 以上より、当監査法人は、当該事項を監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。

 

 当監査法人は、NOSWEAT株式の超過収益力の算定における会社の事業計画に基づく将来キャッシュ・フローの見積りの妥当性を検討するため、主として以下の監査手続を実施した。

・将来の事業計画について会社及びNOSWEATの経営者と協議した。

・将来の事業計画について適切な承認プロセスを経ていることを確認するため、会社の取締役会議事録及びそれらの添付資料を閲覧した。

・医療従事者紹介事業における今後の求職者の獲得数、その獲得コストの対売上収益比率、職業を斡旋するキャリアコンサルタント1人当たりの成約数及び成約総額の見積りの合理性及び実現可能性を検討するため、過年度実績との比較及び今後の事業方針等との整合性を検討した。また、会社の取締役会で決議された人材紹介事業及び人材派遣事業の統廃合の内容と将来の事業計画との整合性を検討した。

 

 当監査法人は、NOSWEAT株式の超過収益力の算定において会社が採用した割引率の妥当性を検討するため、主として以下の監査手続を実施した。

・経営者の利用する専門家が作成した割引率の算定書を入手し、当該算定書における割引率と会社が採用した割引率との整合性を検討した。

・割引率の算定において利用されたインプット情報については、類似企業の選定の妥当性及び会社が採用したリスクフリーレートと外部情報との整合性を検討した。

・割引率について感応度分析を実施し、超過収益力に与える影響を評価した。

 

 当監査法人は、NOSWEAT株式に対する会社の評価損計上の要否の判断の妥当性を検討するため、主として以下の監査手続を実施した。

・NOSWEAT株式の取得原価とNOSWEAT株式の超過収益力を反映した実質価額とを比較し、取得原価が実質価額を上回る額と会社が計上した関係会社株式評価損とを突合した。

 

財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任

 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 

財務諸表監査における監査人の責任

 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。

 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。

・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。

・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。

・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。

 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。

 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。

 

利害関係

 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

以 上

 (注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。

2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。

 

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