当事業年度における我が国経済は、緩やかな回復傾向が見られたものの、中国や新興国の景気減速並びに金融市場の変動による影響が懸念されるなど、景気の先行きは依然として先行き不透明な状態が続いております。
このような環境下、当社を取り巻くエンターテインメント系ソフトウェア業界におきましては、スマートフォンの普及が本格化し、引き続き拡大傾向が続いております。また、スマートフォンにおけるゲーム市場は、平成28年度には9,450億円(出所:株式会社矢野経済研究所「スマホゲーム市場に関する調査結果 2015」)に達すると予想されており、今後も同環境は大きく成長していくことが予想されます。
このような状況下、当社はゲームを中心としたエンターテインメント系企業へ向けた人材ソリューション事業および、パソコン・モバイル・家庭用ゲーム機器向けゲームコンテンツの企画・開発・運営を行うコンテンツプロパティ事業を引き続き積極的に展開し、取り組んでまいりました。
この結果、当事業年度における売上高は2,403,146千円(前事業年度比44.1%増)、営業利益は188,276千円(前事業年度比1.7%増)、経常利益は185,804千円(前事業年度比5.5%増)、当期純利益は120,288千円(前事業年度比9.7%増)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
① ソリューション事業
ソリューション事業は、スマートフォンアプリ、オンラインゲーム、家庭用ゲーム、遊戯機器、映像制作などのエンターテインメント系企業や金融、商業、サービス業などの企業に対し、プログラミング・グラフィック開発スキル、設計・企画プランニングスキルを持った当社社員(クリエイター&エンジニア)が直接顧客企業に常駐し、開発業務を行っております。中でも、スマートフォンを中心とした開発案件は昨今需要が旺盛であり、これに対応するため、当事業年度においては組織変更を行い、クリエイティブソリューション部、ITソリューション部、中部リージョンソリューション部の三事業部制へ移行し、営業体制の強化を図りました。加えて、顧客戦略についても随時見直しと効率化を図り、エンターテインメント系企業への深耕営業を積極的に推進するとともに、当社社員が保有するクリエイティブな開発スキルが発揮できるインターネットサービス関連顧客への営業活動も積極的に推進いたしました。
また、クリエイター&エンジニアの安定的な確保を図るために、自社養成に積極的に取り組み、クリエイター&エンジニアの自社養成プログラム『プロジェクトNSCA(ナスカ)』を継続し、経験者採用に留まらない技術社員の確保に引き続き努めました。
この結果、当事業年度における稼働プロジェクト数は3,412となり、前事業年度における2,563プロジェクトから849プロジェクト増加し、当事業年度における売上高は2,027,646千円(前事業年度比40.1%増)、セグメント利益は518,712千円(前事業年度比44.5%増)となりました。
② コンテンツプロパティ事業
コンテンツプロパティ事業は、ゲームサービス、ライセンスサービス、協業開発サービスの3種で構成されますが、当事業年度においては、前事業年度同様、主にゲームサービスに力を入れてまいりました。
ゲームサービスにおいては、「桃色大戦ぱいろん・ぷらす」(PCオンラインゲーム)、「桃色大戦ぱいろん・生」(PCブラウザゲーム)、「桃色大戦ぱいろん~モバ雀~」「つみにん~うみにん大サーカス」(スマートフォンアプリ)を運営してまいりました。また、当事業年度においては家庭用ゲーム参入第1弾タイトルとして、任天堂3DS向け家庭用ゲーム「ラングリッサー リインカーネーション-転生-」を発売いたしました。
「桃色大戦ぱいろん・ぷらす」については、課金サービス開始から7年が経過し、長期間のサービス提供によるゲームシステムの陳腐化、マシンスペックに左右される動作環境など、アーキテクチャ(設計思想)のウィークポイントが散見されるようになったことから、平成27年12月21日をもってサービス終了とし、マシンスペックに左右されず、ゲームシステムの機能強化を継続的に行っている「桃色大戦ぱいろん・生」へのサービス移管を行い、「桃色大戦ぱいろん・ぷらす」ユーザーの登録情報及び保有データの引き継ぎサービスを行いました。
「桃色大戦ぱいろん~モバ雀~」については、サービス開始前に2万人以上の事前登録ユーザーを確保したものの、開発遅延が発生し、サービス提供開始後の利用者数が低調に推移したことから、想定した収益を確保することができませんでした。このような状況を改善すべく、販売商品の見直しやプラットフォームによる集客施策など、可能な限りの施策を行いましたが、収益が改善する見込みが立たないことから、平成27年8月28日をもってサービスを終了いたしました。
「ラングリッサー リインカーネーション-転生-」については、限定版および通常版の2バージョンを発売し、それぞれ売上形成に貢献いたしました。
ライセンスサービスについては、「ラングリッサー リインカーネーション-転生-」において、米国Aksys Games Localization,Incとライセンス許諾契約を締結し、全世界での販売権をAksys Games Localization,Incへ許諾するとともに、海外バージョンのローカライズ(翻訳)開発業務を当社が受注し、第3四半期において納品いたしました。また、当社保有IPである「ラングリッサー」シリーズをスマートフォンアプリ向けに中国天津紫龍奇点互動娯楽有限公司(許諾地域は、中国本土、香港・台湾・マカオ・韓国・タイ・ベトナム・インドネシア・マレーシア・シンガポール・アメリカ・カナダ)へライセンス許諾いたしました。
協業開発サービスについては、期首より大手ゲームパブリッシャーからブラウザゲーム開発案件を継続受託するとともに、第3四半期において新規プロジェクトを2タイトル受注し、売上形成に貢献いたしました。
この結果、当事業年度における売上高は375,499千円(前事業年度比71.0%増)、セグメント損失は41,587千円(前事業年度はセグメント利益13,576千円)となりました。ライセンスサービスについては利益を確保いたしましたが、ゲームサービスにおいて「桃色大戦ぱいろん~モバ雀~」の早期サービス終了および「桃色大戦ぱいろん」シリーズ統合による一時的な売上高の減少、協業開発サービスにおいて大手ゲームパブリッシャーより継続受注中であったブラウザゲーム開発案件が当事業年度において中止となったことから、セグメント損失が発生いたしました。
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末と比べ126,417千円減少し、562,176千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は80,764千円(前事業年度は242,034千円の収入)となりました。これは、主に売上債権の増加95,442千円があったものの、税引前当期純利益185,804千円及び未払金の増加29,175千円などにより資金獲得したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は197,115千円(前事業年度は126,824千円の支出)となりました。これは、主に投資有価証券の取得による支出165,770千円により資金使用したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は8,563千円(前事業年度は243,476千円の収入)となりました。これは、株式の発行による収入38,690千円により資金獲得したものの、配当金の支払いによる支出34,900千円、長期借入金の返済による支出10,080千円により資金使用したことによるものであります。
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当社の受注は、ソリューション事業におけるものでありますが、当該事業では、その形態から受注金額と販売金額がほぼ同等となるため、記載を省略しております。
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
ソリューション事業 | 2,027,646 | 140.1% |
コンテンツプロパティ事業 | 375,499 | 171.0% |
合計 | 2,403,146 | 144.1% |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先がないため記載を省略しております。
当社において収益基盤の更なる拡大及び経営の安定化を図っていくうえで対処すべき課題は以下のとおりであります。
(1) ソリューション事業
① クリエイター及びエンジニアの確保
当社のソリューション事業における人材ソリューションサービスの柱は、当社社員であるクリエイターまたはエンジニアであり、現在までに当該社員数とサービス提供先企業数が順調に推移してきたことから、業容を拡大して参りました。一方で慢性的な技術人材不足は今後も継続すると予想されております。このため、当社では更なるクリエイター及びエンジニアの確保及び社員定着率の向上を図る必要があると認識しております。
そのため、福利厚生、研修制度、技術交流などを充実させ、社員コミュニケーションの活性化による帰属意識とロイヤルティを高め、人材確保に努めてまいります。
② サービス提供先の適切な選別
当社のソリューション事業における人材ソリューションサービスでは、エンターテインメント系企業を主要顧客としております。近年スマートフォンアプリ市場の飛躍的な成長により、市場規模は順調に拡大しております。しかし、エンターテインメント業界は娯楽産業であるため景況感に左右される要素があり、需要の変動が大きく変化する場合があります。このため当社ではエンターテインメント系企業の顧客に留まらず、クリエイティブなスキルが要求されるインターネットサービス業界など当社社員の技術力をシームレスに活用できる分野へも積極的に参入し、収益の安定化を図ってまいります。
③ 内部管理体制の強化
当社が急速な事業環境の変化に適応しながら持続的な成長を維持していくためには、各種業務の標準化と効率化を図ることにより事業基盤を確立させることが重要な課題であると認識しております。そのためには、全従業員が業務マニュアルや規程等を遵守することを一層徹底することにより、内部管理体制の強化を図ってまいります。
(2) コンテンツプロパティ事業
① 収益源の確保
当事業はこれまでPC向けオンラインゲームにおける課金収入を主な収益源にしておりますが、変化の激しいゲーム業界において、絶えず新たな収益源を模索していく事が重要と考えております。現在はPCオンラインゲームを主なサービス領域としておりますが、今後市場拡大が予測されているスマートフォン、タブレット端末向けにも積極的にタイトルを投入するとともに、収益の源泉となり得るキャラクターや新規IP開発をはじめ、自社保有IPを活用した家庭用ゲームの開発及び販売などサービスポートフォリオの拡充に努めてまいります。
② 独自性の強いタイトル投入
PC向けオンラインゲーム及びスマートフォン、タブレット向けゲーム市場は参入障壁が低く、多数のサービスが存在しております。また、無料でプレイできる作品も多く消費者の選択余地は広く競争も激化しております。このような市況において「お客様に手にとっていだだく」ことが今後重要な要素であると当社は考えております。このため、新規性のある企画を継続的に生み出せるよう、部署を限定しない社内企画募集制度の導入、社長賞制度などインセンティブプランを整備することで、「桃色大戦ぱいろん」のような独自性の高いサービスを継続的に投入していくことを重要課題として取り組んでまいります。
③ サービス運営基盤の強化
インターネットを介したゲームサービスにおいては、ゲームの品質を維持するために開発・運営業務の品質を安定的に保つことが重要な課題であると認識しております。そのため、消費者が満足する運営施策、サービス拡張、サポート等を継続的に高いレベルで維持するために運営スタッフの教育、組織体制の強化を継続して行っていく方針であります。
④ セキュリティ対策への取り組み
昨今、悪意を持つ第三者によるサーバなどへのネットワーク構成機器に対する攻撃、サイト改ざんなどの外部からの攻撃による事故が多数発生しております。これらの妨害行為は、消費者への不利益を発生させるとともに、サービスの継続に支障をきたす恐れがあります。当社はこれまでも社内エンジニア及び外部専門業者による定期的なセキュア対策を講じておりますが、今後も消費者が安心して当社のサービスを楽しんでいただけるよう、情報セキュリティの強化に注力してまいります。具体的なセキュア対策としては、ネットワークセキュリティ対策(ファイヤーウォール)強化、サーバセキュリティ対策(ウィルス対策、定期的なセキュリティ診断等)、社内セキュリティ対策(社内PC一元管理システム、社内ファイヤーウォール運用、ウィルス対策、社内ネットワークの分離化等)を行っております。
投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資判断上重要と考えられる事項については投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。当社はこれらのリスクの発生可能性を認識したうえで、その発生の予防及び発生時の対応に努力する方針ですが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1) ソリューション事業に関するリスク
① クリエイター及びエンジニアの確保について
当社はソフト開発等の技術サービスを提供するソリューション事業を展開しているため、クリエイター及びエンジニアは重要な経営資源であり、優秀な技術社員の確保が事業拡大の必要条件であります。
技術社員の採用環境については、メーカーにおいては外部環境のさまざまな変化に対応すべく、業種及び企業間により格差が見られますが、収益改善から拡大に向けた採用の拡大も予想されます。当社においても好調な受注状況を背景に稼働率が高い水準で推移しております。そのような環境の中で即戦力技術社員の採用を積極化させております。
今後も開発ニーズ増加により技術社員不足が起こることが予想されるため、効率的かつ効果的な採用活動を行い、技術社員を確保してまいります。また、技術社員とのコミュニケーションの充実を図り、技術社員が働きやすい環境を整えるために社内に技術交流施設を設置し、社員の定着化向上に努めております。しかし、技術社員の確保が十分に行えない場合や技術社員の退社が少なくない場合は顧客企業からの設計開発ニーズ、技術者要請に対応できないことになり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 競合について
労働者派遣事業について厚生労働省より平成28年3月31日に発表された労働者派遣事業報告によると平成27年6月1日現在の派遣労働者数は約134万人と対前年比6.7%増となっております。当社の主要顧客であるエンターテインメント系企業においては収益を改善する過程で新製品開発やサービス改良は重要な位置付けにあり、人材のアウトソースの流れは堅調と予測されます。
一方で、技術派遣業界には優秀な技術者の確保、営業力等の質的な差別化が今まで以上に要求され、企業間の競争はさらに激しくなっていくものと考えられます。そのような環境のもと受注競争が激しくなり、同業他社の低価格戦略や取引先からの値下げ要請を受ける可能性もあります。当社は提供する技術サービスの質的向上を図るほか設計・開発ニーズの変動への柔軟かつ的確な対応ができる戦略的営業・技術教育の推進により適正な収益を確保しつつ事業の拡大を図るべく努めておりますが、競合が激しくなるなかで受注が十分に確保できない、または技術料金が低下すること等によって、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 特定業種への高依存度リスクついて
当社の主力事業であるソリューション事業のうち人材ソリューションサービスは、ゲームや遊戯機器などを提供するエンターテインメント系企業を主要顧客としております。近年におけるスマートフォンアプリ市場の飛躍的な成長に連動して、当社が提供する人材ソリューションサービスも順調に拡大しております。しかし、エンターテインメント業界は娯楽産業であるため、景況感や流行に左右されやすく、今後スマートフォンアプリ市場をはじめとするエンターテインメント業界全体の動向に大きな変化が起きた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 法的規制について
当社の主力事業であるソリューション事業のうち人材ソリューションサービスは、厚生労働省が指定する「労働者派遣事業」に該当し、厚生労働大臣の認可が必要であります。当社では関係法令の遵守に努め労働者派遣を行っておりますが「労働者派遣法」に定める派遣元事業主としての欠格事由に該当したり、法令に違反したりする場合は当該事業の停止を命じられ、事業が営めなくなるリスクがあります。
また、労働者派遣事業と請負により行われる事業の区分に関しては、「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(労働省告知第37号)において指揮命令系統の明確化や請負部門の独立化などの点について示されております。当社の行う業務請負についても、実質的に労働者派遣とみなされ「労働者派遣法」に違反するような場合には業務停止を命ぜられ事業が営めなくなるリスクがあります。
当社では、業務の健全かつ適正な運営の為、業務の実態の内部監査を実施しており、労働法・労働者派遣法を含む各種法規と照らし合わせて違反となっていないかを調査しておりますが、新たに法規制の緩和や改正などが行われ、当社事業に不利な影響を及ぼす場合、また、これら法令等に抵触したことにより処分等を受けた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
許可・指定・免許・ 登録・届出の別 | 有効期限 | 関連する法令 | 登録者の交付者 |
一般労働者派遣事業許可 | 平成32年4月30日 | 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律第5条1項 | 厚生労働大臣 |
取消等となる事由
(1)労働者派遣法(以下「法」という。)第六条各号(第四号から第七号までを除く。)のいずれかに該当しているとき。
(2)法(第二十三条第三項、第二十三条の二及び次章第四節の規定を除く。)若しくは職業安定法の規定又はこれらの規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき。
(3)法第九条第一項の規定により付された許可の条件に違反したとき。
(4)法第四十八条第三項の規定による指示を受けたにもかかわらず、なお法第二十三条第三項又は第二十三条の二の規定に違反したとき。
⑤ 顧客の企業機密漏洩について
当社が行うソリューション事業は、顧客企業における新製品開発等の設計に係る機密性、ノウハウの高い業務であるため、当社では社員入社時、顧客先プロジェクト参画時などに企業機密保持の重要性を認識させるため指導・教育を行うとともに、万が一に備えて事業総合賠償責任保険に加入しております。しかしながら、万が一顧客の企業機密が外部に流出した場合、当社の社会的信用を失墜させることになるだけでなく、その漏洩による取引解消請求等の恐れがあります。このような場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 業務請負(委託)契約に基づく瑕疵担保責任について
当社が行うソリューション事業受託開発サービスは、業務請負(委託)契約となっており、設計・開発を請負って完成すべき業務の遂行や成果物に対して対価を受領しております。従って業務請負(委託)契約で完成すべき業務や成果物に係る瑕疵担保責任や製造物責任などの追及を受ける可能性がありますが、当社では、これら瑕疵担保責任や製造物責任に係るリスクを軽減するために、個別契約(注文書)において、完成すべき業務や成果物の仕様、検収方法を明確に定義しております。しかし、当該追及を受けた場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) コンテンツプロパティ事業に関するリスク
① オンラインゲーム市場の成長性について
インターネット利用率の上昇やブロードバンド普及率の拡大に伴い、国内外問わずインターネット市場は拡大していくことが予測されております。中でも当社が事業を展開するPC及びコンソールゲーム機を対象としたオンラインゲームの国内市場規模は、平成26年度において1,149億円(社団法人日本オンラインゲーム協会調べ)と一定の規模を有しております。また、当社では、汎用性が高くPC能力に依存しないブラウザゲームやスマートフォンアプリなどへの開発及び調達にも注力しております。しかしながら、オンラインゲーム業界は比較的歴史が浅いこともあり、当社の予想通りにオンラインゲーム市場が成長しない場合や、スマートフォン・タブレット端末等の代替デバイスへの対応が計画通りに進捗しない場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② アイテム課金型のビジネスについて
PC向けオンラインゲーム市場においては、利用者が基本無料で遊ぶことのできるゲーム、サービスが主流となっており、当社のタイトルにおいてもアイテム課金による収益が主な収益源となっております。そのため当社は、アイテム課金が継続的に行われるよう、サービス内容と課金のバランスを慎重に設計しております。しかしながら、利用者の課金利用が促進されない設計が行われてしまった場合、想定していた課金件数、課金額が想定と大幅に乖離する可能性がある場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ プラットフォーム運営事業者との契約について
当社が運営するゲームタイトルの一部においては、プラットフォーム運営事業者を介して利用者にゲームタイトルを提供するため、プラットフォーム運営事業者とゲームタイトル提供に関する契約を締結する必要があります。当社は、プラットフォーム運営事業者との契約を遵守し、適切なゲームタイトルを配信するための体制を構築しておりますが、プラットフォーム運営事業者の方針又は事業動向の変化によって、当社が提供するゲームタイトルが不適当であると判断され、ゲームタイトルの配信停止或いはゲーム提供に関する契約解除に至る状況に陥った場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 競合について
オンラインゲーム市場は、独自の開発機材や大規模な設備投資が必要ないことから、比較的参入障壁が低く国内外問わず新規事業者の参入が活発であります。当社が提供するゲームコンテンツは、消費者嗜好に随時対応し、満足度の高いサービス提供を行うため、開発及び運営体制の強化を常に行っております。しかしながら、既存事業者及び新規事業者との競争激化、消費者嗜好と乖離した施策を行った場合など、当社のゲームタイトルが競合他社と比較して優位性を保てなくなった場合は、当社の提供するゲームタイトルの利用者数が減少し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ システムダウンについて
当社の提供するサービスは、コンピュータシステムと通信ネットワークを通じて消費者へサービスを提供しております。当社では、サーバの分散化、定期的なバックアップ、稼働状況の監視、セキュア対策など可能な限りのトラブル事前防止策に努めております。しかしながら、自然災害や不慮の事故などによる物理的な事故、悪意を持つ第三者によるサーバ攻撃など人為的な事故など、当社サービス停止に至る状況に陥った場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 新たなコンテンツの創出に関するリスク
当社は、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるため、今後も積極的に自社によるキャラクターや新規IP開発など新たなコンテンツの創出に注力していく方針であります。特にコンテンツプロパティ事業については、ゲーム・キャラクターなどの開発のために相当程度の投資が必要になるとともに、製品化まで一定の期間を要します。これら新規コンテンツの創出において、開発の遅延、停滞などによる追加的な支出の発生、あるいは計画通りに収益が確保できない場合においては、投資が回収できず、減損損失等が発生し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 組織体制に関するリスク
① 代表取締役社長CEOへの依存について
当社代表取締役社長CEOの佐藤昌平は当社の創業者であり、また、技術者としての豊富な経験を有していることから、当社設立以来、当社の経営戦略、技術開発戦略において、極めて重要な役割を担っております。当社は、経営体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の確立に努めておりますが、何らかの理由により、同氏が当社の業務を継続することが困難になった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 人材の確保、育成について
当社が事業拡大を進めていくためには、優秀な人材を確保することが極めて重要な要素であると考えており、外部からの人材獲得及び社内の人材育成に加え、人材流出を防止するための環境整備を重要課題として取り組んでおります。しかしながら、ソフトウェア業界での人材獲得競争が非常に激しいことから、必要な人材を必要な時期に十分に確保できない場合及び社内の有能な人材が流出してしまった場合には、今後の事業展開に制約を受けることとなり、この結果、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 個人情報管理について
当社は、当社が運営するサイト利用者の個人情報を取得する場合があります。当社では「個人情報の保護に関する法律」に従い、個人情報の厳正な管理を行っております。このような対策にも関わらず、個人情報の漏洩や不正使用等の事態が生じた場合、損害賠償請求等の金銭補償や企業イメージの悪化等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) その他のリスク
① 知的財産権について
当社は、当社が保有するゲームタイトル、キャラクターなどに関する知的財産権の保護に努めるとともに、第三者の知的財産権を侵害しない体制として、当社管理本部に担当者を配置し、当社及び外部への委託等により調査を行っております。しかしながら、今後当該事業分野において第三者の権利が成立した場合、また、認識していない権利がすでに成立している場合、第三者より損害賠償及び使用差止め等の訴えを起こされる可能性及び権利に関する使用料等の対価の支払が発生する可能性があります。また、当社が保有する知的財産権についても、第三者により侵害される可能性があり、当社が保有する権利の権利化が出来ない場合もあります。こうした場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 自然災害、事故等について
当社では、自然災害、事故等に備え、サーバの分散化、定期的バックアップ、稼働状況の監視によりシステムトラブルの事前防止または回避に努めておりますが、当社本社の所在地である関東圏において、大地震、台風等の自然災害や事故等により、設備の損壊や電力供給の制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生した場合、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
③ ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化について
当社は、取締役及び従業員に対するインセンティブを目的として、ストック・オプションを付与しております。これらのストック・オプションが権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。平成28年3月末現在これらのストック・オプションによる潜在株式数は81,600株であり、発行済株式総数1,226,100株の6.7%に相当しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な後発事象 (取得による企業結合)」をご参照ください。
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、将来生じる実際の結果とは異なる可能性がありますので、ご留意ください。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載の通りであります。
その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 財政状態の分析
(資産の部)
当事業年度末における総資産は、売上高増加に伴う売掛金の増加95,962千円、投資有価証券の増加113,040千円があったものの、現金及び預金の減少126,417千円などにより、1,237,554千円となり、前事業年度比74,563千円の増加(前事業年度比6.4%増)となりました。
(負債の部)
当事業年度末における負債は、未払金の増加21,106千円、未払費用の増加7,185千円、賞与引当金の増加11,957千円があったものの、未払法人税等の減少67,291千円、長期借入金の減少10,080千円などにより、382,835千円となり、前事業年度比40,270千円の減少(前事業年度比9.5%減)となりました。
(純資産の部)
当事業年度末における純資産は、配当金の支払いにより34,995千円減少したものの、当期純利益の計上に伴う繰越利益剰余金の増加120,288千円などにより、854,719千円となり、前事業年度比114,834千円の増加(前事業年度比15.5%増)となりました。
(3) 経営成績の分析
当事業年度の業績は売上高2,403,146千円(前事業年度比44.1%増)となりました。売上原価は1,648,647千円(前事業年度比48.5%増)、販売費及び一般管理費は566,222千円(前事業年度比52.3%増)となり、この結果、営業利益は188,276千円(前事業年度比1.7%増)、経常利益は185,804千円(前事業年度比5.5%増)、当期純利益は120,288千円(前事業年度比9.7%増)となりました。
(売上高)
<ソリューション事業>
ソリューション事業におきましては、ソーシャルゲーム・スマートフォンアプリ市場の好調を背景に受注が順調に拡大いたしました。当事業年度における稼働プロジェクト数は3,412となり、前事業年度における2,563プロジェクトから849プロジェクト増加し、当事業年度における売上高は2,027,646千円(前事業年度比40.1%増)、セグメント利益は518,712千円(前事業年度比44.5%増)となりました。
<コンテンツプロパティ事業>
コンテンツプロパティ事業におきましては、ライセンスサービスについては利益を確保いたしましたが、ゲームサービスにおいて「桃色大戦ぱいろん~モバ雀~」の早期サービス終了によるソフトウェアの一括償却および「桃色大戦ぱいろん」シリーズ統合による一時的な売上高の減少、協業開発サービスにおいて大手ゲームパブリッシャーより継続受注中であったブラウザゲーム開発案件が当事業年度において中止となったことから、売上高375,499千円(前事業年度比71.0%増)、セグメント損失41,587千円(前事業年度はセグメント利益13,576千円)となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、1,648,647千円(前事業年度比48.5%増)となりました。これは主に、ソリューション事業のプロジェクト数の増加に伴う労務費及び外注費、コンテンツプロパティ事業におけるプラットフォーム事業者等への支払手数料によるものであります。この結果、売上総利益は754,498千円(前事業年度比35.5%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、566,222千円(前事業年度比52.3%増)となりました。これは主に、事業拡大に伴う広告宣伝費、営業部門及び管理部門の増員に伴う人件費によるものであります。この結果、営業利益は188,276千円(前事業年度比1.7%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
営業外収益は、4,607千円(前事業年度比43.4%減)となりました。これは主に、受取利息及び有価証券利息によるものであります。営業外費用は、7,079千円(前事業年度比58.5%減)となりました。これは主に、為替差損及び支払手数料によるものであります。この結果、経常利益は185,804千円(前事業年度比5.5%増)となりました。
(当期純利益)
法人税等として、65,515千円を計上しました。この結果、当期純利益は120,288千円(前事業年度比9.7%増)となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末と比べ126,417千円減少し、562,176千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は80,764千円(前事業年度は242,034千円の収入)となりました。これは、主に売上債権の増加95,442千円があったものの、税引前当期純利益185,804千円及び未払金の増加29,175千円などにより資金獲得したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は197,115千円(前事業年度は126,824千円の支出)となりました。これは、主に投資有価証券の取得による支出165,770千円により資金使用したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は8,563千円(前事業年度は243,476千円の収入)となりました。これは、株式の発行による収入38,690千円により資金獲得したものの、配当金の支払いによる支出34,900千円、長期借入金の返済による支出10,080千円により資金使用したことによるものであります。
(5) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社の事業領域であるエンターテインメント系市場の技術革新は日進月歩であり、当社の安定的かつ継続的な成長のためには、新たな技術やサービスに対応した、人材及びプロダクトを提供していくことが求められております。
そのためには、当社知名度向上のための施策、優秀な人材の確保、研修施設及び拡充による社員の技術力向上、魅力あるコンテンツの開発、有力企業との提携、コンテンツの海外展開などを行っていく方針です。
(6) 経営戦略の現状と見通し
当社では、中期的にソリューション事業及びコンテンツプロパティ事業の2つの事業それぞれが成長することを目指すとともに、2つの事業が相互に連携し、相乗効果を生み出すような取り組みを行ってまいります。
各事業は、特定の消費者のニーズに対応した人材やプロダクトの提供を、他社に先駆けて実現するとともに、サービス内容の増加により事業規模の拡大を図っていく戦略であります。一方、新たなプロダクトの運営にあたっては、既存の運営システムを最大限転用することで新たな固定費の支出を抑え、プロダクト毎の採算性を高めてまいります。
相乗効果を生み出すケースといたしましては、事業部門の垣根を超え、ソリューション事業で取り組んだエンターテインメント関連のプログラム開発技術やグラフィック開発技術をコンテンツプロダクトの開発に生かしたり、コンテンツプロパティ事業で関わったコンテンツ開発技術がソリューション事業におけるエンジニアの技術力に生かせるといった点があげられます。これらの相乗効果により当社サービスの品質と顧客満足度の向上により収益機会を増大させることを計画しております。