第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)綿半の歴史と経営方針

 1500年代、「合」の旗印を掲げた織田信長の武将の一人は、民家臣とともに力を合わせ、地域を守り、地域の発展に邁進しておりました。本能寺の変の後は、民家臣の生活を守るために刀を捨て、綿商いを始めました。これが「綿半」の始まりです。

 明治の世の大変動時には、綿から鉄へ変革を遂げました。ここが分岐点となり、金物販売からホームセンター・スーパーセンター・インターネット通販へ変革した小売事業、建材販売から下請工事、メーカーへ発展した建設事業に分かれました。時代の変化に合わせて輸入販売を行う貿易事業も開始し、現在の3事業が形成されております。このように綿半は常に時代の流れを読み、形を変え、多様性ある企業グループへ変革を続けてまいりました。

 これらの歴史を背景に、当社は力を合わせ、分かち合い、響き合う「合才の精神」を経営理念に掲げ、1500年代から現在に至るまで経営者と社員の隔てなく、社員全員による企業を目指しております。また、「絶え間なき暮らしの変革」を事業理念に、時代の変化に対応し、地域社会の活性化と人々のより良い地球環境と生活環境構築のために邁進しております。

 綿半グループでは、未来を担う子どもたちのために持続可能な社会の実現に取組んでおり、SDGsの達成に意欲的な長野県の企業として、「長野県SDGs推進企業」に登録されております。子どもたちの成長が地域の発展に繋がるという想いから、1953年に始めた奨学金制度を皮切りに、子どもたちの教育支援や、事業活動を通して、地域社会の活性化等に取組んでおります。

 綿半グループでは、これからも、子どもたちの未来のために持続可能な社会の実現に取組んでまいります。

 

(2)経営環境と綿半のめざす姿

 当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が進み、経済活動に緩やかな回復の兆しがみられましたが、新たな変異株の蔓延による感染拡大の波が断続的に訪れるなど、総じて厳しい事業環境で推移いたしました。海外経済においては、新型コロナウイルス感染症による影響が緩和されるなかで、経済活動の持ち直しの動きが続いております。一方で、世界的な半導体不足、原油価格の高騰に加えて、ウクライナ情勢の緊迫化による経済活動への影響が懸念されるなど、予断を許さない状況が続いております。

 このような状況の中、経営理念である「合才の精神」に基づき、人々の暮らしに寄り添う企業を目指すべく、中期経営計画として「地域に寄り添い地域と共に新しい価値を創造する」を掲げております。数値目標としては、2025年3月期に売上高1,350億円、経常利益40億円と定めました。

 綿半グループは、今一度、420年続いた信用・信頼がどのように培われたのかを見つめ直し、「暖簾」「地域」「環境」の3つの柱をもとにより一層の成長を目指し、長野県はもちろん、新たにグループ入りした各事業会社の地域経済に貢献していく所存であります。今後も「地域」との繋がりを大切にしながら、地域の発展に尽くしてまいります。

 経営指標としては、売上高経常利益率を指針として定めております。事業の成長・差別化・高収益化を図り、長期的には5%以上を目標としております。

 なお、当連結会計年度における売上高経常利益率は、2.6%でした。

 

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2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

ROE

11.5%

10.0%

11.5%

12.0%

自己資本比率

24.7%

25.4%

29.8%

27.8%

 

(3)対処すべき課題と戦略の実施状況

①グループ全体の取組み

 AI、ロボット化、МaaS等、第4次産業革命の到来により、世の中は急激な変化が予想されております。また、新型コロナウイルス感染症の流行による働き方の変化も起こるとともに、女性や高齢者、外国人労働者など労働者属性の多様化も進んでおります。

 当社は働き方改革が提唱される以前から、テレワーク制度やフレックス制度、パパ産休の導入や、それに伴うデジタル化にいち早く取組み、生産性向上を図ってきました。今後も加速する世の中の変化に対応するため、さらなるICT化と時代に沿った人的資源管理施策に取組んでまいります。

 

○ICT化のさらなる推進による事業価値の向上

・適切かつ迅速な情報共有の仕組み化及び、情報通信技術の活用のためICT室の設置

・グループ会社間、取引先との協働、連携体制の構築

・働き方改革に向けたICT関連の整備

 

○時代に沿った人的資源管理施策の実行

・次世代経営者育成研修や新規事業研究会等グループ共通研修の継続

・ライフサイクルステージやライフスタイルに合わせた働き方改革の継続

・事業特性と個々人のキャリアパスに即した専門研修の拡大

・ITスキルや英語力、創造力、対人関係能力など未来に必要なスキルや能力の開発

 

 

②各事業の取組み

<小売事業>

 小売事業は、業種・業態を超えた販売競争が激化する中、お客さまとの「信頼」を築き、「地域」の新たな価値を創造し、人々の暮らしに寄り添った事業展開を進めてまいります。

○暖簾:信頼に応える商品開発

 当社のPB商品は、実際に使い・食べて納得できるものだけを商品化し、お客さまへお届けしております。今後は、より一層当社の製品を安心してお使いいただけるよう、家電の「品質保証」や「延長保証」、食品の「おいしさ保証」等の拡充を図る方針です。これからも、お客さまにご満足いただけるよう、品質・味に自信を持った商品開発を推進してまいります。

 

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○地域:全国の良いものを「地域」へ

 綿半グループの流通網を活かし、新潟や富山、静岡、名古屋等、直接仕入の漁港を開拓して「地域」のお客さまへ鮮魚を提供してまいりました。

 今後も漁港直送の仕入を拡大し、各地の新鮮で美味しい魚をお届けすることで、「地域」に新しい価値を提供してまいります。

 

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○地域:「地域」の良いものを全国へ

 全国に張り巡らされている拠点を活用して、長野県の強みである「木」を原料とした家具のほか、農作物や畜産

物を全国へ流通する仕組みを構築し、循環型社会を形成してまいります。

○地域:地域特性を活かした店舗づくり

 愛知県一宮市に、漁港直送の鮮魚に特化した「綿半魚類 一宮漁港」をリニューアルオープンしたほか、ホテルやレストランなどで腕を磨いてきたシェフを採用し、鮮度の高い食材で店内調理したお料理の販売を行っております。今後も各店舗それぞれがお客さまの声を聴き、地域特性を活かした店舗づくりを展開してまいります。

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○出店・改装について

 今後の出店については、出店用地の確保や許認可の取得に長期の時間を要することから、居抜き物件の活用やM&Aを推進し、売場面積の拡大を図ってまいります。また、既存のホームセンターにおいてもガーデニング等の強みをさらに強化しながら食品を導入し、スーパーセンターへのリニューアルを進めてまいります。

○環境:環境に配慮した店舗づくり

 私たちが住んでいる地域を地球規模でとらえ、リサイクル可能な商品パッケージを採用するほか、自社の家電商品をリサイクルするところまで考えて商品開発を行ってまいります。また、食品ロスの削減や、店舗に太陽光パネルを設置するなど、環境に配慮した店舗づくりに取組んでまいります。

 

<建設事業>

 建設事業は、世界情勢の不安定化を要因とする資材価格の高騰や資材調達の困難化等、引続き厳しい事業環境が続くものと予測しております。お客さまとの信頼関係を構築するとともに、グループ内の相互連携を強化しながら独自の技術力を活かした製品開発を推進し、地域経済の活性化に取組んでまいります。

 

○暖簾:お客さまとの信頼関係を構築する

 お客さまの課題を正確に把握したうえで、納得できる価格・想定以上の価値を提供し、リピート率100%を目指してまいります。また、鉄構工場機能を集約した飯田工場の自動化により、生産性・品質の向上につとめ、お客さまとの信用・信頼を構築してまいります。

○地域:地域資源の有効活用

 夢ハウスでは原木の仕入からプレカットまで木材の製造機能を有しております。長野県の豊富な「森林資源」をサイエンスホーム・夢ハウスの全国の加盟店へ供給するとともに、家具製造の原材料としても活用し、地域経済に貢献してまいります。

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○地域:協力業者との永続可能な関係を構築

 建設事業は全国展開をしており、地域の協力業者さまとの協力が必要不可欠であります。共に成長してゆくため、協力業者さまの育成や仕入の支援を行い、永続可能な関係を構築してまいります。

○環境:環境に配慮した商品開発

 工場の屋根に設置する軽量化太陽光パネルの開発を行うなど、環境に配慮した商品開発を行い、CO2排出量の削減に取組んでまいります。

 

<貿易事業>

 貿易事業は、主に天然原料を取扱っているため、限りある資源を有効活用し、自然環境やコミュニティへの配慮を行いながら、いつまでも続く地球環境を地域住民と共に構築してまいります。

 

○暖簾:世界情勢に対応した、原料調達による安定供給率100%

 世界情勢が不安定な中でもお客さまへの安定的な商品供給を行うため、在庫管理を徹底するとともに、新たな仕入ルートの開拓にも取組み、どのような状況下でも安定的にお客さまの要望に応えられる体制を構築してまいります。

○地域:人々の健康を支える原料提供率100%

 化粧品だけでなく食品にも幅を広げ、継続的に人の健康にやさしい自然派オーガニック商品の開拓を進めてまいります。

○環境:全ての原料へのSDGs付加率100%

 今までも、化粧品や健康食品等の原料生産地の「自然保護法律」に準じて資源調達を行うほか、地域住民の雇用創出に取組む等、地域住民と自然環境の保護に貢献してまいりましたが、今後は、すべての取扱商品でSDGsの取組みを実施してまいります。

 

 

(4)今後の発展に向けて

 創業500年へ向けて、常に時代の先を読み、既存事業との関係性が高い事業領域への展開や、既存事業の販路拡大、ノウハウ転用による事業展開を図るなど、引続き事業ポートフォリオの変革に努めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において綿半グループが判断したものであります。

(1)取引先の信用リスク

 綿半グループでは、取引先の財政状態・業績等に応じた与信枠を設定するとともに、継続的に信用状態の把握を行い、信用リスクの回避には最大限の注意を払っております。しかしながら、予期していない取引先の経営破綻等により債権の回収不能が発生した場合には、綿半グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)有利子負債のリスク

 綿半グループでは、ホームセンターの増設などの設備投資を継続しており、主に金融機関からの借入金を充当してまいりました。この結果、2022年3月31日現在の有利子負債は223億95百万円となっております。現時点では金融機関との関係が良好であることから必要な資金の調達に懸念はありませんが、将来、経営成績の急激な悪化や社会環境及び金融情勢に大きな変動等、何らかの理由により金融機関との関係が悪化して資金調達に支障が生じ、もしくは金利が上昇した場合には、綿半グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)人材の確保及び育成リスク

 綿半グループでは、今後の業容拡大のために優秀な人材の確保及びその育成が急務となっております。綿半グループは採用を積極的に行うことにより、優秀な人材の確保に努めるとともに、社内研修制度の充実を図り、人材育成に注力してまいります。しかしながら、人材の確保及び育成が不十分である場合には、綿半グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)法的規制のリスク

 綿半グループの行う事業のうち、小売事業では大規模小売店舗立地法・食品衛生法、建設事業では建設業法・建築基準法、貿易事業では薬機法など多くの規制を受けております。

 コンプライアンス経営を最重要課題として認識し、綿半グループ一丸となって法令遵守体制を推進しておりますが、各種法令に違反した事実が認められた場合、各種許認可の取消し、事業の停止等の罰則を受ける場合があります。また、今後の各種法令の新設・改正への対応に際し費用負担が生じる可能性があります。

 これらの場合には、綿半グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)訴訟のリスク

 綿半グループでは、現段階において業績に重大な影響を及ぼす訴訟等を提起されている事実はありません。しかしながら、綿半グループの事業運営において、契約不適合責任、工場、工事現場における事故や労働災害等予期せぬトラブル・問題が発生した場合、これらに起因する訴訟その他の請求が発生する可能性があります。これらの事象が発生した場合には、訴訟内容や損害賠償額及びその結果等により、綿半グループの社会的信用に影響を及ぼすほか、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)M&Aのリスク

 綿半グループでは、事業強化や業容拡大を目的として、M&Aを行っております。買収時に発生したのれんをその対象会社の超過収益力として認識しておりますが、外部の経営環境の悪化等により、買収後の実績が取得時に見込んだ将来計画と乖離した場合には、超過収益力の毀損を認識してのれんや関係会社株式を減損するリスクがあります。そのため、当社では外部の経営環境の変化等を注視するとともに、対象会社を含むグループ各社の業績等を毎月把握して将来計画との比較分析を行い、必要に応じて施策を立案・実行しております。

 しかしながら、外部の経営環境の変化等により、対象会社の業績が取得時に見込んだ将来計画から大幅に乖離し、のれんの残存償却年数に対応する割引前将来キャッシュ・フローの総額がのれんの帳簿価額を下回る場合や、1株当たりの純資産額もしくは買収時において認識した超過収益力を反映させて実質価額が取得原価に比べて50%以上低下した場合には、のれんや関係会社株式の減損の認識が必要となる可能性があります。

(7)カントリーリスク

 ロシア、ウクライナ情勢に関して、綿半グループでは、現時点で事業への大きな影響はありません。しかしながら、地政学リスクの高まりにより不確実性が高い状況と認識しており、今後エネルギー価格の上昇や原材料、資材価格の高騰等、仕入れに影響を受ける可能性は否定できません。

 その他諸外国からの輸入商品の取扱い、製造委託など海外取引を行うほか、ミャンマーにおいてCADセンターを有しており、諸外国政府による規制や法令の改正、政治的、経済的な不安定さに起因したカントリーリスクが存在します。カントリーリスクに対しては、案件ごとにその回避策を講じてリスク管理に努めておりますが、これらカントリーリスクを完全に回避できるものではなく、リスクが顕在化した場合には、綿半グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)自然災害のリスク

 大地震、風水害等の大規模災害や重篤な感染症が流行した場合には、資産の毀損、人的被害等により正常な事業活動の継続が困難となり、綿半グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)パンデミックによるリスク

 綿半グループでは、新型コロナウイルス等の感染症に対して、お客さま、取引先及び社員の安全を第一に考え、また更なる感染拡大を防ぐために、WHO並びに各国保健行政の指針に従った感染防止策の徹底をはじめとして、感染リスクが高い国や地域への渡航・出張の原則禁止、多くのお客さまにお集まりいただくイベントの休止や制限、間接部門を中心としたテレワーク対応や従業員のマスク着用義務化、店舗出入口へのアルコール消毒液の設置、レジ前シールドの設置等を実施しております。

 今後、更に新型コロナウイルス等の感染症が拡大・長期化し、国内全体の景気悪化及び経済活動の低迷した場合には、綿半グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)出退店に伴うリスク

 小売事業におきましては、店舗に多額の設備投資が必要であることから、1店舗ごとに慎重な調査を行った上で出店を行っております。また、既存店舗の活性化を図るため、定期的にリニューアル等を行っております。これらの設備投資は、店舗の収益力の低下等により減損損失となる可能性があり、退店に至った場合には、契約上保証金等の全部もしくは一部が返還されない可能性があります。

 さらに、土地等所有者である法人、個人との契約等により、店舗用に賃借している土地等の継続的使用が困難となることも考えられます。これらの場合には、綿半グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(11)固定資産の減損に係るリスク

 綿半グループが保有している固定資産のうち、主として多店舗展開している小売事業において、店舗ごとに固定資産を計上しているため、商圏環境の変化等により市場価格の著しい下落や店舗の収益性の低下により減損損失の兆候を認識し、減損損失を計上するリスクがあります。

 そのため、月次決算において、売上高、客数、客単価、買上点数の推移を確認するとともに個店ごとの損益を注視しております。店舗損益が悪化傾向にある店舗に対しては適時に改善施策を立案・実行するなど、店舗単位の利益管理に注力しております。

 綿半グループが保有する資産の市場価格の著しい下落、予期せぬ商圏環境の変化や競合の激化等による店舗の収益性低下により、減損損失の認識が必要となった場合には、綿半グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(12)同業他社との競合のリスク

 小売事業におきましては、顧客獲得策の一環として、品揃えを充実させた大型の店舗の出店を進めているホームセンターもございます。また、スーパーやドラッグストアなどとの業態を超えた競合も激化しております。

 綿半グループでは、長野県を中心としたドミナント戦略を採っておりますが、綿半グループの出店エリアに他のホームセンターや他業態の出店が増加した場合には、綿半グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(13)気象条件のリスク

 小売事業におきましては、冷暖房機器、園芸用品などの季節商品やレジャー用品を取り扱っております。これらの商品の売れ行きは、天候に大きく左右されるため、天候不良が続いた場合には、売上が減少し、綿半グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(14)国内建設市場の縮小のリスク

 建設事業におきましては、国や地方公共団体等による公共投資及び民間企業による設備投資の動向に大きく影響を受けます。綿半グループはコスト削減、技術力強化、競争力の強化に努めておりますが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、今後、公共建設需要及び民間建設需要が予想以上に抑制され、国内建設市場が一段と縮小した場合には、綿半グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そこで、独自の技術力を生かした製品開発を推進し、収益力の強化を図ってまいります。

(15)建材価格等の高騰のリスク

 建設事業におきましては、建設鋼材、セメントをはじめとする建材価格が上昇した場合、工事原価の増加は避けられません。また、職人の確保が難しくなった場合は、想定を上回る外注費の支払が必要になる可能性があります。これらの工事原価の増加分を工事請負金額に転嫁できない場合には、綿半グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(16)不採算工事発生によるリスク

 建設事業におきましては、工事進捗度に基づく収益認識が大部分を占めております。工事契約では、必要となる原材料や人員、完成するまでの期間等を検討し、その結果に基づいて、工事収益総額及び工事原価総額の見積りを行っております。設計内容の変更による契約金額の変更や原材料価格の変動等が収益認識に影響を与えるため、追加原価が発生した場合に不採算工事が発生するリスクがあります。そのため、毎月の会議体により工事進捗度管理、利益管理プロセスとして工事単位ごとの収支管理を行い、工事原価総額の見積りにおいても、最新の情報に基づいた見積りを行い、関連する内部統制を整備・運用しております。

 工事進捗度に基づく収益認識は会計上の見積りの不確実性を伴っており、工事途中の設計変更や原材料価格の高騰など、見積りの前提が変わることにより、不採算工事が発生した場合には、綿半グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(17)重大事故発生のリスク

 建設事業におきましては、工場及び建設現場においては、毎月安全パトロールを実施し、不具合箇所の是正指導に努めています。また、重大災害発生の可能性のある工種については、施工計画書にてチェックを行い、法に則った安全な実施工を行えるよう指導し、安全衛生管理、工程管理には細心の注意を払っております。人的もしくは施工物に関する重大な事故が発生した場合には、綿半グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(18)為替リスク

 貿易事業におきましては、主として外貨建の輸入取引を行っておりますが、外貨建の取引について為替変動リスクにさらされていることから、為替予約等のデリバティブを活用したヘッジ取引により、この為替変動リスクの軽減に努めております。しかしながら、ヘッジ取引によりこの為替変動リスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動により綿半グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(19)仕入のリスク

 貿易事業におきましては、諸外国からの輸入取引を行っておりますが、商品及び原材料の一部には特定の国や取引先にその供給を依存している品目があります。これらの中には、植物原料又はヒト由来物質の原料があることから、その海外生産国において、自然災害、異常気象、伝染病の発生など、何らかの理由により生産環境に問題が生じる場合、これらの供給が停止又は遅延になる可能性があります。その場合には、綿半グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における綿半グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が進み、経済活動に緩やかな回復の兆しがみられましたが、新たな変異株の蔓延による感染拡大の波が断続的に訪れるなど、総じて厳しい事業環境で推移いたしました。

海外経済においては、新型コロナウイルス感染症による影響が緩和されるなかで、経済活動の持ち直しの動きが続いております。一方で、世界的な半導体不足、原油価格の高騰に加えて、ウクライナ情勢の緊迫化による経済活動への影響が懸念されるなど、予断を許さない状況が続いております。

綿半グループが関係する事業環境のうち、小売事業では、経済活動や個人消費にも持ち直しの動きがみられましたが、いまだ限定的な回復に留まっております。また、インターネット通販が生鮮食品分野へ拡大するなど、業種・業態を超えた競争が激しさを増しているなかで、原材料・エネルギー価格の高騰により仕入価格が上昇するなど、事業環境は厳しさを増しております。

建設事業では、公共投資が引続き堅調に推移し、企業の設備投資に持ち直しの動きがみられることや住宅建設も堅調に推移するなど、足元の受注環境は改善されつつあります。一方で、物流の供給網の乱れによる納期遅延や材料価格の高騰により、これまでにない原価上昇圧力にさらされるなど、依然として厳しい状況が続いております。

貿易事業では、医薬品市場において、2021年度より毎年の薬価改定が始まるなど、薬価引下げによる市場の抑制が懸念されております。また、化粧品市場においては、一部では緩やかな回復傾向がみられるものの、依然として国内需要の減少は著しく、厳しい事業環境が続いております。加えて、為替相場の急激な変動やウクライナ情勢にも、より一層の注視が必要となるなど、先行き不透明な事業環境となっております。

このような事業環境下におきまして、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ106億45百万円増加し、695億51百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ88億32百万円増加し、502億5百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ18億12百万円増加し、193億45百万円となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の売上高は1,145億0百万円となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」等の適用による影響につきまして、前連結会計年度を当連結会計年度と同様の基準で算出した場合の売上高の前期比増減率は、1.1%増となります。営業利益は24億1百万円(前期比26.8%減)、経常利益は29億36百万円(同16.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は22億4百万円(同14.8%増)となりました。

 

 当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、小売事業セグメントに含まれていた木造住宅分野を、建設事業セグメントに変更しております。以下の前連結会計年度との比較数値については、当該セグメント変更後の区分方法に基づいて記載しております。

 

<小売事業>

小売事業では、新型コロナウイルス感染予防を徹底し、お客さま・従業員の安心・安全を確保することを最優先に営業活動を継続しております。「店舗改装と新規出店を継続して推進」「物流の効率化」「定番商品からの脱却」を重点施策とし、積極的に事業展開してまいりました。

9月の八田店、12月の長坂店に続き、3月に起店、長池店のリニューアルを実施いたしました。起店は、漁港直送の鮮魚にこだわった「綿半魚類 一宮漁港」へと一新し、新たな顧客獲得につなげております。また、長池店では、店内総菜売場を大型アップデートして、シェフが新鮮な食材を使って調理するライブキッチンが楽しめるグローサラントを長野県に初めて導入いたしました。また、2020年11月にグループ入りした株式会社綿半ドラッグ(2021年12月に株式会社ほしまんから商号変更)との連携により、新たに医薬品コーナーを大型スーパーセンター4店舗に導入し、グループシナジーを活かした店舗展開を進めてまいりました。

一方、物流コストを削減する取組みとして、首都圏での家具家電の配送・取付サービスを開始したほか、長野と松本にある青果センターでパッキングから配送までを一貫して行う体制に整備したことにより、物流の効率化を推進しました。

名古屋便、沼津便、富山便、三重便など漁港からの直接仕入を開始したことで、漁港ならではの魚種を、より新鮮かつ低価格で販売できる仕組みを構築いたしました。また、シェフ監修のドレッシングや70インチ4K HDR対応液晶テレビなど、食品・日用品・家電などの様々なオリジナル商品の開発にも注力するほか、インターネット通販では、お酒通販サイト「酒おとどけ」をオープンするなど、取扱い商品の拡充にも取組みました。

当連結会計年度における業績は、積極的な店舗改装による売上増加があった一方、巣ごもり需要の反動減や天候不順の影響もあり、売上高は765億74百万円となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」等の適用による影響について、前連結会計年度を当連結会計年度と同様の基準で算出した場合のセグメント売上高の前期比増減率は0.2%増となります。一方、セグメント利益は、巣ごもり需要の反動減で、衛生用品や利益率の高いDIY商品等が低調に推移したこと及び店舗改装費用の影響があり、18億15百万円(同22.0%減)となりました。

 

<建設事業>

建設事業では、独自の技術力を活かした製品開発を推進するとともに、迅速で柔軟性の高い経営判断を目的として、既存事業を「ソリューションズ」、「鐵構」、「コンストラクション」の3つのカンパニー制といたしました。さらに、第4の柱として「木造住宅」を加え、さらなる成長に向けた重点施策を策定し、営業展開、設備投資、商品開発等を推進してまいりました。

木造住宅分野では、8月にハウスメーカーである株式会社夢ハウスがグループ入りいたしました。ウッドショックの中でも海外からの無垢材の仕入調達力を持っており、原木仕入から施工まで自社一貫体制により、安定した供給力を有しております。綿半グループと夢ハウス双方の、戸建木造住宅の加盟店運営の経営資源や天然無垢材の仕入調達力を相互活用することにより、木造住宅分野でのさらなる価値創出、収益性の拡大に努めております。

当連結会計年度における業績は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による前期の受注減少があったものの、株式会社夢ハウスが増収に寄与したことで売上高は318億28百万円(前期比4.3%増)となりました。利益については、資材価格高騰や、鉄構工場の再編成の影響等により、8億47百万円(同28.1%減)となりましたが、当期の受注は堅調であり、当期末の受注残高は、前連結会計年度末比88%増加していることから、来期の業績は回復が見込まれております。

 

<貿易事業>

貿易事業では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、当期も引続き海外原料の安定した在庫確保に注力してまいりました。加えて、販売網拡大に向けて、原料検索サイト「TR Organic(https://tr.organic-materials.com/)」の商品数及び情報量を充実させ、新たな顧客獲得につとめております。

また、医薬品部門では、不妊治療薬の原薬製造の安定化・高品質化に向け、精製率を高める方法の研究開発を進めております。

当連結会計年度における業績は、医薬品の在庫積み増し特需の反動減、原料価格の高騰、輸送コストの上昇及び円安傾向の為替相場の影響を受け、売上高は58億16百万円(前期比4.3%減)、セグメント利益は6億97百万円(同24.7%減)となりました。

 

<その他>

「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、不動産事業等を含んでおります。当連結会計年度における業績は、売上高は2億81百万円(前期比3.8%増)、セグメント利益は1億43百万円(同17.1%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は42億71百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億68百万円減少いたしました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動の結果使用した資金は、16億32百万円(前期は69億70百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益31億26百万円、減価償却費15億85百万円、仕入債務の増加84百万円があった一方、未払消費税等の減少19億27百万円、法人税等の支払額15億99百万円、その他の資産の増加10億9百万円及びその他の負債の減少10億39百万円があったこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は、40億10百万円(前期は16億59百万円の使用)となりました。これは主に固定資産の取得による支出31億14百万円、連結子会社株式取得による支出12億0百万円があったこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動の結果獲得した資金は、47億86百万円(前期は28億27百万円の使用)となりました。これは主に配当金の支払額3億96百万円があった一方、借入金の増加52億56百万円があったこと等によるものであります。

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

綿半グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

受注残高

金額(千円)

前期比(%)

金額(千円)

前期比(%)

建設事業(千円)

39,158,706

153.9%

28,939,936

187.8

 (注)1.綿半グループでは建設事業以外は受注生産を行っておりません。

2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前期比

(%)

小売事業      (千円)

76,574,209

建設事業      (千円)

31,828,411

104.3

貿易事業      (千円)

5,816,608

95.7

報告セグメント計  (千円)

114,219,229

その他       (千円)

281,435

103.8

合計        (千円)

114,500,664

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.「収益認識に関する会計基準」等を当連結会計年度の期首から適用し、当該会計基準等に基づき収益を認識しております。このため、小売事業、報告セグメント計及び合計における、当該会計基準等適用前の前連結会計年度販売実績に対する増減率は記載しておりません。なお、前連結会計年度を当連結会計年度と同様の基準で算出した場合の販売実績の前期比は、小売事業において100.2%、合計で101.1%となります。

3.販売実績総額に対する割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、主な相手先別の販売実績等の記載は省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による綿半グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において綿半グループが判断したものであります。

 

①財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容

「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。

 

②経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

綿半グループは、合才の精神による横連携による収益性の向上を目指しており、事業の成長・差別化・高収益化を測定するための経営指標として、売上高経常利益率を指針に定めております。

当連結会計年度の実績につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境と綿半のめざす姿」に記載しております。

 

③経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

④経営戦略の現状と見通し

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

⑤資本の財源及び資金の流動性について

綿半グループの運転資金需要のうち主なものは、商品、建設資材等の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A等によるものであります。

綿半グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

運転資金及び投資資金は、営業活動によって得られた自己資金を充当し、不足する場合には金融機関からの借入により資金調達をしております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は223億95百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は42億71百万円となっております。

 

⑥重要な会計方針、見積り及び当該見積りに用いた仮定

綿半グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積り及び仮定を用いております。これらの見積り等については、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は当該見積り等と異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 当社は、2021年6月10日開催の取締役会において、株式会社夢ハウスの全株式を取得し、連結子会社化することを決議し、同日付けで株式譲渡契約を締結いたしました。

 本件に関する詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

5【研究開発活動】

 綿半グループの研究開発は、建設事業及び貿易事業において推進されており、建設事業では製品及び工法の改良、貿易事業では新商品等の開拓及び製造方法の開発に継続的に取り組んでおります。

 当連結会計年度の研究開発費の総額は5,543千円であります。