第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

 当社グループは、『Change The Frame ~テクノロジーで実社会に変革をもたらし、新しい暮らしをつくりあげる~』をミッションとし、その実現を通じて、『人々の暮らしを世界中でバージョンアップし続ける』ことをビジョンとしております。

 このビジョンに基づいて当社グループは、世界のデータ部(セクション)として、人々の暮らしを豊かにするために『企業・社会のAI活用とデータ分析をグローバルで支える』会社を目指し、事業を推進しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(2)経営環境

 当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境が改善するなか、緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、ウクライナや中東情勢の長期化、物価の上昇、欧米における高い金利水準の継続の影響など、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 AIビジネスの国内市場においては、2023年度以降は、アプリケーション機能の高度化や特定業務に特化したシステム活用への投資が増えるとみられています。アプリケーションやシステムをユーザーの要望に合わせて複雑化させると、コストや開発スピードなどの要因から外注よりも内製化するケースが多くなると予想され、それに伴い、特に内製化に関連するミドルウェアやサーバー/ストレージ/IaaSなどの品目が大きく伸長することから、2027年度には2021年度比1.7倍の1兆9,787億円が予測されています(富士キメラ総研「2022人工知能ビジネス総調査」)。

 グローバルベースでのAI市場においては、当社グループの得意とする生成AIの用途拡大や、社会実装が進展するなど、加速度的な成長も見込まれる市場環境にあります。また、今後深耕するAIデータセンターの領域においても、グローバルベースで、急増するAI処理に対応できるAIデータセンターの構築が求められる市場環境にあるほか、地政学的な課題とセキュリティリスクが渦巻く現在の世界経済・安全保障環境に鑑み、各種課題の解決において、AIがさらに重要要素となってきていることから、AIデータセンターの容量拡大や、クロスボーダーでの連携が強く求められております。加えて、AIモデルのトレーニングに必要な計算能力は業界全体で約6ヶ月毎に倍増(2024年5月 EPOCH AI 調査レポート「Training Compute of Frontier AI Models Grows by 4-5x per Year」より)していることから、将来的には、新たなモデル及びより大規模なモデルの誕生により、AIデータセンターやAIクラウドスタックへの需要が更に高まるものと想定しております。

 南米のスマートリテールデバイス市場は、2019年の18億3,220万米ドルから2027年までに26億6,920万米ドルに成長すると予想されています。2020年から2027年までに5.3%のCAGRで成長すると推定されています。南米のスマートリテールデバイス市場は、ブラジル、アルゼンチン、及びその他の南米の地域に分類されます。この地域には複雑なマクロ経済的及び政治的環境を抱える国がいくつかあり、さまざまな成長シナリオが存在します。ブラジル、アルゼンチン、チリ、ペルーなどの発展途上国は、インフラストラクチャーや小売部門の開発に多額の投資を行っています。さらに、これらの地域の多くの小売業者は、競争力を高め、変化のメリットを適応させるためにデジタル変革を開始しています。コロンビアとブラジルはデジタルイノベーションに急速に進化しており、チリはデジタル化とイノベーションにおいて最も優れた国にランクされ、「傑出した」国とみなされています。このデジタル変革は、地域全体のスマート小売デバイス市場に新たな機会を提供します。都市化の進行により、さまざまなショッピング複合施設やレクリエーションセンターが成長しており、この地域のスマート小売デバイスの需要が高まると予想されています(Business Market Insights「South America Smart Retail Devices Market research report 」)。

 リテールテック(決済端末・セルフ操作端末、次世代ファシリティ、次世代オペレーション)の国内においては、コロナ禍でも事業を維持するために、フルセルフレジや遠隔接客システムなど、非接触対応や少人数のスタッフで業務を行うための投資が進み、従来、データ化できていなかった消費者の属性や店内行動などの可視化、及びデータ利活用に関する品目が伸びており、今後は、レジレス決済システムやスマートエントランスなど、次世代ソリューションが伸びるほか、RFIDソリューションや需要予測システムなど、サプライチェーン全体の最適化に関連する品目が伸長することから、2030年の市場は2021年比2.2倍の5,553億円が予測されています(富士経済「2022年版 次世代ストア&リテールテック市場の現状と将来展望」)。

 デジタルトランスフォーメーションに係る流通/小売業界については、実店舗の人手不足を補い、来店客の購買体験を改善・拡充するフルセルフレジ、また、食品スーパーや総合スーパーではタブレット端末付きショッピングカートの導入が進んでおり、今後は無人店舗ソリューションの伸びも期待されること、ショッピング体験の拡充に向けて、小売事業者やSI、広告事業者がAR/VR技術を活用した展開を進められていること、デジタルオペレーションでは、自動発注システムが食品や総合スーパーを中心に採用が広がっており、卸事業者のSCM向けの導入も期待され、また、需要予測システムは廃棄ロス削減やSDGs対応ニーズにより、全国展開する大手リテーラーで導入が進んでいることから、2030年度予測は2021年度比3.6倍の1,852億円と予測されています(富士キメラ総研「2023 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編、ベンター戦略編」)。

 

(3)対処すべき課題

 当社グループは、当連結会計年度において、経営環境、AI市場等のターゲット市場の動向に鑑み、新経営体制の下、事業ポートフォリオの再構築及び既存の全コア事業の収益化を実現し、新規の戦略的コア事業として位置付けたAIデータセンター事業のグローバルベースでの事業化を推進いたしました。当社グループが、今後、連続的な成長に加え、非連続的な飛躍的成長を実現するために、対処すべき課題は以下のとおりであります。

 

①AIデータセンター事業の早期収益化

 戦略的コア事業として、新規にグローバルベースでのAIデータセンター事業を立ち上げ、これを展開・拡大するために、経営体制の刷新及び高度人材の確保、最適な事業パートナーの模索・獲得、並びにAIクラウドスタック『TAIZA』の開発・構築等を推進するとともに、事業パートナー及び事業パートナー候補との連携・協議を深化させております。これらの取組みと並行して、グローバルネットワークを活用した営業活動も推進し、国内を中心とするアジア及び欧州でのAIデータセンターサービスの提供に向けた見込パイプライン数が拡大しております。

 急速に拡大・逼迫するAI需要に対応するため、AIデータセンター事業を強力に推進し、台湾の大手サーバー機器サプライヤー各社やAIインフラ事業者等との連携も更に深化させ、AI分野における当社グループの知見・リソース及びグローバルネットワークを最大限に活用することで、早期に見込パイプラインを確定案件化し、同事業の収益化を図ります。

 

②既存事業の継続的・中長期的な成長

 当社グループは、既存のコア事業として、データサイエンス・マーケティングソリューション・システムインテグレーションを国内外で展開しております。当事業年度において、事業採算が悪化していた国内既存事業の一部についても、リストラクチャリングが概ね完了し、収益力が改善したことから、いずれの事業も堅調に推移しております。

 一方で、更なる成長の加速に向けて、今後も、技術力・開発力・提案力の強化、自社プロダクトの開発・強化、事業間のシナジー、M&A・業務提携の活用が不可欠であることから、これらの取組みを推進いたします。

 

③優秀な人材の確保・育成

 上記施策を推進し、当社グループの事業拡大を支えるためには、グローバルに優秀な人材を多数採用し、営業体制や開発体制、管理体制等を整備していくことが重要であると捉えております。

 当社グループのスピード感、ビジョン及び事業方針に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくために、最適な採用手法を模索し、高い意欲を持って働ける環境や仕組みの構築に引き続き取り組んでまいります。

 

④コーポレート・ガバナンス強化

 当社グループは、クロスボーダーM&Aも含めたグローバルな事業投資と規模拡大を実現しており、今後も更なるグローバル展開と成長を志向しております。2024年12月にはコーポレート・ガバナンス強化のために監査等委員会設置会社に移行いたしましたが、国内・海外ともに、堅確なガバナンスの維持向上と、内部管理における高いレベルでの品質維持が必須であり、今後も、重要な意思決定における適切性の担保と、各事業主体における適切かつスピード感ある業務執行を併進しつつ、そのガバナンス体制の発展を図ってまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ

 当社グループでは、「世界中で人々の暮らしを向上させ続ける」という強い意志を胸に、持続可能な成長と企業の飛躍を目指しております。地球規模の課題—少子高齢化、労働力人口の減少、食糧問題、セキュリティ—そして社会構造自体に対し、企業としての責任を強く意識するとともに、このビジョンを実現するため、グループ企業の全従業員が一丸となって取り組み、企業価値の向上を図ってまいります。

 さらに、これらの取り組みを具体的かつ持続的に推進する方針として、2023年9月に、「データセクション株式会社のグループサステナビリティ方針」を策定しました。

 サステナビリティ方針においては、「100年後の世界と人々の暮らしに貢献する」とのサステナビリティ宣言のもと、以下の基本方針に基づく各種取組を行っております。

・グローバルなパートナーシップをもとにしたイノベーションの創出

 先進的かつ顧客にとり最適なプロダクト・サービスの提供・創出により、開発途上国などにおいて、事業を通じた社会課題の解決に取り組みます。

・グローバルベースでのダイバーシティとインクルージョンの推進

 事業のグローバル化を更に進める上で、当社グループにおいてはダイバーシティや多様な人材、働きがいの尊重は、企業文化でありかつその原動力となるものであり、これらを尊重するとともに、一人ひとりの成長・活躍や働きやすさを促進する職場環境の整備に取り組みます。

・未来の世界を担う、多様な人材の育成・輩出

 データサイエンティスト、エンジニアなどの育成を通じ、技術的・職業的スキルなどにおいて多様な人材の輩出につとめます。

・コンプライアンスの徹底・コーポレートガバナンスの強化

 グローバルベースでの社会課題の解決と企業価値向上に向けて、公正かつ透明性の高い経営を実現致します。

 

(2)ガバナンス体制及びリスク管理

 当社グループは、グローバルベースでのサステナビリティ関連リスク及び事業機会に対し、ガバナンス体制を構築しております。具体的なガバナンス体制図については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレートガバナンスの状況等 (1)コーポレートガバナンスの概要 ②企業統治の体制及び当該体制を採用する理由」をご参照ください。

 関連するリスク及び事業機会に関しては、事業投資などの個別判断に加え、副社長執行役員、内部監査室、経営管理部、常勤監査等委員が連携の上、適切に取締役会や代表取締役への報告を行っております。

 

(3)人的資本戦略について

 グローバルに事業展開を行う当社グループの特性を踏まえ、当社グループにおける人材育成に関する方針及び社内環境整備に関しては、以下の通り取組を行っております。

・人材の育成方針

 当社グループでは、全社研修の実施に加え、「2割は自己成長のためにチャレンジしよう」との行動指針を掲げており、自律的な自己研鑽やキャリア構築を支援する風土と枠組みを保有している他、OJTを通じて、業務に必要な知識習得に向けたサポートを行うことで、継続的な人材育成に取り組んでおります。

・社内環境の整備

 当社グループでは、グローバルベースで、多様な属性・才能・キャリア背景等をもった人材を積極的かつ幅広く採用しております。 また、当社グループの事業特性を踏まえ、各国において、性別や年齢などに関係なく様々な人材が活躍できるよう、フレックス勤務、時短勤務、在宅勤務、育児休業取得などの多様な勤務形態と働き方を後押しし、多様な人材がやりがいをもって働ける組織の構築に努めております。

 

(4)指標及び目標

 当社グループでは、「(3)人的資本戦略について」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成方針及び社内環境の整備に関する取組に係る指標については、大手金融機関におけるファイナンススキームも活用し、中期的なKPIとして、男性労働者の育児休業取得率を2025年までの3年間で30%とする目標を設定し、同休業の取得推進を図り、これを実現いたしました。今後も、この育児休業取得率を維持・向上するとともに、グローバルベースでダイバーシティに取り組む当社グループの特性に鑑み、各種指標や目標の設定について、適切に検討を図ってまいります。

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しております。あわせて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要であると当社が考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、文中の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。また、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響の内容等につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、文中及び文中以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

文中記載の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業環境について

①地政学リスクについて

 当社グループは、6社の在外連結子会社を有するほか、世界20か国以上へ自社プロダクトを展開をしており、今後も更なる拡大を図ることから、グローバルベースでの地政学リスクにより、成長が鈍化し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループでは、今後もグローバルベースでの成長・新規国への進出を模索することから、既存拠点も含めた各地域の地政学リスクの可能性については十分に吟味し、事業ポートフォリオを構築してまいります。

 

②半導体不足によるリスクについて

 世界的な半導体不足により、当社グループが展開するリテールマーケティング事業を中心に、調達すべき資材について調達ができない可能性があり、この場合、成長が鈍化し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループでは、半導体市況や利用する資材の需給状況・価格推移等を踏まえ、計画的な資材購入や、複数の調達チャネルの確保等、現状の市況下における最大限適切な対応を行ってまいります。

 

③為替リスクについて

 当社グループの海外子会社の財務諸表は現地通貨にて作成されるため、連結財務諸表作成時に円換算されることになり、為替相場の変動による円換算時の為替レートの変動が当社グループの財政状態及び業績等に影響を与える可能性があります。また今後、外貨建ての取引が増加し、当初想定した為替レートと実勢レートに著しい乖離が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

(対応策)

 海外子会社の成長をグループとして進捗するため、親会社と海外子会社間の取引は原則として現地通貨に集約してまいります。また、今後の取引量増加時には、為替リスクヘッジ手法の導入を親会社サイドで検討する等、親会社主導で、適切なリスクコントロールを行ってまいります。

 

④技術革新について

 当社グループは、AI技術やデータ分析関連技術に基づいて事業を展開しておりますが、当該分野は新技術の開発が相次いで行われ、非常に変化の激しい業界となっております。このため、事業展開上必要となる知見やノウハウの獲得に困難が生じた場合、また技術革新に対する当社グループの対応が遅れた場合、さらに、新技術への対応のために追加的なシステム、人件費などの支出が拡大する場合等には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループは、上記のような業界特性、業界環境を踏まえ、エンジニアの採用・育成や職場環境の整備、AIやデータ分析に関する技術、知見、ノウハウの取得を最重要課題の一つとして、今後も一層強化してまいります。

 

 

⑤顧客ニーズの変化について

 当社グループが営むAI領域は日進月歩で技術面の進化が進んでおりまた、IoTの活用による各種の大容量データの生成と、これに伴う顧客ニーズの多様化のみならず事業化が年々進んでおり、このような事業環境下、顧客ニーズの変化等に対し、適時適切な対応が行えない場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループは、大容量データの分析を強みに、広くソーシャルメディア等を活用した分析ツールやソフトウェア、レポート等を顧客に提供しておりますが、上記のような事業環境に鑑み、研究開発の強化やパートナーとの提携戦略、リテールマーケティング事業その他のシナジー創出等により、顧客ニーズの変化を着実に捉え、事業化を進めてまいります。

 

⑥法令による規制について

 ソーシャルメディアの普及及び、これに伴う大量のデータ分析に付随するビジネスが浸透してきた結果、市場においてはデータの不正利用や利用者のプライバシーが侵害される事例も散見されるようになってきております。こうした情勢を踏まえ、今後、大量のデータに含まれる個人情報等が何らかの規制の対象となることや、新たな法律の制定や既存の法律の変更により、規制の対象となる可能性があります。加えて、リテールマーケティングの領域においても、OMO(Online Merges with Offline)等顧客のマーケティング戦略の進捗等により、個人情報等の取扱に変化が発生する可能性がございます。このように、当社グループのサービスを提供する上での情報収集やサービスの提供の仕方自体に何らかの制約を受けた場合等には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループでは、取扱いを行う情報の管理については厳密かつ法令に遵守した取扱いを行うほか、今後の法令対応等の発生時には。法令順守の観点から適切な対応を行ってまいります。

 

⑦顧客の情報管理ポリシーの変化について

 ソーシャルメディアの運営側の方針転換、あるいはリテールマーケティング事業における顧客サイドの情報管理ポリシーの変化等により、当社グループにおいてもサービス改善の必要性が発生したり、サービス提供に関して追加コストが発生した場合等には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループでは、個別顧客を含めた業界動向、及び関連する規制等の動向について平時から情報収集を行うなどの対応を行い、状況変化時の適切な対応と、リスク低減につとめてまいります。

 

(2)事業活動について

①海外展開について

 当社グループは成長著しい新興市場国に積極的に進出し事業を拡大していくことで、自社の成長スピードを加速させていくことを成長戦略の1つとしていますが、当社グループの計画どおりに海外展開ができない場合、海外進出に当たり当該地域の情勢が悪化する場合及び法規制等が当社グループにとって厳しくなる場合等には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループでは、海外の事業展開に関し、現地拠点と連携しモニタリング、ガバナンス体制を強化するとともに、特に適正な投資判断、為替リスクの軽減等のリスクコントロールを行い、今後もリスク軽減につとめてまいります。

 

②人材確保について

 当社グループは、人員規模が小さく、社内体制も会社規模に応じたものに過ぎません。そのため今後更なる業容拡大を図るためには、当社グループ独自の技術により市場をリードしている反面、その技術を継承し発展させる技術者の維持と拡充が重要であると認識しております。しかしながら、このような人材の維持確保及び人材の育成が出来ない場合、あるいは役員及び社員が予期せず退任又は退職した場合には、当社グループが誇るサービスレベルの維持が困難となり、組織活動が鈍化し、業容拡大の制約要因となり、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループでは、人材強化を最重要経営課題の一つと認識しており、新卒採用や経験者採用を積極的に展開しております。加えて、更なるリテンション強化のためのインセンティブ導入や評価制度の高度化及び、従業員のエンゲージメントを高めるための仕組みの導入等、人事制度の更なるブラッシュアップを図ってまいります。

 

③事業投資について

 当社グループは、事業シナジーのある事業への投資、子会社化等を積極的に展開しております。このため、今後の投資先、子会社、新規に計画する事業等が計画通りに進捗せず経営状態が悪化した場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループは、投資先や事業の選定にあたり、当該企業等とのビジネスシナジーに加え、財務状況等の詳細なデューデリジェンスを行い、また投資実行後には経営陣の派遣等を通じ、長期的な目線でのPMIを行うことで、リスク回避につとめております。

 

④減損リスクについて

 当社グループは、継続的な設備投資のほか、事業の成長加速のため、必要に応じ積極的にM&Aを実施しております。その結果、有形固定資産及び無形固定資産(のれんを含む)を相応に有しております。

 有形固定資産及び無形固定資産について簿価が回収できない兆候が認められた場合は、減損テストを行っております。かかるテストの結果、減損の兆候がある資産グループが十分な将来キャッシュ・フローを生み出さないと認められる場合には、減損損失を認識する必要性が生じ、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループでは、事業の収益性および成長性を考慮した事業ポートフォリオ・マネジメントを導入し、選択と集中による投資判断を行い、将来の減損リスク発生を回避するよう努めております。また、減損リスクの高い事業が顕在化した場合には、モニタリングや業績改善計画を検討し、事業収益性回復の可能性を検討してまいります。

 

⑤四半期ごとの業績変動について

 当社グループは、例年の傾向として1月~3月に売上高が増加する傾向にあるため、通期の業績に占める第4四半期の比重が高くなっております。このため、特定の四半期業績のみを持って当社グループの通期業績見通しを判断することは困難であり、第4四半期の業績如何によっては通期の業績が影響を受ける可能性があります。また納品のタイミングによっては、期ずれにより業績の変動要因となる可能性があります。

(対応策)

 当社グループでは、中長期的な安定成長に資する事業ポートフォリオの拡大に取り組んでおり、四半期ごとの業績変動につきましては、傾向としては減少傾向にあります。今後も事業ポートフォリオ及び顧客層の拡大により、変動可能性があるものと想定しておりますが、これらの変動につきましては適切に対応、開示をしてまいります。

 

⑥知的財産権について

 当社グループでは、今後も知的財産権の保護に積極的に取り組む予定ですが、当社グループの知的財産権が第三者に侵害された場合には、解決までに多くの時間及び費用がかかるなど、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループによる第三者の知的財産権の侵害については、可能な範囲で調査を行い対応しております。しかしながら、当社グループの事業領域における第三者の知的財産権を完全に把握することは困難であり、当社グループが認識せずに他社の特許を侵害してしまう可能性は否定できません。この場合には当社グループに対する損害賠償請求や、ロイヤリティの支払要求等が行われること等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループでは、引き続き啓蒙及び社内管理体制を強化するとともに、上記判明時には、事例に応じて弁護士・弁理士等と連携し、解決に努めてまいります。

 

⑦コーポレート・ガバナンス、内部管理体制について

 当社グループは、M&Aも含めたグローバルでの事業拡大を図っており、管理すべき連結子会社等の数も拡大傾向にあることから、グローバルベースでのコーポレート・ガバナンス及び、内部管理体制の強化が必須であり、これら対応に関し、法令等に抵触する事態や不正行為等が発生した場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループでは、連結ベースの迅速な意思決定とその適切な運営、あるいは規程・マニュアル等の整備を含めた内部管理体制の強化を進めており、これらに加え、監査役会の設置及び内部監査の実施等により、法令やルールを順守する体制を一層充実させてまいります。

 

⑧災害リスクについて

 当社グループでは、地震・台風・洪水・津波・竜巻・豪雨・大雪・火山活動等の自然災害、火災や停電・電力不足、テロ行為等が発生した場合、営業活動への影響、物的、人的な損害が発生する可能性があります。

(対応策)

 当社グループでは、上記のような災害リスクへの備えとして、各種システムのインシデント対応あるいは、緊急時における事業継続のための方法や対策を、今後強化してまいります。

 

 

(3)情報セキュリティについて

①システム障害及び情報セキュリティについて

 当社グループの事業は、サービスの基盤をインターネット通信網に依存しており、顧客へのサービス提供が妨げられるようなシステム障害の発生や、サイバー攻撃によるシステムダウン等の影響を受ける可能性があります。

(対応策)

 当社グループでは、顧客へのサービス提供が妨げられるようなシステム障害の発生や、サイバー攻撃によるシステムダウン等を回避すべく、稼働状況の監視等により未然防止策を実施しております。しかしながら、このような対応にもかかわらず大規模なシステム障害が発生した場合等には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)その他

①新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

 当社は、当社グループの役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。また、資金調達と資本の充実を目的として、ストック・オプション以外の新株予約権も発行しております。これらの新株予約権が行使された場合は、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。当連結会計年度末現在の新株予約権による潜在株式数は6,354,400株であり当連結会計年度末現在の発行済株式総数17,795,951株の35.7%に相当します。

 

②継続企業の前提に関する重要事象等について

 当社グループは、当連結会計年度において、既存事業がいずれも堅調に推移した一方で、中長期な高成長を実現するために、新規のAIデータセンター事業向けに多額の先行投資を行った影響で営業損失496百万円(前期は216百万円の営業損失)、経常損失613百万円(前期は235百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失654百万円(前期は1,261百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)を計上し、調整後EBITDAを除く各段階利益において前連結会計年度から継続して多額の損失を計上しております。また、主に新規のAIデータセンター事業向けシステム『TAIZA』の開発投資やMSSの連結子会社化により、マイナスの投資活動によるキャッシュ・フロー1,192百万円を計上したこと等で、当連結会計年度末における資金の残高は、前連結会計年度末と比較して、1,154百万円減少し、その結果として505百万円となりました。

 こうした状況により、当連結会計年度末において、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していると認識しております。

 このような状況に鑑み、当社グループ各社において、継続的な企業努力を行うとともに、2024年1月26日及び2024年2月13日開催の当社取締役会において、第三者割当の方法による新株式(以下、「本株式」といいます。)

及び行使価額固定型の第19回新株予約権(行使価額544円、当該発行による潜在株式数1,488,000株、期間5年)の発行を行うことを決議し、本株式及び第19回新株予約権の発行により、2024年2月に688百万円を調達しました。

 これに加え、追加の資金調達として、2025年2月18日開催の当社取締役会において、第三者割当の方法による行使価額修正型の第20回新株予約権(当初行使価額688円、当該発行による潜在株式数4,400,000株、期間1年)の発行を行うことを決議し、2025年3月から5月までに第20回新株予約権の発行及び2,224,800株分の行使がなされ、1,649百万円を調達しました。

 なお、第19回新株予約権の割当先であるFirst Plus Financial Holdings PTE. Ltd.及び第20回新株予約権の割当先であるハヤテマネジメント株式会社から、それぞれ保有する新株予約権の行使に関する意思表明を書面で得ております。

 また、取引先金融機関とは、必要に応じて都度対応を協議できる体制を構築しており、良好な関係を保つことで、借入金の維持・継続を図っております。

 上記の状況を踏まえ、資金繰り計画とその基礎となる事業計画を評価した結果、貸借対照表日の翌日から1年後の2026年3月31日まで十分な資金を有することが可能であり、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営戦略の現状及び経営成績の概況

 当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境が改善するなか、緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、ウクライナや中東情勢の長期化、物価の上昇、欧米における高い金利水準の継続の影響など、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 AIビジネスの国内市場においては、2023年度以降は、アプリケーション機能の高度化や特定業務に特化したシステム活用への投資が増えるとみられています。アプリケーションやシステムをユーザーの要望に合わせて複雑化させると、コストや開発スピードなどの要因から外注よりも内製化するケースが多くなると予想され、それに伴い、特に内製化に関連するミドルウェアやサーバー/ストレージ/IaaSなどの品目が大きく伸長することから、2027年度には2021年度比1.7倍の1兆9,787億円が予測されています(富士キメラ総研「2022人工知能ビジネス総調査」)。

 グローバルベースでのAI市場においては、当社グループの得意とする生成AIの用途拡大や、社会実装が進展するなど、加速度的な成長も見込まれる市場環境にあります。また、今後深耕するAIデータセンターの領域においても、グローバルベースで、急増するAI処理に対応できるAIデータセンターの構築が求められる市場環境にあるほか、地政学的な課題とセキュリティリスクが渦巻く現在の世界経済・安全保障環境に鑑み、各種課題の解決において、AIがさらに重要要素となってきていることから、AIデータセンターの容量拡大や、クロスボーダーでの連携が強く求められております。加えて、AIモデルのトレーニングに必要な計算能力は業界全体で約6ヶ月毎に倍増(2024年5月 EPOCH AI 調査レポート「Training Compute of Frontier AI Models Grows by 4-5x per Year」より)していることから、将来的には、新たなモデル及びより大規模なモデルの誕生により、AIデータセンターやAIクラウドスタックへの需要が更に高まるものと想定しております。

 南米のスマートリテールデバイス市場は、2019年の18億3,220万米ドルから2027年までに26億6,920万米ドルに成長すると予想されています。2020年から2027年までに5.3%のCAGRで成長すると推定されています。南米のスマートリテールデバイス市場は、ブラジル、アルゼンチン、及びその他の南米の地域に分類されます。この地域には複雑なマクロ経済的及び政治的環境を抱える国がいくつかあり、さまざまな成長シナリオが存在します。ブラジル、アルゼンチン、チリ、ペルーなどの発展途上国は、インフラストラクチャーや小売部門の開発に多額の投資を行っています。さらに、これらの地域の多くの小売業者は、競争力を高め、変化のメリットを適応させるためにデジタル変革を開始しています。コロンビアとブラジルはデジタルイノベーションに急速に進化しており、チリはデジタル化とイノベーションにおいて最も優れた国にランクされ、「傑出した」国とみなされています。このデジタル変革は、地域全体のスマート小売デバイス市場に新たな機会を提供します。都市化の進行により、さまざまなショッピング複合施設やレクリエーションセンターが成長しており、この地域のスマート小売デバイスの需要が高まると予想されています(Business Market Insights「South America Smart Retail Devices Market research report」)。

 リテールテック(決済端末・セルフ操作端末、次世代ファシリティ、次世代オペレーション)の国内においては、コロナ禍でも事業を維持するために、フルセルフレジや遠隔接客システムなど、非接触対応や少人数のスタッフで業務を行うための投資が進み、従来、データ化できていなかった消費者の属性や店内行動などの可視化、及びデータ利活用に関する品目が伸びており、今後は、レジレス決済システムやスマートエントランスなど、次世代ソリューションが伸びるほか、RFIDソリューションや需要予測システムなど、サプライチェーン全体の最適化に関連する品目が伸長することから、2030年の市場は2021年比2.2倍の5,553億円が予測されています(富士経済「2022年版 次世代ストア&リテールテック市場の現状と将来展望」)。

 デジタルトランスフォーメーションに係る流通/小売業界については、実店舗の人手不足を補い、来店客の購買体験を改善・拡充するフルセルフレジ、また、食品スーパーや総合スーパーではタブレット端末付きショッピングカートの導入が進んでおり、今後は無人店舗ソリューションの伸びも期待されること、ショッピング体験の拡充に向けて、小売事業者やSI、広告事業者がAR/VR技術を活用した展開を進められていること、デジタルオペレーションでは、自動発注システムが食品や総合スーパーを中心に採用が広がっており、卸事業者のSCM向けの導入も期待され、また、需要予測システムは廃棄ロス削減やSDGs対応ニーズにより、全国展開する大手リテーラーで導入が進んでいることから、2030年度予測は2021年度比3.6倍の1,852億円と予測されています(富士キメラ総研「2023 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編、ベンター戦略編」)。

 かかる中、当社グループは、既存事業における事業ポートフォリオの再構築に加え、戦略的コア事業として、新規にグローバルベースでのAIデータセンター事業を立ち上げ、これを展開・拡大するために、経営体制の刷新及び高度人材の確保、最適な事業パートナーの模索・獲得、並びにAIクラウドスタック『TAIZA』※の開発・構築等を推進するとともに、事業パートナー及び事業パートナー候補と連携・協議し、欧州及び国内でのAIデータセンターの開設を目指しております。

※ 当社独自のAI向け大規模GPUクラスターの運営に不可欠な運用最適化アルゴリズム

 具体的な取組みとして、当社は、AIデータセンター構築に不可欠なGPUサーバーを確保するため、2024年11月から12月にかけて、台湾の大手サーバー機器サプライヤー各社(INVENTEC CORPORATION(本社:台湾台北市、代表者:President, Tsai Chih-An)、Wistron Corporation(本社:台湾新北市、代表者:Chairman, Simon Lin)、GIGA Computing Technology CO. LTD.(本社:台湾新北市、代表者:CEO, Daniel Hou)、Quanta Computer INC.(本社:台湾桃園市、代表者:Chairman, Barry Lam))と業務提携に向けた協議を行うことで2024年11月から12月にかけて基本合意し、当社グループのAIデータセンター事業に資する、最適な枠組みによる業務提携関係を構築するため、当該各社との協議を進めております。

 また、AIデータセンター事業を加速するために必要不可欠かつ重要な要素となる優秀なエンジニアリソースの確保と、『TAIZA』の開発・構築を早期に実現するため、当社は、AIスタック及びAIモデルの開発実績を持つエンジニアを有するナウナウジャパン株式会社(所在地:東京都中央区、代表者:近江 麗佳)との間で、2024年8月に共同開発契約を締結しました。この共同開発契約に基づき、『TAIZA』の開発・構築が進捗し、2025年3月には顧客による運用テストが完了し、正式ローンチに至りました。

 これに加え、当社は、2025年2月に、NVIDIA Corporation(本社:米国カリフォルニア州、代表者:CEO, Jensen Huang、以下「NVIDIA社」といいます。)認定のAIパートナー(NVIDIA Cloud Partner、以下「NCP」といいます。)としてAIクラウドスタック及びデータセンターインフラにかかる運用実績と技術力を有するCUDO Ventures Ltd.(本社:英国ロンドン市、代表者:CEO, Matt Hawkins、サービスブランド名はCUDO Compute、以下「CUDO社」といいます。)と業務提携契約を締結いたしました。この業務提携は、両社のAIデータセンター事業の一体化を進め、AIデータセンターの潜在的なプロジェクトに対して、当社による台湾メーカー各社を通じた NVIDIA社製最先端GPUの確保及びDSクラウドスタックの提供を行うとともに、NCPとしてAIインフラの運営実績を有するCUDO社の技術力・ネットワークを活用した運営連携、顧客開拓連携を目的としており、すでに共同プロジェクトについての具体的連携を開始しております。また、両社間の資本提携についても協議を進めました。

 さらに、当社グループは、AIデータセンターの共同開設・運営に向けて、事業パートナーやパートナー候補との協議も進めております。また、上記の取組みと並行して、グローバルでのAIデータセンターへの出資(ファンドはAIデータセンターを運営する会社の株式を保有)を組成目的とする「DS AI Infrastructure Global Investment Fund」を設立することとし、この準備を進めました。

 

 当連結会計年度の経営成績は次のとおりであります。なお、当連結会計年度において、株式会社MSS(以下「MSS」といいます。)を取得したことに伴い、新たに連結子会社としております。

 

 当連結会計年度の経営成績は次のとおりであります。

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は2,942百万円(前期比32.0%増)となりました。これは、当社及び既存の主要子会社において、いずれも受注が堅調に推移したこと、及び2024年7月1日付で買収したMSSを当連結会計年度より連結子会社化したことを主要因とするものであります。

 

(売上原価)

 当連結会計年度の売上原価は1,690百万円(前期比10.6%増)となりました。この主な内訳は、人件費921百万円、業務委託費468百万円、減価償却費162百万円、サーバー使用料48百万円であります。

 

(販売費及び一般管理費)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,748百万円(前期比90.5%増)となりました。この主な内訳は、人件費872百万円、業務委託費243百万円、支払報酬料164百万円、のれん及び顧客関連資産償却費100百万円、旅費交通費65百万円、地代家賃57百万円、支払手数料47百万円、租税公課44百万円であります。

 

(営業外費用)

 為替差損として88百万円、支払利息として41百万円、保険解約損として6百万円及び持分法による投資損失として4百万円等を計上いたしました。

 

(特別利益)

 債務勘定整理益として6百万円、投資有価証券売却益として5百万円、新株予約権戻入益として5百万円を計上いたしました。

 

(特別損失)

 減損損失として24百万円、固定資産除却損として8百万円を計上いたしました。

 

(法人税等)

 法人税等合計については、法人税、住民税及び事業税39百万円を計上し、また、現時点での将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、法人税等調整額△14百万円を計上いたしました。

 

 上記より、売上高2,942百万円(前期比32.0%増)となった一方、新規事業であるAIデータセンター事業向け先行投資費用等により、営業損失は496百万円(前期は216百万円の営業損失)となりました。この結果、調整後EBITDAは、のれんの償却費などキャッシュアウトを伴わない費用はほぼ計画通りであったものの、営業損失の拡大により△169百万円(前期は47百万円)となりました。また、営業外費用に、為替差損88百万円、支払利息41百万円、保険解約損6百万円、持分法による投資損失4百万円等を計上した結果、経常損失は613百万円(前期は235百万円の経常損失)となり、特別利益として債務勘定整理益6百万円、投資有価証券売却益5百万円、新株予約権戻入益5百万円を計上し、特別損失として減損損失24百万円、固定資産除却損8百万円等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は654百万円(前期は1,261百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

※ 調整後EBITDA=営業利益+減価償却費+無形固定資産償却費+株式報酬費用+M&A関連費用

 

(2)事業別の概況

  当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

イ. 国内事業

 国内事業は、データサイエンス事業、システムインテグレーション事業及びマーケティングソリューション事業で構成されております。

 既存の各事業が伸長したこと、及び2024年7月1日付で買収したMSSを当連結会計年度より連結子会社化したことを主要因とし、当連結会計年度の外部顧客への売上高は1,919百万円(前期比40.7%増)と増加し、セグメント利益は92百万円(前期は18百万円のセグメント損失)となりました。

 

ロ. 海外事業

 海外事業は、主要な拠点であるチリ・コロンビアにおける受注の堅調な推移に加えて、前連結会計年度における連結子会社(パナマ・スペイン)増加による効果もあり、売上高は前期と比べ増加いたしました。

 これらの結果、当連結会計年度の外部顧客への売上高は1,023百万円(前期比18.2%増)となり、セグメント利益は163百万円(前期比3.5%減)となりました。

 

(3)財政状態の概況

 当連結会計年度における財政状態の概況は次の通りであります。

(資産)

 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比較して807百万円増加し(前年度末比21.3%増)、4,593百万円となりました。

 これは、無形固定資産が1,980百万円増加し、現金及び預金が1,164百万円減少したことを主要因とするものであります。

(負債)

 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して390百万円増加し(前年度末比21.6%増)、2,193百万円となりました。

 これは、短期借入金350百万円及び未払金286百万円が増加し、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)218百万円が減少したことを主要因とするものであります。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比較して417百万円増加し(前年度末比21.1%増)、2,400百万円となりました。

 これは、MSSの連結子会社化等により資本剰余金が935百万円増加、2025年2月18日付「第三者割当による第20回新株予約権(行使価額修正条項付)の発行に関するお知らせ」にて開示いたしました第20回新株予約権の発行及び行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ43百万円、新株予約権が30百万円増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失により利益剰余金が654百万円減少したことを主要因とするものであります。

 

(4)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して、1,154百万円減少し、その結果として505百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動の結果支出した資金は、83百万円(前連結会計年度は、333百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益△630百万円、未払金及び未払費用の増減額236百万円、減価償却費176百万円及びのれん償却額96百万円の計上等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は、1,192百万円(前連結会計年度は、569百万円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出927百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は、163百万円(前連結会計年度は、382百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の増加351百万円、長期借入金の返済による支出251百万円、新株予約権の行使による株式の発行による収入87百万円によるものであります。

 

 キャッシュ・フォロー関連指標の推移は、次のとおりであります。

 

2024年3月期

(連結)

2025年3月期

(連結)

自己資本比率(%)

50.6

50.4

時価ベースの

自己資本比率(%)

329.7

371.9

キャッシュ・フロー対

有利子負債比率(年)

3.7

-

インタレスト・

カバレッジ・レシオ(倍)

28.6

-

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注1)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

(注2)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

(注3)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

(注4)2025年3月期につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオを記載しておりません。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性

 営業活動により獲得するキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入、エクイティファイナンス等のさまざまな手段により資金調達を行い、手元資金の流動性の十分な確保に努めております。当連結会計年度における状況は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク(4)その他 ②継続企業の前提に関する重要事象等について」に記載のとおりであります。

 

(6)生産、受注及び販売の実績

 a.生産実績

 当社グループは、事業の特性上、生産実績の記載になじまないため、記載しておりません。

 

 b.受注実績

 当社グループは、事業の特性上、受注実績の記載になじまないため、省略しております。

 

 

 c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

国内事業(千円)

1,919,561

140.7

海外事業(千円)

1,023,073

118.2

合計(千円)

2,942,635

132.0

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。

 

(7)今後の見通し

 既存事業は、いずれも引き続き堅調に推移するとともに、新規のAIデータセンター事業の収益化を見込んでおります。なお、AIデータセンター事業においては、1プロジェクトあたりの契約金額が多額であり、現時点では1プロジェクトの成約の有無が、当社グループの経営成績に著しい影響を及ぼす状況にあります。従いまして、2026年3月期の連結業績予想につきましては、現時点では非開示とし、いずれかのプロジェクト受注が確定した段階で、当該プロジェクト収益を反映させた連結業績予想を速やかに公表する予定です。

 

(8)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(9)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たり、資産及び負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

5【重要な契約等】

(株式の取得及び株式交換による株式会社MSSの完全子会社化)

 当社は、2024年6月3日開催の当社取締役会において、株式会社MSS(以下「MSS社」といいます。)の発行済株式の一部を取得し(以下「本株式取得」といいます。)、その後当社を株式交換完全親会社とし、MSS社を株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」といいます)を実施することを決議し、2024年6月3日付で株式譲渡契約及び株式交換契約を締結いたしました。

本株式取得及び本株式交換は、2024年7月1日に実行され、MSS社は当社の完全子会社となりました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

(筆頭株主への役員候補者を指名する権利の付与)

当社は、当社の筆頭株主であるFirst Plus Financial Holdings PTE. Ltd.(以下「FPF社」といいます。)との間で、同社向け第三者割当増資にかかる株式引受契約を締結し、当該契約において、同社が当社の役員候補者2名を指名する権利を有する旨を合意(以下「本合意」といいます。)しております。本合意に関する内容等は次のとおりであります。

 

(1)本合意の概要

契約締結日

相手先の名称

相手先の住所

合意の内容

2024年2月29日

First Plus Financial Holdings PTE. Ltd.

8 MARINA VIEW #36-02 ASIA SQUARE TOWER 1 SINGAPORE

FPF社が当社の発行会社の普通株式を一定数量以上継続して保有する限り、FPF社は、当社の取締役2名を指名する権利を有する。FPF社が当該権利を行使した場合、当社は、指名された者が取締役として速やかに選任されるよう必要な措置を講じるものとする。但し、FPF社は、当社の取締役を指名する義務を負わない。

 

(2)本合意の目的

 コーポレートガバナンス強化、その他の経営支援

 

(3)取締役会における検討状況その他の当社における合意に係る意思決定に至る過程

 当時の資金調達の緊急性・必要性、FPF社のネットワークを活用することで当社グループの企業価値向上が期待できることなどを踏まえ、取締役会において複数回に亘り、十分な審議がなされたうえで、FPF社を割当先とする第三者割当による新株式の発行及び本合意を含む株式引受契約の締結にかかる承認決議を行っております。

 

(4)本合意が当社の企業統治に及ぼす影響

 当連結会計年度末現在において、FPF社が指名した取締役は就任・在籍しておりません。今後、FPF社が指名した者が取締役に就任した場合、当社の経営意思決定に影響を及ぼす可能性がございますが、FPF社は、当社株式の中長期的保有を通じて当社グループの経営を支援する意向を表明し、実際にFPF社からは新規の戦略的コア事業であるAIデータセンター事業の展開・推進に資する有用な情報提供や企業紹介を受けております。従いまして、本合意が当社の企業統治に悪影響を及ぼすことはないものと判断しております。

 

6【研究開発活動】

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発活動の総額は16百万円であり、国内事業セグメントにおいてAI技術関連の研究開発活動を行いました。