文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、独立系エレクトロニクス専門商社として、エレクトロニクス市場の黎明期からインターネットの普及が日常の生活空間の隅々に行きわたり、社会に欠かせない存在となった現在まで世界の最先端の商品・技術を提供することを自らの使命としてきました。また、変化の激しいエレクトロニクス・情報通信業界にあって、当社グループは単なる商品の物流を担当する専門商社ではなく、テクニカル・サポートを行う技術サービス提供会社として、競合他社との差別化、位置づけの明確化を図ってまいりました。
昨今の当社グループを取り巻く環境並びに今後の見通しにつきましては、国内外における通信インフラ設備を始めとした設備投資の動向、スマートフォン、サーバー、民生機器、自動車、産業機器等を中心として、中長期的には需給バランスの変動による好不況は避けられません。また、米中貿易摩擦の影響、仕入先の合従連衡を背景とした半導体商社間の競争激化、さらに国内においては商社間で買収、統合などの再編が発生しており、大きな環境変化を迎えております。IT産業におきましては、不正アクセスによる個人情報の大量流出や仮想通貨取引市場における仮想通貨の流出など、世界的に高度化したサイバー攻撃の被害が拡大する等セキュリティリスクが高まっております。一方、労働人口減少や生産性向上/労働の自動化等により、ロボットやAI等の新たなテクノロジーの活用が大きく期待されております。
このような環境の中、今後、当社グループが成長と同時に、より収益性を高めるには今がグループ経営の転換期と考えております。当社グループの強みである技術力をさらに深化させ、「技術商社」の枠を超えた価値そのものを創造するデマンドクリエーション(需要創造)型企業として、付加価値を高める経営を目指すと同時に、得意先や仕入先がグローバル展開を加速する中で、当社グループもグローバルの観点から戦略を強化してまいります。さらに、「変化の先頭に立ち、あらゆるモノをつなぐことで、世界中の人々にとって幸せな未来社会をつくる」を新たなミッションとし、これまで培ってきた目利き力とハードウェアからソフトウェア・サービスまでの技術力をベースに、AI/IoTソリューションや自動運転等の新しい分野へも果敢に取り組み、社会の経済価値・生活価値を高めることに貢献する企業グループを目指し、さらなる業績の拡大と企業価値を向上させていく所存であります。
以上を踏まえ、この度、新グループビジョン、2019~2021年度新中期経営計画及び経営目標を策定しました。
■新グループビジョン
<ミッション>
私たちは、変化の先頭に立ち、あらゆるモノをつなぐことで、世界中の人々にとって幸せな未来社会をつくります。
<ビジョン>
私たちは、社会の可能性を拡張し、活気ある明日を創造するための最良の共創者になります。
<バリュー>
私たちの価値は、最先端のテクノロジーとインテリジェンスをつなぐ力、社員一人ひとりの自立と熱意、そしてチーム力にあります。
<ブランド・スローガン>
Co.Tomorrowing
■中期経営計画(2019~2021年度)
①成長戦略
(1)半導体事業
国内市場では引き続き車載及び産業機器市場を中心にシェアを拡大していくとともに、海外市場ではM&Aを行う等グローバルにおけるポジションを確立してまいります。また、半導体を応用したハードウェア、ソフトウェアそしてソリューションを含めた幅広い提案を行うことで付加価値の高いビジネスも同時に追求していきます。
(2)ネットワーク事業
高度なセキュリティ対策ノウハウを、急速に市場が成長しているIoT製品向けへ対象市場を広げるとともに、ASEAN市場においても独自の高度なセキュリティ技術サービスを提供することにより、圧倒的に優位なポジションを確立してまいります。また、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みを支援するためのビッグデータ分析基盤の活用やAIを始めとしたDXソリューションを強化していきます。
②新規付加価値事業戦略
将来に向けて収益性の高い企業へと転換していくために、第三の新しい付加価値事業を創出し、事業ポートフォリオをチェンジしていきます。IoTソリューション、自動運転ソリューション、サービスロボット等の新規事業を付加価値ビジネスとして確立することを目指します。また、今後の戦略上キーとなるAI関連事業では、データサイエンティストのリソースと当社グループの強みである世界中の最先端技術の提供をコアコンピテンスに展開してまいります。
③さらなる業務効率及び資産効率の改善と経営システム基盤への投資
持続的な売上成長を通じた利益の最大化を目指し、重複している業務などを精査、売上成長に伴う固定費比率を低下させ、多様化するビジネスモデルに対応した基幹システムにおいては、ERP、SCM、CRMに一体感を持たせた統合プラットフォームを構築、また、商権移管、車載ビジネスの拡大や生産中止品の確保により、在庫水準が高まっている中、取扱商品ごとにより適正な在庫水準を見極め、さらに、関係会社間での取引を見直し、発注、受入、供給にまたがるサプライチェーン全体のリードタイムの短縮などを行うことで資産効率の改善にもつながります。これらを実現する経営システム基盤を強化、構築するために投資を行っていきます。
④経営目標及び財務・資本施策
(1)経営数値目標
売上高 6,500億円以上
当期純利益 130億円以上
ROE 9.0%以上
営業キャッシュ・フロー 3年間累積100億円以上
(2)財務・資本施策
・営業キャッシュ・フローの創出
当社グループの成長に欠かせないM&A、新規事業、ITなどの領域に対して投資を行っていく上で、これらの投資を支えるのはキャッシュ・フローの創出が欠かせません。売上債権の流動化や適正在庫管理により3年間累計100億円超の営業キャッシュ・フロー創出を目指します。
・ファイナンスに関する方針
事業から創出したキャッシュを原資として、重点領域に投資を計画していくほか、事業の拡大に必要な資金調達は有利子負債を主体に行い、貸越枠を有効に利用し健全かつ適切な手元流動性を維持してまいります。
⑤株主還元について
配当による直接的な還元と自己株式取得も視野に入れた中長期的な株価上昇によるトータルリターンを目指します。また、配当金の決定にあたっては、配当性向30%を指標とした安定配当を行ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) シリコンサイクル・景気変動の影響について
当社グループの属する半導体業界はシリコンサイクルと呼ばれる好不況の一定のサイクルが存在し、4年ごとに浮き沈みを繰り返していると言われます。これは、半導体市況の上昇局面では、多くの企業が一斉に生産設備の増強を計画し、その後、生産も同時に行われるため、供給過剰が発生して製品価格が下落し、売上高の減少・停滞が発生するものです。一方、不況となれば一斉に投資に抑制がかかり、その後には供給不足となって価格下落が止まるとともに稼働率が上がって再び好況となります。当社グループは、このような半導体業界特有のサイクルによる好不況の影響を受ける可能性があります。また、このようなサイクルとは別に当社グループが取り扱う半導体の需要の変化や半導体が搭載される製品の価格やライフサイクルの変化などによって当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 仕入先との関係について
当社グループは、最先端の技術・商品等を有する国内外の様々な企業を仕入先としております。それら仕入先とは、代理店契約等を締結し、緊密な関係を維持しておりますが、仕入先がM&Aに遭遇したり、仕入先自体の代理店政策の見直しにより代理店再編成が生じた場合は、商権に変更が生じるなど業績に影響を与える可能性があります。また、半導体及びネットワーク業界は、技術革新の激しい業界でありますが、仕入先の商品開発力が著しく低下し、商品の競争力に優位性が保てない場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3) 新規仕入先の継続的な発掘について
当社グループは国内外の最先端の技術力を持ち、競争力の高い商品を有した企業をいち早く発掘し、代理店契約を締結することで商品ラインナップを拡大・強化してまいりました。これら企業の獲得競争は激しいものとなっており、仮にこのような新規仕入先の継続的な発掘が困難になった場合は、当社グループの事業計画の遂行に影響を及ぼす可能性があります。また、新規仕入先の発掘、契約の確保、また新規仕入先との良好な関係づくりのために、投資事業組合や新規仕入先に投資を行う場合もあります。当社グループでは、キャピタルゲインの獲得を目的とした投資は行っておりませんが、経済の低迷、株式市場の悪化や仕入先の業績低迷などから投資が減損適用となる等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 得意先の海外生産移管による影響について
当社グループは主に国内のエレクトロニクス・情報通信機器メーカーに集積回路及び電子デバイスを販売しております。これら国内のメーカーは、日本よりも人件費の安い台湾、中国、東南アジア諸国など主にアジア・パシフィック圏内に生産拠点の移管を進めております。当社グループでは、これらの国内企業の動きに合わせ、引き続き販売活動及び技術サポートが展開できるよう台湾、香港、上海、シンガポール等に現地法人を設立しておりますが、国内でデザインした開発案件が、これらの国々に生産移管され、当社グループの販売活動が及ばない地域に移管されるなど、販売活動が継続困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 半導体の高機能化と当社技術サポート力について
当社グループの属する半導体業界は、技術革新の激しい業界にあり、半導体自体も集積度の向上、多機能化など常に革新を続けているため高度な技術力を必要とします。このような環境の中で当社グループは、他社との差別化・競争優位性を明確にするため、社内の技術力を高め、単に半導体を販売するだけでなく技術サポートを付加することにより業績の拡大に努めてまいりましたが、社内の技術力を維持するための技術者の獲得競争は激しいものとなっております。当社グループは優秀な技術者の確保に注力しておりますが、仮に充分な技術者を採用できない場合や優秀な技術者が流出した場合には、事業計画の遂行に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 為替相場変動の影響について
当社グループのビジネスにおきましては、2019年3月期の国内仕入額に占めるドル建比率は88.3%、海外も含めた販売額に占めるドル建比率が48.8%と外貨建比率が高いことから、為替相場変動が当社及び連結子会社の経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。すなわち、ドル建の販売に対しては売上高の変動、ドル建の仕入に対しては売上原価の変動、さらにこれらに係る債権債務の発生時から決済時迄の為替相場変動による営業外損益発生の可能性があります。また、米国主要仕入先との取引では、仕入値引を仕入の実施から数か月後の販売時に決済する取引条件としており、この間仕入値引に相当する債権額が変動する可能性があります。加えて、当社グループは、連結財務諸表を海外子会社の現地通貨ベースの資産及び負債を円換算して作成しているため、為替相場変動による換算リスクを負っています。当社グループは、輸出入取引で生じる外貨建債権債務をヘッジしておりますが、かかる為替リスクを完全に払拭することはできず、為替相場変動が当社及び連結子会社の当期純利益に影響を及ぼす可能性があります。
(7) たな卸資産廃棄及びたな卸資産評価の影響について
当社グループのビジネスにおきましては、顧客からの所要数、納期などの要求に迅速に対応するため数ヶ月分のたな卸資産を確保しております。当社グループでは、たな卸資産額を適正に保つため商品が搭載される製品の需要予測、顧客の所要数量及び受注状況を考慮しながら、仕入先への発注を調整するなどしてたな卸資産を管理しております。しかしながら急激な顧客の所要数量の変動、また、生産中止品や保守用在庫として確保していた商品が、当初見込んでいた顧客所要数量より差異が生じる際は、廃棄、又は資産価値評価の見直しを必要とする可能性があります。このような場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 当社が影響下にある法規制について
当社グループは、半導体・集積回路などの最先端の電子部品及びネットワーク関連商品等の情報通信機器の輸出入を行っているため、輸出関連法規や関連諸規定の影響下にあります。当社グループでは、安全保障貿易管理を適切に実施するため、わが国の「外国為替及び外国貿易法(外為法)」に基づく輸出関連法規や関連諸規定を遵守しております。取扱商品の輸出に際しては、仕入先メーカーと協力のうえ「該非判定」を実施するほか、「仕向地、需要者、用途、取引経路等」の把握にも努めておりますが、需要者を通じて懸念国に迂回輸出され、軍事的用途製品の一部に転用される可能性もあります。
当社グループとしましては、海外の需要者に対しても、①軍事的用途に使用しないこと②安全保障貿易に関する法令・関連諸規定、国際条約等を遵守することを規定した確認書を提出して頂くよう求め、リスクの軽減に最大限努めておりますが、万一、当社グループの取扱商品が予期せぬ需要者、用途で使用された場合、結果として当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 情報漏洩・流出について
当社グループは、業務の性格上、顧客企業の製品に関する仕様書を始めとした製品情報等を取り扱うこととなりますので、これらの情報が漏洩する危険性が考えられます。当社グループは、各事業会社において情報管理規程を整備し、役職員への情報管理教育の徹底・取り外し可能媒体の使用を制限するなどの措置を講じて情報漏洩を未然に防ぐこととしております。このような対策にもかかわらず、情報漏洩が発生した場合には、当社グループが損害賠償を負う可能性があり、かつ社会的信用の失墜を招き、進行中のプロジェクトの継続にも支障が生じる可能性があります。
(10) 経営統合のリスクについて
当社は、2015年4月1日に、㈱マクニカと富士エレクトロニクス㈱が共同株式移転の方法により経営統合し、両社の共同持株会社として設立されました。今後、経営統合により期待されるシナジー効果が十分に発揮されない場合には、当社グループの業務運営、業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概況
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益の改善や設備投資の増加等により緩やかな回復基調で推移していましたが、米中貿易摩擦の影響による中国経済の減速に伴い輸出が落ち込み、製造業活動や設備投資の増勢が鈍化するなど景気は減速傾向となりました。一方、労働需給が引き続き逼迫していることを背景に雇用情勢は改善が持続し、また、所得環境も堅調なことから個人消費は緩やかな持ち直しをみせました。しかしながら、米中貿易摩擦の長期化による世界経済の失速懸念等、景気の先行きは依然として予断を許さない状況が続いております。
当社の属するエレクトロニクス産業におきましては、携帯電話市場はスマートフォンの買い替えサイクルの長期化により減少し、また、国内の通信インフラ市場は通信キャリアの投資抑制が継続し低調に推移しました。一方、コンピュータ市場はAIやフィンテック等の普及に伴ったデータ量の増加により、データセンター向けサーバー、ストレージが堅調を持続し、車載市場は、欧州や中国が減少したものの、国内販売は堅調な結果となりました。産業機器市場は、米中貿易摩擦の影響による設備投資控えやスマートフォン需要の一巡化から、中国向けFA、産業用ロボット等を中心に低調に推移しました。IT産業におきましては、IT投資全体が成長する中、EU一般データ保護規則(GDPR)等の法規制を始めとしたコンプライアンス対応や高度化したサイバー攻撃による不正アクセスのリスクが高まったこと等から、セキュリティ市場は堅調な結果となりました。また、デジタルトランスフォーメーションの進展によりクラウドサービスの活用が増加し、加えてクラウドセキュリティの需要も高まる等クラウド市場は大きく成長しています。
為替につきましては、前連結会計年度において平均社内レートは1ドル=111.19円、当連結会計年度において1ドル=110.67円と円高になりましたが、当期に入ってからの平均社内レートの動きは、第1四半期1ドル=108.10円、第2四半期1ドル=110.87円、第3四半期1ドル=113.43円、第4四半期1ドル=110.28円となりました
以上の結果、当連結会計年度における売上高は524,235百万円(前年同期比4.0%増)、営業利益は、退職給付債務に関して当期末の国債割引率にて再計算した結果683百万円の追加計上を行い15,324百万円(前年同期比1.1%増)、経常利益は、外貨建債権債務の決済等による1,011百万円の為替差損の発生とドル建て借入金の増加及び利上げによる支払利息1,137百万円の増加等により13,101百万円(前年同期比12.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、関係会社株式評価損227百万円及び投資有価証券評価損112百万円の発生等により8,883百万円(前年同期比22.2%減)となりました。
セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。
当事業におきましては、期後半にかけて米中貿易摩擦やそれに伴った景気減速の影響を大きく受けた結果となりました。特に、FA・工作機械や半導体製造装置を始めとする産業機器市場はアナログIC等が減速傾向となりましたが、期前半の好調な環境に支えられ堅調な結果となりました。車載市場は、米中貿易摩擦等の影響により中国向けが減少しましたが、新規ビジネスが寄与したことから同市場向けアナログIC等は堅調に推移しました。コンピュータ市場はサーバー、ストレージの需要増によりメモリが好調に推移したものの、国内における一部ビジネスが収束したことにより減少しました。通信インフラ市場は国内通信キャリアの投資抑制傾向が継続しましたが、中国の設備投資需要が好調を維持したことから、同市場向けPLD、ASSP等は堅調に推移しました。民生機器市場は新規商権移管やワイヤレス・オーディオ向けASSPが伸長しました。
これらの結果、同事業の当連結会計年度の売上高は470,338百万円(前年同期比1.1%増)、営業利益は9,459百万円(前年同期比12.2%減)となりました。
当事業におきましては、ハードウェアは、製造業などの大手企業や官公庁向けビジネスのシステム更改需要の取り込みにより、セキュリティ関連商品に回復がみられた他、無線LAN機器やネットワーク帯域制御装置等のネットワーク関連商品が伸長したことで、堅調に推移しました。ソフトウェアは、高度化したサイバー攻撃が継続する中、エンドポイントセキュリティやクラウドセキュリティ等が成長し、また、GDPR対応に関わる商品の導入やモバイル、クラウド関連商品の継続利用、デジタルトランスフォーメーション関連製品の導入が進んだことにより、大きく伸長しました。なお、当連結会計年度におきましては、前第2四半期連結会計期間末より新規連結子会社となりましたNETPOLEON SOLUTIONS PTE LTD及びその子会社8社の業績を当セグメントの業績に含めております。
これらの結果、同事業の当連結会計年度の売上高は54,118百万円(前年同期比38.6%増)、営業利益は5,726百万円(前年同期比35.5%増)となりました。
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
② 財政状態の状況
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ27,459百万円増加となりました。これは主に現金及び預金が14,572百万円減少したものの、受取手形及び売掛金が2,686百万円、商品が15,330百万円、未収入金23,281百万円それぞれ増加したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ5,060百万円増加となりました。これは主にのれんが261百万円減少したものの、関係会社株式の取得等により投資有価証券が4,064百万円増加したことによるものです。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ24,344百万円増加となりました。これは主に支払手形及び買掛金が5,172百万円減少したものの、短期借入金が25,439百万円、その他流動負債が3,501百万円それぞれ増加したことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ990百万円増加となりました。これは主に長期借入金が887百万円増加したことによるものです。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ7,186百万円増加となりました。これは主に利益剰余金が6,269百万円、為替換算調整勘定が944百万円それぞれ増加したことによるものです。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末の28,758百万円に比べ14,743百万円減少し、14,015百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは30,173百万円の減少 (前連結会計年度は、28,595百万円の減少)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益12,781百万円の増加があったものの、未収入金の増加、たな卸資産の増加及び仕入債務の減少があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは7,251百万円の減少 (前連結会計年度は、1,804百万円の減少)となりました。これは主に有形・無形固定資産の取得に伴う支出及び関係会社株式の取得による支出があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは21,916百万円の増加 (前連結会計年度は、43,699百万円の増加)となりました。これは主に配当金の支払いがあったものの、短期及び長期借入金の純増があったことによるものです。
④ 仕入、受注及び販売の実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度において、ネットワーク事業の受注高が著しく増加している要因は、「(1) 経営成績等の状況の概況 ① 経営成績の状況」に記載したとおりビジネスの拡大に伴うものであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたって、資産・負債の帳簿価額及び収入・費用の報告数字に影響を与える見積りは、主としてたな卸資産、貸倒引当金、投資の減損、繰延税金資産、賞与引当金、退職給付費用等であり、継続して評価を行っております。見積り及び判断については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づいて行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
当社は、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a. たな卸資産
当社グループは、たな卸資産の保有日数、将来における需要や市場状況等に基づき、正味売却価額が帳簿価額を下回る場合には収益性の低下があるものとし、商品評価損を計上しております。実際の市況が当社グループの見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。
b. 貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払不能時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
c. 投資の減損
当社グループは長期的な取引関係維持のために、特定の顧客、仕入先及び金融機関等に対する少数持分を保有しています。また新規仕入先の開拓を目的とした情報収集のために、投資事業有限責任組合及びそれに類する組合(金融商品取引法第2条第2項により有価証券とみなされるもの)等への出資をしています。これらには時価のある公開企業等への投資と時価のない未公開企業等への投資があります。時価のある投資につきましては、時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には無条件で減損処理を行い、30%以上50%未満下落した場合には個別に下落率の推移、発行体の財政状態等を勘案し、回復可能性を判定の上、減損処理を行っております。
一方、時価のない投資の減損につきましては、実質価額が著しく低下した場合、合理的な事業計画等に基づき、回復可能性が認められない場合には実質価額まで減損処理を行っております。
また非連結の子会社及び関連会社の株式等についても、有価証券の評価方法に準じて処理を行っております。なお、非連結の子会社及び関連会社の株式等の実質価額が著しく低下している状況には至っていないものの、実質価額がある程度低下したときには、健全性の観点から引当金を計上することがあります。
当連結会計年度において減損処理を行い、投資有価証券評価損112百万円(時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券112百万円)及び関係会社株式評価損227百万円を計上しております。今後も株式市場の悪化や投資先の業績不振などにより、評価損を計上する可能性があります。
d. 繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得と慎重かつ実現可能性の高い継続的な経営計画を検討したうえで繰延税金資産を計上しておりますが、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上する可能性があります。
e. 賞与引当金
賞与引当金は、支給対象期間の業績に応じて支給見込額のうち当期に帰属する額を計上しておりますが、実際の支給額は支給時点における外部環境及び当社グループの状況を勘案のうえ決定されるため、実際の支給額が見積りと異なる場合には追加の費用計上が必要となる可能性があります。
f. 退職給付費用
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率及び直近の統計数値に基づいて算出される死亡率が含まれており、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。近年の割引率の低下及び年金資産運用での損失は当社グループの年金費用に対して悪影響を及ぼします。
当連結会計年度の当社の属するエレクトロニクス業界は、スマートフォンの買い替え需要の長期化や、国内通信キャリアの投資抑制の継続等により、携帯端末市場及び通信インフラ市場は総じて低調に推移しました。コンピュータ市場はサーバー、ストレージシステム向けに、車載市場は国内販売を中心に堅調に推移しました。産業機器市場は米中貿易摩擦の影響等から中国向けが低調に推移しました。IT産業は、セキュリティ市場が引き続き伸長し、また、クラウドサービスの活用増加に伴いクラウド市場も大きく成長しました。このような経済環境下、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ4.0%増加の524,235百万円、営業利益は、退職給付債務に関して当期末の国債割引率にて再計算した結果683百万円の追加計上を行ったこと等により前連結会計年度に比べ1.1%増加の15,324百万円、経常利益は、外貨建債権債務の決済等による1,011百万円の為替差損の発生とドル建て借入金の増加及び利上げによる支払利息1,137百万円の増加等により連結会計年度に比べ12.3%減少の13,101百万円、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、関係会社株式評価損227百万円及び投資有価証券評価損112百万円の発生等により前連結会計年度に比べ22.2%減少の8,883百万円となりました。
a. 売上高
当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ4.0%増加の524,235百万円となりました。
集積回路及び電子デバイスその他事業におきましては、主力商品のPLDやアナログICが、米中貿易摩擦等の影響により、車載市場、産業機器市場を中心に減速傾向となりましたが、期前半の好調な環境に支えられ堅調に推移しました。ASSPは、国内の通信設備投資が停滞しているものの、海外通信インフラ市場向けの需要が回復し堅調に推移しました。メモリーは、国内における一部ビジネスが収束したことにより減少しました。その結果、前連結会計年度に比べて1.1%増加の470,338百万円となりました。
ネットワーク事業におきましては、ハードウェアは、製造業などの大手企業や官公庁向けにセキュリティ関連商品に回復がみられた他、ソフトウェアは、高度化したサイバー攻撃が継続する中、エンドポイントセキュリティやクラウドセキュリティ等が伸長しました。その結果、前連結会計年度に比べて38.6%増加の54,118百万円となりました。
b. 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、前連結会計年度の447,991百万円から3.4%増加し、463,173百万円となりました。売上高に対する売上原価の比率は88.4%となりました。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ11.7%増加し、45,737百万円となりました。なお、販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は8.7%であります。
c. 営業利益
営業利益は、売上総利益の増加により、前連結会計年度の15,163百万円から1.1%増加し、15,324百万円となりました。
d. 営業外収益
営業外収益は、受取配当金210百万円及び為替差益189百万円の減少等により、前連結会計年度の990百万円から28.1%減少し、711百万円となりました。
e. 営業外費用
営業外費用は、為替差損1,011百万円の増加等により、前連結会計年度の1,216百万円から141.3%増加し、2,934百万円となりました。
f. 経常利益
経常利益は、前連結会計年度の14,937百万円から12.3%減少し、13,101百万円となりました。
g. 特別利益
特別利益は、前連結会計年度の125百万円から67.7%減少し、40百万円となりました。
h. 特別損失
特別損失は、関係会社株式評価損227百万円及び投資有価証券評価損100百万円の増加等により前連結会計年度の53百万円から578.2%増加し、360百万円となりました。
i. 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の15,009百万円から14.8%減少し、12,781百万円となりました。
j. 法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額
税金等調整前当期純利益に対する法人税等の比率は、前連結会計年度の22.6%から4.1%増加し、26.7%となりました。
k. 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の11,412百万円から22.2%減少し、8,883百万円となりました。
a. 財政状態
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概況 ② 財政状態の状況」をご参照ください。
b. キャッシュ・フロー
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概況 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
c. 資金需要
当社グループの運転資金需要の主要なものは、売上の増加に伴う支払と回収のサイト差及び商品在庫の保有によるものです。サイト差については、主に海外の仕入先に支払う仕入代金のサイトが20日から50日程度なのに対し、国内外の得意先からの回収サイトは30日から150日程度と長くなっているのが主な要因であります。また商品在庫に関しては、得意先への納入期限に対応するために適正水準を保持しております。
d. 財務政策
当社グループにおける増加運転資金につきましては、内部資金、売上債権の流動化、金融機関からの借入及び増資等によって調達しております。グループ各社の必要資金は、主に親会社が資金調達をし、親会社から他のグループ企業に融資していく方針であります。
当社は、2015年4月1日付で、連結子会社である㈱マクニカ、富士エレクトロニクス㈱との間で経営管理・指導に関する経営指導契約を締結し、また、㈱マクニカとの間で業務委託に関する契約を、それぞれ締結しております。
当社グループが締結している仕入先との主要な契約は、次のとおりであります。
当社グループの研究活動は、エンジニアリング・サービス・カンパニー(技術サービス提供会社)として、顧客の課題解決に対応するためのテクニカルサポート(技術支援)を中心としております。基礎技術(要素技術)に関する研究開発活動は行っておりませんが、最先端の規格に対応したソフトウェアの開発やボード、モジュールなどの企画・開発を行っております。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
(1) 集積回路及び電子デバイスその他事業
集積回路及び電子デバイスその他事業では、リファレンスボードや組込みソフトウェアなどの開発を行ってまいりましたが、その実績をもとに当社グループ取扱商品に付加価値を提供するオリジナル・ボードや、IP、ソフトウェア、IoT関連等の開発及び販売を行い、当社グループの差別化に貢献しております。当該事業における当連結会計年度の研究開発費は
(2) ネットワーク事業
該当事項はありません。