第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営成績の状況

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、賃金の増加やインバウンド需要から個人消費が持ち直し景気は緩やかに回復しています。世界経済におきましては、中国経済の回復の遅れや急激な為替レートの変動など、先行き不透明な状況が続いています。

当社の属するエレクトロニクス産業におきましては、生成AI向けの需要が増加し高性能な半導体(GPUやメモリ)の需要が回復しています。産業機器市場では、FA・工作機械、医療機器、計測機器など幅広い分野において、市場回復の兆しはあるものの中国市場の停滞や在庫調整の影響を受け調整局面となりました。車載市場では、安全性の向上・自動化に向けた高度な制御システム、脱炭素化に向けたEV(電気自動車)化の動きなど、車1台当たりの半導体搭載量が増加しています。

IT産業におきましては、企業のIT投資環境は引き続き良好となっております。セキュリティに関しては、ランサムウェア等のサイバー攻撃により情報の漏えいや業務停止する等、甚大な被害を及ぼしていることから、経営課題ととらえる企業が増加しています。また、近年、企業のITシステムは、クラウド活用やリモートワークの進展等により外部接続の増加とともに対策するべき点が増えており、社内システム内でもユーザやデバイスを最初から信頼しないことを前提とするゼロトラストや情報資産のリスクを評価・管理するアタック・サーフェス・マネジメント(ASM)への注目が高まっています。

また、当社グループが今後もさらなる事業拡大及び企業価値の向上を目指していくためには、半導体及び電子機器に対する技術的な知見・知識や集積回路、電子デバイスなどの販売スキルを有する人材やエンジニアといった人的資本を獲得することが必要不可欠であるため、2024年1月に当社の完全子会社(株式会社マクニカ)による株式会社グローセルの株式の公開買付を実施し、2024年3月より特定子会社としました。当社との人的資本を組み合わせることにより、半導体事業や新規事業の拡大、事業上のシナジーを生み出してまいります。

以上の結果、当中間連結会計期間における売上高は、518,960百万円(前年同期比5.1%減)、比較的利益率の高い産業機器向けビジネスの減少による影響、また販売費及び一般管理費において、人件費の増加や株式会社グローセルの連結等により前年同期と比較し4,925百万円増加したことにより営業利益は22,377百万円(前年同期比41.1%減)、経常利益は21,099百万円(前年同期比42.5%減)、親会社株主に帰属する中間純利益につきましては15,243百万円(前年同期比41.1%減)となりました。

 

セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。

① 集積回路及び電子デバイスその他事業

当事業におきましては、車載市場では、ADAS(先進運転支援システム)をはじめとした安全性の向上・自動化に向けた高度な制御システム、脱炭素化に向けたハイブリッドカーやEV(電気自動車)化の流れにより半導体需要が伸びています。また、株式会社グローセルの収益が加わる事で、車載、民生機器、OA・周辺機器において前年から増加しています。一方、産業機器市場においては、企業の設備投資意欲はあるものの中国市場の停滞が予想以上に長引いている事や在庫調整などもあり、各種半導体製造装置やFA機器や工業用ロボット、医療機器など幅広い市場で調整局面となりました。コンピュータは、AIサーバー向けの需要の増加は見られるものの、前年に計上したサーバーの大型案件が入らなかったことも影響し減少しました。通信インフラは、国内向けの設備投資が落ち着いており、低調に推移しました。これらの結果、同事業の当中間連結会計期間の売上高は445,504百万円(前年同期比9.6%減)、営業利益は16,321百万円(前年同期比52.8%減)となりました。

 

 

② ネットワーク事業

当事業におきましては、クライアント端末へのセキュリティ対策の重要性認識が浸透し、既に対策ソリューションを導入済みの国内大手企業においてもグループ内で対象者を拡大する動きが広がっており、エンドポイントセキュリティ関連商品が大幅に伸長しました。また、官公庁や金融機関での大型案件により、データ分析関連商品やクラウドセキュリティゲートウェイ関連商品が大幅に伸長しました。加えて、東南アジア地域を中心とした海外ネットワーク事業も順調に伸長しております。これらの結果、同事業の当中間連結会計期間の売上高は73,461百万円(前年同期比35.0%増)、営業利益は6,055百万円(前年同期比75.9%増)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

当中間連結会計期間末における総資産は545,485百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,759百万円減少となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ7,053百万円減少となりました。これは主に受取手形、売掛金及び契約資産が6,338百万円増加したものの、電子記録債権が8,177百万円、その他の流動資産が5,072百万円それぞれ減少したことによるものです。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ294百万円増加となりました。これは主に投資有価証券が752百万円減少したものの、建物及び構築物が124百万円、その他の有形固定資産が200百万円、のれんが348百万円投資その他の資産のその他247百万円それぞれ増加したことによるものです。

流動負債は、前連結会計年度末に比べ7,097百万円減少となりました。これは主に支払手形及び買掛金が5,216百万円増加したものの、短期借入金が5,371百万円、未払法人税等が3,689百万円、賞与引当金が1,147百万円、その他の流動負債が2,041百万円それぞれ減少したことによるものです。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ68百万円増加となりました。これは主に退職給付に係る負債が47百万円、その他の固定負債が20百万円それぞれ増加したことによるものです。

純資産は、前連結会計年度末に比べ270百万円増加となりました。これは主に為替換算調整勘定が4,231百万円、非支配株主持分が3,548百万円それぞれ減少したものの、利益剰余金が8,045百万円増加したことによるものです。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末の38,623百万円に比べ2,722百万円減少し、35,901百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは18,548百万円増加 (前年同期は、22,729百万円増加)となりました。これは主に棚卸資産の増加及び法人税等の支払いがあったものの、税金等調整前中間純利益21,843百万円の計上及び仕入債務の増加があったことによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは7,934百万円減少 (前年同期は、2,953百万円減少)となりました。これは主に貸付けによる支出、無形固定資産の取得による支出、事業譲受による支出及び子会社株式の取得による支出があったことによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは12,193百万円減少 (前年同期は、26,986百万円減少)となりました。これは主に短期借入金の純減及び配当金の支払いがあったことによるものです。
 

(4) 研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は323百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

(5) 仕入、受注及び販売の実績

当中間連結会計期間における集積回路及び電子デバイスその他事業の受注高が増加し、受注残が減少しております。これは、「第2 事業の状況2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況の分析(1)経営成績の状況」に記載したとおり、株式会社グローセルの連結により受注高は増加しています。一方で、産業機器市場において、中国市場の停滞や在庫調整の影響を受け、顧客からの長納期発注が減少していることにより受注残は減少しています。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

集積回路及び電子デバイスその他事業

334,019

10.2

471,546

△29.8

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。