第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済政策や日銀の金融緩和策の継続を背景に、設備投資の回復や雇用環境の改善が見られ、景気は穏やかな回復を続けております。しかしながら一方で、中国経済の減速傾向が見られるなど、景気の先行きの不透明感も残りました。

 鶏卵業界におきましては、平成25年夏以降、加工用を中心に堅調な需要のもと高卵価が続いており、平成27年度も北海道Mサイズ平均217円(前年比8円40銭高)、東京Mサイズ平均224円(前年比1円70銭高)となっております。一方、飼料価格は高止まりが続いているものの、落ち着いた動きを見せており大きな変動はありませんでした。

 このような情勢の中、当社におきましては平成26年4月に鶏卵事業の販路拡大のため岩手県の株式会社第一ポートリーファームの全株式を取得して本州進出を果たし、当連結会計年度には通期での反映となっております。また、更なる業容拡大に備え、信用力や知名度を向上させる目的として、平成27年2月に東京証券取引所市場第二部に上場いたしました。

 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高は15,591,883千円(前年同期比17.8%増)、営業利益は1,036,222千円(同193.6%増)、経常利益は1,067,468千円(同157.9%増)、当期純利益は667,587千円(同1,120.2%増)となりました。

 

 セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。

①鶏卵事業

 当セグメントにおきましては、鶏卵相場が予想以上に高止まり推移したことから売上金額は13,472,135千円(前年同期比19.2%増)となりました。

 営業利益は、飼料価格が高止まりしているものの堅調な相場による影響で1,475,663千円(同106.2%増)となりました。

②食品事業

 当セグメントにおきましては、インバウンド効果等もあり、特に札幌圏及び道東圏での販売増が寄与し売上金額は2,118,796千円(同9.6%増)となりました。

 営業利益は、適正な利益確保に注力したことで97,221千円(同154.2%増)となりました。

③その他

 当セグメントにおきましては、売上金額は952千円(同10.6%減)、営業利益は122千円(同8.5%減)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は2,209,320千円(前連結会計年度末1,180,792千円)となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動による資金の増加は1,379,338千円(前連結会計期間1,103,187千円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益955,934千円の計上、減価償却費657,479千円及び売上債権の減少226,315千円等による資金の増加が、仕入債務の減少124,291千円及び法人税等の支払額463,534千円等の資金の減少を上回ったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の投資活動による資金の減少は1,027,372千円(同503,294千円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1,038,044千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の財務活動による資金の増加は676,562千円(同554,145千円の減少)となりました。これは主に長期借入金による収入670,000千円及び株式発行による収入693,565千円等による資金の増加が、長期借入金の返済による支出591,598千円等の資金の減少を上回ったことによるものであります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成26年9月1日

  至 平成27年8月31日)

前年同期比(%)

鶏卵事業

10,686,779

112.8

食品事業

その他

合計

10,686,779

112.8

 (注)1.金額は製造原価によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)商品仕入実績

 当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成26年9月1日

  至 平成27年8月31日)

前年同期比(%)

鶏卵事業

73,139

45.3

食品事業

1,702,269

112.0

その他

829

89.1

合計

1,776,238

105.6

 (注)1.金額は仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)受注状況

 当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(4)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成26年9月1日

  至 平成27年8月31日)

前年同期比(%)

鶏卵事業

13,472,135

119.2

食品事業

2,118,796

109.6

その他

952

89.4

合計

15,591,883

117.8

 (注)1.総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 当社グループは、経営体質の強化と成長性を確保するとともに、企業の社会的責任、コンプライアンス、リスクマネジメントに誠実かつ積極的に取り組むことで、会社経営の透明性、健全性を確保し、継続的な企業価値向上が図られると考えております。その実現のために、当社グループが対処すべき主な課題は、以下の項目と認識しております。

 

(1)販路の安定的拡大

 少子高齢化で人口減少に歯止めがかからない状況下、道内のみの販売基盤では成長性に懸念があります。

 当社グループの継続的な成長には、安定的な販路の拡大が必要であり、北海道のみならず道外にも販路を拡げる戦略は避けて通れない道と考えております。その第1歩として、平成26年4月に岩手県にある株式会社第一ポートリーファームの全株式を取得し本州進出を果たしております。

 

(2)生産効率の更なる向上とコストの削減

 鶏卵は相場商品であり低卵価のときは、販売数量が同じでも損失を計上する場合があります。鶏卵の原価の60%程度は飼料であり、その価格は国内の鶏卵需給に関係なく穀物相場と為替相場に左右されます。従って低卵価、飼料高にも耐え得るだけの生産コストを達成するよう、当社グループで保有する研究鶏舎での給餌試験など生産効率の向上とコスト削減に取り組んでまいります。

 

(3)安全・防疫対策の徹底

 サルモネラ食中毒、鳥インフルエンザなど近年食の安全を脅かす様々な問題が発生する中、当社グループは、道内においては雛をすべて自社育成し、サルモネラワクチンの接種、鳥獣の侵入を防いで鳥インフルエンザを防備するウインドレスの鶏舎構造、植物性飼料の使用等で安全を確保しております。

 更に、鶏舎内の鶏をすべて取り出したオールアウト後の鶏舎の清掃・消毒後に鶏舎内のサルモネラ菌検査の陰性を重要管理点とするHACCP手法を取入れた飼養管理、国際標準の物差しで食品の安心安全を目的とし、どのように食品危害を予防するかを構築した食品安全マネジメントであるISO22000もしくはFSSC22000の認証を取得した食品工場並みのGP工場など、食の安全を作り出す様々な取組みを実行してまいりましたが、今後も安全及び防疫体制を研究し、製品の安全性を高めてまいります。

 

(4)企業ブランドの更なる構築

 現在消費者が食品に求めているものは、おいしく、安全・安心であることです。当社グループも食の安全を守るためにさまざまな方策をとっておりますが、安全対策は無料で作ることが出来ないものであります。従ってそれらのコストを消費者に理解していただき、なおかつ当社グループの鶏卵を利用いただくために更なるホクリヨウブランドの構築は欠かせないものであり、そのための品質管理の徹底を行ってまいります。

 

(5)人材の確保

 当社グループは、今後の安定的な成長のために、優秀な人材の確保は必要不可欠と認識しております。人材の確保につきましては、定期採用及び中途採用を問わず積極的に採用していく方針であります。そして、教育・育成し適材適所、公平な能力評価を行い、各人のレベルアップを図ってまいります。

 

(6)内部管理体制の強化

 当社グループを取り巻く市場環境の変化及び事業の拡大に伴い、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。このため、当社といたしましては、内部統制システムの整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するための体制強化に取り組んでまいります。具体的には、業務におけるリスクの把握や統制の整備及びコンプライアンス体制の強化、内部監査による評価などにより、継続的な成長を支える効率的・安定的な業務運営を行ってまいります。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因になる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を以下に記載しております。

 当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業環境に関するリスク

① 鶏卵相場の変動性

 当社グループは鶏卵を主力商品として生産及び販売しており、鶏卵相場の変動によるリスクにさらされております。当社グループでは、相場変動リスクを軽減するため、鶏卵相場に左右されない固定単価での販売可能な特殊卵へのシフトを進めてきた結果、道内鶏卵販売額の約30%が特殊卵となっております。また、鶏卵相場の変動に対する負担増が軽減される卵価安定基金制度(注)があり、これに加入(積立て)しております。しかしながら、国内の需要バランスが崩れ供給過剰となり、鶏卵相場の低迷が長期にわたった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(注) 鶏卵生産者経営安定対策事業(通称 卵価安定基金制度)について

 本制度は卵価低落時に価格差補填交付金を交付することによって鶏卵生産者の経営の安定を図るもので現在は一般社団法人日本養鶏協会が事業主体となっています。

 まず、毎年「補填基準価格」が決められますが、平成25年度(25年4月~26年3月)はキロ186円、平成26年度(26年4月~27年3月)はキロ187円、平成27年度(27年4月~28年3月)はキロ188円でした。「標準取引価格」(JA全農たまご株式会社の東日本営業所(東京相場)と同西日本営業所(大阪相場)の加重平均取引価格…取引の実績)が補填基準価格を下回った場合、下回った価格の90%が交付される仕組みです。加入者はキロ当たり5円75銭の積立を行います。また、支給額の25%は国からの補助金となります(平成27年3月31日現在)。

 なお、平成26年度から制度が変わり、標準取引価格が安定基準価格(平成27年度167円)を下回ると飼養羽数40万羽以上の生産者には価格補てんはされず、その代り60日以上の空舎期間を設けた場合(早期淘汰---通常は30日の空舎期間です)に1羽210円の奨励金が交付されることになりました。すなわち、大手生産者が減羽することにより相場の早期回復を図ることを目的としたものになっております。なお、当社グループは40万羽以上の生産者に該当します。

 卵価安定基金支払及び卵価安定基金収入は販売費及び一般管理費で計上しております。

 

② 業績の季節変動について

 当社グループの売上高及び営業利益は上述の通り、鶏卵相場の推移によって大きく変動します。例年、鶏卵相場は8月後半から9月にかけて上昇し、10~12月の需要期に高値推移し、1月の初市で大きく下落しますが2月にかけて上昇し、4月までは比較的高値圏で推移し、5月の連休以降は下落傾向になり、夏場にかけてはかなり下落するという一定のリズムの季節変動性を持っています。

 この要因は気候の良くなる春先から一羽あたりの産卵が向上する反面、暑い夏場に向けて外食産業や一般家庭の消費が減退し、供給過剰になるためです。逆に、秋から冬にかけて卵価は高くなりますが、これは鍋物、クリスマスケーキなどに代表される冬季食品の伸びによる需要の増加のためです。

 このような鶏卵相場特有の季節的変動のため、業績の比重が上期に高く、当社グループの利益は第2四半期連結累計期間に偏重する傾向があります。ただし、第67期連結会計年度は下期の鶏卵相場が予想以上に高止まり推移したこと等から、下記のとおり下期の業績比重が高く推移いたしました。

 

 

(単位:千円)

 

第67期連結会計年度(平成27年8月期)

第1四半期

(9月~11月)

第2四半期

(12月~2月)

第3四半期

(3月~5月)

第4四半期

(6月~8月)

通期

売上高

3,849,029

3,747,881

3,947,813

4,047,159

15,591,883

営業利益

334,023

155,506

339,909

206,783

1,036,222

(通期に対する比率)

(32.2%)

(15.0%)

(32.8%)

(20.0%)

 (100.0%)

鶏卵相場

(北海道Mサイズ平均)

219円

209円

221円

217円

217円

 

③ 疫病等による需要減退

 平成16年に国内で79年ぶりに強毒性の鳥インフルエンザが発生したことに伴い、一時的に全国的な鶏卵の消費減退がありました。翌年も茨城県で鳥インフルエンザが発生しましたが、前年に引き続いての発生で消費者側にも鳥インフルエンザに対して一定の知識があり、前回のような強毒性ではなく弱毒性の鳥インフルエンザだったこともあり、前年のような消費減退には至りませんでした。また、平成26年には熊本県、宮崎県、山口県で、平成27年には岡山県、佐賀県で鳥インフルエンザが発生しましたが、早期終息したこともあり、道内において消費減退は見られませんでした。当社グループは鳥インフルエンザ防止のため様々な衛生対策を策定し厳重に実施管理しておりますが、今後ふたたび強毒性の鳥インフルエンザが国内で発生した場合、一時的に全国的な需要減退の動きが発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 原料価格の変動

 当社グループの鶏卵生産の原価の60%程度は飼料費であります。飼料価格は、作況、船運賃、為替変動や世界的な需要動向に左右されるため、当社グループでは自社の研究鶏舎において飼料コスト低減のために給餌方法の試験を実施しております。飼料コストの低減を研究することによって、飼料価格の上昇を吸収し生産原価の低減に努めております。また、飼料価格の変動に対する負担増が軽減される飼料安定基金制度(注)があり、これに加入(積立て)しております。しかしながら、飼料価格が大きく上昇し十分なコスト削減ができなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(注) 配合飼料価格差補填事業(通称 飼料安定基金制度)について

 本制度は原料価格に起因する配合飼料価格の変動によって生ずる畜産経営者の損失を補てんすることにより畜産経営の安定を図るもので、現在は一般社団法人全日本配合飼料価格畜産安定基金と一般社団法人全国配合飼料供給安定基金が事業主体となっています。

 当社が加入している全日本配合飼料価格畜産安定基金を例にとると生産者がトン当たり650円、配合飼料製造会社がトン当たり1,250円(平成27年度)を積立てます。そして、当該四半期の配合飼料の供給価格が直前1年間に係る配合飼料供給価格の平均価格を上回るとき、その上回る額を限度として補てん金が交付されます。

なお、平成26年度の制度変更で「当該四半期の輸入原料平均価格が直前1年間に係る輸入原料平均価格を上

回るとき、その上回る額を限度としての補填」に変わりました。つまり、メーカー提示価格ではなく、とう

もろこし、大豆かす、麦、コウリャンなどの原料の輸入通関価格での比較に変更になりました。

 飼料安定基金支払及び飼料安定基金収入は製造原価で計上しております。

 

⑤ 卵価安定基金制度及び飼料安定基金制度の基金不足

 養鶏経営の健全な発展を目的として、既述の通り卵価安定基金制度と飼料安定基金制度の仕組みが形成されています。

 当社グループも、同制度が相場の変動及び飼料価格の変動に対する負担増が軽減される仕組みとなっていることから、これらの安定基金制度に加入(積立て)しております。しかしながら、これらの基金制度は、卵価低迷又は飼料価格高騰が長期化する場合には基金不足により充分に機能せず、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業活動に関するリスク

① 単品経営(鶏卵依存)

 当社グループの売上の約9割は鶏卵販売が占めており、かつ上述の(1)①において記載のとおり、相場商品であることから、利益は鶏卵相場により大きく変動する可能性があります。当社グループとしては、鶏卵生産コスト低減のため、自社研究鶏舎において生産性向上のための様々な試験の実施により有効な試験結果を一般鶏舎に適用し、鶏卵相場が低迷しても利益を計上できるような体質づくりを進めております。加えて、鶏卵以外の食品の売上増加にも努めております。しかしながら、これらの対策を上回る価格変動が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

② 食品の安全・衛生問題について

 当社グループにおきましては、安全・安心で高品質な製品を提供するために最新鋭設備の導入や製品の品質管理、従業員への衛生教育を行うなど、衛生問題には万全の注意を払っております。卵が原因であるサルモネラ食中毒は我が国では近年大きく減少しておりますが、生で食べる食品であるため食中毒のリスクを完全に排除することはできません。道内におきましては、健康な雛を当社グループ農場で育成し、かつ鶏舎単位で雛をすべて入れ替えるオールイン・オールアウト方式を採用し、鳥獣の侵入を防ぐウインドレス鶏舎での育成を実施しております。成鶏舎におきましてもウインドレス鶏舎にてHACCP手法を取入れた飼養管理をする他、GP工場においてパッキングする前に卵殻の塩素殺菌等を実施するなど様々なサルモネラ対策を実施しております。しかしながら、今後、偶発的な事由によるものも含めて、当社グループ製品を起因とした安全衛生問題が発生する可能性があり、もし発生した場合は当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 鳥インフルエンザ発生による移動制限または殺処分

 当社グループ農場の近隣で鳥インフルエンザが発生した場合、近隣農場は一時的に鶏や鶏卵の移動制限を受けるため、その間出荷が出来なくなる可能性があります。また、当社グループは鳥インフルエンザ防止のため様々な衛生対策を策定し厳重に実施管理しておりますが、万一当社グループの農場で鳥インフルエンザが発生した場合、原則として鶏は殺処分となります。当社グループは成鶏農場のどの農場で鳥インフルエンザが発生しても他の農場・GP工場でバックアップできる体制は完成しておりますが、風評被害により当社グループ製品の買い控えが起こり、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 また、育成農場に鳥インフルエンザが感染した場合、当社グループは育成農場を予め分散して建設しているため生産機能が全滅することはありませんが、育成農場から成鶏農場への大雛供給に支障を来たし、生産計画に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 鶏糞処理

 家畜の糞尿処理については「家畜排せつ物の管理適正化及び利用の促進に関する法律」により適切に処理することとなっています。家畜排せつ物は不適切な管理によって、環境問題の発生源となりうる側面を有する一方で、堆肥化など適切な処理を施すことによって土地改良資材や肥料としての有効活用が期待され貴重な資源としての側面も有するものといえます。当社グループでは鶏の排せつ物がこの対象となり、鶏糞のほとんどは肥料として近隣農家へ無償で譲渡しております。

 しかしながら、農作業の省力化を背景として資源としての利用が簡単でない状況になり、鶏糞処理が円滑に行われなければ当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 投資活動について

 当社グループは、平成26年4月に岩手県にある株式会社第一ポートリーファームの全株式を取得しております。本州進出の第一歩としてその意義は大きく、今後売上及び収益の拡大に寄与し事業拡大が加速されるものと考えております。しかしながら、当社グループが投資時点においてその想定した通りに投資先が事業を展開できない場合、投資活動に伴い発生した有形固定資産、のれんなどの無形固定資産の減損損失が発生するなど、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)法的規制によるリスク

 当社グループでは、コンプライアンスを経営上の重要な課題と位置付け、その強化に努めておりますが、コンプライアンス上のリスクを完全に排除することはできません。当社グループの事業活動が法令や規制に抵触するような事態が発生したり、予期せぬ法令や規制の新設・変更が行われたりした場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)自然災害のリスク

 地震、台風などの自然災害が発生した場合、当社グループの農場・GP工場が大規模な被害を受け事業活動が停滞し、また損害を被った設備の修復のため多額の費用が発生するなど、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、重要な会計方針等に基づき、資産・負債の評価及び収益・費用の認識に影響を与える見積り及び判断を行っております。これらの見積もり及び判断に関しましては、継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる可能性があります。

 

(2)財政状態の分析

① 資産

 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,459,360千円増加し11,165,290千円となりました。

 流動資産は、前連結会計年度末に比べて781,422千円増加し4,133,453千円となりました。これは、主として公募及び第三者割当増資による新株式発行により現金及び預金が988,528千円増加したこと等によるものです。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べて677,938千円増加し7,031,836千円となりました。これは、主として有形固定資産の取得により建物及び構築物が297,868千円、機械装置及び運搬具が180,237千円増加したこと等によるものです。

 

② 負債

 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて88,072千円増加し5,851,530千円となりました。

 流動負債は、前連結会計年度末に比べて215,555千円減少し3,781,368千円となりました。これは、主として1年内返済予定の長期借入金が178,100千円、未払法人税等が128,070千円減少したこと等によるものです。

 固定負債は、前連結会計年度末に比べて303,628千円増加し2,070,161千円となりました。これは主として借入により長期借入金が256,502千円増加したこと等によるものです。

 

③ 純資産

 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,371,287千円増加し5,313,759千円となりました。

 これは、主として当期純利益667,587千円の計上等により利益剰余金が628,727千円増加、公募及び第三者割当増資による新株式の発行により資本金及び資本剰余金がそれぞれ346,782千円増加したこと等によるものです。

 

(3)経営成績の分析

① 売上高

 当連結会計年度における売上高については、主力事業である鶏卵事業にて鶏卵相場が予想以上に高止まり推移したことから売上金額は13,472,135千円(前年同期比19.2%増)となりました。食品事業におきましてもインバウンド効果等もあり、特に札幌圏及び道東圏での販売増が寄与し売上金額は2,118,796千円(同9.6%増)となりました。

 この結果、総売上高は15,591,883千円(同17.8%増)となりました。

 

② 営業利益

 当連結会計年度における営業利益については、飼料価格の高止まり等により売上原価12,444,261千円(同11.8%増)、販売費及び一般管理費2,111,399千円(同20.2%増)となりました。

 この結果、営業利益は1,036,222千円(同193.6%増)となりました。

 

③ 経常利益

 当連結会計年度における経常利益については、受取配当金7,433千円(同48.3%減)を計上したこと等により営業外収益が106,157千円(同2.8%減)となりました。また、株式交付費5,099千円、株式公開費用30,837千円を計上したこと等により営業外費用が74,911千円(同55.4%増)となりました。

 この結果、経常利益は1,067,468千円(同157.9%増)となりました。

 

④ 当期純利益

 当連結会計年度における当期純利益については、固定資産売却益508千円(同99.1%減)を計上したこと等により特別利益が508千円(同99.1%減)となりました。また、固定資産売却損15,250千円、固定資産除却損94,634千円(同146.9%増)を計上したこと等により特別損失が112,042千円(同172.0%増)となりました。更に連結子会社の税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産の回収可能性を検討した影響により法人税等(法人税等調整額を含む)が288,346千円(同23.5%減)となりました。

 この結果、当期純利益は667,587千円(同1,120.2%増)となりました。

 

(4)経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載しております。

 鶏卵事業におきましては、卵価及び飼料価格の変動により業績が変動するリスクを抱えておりますが、卵価安定基金制度及び飼料安定基金制度により一定程度業績への影響が軽減される仕組みも有しております。

 

(5)キャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は2,209,320千円(前連結会計年度末1,180,792千円)となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動による資金の増加は1,379,338千円(前連結会計期間1,103,187千円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益955,934千円の計上、減価償却費657,479千円及び売上債権の減少226,315千円等による資金の増加が、仕入債務の減少124,291千円及び法人税等の支払額463,534千円等の資金の減少を上回ったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の投資活動による資金の減少は1,027,372千円(同503,294千円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1,038,044千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の財務活動による資金の増加は676,562千円(同554,145千円の減少)となりました。これは主に長期借入金による収入670,000千円及び株式発行による収入693,565千円等による資金の増加が、長期借入金の返済による支出591,598千円等の資金の減少を上回ったことによるものであります。

 

(6)経営者の問題意識と今後の方針

 当社は平成27年4月に岩手県の株式会社第一ポートリーファームを買収しましたが、生産・製造設備が老朽化していること、また鶏卵販売が関東の問屋売り主流であることなどが問題点であります。

 これから数年間かけて株式会社第一ポートリーファームの全ての鶏舎とGP工場を一新し、当社の北海道内の鶏舎とGP工場並の生産成績と品質管理を行えるようにすること、販売も地場直販の比率を高めていくことが、第一の重要課題であります。

 第2の重要課題は、次世代を担う人材の育成であります。当社グループの年齢構成は高齢化しており、今後は定期的に新卒を採用し、育成に努めてまいります。