第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針及び経営環境等

① 経営方針

当社は「グローバルな競争社会で成長発展していくために、常に将来を見通し、大胆に変化していく。」を経営方針としております。いまや鶏卵といえども国内情勢だけを見て経営判断できる時代ではなくなったと認識しております。国内、国外の動向を把握し、常に10年後の近未来を予測し、過去、現在の仕事のやり方に固執することなく積極的かつ大胆に変化していく事が肝要です。

 

② 経営環境

鶏卵業界におきましては、前連結会計年度から続く鶏卵生産量増大により当連結会計年度上半期においては鶏卵相場が前連結会計年度をさらに下回る水準で推移しましたが、下半期になり生産量減少からようやく相場は反転、今年4月までは前年を上回る相場水準となりました。しかしながら新型コロナウイルス感染症の影響を受け今年4月以降相場は急落、5月に入り前年を下回る水準となっております。今後の相場動向は感染症終息状況に大きく左右されると思われますが、感染の第2波等の拡大がなければ、業務用需要の回復とともに、今年後半には相場は徐々に上昇するものと予想しております。この様な状況下当社としましては、当社としての競争優位の源泉となっている末端小売店への直接販売や高度な品質管理を武器に本州での販売強化を図ってまいります。

 

(2)経営戦略等

① 事業領域の地理的拡大

当社グループの持続的成長には、事業領域の地理的拡大が必要です。当社は2014年には岩手県にある株式会社第一ポートリーファームの買収を行い、前連結会計年度は宮城県に農場買収、GP工場建設、営業支店の開設を行いました。今後は買収した農場の生産能力を引き上げるなどして、南東北、関東圏への販路、販売量の拡大を実行してまいります。

 

② 相場に左右されない収益体質の構築

鶏卵は相場商品であり、このため当社収益も相場動向に左右されやすい収益構造になりがちです。当社は相場に左右されない収益体質構築のため、販売価格が比較的安定し、相場の影響を受けにくい「付加価値卵」(各種栄養成分を強化した卵、アニマルウェルフェアを意識した卵)の開発、拡販に注力してまいります。

 

③ 農場生産成績向上による鶏卵生産コストの引き下げ

生産コストの引き下げはメーカーでもある当社にとって永遠の取り組み課題です。最新技術を導入した鶏舎への建替え、飼料成分・飼育環境の改良、徹底した防疫対策を通じ、鶏卵生産成績の向上とコスト削減に取り組んでまいります。

 

④ 品質管理の徹底

当社の北海道内の5GP工場及び岩手県のはまなすGP工場では、既に食の安全の世界的認証であるFSSC22000を取得しております。

また、2018年3月には株式会社第一ポートリーファームの2農場で、同年12月には当社の札幌・千歳の2農場で、食の安全や環境保全に取り組む農場に与えられる認証であるJGAPを取得いたしました。

本年度は、宮城県の多賀城GP工場でFSSC22000の取得に挑戦します。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループの事業は製品の定価販売が可能な製造業と異なり、製品たる鶏卵、原料である飼料ともその価格が相場に大きく左右されます。このため売上高総利益率等の指標を計画や経営上の目標とすることはかえって経営の本質を見誤る危険性を含んでいるため、事業計画上これらの指標に目標を設定しておりません。代わりに各事業ごとの事業成績目標の達成状況を判断するため、産卵率、平均卵重、飼料要求率(卵を産むためにどれだけの餌が必要かを示す指標)、一人一時間当たり製造量(パック詰め等作業)、相場差(販売単価と鶏卵相場の価格差)等の生産・製造・販売に関連する指標を当社では重視しており、結果として売上高総利益率の改善につながるような事業活動を行っております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 宮城県の拠点整備と販売の拡大

当社戦略の柱となる事業領域の地理的拡大の達成の鍵を握るのは、昨年1月に買収した宮城県栗原市の吉目木農場での生産拡大及びここで生産される卵の南東北、関東市場における拡販です。農場においては既に鶏舎の建て替えも進んでおり、今後4年かけて古い鶏舎を一新し、飼育羽数も20万羽から50万羽に拡大する予定です。また販売では近隣スーパーへの売り込みも実績を挙げつつありますが、今後はこれを関東市場にまで拡大してまいります。

 

② 人材の確保

 上記事業領域の地理的拡大の達成のためには有能な人材の確保が不可欠ですが、急速に進む少子高齢化の中で若く優秀な人材を確保することは年々難しくなってきております。当社は生産、製造、営業、管理の4部門において従来型の新卒定期採用のみならず、中途採用、キャリア採用など、より柔軟な採用、雇用形態を通じ優秀な人材の確保を図ってまいります。

 

③ 生産成績の向上

戦略の一つである鶏卵コストの引き下げのためには農場成績をより向上させることが絶対条件となります。比較的基盤整備が完了している道内農場においては飼育管理をより徹底することで成績の向上を図ってまいります。 東北の3農場においては既に2農場(はまなす、盛岡)では新鶏舎への建て替えが9割程度完了し、農場成績が大幅に改善しました。宮城県吉目木農場も鶏舎立替とともに成績が大きく改善していくものと期待しております。

 

  ④ SDGs、アニマルウェルフェアへの取組

地球の温暖化など環境問題が先鋭化する現代においては、企業の取組課題としてSDGs(持続可能な開発目標)、さらに畜産事業に携わるものとしてアニマルウェルフェアは避けて通れない課題です。当社は農場で発生する鶏糞を発酵肥料として農地還元を図ることで循環型社会形成の一助を担ってまいります。また北海道及び東北の農場において平飼鶏舎を導入するなどアニマルウェルフェアにも積極的に取り組んでまいります。アニマルウェルフェアを意識した鶏卵製品の市場への投入はまた相場に左右されにくい当社収益構造の構築という戦略を支える大切な手段ともなっています。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業環境に関するリスク

① 鶏卵相場の変動性

 当社グループは鶏卵を主力商品として生産及び販売しており、鶏卵相場の変動によるリスクにさらされております。当社グループでは、相場変動リスクを軽減するため、鶏卵相場に左右されない固定単価での販売可能な特殊卵へのシフトを進めてきた結果、鶏卵販売重量の約30%が特殊卵となっております。また、鶏卵相場の変動に対する負担増が軽減される卵価安定基金制度(注)があり、これに加入(積立て)しております。しかしながら、国内の需要バランスが崩れ供給過剰となり、鶏卵相場の低迷が長期にわたった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(注) 鶏卵生産者経営安定対策事業(通称 卵価安定基金制度)について

 本制度は卵価低落時に価格差補填交付金を交付することによって鶏卵生産者の経営の安定を図るもので現在は一般社団法人日本養鶏協会が事業主体となっています。

 まず、毎年「補填基準価格」が決められますが、2018年度、2019年度はキロ185円、2020年度(2020年4月~2021年3月)はキロ183円なっております。「標準取引価格」(JA全農たまご株式会社の東日本営業所(東京相場)と同西日本営業所(大阪相場)の加重平均取引価格…取引の実績)が補填基準価格を下回った場合、下回った価格の90%が交付される仕組みです。加入者はキロ当たり4円50銭の積立てを行います。また、支給額の12.5%は国からの補助金となります(2020年度)。

 なお、2020年度から制度が変わり、標準取引価格が安定基準価格(2020年度キロ161円)を下回った場合、飼養羽数10万羽以上の生産者に対しても価格補てんが行われることとなりました。また60日以上90日未満の空舎期間を設けた場合(早期淘汰---通常は30日の空舎期間です)に、飼養羽数10万羽以上の生産者に対して1羽210円、飼養羽数10万羽未満の生産者に対して1羽310円の奨励金が、90日以上120日未満の空舎期間を設けた場合に、飼養羽数10万羽以上の生産者に対して1羽420円、飼養羽数10万羽未満の生産者に対して1羽620円の奨励金が交付されることになりました。なお、当社グループは10万羽以上の生産者に該当します。

 卵価安定基金支払及び卵価安定基金収入は販売費及び一般管理費で計上しております。

 

② 業績の季節変動について

 当社グループの売上高及び営業利益は上述の通り、鶏卵相場の推移によって大きく変動します。例年、鶏卵相場は1月の初市で大きく下落しますが2月にかけて上昇し、4月までは比較的高値圏で推移し、5月の連休以降は下落傾向になり、夏場にかけてかなり下落し、8月後半から9月にかけて上昇し、10~12月の需要期に高値推移という一定のリズムの季節変動性を持っています。

 この要因は気候の良くなる春先から一羽あたりの産卵が向上する反面、暑い夏場に向けて外食産業や一般家庭の消費が減退し、供給過剰になるためです。逆に、秋から冬にかけて卵価は高くなりますが、これは鍋物、クリスマスケーキなどに代表される冬季食品の伸びによる需要の増加のためです。

 このような鶏卵相場特有の季節的変動のため、業績の比重が下期に高く、当社グループの利益は第3四半期連結累計期間に偏重する傾向があります。

 

③ 疫病等による需要減退

 2004年に国内で79年ぶりに強毒性の鳥インフルエンザが発生しましたが、最近では2014年に熊本県、宮崎県、山口県で、2015年に岡山県、佐賀県で、2016年には青森県で発生した後、2017春先まで各地で鳥インフルエンザが発生しました。特に2016年12月には、道内で初めて鳥インフルエンザが発生しましたが、特段の消費減退はみられませんでした。その後は2018年1月に香川県で発生したのみですが、今後ふたたび強毒性の鳥インフルエンザが国内で猛威を振るった場合、一時的に全国的な需要減退の動きが発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 原料価格の変動

 当社グループの鶏卵生産の原価の60%程度は飼料費であります。飼料価格は、作況、船運賃、為替変動や世界的な需要動向に左右されるため、当社グループでは自社の研究鶏舎において飼料コスト低減のために給餌方法の試験を実施しております。飼料コストの低減を研究することによって、飼料価格の上昇を吸収し生産原価の低減

に努めております。また、飼料価格の変動に対する負担増が軽減される飼料安定基金制度(注)があり、これに加入(積立て)しております。しかしながら、飼料価格が大きく上昇し十分なコスト削減ができなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(注) 配合飼料価格差補填事業(通称 飼料安定基金制度)について

 本制度は原料価格に起因する配合飼料価格の変動によって生ずる畜産経営者の損失を補てんすることにより畜産経営の安定を図るもので、現在は一般社団法人全日本配合飼料価格畜産安定基金と一般社団法人全国配合飼料供給安定基金が事業主体となっています。

 当社が加入している全日本配合飼料価格畜産安定基金を例にとると生産者がトン当たり400円、配合飼料製造会社がトン当たり800円(2020年度)を積立てます。そして、当該四半期の配合飼料の供給価格が直前1年間に係る配合飼料供給価格の平均価格を上回るとき、その上回る額を限度として補てん金が交付されます。

 なお、2014年度の制度変更で「当該四半期の輸入原料平均価格が直前1年間に係る輸入原料平均価格を上回るとき、その上回る額を限度としての補填」に変わりました。つまり、メーカー提示価格ではなく、とうもろこし、大豆かす、麦、コウリャンなどの原料の輸入通関価格での比較に変更になりました。

 飼料安定基金支払及び飼料安定基金収入は製造原価で計上しております。

 

⑤ 卵価安定基金制度及び飼料安定基金制度の基金不足

 養鶏経営の健全な発展を目的として、既述の通り卵価安定基金制度と飼料安定基金制度の仕組みが形成されています。

 当社グループも、同制度が相場の変動及び飼料価格の変動に対する負担増が軽減される仕組みとなっていることから、これらの安定基金制度に加入(積立て)しております。しかしながら、これらの基金制度は、卵価低迷又は飼料価格高騰が長期化する場合には基金不足により充分に機能せず、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 新型コロナウイルスの影響について

 北海道知事及び政府が発表した新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言は、鶏卵消費にとっても大きなマイナスの影響を与えており、特に業務用製品の販売の落ち込みは非常に大きくなっております。

 一方当社の顧客構成に占める業務用製品の販売比率は比較的小さく、その減少額が全体の売り上げに占める割合は限定的でもあります。また当社収益の柱の一つとなっているPG卵モーニングなどの付加価値卵は家庭用用途中心であり、業務用市場の縮小の影響を受けにくくなっております。

 これらの点を勘案し、確かに新型コロナウイルス感染症の今後の展開は予想が困難ではありますが、当社収益への影響は比較的限定的と判断しております。

 

(2)事業活動に関するリスク

① 単品経営(鶏卵依存)

 当社グループの売上のほとんどは鶏卵販売が占めており、かつ上述の(1)①において記載のとおり、相場商品であることから、利益は鶏卵相場により大きく変動する可能性があります。当社グループとしては、鶏卵生産コスト低減のため、自社研究鶏舎において生産性向上のための様々な研究の実施により有効な研究結果を一般鶏舎に適用し、鶏卵相場が低迷しても利益を計上できるような体質づくりを進めております。しかしながら、これらの対策を上回る価格変動が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

② 食品の安全・衛生問題について

 当社グループにおきましては、安全・安心で高品質な製品を提供するために最新鋭設備の導入や製品の品質管理、従業員への衛生教育を行うなど、衛生問題には万全の注意を払っております。卵が原因であるサルモネラ食中毒は我が国では近年大きく減少しておりますが、生で食べる食品であるため食中毒のリスクを完全に排除することはできません。道内におきましては、健康な雛を当社グループ農場で育成し、かつ鶏舎単位で雛をすべて入れ替えるオールイン・オールアウト方式を採用し、鳥獣の侵入を防ぐウインドレス鶏舎での育成を実施しております。成鶏舎におきましてもウインドレス鶏舎にてHACCP手法を取入れた飼養管理をする他、GP工場においてパッキングする前に卵殻の塩素殺菌等を実施するなど様々なサルモネラ対策を実施しております。しかしながら、今後、偶発的な事由によるものも含めて、当社グループ製品を起因とした安全衛生問題が発生する可能性があり、もし発生した場合は当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 鳥インフルエンザ発生による移動制限または殺処分

 当社グループ農場の近隣で鳥インフルエンザが発生した場合、近隣農場は一時的に鶏や鶏卵の移動制限を受けるため、その間出荷が出来なくなる可能性があります。また、当社グループは鳥インフルエンザ防止のため様々な衛生対策を策定し厳重に実施管理しておりますが、万一当社グループの農場で鳥インフルエンザが発生した場合、原則として鶏は殺処分となります。当社グループは成鶏農場のどの農場で鳥インフルエンザが発生しても他の農場・GP工場でバックアップできる体制は完成しておりますが、風評被害により当社グループ製品の買い控えが起こり、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 また、育成農場に鳥インフルエンザが感染した場合、当社グループは育成農場を予め分散して建設しているため生産機能が全滅することはありませんが、育成農場から成鶏農場への大雛供給に支障を来たし、生産計画に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 鶏糞処理

 家畜の糞尿処理については「家畜排せつ物の管理適正化及び利用の促進に関する法律」により適切に処理することとなっています。家畜排せつ物は不適切な管理によって、環境問題の発生源となりうる側面を有する一方で、堆肥化など適切な処理を施すことによって土地改良資材や肥料としての有効活用が期待され貴重な資源としての側面も有するものといえます。当社グループでは鶏の排せつ物がこの対象となり、鶏糞のほとんどは肥料として近隣農家へ無償で譲渡しております。

 しかしながら、農作業の省力化を背景として資源としての利用が簡単でない状況になり、鶏糞処理が円滑に行われなければ当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 投資活動について

 当社グループは、2018年12月に宮城県多賀城市にGP工場を新設、2019年1月に同県栗原市に農場を取得し本格稼働いたしております。南東北に生産・製造の拠点を確立することが出来、今後収益の拡大に寄与するものと考えております。しかしながら、当社グループが設備投資時点において想定した通りに事業を展開できない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)法的規制によるリスク

 当社グループでは、コンプライアンスを経営上の重要な課題と位置付け、その強化に努めておりますが、コンプライアンス上のリスクを完全に排除することはできません。当社グループの事業活動が法令や規制に抵触するような事態が発生したり、予期せぬ法令や規制の新設・変更が行われたりした場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)自然災害のリスク

 当社グループでは自然災害への対策として生産、製造、営業、管理の各部門ごとにBCPを作成しております。しかしながら地震、台風などの自然災害が発生し、当社グループの農場・GP工場が想定外の大規模な被害を受けた場合には、事業活動が停滞し、また損害を被った設備の修復のため多額の費用が発生するなど、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

a.財政状態

(資産合計)

 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて196,410千円減少し14,676,110千円となりました。

 流動資産は、前連結会計年度末に比べて167,754千円減少し3,691,687千円となりました。これは、主として現金及び預金が273,167千円増加したものの、受取手形及び売掛金が217,837千円、流動資産のその他が256,780千円減少したこと等によるものです。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べて28,656千円減少し10,984,422千円となりました。これは、主として有形固定資産の取得により建物及び構築物が91,870千円増加したものの、機械装置及び運搬具が減価償却により147,408千円減少したこと等によるものです。

 なお、当連結会計年度において実施いたしました設備投資の総額は1,112,390千円であります。これらの資金は自己資金及び借入金でまかなっております。

 

(負債合計)

 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて334,005千円減少し5,747,497千円となりました。

 流動負債は、前連結会計年度末に比べて399,506千円増加し3,082,858千円となりました。これは、主として短期借入金が300,000千円、流動負債のその他が115,821千円増加したこと等によるものです。

 固定負債は、前連結会計年度末に比べて733,512千円減少し2,664,639千円となりました。これは主として長期借入金が721,320千円減少したこと等によるものです。

 

(純資産合計)

 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて137,595千円増加し8,928,612千円となりました。

 これは、主として剰余金の配当が84,590千円あったものの、親会社株主に帰属する当期純利益223,088千円を計上したこと等によるものです。

 

b.経営成績

 当連結会計年度における日本経済は、昨年末までは企業収益の拡大、雇用所得環境の改善が続き、比較的堅調な株価に示されたように国内景気は回復基調にありました。しかしながら今年1月日本で最初の感染者が発見された新型コロナウイルス感染症は世界に拡散、パンデミック(世界的大流行)となり、世界経済は一転してリーマンショックをも上回る景気の後退局面へと突入しております。

 鶏卵業界におきましては、前連結会計年度から続く鶏卵生産量増大により当連結会計年度上半期においては鶏卵相場が前連結会計年度をさらに下回る水準で推移しましたが、下半期になり生産量減少からようやく相場は反転、結果当連結会計年度平均鶏卵相場は、北海道Mサイズが1キロ178円31銭と前年比4円80銭高、東京Mサイズは1キロ181円76銭と前年比10円33銭高となりました。

 当社グループは昨年1月に買収した宮城県の農場での鶏卵生産、及び東北地区での販売強化を進めた結果、売上数量、売上高とも前年を上回りました。一方収益につきましては、物流経費の増加及び道内における販売激化の結果鶏卵販売単価が低迷したことより営業利益、経常利益とも前年同期を下回ることとなりました。

 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高は13,416,235千円(前年同期比5.1%増)、営業利益は139,967千円(同9.0%減)経常利益は198,614千円(同10.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は223,088千円(同162.4%増)となりました。

 なお、当社グループは鶏卵事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

 ②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて273,167千円増加し、2,197,945千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ1,358,447千円多い1,903,654千円の収入となりました。これは主として税金等調整前当期純利益289,767千円の計上、減価償却費1,085,870千円、売上債権の減少217,837千円等による資金の増加によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ1,826,275千円少ない1,056,562千円の支出となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出998,981千円等によるものであります。

 尚、当社グループとしては、新事業への進出等特別な理由がないかぎり、毎年の投資が当社グループの年間償却金額(10億円前後)を大きく超過しないよう、投資金額総額を管理してまいります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、573,925千円の支出(前年同期は1,126,880千円の収入)となりました。これは主に短期借入れによる収入300,000千円等による資金の増加が、長期借入金の返済による支出764,436千円、配当金の支払額84,590千円等による資金の減少を下回ったことによるものであります。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループの事業は鶏卵事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における生産実績は品目別に記載しております。

品目別

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

  至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

鶏 卵(千円)

11,165,570

4.0

食 品(千円)

90,591

1.7

その他(千円)

798

合計(千円)

11,256,959

4.0

 (注)1.金額は製造原価によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.商品仕入実績

 当社グループの事業は鶏卵事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における商品仕入実績は品目別に記載しております。

品目別

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

  至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

鶏 卵(千円)

111,567

△23.0

食 品(千円)

118,529

△11.9

その他(千円)

46

△63.9

合計(千円)

230,142

△17.7

 (注)1.金額は仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.受注実績

 当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

d.販売実績

 当社グループの事業は鶏卵事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は品目別に記載しております。

品目別

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

  至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

鶏 卵(千円)

13,156,263

5.4

食 品(千円)

259,848

△6.0

その他(千円)

123

△11.5

合計(千円)

13,416,235

5.1

 (注)1.総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありま

 す。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下の通りです。

 鶏卵販売重量は前年同期比5.2%の増加、鶏卵相場はMサイズ平均で前年同期比北海道相場で2.8%、東京相場で6.0%上昇しました。しかしながら、売上高は前年同期比5.1%の増加に留まりました。これは、当連結会計年度において鶏卵販売競争の激化により鶏卵相場上昇に見合う分の販売価格転嫁がなされなかったことによります。

 また、売上高総利益率は14.5%と前年同期比1.4ポイントの上昇に留まりました。更に、運賃・卵価安定基金等の支払い増で販売費及び一般管理費合計が前年同期比275,943千円増加し、営業利益は前年同期比13,874千円減少となりました。但し、親会社株主に帰属する当期純利益は一昨年の胆振東部地震及び台風により被害を受けた施設・機械の、再建・修繕に伴う自治体からの助成金収入195,269千円を特別利益に計上したことから前年同期比138,079千円増加し223,088千円となりました。

 当社が経営管理上重視している道内市場占有率、販売数量、農場における飼料要求率、製造部門における稼働率等の管理指標はほぼ計画通りとなっており、当社の収益構造を支える基礎的な体力は維持されていると判断しております。

 今後については経営戦略に掲げた事業領域の拡大、付加価値卵の拡販、農場成績向上に加え、物流の合理化によるコスト削減等を確実に実行し、当社収益構造の改善を達成してまいります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

資金需要動向については以下の通りです。

 当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは飼料費、初生雛費、大雛費、各事業についての一般管理費等があります。設備資金需要としては、鶏舎の建替え、GP工場の機械更新、情報処理投資等があります。

資金調達及び流動性確保に関する認識は以下の通りです。

 当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入による資金調達を行っております。尚、当社グループのD/Eレシオは0.38と極めて低く、当面の資金調達余力に問題はないと認識しております。

 また、新型コロナウイルス感染症による当連結会計年度のキャッシュ・フローへの影響につきましては、「2 事業等のリスク (1)事業環境に関するリスク ⑥新型コロナウイルスの影響について」に記載の通り、当社収益への影響は比較的限定的と判断しており、キャッシュ・イン・フローへの影響も限定的であるため、当面の資金調達に問題はないと認識しております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国で一般に公正妥当と認められている会計、基準に従って作成されております。これらの連結財務諸表の作成にあたって、期末日における資産・負債の金額及び報告期間における

収益・費用の金額に影響する見積り、判断及び仮定を使用する必要があります。当社グループの会計方針のうち、見積り等の重要性が高いものを以下にあげております。

1)繰延税金資産の回収可能性の評価

 当社グループは繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。しかし、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、その見積り額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用を計上する可能性があります。

2)固定資産の減損損失

 当社グループは固定資産の減損会計の適用に際し、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位としてGP工

場を基本単位としてグルーピングを行っております。割引前将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、回収可能価額まで帳簿価額を減額して減損損失を計上しております。事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。