第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当事業年度におけるわが国の経済は、政府や日銀による経済政策及び金融政策により、企業業績や雇用情勢が緩やかに回復しているものの、英国のEU離脱の決定、中国や新興国の景気減速、インバウンド需要の減速感により、依然として先行き不透明な状況となりました。一方で、当社の事業に関連するインターネット広告の市場規模につきましては、平成27年(1月~12月)の市場規模は前年比10.2%増と引き続き順調に拡大しております。(注)

このような環境の下、当社は「公正な不動産投資市場の構築」をビジョンとして、不動産投資ポータルサイト「楽待」を運営してまいりました。

(注)出所 電通 「2015年 日本の広告費」

「楽待」では、「楽待新聞」やメールマガジンを通じて不動産投資家への有益なコンテンツの提供を充実させ会員数の増加策を図るとともに、掲載サービスにおけるキャンペーン実施などの拡販施策により不動産会社への営業強化を行ってまいりました。また、平成27年7月から投資用不動産を保有する大家さん向けの新サービス「大家さんの味方」をリリースしたことで、不動産投資家向けにワンストップでサービスを提供できる環境が整い、「楽待」の利用価値向上に寄与しました。

その結果、「楽待」ウェブサイトの会員数は73,051人(前年同期比34.6%増)、期末物件掲載数は67,711件(前年同期比68.2%増)及び閲覧数であるページビュー(PV)数は9,636万PV(前年同期比47.5%増)といずれも大幅に増加しました。

これらの結果、当事業年度の業績は、「売上高」は1,277,287千円(前期比40.0%増)、「営業利益」は584,182千円(前期比24.1%増)、「経常利益」は564,707千円(前期比22.7%増)、「当期純利益」は371,912千円(前期比29.3%増)となりました。

当社は単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。ビジネスごとの取組みは以下のとおりであります。

(集客支援ビジネス)

「楽待」では、「楽待新聞」やメールマガジンを通じて不動産投資家への有益なコンテンツの提供を充実させ会員数の増加策を図るとともに、不動産会社への営業の強化を行って参りました。また、平成27年7月から「大家さんの味方」がスタートし、当該サービスを通じてたくさんの成約事例を掲載することができました。この結果、「集客支援ビジネス」の売上高は、前年同期53.7%増の1,056,009千円となりました。

 

(仕入支援ビジネス)

会員向けに、PR活動を強化し、当社のサービスを広く認知していただくように努めました。この結果、「仕入支援ビジネス」の売上高は、前年同期比40.3%増の171,620千円となりました。

 

(その他)

前事業年度末において、不動産投資家向け教材DVD「8つのステップ2014」「8つの戦略2015」の販売が終了致しました。この結果、「その他」の売上高は、前年同期比51.7%減の49,658千円となりました。

なお、「その他」には不動産会社等が当社のシステムを利用する際の初期設定料が計上されております。

 

(2)キャッシュ・フロー

当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、1,752,909千円となり、前事業年度末と比較して306,998千円の増加となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって獲得した資金は、325,567千円となりました。この主な要因は、税引前当期純利益564,707千円を計上した一方で、売上債権の増加87,078千円、法人税等の支払額193,444千円が生じたことによるものです。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、4,803千円となりました。この主な要因は、敷金及び保証金の回収による収入7,251千円、有形固定資産の取得による支出5,051千円、無形固定資産の取得による支出7,003千円が生じたことによるものです。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、13,765千円となりました。この主な要因は、一部指定関連支出20,163千円、自己株式取得による支出203千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入6,602千円が生じたことによるものです。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 該当事項はありません。

 

 

(2)受注状況

 該当事項はありません。

 

 

(3)販売実績

 当社は「不動産投資ポータルサイト事業」の単一セグメントとしておりますが、販売実績をビジネス区分ごとに示すと、次のとおりであります。

ビジネスの名称

当事業年度

(自 平成27年8月1日(千円)

至 平成28年7月31日)

前年同期比(%)

集客支援ビジネス

1,056,009

153.7

仕入支援ビジネス

171,620

140.3

その他

49,658

48.3

合計

1,277,287

140.0

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

当社が対処すべき主な課題は以下のとおりであります。

   (1)継続的な成長について

当社は、不動産投資ポータルサイト「楽待」の成長が、安定的・継続的な事業発展に必要不可欠であり、「楽待」への物件及びリフォーム会社等の掲載数の増加とサイト訪問者数の増加を図ることが必須であると考えております。

今後とも当社サイト内のコンテンツ及びサービスの充実による利便性向上、掲載物件情報の拡充及び健全なサイト運営等を強化し、不動産投資家及び不動産会社・リフォーム会社等に必要不可欠なサイトを目指してまいります。

 

   (2)組織体制の強化について

当社は少人数で効率的な組織運営を行ってまいりましたが、事業のさらなる成長のためには、優秀な人材確保及び人材育成が重要な課題であると考えております。

今後は、当社の新規分野及び海外分野の事業を担える優秀な人材を確保するため、採用力向上と公正な人事システム構築に努めてまいります。

 

   (3)システムの安定性の確保

当社の不動産投資ポータルサイト事業におきましては、インターネット上でサービスを提供している関係上、安定したサーバー環境や通信環境を維持する必要があります。

そこで当社では、利用者数の増加に伴うアクセス数増加を考慮したサーバー機器の整備、負荷分散システムの導入等が重要となります。今後も設備投資等を継続的に行い、システムの安定確保に取り組んでまいります。

 

   (4)経営管理体制の強化

当社は、企業価値の持続的な拡大を図る上で、コーポレート・ガバナンスが不可欠であると認識し、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらには健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底に努めております。

今後も、組織が健全かつ有効、効率的に運営されるように内部管理体制の整備、強化、見直しを行うとともに、法令遵守の徹底に努めてまいります。

 

(5)新規事業について

不動産投資家は物件購入後にも賃料収入を維持するためのリフォーム会社等と多くの取引を行います。これまで当社は、不動産投資家の売買を支援するサービスを提供しておりましたが、平成27年7月に「大家さんの味方」をリリースし、現在「外壁塗装」「賃貸管理」「建築(新築・建て替え)」「内装」のカテゴリーを運営しております。今後も不動産投資家が必要としているサービスを順次開始する予定です。

また、当社は、将来的な海外展開を検討しており、今後、市場調査等を行っていく方針でありますが、現時点において具体的に決定している事項はありません。

4【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅したものではありません。

 

(1)不動産投資市場の動向について

当社事業は、不動産市場に関連したサービスを提供しており、景気動向、金利動向、地価・不動産価格、リフォーム等のサービス価格、原材料価格、物件供給動向、法規制又は税制等の変化による不動産取引市場の動向に影響を受ける可能性があります。

特に、当社は、投資用不動産に特化した情報サービスを展開していることから、当該分野における取引動向及び投資対象としての不動産需要の動向等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社事業における収益は一部を除き不動産会社及びリフォーム会社等から受領するものであり、これら事業者の業況及び広告宣伝費等の動向により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)ポータルサイト「楽待」について

  ①会員(不動産投資家)について

当社は、ポータルサイト「楽待」を中心とした事業を展開しており、事業の基盤は、多くの会員がサイトに訪問することであると考えております。

当社は、不動産投資家のニーズに応じたサービスを提供することにより新たな会員獲得及び利用拡大を推進していく方針でありますが、当社会員数が想定を下回る又は減少が生じたことにより、広告効果が低下した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

  ②サイトへの集客における外部検索エンジンへの依存について

当社が運営するサイトへの集客は、検索サイトを経由したものが多くを占めており、検索エンジンの表示結果に依存しているといえます。

なお、当社は、独自のSEO(※)ノウハウを用いた対策の実施等により、検索結果において上位表示されるべく対応を図っておりますが、今後、検索エンジン運営者における上位表示方針の変更等により、当社のSEO対策の有効性が低下し、検索結果が当社にとって優位に働かない状況が生じた場合には、サイトにおける集客効果が低下し当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

  ※SEOとは、サーチ・エンジン・オプティマイゼーションの略称で、検索エンジンの上位に自社のWebサイトが表

   示されるようWebページを最適化することを指します。

 

  ③顧客である不動産会社及びリフォーム会社等について

不動産会社及びリフォーム会社等の営業・集客手法として、インターネットを活用する比重が高まっております。当社サイトにおいては、物件を探す不動産投資家と不動産関連情報を持つ不動産会社等とのマッチング機能を高めるべく、顧客ニーズに応じた各種サービスを提供しており、会員数の拡大とともに顧客である不動産会社等数は増加傾向にあります。

不動産会社及び不動産会社等による当社サービスの利用については、一定の効果が求められるものであり、何らかの要因で顧客が期待する費用対効果が実現できない場合、利用縮小や取引継続が困難となる等の状況が生じ、結果として、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、顧客の減少又は利用縮小により掲載される物件情報の減少が生じた場合は、会員数拡大にも影響を及ぼす可能性があります。

 

  ④競合について

当社が事業を展開する不動産投資の分野においては、複数の事業者が参入しておりますが、大手事業者の本格的な参入及び展開については現時点において限定的であるものと認識しております。

当社は、独自のSEOやコンテンツのノウハウを有しており、現在の不動産投資ポータル分野において一定数の会員、不動産会社及びシェアを確保し、優位性を保持していると認識しておりますが、今後既存事業者の拡大や大手企業等の当該分野への本格参入が生じ、不動産投資家獲得や不動産会社獲得競争が激化した場合には、価格競争や会員獲得コストの増加等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

  ⑤サイト運営について

当社は、サイト運営に際して、会員が安心して利用出来る様に、物件情報等を掲載する不動産会社については、過去における行政処分や係争事件の有無等を確認すること等により、不適切な事業者の排除に努めており、また、サイト上に掲載される不動産物件情報については、不適切な広告表現等がシステム上入力出来ない仕様としております。また、いわゆる「おとり広告」や「無許可掲載」等が判明した場合には、取引中止等の対応を実施することとしております。ただし、当社において、掲載される物件及び会社情報の内容の正確性及び適正性にかかる確認には限界があり、不動産会社等の故意又は過失による適正性に欠ける物件情報等が掲載されるリスクは排除できません。

当社事業は、会員と不動産会社等との不動産取引に当社が直接関与する形態ではなく、また、過年度におい

て、当社が提供する情報・サービスに起因する会員と不動産会社及びリフォーム会社等との不動産関連取引等にかかる重大なトラブル等は生じていないものと認識しております。

しかしながら、今後において、何らかの重大なトラブル等が生じた場合、当社が第三者の不適切行為やトラブル等に巻き込まれた場合、何らかの法的責任を問われた場合又はこれらにかかる風評が生じた場合には、当社サイトの評判又は信頼性が低下する可能性があるほか、損害賠償請求等が生じる可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

  ⑥サービス価格について

当社事業にかかるサービス価格については、不動産ポータルサイトのサービス価格を考慮して設定しておりますが、より多くの不動産会社にご利用いただくために、低い価格水準に設定しているものと認識しております。

今後において、当社サービスの競争力や付加価値、他事業者の価格水準等を考慮して、サービス価格の変更を実施する可能性があります。価格変更により、顧客である不動産会社の取引継続やサービス利用が大幅に変化した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)技術革新について

当社が事業を展開するインターネット業界においては、事業に関連する技術革新のスピードや不動産投資家及び不動産会社及びリフォーム会社等のニーズの変化が速く、それに基づく新サービスの導入が相次いで行われています。当社はこれらの変化に対応するため、技術者の確保や必要な研修活動を行っておりますが、これらが想定通り進まない場合等、変化に対する適切な対応に支障が生じた場合、当社の業界における競争力が低下し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)システムについて

当社の事業は、携帯電話やPC、コンピュータ・システムを結ぶ通信ネットワークに全面的に依存しており、自然災害や事故(社内外の人的要因によるものを含む)等によって通信ネットワークが切断された場合には、当社の事業及び業績は深刻な影響を受けます。また、当社の運営する各サイトへのアクセスの急激な増加、データセンターへの電力供給やクラウドサービスの停止等の予測不可能な様々な要因によってコンピュータ・システムがダウンした場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社のコンピュータ・システムは、適切なセキュリティ手段を講じて外部からの不正アクセスを回避するよう努めておりますが、コンピュータ・ウイルスやハッカーの侵入等によりシステム障害が生じた場合には、

当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)法的規制等について

当社事業を規制する主な法規制として、「電気通信事業法」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」及び「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(以下、「不正アクセス禁止法」という。)があります。

電気通信事業法については、通信の秘密の保護等の義務が課されております。不正アクセス禁止法については、「アクセス管理者」として、努力義務ながら不正アクセス行為からの一定の防御措置を講じる義務が課されております。

その他、インターネット関連事業を規制する法令は徐々に整備されてきている状況にあり、今後、インターネットの利用や関連するサービス及びインターネット関連事業を営む事業者を規制対象として、新たな法令等の制定や、既存法令等の解釈変更等がなされた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)知的財産権について

当社による第三者の知的財産権侵害の可能性については、調査可能な範囲で対応を行っていますが、当社の事業分野で当社の認識していない知的財産権が既に成立している可能性又は新たに当社の事業分野で第三者により著作権等が成立する可能性があります。かかる場合においては、当社が第三者の知的財産権等を侵害することによる損害賠償請求や差止請求等又は当社に対するロイヤリティの支払い要求等を受けることにより、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)個人情報の取扱いについて

当社は、各種の個人情報及び取引先の機密情報等、重要な情報を多数扱っております。当該情報の漏洩を回避するとともに、損害賠償請求に対する一定額のリスク回避のために保険に加入し、また、研修や教育などを通じて社員へ個人情報の取扱いについての指導をしております。

しかし、万一、当該情報が漏洩した場合、顧客から損害賠償請求を受けるリスクや情報サービス企業として信用失墜のリスクがあります。また取引における基本契約、個人契約の内容に関して契約不履行や不法行為が発生した場合には、顧客から損害賠償請求や提訴を受けるリスクや情報サービス企業として信用失墜のリスクがあり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)事業体制について

  ①代表者への依存について

当社の代表取締役社長である坂口直大は、当社の創業者であり、創業以来の最高経営責任者であります。同氏は、インターネットにおけるサービスの開発技術及びそれらに関する豊富な経験と知識を有しており、技術的判断、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしております。

当社では、最高技術責任者を同氏の他に任命しているほか、取締役会における役員との情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。

しかしながら、何らかの理由により同氏が当社の業務を継続することが困難になった場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

  ②人的資源について

当社は、急速に事業領域を拡大して参りましたが、今後のさらなる業容拡大及び業務内容の多様化に対応するため、開発、営業、管理等、当社内の各部門において、一層の人員の増強が必要になると考えられます。

しかしながら、事業規模の拡大に応じた当社内における人材育成や外部からの人材登用等が計画どおりに進まない場合や、当社の予想を大幅に上回るような社員の流出、有能な人材の流出が生じた場合に、競争力の低下や一層の業容拡大の制約要因となり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

  ③小規模組織における管理体制について

当社は小規模な組織であり、現在の内部管理体制もこれに応じたものになっております。当社は今後、事業拡大に応じた組織整備や内部管理体制の拡充を図る予定であり、今後においても、若干名採用する方針となっています。しかしながら、事業の拡大に応じた組織整備や内部管理体制の拡充が順調に進まなかった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)その他

  配当政策について

当社は利益配分につきましては、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを基本方針としております。

当社は、平成28年7月期末日を基準日とする記念配当を実施いたします。

今後の配当実施の可能性及び実施時期については未定であります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

  (2)財政状態の分析

    (資産の部)

当事業年度末における総資産は2,191,989千円となり、前事業年度末に比べ392,232千円増加しました。これは主に現金及び預金が306,998千円増加、売掛金が87,078千円増加したことによるものであります。

    (負債の部)

当事業年度末における負債は267,097千円となり、前事業年度末に比べ13,921千円増加しました。これは主に未払金が9,215千円の増加、未払費用が9,163千円の減少、前受金が6,779千円の減少、賞与引当金が24,000千円の増加したこと等によるものであります。

    (純資産の部)

当事業年度末における純資産は1,924,891千円となり、前事業年度末に比べ378,311千円増加しました。これは主に資本金が3,302千円、資本準備金が3,300千円、繰越利益剰余金が371,912千円増加したこと等によるものです。

 

  (3)経営成績の分析

    (売上高)

当事業年度の売上高は1,277,287千円となり、前事業年度に比べ365,256千円増加しました。これは主に会員である不動産投資家数、ページビュー数及び物件掲載数ともに順調に増加したことに伴い、集客支援サービスの売上高が増加したことによるものであります。

    (売上総利益)

当事業年度の売上原価は107,395千円となり、前事業年度に比べ34,544千円増加しました。これは主に採用による人件費の増加及び地代家賃の増加によるものであります。この結果、売上総利益は1,169,891千円となりました。

    (営業利益)

当事業年度の販売費及び一般管理費は585,709千円となり、前事業年度に比べ217,321千円増加しました。これは主に人員増加に伴う人件費の増加、地代家賃の増加及び広告宣伝費の増加によるものであります。この結果、営業利益は584,182千円となりました。

    (経常利益)

当事業年度の営業外収益は688千円となり、前事業年度に比べ516千円増加しました。また、営業外費用は20,163千円となりました。これは一部指定関連費用によるものです。この結果、経常利益は564,707千円となりました。

    (当期純利益)

当事業年度において、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)は192,794千円となり、これらの結果、当期純利益は371,912千円となりました。

 

  (4)キャッシュ・フローの分析

     「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載しております。

 

  (5)経営戦略の現状と見通し

  当社が関連する賃貸用不動産市場におきましては、平成27年度(4月~3月)の新設住宅着工戸数の内、賃貸用の物件(貸家)については、前年度比7.1%増の383,678戸となりました。(※)

 また、当社が事業を展開するインターネット広告市場につきましても、平成27年(1月~12月)の市場規模は前年比10.2%増と順調に拡大しております。(注2)

 このような市場環境の中、当社としましては、引続き会員数増加や取引社数増加に努めて参ります。

 また、スマートフォンアプリのリプレースを行い、モバイルでの展開を拡大していきます。

 

出所(※)国土交通省 「建築着工統計調査報告」(注2)電通「2015年 日本の広告費」

 

  (6)経営成績に重要な影響を与える要因について

    経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおり、

   事業環境、事業内容、システム等、事業運営体制、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能

   性があると認識しております。

    そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズにあ

   ったサービス展開をしていくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応

   を行ってまいります。

 

  (7)経営者の問題意識と今後の方針について

    これまでの不動産投資は、地主が自ら所有する土地に新築の賃貸マンション等を建設し、入居者から賃料収入を

   得る不動産投資が一般的でした。

    地主は長期的に保有し次世代へと相続されることが多いため、不動産所得者は約323万人(※)と多数存在してお

   りますが、流通する物件は少なく、また物件の地域性が高いため、限られた地域の中でわずかに取引される非常に

   閉鎖的な市場でした。

   出所(※)平成26年度 国税庁 統計年報 直接税より

    一方、バブル経済崩壊後の景気の低迷により、雇用形態の多様化、終身雇用制度や年功序列制度の衰退、企業年

   金制度縮小、公的年金支給年齢引上げなど、給与所得者のライフプランがこれまでと大きく変化してきておりま

   す。

    そこで給与所得者が、一定の収入を安定的に獲得でき、かつ比較的小さいリスクで資産形成ができる中古の不動

   産投資に着目し始めたことや、不動産投資に関する書籍が数多く出版されていることが、不動産投資市場の活発

   化の一因となっております。

    加えて、不動産投資市場の一層の拡大に伴い、インターネットを通じた不動産投資に関する知識やノウハウなど

   の情報提供が、盛んに行われるようになってきております。

    このような状況の中、当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案、

   施策の実施に努めております。

    不動産投資家は国内に多数存在しておりますが、同時に当社のサービスを認知していない不動産投資家が数多く

   存在しております。当社が今後も持続的に成長するためには、不動産投資家に対して、認知度を高めることが重要

   であると認識しております。