第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

 

当連結会計年度(平成28年12月1日~平成29年11月30日)における我が国経済は、政府の積極的な経済政策を背景に個人消費は底堅い動きとなっており、また企業収益は改善に足踏みが見られるものの高い水準で推移し、全体として緩やかな回復基調となりました。一方、アジア諸国の経済動向や政策に関する不確実性など、先行きは依然として不透明な状況となりました。

 このような状況の下、当社は主にコンピュータグラフィックス(コンピュータを使って制作された映像、以下「CG」)関連のエンターテインメント(娯楽)業界向けビジネスに多角的に取り組んでまいりました。開発推進・支援事業においては、既存及び新規ミドルウェアの開発期間延長によるサポート収入があったものの、ライセンス販売では、開発の長期化や開発受託案件の需要が成約まで至らなかったこと、導入コストの低い他社製品との競争激化、案件規模の縮小化などにより期初計画を大幅に下回りました。受託開発においては、クライアント先の体制・予算見直し等の影響及び開発規模の縮小等により、期初計画を大幅に下回り、売上に貢献することができませんでした。しかし、新たに取り組んでおります非エンターテインメント領域の新規開拓について、案件数がかなり増えてきております。当社の技術力を活かし、安定的な収益が見込まれる非エンターテインメント領域(自動車業界、建築業界、セキュリティ業界等)の分野を中心に、より広範囲の製品と組み合わせて使えるようにミドルウェアに改良を加えるとともに、積極的に拡販活動を行い、業績回復及び業績安定に向けて全力を尽くしてまいります。特に自動車分野に関しては、既に組込システムの先行開発から設計段階まで進み、実装も視野に入れております。また、データサイエンス(ディープラーニングの活用等)領域に関しては、ユーザー行動の未来予測等に成果が出始めており、両領域共に今後の事業拡大に繋がるものと確信しております。コンテンツ事業においては、各コンテンツにおけるユーザー数の減少並びに新規タイトルの開発遅延により計画未達になりました。期中において、株式会社S&Mゲームス社に「逆襲のファンタジカ」及び「刻のイシュタリア」を譲渡し、開発体制の再構築を図りましたが、「テラバトル2」に関しては、開発遅延に加え、リリース後にサーバー不具合、システムエラー等が生じたことやユーザーの継続率、課金率等が当初の想定に届かなかったことから、サービス設計の見直しや戦略の変更が必要となり、売上への寄与に至りませんでした。今後は、受託タイトルや協業タイトルを中心に開発を行うことで、業績変動の影響を抑え安定した利益を確保できるよう全力を尽くしてまいります。さらに、変化する市場環境に対応したサービス提供を行えるように運営体制の効率化を図ってまいります。人材事業においては、昨年度からの順調な売上伸長が継続し、稼働率もそれに応じて高まっていること、また厳しい人材マーケットにもかかわらず、比較的順調に社員の採用及び求職者・派遣労働者の確保ができ、業績は安定に推移いたしました。

以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高が6,115,712千円(前期比12.7%減)、営業損失は1,251,537千円(同839,597千円減)、経常損失は1,202,755千円(同773,809千円減)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,137,815千円(同638,466千円減)となりました。

なお、報告セグメントの状況(セグメント間の内部取引消去前)は、以下のとおりであります。

 

 

① 開発推進・支援事業

 当連結会計年度においては、イギリスARM社の100%子会社であるGeomerics社より全てのプラットフォームに対してリアルタイムのグローバルイルミネーション(大域照明、または間接光表現)を提供する業界最高水準の技術である「Enlighten」に関するソフトウェアライセンスの取得及び全世界においての開発、販売、サポートの権利を取得いたしました。しかしながら、当期においては、全世界の販売体制の構築に手間取ったため、期初計画を下回りました。

また、新たに取り組んでおります非エンターテインメント領域の新規開拓については、まだ小規模ではありながら案件数が増加しております。安定的な収益が見込まれる非エンターテインメント領域(自動車業界、建築業界、セキュリティ業界等)の分野を中心に拡大してまいります。
 なお、ミドルウェアにおいては、ライセンス販売での案件長期化や開発受託案件の需要が具体化まで至らなかったこと、導入コストの低い他社製品との競争激化、案件規模の縮小化などがあり、期初計画を大幅に下回りました。受託開発においては、クライアント先の体制・予算見直し等の影響及び開発規模の縮小等により、期初計画を下回りました。また、受託開発を行っている連結子会社のイグニス・イメージワークス株式会社においては、遊技機器向けグラフィックスの人員配置換え等を実施し、新規案件の獲得を目指しましたが、減収をカバーすることができませんでした。

以上の結果、売上高は3,082,713千円(前期比6.1%増)、セグメント損失は376,345千円(同361,864千円減)となりました。

 

② コンテンツ事業

 当連結会計年度における主要タイトルの動向に関して、「逆襲のファンタジカ」及び「刻のイシュタリア」については、5月31日をもって株式会社S&Mゲームスにタイトルを譲渡いたしました。これは、コンテンツ事業の早期黒字化のためには抜本的な構造改革が必要との判断によるものであります。しかしながら、構造改革に時間がかかった結果として、株式会社ミストウォーカーとの協業タイトルである「テラバトル2」においても開発遅延に加え、リリース後のサーバー不具合、システムエラー等が生じたことやユーザーの存続率、課金率などが当初の想定に届かなかったことからサービス設計の見直し及び戦略の変更が必要となり、売上に貢献することができませんでした。また、未発表の1タイトルについても、今期内にリリースすることができませんでした。

以上の結果、売上高は1,560,463千円(前期比47.6%減)、セグメント損失は627,622千円(同609,575千円減)となりました。

 

③ 人材事業

 当連結会計年度における派遣先企業で稼働中の一般派遣労働者数は延べ2,709名、有料職業紹介の成約実績数は165名となりました。

以上の結果、売上高は1,473,693千円(前期比30.1%増)、セグメント利益は301,499千円(同55.0%増)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ965,442千円減少し、548,974千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動により使用した資金は、792,089千円(前連結会計年度は118,187千円の支出)となりました。これは主に売上債権の減少額136,839千円、減価償却費456,732千円の計上等の資金の増加要因があったものの、税金等調整前当期純損失1,049,259千円及び事業譲渡益183,496千円の計上等の資金の減少要因があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、251,652千円(前連結会計年度は287,348千円の支出)となりました。これは主に事業譲渡による収入194,000千円等の資金の増加要因があったものの、無形固定資産の取得による支出409,611千円等の資金の減少要因があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動により獲得した資金は、78,357千円(前連結会計年度は257,890千円の支出)となりました。これは主に短期借入金の返済による支出111,500千円、長期借入金の返済による支出157,877千円、自己株式の取得による支出114,300千円等の資金の減少要因があったものの、長期借入金による収入400,800千円等の資金の増加要因があったことによるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当社グループはコンソールゲームやミドルウェア等のコンテンツ及びソフトウエアの開発・保守等に関するサービスを行っており、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

開発推進・支援事業

3,267,022

97.5

670,495

142.6

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.コンテンツ事業については、自社オリジナルタイトルのゲームコンテンツの開発を行っており、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

4.人材事業については、受注から販売までのリードタイムが短い(1ヶ月未満)場合が多いため、記載を省略しております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

開発推進・支援事業

3,082,713

106.1

コンテンツ事業

1,560,463

52.4

人材事業

1,472,535

131.3

合計

6,115,712

87.3

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

  なお、Google Inc.はプラットフォーム提供会社であり、同社に対する販売実績は、当社グループが提供するゲームサービスの利用者(一般ユーザー)に対する利用料等であります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成27年12月1日

至 平成28年11月30日)

当連結会計年度

(自 平成28年12月1日

至 平成29年11月30日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

株式会社スクウェア・エニックス

630,461

9.0

933,182

15.3

任天堂株式会社

798,153

11.4

650,881

10.6

Google Inc.

1,151,898

16.5

479,528

7.8

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社グループは、「常に顧客視点で考え、世界最先端の技術力と想像力により、エンターテインメントを通じて社会に貢献する」ことを経営理念とし、技術革新が著しいデジタルエンターテインメント(Digital Entertainment)の事業領域において、「Entertainment」の一歩先を行く「EnterNext」を生み出し、最先端の感動を提供することを企業コンセプトとしております。

 

(2) 経営戦略等

当社グループは、上述の経営理念と企業コンセプトに基づき、今後の取り組みにつきましては、セグメント毎に組織を再構築し、それぞれの事業の目的及び目標を明確にするとともに、経営と執行を分離し、迅速な意思決定と業務執行の実現を基本方針とし、より収益性の高いビジネスへの注力及びコスト意識を高めることにより、利益率改善に努めてまいります。

(開発推進・支援事業)
 新たに取り組んでおります非エンターテインメント領域について、今期は重点的に伸ばしていく所存です。当社の技術力を活かし、安定的な収益が見込まれる非エンターテインメント領域(自動車業界、建築業界、セキュリティー業界等)の分野を中心に、より柔軟に様々なシステムと組み合わせられるよう、ミドルウェアに改良を加えるとともに積極的に拡販活動を行ってまいります。特に自動車分野に関しては、既に組込システムの先行開発から設計、実装を視野に入れております。また、データサイエンス(ディープラーニングの活用等)領域に関しては、ゲームユーザーの未来行動予測に一定の成果をあげることができ、両領域共に今後の事業拡大を進めてまいります。

(コンテンツ事業)
 効率的な運営体制の構築を進めるとともに受託タイトルや協業タイトルを中心に開発を行うことで、業績変動の影響を抑え安定した利益を確保できるよう全力を尽くしてまいります。さらに、変化する市場環境に対応したサービス提供を行えるように運営体制の効率化を図ってまいります。

(人材事業)
 人材事業においては、引き続き昨年度からの稼働派遣労働者数及び有料職業紹介の成約件数の増加を見込んでおります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社グループでは、既存事業領域の拡大及び新規事業の開拓により売上高の最大化と効率的なコスト削減を図り、売上高営業利益率重要な経営指標とし、収益性を重視した効率経営を図ることにより、継続的な企業成長を実現してまいります。

平成30年1月15日に公表いたしました平成30年11月期の連結業績予想におきましては、売上高7,382百万円、営業利益104百万円、売上高営業利益率1.4%を計画しております。

 

(4) 経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループが属するエンターテインメント業界につきましては、スマートデバイス(スマートフォン、タブレット端末の総称)の高機能端末の技術革新が日々スピードを増し、機能強化も一段と進んでおります。一方で、スマートフォンの普及は一巡化し、成熟期を迎えております。このような状況の下、当社グループは、技術革新やトレンドの変化に対応し、各端末への良質なゲームタイトルやミドルウェアの開発を継続的かつ迅速に行い市場に投入し、多様化するユーザー、クライアント企業のニーズに対応する必要があると認識しております。また、エンターテインメント業界のみにとどまらず、弊社の強みである先端技術を建設業界や自動車業界、セキュリティ業界等、他業界へ提供する収益機会の構築を目指してまいります。

以上を踏まえ、以下の具体的な課題に取り組んでまいります。

 

 

① 開発推進・支援事業について

 当社グループの主たる事業領域であるゲーム業界においては、技術革新により家庭用ゲーム機器や携帯端末において新機種の投入が進み、当社及びクライアント企業であるゲームメーカー各社において、ゲームタイトルを投入するプラットフォームも多様化しております。また、他業界においても、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)等技術革新が著しく変化しております。そのような環境の下、当社グループでは、研究開発体制の強化を推進し、共通描画フレームワークの開発及びそれを用いたミドルウェア製品の強化を進めております。主に、高品質な質感表現ができる「Mizuchi」、調和の取れた照明効果を施せる「Enlighten」、ポストエフェクトミドルウェア「YEBIS」、次世代ゲーム機へ対応するオールインワン型国産ゲームエンジン「OROCHI」を市場へ投入してまいります。

 

② コンテンツ事業について

 近年、スマートフォン向けのゲームの手軽さは、若年層を中心にこれまでゲームに関心のなかったような女性ユーザーも増えるなど利用者の拡大により急成長し、今後も更に普及すると考えられます。一方でトレンドの変化が早いのも特徴であり、ゲームのクオリティーは急速に高まっております。また、ゲームの開発規模が益々増大し、開発期間は長期化するなど、厳しい競争環境となっております。

 このような環境の中、当社グループでは、自社タイトルを継続的かつ安定的に適切なタイミングでリリースできる組織体制を整備、強化し、対象ユーザーに対する魅力あるタイトルの創出を進めてまいります。さらに、受託案件や強いIPのついた協業案件への方向転換も図り、安定した収益を考えてまいります。

 また、ゲームタイトルの配信についても、国内のゲーム市場にとどまらず、英語圏、繁体圏等、全世界のゲーム市場へ引き続き取り組んでまいります。

 

③ 人材事業について

 当社グループの属するエンターテインメント業界においては、技術革新が著しい中で、技術者の確保・人材育
成へのニーズが高まっております。そのような環境の下、人材事業においては、スタッフに対してコーチングセッションやチームビルディング等の各種研修を実施することで成長機会を提供し、サービス内容の質の強化を図っております。これにより、クライアント企業とスタッフ間で高付加価値のある最適なマッチングを行い、双方の信頼の維持と向上を実現してまいります。また、安定した事業基盤の構築のために、職業安定法及び労働者派遣法等の雇用情勢等の外部環境の変化に柔軟に対応できる機動的な体制を維持・強化してまいります。

 

④ 開発体制の強化について

 当社グループでは、今後の更なる事業拡大のために、開発体制の継続的な強化が必要であり、開発技術の向上と先端技術へ迅速に適応する技術者の確保が重要であると認識しております。即戦力となる人材の中途採用をすることで効率的な人員体制を拡充するとともに、今後の当社の軸となる人材を育てるために新卒採用も推進してまいります。また、海外展開の促進を見据えて、外国人の採用も積極的に行い、多言語に対応できる開発体制の増強を図ってまいります。

 

⑤ 全社的な課題について

 当社グループは、今後更なる業容拡大、継続的な成長を続けることができる企業体質の確立に向けて、各種業務の標準化と効率化の徹底により事業基盤を確立させることが重要な課題であると認識しております。そのために、コーポレート・ガバナンスの充実、リスク管理やコンプライアンスを含む内部統制システムが有効に機能するよう、組織体制や整備・運用を推進し、経営基盤の一層の強化を図ってまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある
事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、
投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきまして、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下
のとおり記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したもの
であり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅することを保証するものではありません。

 

(1) 開発推進・支援事業に関するリスク

① ミドルウェア市場の動向について

当社グループの販売するミドルウェアの販売先の殆どは日本国内であります。ゲーム機等は年々高性能化しており、それとともにゲーム開発に必要なミドルウェアの市場は拡大しております。特に当社グループは、海外の競合他社と比較しても大きな引けをとらない技術力を有していることから、日本国内市場でのミドルウェアでの優位性を有していると思われます。一方で、当社の顧客と考えられるゲーム開発会社のゲーム開発費も高騰しております。そのような環境の下で、日本国内のゲーム会社がゲームの開発本数を減少させるか、又は撤退した場合、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 法的規制について

当社グループが提供する事業においては、既存の法的規制である「不当景品類及び不当表示防止法(以下「景品表示法」といいます。)」「個人情報の保護に関する法律」に抵触してしまうリスクと、今後、新規に法的規制が行われて事業運営及び業績に影響を与えるリスクが考えられます。また、社会情勢等により、法解釈の変更がなされ、当社が何らかの法的規制に抵触した場合、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 技術革新について

当社グループが取り組む事業分野においては、プラットフォームの変遷や多様化が進むとともに、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)、IoT(インターネット・オブ・シングス)を活用したコンテンツが登場し、今後はAI(人口知能)技術の進化が見込まれるなど、技術環境が著しく変化しております。当社グループでは、技術動向を常にキャッチアップしており、ノウハウの蓄積に取り組んでおります。

しかしながら、こうした急速な技術革新への対応に時間がかかった場合、及び革新的な市場の高まりに時間がかかった場合には、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 瑕疵担保責任について

当社グループはクライアントへ納入する成果物を高い品質に保つため、当社グループの開発部門によって、納品前に不具合等が生じないか慎重に検査を行っております。また、クライアントとの契約において、瑕疵担保責任の範囲を明確にすることでクライアントとのトラブルの発生を回避するよう努めております。

しかしながら、当社グループがクライアントに納入した成果物に瑕疵が発生しないという保証はなく、さらに大規模なリコールなどで当社グループが多額の損害賠償請求を受けることも考えられ、その結果によっては当社グループの事業運営及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ クライアントの政策により収入が変動するリスク

当社グループがクライアントから得るゲーム及びその他コンテンツの企画・開発の対価は、開発業務の役務提供完了時に得る収入とクライアントからエンドユーザに対してゲーム及びその他コンテンツが販売される毎に販売数量に基づき得るロイヤリティ収入から成ります。そのような前提の基で、クライアントから納期に変更の要請があった場合は、開発売上の計上時期が変更される可能性があります。販売数量に基づき変動するロイヤリティ収入については、クライアントが実施する各種の販売促進活動等により大きく影響を受けます。

このように、当社グループの収入額や収入のタイミングは、クライアントの政策の変更により大きく影響を受け、その結果によっては当社グループの業績に大きな変動を及ぼす可能性があります。

 

 

(2) コンテンツ事業に関するリスク

① ゲームコンテンツの市場動向について

当社グループが強みを発揮しておりますゲームコンテンツは、高機能なスマートデバイス(スマートフォン、タブレット端末の総称)の普及に伴い、利用者に多種多様なコンテンツを提供できる環境が整ってきております。

 一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラムの調査では、ゲーム・ソーシャルゲーム等市場(オンラインゲーム・SNS等の課金コンテンツ)平成28年度には1兆1,836億円と、前年比123%となっており、今後も安定した成長を見込んでおります。

しかしながら、当該市場はともに成長過程にあるため、新規参入による市場シェアの急変や新たなビジネスモデルの登場等の市場の構造変化が、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、市場の拡大が進んだ場合であっても、当社グループが必ずしも同様のペースで成長しない可能性があります。

 

② 法的規制等について
イ.コンテンツ事業全般に係る法的規制について

当社グループが運営するコンテンツ事業においては、「不正アクセスの禁止等に関する法律」の法的規制を受け、他のID、パスワードの無断使用の禁止等が定められております。また、「特定商取引に関する法律」、「資金決済に関する法律」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」、「電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律」など、法定事項の表示義務等を負う場合があります。

当社グループでは、これらの各種法的規則等への遵守について対応しておりますが、不測の事態により、万が一当該法的規制等に抵触しているとして何らかの行政処分等を受けた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

ロ.ソーシャルゲーム内の課金システムに対する法的規制について

ソーシャルゲームにおける課金方法の一部について、ユーザーの射幸心を過度に煽るとして、特定の課金方法については、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)に違反するとの見解が消費者庁より示され、平成24年7月1日より、「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限」の運用基準が施行されております。

当社グループは一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会に加入するとともに、各種法的規制や業界の自主規制を遵守することに加えて、自社においてコンテンツ開発に係る規程を制定して運用を徹底しております。

しかしながら、今後、社会情勢の変化によって、既存の法令等の解釈の変更や新たな法令等の制定、並びに各種ガイドラインの解釈の変更や新たなガイドラインの制定が行われた場合等には、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ プラットフォーム運営事業者の動向

当社グループが提供するスマートフォンゲームは、Apple Inc.、Google Inc.等の決裁代行業者(プラットフォーマー)を介して、各社のサービス規約に従いサービス提供を行っております。今後、プラットフォーマーにおいて、 その業績動向等によって、システム利用料等の料率変更や事業戦略の大幅な転換等が行われる可能性があります。そのような事象が発生した場合には、当社グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 競合他社の動向について

技術革新が急速に進展しユーザーの需要が多様化する一方で、インターネット向けエンターテインメントの供給会社及びゲームのタイトル数は増加の一途を辿っております。このような中、当社グループにおいては、これまで培ったコンテンツ事業の制作・企画・運営力のノウハウを活かし、様々な端末にゲームを供給することで、より一層のユーザーの満足度の向上を図っております。しかしながら、新規参入等による競合他社の台頭による当社の優位性の低下や、価格競争激化による収益性の悪化、また会員獲得競争の熾烈化により計画通り有料会員数が確保できない場合には、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑤ ユーザーの動向について

ソーシャルゲームに代表されるコンテンツにおいては、ユーザーの嗜好の移り変わりが激しく、ユーザーニーズの的確な把握や、ニーズに対応するコンテンツの提供が何らかの要因により出来ない場合には、ユーザーへの訴求力が低下する可能性があります。

また、継続してコンテンツの拡充を図っていく必要がありますが、計画通り進まない場合には、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループが提供するコンテンツ及び業務委託先企業を含む外部パートナー企業が重大なトラブルを引き起こした場合、規約や約款の内容にかかわらず、当社グループが法的責任を問われる可能性があり、法的責任を問われない場合においても、ブランドイメージの悪化等により当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 技術革新について

当社の事業領域のゲームコンテンツ市場は、インターネット環境やネットワーク技術等に密接に関連しており、顧客ニーズの変化や新しいサービスの導入などにあわせて、通信技術やデバイス等の技術革新の速度が極めて早いという特徴があります。当社はこうした技術革新に対応できる体制構築に努めておりますが、今後において技術革新のスピードに適時に対応出来ない場合、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 制作・開発コストについて

ゲームコンテンツ市場はゲーム内容の増大及び複雑化、グラフィックの美麗化により年々制作・開発コストが増加しております。また、企画からゲームのリリースの期間も伸びる傾向にあることから、リリースまでにユーザーのゲームに対する嗜好が変化し、当社グループがリリースしたゲームが想定よりも受け入れられない場合、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 外国為替相場の変動に関するリスク

コンテンツ事業においては、海外向けにゲームコンテンツの提供を行っており、主に米ドルを中心とした外貨取引を行っております。当社グループでは特に為替の変動リスク軽減のためのデリバティブ取引等は行っておりませんが、必要に応じて為替の変動リスクを回避するための施策を講じてまいります。

しかしながら、必ずしも当社グループの講じる施策が為替の変動リスクを回避できるとは限らず、為替の変動が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ コンテンツの継続的な提供について

当社が開発・提供するスマートフォンネイティブアプリ等のコンテンツは、提供開始から数ヶ月~2年程度でピークアウトする傾向があり、安定的な収益を上げるためには、多数のユーザーを獲得できるタイトルを継続的に提供し続ける必要があります。

当社は、既存タイトルで培った開発及び運営に係るノウハウを新規タイトルの開発及び運営に利用し、複数タイトルを同時並行で開発及び運営できる体制を構築しております。

しかしながら、開発遅延やプラットフォーム運営会社による審査の長期化等によってリリースに遅れが生じた場合や、多数のユーザーを獲得できるタイトルを継続的に提供できなかった場合には、当社の事業運営及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 開発プロジェクトの管理について

  当社グループでは、開発案件の採算性等に十分留意し、プロジェクトの状態、マネジメント状況を適時に評価する体制を整備・運用することで、案件管理を徹底し、進捗遅延等のリスクの顕在化を防止するよう努めておりますが、仕様変更等により、当初の見積以上の作業工数が発生する等開発遅延に影響し、開発案件の採算性の悪化が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 人材事業に関するリスク

① 人材ビジネス業界の動向について

人材ビジネス業界は、産業構造の変化、社会情勢、景気変動に伴う雇用情勢の変化等に影響を受けます。当社グループの事業領域であるエンターテインメント業界における人材ビジネスについては、昨今のスマートフォンネイティブアプリの市場拡大に起因するゲーム業界の市場拡大に伴い、クライアント企業における求人需要は堅調に推移しておりますが、今後、様々な要因により雇用情勢ないしは市場環境が悪化した場合、またクライアント企業における業務縮小・経費削減等による人材需要の大幅減少等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 法的規制等について

人材事業においては、人材紹介サービスにおいて「職業安定法」の法的規制を、人材派遣サービスにおいて「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(以下「労働者派遣法」といいます。)」の法的規制を受けております。

当社グループでは、人材紹介サービスを提供するに当たって、「職業安定法」第32条の4の定めに基づき厚生労働大臣より「有料職業紹介事業」の許可を受けております。また、人材派遣サービスを提供するにあたっては、「労働者派遣法」第8条に基づき厚生労働大臣より「一般労働者派遣事業」の許可を受けております。

「職業安定法」においては、人材紹介事業を行う者(法人である場合には、その役員を含む)が有料職業紹介事業者としての欠格事由(「職業安定法」第32条)及び当該許可の取消事由(同法第32条の9)に該当した場合には、事業の許可を取り消し、または、期間を定めて当該事業の全部若しくは一部の停止を命じることができる旨を定めております。「労働者派遣法」においても「職業安定法」と同様に、一般労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、人材派遣事業を行う者(法人である場合には、その役員を含む)が派遣元事業主としての欠格事由(「労働者派遣法」第6条)及び当該許可の取消事由(同法第14条)に該当した場合には、期間を定めて当該事業の全部若しくは一部の停止、または事業許可の取り消しを命じることができる旨を定めております。

現時点において、当社グループにおいては、これらに抵触する事実はないものと認識しておりますが、今後何らかの理由により当社グループ各社並びにその役職員がこれらに抵触した場合、当社グループの主要な事業活動全体に支障を来たすことが予想され、当社グループの事業運営及び業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

③ 社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入及び料率の影響について

 当社グループは、「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」を遵守し、雇用する加入資格を有する全ての派遣労働者に社会保険に加入させ、当社グループも応分の社会保険を負担する義務があります。社会保険料の料率・算出方法は、諸般の条件及び外部環境の変化等に応じて改定が適宜実施されております。今後、社会保険料の料率・算出方法を含めた社会保険制度の改正が実施され、社会保険の会社負担率や加入対象者及び被保険者の増加により社会保険の会社負担金額が大幅に変動する場合には人材事業に負担が発生する可能性があり、当社グループの事業運営及び業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

 

(4) 全社共通リスク

① 特定の役員への依存について

当社の代表取締役会長である関本晃靖は、当社の創業者であり、CGをはじめとするIT産業に対し、豊富な経験と知識を有しております。また、代表取締役社長である寺田健彦は、創業から当社技術部門において中心的に携わり、技術的判断、経営方針や事業戦略の決定・遂行において極めて重要な役割を果たしております。当社グループでは取締役会、各会議体における役員及び幹部社員の情報共有、組織強化を図っており、過度に集中しない体制整備を進めております。しかしながら、何らかの事情により、両名に不測の事態が生じた場合、または両名が当社役員を退任するような事態が発生した場合には、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 人材採用及び人材育成について

当社グループでは、エンターテインメント業界において、開発推進・支援事業、コンテンツ事業、人材事業を展開し、事業領域の拡大を行って参りましたが、今後のさらなる業容拡大、多様化に対応するため、技術開発、営業、管理等、各部門において一層の人員の増強が必要と考えております。しかしながら、事業規模の拡大に応じた当社内における人材育成、外部からの採用等が計画どおりに進まず、人材の適正配置が困難となることで競争力低下等となる場合、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 内部管理体制について

当社グループは、企業価値の向上を図るためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識の下、業務の適正性、財務報告の信頼性確保、及び法令遵守の徹底が必要と認識しております。そのため、内部管理体制の充実に努めておりますが、事業の急速な拡大、変化により、十分な内部管理体制の構築が追い付かないという事象が生じる場合には、適切な事業運営が困難となり、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ システム障害に関するリスク

当社グループが運営する事業は、PCやスマートフォンなどのデバイスをインフラとしたネットワークに依存している部分が多いため、過剰アクセスによるサーバーダウンや通信ネットワーク機器の故障及び自然災害や火災・事故等によるシステム障害を回避すべく、サーバーの負荷分散や稼働状況の監視等の未然防止・回避策を実施しております。

しかしながら、このような対策を講じているにも拘らず、自然災害や事故等によるネットワーク障害の発生、データセンターにおける障害発生等、予期しない要因によるシステム停止や外部からの攻撃等によるシステム障害が発生した場合は、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 情報セキリュティについて

当社グループでは、コンテンツ事業におけるユーザー情報や人材事業における求職者の情報等、重要な個人情報を扱っており、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務を課せられております。当社グループでは、情報セキュリティに関する社内規程を制定し、役職員に対する教育等、情報管理体制の強化に取り組んでおります。しかしながら、何らかの理由により重要な情報が外部漏洩した場合には、当事者への賠償、社会的信頼の失墜等により、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 知的財産権に関するリスク

当社グループでは、開発推進・支援事業及びコンテンツ事業において開発されたコンテンツやソフトウエアに関する知的財産権の獲得に努めております。加えて、第三者の権利を侵害しないよう、顧問弁護士による開発現場担当者への教育、規程の周知徹底を行う等、細心の注意を払っております。しかしながら、当社サービスに関連する対象物に第三者の権利が成立した場合は、賠償責任等による対価等の支払が発生する可能性があり、また、当社の知的財産権が侵害された場合等には、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

新株予約権として、当社グループでは、当社役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が行使された場合には、当社株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値および議決権割合が希薄化する可能性があります。平成29年11月末時点でこれらの新株予約権による潜在株式数は71,200株であり、発行済株式総数の2.78%に相当しております。

 

(6) 災害等への対応について

当社グループでは、災害等の発生に備え、定期的な重要データのバックアップ、稼働監視等によりトラブルの事前防止または回避に努めておりますが、当社所在地近辺において、災害等が発生した場合には、当社設備において支障をきたす可能性があり、そのような場合には、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (7) 財務制限条項について

  当社グループがソフトウェアライセンスを取得するために金融機関との間で締結した借入契約(当連結会計年度残高258,335千円)には財務制限条項が付されており、全ての債務の履行が完了するまで遵守維持するものとなります。これに抵触した場合、借入先金融機関の請求により当該借入金の期限の利益を損失し、一括返済をすることになり、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 継続企業の前提に関する重要事象等について

  当社グループは、前連結会計年度におきましては、営業損失411,940千円、経常損失428,946千円、当期連結会計年度におきましては、営業損失1,251,537千円、経常損失1,202,755千円を計上しております。営業キャッシュ・フローにつきましては、前連結会計年度は、118,187千円の支出、当連結会計年度は792,089千円の支出があり、2期連続でマイナスの営業キャッシュ・フローを計上しております。現在の低迷した売上状況が継続すれば、営業損失が継続し資金繰りに懸念が生じる可能性があります。当該状況等により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象が存在しております。当該状況の対応策に関しましては、「7 .財政状態、経営成績及キャッシュ・フローの状況の分析(8)継続企業の前提に関する重要事象等を改善するための対応策等」に記載のとおりとなります。しかしながら、これらの対応策が計画通り進捗しなかった場合には、当社の事業に支障をきたす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

 

契約会社名

相手方名称

契約の名称

契約内容

契約期間

当社

Google Inc.

Developer
Distribution
Agreement

Android搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約

契約期間は定められておりません。

当社

Apple Inc.

Apple Developer Program License
Agreement

iOS搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約

1年間 以後1年毎自動更新。

 

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、全社横断的に技術の開発に努め、相互にノウハウの共有化を図ると共に自社の競争力強化を目的として行われております。

当連結会計年度において当社グループが支出した研究開発費の総額は24,622千円(前連結会計年度比83.8%減)であります。

 

研究開発活動の概略を示すと次のとおりであります。なお、当社グループでは、研究開発活動により開発する製品は、開発推進・支援事業及びコンテンツ事業の両事業に係る製品となる可能性があるため、セグメントに関連付けた費用ではなく、全社費用として管理していることから、セグメント毎の研究開発費の記載を省略しております。

 

次世代CG技術を提供するミドルウェア「Mizuchi」は、製造、住宅設備業界、映像制作等、ゲーム以外の分野での応用が増加しており、それぞれの用途に合わせた高級感のある表現に対応し、さらなる表現力の向上の研究開発を継続しております。また、VRデバイスへの応用も進んでおり、VRの仮想空間において高品位の質感表現を実現し、VR用途の可能性を実証してきております。

前連結会計年度において、業界最高峰リアルタイムグローバルイルミネーション「Enlighten」の全世界におけるソフトウェアライセンスの販売、開発およびサポート権利を取得しました。それに伴い、「Enlighten」販売を推し進める一方で、リアルタイムグローバルイルミネーションの研究開発も継続的に実施してきております。

自動車分野へグラフィックの応用として、車載用メータークラスターコンテンツ開発環境である「(仮称)Glasszone」を開発し、車載用メーターコンテンツに3Dグラフィックスを応用することが可能となり、高品質なコンテンツを簡易的に開発できる環境を提供いたします。

新しい予測データ分析プラットフォーム「YOKOZUNA data」に関しては、前連結会計年度において、製品、サービスとしてリリースをいたしました。リリース後も継続的な研究開発を行っており、2017年8月におニューヨーク(米国)で開催された「IEEE 2017 Conference on Computational Intelligence in Games(以下、CIG)」にて、ゲームデータマイニングコンテストで行われた2部門でそれぞれ優勝し、2冠を達成したしました。また、2017年9月 上海で開催のBig Data and Analytics innovation summitで、YOKOZUNA dataのリーダーであるDr. Perianezがキーノートスピーカーとして登壇いたしました。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載の通りであります。

なお、この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債及び連結事業年度の収益・費用の数値に影響を与える見積りは、主に資産の評価や引当金の計上であり、これらの見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

 

(2) 財政状態の分析

① 資産、負債及び純資産の状況

(資産の部)

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,155,833千円減少(前連結会計年度末比29.9%減)し、2,704,689千円となりました。

これは主に、現金及び預金の減少965,443千円、売掛金の減少136,840千円等があったことによるものであります。

 

(負債の部)

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて94,524千円増加(同8.1%増)し、1,255,845千円となりました。

これは主に、長期借入金の増加242,929千円等があったことによるものであります。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて1,250,358千円減少(同46.3%減)し、1,448,844千円となりました。
 これは主に、利益剰余金の減少1,163,024千円、自己株式の増加114,300千円等があったことによるものであります。

 

(3) 経営成績の分析

① 売上高

当連結会計年度の売上高は6,115,712千円(前連結会計年度比12.7%減)となりました。

これは主に、人材事業においては、厳しい人材マーケットにもかかわらず、比較的順調に社員の採用及び求職者・派遣労働者の確保ができ、業績は安定に推移いたしたものの、開発推進・支援事業においては、ミドルウェアライセンス販売での案件長期化や開発受託案件の需要が具体化まで至らなかったこと、受託開発ではクライアント先の体制・予算見直し等の影響及び開発規模の縮小等により、期初計画を下回ったこと、コンテンツ事業においては、株式会社ミストウォーカー社との協業タイトルである「テラバトル2」において開発遅延に加え、リリース後のサーバー不具合、システムエラー等が生じたことやユーザーの存続率、課金率などが当初の想定に届かなかったこと、未発表の1タイトルについても、今期内にリリースすることができなかったこと等によるものであります。

 

 

② 営業損失

当連結会計年度の営業損失は1,251,537千円(前連結会計年度比839,597千円減)となりました。これは主に、販売費及び一般管理費が1,567,683千円(前連結会計年度比4.6%減)と前期比で減少したものの、売上高の減少に伴い売上総利益が316,146千円(前連結会計年度比74.3%減)と前期比で減少したしたことによるものであります。

 

③ 経常損失

当連結会計年度の経常損失は1,202,755千円(前連結会計年度比773,809千円減)となりました。これは主に、持分法による投資利益37,298千円の計上等により営業外収益が54,359千円(前連結会計年度比579.2%増)と前期比増加したものの、営業損失が増加したことによるものであります。

 

④ 親会社株主に帰属する当期純損失

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は1,137,815千円(前連結会計年度比638,446千円減)となりました。これは主に、事業譲渡益183,496千円の計上により特別利益183,496千円(前連結会計年度比183,496千円増)があったものの、経常損失の増加により、税金等調整前当期純損失が1,049,259千円(前連結会計年度比529,136千円減)となったことによるものであります。

 

(4) キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおり、各事業に共通するリスクとして市場動向、法的規制、情報セキュリティ等のリスクがあります。また、開発推進・支援事業では技術革新、コンテンツ事業ではプラットフォーム運営事業者の動向、特定のコンテンツへの依存、特定のプラットフォームへの依存等、人材事業では社会保険のリスク要因があります。当社グループではこれらのリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

そのため、当社グループは、社内管理体制の整備、法令及びコンプライアンス遵守の浸透、優秀な人材の採用と教育、情報セキュリティの強化等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分析し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社の経営者は、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループが今後さらなる成長と発展を遂げるためには、厳しい環境の中で諸々の課題に対処していくことが重要であると認識しております。

そのためには、ミドルウェア製品の強化、収益力のある新規タイトルの継続的な提供、法令等の遵守、開発体制の強化を図ってまいります。

 

(7) 経営戦略の現状と見通し

当社の経営者は、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループが今後さらなる成長と発展を遂げるためには、より収益性の高いビジネスへの注力及びコスト意識を高めることにより、利益率改善に努めていくことが重要であると認識しております。

 

(8) 継続企業の前提に関する重要事象等を改善するための対応策等

当社グループには、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が当連結会計年度において存在しておりますが、当該事象等を解消するために、以下の事項に取り組んでおります。

  開発推進・支援事業においては、受注案件獲得時の意思決定において、中長期にわたり安定した利益獲得に貢献できるプロジェクトを厳密に精査したうえでリソースを投入し、全社的に受注後のプロジェクト進捗及び損益管理の強化を徹底してまいります。また、前期より新たに取り組んでおります非エンターテインメント領域の新規開拓について、特に自動車業界向けビジネスにおいては、当社の技術力を活かし、自動運転AI開発への貢献や、より簡便な操作でレンダリングが行えるようにミドルウェアの改良を加えるとともに積極的に拡販活動を行ってまいります。更に、全世界においての開発、販売、サポートを開始した『Enlighten』については、全世界における売上ランキングの上位に位置する数多くのゲームに利用されている実績より、今後、当社の海外販路拡大に寄与するべく営業活動を強化するとともに、建築・不動産業界、映像業界、自動車業界等幅広い市場での案件獲得に注力してまいります。

  コンテンツ事業においては、開発過程におけるスケジュール遅延やゲームクオリティ等の問題点を未然に防止するため、品質向上委員会を設置し、自社タイトルを継続的かつ安定的にリリースできる体制の構築及びリリース後の安定的な収益確保のため、開発フェーズにおける管理を徹底してまいります。また、自社タイトルリリース後の効率的な運営体制の構築を進めるとともに、協業タイトルの開発にリソースを投入することで投資リスクの低下を図り、業績変動の影響を抑え安定した利益を確保できるように運営体制の効率化を図ってまいります。

  人材事業においては、翌期以降も売上及び利益の拡大が見込めるため、継続した事業成長を維持するとともに、更なる利益率改善のため、人材紹介事業の伸長を図ってまいります。
 また、これらの施策を講じるための新たな資金調達を検討してまいります。