第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

回次

第22期

第23期

第24期

第25期

第26期

決算年月

2020年11月

2021年11月

2022年11月

2023年11月

2024年11月

売上高

(百万円)

4,134

3,986

4,510

4,554

4,414

経常利益又は

経常損失(△)

(百万円)

77

71

394

246

123

親会社株主に帰属する当期純利益又は

親会社株主に帰属する当期純損失(△)

(百万円)

16

101

254

200

87

包括利益

(百万円)

16

100

256

202

85

純資産額

(百万円)

1,450

1,360

1,702

1,758

1,738

総資産額

(百万円)

2,638

2,824

3,440

3,159

2,945

1株当たり純資産額

(円)

507.32

475.95

577.38

617.09

633.50

1株当たり当期純利益
又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

5.72

35.48

87.90

69.41

31.19

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

5.70

自己資本比率

(%)

54.6

48.2

49.5

55.6

59.0

自己資本利益率

(%)

1.1

16.6

11.6

5.0

株価収益率

(倍)

204.7

15.0

14.5

25.2

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

28

107

566

121

92

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

122

125

8

8

82

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

122

120

93

289

276

現金及び現金同等物
の期末残高

(百万円)

926

1,028

1,679

1,503

1,236

従業員数
〔外、平均臨時
雇用人員〕

(名)

253

255

261

275

262

-〕

-〕

-〕

-〕

-〕

 

(注) 1.第23期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。また、第24期から第26期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2.第23期の自己資本利益率及び株価収益率については、親会社株主に帰属する当期純損失であるため記載しておりません。

3.従業員数は当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人数であります。従業員数欄の(外書)は、臨時従業員(パート・アルバイトを含み、派遣社員を除く)の年間平均人員数でありますが、臨時従業員について、その総数が従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。

4.当社は、「株式給付信託(J-ESOP)」を導入しております。1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定上の基礎となる普通株式の期中平均株式数については、本制度の信託財産として、株式会社日本カストディ銀行が保有する当社株式を控除対象の自己株式に含めて算定しております。また、1株当たり純資産額の算定上、期末発行済株式総数から控除する自己株式に含めております。

5.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第24期の期首から適用しており、第24期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

(2) 提出会社の経営指標等

回次

第22期

第23期

第24期

第25期

第26期

決算年月

2020年11月

2021年11月

2022年11月

2023年11月

2024年11月

売上高

(百万円)

3,479

3,280

3,757

3,850

3,741

経常利益

(百万円)

101

92

365

250

128

当期純利益

(百万円)

49

27

166

200

72

資本金

(百万円)

455

466

466

466

466

発行済株式総数

(株)

2,956,200

2,973,900

2,973,900

2,973,900

2,973,900

純資産額

(百万円)

1,335

1,374

1,628

1,683

1,648

総資産額

(百万円)

2,163

2,211

2,711

2,498

2,377

1株当たり純資産額

(円)

466.72

480.74

552.09

590.78

600.58

1株当たり配当額
(1株当たり中間配当額)

(円)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益

(円)

17.39

9.73

57.47

69.29

25.69

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

17.31

9.73

自己資本比率

(%)

61.3

62.2

60.0

67.4

69.3

自己資本利益率

(%)

3.7

2.1

11.1

12.1

4.3

株価収益率

(倍)

67.4

98.7

22.9

14.6

30.6

配当性向

(%)

従業員数
〔外、平均臨時
雇用人員〕

(名)

172

173

179

192

202

-〕

-〕

-〕

-〕

-〕

株主総利回り

(%)

66.6

54.6

75.0

57.4

44.7

(比較指標:東証グロース市場250指数)

(%)

(134.7)

(117.0)

(86.7)

(78.3)

(70.4)

最高株価

(円)

2,089

1,650

1,616

1,940

1,195

最低株価

(円)

830

953

655

895

779

 

(注) 1.第24期から第26期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2.1株当たり配当額及び配当性向については配当を実施していないため記載しておりません。

3.従業員数は当社から当社外への出向者を除き、当社外から当社への出向者を含む就業人数であります。従業員数欄の(外書)は、臨時従業員(パート・アルバイトを含み、派遣社員を除く)の年間平均人員数でありますが、臨時従業員について、その総数が従業員の100分の10未満であるため記載を省略しております。

4.当社は、「株式給付信託(J-ESOP)」を導入しております。1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定上の基礎となる普通株式の期中平均株式数については、本制度の信託財産として、株式会社日本カストディ銀行が保有する当社株式を控除対象の自己株式に含めて算定しております。また、1株当たり純資産額の算定上、期末発行済株式総数から控除する自己株式に含めております。

5.最高株価及び最低株価は、2022年4月4日以降は東京証券取引所グロース市場におけるものであり、2022年4月3日以前は東京証券取引所マザーズにおけるものであります。

6.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第24期の期首から適用しており、第24期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

7.株主総利回りの比較指数は、東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、「東証マザーズ指数」から「東証グロース市場250指数」へ変更いたしました。

 

2 【沿革】

当社設立以降の経緯は以下のとおりであります。

 

年 月

概   要

1999年11月

東京都渋谷区恵比寿西において、リアルタイムグラフィックス(注1)に関する事業を幅広く展開することを目的に当社を設立(資本金10百万円)

1999年12月

日本SGI株式会社、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント、株式会社エヌ・ケー・エクサ(現 株式会社エクサ)等を割当先とする第三者割当増資により、資本金を210百万円に増資

2000年1月

日本SGI株式会社より受け入れた移籍社員約30名の陣容で営業を開始、リアルタイムグラフィックスに関する事業を幅広く展開

2000年10月

Intrinsic Graphics Inc.社(現 Vicarious Visions社)とゲームソフトウエア開発用ミドルウェアに関する業務提携契約を締結。PlayStation2向けにAlchemyの開発を開始(開発推進・支援事業を開始)

2001年12月

ゲームソフトウエア開発用ミドルウェアAlchemyのライセンスをIntrinsic Graphics Inc.社から受け、国内各社向けに提供開始

2003年12月

コンテンツ・クリエイターの人材派遣サービスを開始(人材事業を開始)

2004年7月

コンテンツ・クリエイターの人材紹介サービスを開始

2007年2月

自社開発ミドルウェアであり画面のクオリティを飛躍的に向上させるポストエフェクトライブラリ(注2)機能を有するYEBISをリリース

2007年8月

欠損填補のため、資本金を100百万円に減資

2008年1月

ゲーム開発本部を発足し自社企画ゲームコンテンツ制作を開始(コンテンツ事業を開始)

2009年2月

3DCGコンテンツの開発を目的として、イグニス・イメージワークス株式会社を設立(出資比率100.0%、資本金15百万円、現 連結子会社)

2010年1月

オンラインエンターテインメントのサーバーに関するコンサルテーションを開始し、開発推進・支援事業におけるソリューション事業の開始

2010年11月

「三国志カードバトル」を株式会社ディー・エヌ・エーが運営する「Mobage」プラットフォームにおいて提供開始

2011年2月

ゲームエンジン(注3)「OROCHI(オロチ)」発売開始

2012年2月

「逆襲のファンタジカ」をスマートフォン向けネイティブアプリとして、株式会社ディー・エヌ・エーが運営する「Mobage」プラットフォームにおいて提供開始

2012年8月

ソーシャルゲーム(注4)「逆襲のファンタジカ」のグローバル版「FANTASICA」の提供を ngmoco,LLC.が運営する「ngmoco」プラットフォームにおいて開始

2013年6月

カード型ソーシャルゲーム「スマサカ」をGMOインターネット株式会社との協業にて、Google Inc.が運営するGoogle Playにおいて提供開始

2013年7月

スマートフォンネイティブアプリ(注5)「モンスタータクト」をGoogle Inc.が運営するGoogle Playにおいて提供開始

2015年2月

東京証券取引所マザーズに上場

2015年8月

リアルタイムレンダリングエンジン「Mizuchi」販売開始

2017年5月

グローバルイルミネーションミドルウェア(注6)「Enlighten」のライセンス取得及び全世界においての開発、販売、サポート権利の取得

2018年7月

コンテンツ事業を会社分割(新設会社分割)により新設会社に承継させ、新設会社の株式を譲渡(コンテンツ事業から撤退)

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所のマザーズ市場からグロース市場へ移行

 

(注) 1.リアルタイムグラフィックスとは、コンピューター上で3D画像を高速に生成する技術を指し、ゲーム等のユーザーによる即時操作が可能な動画を表示するために利用されます。

2.ポストエフェクトライブラリとは、ポストエフェクトの処理をライブラリで再現したプログラムを指します。ポストエフェクトとは、描画処理が完了した後の1枚の絵に対してかけるエフェクトを指します。ライブラリとは、汎用性の高い複数のプログラムを再利用可能な形でひとまとまりにしたものを指します。

3.ゲームエンジンとは、ゲーム開発に必要な広範囲の機能を有したツールやライブラリを指し、グラフィックス、音響、物理シミュレーション、ゲームロジック等を含みます。ゲーム開発者は開発の効率化と高度な技術の導入を目的としてゲームエンジンを利用します。

4.ソーシャルゲームとは、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)等のコミュニティをプラットフォームとして、ユーザー同士の交流等を機能に生かしたWEBアプリケーションを指します。

5.スマートフォンネイティブアプリとは、スマートフォン向けに提供されるアプリを指す語として、端末のCPUが直接処理・実行できる形式でコードが記述されているアプリの総称であり、Apple Inc.が運営する「App Store」、Google Inc.が運営する「Google Play」上で配信されるアプリのことを指します。

6.グローバルイルミネーションとは、3次元コンピューターグラフィックス(以下、3DCG)空間全体に影響する複雑な照明効果を計算することで、やわらかく自然な間接光を生成するレンダリング方法のことです。  

 

 

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社、連結子会社1社(イグニス・イメージワークス株式会社)及び関連会社1社(株式会社イリンクス)により構成されており、ゲーム業界、メディア業界といったエンターテインメント業界におけるデジタルコンテンツの開発等に関する事業を営んでおります。当社グループは、開発推進・支援事業、人材事業の2つのセグメントにより構成されております。

当社グループは、ミドルウェア製品の開発で培った3DCG技術及びレンダリング技術(注1)をコア技術とした受託開発から、ゲーム開発・映像効果・CG等に関するミドルウェアの開発・販売、オンラインゲームに係るサーバーネットワークの構築・運用・監視、クリエイティブ人材に特化した人材派遣・有料職業紹介に至るまで、主にデジタルエンターテインメント業界において事業を運営しております。

 

(当社グループにおける各社の役割)

当社及び連結子会社における当社グループ内での役割は以下のとおりであります。なお、関連会社については記載を省略しております。

当社は、エンターテインメント業界に加え、自動車、映像、建築など様々な企業向けに3DCG技術等の提供とクリエイター職の派遣・紹介に特化した人材紹介・人材派遣を営んでおります。

連結子会社であるイグニス・イメージワークス株式会社は、3DCGを核として、ゲーム、遊技機、映画映像コンテンツ等の幅広いジャンルにおいて、プリレンダリングムービー(注2)等の提供を行っております。

 

(注)1.レンダリングとは、コンピューターのプログラムを用いて画像・映像・音声などを生成することを指します。

2.プリレンダリングムービーとは、あらかじめコンピューター上で生成された画像を再生する動画を指し、リアルタイムグラフィックスと対になる手法です。一般的にはリアルタイムグラフィックスより高品質な画像を時間をかけて生成します。

 

当社グループが運営する各事業の内容は以下のとおりであります。なお、次の2事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント区分と同一であります。

 

(1) 開発推進・支援事業

開発推進・支援事業では、ゲームや映像などのエンターテインメント業界をはじめ、自動車、建築、その他製造業など、さまざまな業界向けにリアルタイムCG技術を活用したソリューションを提供しております。また、家庭用ゲーム機・スマートフォン・組込機器向けのミドルウェアの開発・販売の他、サーバーネットワークの構築・運用・監視といったインフラサービスも提供しております。

当社グループでは、開発推進・支援事業において、これらの各種製品・サービスの提供を通じて、クライアント企業が抱える「製品開発の効率化」、「開発工数の削減」、「人手不足や技術の継承」、「ネットワーク+クラウドの最適活用」等といった業務推進上の課題を解決するための業務支援を行っております。

当社グループでは、開発推進・支援事業を、便宜的に①ミドルウェア、②受託開発、③オンラインソリューション、の3つに大別しております。

なお、開発推進・支援事業においては、クライアント企業に対し、これらの各カテゴリーに分類される製品・サービスについて、それぞれ個別の製品・サービスとして提供する場合と、組み合わせて一つのソリューションまたはプロジェクトとして提供する場合があります。

各種製品・サービスの具体的な内容は以下のとおりであります。

 

① ミドルウェア開発・販売

当社グループは、家庭用ゲーム機やPC、スマートフォン、組込機器向けに高品質かつ柔軟性の高いミドルウェアを開発しております。ミドルウェアのライセンス販売やカスタマイズによるツール開発のほか、ユーログラフィックス(注)、情報処理学会、電子情報通信学会で論文を発表しているプログラマー集団が開発した最先端ツールを提供しております。特にリアルタイムのCG技術を強みとし、クリエイターからのビジュアルクオリティーに対する高い要求に応えられるミドルウェアを開発しております。

当社グループが提供している主なミドルウェアの内容は以下のとおりであります。

 

 (注) ユーログラフィックスとは、ヨーロッパで行われ、世界ではSIGGRAPHに次いで大きい学会であり、SIGGRAPHよりもアカデミック色が強いものであります。なお、SIGGRAPHとは米国コンピューター学会におけるCGを扱う分科会を指します。

 

                                         2024年11月30日現在

製品名

概要

Enlighten(エンライトゥン)

・大域照明とも呼ばれるグローバルイルミネーションをGPUの負荷を抑えながらリアルタイムに処理できるミドルウェア

・実行時にライトやマテリアルの移動・変更ができるため、シーン内に設置する光源数を最低限に抑えつつリアルタイムに変化する反射光の効果をシーンに追加することが可能

YEBIS(エビス)

・コンピューター上で生成された画像に対して、現実のカメラ撮影で発生する各種画像効果を再現するポストエフェクトミドルウェア

・代表的な効果として、眩しい部分の輝き、ピンボケ、動きのある物体のブレ、レンズ歪などがあり、これらの効果により画像のリアリティーが格段に向上

・リアルタイムでの処理が可能

・UEプラグイン「YEBIS Biz」により、産業・映像業界での活用を促進

Mizuchi(ミズチ)

・あらゆるアプリケーションに世界最先端のグラフィックスを提供する、リアルタイムレンダリングエンジン。「YEBIS」を標準搭載し究極のフォトリアルな映像生成を実現

・PBR(物理ベースレンダリング)、IBL(イメージベースドライティング)などハイエンドCG製作で使われる技法をリアルタイムに処理

・製造業、建築、映像制作などゲーム以外の業界でのヴィジュアライゼーションに対応

 

 

 

② 受託開発

当社グループは、独自のミドルウェアを活用し、高い開発効率を実現するとともに、熟練したプログラマー・テクニカルアーティストにより様々なデバイスで最適化されたエフェクト・2D・3DCGを制作しております。また、ゲーム、遊技機、映画映像コンテンツ等のエンターテインメント業界、及び製造・重工業、土木建築、自動車・モビリティに加え、宇宙・防衛・医療などの産業分野向けに事業拡大し、以下のサービスを提供しております。

 

1)機械学習向け教師画像用CG

製造業における外観検査や設備監視・認証、ロボットアームによる部品選別・仕分け、自律走行・運転支援、人物認識など、さまざまな機械学習(AI)による画像認識の教師データとして活用可能な3DCGを大量に生成します。再現が難しい状況や物理的または権利関係で制限がある場所や物など、現実では収集が難しい学習用の画像を機械学習に欠かせないアノテーション付きのデータで大量に用意することが可能です。

· 道路・景観CG画像(自動運転・駐車シミュレーターなど)

· 顔・表情CG画像(人物認識、ドライバーモニターなど)

· 傷・欠損CG画像(製造現場における外観検査など)

· 組立て部品・パーツ認識用CG画像(ロボットアーム、監視カメラなど)

 

2)ゲームエンジン活用

Unreal Engine(アンリアルエンジン)、Unity(ユニティ)といったゲームエンジンの活用により、産業分野における製造・開発プロセスのDX推進を支援します。CAD、BIMなどの設計データ、点群、各種センサーによる計測データ、各種シミュレーターによる計算結果、3D都市モデル「PLATEAU(プラトー)」などのデータをゲームエンジンに取り込み、お客様のニーズに応える可視化ソリューションを開発・提供します。

限られたリソースの中で高速なレスポンスと高品質な表現が求められるゲーム&エンターテインメント業界で培ってきたリアルタイム3DCGに関するノウハウと技術により、コンサルティングから企画、設計、開発、運用まで、ワンストップで対応可能です。動作・性能・機能のシミュレーション、設計・デザイン評価、工事進捗レビュー、都市・景観計画シミュレーションなど、既存のソフトウェアでは難しい三次元でリアルに確認することができる環境を構築します。

 

3)デジタルツイン構築支援

CG制作で培ったレンダリング技術やモデリング技術、各種受託開発で培ったソフトウエア技術により、さまざまな手法でデジタルツイン活用のニーズにお応えすることが可能です。

· 点群データ・撮影画像からのメッシュ(ポリゴン)作成

· ゲームエンジンによるBIM/CIMデータと点群データの重畳表示

· クラウドサーバーによるBIM/CIMデータ、点群データ管理

· 専用ビューア開発、各種機能開発

· シミュレーターやVRなどのリアルタイム3DCGコンテンツやゲーム、映像制作

 

4)ゲーム開発環境 構築支援
 当社は20年以上にわたり、自社開発のミドルウェア製品やゲームエンジンを多くのゲームデベロッパーの皆様に提供しています。一方で、コンシューマーゲーム開発環境に関する技術やノウハウを高く評価いただき、開発環境そのものの構築に関するご依頼に対応し、実績を積み重ねてまいりました。大手ゲーム会社のコンシューマーゲーム機・PC用SDK開発に際してミドルウェア・グラフィックス開発技術・制作支援ツールを提供したり、共同開発したりするなど、ゲーム開発者がより質の高いゲームを効率的に開発できる環境を整えるための支援を現在も続けております。お客様独自のゲームエンジンやUnreal Engine、Unityなど各種ゲームエンジンのカスタマイズ、機能拡張、最新ハードウェアへの対応や最適化、独自ツールの共同開発・研究など、ゲームデベロッパーの皆様のあらゆるご要望にお応えいたします。

 

③ オンラインソリューション

より高速な通信レスポンスと高い耐久性が求められるオンラインゲーム向けのサーバープログラムやネットワークシステムについて、コンサルティングから設計、開発、24時間365日体制の運用までをワンストップで提供いたします。またゲーム以外の産業分野においてもこれらの技術を応用し、コンシューマー向けオンラインサービスなど、パブリッククラウドを利用した数万以上の最大同時接続に耐えられるようなシステム構築を手掛けています。映像業界向けには、クラウドレンダリング環境とオンプレミス環境との違いを意識させない、シームレスなジョブキューイングシステムを含むCGレンダリングパイプラインの設計・構築も行っています。

 

(2) 人材事業

当社では、CG、ゲーム制作、映像制作、WEB制作の各業界におけるデザイナーやクリエイター、エンジニア等の専門スキルを持った人材をクライアント企業に対して、有料で紹介する人材紹介サービス、及び登録派遣社員を派遣する人材派遣サービスを提供しております。当社は、一般的な人材紹介会社、人材派遣会社とは異なり、ゲーム業界を中心としたエンターテインメント業界に特化した人材ビジネスを展開しております。

当社は、人材紹介サービスを提供するにあたって、「職業安定法」に基づき厚生労働大臣より「有料職業紹介事業」の許可を受けております。また、人材派遣サービスを提供するに当たって、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(以下「労働者派遣法」といいます。)」に基づき、厚生労働大臣より「一般労働者派遣事業」の許可を受けております。

有料職業紹介を行うに当たっては、企業に直接雇用されることを望むデザイナー・クリエイター・エンジニア等の求職者(以下「求職者」といいます。)を募集し、クライアント企業の求人依頼における諸条件(業務内容・スキル・雇用条件等)と求職者の希望条件とを照合し、クライアント企業へ求職者を紹介・斡旋しております。クライアント企業と求職者との間で、面接等の採用手続きが行われた結果、双方の合意により雇用契約が成立した場合、当社はクライアント企業から対価(紹介手数料)を得ております。

労働者派遣を行うに当たっては、派遣社員として就業を望む労働者を募集し、当社グループが定めた登録基準及び登録手続きに則って登録したデザイナー・クリエイター・エンジニア等の登録者(以下「登録者」という。)の中から、企業の依頼内容(期間・業務内容・スキル等)に適した登録者を選定し、クライアント企業と当社との間で労働者派遣契約(期間・業務内容等を定めるもの)を締結いたします。登録者と当社との間で、有期の雇用契約を締結したうえで、クライアント企業に派遣しております。労働者派遣は、派遣労働者の雇用者(当社)と使用者(派遣先企業)が異なることが特徴であり、派遣労働者は派遣先企業から指揮命令を受け、労働者派遣契約で定めた業務を行います。

当社は人材紹介サービス及び人材派遣サービスの提供にあたって、求職者及び登録者とクライアント企業とをマッチングするための登録サイト「シリコンスタジオエージェント」及び当連結会計年度からスタートした人材派遣専用サイト「シリコンスタジオスタッフ」を運営しております。2024年11月30日現在における弊社の登録者数は約17,000名となっております。

 

 

当社グループの事業の系統図は以下のとおりであります。

 

[事業系統図]

 


 

(注) 当該系統図は、当社及び連結子会社についてのみ記載しており、関連会社は除いております。

 

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金
(百万円)

主要な事業
の内容
(注1)

議決権の所有
(又は被所有)
割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

イグニス・イメージワークス株式会社(注)2、3、4

東京都渋谷区

15

開発推進・支援事業

100.0

役員の兼任 2名
資金の貸付・CGの外注等

(持分法適用関連会社)

 

 

 

 

 

株式会社イリンクス(注)3

東京都品川区

12

開発推進・支援事業

40.0

株式の保有等

 

(注) 1.「主要な事業の内容」の欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。

2.特定子会社であります。

3.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

4.イグニス・イメージワークス株式会社について、売上高(連結会社相互間の内部売上を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

主要な損益情報等 ① 売上高                 692百万円

② 経常利益                 8百万円

③ 当期純利益             199百万円

④ 純資産額                28百万円

⑤ 総資産額               620百万円

 

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2024年11月30日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

開発推進・支援事業

196

人材事業

40

全社(共通)

26

合計

262

 

(注) 1.従業員数は就業人員であります。

2.臨時従業員数については、その総数が従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属している者の人員数であります。

 

(2) 提出会社の状況

2024年11月30日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

202

38.9

6.0

6,826

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

開発推進・支援事業

141

人材事業

40

全社(共通)

21

合計

202

 

(注) 1.従業員数は就業人員であります。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.臨時従業員数については、その総数が従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。

4.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属している者の人員数であります。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループは労働組合を有しておりませんが、労使関係は良好であり、特記すべき事項はありません。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占める女性労働者の割合(%)

男性労働者の育児休業取得率(%)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

 

(注)1

 

(注)2、3

全労働者

うち正規雇用労働者

うちパート・有期労働者

20.0%

50.0%

87.6%

89.9%

47.6%

(注)4

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規程に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.配偶者の出産が2名と少なく、1名が取得している状況ですのでこの数字となります。

4.男女の賃金の差異について

等級、評価、報酬の制度や運用において男女の差は一切設けていません。しかしながら、以下の背景から賃金差異が生じています。

○正規雇用労働者

正規雇用労働者の男女賃金差異は、基準年俸が高い上位職階(等級)にある女性社員の数が男性社員よりも少ないことによるものです。同一等級の男女差には大きな差異はありません。今後も引き続き、女性活躍推進に向けた取り組みを継続し、女性社員の上位職階への昇格を促進し、賃金差異の縮小を目指します。

○パート・有期労働者

定年後の高年齢再雇用者とパートタイマーを一括りにして集計しており、定年後の高年齢再雇用者は男性の割合が多く、パートタイマーは女性の割合が多いため、賃金差異が大きくなります。高年齢再雇用者における男女の賃金差異は男性しかいないため算出できませんでした。パートタイマーにおける男女の賃金差異は、大きな差異はありません。

 

② 連結子会社

「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。