第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社は、「To Entertain People~より多くの人々を楽しませるために~」という企業理念のもと、「音楽」、「アート」、「食」等をはじめとする様々なカルチャーコンテンツ(以下「カルチャーコンテンツ」という。)を企画・融合させ、「楽しみに溢れた豊かなライフスタイルをより多くの人々に提案する」ことを経営方針としております。本経営方針の実現に向け、「変化」が実際に発生する「現場(店舗)」における情報収集、企画及びサービス立案、サービス提供が、柔軟かつ主導的に行われるボトムアップ経営「全員企画=全員現場主義」のもと、社員一丸となってより一層の事業拡大を目指し、もって当社企業価値の最大化を図ってまいります。

 

(2)当社を取り巻く経営環境及び中長期的な経営戦略等

 当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき、企業価値向上に資するべく、適切かつ迅速な経営戦略の立案及び施策の実施に努めております。

 今般の新型コロナウイルス感染症が日本国内で感染拡大をし始めた2020年2月から本有価証券報告書提出日まで一年以上が経過し、その間に消費者のマインドや消費行動が大きく変容いたしました。そのような状況の中で、当社の一部直営店舗において実施したコラボカフェの業績は好調に推移しております。当社においては、この実績を踏まえ、今後も引き続き「コト消費」に関する需要は高く推移すると予想しており、当社がこれまで積み上げてきたメニュー開発や空間プロデュース及び店舗運営等のノウハウや実績を最大限に活用し、当該需要を効果的に取り込む方針であります。なお、当該方針の一環として、2021年3月31日付けで公表した「ディズニースペシャルカフェ『OH MY CAFE OSAKA』出店に関するお知らせ」に記載のとおり、大阪心斎橋にて新たに1店舗をコラボカフェとして追加で出店を行う予定であります。当社では、今後はコラボレーションの領域をさらに拡大し、アライアンスも含めて当社の有する経営資源(店舗や人員、ノウハウ等)と他社の有するコンテンツを掛け合わせ、顧客の多様な期待に応えられる価値提供を行うことで、企業理念を体現してまいります。
 他方で、コラボカフェ以外の直営飲食サービスにおいても、新型コロナウイルス感染症の感染予防対策を前提に、消費者の新生活様式を見据えた店舗営業施策(非接触型オーダーシステムの導入、テイクアウト・デリバリー・ECサイト運営の継続等)を行うとともに、SNS等を活用したデジタルマーケティングの推進、投資案件精査の徹底、及びエリア毎の消費者動向を考慮した人員の適正配置による労務費の削減等を行い収益性の向上を図ってまいります。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

 上記の実現に向け、当社は、以下のような課題に取り組んでいく方針であります。

 

① 新コンテンツの開発について

 当社は、「音楽」、「アート」、「食」等をはじめとする様々なカルチャーコンテンツを企画・融合させ、一般消費者及び顧客企業へ提供する点に強みを有しております。

 しかしながら、時代や流行の変遷と共に一般消費者及び顧客企業の顕在的又は潜在的ニーズも日々変化をし続けるため、常に一般消費者及び顧客企業にとって有益な価値を提供するべく、コンテンツ企画力及び提供力の強化を図ってまいります。

 

② 顧客企業との関係充実について

 当社は、高い収益成長率及びブランディング強化を維持するため、高い知的創造性を有する企業との関係充実が重要と考えております。そのような企業とアライアンスを組むことで、更なる価値を創造し、革新的なエンターテインメントを提供してまいります。

 

③ 既存事業の高収益体質化について

 当社の今後の成長・事業拡大には、既存事業の高収益化によるキャッシュ・フローの増大が不可欠であると考えております。

 当社独自の施策であるブランディング及びマーケティング強化による集客力向上に加え、当社グループのスケールメリットを最大限活用した商流構造の改革によるコスト削減及び店舗・人材等の経営資源の効率的活用により、各店舗の収益構造を改善し、高収益体質化を図ってまいります。

④ 衛生管理体制の徹底・強化及び感染予防対策の徹底について

 外食産業においては、店舗における食中毒の発生等衛生管理体制の不備により生じるリスクは経営に多大な影響を生じさせるにとどまらず、食品の安全性の確保は、外食産業に対する社会的な要請となっております。また、昨今では新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための取り組みも当該要請に包含されております。

 当社の各店舗では、衛生管理マニュアルに基づく衛生・品質管理の徹底、及び新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドラインに基づく感染予防対策の徹底を行うと共に、定期的に本社人員による店舗監査や外部検査機関による検査と改善を行っており、今後も法改正等に対応しながらさらなる衛生管理体制の強化や当該感染予防対策を継続して行っていく方針であります。

 

⑤ 人材の確保・育成に対する課題

 当社では、今後の成長・事業拡大には、人材の育成、人材の確保が必要不可欠であると考えております。

 一方、従来からの少子化、若年層の減少により雇用対象者が減少しているため、人材の確保及び教育が経営上の重要課題であると考えております。

 人材の確保については、当社の親会社である株式会社DDホールディングス(以下、「DDHD」といいます。)グループ全体での採用活動に加え、自社採用ホームページを含むアルバイト採用の強化、新卒採用の計画的な拡大、管理職を含む効率的な中途採用を継続していく方針です。

 また、人材の育成については、DDHDグループ全体で研修等を行い、サービス力を強化すると共に、当社独自の研修プログラムを用意し、当社における企業理念の理解の深耕、店舗マネジメント手法の修得などを目的として、アルバイトを含めた全スタッフを対象とした研修プログラムや店舗でのOJT等の実施を継続していく方針であります。

 

⑥ 経営管理組織充実に対する課題

 当社では、企業価値を高め、株主の皆様をはじめとするステークホルダーに信頼され、支持される企業となるためにコーポレート・ガバナンスへの積極的な取り組みが必要不可欠であると考えております。そのため、今後の当社の業容の拡大に耐えうる経営管理組織を構築していくため、引き続き内部監査体制を充実させると共に監査役監査及び会計監査人による監査との連携を強化することによる三様監査の充実を図り、加えて、全従業員に対しても、継続的な教育活動を行っていく方針であります。

 

2【事業等のリスク】

 当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがありますが、これらに限定されるものではありません。また、必ずしもそのようなリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的情報開示の観点より以下に開示しております。

 なお、本文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生する可能性のある全てのリスクを網羅するものではありません。

 

食品衛生管理について

 当社は「食品衛生法」に基づき、所管保健所より飲食店営業許可を受けて、全ての店舗に食品衛生責任者を配置しております。

 衛生管理マニュアルに基づき厳格な衛生管理と品質管理を徹底しておりますが、食中毒などの衛生問題が発生した場合には、食材等の廃棄処分、営業許可の取消し、営業の禁止若しくは一定期間の営業停止処分、被害者からの損害賠償請求、あるいは当該問題の発生による風評被害等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

商標管理について

 当社は、複数の店舗及びイベント運営に係る商標を保有しております。

 当該商標に係る登録に際しては、弁理士等の外部専門家による十分な事前調査を踏まえておりますが、登録後において、第三者の権利保有する商標と類似する等、当該第三者の商標権を侵害していると認定され、その結果、商標使用差止、使用料、損害賠償等の支払を請求される可能性があります。

 これらが生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③コンテンツホルダーまたはライセンサーとの契約について

 当社は、アニメやゲーム、漫画、アイドル、音楽アーティスト等に関するIPコンテンツの商品化許諾権を有するコンテンツホルダーまたは、そのライセンサーとの契約により、コラボカフェの企画・運営及び商品の販売をしております。

 当社の責めに帰さない事由により当該商品化許諾権等の使用が停止された場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④アルバイト就業者等への社会保険加入義務化の適用基準拡大について

 当社は、関係省庁の指導の下、アルバイト就業者に対し、その労働時間等において社会保険加入の要件を満たす就業状況にある人員全てについて加入を義務付けております。今後、当該アルバイト就業者の社会保険加入義務化の適用基準が拡大された場合には、保険料の増加、アルバイト就業希望者の減少等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤個人情報管理について

 業容の拡大に伴い、情報管理の強化に向けた社内規程、体制の整備に努めております。万一情報漏洩が発生した場合には、信用低下等により当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥競合について

 飲食業界は他業界と比較すると参入障壁が低く、新規参入者が多いこと、また業界内における価格競争などもあり、厳しい競合状態が続いている業界であります。

 当社はこうした業界環境において、「食」のみならず、音楽(BGM)、アート(内装、家具)等のカルチャーコンテンツの充実を図ることで競合他社との差別化を図っております。具体的には、当社独自のノウハウで選定した音源等を基に、季節、時間帯、曜日等の営業条件に応じたBGMの選曲や、実演パフォーマンスも兼ねたウォールアート(店舗壁画)の制作、顧客をはじめとする外部の幅広い方々に向けたワークショップの開催等、最先端のトレンドをキャッチする風土・文化を持つ当社ならではの施策によるコーポレート・ブランディング戦略により、新規顧客の獲得及び既存顧客のリピート率の向上に努めてまいります。

 しかしながら、今後、当社と類似するコンセプトを掲げ、当社のターゲット顧客層への販売を強化する他社による競合状態の激化が進んだ場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
 また、急激な業界環境の変化や、当社のカルチャーコンテンツ企画力の低下により、顧客の嗜好やニーズに対応できない場合や競合他社による優位性の高いカルチャーコンテンツの開発がなされた場合、顧客数の減少等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

⑦出退店政策について

 当社は、高い集客が見込める情報発信エリアとして、都心部を中心に首都圏及び地方の中核都市へ店舗出店しておりますが、新規出店につきましては、立地条件、賃貸条件、投資回収期間等を総合的に勘案し、出店候補地を決定しているため、条件に合致する物件が確保できない可能性があります。

 また、当社では、月次の店舗ごとの損益状況や当社の退店基準に基づき業績不振店舗等の業態変更、退店を実施することがあり、これに伴う固定資産の除却、各種契約の解除による違約金、退店時の原状回復費用等が想定以上に発生する可能性があります。

 さらには、新規出店に際し、当該店舗における就業者人員の採用・育成が追いつかない場合や、大幅に離職率が上昇した場合においては、当該出店計画に齟齬を生じる可能性があります。

 以上の事象が生じた場合、結果として、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑧差入保証金及び賃貸借契約について

 当社は、現状は直営での店舗出店を基本方針とし、店舗物件を賃借しております。

 出店にあたり、賃貸借契約の締結に際して賃貸人に保証金を差入れております。今後の賃貸人の経営状況等によっては、退店時に差入保証金の全部又は一部が返還されない可能性や、当社側の都合により賃貸借契約を中途解約する場合等には、契約の内容によっては差入保証金の全部又は一部が返還されない可能性があります。

 賃貸借期間は賃貸人との合意により更新可能ですが、賃貸人側の事情により賃貸借契約を更新できない可能性があります。

 また、賃貸人側の事情による賃貸借契約の期間前解約により、業績が順調な店舗であっても計画外の退店を行わざるを得ない可能性があります。これらが生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑨有利子負債依存度について

 当社は、運転資金や店舗設備及び差入保証金等の出店資金の一部を金融機関及び当社の親会社からの借入により調達しております。

 2021年2月28日時点において、当社の有利子負債残高は1,174百万円となり、有利子負債依存度は73.5%となっております。

 現在は、当該資金のうち一部を変動金利に基づく長期借入金により調達しているため、金利変動により、資金調達コストが上昇した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

2020年2月期末

2021年2月期末

有利子負債残高(百万円)

376

1,174

有利子負債依存度(%)

26.9

73.5

(注)1.有利子負債残高は、短期及び長期借入金(1年内返済予定を含む)の合計額であります。

2.有利子負債依存度とは、総資産に占める有利子負債の比率であります。

 

⑩減損損失について

 当社は、各店舗を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位と捉え、店舗ごとに減損会計を適用しております。将来キャッシュ・フローの見積りは、適切な権限を有する経営者の承認を得た事業計画に基づく各店舗の将来の収益予測及び営業利益予測に基づいております。割引前将来キャッシュ・フローの合計及び使用価値の算定にあたっては、各店舗の主要な資産の残存使用年数又は契約更新の見込みがない店舗は契約期間、あるいは退店予定までの期間としております。業態変更や退店の判断を健全に行い、経営効率の向上を目指しておりますが、外部環境の急激な変化等により著しく収益性が低下した場合や退店の意思決定をした場合、減損損失を計上する可能性があります。

 

⑪食材等の仕入について

 当社は、食材等の仕入を行っておりますが、様々な店舗業態の運用に関連するものであり、各店舗業態ごとに仕入内容が異なるため、特定食材に依存していることはありません。

 しかしながら、食材の安全性確保に疑問が生じ、食材仕入量が制限を受けたり、天候不順、災害等の外的要因による農作物の不作により需要関係が逼迫して食材の仕入価格が上昇する等、食材の確保に支障が生じる事態となった場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

⑫人材の確保と育成について

 当社の今後の積極的な事業展開には正社員、アルバイトスタッフともに十分な人材の確保が必要不可欠であります。

 そのため、当社は毎年の事業計画に基づいた人員計画を策定し、より効果的に人材を確保するための採用活動を行っております。

 しかしながら、人材の確保及び育成が計画どおりに進まない場合には、内部管理体制の充実を含め当社の事業展開が制約され、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑬大規模な自然災害・感染症について

 当社は、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、大規模な地震や台風等の自然災害が発生した場合、また新型インフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症が想定を大きく上回る規模で発生及び流行した場合においては、その直接的、間接的影響により店舗の営業が妨げられ、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑭重要事象等について

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、日本政府から発出された緊急事態宣言及び各自治体からの外出自粛要請を受け、当社は一部イベントの中止、店舗休業等の対応を行いました。その後、順次営業を再開しているものの、消費者の消費行動の変化等により、当該感染症の感染拡大前と比較すると来客数は減少し、売上高が著しく減少しております。この結果、当社は、当事業年度において、営業損失744百万円、経常損失620百万円、当期純損失740百万円を計上し、332百万円の債務超過となったことにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。このような状況を解消するために、当社は「売上改善」、「コスト抑制」、「財務基盤強化」の3つを軸に、よりキャッシュ・フローを意識した経営活動を実施してまいります。具体的には、消費者の新生活様式を見据えた店舗営業施策の実施、テイクアウト・デリバリー・ECサイト運営の継続、役員報酬の減額継続、雇用調整助成金等の各種助成金の活用、時短営業要請応諾に伴う協力金の収受、支払賃料の減額等の要請、緊急経済対策に基づく税金及び社会保険料の納付猶予制度の利用、不採算店舗の退店推進、その他の費用削減等の施策について、順次着手を行っております。加えて、今後の財政状態を注視しながら、当社の親会社である株式会社DDホールディングスを借入先とした親子ローン等を中心とした資金調達を推進し手元流動性を確保することで、当面の運転資金は十分に確保できる状況であり、継続企業の前提に関する不確実性は認められないと判断しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、2020年4月に緊急事態宣言が発出されましたが、政府や各自治体による各種施策の効果もあり、宣言解除後は経済活動に回復の兆しがみられました。しかし、感染の再拡大により再度緊急事態宣言が発出されるなど、先行きは依然として不透明な状態が続いております。

 外食産業におきましても、緊急事態宣言に伴う外出自粛や営業時間短縮・酒類の提供自粛、イベント等の中止等により消費活動は急速に減退し、大変厳しい経営環境が続いております。

 このような状況の中、当社におきましては、「To Entertain People ~より多くの人々を楽しませるために~」という企業理念のもと、「楽しみに溢れた豊かなライフスタイルをより多くの人々に提案する」という経営方針を掲げ、飲食サービスの健全な成長、コンテンツ企画サービスの拡大を進めてまいりました

 

(飲食サービス)

 飲食サービスにつきましては、2020年3月より外出自粛に伴う客数減少の影響が徐々に拡大し、同年4月の緊急事態宣言発出時においては、感染拡大防止策を講じ社会的責任を果たすべく、お客様、全従業員、取引業者様の安全の確保を第一に考え、直営店舗全店の臨時休業を行いました。同年5月以降は、衛生管理や感染拡大防止策を徹底しつつ、政府及び各自治体の要請の範囲内において順次営業を再開し、消費者の新生活様式を見据えた営業施策として、テイクアウト・デリバリー・ECサイトの運営を実施し、また政府の「Go To キャンペーン」事業による需要の取込みを行いました。これにより、当該サービスにおける売上高も順調に回復しておりましたが、同年11月下旬より再び上記感染症が拡大し始め、さらに2021年1月に緊急事態宣言の再発出がなされたことにより、売上高の大部分を占めるイートイン(店舗内でのご飲食)目的のご来店客数が再び減少傾向となりました。

 一方で、一部の直営店舗にてIPコンテンツ(アニメやゲーム、漫画、アイドル、音楽アーティスト等)を活用したコラボカフェを実施し、当該店舗の業績に関しては好調に推移しております。これは、上記環境下においても、「コト消費」(個人の趣味・嗜好に合った体験を求める消費者行動)に関する需要は依然として高いことの表れであり、当社の強みであるIPコンテンツを活用した事業展開が奏功しております。この当社における経験と実績及び今後の市場拡大の可能性を踏まえ、当第4四半期会計期間において新たに1店舗をコラボカフェとして出店を行いました。

 なお、当サービスに係る当事業年度末の総店舗数は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う経営合理化施策として不採算店舗の退店を推進しているため、前事業年度末比で4店舗減の45店舗となりました。

 これらの結果、当事業年度における当サービスの売上高は1,705百万円(前年同期比57.6%減)となりました。

 

(コンテンツ企画サービス)

 コンテンツ企画サービスにつきましては、他社店舗の開業支援業務及び運営業務の受託等、いわゆる企業間取引(BtoB)のビジネスモデルであるプロデュース領域を主軸としておりますが、上記感染症の感染拡大防止策として、他社店舗においても店舗休業や店舗営業時間の短縮、間引きによる座席数の減少等の対応がなされたことにより、当社の売上高にも影響が及んでおります。しかしながら、前事業年度と比較して、株式会社川崎フロンターレの常設オフィシャルカフェ「FROCAFE(フロ カフェ)」、株式会社立飛ストラテジーラボが新街区「GREEN SPRINGS(グリーンスプリングス)」にオープンした飲食店舗「under the cascade(アンダー ザ カスケード)」の運営業務等の新規案件を受注していることにより、上記感染症の影響による当サービス全体の売上高の落ち込みが一定程度下支えされる結果となりました。

 これらの結果、当サービスの売上高は、609百万円(前年同期比32.9%減)となりました。

 

 以上の結果、当事業年度における売上高は2,315百万円(前年同期比53.0%減)となりました。利益面につきましては、店舗における従業員シフト管理の徹底による人件費の削減、各種契約の見直し等による経費の削減、また、過年度より実施している業務改善による本社費削減等による販売費及び一般管理費の適正化を推進しているものの、主に上記感染症の感染拡大に伴う飲食サービス売上高への影響により、営業損失は744百万円(前事業年度は営業利益8百万円)となりましたが、政府及び各自治体が要請した時短営業に伴う協力金(助成金収入)131百万円を営業外収益に計上したことにより、経常損失は620百万円(前事業年度は経常利益17百万円)となりました。また、上記感染症の影響を踏まえ、退店の意思決定を行った直営店舗及び収益性が低下した店舗に係る減損損失113百万円を計上したこと等により当期純損失は740百万円(前事業年度は当期純利益2百万円)となりました。

 

財政状況については以下のとおりです。

(資産)

 当事業年度末における総資産は、前事業年度末と比較して198百万円増加し、1,597百万円となりました。

 流動資産は、前事業年度末と比較して439百万円増加し、1,155百万円となりました。これは主に、現金及び預金391百万円の増加、未収入金87百万円の増加、1年内回収予定の差入保証金63百万円の増加、売掛金81百万円の減少等によるものであります。

 固定資産は、前事業年度末と比較して241百万円減少し、441百万円となりました。これは主に、既存店の退店による固定資産の減損等に伴う有形固定資産128百万円の減少、敷金及び保証金107百万円の減少等によるものであります。

 

(負債)

 当事業年度末における負債合計は、前事業年度末と比較して938百万円増加し、1,930百万円となりました。

 流動負債は、前事業年度末と比較して964百万円増加し、1,790百万円となりました。これは主に、短期借入金854百万円の増加、預り金126百万円の増加、買掛金69百万円の減少等によるものであります。

 固定負債は、前事業年度末と比較して25百万円減少し、140百万円となりました。これは主に、資産除去債務14百万円の減少等によるものであります。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末と比較して740百万円減少し、332百万円の債務超過となりました。これは主に、当期純損失の計上による繰越利益剰余金740百万円の減少によるものであります。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比較して391百万円増加し、733百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は389百万円(前事業年度は103百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純損失736百万円、売上債権の減少81百万円、預り金の増加126百万円、仕入債務の減少69百万円を計上したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果獲得した資金は4百万円(前事業年度は43百万円の使用)となりました。これは主に、敷金及び保証金の回収による収入27百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出19百万円等を計上したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は776百万円(前事業年度は97百万円の使用)となりました。これは主に、短期借入れによる収入904百万円、長期借入金の返済による支出107百万円等を計上したことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

 当社は。「音楽」、「アート」、「食」等をはじめとする様々なカルチャーコンテンツを企画・融合させさせ、直営店舗(飲食サービス)、自社又は他社主催イベント及び顧客企画(コンテンツ企画サービス)を通じて、一般消費者へこれらを提供する単一セグメントでの事業を営んでおり、販売実績の記載は、サービス別の事業によっております。

 なお、当社に置ける事業は、提供するサービスの性格上記載になじまないため、生産実績及び受注実績の記載を省略しております。

 

a.サービス別販売実績

当事業年度におけるサービス販売実績は、次のとおりであります。

サービス別

当事業年度

(自 2020年3月1日

  至 2021年2月28日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

飲食サービス

1,705,238

△57.6

コンテンツ企画サービス

609,779

△32.9

合計

2,315,017

△53.0

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

b.ブランド別直営店舗数(財務ベース)及び売上高

当事業年度のブランド別直営店舗数(財務ベース)及び売上高を示すと、以下のとおりであります。

ブランドの名称

当事業年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

店舗数

(財務ベース)

売上高

(千円)

売上構成比

(%)

前年同期比

(%)

kawara CAFE&DINING 及び kawara CAFE&KITCHEN

23店舗

856,777

50.2

△57.1

hole hole Cafe&Diner

2店舗

41,189

2.4

△73.8

Cafe&Dining ballo ballo

3店舗

86,474

5.1

△66.1

atari CAFE&DINING

3店舗

137,395

8.1

△55.8

HangOut HangOver

2店舗

88,846

5.2

△65.2

LOOP

1店舗

8,154

0.5

△89.8

他ブランド

13店舗

486,400

28.5

△52.3

合計

47店舗

1,705,238

100.0

△58.1

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.直営店舗数(財務ベース)では、同一区画内の複数店舗を収支処理の関係上、代表ブランド1店舗として集計しております。

3.店舗数には、期中に退店している店舗が含まれております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 この財務諸表の作成にあたって、当事業年度末における資産・負債及び当事業年度の収益・費用の報告数値、並びに開示に影響を与える見積りを行っております。当該見積りに際しましては、過去の実績や状況に応じて、合理的と考えられる要因等に基づき行っております。しかしながら、見積り特有の不確実性により、実際の結果は異なる場合があります。

 

②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社の当事業年度の経営成績等は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」において記載しておりますが、その主な要因といたしましては、飲食サービスにおいて、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を受け、店舗休業や営業時間の短縮、酒類の提供自粛、イベント等の中止等を行ったことにより、売上高が著しく減少しております。また、コンテンツ企画サービスにおいては、既存案件を安定的に継続できたことに加え、新規案件を追加で受託できたものの、当該感染拡大の影響を受け、他社店舗における店舗休業や営業時間の短縮等が行われたことにより、当社の売上高にも影響が及んでおります。

 以上の結果、売上高は、前事業年度と比較し2,614百万円減少の2,315百万円、営業損失744百万円(前年同期は8百万円の営業利益)、経常損失620百万円(前年同期は17百万円の経常利益)、当期純損失740百万円(前年同期は2百万円の当期純利益)となりました。

 当社の事業は、飲食サービス及びコンテンツ企画サービスで構成されており、各々の業界環境が当社の経営成績に重要な影響を与える要因となります。

 まず、飲食サービスに関わる業界環境については、個人消費の低迷や人口減少、採用賃金の上昇傾向等に加え、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う消費者行動の変化や感染予防対策も合わせた対応を行う必要がある等、従来にも増して厳しい経済環境にあると認識しております。このような環境の下、当社においては、比較的当該感染症の感染拡大に左右されないビジネスモデルであるコラボカフェの展開を拡大・推進を行うとともに、各店舗の状態を随時モニタリングを行い、横展開できる可能性がある店舗、あるいは採算の取れない店舗の精査を徹底して、サービス全体として収益性を確保し成長できるよう図ってまいります。

 他方、コンテンツ企画サービスではIPコンテンツの活用を主軸においており、当該活用の成否が当社の経営成績に重要な影響を与える要因となります。大局的にはインターネットやスマートフォン等の普及により世の中のコモディティ化を受け、個人消費者が「コト消費」を求める体験経済の時代へ遷移していると認識しております。特に我が国ではゲーム、アニメ、音楽、スポーツ等多くのIPコンテンツに溢れており、こうした「コト消費」に対する個人消費者のニーズがIPコンテンツの領域において非常に高まっているものと考えております。また、広告市場においては、展示や映像に係るリアルプロモーション領域が近年成長を続けており、広告企業においては顧客とのリアルな接点の場を持つというニーズも高まっております。これらを踏まえ、当該サービスに関わる市場規模については、成長性が高いと考えております。このような業界環境の下、当社においては、他社店舗の開業支援業務及び運営業務の受託等のプロデュース領域を主軸としつつ、IPコンテンツと消費者を結びつけるサービスを提供することで持続的に成長・拡大を図ってまいります。

 当社の資本の財源及び資金の流動性についての分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。なお、当社の運転資金需要の主なものは、商品、原材料等の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、投資資金需要の主なものは、店舗又は設備の修繕・新規開発等の投資等であります。当該運転資金と投資資金については、営業キャッシュ・フローでの充当を基本とし必要に応じて資金調達を実施しております。但し、当事業年度においては、今般の新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、営業キャッシュ・フローが大幅なマイナスとなっていることから、借入を主とした財務活動により資金調達を行っております。

 当社の経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、営業利益を重要な経営指標として位置付けております。上述の施策等を講じることにより、更なる業績改善を図り安定的な営業利益を確保することが最重要であると考えております。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。