第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、「より良質な住宅を供給し、豊かな住環境に貢献する」という社是のもと、「安全・安心・堅実」をモットーに“良質で安価な住宅を供給する”ことを使命と考え、安心・安全なマンションを供給し、あらゆるステークホルダーからの信頼獲得と社会への貢献をめざすことを経営の基本方針としております。

そのために施工品質向上と収益性向上のための施策を、継続的に実行してまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社は2018年7月に2019年5月期を初年度とする3ヶ年の中期経営計画「Innovation2018」を策定し、2019年5月期の業績目標として、売上高25,018百万円、経常利益2,396百万円を掲げて各施策に取り組んでまいりました。

また企業価値の向上と経営の安定基盤を築くための中期的な定量的経営目標として、完成工事総利益率16%維持、売上高営業利益率10%への挑戦、自己資本比率40%以上、総資産経常利益率20%、自己資本純利益率40%を掲げ、効率化による収益性の向上、自己資本の蓄積による財務体質の向上を目標に事業を推進してまいりました。

 

2019年5月期の業績は、売上高19,015百万円(対計画比76.0%)、経常利益1,874百万円(同78.2%)、完成工事総利益率15.2%、売上高営業利益率9.9%、自己資本比率51.9%、総資産経常利益率14.9%、自己資本利益率23.1%となりました。

売上高につきましては、用地交渉の長期化や用地確保競争激化により不動産売上高が計画通り進捗せず、工事着工時期ずれ込み等により完成工事高が期待どおりの成績とならなかったことが計画未達の主な要因であります。

経常利益につきましては、不動産及び完成工事の売上計画未達に伴う減少が影響し、経常利益は計画比21.8%の減少となりました。

その結果、当事業年度は創業以来初の減収・減益となりました。

以上のような結果により、当事業年度におきまして定量的な目標としておりました、完成工事総利益率、総資産利益率及び自己資本比率等は目標値に届きませんでしたが、中期的には十分に達成可能な水準と考えており、継続的な経営目標としてまいります。

 

当社は、業容の拡大と永続的で安定的な活動の基盤構築を目指し、2020年5月期を初年度とする3ヶ年の中期経営計画「Innovation2019」を策定いたしました。当計画の骨子は、安定的な用地確保による造注方式のシェア回復、周辺ビジネスであるアクティブ・シニア向けマンションの推進、九州支店を拠点とした事業推進、リノベーション事業の推進、再開発事業への参画と超高層建築への取組等により、業容の拡大を図ることとしております。これらの施策の実施により2020年5月期の業績目標を売上高20,005百万円、経常利益1,264百万円とし、また、中期的な定量的経営目標を、完成工事総利益率12%超、売上高営業利益率7%超、自己資本比率50%超維持、総資産経常利益率15%、自己資本利益率20%としております。

なお、中期経営計画の最終年度となる2022年5月期の業績目標は、売上高24,784百万円、経常利益1,710百万円、当期純利益1,186百万円とし、成長性を維持する目標としております。

 

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

わが国経済につきましては、政府の経済政策や日銀当局の金融緩和の継続により、景気の下支え効果は期待できるものの、個人消費の低迷、保護主義的な通商政策や貿易摩擦による海外経済の不確実性等により、楽観できない状況が続くと思われます。

当社の事業領域である分譲マンション市場におきましては、雇用・所得環境の改善、政府による住宅取得支援策や税制優遇措置の拡大・延長、住宅ローン金利が低水準であることによる購入意欲の高まり等により、底堅く推移していくと予想されているものの、対処すべき不確実性も存在します。

このような事業環境のもと、当社は以下に掲げる経営課題の達成に向け、全力で取り組み、事業効率と収益性の向上に努めてまいります。

①営業及び開発

当社は、事業戦略として「造注方式」を掲げ、土地開発及び土地持込による特命受注を事業の中核とすべく、体制整備と、その推進に注力してまいりました。しかしながら、当事業年度の土地持ち込みによる成約は2件と低調な実績となりました。今後は、コンスタントな用地確保と造注方式のシェア回復を図るとともに、再開発事業等も推進し、経営計画の実現と業容の拡大に努めてまいります。

また、新規顧客の更なる開拓、担当人員の拡充や土地情報入手先の多様化にも注力してまいります。

②施工体制

施工体制については、生産能力の拡大と品質向上という2点の課題に取組んでおります。

生産能力の拡大については、積極的な採用により一定水準以上の技能を有する人員の拡充を図り、施工能力をアップさせ、より多くの物件を施工してまいります。

品質向上については、建物の強度を保つ根幹となる躯体部分の構造検査において、法令に則った所定の検査に加え、本社品質管理担当者によるダブルチェックを追加実施する等、業界において標準的に実施されている以上の検査を実施しております。また、2016年1月以降の着工物件より、重要な躯体部分の三項目である杭、配筋、生コンクリートの品質について、施主が第三者機関の検査を実施しない場合、当社で検査を導入する取り組みを実施しており、安全・安心・堅実なマンションの供給に万全を尽くしております。

③内部管理体制

当社は、企業価値の向上を図るため、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識し、業務の適正性、財務報告の信頼性確保、及び法令遵守の徹底を進め、その整備を実施いたしました。更なる業容の拡大を図るためには、内部管理体制の拡充を進める必要があり、事業の急速な拡大等に、充分な内部管理体制の構築が追い付かないという事象が生じることのなきよう、拡充と機能向上に努めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 分譲マンション建設市場の動向によるリスク

当社は、分譲マンション建設事業に特化しており、マンション・デベロッパー(以下「デベロッパー」という。)による物件の開発動向に影響を受けております。デベロッパーによる物件開発は、マンション用地の確保や不動産価格の動向のほか消費者の需要動向に影響を受けております。これらは、景気動向、金利動向、地価動向、物価動向、新規供給物件動向、不動産販売価格動向、住宅税制、少子化、人口減少等によって大きく左右される傾向にあり、消費者所得の低下及び景気見通しの悪化等は消費者の住宅購入意欲の減退につながります。これらの状況により分譲マンション着工戸数や需要が減少した場合、当社の請負工事受注高及び不動産取引高が減少する可能性があり、その場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 主要事業エリアを東京圏としていることによるリスク

当社は、2018年4月に九州支店を開設し、事業エリアを九州及び周辺エリアにも拡大しましたが、主要事業エリアは東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県及び千葉県の一都三県)であります。当該エリアは、大手ゼネコンと同様に中小ゼネコンも事業展開しているため従来から競合が多く、この状況に加え、有望な事業用地の不足、地価高騰及びオリンピック需要の影響等による建築費の上昇によるマンション供給価格の高騰、人材や協力会社の調達難、他社の新規参入による競争激化等の要因が生じた場合、受注件数の減少等が生じることとなり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 建設コストの変動によるリスク

一部の建築資材価格及び労務費は、東日本大震災の復興需要や、オリンピック需要、公共事業の増加による影響等により上昇傾向若しくは高留まりした状況にあります。当社においては、請負契約締結前に精度の高い見積算定を行なうとともに、デベロッパーとは最新の価格動向に基づく請負契約の締結による利益の確保に努めておりますが、請負契約締結後に想定を超えての建築資材価格の高騰、労務費の上昇が発生した場合には、利益の減少をまねき、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 法的規制、行政規制等によるリスク

当社の属する建設業界は、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法等により法的規制を受けており、当社は建築業者としてこれらの規制を受け、以下の許認可等の下、事業展開を行っております。

 

<主要事業の許認可等の概要>

許認可等の名称

法律名

監督官庁

有効期限

取消事由等

特定建設業許可

建設業法

国土交通省または

都道府県知事

2016年8月5日から2021年8月4日まで(5年間)

同法第28条、第29条

宅地建物取引業者

免許

宅地建物取引業法

国土交通省または

都道府県知事

2018年7月11日から2023年7月10日まで(5年間)

同法第65条、第66条

一級建築士事務所

登録

建築士法

都道府県知事

2017年6月20日から2022年6月19日まで(5年間)

同法第26条

 

これら許認可等については、更新漏れが生じることのないよう十分に注意を払っておりますが、万が一更新漏れや取り消し、失効となった場合、また、これらの規制に係る行政処分等を受けた場合には、当社の事業展開に著しい影響が生じることとなり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、これら法律の改廃や新たな法的規制、適用基準の変更等によっては、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5) 取引先の信用リスク

建設業においては、工事請負は個々の取引金額が大きく、目的物の完成若しくは引き渡しまでの多くの場合、目的物の引渡時若しくは引渡後に代金の支払が行われております。取引先の与信調査は厳格に実施しておりますが、工事代金の受領前に発注者、共同施工会社等が信用不安に陥った場合や協力会社が経営難に陥った場合は、資金回収不能や施工遅延等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 資金調達に係るリスク

建設業においては、目的物の引渡時に多額の支払が行われることが多く、長期にわたり多額の資金を立替した状態となり、当社の資金繰りにおいて一時的に資金不足となる場合があります。また、事業用地の仕入代金につきましては、その決済資金は金融機関からの借入を想定しております。金融機関とは良好な関係を維持しておりますが、金融環境の変化等により、与信枠縮小や調達金利の上昇等により当社の資金調達活動に影響が生じた場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 在庫に係るリスク

当社は、「造注方式」による事業展開に注力しております。「造注方式」における土地取引には、以下の形態があります。

①当社が事業用地をデベロッパーに紹介及び仲介

②事業用地の取引権利をデベロッパーに地位譲渡

③当社が事業用地を取得しデベロッパーに売却

④当社が事業用地を取得し、建物を建設後に土地付建物としてデベロッパーに売却

当社は、在庫リスクを低減するため、原則としてデベロッパーを選定後に事業用地に係る契約を締結することとしておりますが、上記③及び④においては、引渡し完了までの間は当社の在庫となります。この間に売却予定先が不慮の事態等に陥り予定した売買が成立しなかった場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、③及び④においては、現在の財政状況を鑑み、デベロッパーの選定前に事業用地を先行取得する場合がありますが、在庫の長期化や不動産市況の悪化等から評価減が必要となった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) デベロッパー事業に係るリスク

当社は、受注案件の一部につきまして、デベロッパーと共同事業協定書を締結して販売事業主としてデベロッパー事業に参画しております。この場合、持ち分比率に係る部分は販売完了まで当社の在庫となります。当社は、当該事業の対象を、好立地で人気物件となることが予想される物件を中心に検討し、リスクの低減を図っております。しかしながら、パートナー企業の業績悪化、不動産価格の下落、売れ残り在庫等による事業収支の落ち込み及び追加の費用発生等から、予定している収益に満たない場合、及び今後の不動産市況の悪化等により評価減が必要となった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 瑕疵担保責任に関するリスク

当社は、高品質の建物を施工するため、厳格な品質管理基準を設けております。特に重要となる躯体部分における構造検査につきましては、法令に則った所定の検査に加え、当社の安全品質管理室によるダブルチェックを追加実施し、その運用の徹底に努めており、また、第三者機関の検査を導入するなど、品質管理体制には万全を期しており、保険加入や引当金計上によりリスクの低減も図っております。

しかしながら、当社が施工した建築物に重大な瑕疵担保が発生し、保険等でカバーできない多額の損害賠償が発生した場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(10) 重大事故が発生することのリスク

当社は、重大事故の発生を未然に防ぐため、当社安全品質管理室による毎月最低1回以上の施工現場の安全パトロールを実施しております。また、協力会社と共に、施工現場の安全衛生管理を主たる目的とした安全協力会を設置し、協力会社メンバーも参加する安全パトロールを四半期ごとに実施する等しており、重大事故撲滅のための予防活動を実施しております。しかしながら、万が一、重大事故が発生した場合は、企業イメージを損ない受注活動に支障をきたす等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 訴訟・クレーム発生のリスク

建設工事着工にあたっては、近隣住民に対する事業計画等の事前説明を実施しております。しかしながら、事前説明後に予期し得なかった反対運動、重大なクレームが発生した場合には、工期の大幅な変更や計画変更等が発生する可能性があります。この場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 法令遵守(コンプライアンス)に係るリスク

当社は、法令遵守の徹底を図るために「企業行動規則」「コンプライアンス規程」「リスク管理規程」の制定及び「コンプライアンス・リスク管理委員会」の活動や各種マニュアルの作成、教育を通じ、役員・従業員に徹底した法令遵守への取組みを行っております。しかし、何らかの理由で、法令遵守違反等が発生した場合に社会的信用を損ない受注活動に支障をきたす等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 特定人物へ依存するリスク

当社の創業者である、代表取締役社長中村利秋は、会社設立以来の最高経営責任者として、当社の経営方針や事業戦略の決定をはじめ、営業を中心とする事業推進において重要な役割を担っております。当社においては、特定人物に依存しない体制を構築すべく、人材の招聘による事業推進体制の整備や職務分掌及び権限規程等により権限委譲を進めており、同人へ過度に依存しない組織体制の整備を進めておりますが、同人が当社の業務遂行に支障をきたす事象が生じた場合、現時点においては当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 小規模組織に係るリスク

当社は、会社組織規模もまだ小さいため、今後の事業拡大に対応すべく人員増強等により組織力の充実を図っていく計画でありますが、人材獲得が計画通りに進まない場合には、当社の今後の事業展開、競争力及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 災害等に係るリスク

当社は、主要事業エリアを東京圏に集約しております。このため、当該エリアにおいて、地震、風水害等の大規模自然災害及び事故、火災、テロ等の人的災害、感染症の大流行その他予想し得ない災害が発生した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16) 生産能力拡充におけるリスク

当社は、今後の事業拡大及び中期経営計画値の達成のため積極的に人材採用を進めており、特に施工現場数の増加への対処及び更なる施工能力向上に向け、施工現場の優秀な人材の手当と協力会社の拡大・確保が必要不可欠となっております。しかしながら、競合他社との獲得競争の激化等により施工現場数に応じた人員と協力会社の確保ができない事態が生じた場合、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当事業年度(自 2018年6月1日 至 2019年5月31日)におけるわが国経済は、政府による継続的な経済政策及び日銀による金融緩和により、企業収益や雇用・所得環境の改善が見られるものの、個人消費の低迷、保護主義的な通商政策や貿易政策による海外経済の不確実性等、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。

このような状況のもと、当社の主要事業エリアである東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)におけるマンション着工件数は、デベロッパー各社の用地仕入激化や、マンション価格の高止まり、消費税増税に対する警戒感等の影響もあり、当初見込まれた8年連続60,000戸維持から55,195戸(前年同期比14.8%減)と低調な実績となりました。

一方、2018年(暦年)のマンション供給件数は、37,132戸(同3.4%増)と2年連続で微増となりました。

2019年(暦年)の動向につきましては、マンション供給戸数は37,000戸程度とほぼ横ばいと予想されており、東京圏における当社のシェアは2%程度と伸張の余地は十分にあることから、当社における当面の受注及び施工物件の確保は可能であると考えております。

(データはいずれも国土交通省-公表資料、「都道府県別着工戸数」及び(株)不動産経済研究所-公表資料、「首都圏マンション市場動向」、「首都圏マンション市場予測-2019年の供給予測-」より)

 

このような環境下で、当社はより良質な住宅を供給するという社会的使命を果たすべく事業を推進し、企業価値の向上に努めてまいりました。

これらの結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態の状況

当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ2,742,404千円減少し、11,221,857千円となりました。

当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ3,360,652千円減少し、5,390,923千円となりました。

当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ618,247千円増加し、5,830,933千円となりました。

当事業年度末の自己資本比率は、前事業年度末に比べ14.6ポイント増加し51.9%となりました。

詳細については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.経営成績等 2)財政状態の分析」も併せてご参照ください。

 

b.経営成績の状況

当事業年度の経営成績は、売上高は19,015,977千円(前事業年度比8.7%減)、営業利益1,877,457千円(同16.4%減)、経常利益1,874,588千円(同16.1%減)、当期純利益1,275,627千円(同18.7%減)となりました。

また、1株当たり当期純利益金額は95.68円(同21.95円減少)、自己資本利益率は23.1%(同10.6ポイント減)となりました。

なお、当社は「分譲マンション建設事業」の単一セグメントであるため、セグメントの業績については記載を省略しております。

詳細については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.経営成績等 1)経営成績の分析」も併せてご参照ください。

  

②キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比べ3,798,298千円減少し、3,990,522千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は、1,588,552千円(前年同期は6,066,798千円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益1,874,588千円、売上債権の増加1,678,666千円、仕入債務の減少1,582,290千円、法人税等の支払額671,352千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、4,997千円(前年同期は1,581千円の支出)となりました。これは主に、敷金の返還による収入2,859千円、関係会社株式の取得による支出2,000千円、無形固定資産の取得による支出1,978千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、2,204,748千円(前年同期は2,000,624千円の支出)となりました。これは主に、短期借入れによる収入4,500,000千円、短期借入金の返済による支出4,500,000千円、長期借入金の返済による支出1,546,000千円、配当金の支払額507,242千円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

当社の事業は「分譲マンション建設事業」の単一セグメントであることから、セグメント別の記載に代えて、製品・サービス別に記載しております。

 

a.生産実績

製品・サービスの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

分譲マンション建設工事

13,170,466

87.9

合計

13,170,466

87.9

 

(注) 1.金額は、製造原価によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

製品・サービスの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

分譲マンション建設工事

13,574,812

89.4

14,203,838

94.1

合計

13,574,812

89.4

14,203,838

94.1

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

製品・サービスの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

分譲マンション建設工事

14,462,601

90.4

不動産販売

4,372,121

98.1

その他

181,254

50.0

合計

19,015,977

91.3

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

阪急阪神不動産株式会社

5,434,726

26.1

3,133,143

16.5

株式会社中央住宅

2,475,322

11.9

2,328,281

12.2

日本土地建物株式会社

2,551,872

12.3

2,288,078

12.0

住友不動産販売株式会社

2,071,066

10.9

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.販売実績における「不動産販売」は分譲マンション建設用地等の販売であります。

4.販売実績における「その他」は業務受託収益等であります。

5.阪急不動産株式会社は2018年4月1日付で阪急阪神不動産株式会社に社名を変更しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

  

①重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。

 

②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)経営成績の分析

(売上高)

売上高は、前事業年度と比較して1,802,506千円減少し、19,015,977千円となりました。

売上高の主な減少要因は、前事業年度より完成工事高が1,538,601千円、不動産売上高が82,995千円、各々減少したことによります。

完成工事高については、工事着工時期の遅れ、受注のずれ込み等により、対前事業年度比で減収となりました。不動産売上高については、共同事業収入によるプラス要因があったものの、用地競争の激化により、対前事業年度比でも減収となりました。

(売上原価、売上総利益)

売上原価は、前事業年度と比較して1,493,501千円減少し、16,138,860千円となりました。

売上原価の主な減少要因は、前事業年度より完成工事原価が1,409,922千円減少したことによります。

売上総利益は、前事業年度と比較して309,005千円減少し2,877,117千円となり、売上高総利益率については前事業年度の15.3%から15.1%になっております。

売上総利益の主な減少要因は、前事業年度より完成工事総利益が128,679千円、不動産売上総利益が152,119千円、各々減少したことによります。

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費は、前事業年度と比較して60,508千円増加し、999,659千円となりました。主な増加要因は、前事業年度より広告宣伝費が15,209千円減少した一方で、役員報酬が22,275千円、従業員給料手当が20,912千円、支払手数料が9,519千円、各々増加したことによります。

(営業利益)

上記の結果、営業利益は、前事業年度と比較して369,513千円減少し、1,877,457千円となりました。売上高営業利益率については前事業年度の10.8%から9.9%になっております。

(営業外損益)

営業外収益は、前事業年度と比較して209千円増加し、7,228千円となりました。営業外収益の主な増加要因は、前事業年度より不動産取得税還付金が2,368千円減少した一方で、労働保険料還付金が1,421千円、物品売却収入が385千円、その他が758千円、各々増加したことによります。

営業外費用は、資金調達の最適化等により、前事業年度と比較して9,904千円減少し、10,097千円となりました。営業外費用の主な減少要因は、支払利息が10,021千円減少したことによります。

(経常利益)

上記の結果、経常利益は、前事業年度と比較して359,400千円減少し、1,874,588千円となりました。売上高経常利益率については前事業年度の10.7%から9.9%になっております。

(法人税等、当期純利益)

法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は、前事業年度と比較して65,221千円減少し、598,960千円となりました。

以上の結果、当期純利益は前事業年度と比較して294,178千円減少し、1,275,627千円となりました。売上高当期純利益率については前事業年度の7.5%から6.7%になっております。1株当たり当期純利益金額については前事業年度の117.63円から95.68円となっております。

 

 

 

 

2)財政状態の分析

(資産)

当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ2,742,404千円減少し、11,221,857千円となりました。これは、完成工事未収入金が1,713,441千円増加した一方で、現金及び預金が3,798,298千円、販売用不動産が301,797千円、未成工事支出金が357,518千円それぞれ減少したことが主な要因であります。

完成工事未収入金の増加については工事進行基準を適用している案件の進捗に伴い売上債権が増加したことが主な要因であり、現金及び預金の減少については借入金の返済、販売用不動産の減少については共同事業案件の販売、未成工事支出金については工事完成基準を適用している案件が引渡に伴い減少したことが主な要因であります。

 
(負債)

当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ3,360,652千円減少し、5,390,923千円となりました。これは、支払手形が854,707千円、工事未払金が727,582千円、1年内返済予定の長期借入金が1,146,000千円、長期借入金が400,000千円それぞれ減少したことが主な要因であります。

支払手形及び工事未払金の減少については各請負工事案件の減少、1年内返済予定の長期借入金及び長期借入金の減少については借入金を返済したことが主な要因であります。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べ618,247千円増加し、5,830,933千円となりました。これは、配当金の支払により利益剰余金が507,624千円、自己株式の取得により自己株式が149,755千円それぞれ減少した一方で、当期純利益の計上により利益剰余金が1,275,627千円増加したことが主な要因であります。

また、上記の結果、自己資本比率は前事業年度末の37.3%から51.9%となっております。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因

「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

c.目標とする経営指標の達成状況等

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 目標とする経営指標」をご参照ください。

 

d.資本の財源及び資金の流動性

当社の資本の源泉としては、自己資本、事業活動において獲得した資金及び金融機関からの借入金が挙げられます。当社は、最適な資金調達方法と調達期間の組み合わせにより適切なコストで安定的に資金を確保することを、資金調達の基本方針としております。

なお、キャッシュ・フローに関する認識及び分析・検討については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

4 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

 該当事項はありません。