第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

外食業界の市場規模は今後も大きな伸びは期待できない状況が続くものと見られ、加えて顧客嗜好の多様化が進み、今後ますます企業間の競争は激しくなると認識しております。

当社グループは、第一次産業から第三次産業までの領域で牡蠣の高付加価値化を図り、新しい牡蠣を通じた食文化の創造を目指しております。

  その実現のために、下記に掲げる事項を、対処すべき重要な課題としており、課題解決に向けて積極的に取り組ん

 でまいります。

 

(1) 店舗事業について

 不採算店舗の閉店は一巡したため、既存店舗の収益性の向上を図ります。今後も牡蠣の消費者の裾野を広げることを目的に、新規のお客様獲得とリピート率向上を目標に広報・宣伝・販促活動に努めてまいります。

 

(2) 卸売事業及び加工事業について

 当社は、店舗事業が主力でありますが、卸売事業にも注力し、販路を拡大することで、成長を目指してまいります。

また、加工事業収益化を目的に、岩手県の加工工場を本格稼動させ独自の自家製の牡蠣フライなどの加工品を店舗に提供していますが、今後より稼働率を上げ、外部への卸販売を拡大して、収益の向上に取り組んでまいります。

 

(3) 陸上養殖事業について

 ウィルスフリーの牡蠣の商品化に向け、現在、スモール・スケールでのプラントにて、研究開発を加速化しております。

 

(4) 人材の確保と育成及び定着化について

当社は、人材を最も重要な経営資源と位置づけ、優秀な人材の確保と育成及び定着化が今後の当社の成長にあたって不可欠であると認識しております。今までの即戦力となる中途採用に加え、将来の幹部人材の早期育成の為、新卒採用にも着手してまいります。

また、今後、国内外のグループ事業が増加することが見込まれることから、高い専門性を持ち、様々な課題に対処し、進化させることができる人材育成及び確保が必須と認識しております。

また、引き続き従業員の能力が最大限に発揮できる環境作りや研修制度の充実、さらに福利厚生を充実させた人事制度の刷新に取り組むことで、働き甲斐がある制度作りを進める方針であります。

 

(5) 衛生管理の強化、徹底について

外食業界においては、食中毒事故の発生や偽装表示の問題などにより、食の安全性に対する社会的要請は強くなっております。当社グループの各店舗、事業所では、衛生管理マニュアルに基づく衛生管理の徹底を行っており、また、定期的に本社衛生管理部門の人員による抜き打ち監査や外部検査機関による検査、さらにノロウィルス検査に関しては当社浄化センターへの牡蠣の入荷時及び出荷時における二重検査を行っております。今後も法改正等に対応しながら更なる衛生管理体制の強化を行っていく方針です。

 

(6) 内部統制の強化について

  当社は、株主の皆様をはじめとするステークホルダーに信頼され、支持される企業となるために、コーポレート・ガバナンスの積極的な取り組みが不可欠であると考えております。そのため、権限に基づく意思決定の明確化、内部監査及び監査等委員会の監査並びに監査法人による監査との連携を強化するほか、全従業員に対して、継続的な啓蒙、教育活動を行っていく方針です。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を以下のとおり記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に取り組む方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。

なお、本項記載のうち将来に関する事項は、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではなく、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済状況の変化について

 当社グループは、牡蠣を主体とするレストランであるオイスターバーの店舗事業を中心に展開しており、日本国内の景気変動の影響等が、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。特に、消費税の増税等に起因する個人消費の減速、原材料価格・人件費・賃料・水道光熱費・物流費等の上昇が、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2) 各種法的規制について

① 食品衛生管理について

 当社グループは、店舗事業につきましては、「食品衛生法」に基づき、所管保健所より飲食店営業許可を受けて、全ての店舗に食品衛生責任者を配置しております。衛生管理マニュアルに基づき厳格な衛生管理と品質管理を徹底しておりますが、食中毒などの衛生問題が発生した場合には、食材等の廃棄処分、営業許可の取消し、営業の禁止もしくは一定期間の営業停止処分、被害者からの損害賠償請求等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
 卸売事業につきましては、「食品衛生法」に基づき、所管保健所より魚介類販売許可を受けて、直営店舗及び一般飲食店への卸売販売を行っております。同免許は、子会社である株式会社海洋深層水かきセンターの富山入善センターで取得しておりますが、万一許可が取り消された場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

② 労働関連法令について

 当社グループは、店舗や浄化センターにおいて多数の短期間労働者を雇用しておりますが、これら短時間労働者の厚生年金などの社会保険適用範囲の拡大実施により、当社グループの社会保険料負担が増大すること等によって当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3) 主要食材(牡蠣)への依存について

 当社グループは、主力食材を牡蠣という特定食材に依存し、かつ、生牡蠣がメインとなるオイスターバー店舗の売上構成比が高い状況にあります。したがいまして、ノロウィルス等の疫病発生、食品衛生問題等によるブランド毀損、風評被害による消費控えなどの変化が発生した場合、牡蠣の販売数量低下により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4) 出退店政策について

 当社グループは、直営店舗による店舗展開を行っており、2019年3月31日現在、25店舗の営業を行っております。出店は高い集客が見込める都心部、主要ターミナル駅周辺にて実施しておりますが、新規出店におきましては、立地条件、賃貸条件、店舗の採算性などを勘案して出店を決定しているため、すべての条件に合致する物件が確保できない可能性があります。また、出店にかかわる賃貸借契約のほとんどが定期建物賃貸借契約となっており、採算性が確保されている店舗につきましても、期間満了により退店する可能性があります。店舗採算が不採算による退店を含めて、退店の際には減損損失の計上、各種契約の解除による違約金、退店時の原状回復費用等が想定以上に発生する可能性があります。これらが生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) 差入敷金について

 当社グループの店舗は賃借により出店等を行うことを基本方針としており、全ての店舗において敷金を差し入れております。この敷金は、退店時には貸主から返還されることになっておりますが、貸主の財政状態の悪化等により、差入敷金の一部又は全部が返還されない場合があり、これらが生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(6) 減損損失について

 当社グループは、今後とも収益性の向上に努める所存でありますが、店舗業績の不振や加工食品の販売不振等により、固定資産の減損会計による損失を計上することとなった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(7) 特定仕入先への依存について

 当社グループは、主要食材である牡蠣について、全国各地の生産者・漁協から直接仕入を行っております。当社グループとしましては、高品質の牡蠣の仕入が継続してできるよう生産者と一体となった養殖に取り組み、リスク分散を図っていく方針であります。しかしながら、天候不順をはじめ、海域の汚染状況など自然環境の悪化などにより、必要な牡蠣が十分に確保できなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(8) 人材の確保及び育成について

 当社グループは、優秀な人材の継続的な確保が重要な経営課題であります。このため、当社グループは、採用の仕組みを整え人材確保に努めるとともに、教育による育成を行っております。しかしながら、十分な人材の確保及び育成ができない場合、新規事業開発の遅れ、店舗での接客サービスの低下等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(9) 新規事業の展開について

 当社グループは、店舗事業が主力でありますが、牡蠣という食材の六次産業化を目指し収入源の多チャネル化を図るため、生産及び加工に係る新規事業を展開しております。生産におきましては、愛媛県南宇和郡愛南町における牡蠣の種苗生産、海面養殖を、また沖縄県久米島町における海洋深層水を利用したウィルスフリー牡蠣の生産を、加工におきましては、岩手県大槌町において牡蠣の加工食品を製造する工場が稼動させ早期の収益化を目指しております。しかしながら、計画通りに進捗しなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(10) 商標管理について

 当社グループは、「ガンボ&オイスターバー」、「オイスターテーブル」などの複数の店舗ブランドをはじめ、「大槌牡蠣ノ星」など複数の商標権の登録を行っております。当社グループが保有する商標について、第三者の商標権等を侵害している事実はありませんが、第三者の商標権を侵害していると認定され、その結果、使用差し止め、使用料、損害賠償等の支払いを請求された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(11) 個人情報の保護について

 当社グループは、店舗事業において会員向けポイント還元やイベントなどを行い、会員の個人情報をデータとして蓄積しております。これらの情報については、「個人情報保護に関する法律」を遵守すべく、データへのアクセス制限や外部からの侵入を防止するための方策をとっております。また、「個人情報保護方針」や「個人情報管理規程」を制定し、個人情報を取り扱う関係者に対して情報漏洩防止の徹底を啓蒙しております。

 しかしながら、内部管理体制の問題や外部からの侵入により、これらの情報が漏洩した場合には、信用低下や損害賠償等によって当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

(12) 売上高の季節変動について

 当社グループは、牡蠣を主食材とする店舗事業及び卸売事業を展開しており、食材に対する消費者の認識上、冬場である11月から3月に売上が偏重する傾向にあります。また、仕入原価も需給バランスが落ち着く冬場の方が低減されることから、損益面でも下半期に大きく偏重する傾向にあります。

 当社グループとしましては、夏場における岩牡蠣など、旬の牡蠣による新しい食べ方提案などにより需要の掘り起こしを図るとともに、加工事業などにより外食市場以外での収入源を確保することで、年間を通じて売上の平準化を目指していく方針としております。

 第19期(2019年3月期)における当社グループの四半期別売上高及び営業損失の構成は次のとおりであります。

区分

売上高(千円)

構成比(%)

営業利益又は

営業損失(千円)

構成比(%)

第1四半期

822,707

22.19

△61,576

290.51

第2四半期

875,133

23.61

△81,170

382.95

上期合計

1,697,840

45.80

△142,747

673.46

第3四半期

1,062,729

28.67

57,996

△273.62

第4四半期

946,419

25.53

63,554

△299.84

下期合計

2,009,148

54.20

121,551

△573.46

通期合計

3,706,989

100.00

△21,196

100.00

 

 

(13) 自然災害等について

 当社グループの25店舗は、全国に展開しておりますが、このうち16店舗を関東エリアで展開しております(2019年3月31日現在)。したがいまして、地震・台風などの自然災害や大雪などの局地的な気象状況の影響により、店舗の営業休止や縮小等が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 また、上記の自然災害に起因して、電力・ガス・水道等の使用の制限、消費者の消費意欲の低下といった影響が生じた場合にも、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(14) 競合について

 外食業界は、参入障壁が低く新規参入が多い一方で、少子高齢化の流れの中で外食市場全体は横這いという状況下で激しい競合状態が続いています。その中で当社グループは、取扱食材として極めて高いレベルでの安全性が求められる牡蠣を扱っていますが、その安全性は、ノウハウなどのソフト面のみならず、浄化施設を自社保有するハード面の両面を兼ね備えることで、競争優位性の確保を図っております。しかしながら、今後、当社グループと同レベルのソフト及びハード機能を持つ店舗が出現した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(15) 配当政策について

 当社では、株主に対する利益還元を経営上の重要課題と認識しており、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案して、利益還元策を決定していく所存であります。しかしながら、当社は当期純損失を計上しており、未だ内部留保が充実しているとは言えず、創業以来配当を行っておりません。現在は内部留保の充実を図り、事業の効率化と事業拡大のための投資等に充当し、なお一層の事業拡大を目指す方針であり、将来的には、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案しながら株主への利益の配当を検討する方針であります。しかしながら、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。

 

(16)継続企業の前提に関する重要事象等

当社グループは、前連結会計年度において営業損失160,463千円、経常損失173,752千円、親会社株主に帰属する当期純損失293,864千円を計上し、当連結会計年度においても営業損失21,196千円、経常損失18,441千円、親会社株主に帰属する当期純損失269,680千円を計上しております。

これらの状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しておりますが、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2).②.d.事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対応策」に記載のとおり、当該状況の改善に全力を挙げて取り組んでまいります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、企業業績や雇用情勢の改善を背景に緩やかな回復基調が続いてまいりましたが、米中貿易摩擦の影響や英国のEU離脱問題等の海外の政治動向は不確実性を増しており、景気の先行きは不透明な状況で推移しております。

外食業界におきましては、依然として消費者の節約志向が続く中、原材料価格の上昇や人材不足による人件費関連コストの上昇など、厳しい経営環境が続いております。

このような環境のもと、当社グループでは、牡蠣を安全に長期保存する先端技術で、特許を新たに取得するなど、種苗、生産、加工、販売に至るまでの、安全を軸とした高品質な牡蠣の六次産業化をさらに具現化すべく、取り組みを強化しました。また既存店舗の更なる強化とともに、不採算店の閉店も行い通期EBITDAの黒字化を達成し、ビジネスの回復を加速し将来の成長の礎を築きました。加えて、卸売事業の海外販路探索や陸上養殖の実証実験など、中長期的取り組みも推進しました。さらに、前期まで稼動に至っていなかった加工工場の本格稼動開始に成功しました。もっとも、足許の状況及び今後の見通しなどを踏まえて、加工工場関連資産を主とする共用資産からの将来の回収可能性を合理的かつ保守的に見積もりました。その結果、2019年3月期に資産の一部を減損しました。これをもってグループ全体の建て直しと減損会計による将来の追加損失リスクが低減しました。 

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末における総資産は1,765,993千円となり、前連結会計年度末と比較して664,449千円の減少とな

りました。

 当連結会計年度末における負債は1,450,492千円となり、前連結会計年度末と比較して377,956千円の減少となり

ました。

 当連結会計年度末における純資産は315,500千円となり、前連結会計年度末と比較して286,493千円の減少となり

ました。

 

b.経営成績

当連結会計年度の経営成績は、不採算店舗の閉店により店舗数が減少しているため、売上高3,706,989千円(前年同期比3.8%減)となっておりますが、不採算店舗の閉店及び本部経費の圧縮等、採算性向上に努め、営業損失21,196千円(前年同期は営業損失160,463千円)、経常損失18,441千円(前年同期は経常損失173,752千円)となりました。また、当グループの保有する加工工場関連資産を主とする共用資産等の減損損失による特別損失354,804千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失269,680千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失293,864千円)となりました。

 

なお、セグメントの概況は以下のとおりです。以下の売上高の数値はセグメント間の取引消去前となっております。

セグメントと事業の内容の関係性は次のとおりです。

(a)「店舗事業」は、直営店舗事業、新規業態店舗事業、富山入善ヴィレッジ事業の店舗から構成されます。

(b)「卸売事業」は、卸売事業から構成されます。

(c)「浄化・物流事業」は、富山入善ヴィレッジ事業の浄化・物流事業から構成されます。

(d)「その他」は、種苗及び海面養殖事業、陸上養殖事業、加工事業及び岩手大槌ヴィレッジ事業から構成されます。

(a) 「店舗事業」

当連結会計年度においては、2018年5月にKITTE博多の「ウォーターグリルキッチン」、2018年7月に東京ガーデンテラス紀尾井町の「ウォーターグリルキッチン」及び2019年3月に二子玉川ライズの「ガンボ&オイスターバー」を閉店しました。また、2019年1月よりアミュプラザ博多の「ステーションオイスターバー」は店舗移転リニューアルのため休業しております。この結果、2019年3月末日現在の店舗数は25店舗となっております。

一方、ウォークイン(飛込客)に依存した集客から予約による集客強化(具体的には、ホームページ等からのWEB予約強化や一部店舗の電話予約システム導入)により、既存店売上が2018年11月以降前年比プラスに転じております。

以上の結果、店舗事業における売上高3,424,195千円(前年同期比4.4%減)、セグメント利益412,078千円(前年同期比32.9%増)となり、各取り組みが利益改善に大きく貢献いたしました。

(b) 「卸売事業」

取引先の開拓に努め取引顧客数は増加しているものの、競合他社増加による競争激化や大口顧客の閉店等の影響を払拭するには至らず、売上は前年とほぼ同水準となりました。

 以上の結果、卸売事業における売上高は252,168千円(前年同期比0.2%減)、セグメント利益102,935千円(前年同
  期比2.1%減)となりました。また、中長期的な成長のために、海外販路探索も継続して実施いたしました。

(c) 「浄化・物流事業」

浄化・物流事業では、牡蠣の各産地から富山の浄化センターに入荷し、自社店舗及び卸売先への出荷を行っております。また牡蠣の入荷時及び出荷時の衛生検査も実施しており、牡蠣の安全性確保、店舗及び卸売先への安定供給を支え、当社グループの安全・安心を担保する事業です。当社グループにおけるコストセンターの位置づけであり、費用を予算によりコントロールするマネジメントを行っております。当連結会計年度において、費用はおおむね想定水準であります。

以上の結果、浄化・物流事業における売上高は553,045千円(前年同期比0.3%減)、セグメント損失198,069千円(前年同期はセグメント損失176,013千円)となりました。

(d) 「その他」

当期は主に海面養殖の自社養殖岩牡蠣及び加工製品を自社店舗に出荷したことから売上が計上されております。陸上養殖は未だに研究段階であり、費用計上のみとなっております。

以上の結果、その他の事業における売上高は129,456千円(前年同期比40.4%増)、セグメント損失153,254千円(前年同期はセグメント損失136,095千円)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ308,141千円減少し、131,616千円となりました。
 当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
 
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動により使用した資金は77,833千円(前連結会計年度は、95,919千円の使用)となりました。これは主として、税金等調整前当期純損失が311,594千円、減価償却費93,508千円、減損損失354,804千円、棚卸資産の増加額56,304千円及び未払消費税等の減少額44,228千円によるものです。
 
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動から使用した資金は72,722千円(前連結会計年度は、121,192千円の獲得)となりました。これは主として、陸上養殖施設等に伴う有形及び無形固定資産の取得による支出66,092千円及び固定資産除却による支出48,770千円、国庫補助金による収入25,105千円によるものです。
 
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動から使用した資金は157,586千円(前連結会計年度は、353,516千円の獲得)となりました。これは主として、借入金の返済による支出102,632千円、割賦債務の返済による支出58,994千円によるものです。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

 a. 仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

店舗事業(千円)

1,154,379

△4.8

卸売事業(千円)

164,800

△3.0

浄化・物流事業(千円)

578,237

+6.0

その他(千円)

121,797

+144.3

合計(千円)

2,019,214

+2.0

 

(注) 1.金額は仕入価格であり、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 b.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

店舗事業(千円)

3,424,195

△4.4

卸売事業(千円)

252,168

△0.2

浄化・物流事業(千円)

553,045

△0.3

その他(千円)

129,456

+40.4

内部取引調整額(千円)

△651,876

合計(千円)

3,706,989

△3.8

 

(注) 1.金額は販売価格であり、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.「内部取引調整額」は、主にセグメント間取引であります。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4.総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がありませんので、主要な販売先の記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

   経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

   文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。

その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

 (資産の部)

当連結会計年度末における総資産は1,765,993千円となり、前連結会計年度末と比較して664,449千円の減少となりました。資産減少の主な要因は、現金及び預金が308,141千円減少したこと、及び有形固定資産が383,798千円減少したことによるものです。

(負債の部)

当連結会計年度末における負債は1,450,492円となり、前連結会計年度末と比較して377,956千円の減少となりました。負債減少の主な要因は、その他流動負債が72,593千円減少したこと、長期借入金が135,254千円減少したことによるものです。

(純資産の部)

当連結会計年度末における純資産は315,500千円となり、前連結会計年度末と比較して286,493千円の減少となりました。純資産増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により、利益剰余金が269,680千円減少したことによるものです。

 

b.経営成績の分析

(a) 売上高

当連結会計年度の売上高は3,706,989千円(前連結会計年度比3.8%減少)となりました。

当社グループの報告セグメントごとの内訳は、店舗事業が3,424,195千円、卸売事業が252,168千円、浄化・物流事業が553,045千円、その他129,456千円、調整額△651,876千円となっております。

店舗事業は、不採算店舗の閉店による減収があったものの、既存店においては売上高が回復したことから、売上高は4.4%減にとどまりました。

卸売事業は、大口顧客の閉店等の影響が残っており、取引先の開拓に努め顧客数が増加し取引店舗数は前年同期を超えましたが、売上高は前年とほぼ同水準となりました。

浄化・物流事業は、浄化センターにおける浄化した牡蠣を当社グループ店舗に、またグループ内の卸売会社に、出荷していることが主な売上となっております。また富山県の浄化センター近隣での地方創生イベントにも参加しており、売上が計上されております。

その他事業は、海面養殖の自社養殖岩牡蠣及び加工製品を自社店舗に出荷したことから売上が増加しております。

(b) 営業損失

当連結会計年度の営業損失は21,196千円(前連結会計年度は営業損失160,463千円)となりました。

当社グループの報告セグメントごとの内容は、店舗事業のセグメント利益412,078千円、卸売事業のセグメント利益102,935千円、浄化・物流事業のセグメント損失198,069千円、その他のセグメント損失153,254千円となり、合計でセグメント利益163,688千円となっております(営業利益との差額は、報告セグメントに含まれないセグメント及び各報告セグメントに配分していない全社費用となります)。

店舗事業は、不採算店舗閉店により赤字要因が減少したことに加え、原材料費、人件費の適切なコントロールができたこと、経費削減効果、及び前期に行った固定資産の減損により減価償却負担が軽減されたことにより、大幅な営業利益の増加につながりました。
 卸売事業は、利益率の高い商品が売れたこともあり、売上の減少に比して、営業利益は微減にととどまりました。

浄化・物流事業は牡蠣の各産地から富山県の海洋深層水浄化センターに入荷し、当社グループ店舗及び卸売先への出荷を行っております。また牡蠣の入荷時及び出荷時の衛生検査も実施しており、牡蠣の安全性確保、当社グループ店舗及び卸売先への安定供給を支え、当社グループの安全・安心を担保する事業です。当社グループにおけるコストセンターの位置づけであり、費用を予算によりコントロールするマネジメントを行っております。2016年9月に、業務の集約化、効率化の観点から、広島の浄化センターを閉鎖し、富山の浄化センターに統合したこともあり、前年同期に比べ販売費及び一般管理費が減少しております。

その他事業は、種苗及び海面養殖事業の種苗及び海面養殖に係る費用、陸上養殖にかかる研究開発費、加工事業の運営費用、海外輸出の営業費用が計上されております。

その他、各報告セグメントに配分していない全社費用184,884千円が発生いたしました。

 

(c) 経常損失

当連結会計年度の経常損失は18,441千円(前連結会計年度は経常損失173,752千円)となりました。これは、主に営業外費用として借入れによる支払利息9,949千円を計上したことによるものです。

 

(d) 親会社株主に帰属する当期純損失

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は269,680千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失293,864千円)となりました。これは、当期において減損損失等の特別損失354,804千円の計上をしたことによるものです。

 

c.キャッシュ・フローの分析

  キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載

 しております。

 なお、当社の資本の財源及び資金の流動性について、当面は財源を厚くするために、金融機関からの借入や資本による調達も継続して検討してまいります。

d.事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するた

  めの対応策

当社グループは、前連結会計年度において営業損失160,463千円、経常損失173,752千円、親会社株主に帰属する当期純損失293,864千円を計上し、当連結会計年度においても営業損失21,196千円、経常損失18,441千円、親会社株主に帰属する当期純損失269,680千円を計上しております。

これらの状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

この事象を解消するための対応策は以下のとおりです。 

(a)事業について

イ.店舗事業

     効果的な販売施策、CRMの徹底、ブランド認知の向上を行い、より一層の収益性の向上に努めます。また岩手

    県の加工工場を利用した自社グループ生産や原材料仕入方法の見直しによる原価低減、シフト管理の徹底によ 

    る人件費抑制、備品消耗品をはじめとした経費削減にも努めてまいります。

ロ.卸売事業

          取引先の開拓に努め取引顧客数を継続的に増加させていくことに加え、大口顧客の開拓にも尽力してまいり

        ます。また、岩手県の加工工場を活用した加工食品の販売を拡大してまいります。さらに、海外向けの輸出量

        を拡大させるべく販路開拓に努めてまいります。

ハ.浄化・物流事業

           浄化センターにおける業務の効率化、及び物流の最適化を図り、費用削減を行ってまいります。

二.持株会社

業務の効率化、及び必要機能の見直し等の経営合理化を行い、費用削減を行ってまいります。

 

(b) 財務基盤の安定化

     資本業務提携先のTRYFUNDS INVESTMENT投資事業有限責任組合と協議を行い、調達資金の有効な活用、及び早

    期の営業黒字化に向けてアドバイスを頂き、実行していくことで、財務基盤の安定化を図ってまいります。

     しかし、これらの対応策の効果の発現については、関係先との明確な合意を要する事案もあり、すべてを確

    定するに充分な状況には至っておらず、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
     なお、連結財務諸表は、継続企業を前提として作成されており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の

    影響を連結財務諸表に反映しておりません。

 

4 【経営上の重要な契約等】

   該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

 (1) 研究開発戦略

当社グループの研究開発戦略は、「海洋深層水を用いたウィルスフリーの牡蠣の陸上養殖」を軸としております。

ウィルスフリーの牡蠣の陸上養殖とは、ノロウィルスに代表される食中毒の原因となるウィルスに汚染されていない牡蠣を陸上養殖することです。牡蠣に代表される二枚貝がウィルスに感染する経路は、ウィルスが残留している生活排水が海の表層海域に流入した際に、養殖されている牡蠣がウィルスを取り込むケースや、牡蠣の餌となるプランクトンがウィルスを取り込み牡蠣体内に入るケースといわれております。特に、ノロウィルスは、牡蠣の消化器官の中腸線細胞に特異結合した場合には、無菌海水を体内に循環させて浄化しても排出除去できないことが分かっております。当社グループは、この感染経路中の表層海域という点に注目し、ウィルスが存在せず清浄な海水である深度200m以深の海洋深層水を利用して陸上において取水した海洋深層水で牡蠣を養殖することを目指して沖縄県久米島で実証実験を行っております。

現在は、ウィルスフリーの牡蠣の商品化に向け、スモール・スケールでのプラントで、研究開発を加速化しております。

  

(2) 研究体制

 海洋深層水を用いた環境安全型ウィルスフリー牡蠣の陸上養殖は、連結子会社の株式会社ジーオー・ファームにおいて行っており、外部の専門家や研究者の知見を取り入れながら研究を行っております。

 

(3) 連結会計年度における研究開発費

研究開発費の総額は51,141千円であります。